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【発明の名称】 使用済核燃料再処理用有機溶媒の洗浄方法
【発明者】 【氏名】島田 隆

【氏名】石田 安弘

【氏名】小雲 信哉

【氏名】石原 伸夫

【要約】 【課題】使用済核燃料再処理工程に使用される有機溶媒の洗浄再生操作を単純化し、処理及び設備のコストを低減する。

【解決手段】使用済核燃料再処理用有機溶媒の洗浄方法では、使用済燃料の再処理工程1の抽出に使用された劣化溶媒含有使用済有機溶媒3と洗浄水溶液21を混合23させて混合液25を得、混合液25に超臨界二酸化炭素27を接触させて有機溶媒を該超臨界二酸化炭素27に溶解させると共に劣化溶媒を含む水溶液を廃液31として分離し、しかる後有機溶媒を溶解した前記超臨界二酸化炭素33に減圧分離操作35を施して二酸化炭素37と有機溶媒とに分離する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 使用済核燃料再処理工程の抽出に使用された劣化溶媒含有使用済有機溶媒と洗浄水溶液を混合させて混合液を得、該混合液に超臨界流体を接触させて有機溶媒を該超臨界流体に溶解させると共に劣化溶媒を含む前記水溶液を廃液として分離し、しかる後前記有機溶媒を溶解した前記超臨界流体に減圧分離操作を施して超臨界流体と有機溶媒とに分離する使用済核燃料再処理用有機溶媒の洗浄方法。
【請求項2】 使用済核燃料再処理工程の抽出に使用された劣化溶媒含有使用済有機溶媒に超臨界流体を接触させて該使用済有機溶媒を該超臨界流体に溶解させ、該使用済有機溶媒を溶解した該超臨界流体に洗浄水溶液を混合させて劣化溶媒を含む前記水溶液を廃液として分離し、しかる後前記有機溶媒を溶解した前記超臨界流体に減圧分離操作を施して超臨界流体と有機溶媒とに分離する使用済核燃料再処理用有機溶媒の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶媒の洗浄再生方法に関し、特に使用済核燃料の再処理に使用される有機溶媒の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軽水冷却型原子炉は現在広く使用されているが、その使用済燃料の再処理は、一般にピューレックス法で行われ、硝酸水溶液を用いて使用済燃料の細片を溶かす。硝酸水溶液に溶かされたウランやプルトニウムなどの有用物は、有機溶媒を用いて抽出され、再使用のため回収される。有機溶媒としては、例えばリン酸トリブチル(TBP)を溶かした炭化水素混合物が使用される。このような有機溶媒は一般に再生して循環使用されるが、前述のウランの抽出時等において、加水分解、放射線分解が生じ、これによる分解生成物を含んでいる。このような分解生成物は再処理工程において、ウラン、プルトニウムの回収率の低下、除染係数の低下、クラッド、エマルジョンの生成など、悪影響を及ぼすので例えば図5に示すように処理され、再生された有機溶媒が再使用される。即ち、図において、使用済燃料の再処理工程1から排出された使用済有機溶媒3に洗浄水溶液5a、5bを接触させ、分解生成物(以下劣化溶媒という。)を洗浄水溶液5a、5bに溶解させて廃液9a、9bとして分離する。再生有機溶媒11は、使用済燃料の再処理工程1へ戻されて使用される。洗浄水溶液5a、5bとしては、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ洗浄液ゃ、シュウ酸ヒドラジン水溶液、炭酸ヒドラジン水溶液などのソルトフリー試薬などが使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、使用済核燃料再処理工程において、有機溶媒中に生成される劣化溶媒は、種々あるためこれを洗浄水溶液を用いて除去しようとすると、そのための抽出操作が4回も必要となる。このため、処理操作が煩雑になると共に抽出器も4個必要となって装置も大型になるから、有機溶媒の洗浄処理コストも大きなものであった。従って、本発明の課題は、処理操作も簡単で、シンプルな設備でも実施できる使用済核燃料再処理用有機溶媒の洗浄方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するため、本発明の使用済核燃料再処理用有機溶媒の洗浄方法によれば、使用済核燃料再処理工程の抽出に使用された劣化溶媒含有使用済有機溶媒から劣化溶媒を分離するため、有機溶媒を選択溶解する二酸化炭素などの超臨界流体を使用する。即ち、本発明の一態様において、劣化溶媒含有使用済有機溶媒と洗浄水溶液を混合させて混合液を得、該混合液に超臨界流体を接触させて有機溶媒を該超臨界流体に溶解させると共に劣化溶媒を含む前記水溶液を廃液として分離し、しかる後前記有機溶媒を溶解した前記超臨界流体に減圧分離操作を施して超臨界流体と有機溶媒とに分離する。又、本発明の別の態様において、かかる劣化溶媒含有使用済有機溶媒に超臨界流体を接触させて該使用済有機溶媒を該超臨界流体に溶解させ、該使用済有機溶媒を溶解した該超臨界流体に洗浄水溶液を混合させて劣化溶媒を含む前記水溶液を廃液として分離し、しかる後前記有機溶媒を溶解した前記超臨界流体に減圧分離操作を施して超臨界流体と有機溶媒とに分離する。分離された有機溶媒は再生されたもので、使用済核燃料再処理工程の抽出に再使用できる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。尚、従来の技術に関する図面を含め、全図にわたり同一部分(物質、工程など)には、同一の符号を付している。図1を参照するに、使用済燃料の再処理工程1から出た使用済有機溶媒3に、洗浄水溶液21を加えて混合23する。この混合により、使用済有機溶媒3中の劣化溶媒は洗浄水溶液に溶け、有機溶媒と劣化溶媒を溶解した水溶液との混合液25が得られる。次に、混合液25に超臨界状態(圧力12〜20MPa、温度40〜60℃)のCO2(以下超臨界二酸化炭素という。)27を作用させ、有機溶媒を超臨界二酸化炭素に溶解29させる。この有機溶媒の溶解29により、劣化溶媒を溶解した水溶液は廃液31として分離される。有機溶媒を溶解した超臨界二酸化炭素33は次いで減圧分離操作35により10MPa以下の圧力に減圧され、有機溶媒は析出し、二酸化炭素37と再生有機溶媒11とに分離される。再生有機溶媒11は、図示されるように使用済燃料の再処理工程1に戻されて再使用され、又図示されていないが二酸化炭素37は再圧縮され、超臨界流体状態の超臨界二酸化炭素27に戻される。尚、前記実施形態においては、超臨界流体として二酸化炭素を用いたが、これに限定されるものではなく他の超臨界流体を用いても良い。
【0006】図2には、前述の工程を持つ有機溶媒洗浄再生方法を実施する設備の系統図が示されている。反応槽41は、使用済有機溶媒3と洗浄水溶液21を受け入れ、これらを混合すると共に超臨界二酸化炭素27を受け入れる。反応槽41は又、液体状態の廃液31をしかるべき設備に排出すると共に有機溶媒を溶解した超臨界二酸化炭素33を減圧弁47を介してブレークベッセル43へ送る。そして、低圧のブレークベッセル43内において、再生有機溶媒11と気体又は液体の二酸化炭素37とに分離される。二酸化炭素37は貯槽45に戻され、再使用される。
【0007】次に、本発明の別の実施形態を図3を参照して説明する。図3を参照するに、使用済燃料の再処理工程1から前記実施形態と同様に出た使用済有機溶媒3に、超臨界状態(圧力12〜20MPa、温度40〜60℃)の超臨界二酸化炭素27を作用させ、使用済有機溶媒3を超臨界二酸化炭素に溶解51させる。使用済有機溶媒3を溶解した超臨界二酸化炭素53に更に洗浄水溶液21を混合55する。この混合55により、使用済有機溶媒3中の劣化溶媒は洗浄水溶液21に溶け、劣化溶媒を溶解した水溶液からなる廃液57が分離される。このようにして得られた、有機溶媒を溶解した超臨界二酸化炭素33は、次いで減圧分離操作35により10MPa以下の圧力に減圧され、有機溶媒は析出し、二酸化炭素37と再生有機溶媒11とに分離される。再生有機溶媒11と二酸化炭素37は、その後、前述の実施形態と同様に処理される。尚、本実施形態においても、二酸化炭素以外の超臨界流体が使用できる。
【0008】図4には、前述の第2の実施形態として説明された有機溶媒洗浄再生方法を実施する設備の系統図が示されている。反応槽61は使用済有機溶媒(劣化溶媒含有)3を受け入れ、これに超臨界二酸化炭素27を作用させて溶解する。使用済有機溶媒3を溶解した超臨界二酸化炭素は更に反応槽63に送られ、ここで超臨界二酸化炭素と洗浄水溶液27とが向流接触される。この向流接触により、劣化溶媒は洗浄水溶液27に溶解し、有機溶媒は超臨界二酸化炭素に溶解された儘となる。劣化溶媒含有洗浄水溶液27は、廃液57として分離して取り出され、又有機溶媒を溶解した超臨界二酸化炭素33は減圧弁47を介してブレークベッセル43へ送られる。その後の処理は図2の場合と同様である。
【0009】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、リン酸トリブチル、n−ドデカンなどの有機溶媒は溶解するが水溶液は溶解しないという選択溶解性を有する超臨界流体を使用するので、劣化溶媒の分離洗浄が単純になると共に超臨界流体は再使用が可能であるので、廃液処理量が減少し、コストが低減できる。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成12年6月20日(2000.6.20)
【代理人】 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照 (外5名)
【公開番号】 特開2002−6079(P2002−6079A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−184780(P2000−184780)