| 【発明の名称】 |
原子炉用燃料集合体の下部構造及び燃料集合体用シンブルスクリュー |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 昌彦
【氏名】森 政次
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| 【要約】 |
【課題】加圧水型原子炉用燃料集合体において、案内シンブルと下部ノズルとを連結するシンブルスクリューを改良して、非核燃料炉心構成体の冷却機能と、スクラム時の冷却材流制限機能とを共に良好に達成する。
【解決手段】制御棒を案内するための案内シンブルと下部ノズルを有する燃料集合体において、案内シンブルの下端部と下部ノズルとを連結するシンブルスクリュー30は、該案内シンブルに螺合するねじ面41を備えた中央軸部33と前記下部ノズルの取付穴よりも大径の頭部31と弁部35とを有している。中央軸部33は、軸方向に延びる貫通通水孔53を導孔43とを内部に備え、弁部35は弁箱45と内部の弁球47とを備え、冷却材の上向き流Fを許し、下向き流を制限するようになっている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上部ノズル、下部ノズル、該両ノズルにそれぞれ両端が連結され互いに平行に延びる複数の制御棒案内管、該案内管に間隔を置いて設けられた複数の支持格子及び該支持格子の格子開口に個別に挿通され支持された複数の燃料棒を有する燃料集合体において、前記案内管を前記下部ノズルに連結するシンブルスクリューには通水孔が貫通形成されると共に逆止弁類似機能が付与されている原子炉用燃料集合体の下部構造。 【請求項2】 原子炉用燃料集合体の制御棒案内管と下部ノズルを連結するシンブルスクリューであって、該案内管に螺合するねじ面と前記下部ノズルの取付穴よりも大径の頭部とを有し、軸方向に延びる貫通通水孔を内部に備え、該通水孔の入口側又は出口側に上向き流を許し、下向き流を制限する弁部が形成された燃料集合体用シンブルスクリュー。 【請求項3】 原子炉用燃料集合体の制御棒案内管と下部ノズルを連結するシンブルスクリューであって、該案内管に螺合するねじ面と前記下部ノズルの取付穴よりも大径の頭部とを有し、内部を軸方向に延びる貫通通水孔と該通水孔の下側の座ぐり穴を備え、該座ぐり穴を横切って廻り止めピンが設けられ、該通水孔、該座ぐり穴及び該廻り止めピンの直径をそれぞれa,b,cとしたとき、(a−b)/2 < aの関係を保持する燃料集合体用シンブルスクリュー。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は燃料集合体に関し、特に加圧水型原子炉用の燃料集合体の下部構造に関する。 【0002】 【従来の技術】現在、発電用として広く使用されている原子炉に加圧水型原子炉があるが、それに用いられる燃料集合体は、ラッパー管のないキャンレス燃料集合体が一般である。この構造を概説すると、複数の冷却材貫流穴を備えた上部ノズル及び下部ノズルが、互いに平行な関係で延びる複数の制御棒案内管によって連結されている。即ち、制御棒案内管所謂案内シンブルの上端は上部ノズルに機械的に結合され、案内シンブルの下端も下部ノズルに機械的に結合されている。このような案内シンブルは、制御棒クラスタの細長い制御棒を1本ずつ受け入れるものである。燃料集合体の炉心内装荷位置によっては、制御棒がその位置になく受け入れないが、その場合はシンブルプラグや可燃性毒物棒などの非燃料炉心構成体を受け入れる。このような案内シンブルには、複数の支持格子が取り付けられ、その格子開口の中に燃料棒を受け入れて弾性的に支持するようになっている。 【0003】以上概説した燃料集合体の構造の内、案内シンブルと下部ノズルとの連結部の構造を図9及び図10を参照してより具体的に説明する。先ず図9を参照するに、中空管形状の案内シンブル1の下端には、内ねじ付き端栓3が取り付けられ、これらにはインサート5と称する有底円筒体が被せられている。案内シンブル1の下方に位置する下部ノズル7には段付きの貫通取付穴9があり、ここにシンブルスクリュー11と称する締結ボルトが挿通されている。シンブルスクリュー11には貫通通水穴13が穿設されていて、炉心内で使用中に冷却水の貫流を許すようになっている。そこではシンブルスクリュー11の先端部のねじは端栓3の内ねじに螺合し、インサート5を確りと挟持すると共に下部ノズル7と案内シンブル1とを連結している。シンブルスクリュー11の頭部にはピン溝が形成され、ここに廻り止めピン15が挿着され、下部ノズル7に溶接固定される。一方インサート5には、下部支持格子17が固定されている。貫通通水穴13の下端部には、座ぐり穴19が削成され、廻り止めピン15は冷却水の貫流を邪魔しない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】前述した従来の構造において、シンブルスクリュー11の貫通通水穴13は、炉心内において冷却材を案内シンブル1内に導くものであり、導入された冷却材はそこに取り付けられた非燃料炉心構成体を冷却する。又、内部の冷却材を外に出す水抜き穴としても機能する。更には、原子炉運転中の緊急時に制御棒が自由落下により案内シンブルに緊急挿入されるが、その際の落下衝撃を緩和するために内部冷却材の流出速度を制限する絞りとしても機能する。換言すれば、前述の冷却機能の確保のためには貫通通水穴13の径は大きい程良いが、絞り機能の確保にはその径は小さい方が良いという相反する性質を持っている。このため、貫通通水穴13に許される径の範囲が小さく、屡々一方の機能をある程度犠牲にせざるを得ないという問題があった。又、貫通通水穴13の下側入口部に廻り止めピンが位置する構造となっている。そう頻繁にあることではないが、冷却材に異物が伴流していて貫通通水穴13に流入して詰まると、前述の両機能がいずれも確保できないという危険性がある。従って、本発明の課題は、前述の冷却水導入機能と絞り機能とを同時的に達成できる下部構造を備えた燃料集合体を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するため、本発明によれば、上部ノズル、下部ノズル、該両ノズルにそれぞれ両端が連結され互いに平行に延びる複数の制御棒案内管、該案内管に間隔を置いて設けられた複数の支持格子及び該支持格子の格子開口に個別に挿通され支持された複数の燃料棒を有する燃料集合体において、前記案内管を前記下部ノズルに連結するシンブルスクリューには通水孔が貫通形成されると共に逆止弁類似機能、即ち通常の冷却材上向き流を許すが、その下向き流を制限する弁機能、を呈する構成が形成されている。このような構成は、好適にはシンブルスクリューを軸方向に貫通する通水孔の入口部又は出口部に若干広めの空間を画成し、その中に小径の弁球を浮動自在に配置することによって得られる。 【0006】 【発明の実施の形態】以下添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。尚、全図にわたり、同一の部分には同一の符号を付している。先ず図1を参照して本発明に係る燃料集合体20の全体構造を説明する。上部ノズル21は、水平断面がほぼ正方形の有底箱状構造物で底板に相当する端板に複数の冷却材流れ穴と案内シンブル用取付穴が形成されている。加えてその上部には、押圧ばね21aが取り付けられている。下部ノズル23は、平面図形状がほぼ正方形の天板部乃至端板を有し、ここに複数の冷却材流れ穴と案内シンブル用取付穴が形成されている。そして、端板の四隅下面には脚部23aがそれぞれ一体的に突出形成されている。これらの上部ノズル21と下部ノズル23は、前述の取付穴を利用して中空管形状の複数の案内シンブル25の上端及び下端にそれぞれ連結されている。案内シンブル25の下端部には、前記案内シンブル1の場合と同様に内ねじ付き端栓が固定されている。このような案内シンブル25には、1個の上部支持格子27と7個の中間支持格子28とが間隔を置いて取り付けられ、更に下部支持格子29も従来のような連結構造で取り付けられている。なお、中間支持格子28の数は適宜増減されうるものであると理解されたい。そして、上部支持格子27、中間支持格子28及び下部支持格子29の整列した格子開口に1本ずつ燃料棒26が挿通支持され、このようにして燃料集合体20が形成されている。 【0007】次に案内シンブル25と下部ノズル23を連結する本発明に係るシンブルスクリュー30の構造を図2及び図3を参照して説明する。シンブルスクリュー30の全体構造が図2に示されているが、大きく分けて3つの部分、即ち頭部31、中央軸部33及び先端の弁部35から形成されている。更に細部の構造を説明すると、頭部31には廻り止めピン用ピン溝37が削成され、且つ座ぐり穴39も穿設されている。中央軸部33には、案内シンブル25の図示しない端栓に螺合するねじ面41が形成され、内部に相対的に大きい径の導孔43が座ぐり穴39に連続して穿設されている。弁部35は中央軸部33に一体的に接続した小外径の円筒形弁箱45と内部の小径の弁球47とから形成されている。そして、特に図3に明確に示すように、弁箱45には開口部49が形成され、これは図2に示すように門形に延びている。弁箱45内の中空部51は、小径の通水孔53を介して導孔43に連絡し、通水孔53の上端部には截頭逆円錐面55が形成されている。 【0008】前述のシンブルスクリュー30を組み込んだ燃料集合体20を使用する場合、通常の運転時には原子炉冷却材即ち軽水が下方から上向きに流れ、矢印Fに示す如く、座ぐり穴39、導孔43、通水孔53、中空部51の順に流れ、開口部49から案内シンブル25の下部に流入する。この場合、弁球47は水流に押されて浮上し、弁箱45の天井部に張り付いた形となり、冷却材の流れを妨げないから、十分な冷却機能が得られる。これに対し、図示しない制御棒が案内シンブル25内に急速挿入されると冷却材は図4に示す矢印Fのように流れる。従って、弁球47は自重と下向き流の作用により截頭逆円錐面55に接するが、その幾何学的形状の差から微小の冷却材が貫通する。このようにして、絞り機能が達成される。 【0009】次に、本発明に係る別のシンブルスクリューの構造を図5及び図6を参照して説明する。図5にシンブルスクリュー60の全体構造が示されているが、頭部61と軸部63を有し、弁部は頭部61内に形成されている。図示しない案内シンブル25の端栓に螺合するねじ面65が軸部63に形成され、又通水孔67が軸部63を軸方向に貫通して穿設されている。一方、頭部61内には、座ぐり穴69が形成され、螺合された廻り止めプラグ71により閉じられている。廻り止めプラグ71の上面には截頭逆円錐面73、座ぐり穴69の上面には截頭円錐面75がそれぞれ削成され、それらの間に小径の弁球77が入れられている。更には、通水孔67の下端部に隣接して案内孔79が形成され、廻り止めプラグ71にも貫通孔81が形成されている。このようにして、座ぐり穴69内に入れられた弁球77は、上下方向に移動可能であり、後述するように弁機能を呈する。一方、廻り止めプラグ71には、貫通孔81を横切ってピン溝83が穿設され、組立完了後に図示しない廻り止めピンが挿入され、溶接固定される。 【0010】前述のシンブルスクリュー60を組み込んだ燃料集合体20を使用する場合もシンブルスクリュー30の場合と同様に、通常の運転時には原子炉冷却材が下方から上向きに流れ、矢印Fに示す如く、貫通孔81、座ぐり穴69、案内孔79、通水孔67の順に流れ、案内シンブル25の下部に流入する。この場合、弁球77は水流に押されて浮上し、座ぐり穴69の天井部に張り付いた形となるが、案内孔79があるために冷却材の流れを妨げず、十分な冷却機能が得られる。これに対し、図示しない制御棒が案内シンブル25内に急速挿入されると冷却材は図7に示す矢印Fのように流れる。従って、弁球77は截頭逆円錐面73に接するが、その幾何学的形状の差から微小の冷却材が貫通する。このようにして、絞り機能が達成される。 【0011】次に更に別のシンブルスクリューの実施形態を図8を参照して説明する。図8において、シンブルスクリュー90は頭部91と軸部93を有する。軸部93の外面には、図示しない案内シンブル25の端栓に螺合するねじ面95が形成され、更に直径aの通水孔97が軸方向に延びて穿設されている。この直径aは、冷却材の流入量を調整するように選定されている。一方頭部91内には、直径bの座ぐり穴99が穿設され、中間の直径の導孔98を介して通水孔97に連絡している。更には直径cの廻り止めピン94が径方向に延びて座ぐり穴99内に設けられている。そしてこれらの直径a,b,cは、(a−b)/2 < aの関係を保持している。そして、このような関係から、通水孔97の直径aより大きい異物の流入は、シンブルスクリュー90の入口で流入が阻止される。 【0012】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば制御棒案内管へ流入する冷却材の量はシンブルスクリューの通水孔の寸法により規制され、又シンブルスクリューを通って流出する冷却材の量は弁部の形状によって規制されるから、それぞれ好適な寸法が維持され、冷却機能と絞り機能とを好適に保持することができる。又、異物の侵入も防止され、前記両機能が常に確保される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年7月28日(2000.7.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100057874 【弁理士】 【氏名又は名称】曾我 道照 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−40182(P2002−40182A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月6日(2002.2.6) |
| 【出願番号】 |
特願2000−228643(P2000−228643) |
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