| 【発明の名称】 |
バーナブル・ポイズン取扱工具 |
| 【発明者】 |
【氏名】中筋 広順
【氏名】北川 裕士
|
| 【要約】 |
【課題】バーナブル・ポイズン取扱工具において、コーム駆動機構の簡素化と、工具全体のサイズの小形化を達成し、燃料集合体への設置を容易にし、コーム駆動を小さな力で行うことを可能ならしめる。
【解決手段】直交して対面する各2枚のコーム1,2及び3,4を含むバーナブル・ポイズン取扱工具において、対面する2枚のコーム1,2を上側から水平方向に向かって回転加納に形成し、一方、上記コームに直交する他の2枚の対面するコーム3,4を下側から水平方向に向かって回転可能に形成して、1本の駆動軸9で上記直交する各2枚のコーム1,2及び3,4を回転させ、上側から回転して来た2枚のコームと、下側から回転して来た2枚のコームを接触させて停止させ、水平位置でのストッパを不要ならしめた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】直交して対面する各2枚のコームを含むバーナブル・ポイズン取扱工具において、対面する2枚のコームを上側から水平方向に向かって回転可能に形成し、一方、上記コームに直交する他の2枚の対面するコームを下側から水平方向に向かって回転可能に形成して、1本の駆動軸で上記直交する各2枚のコームを回転させ、上側から回転して来た2枚のコームと、下側から回転して来た2枚のコームを接触させて停止させ、水平位置でのストッパを不要ならしめたことを特徴とするバーナブル・ポイズン取扱工具。 【請求項2】直交する各2枚のコームの両側端に夫々小傘歯車を取り付け、該小傘歯車を1本の駆動軸ならびにアイドル軸に取り付けられた大傘歯車と噛合させて1本の駆動軸でアイドル軸の大傘歯車ならびにコームの小傘歯車を介してコームを駆動せしめる請求項1記載のバーナブル・ポイズン取扱工具。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は加圧水型原子力発電所で使用される燃料集合体の内挿物の1種であるバーナブル・ポイズン(BP)を出し入れし、取扱うための工具に関するものである。 【0002】 【従来の技術】加圧水型原子力発電所で使用される燃料集合体には過剰な反応度を中性子を吸収することにより抑制するため中性子吸収材を内蔵する制御棒の集合体(RCC)や、可燃性吸収材を内蔵する複数の可燃吸収棒から成る可燃吸収棒集合体(BP)及びシンブルプラグが内挿されるようになっており、それらRCC及びBP等を燃料集合体の制御棒案内管内において出し入れするためRCC取扱工具及びBP取扱工具が夫々の形状に応じて作製されている。なお、シンブルプラグは普通、後者で扱う。 【0003】このうち、BP取扱工具はコームと呼ばれるBP棒を位置決めする板が工具の下端に一個所設置されていて、BP棒を振れ止めしており、従来、エア・シリンダを用いた駆動系でコームの開閉を行っている。しかし、上記従来のBP取扱工具は、棒を位置決めするためのコームをエア・シリンダを用いて水平に駆動しているため、コームを開いた状態ではコームが燃料集合体のサイズよりも外に飛び出しており、さらにその駆動のためのエア・シリンダがそれより外側にあるのでサイズが非常に大きくなっている。 【0004】また、使用済燃料ピット内の使用済み燃料ラックで使用する際に、隣接するラックに、ラックから上にでるような背の高い構造物がある場合は、コームが干渉し、工具を使用できない欠点があった。また、工具が大きく、下が見えないため、工具全体を燃料集合体の真上に位置決めするのが極めて困難であった。そこで、そのようなサイズや燃料集合体への設置の問題を解消するため、図3に示すような位置決め時に矢示方向に4方向計4枚のコーム20が直立状態から内側へ倒れる方式のBP取扱工具が一部、使用されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、この倒れる方式の装置では、コーム20を1枚ずつ単独で動かすため4つの駆動機構が必要である。また、駆動軸が常にコームの自重による回転モーメントを受けていることになるため、そのモーメントに打ち勝つための駆動系が必要となる。更に、コームを倒した際に水平方向で正確に停止するためのストッパ機構21も必要となる。 【0006】本発明は上述の如き実状に対処し、特に棒を位置決めするためのコームの駆動機構に着目して、これを簡易化することにより同機構の簡素化と、工具全体のサイズの小形化を達成し、燃料集合体への設置を容易にし、コーム駆動を小さな力で行うことを可能ならしめることを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】即ち、上記目的を達成する本発明の特徴は、直交して対面する各2枚のコームよりなるバーナブル・ポイズン取扱工具において、対面する2枚のコームを上側から水平方向に向かって回転可能に形成し、一方、上記コームに直交する他の2枚の対面するコームを下側から水平方向に向かって回転可能に形成して、1本の駆動軸で上記直交する各2枚のコームを回転させ、かつ、上側から回転して来た2枚のコームと、下側から回転して来た2枚のコームを接触させて停止させ、水平位置でのストッパを不要ならしめた点にある。 【0008】請求項2に係る発明は上記における各コームの好ましい回転駆動機構であり、直交する各2枚のコームの両側端に夫々小傘歯車を取り付け、該小傘歯車を1本の駆動軸ならびにアイドル軸に取り付けられた大傘歯車と噛合させて1本の駆動軸でアイドル軸の大傘歯車ならびにコームの小傘歯車を介してコームを駆動せしめるようになしている。この駆動機構を利用することによってコームの駆動を非常に小さな力で行うことが可能である。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、更に添付図面を参照し本発明の具体的態様を詳述する。図1及び図2は本発明の要部に係るコーム駆動機構の1例であり、図1はコームを開いた状態、図2はコームを閉じた状態で示している。 【0010】これら図において、1,2は互いに直交して対面する2対のコームのうちの1対に係る2枚のコームであり、3,4は上記コーム1,2に直交する他の1対に係る2枚のコームである。 【0011】これら直交する2対の各コーム1,2、3,4には夫々、その両端側に小傘歯車5,5′、6,6′、7,7′、8,8′が取り付けられており、そのうち、1つの対向する小傘歯車、図では小傘歯車5,7にコームを駆動するための駆動軸9に取り付けられた大傘歯車10が噛み合っており、また、他の互いに対合する各小傘歯車5′,8、6,8′、6′,7′にはアイドル軸11,12,13に取り付けられた大傘歯車14,15,16が夫々噛み合っている。 【0012】そして、この場合、コーム1,2の小傘歯車5,5′、6,6′はコーム下面側両側に取着された軸先端に取り付けられ、一方、コーム3,4の小傘歯車7,7′、8,8′はコーム上面側両側に取着された軸先端に取り付けられて駆動軸9を上からみて時計回り方向に回転させると、各小傘歯車とアイドル軸の大傘歯車を介してコーム1とコーム2は上側から水平方向に向かって回転し、一方、コーム3とコーム4は下側から水平方向に向かって回転し、丁度、水平になったところで図2に示されるように上側から回転して来たコーム1,2と下側から回転して来たコーム3,4とが接触することで回転は停止し、お互いがストッパの役割を果たして、コームの水平位置停止のため従来のように別途ストッパ機構を設ける必要がなくなる。 【0013】なお、上記コームが回転している途中ではコーム1とコーム2は重力で水平方向に向かって回転するようなトルクを発生し、一方、コーム3とコーム4は重力で水平方向から遠ざかる方向に回転するようなトルクが発生する。しかし、コーム1,コーム2と、コーム3,コーム4は夫々小傘歯車が取り付けられていて、これら小傘歯車を介して駆動軸9またはアイドル軸11,12,13の大傘歯車14,15,16に噛み合っているので、コーム1,2が発生するトルクと、コーム3,4が発生するトルクが打ち消し合って駆動系には重力に打ち勝つようなトルクは特に必要なく、単純にコームを回転させるためだけの、ごく僅かなトルクでコームの開閉を行うことができる。このとき、駆動軸は1本で、この1本の駆動軸で4枚のコームを駆動することができるので、機構が非常に簡素化される。 【0014】かくして、上記コーム駆動機構を用いて燃料集合体の大きさとほぼ等しいBP取扱工具を製作することができる。また、上記機構はコームを使った制御棒クラスタ(RCC)取扱工具や、BP・RCC共用の取扱工具にも採用することができる。 【0015】 【発明の効果】本発明は以上のように、バーナブル・ポイズン取扱工具において、1本のコームの駆動軸で、対面する2枚のコームを上側から水平方向に向かって回転させ、それらのコームに直交する2枚のコームを下側から水平方向に回転させるようにしたものであり、1本の駆動軸の回転により各コームは回転し、上側から回転して来たコームと、下側から回転して来たコームが水平になったところで接触して停止するため、従来の如くコームの水平停止のために別途ストッパ機構を設ける必要がなく、しかも、上側からのコームと下側からのコームが夫々発生するトルクが打ち消し合うため僅かなトルクでコームの開閉ができ、更に1本の駆動軸で4枚のコームを駆動するため機構が極めて簡素で、工具全体のサイズを小さくすることができて燃料集合体への設置を頗る容易ならしめる顕著な効果を有している。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000165697 【氏名又は名称】原子燃料工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年7月25日(2000.7.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066496 【弁理士】 【氏名又は名称】宮本 泰一
|
| 【公開番号】 |
特開2002−40183(P2002−40183A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月6日(2002.2.6) |
| 【出願番号】 |
特願2000−223358(P2000−223358) |
|