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【発明の名称】 炉内核計装管水中切断装置
【発明者】 【氏名】紺野 正行

【要約】 【課題】高線量率の炉内核計装管の廃棄作業を水中作業のみで行い、その作業を行う作業員の被爆線量を低減する。

【解決手段】使用済燃料プール2の壁面に斜めに設置されるとともに、被切断物である使用済の炉内核計装管4を水中にて収納保持する切断物保持装置6と、この切断物保持装置6に保持された使用済の炉内核計装管4を水中にて切断する水中カッター7とを備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 使用済燃料プールの壁面に斜めに設置されるとともに、被切断物である使用済の炉内核計装管を水中にて収納保持する切断物保持装置と、この切断物保持装置に保持された使用済の炉内核計装管を水中にて切断する水中カッターとを備えたことを特徴とする炉内核計装管水中切断装置。
【請求項2】 請求項1記載の炉内核計装管水中切断装置において、水中カッターは、押し切り型のカッターであって、被切断物である使用済みの炉内核計装管の切断面を閉じるように切断することを特徴とする炉内核計装管水中切断装置。
【請求項3】 請求項1記載の炉内核計装管水中切断装置において、切断物保持装置の軸方向延長線上における水中カッターの下部に切断物保管ラックを設置したことを特徴とする炉内核計装管水中切断装置。
【請求項4】 請求項1記載の炉内核計装管水中切断装置において、切断物保持装置は、遠隔操作で全体を長手方向に沿って開閉可能に構成したことを特徴とする炉内核計装管水中切断装置。
【請求項5】 請求項3または4記載の炉内核計装管水中切断装置において、切断物保持装置の長手方向内部に複数のローラを設置したことを特徴とする炉内核計装管水中切断装置。
【請求項6】 請求項5記載の炉内核計装管水中切断装置において、少なくとも一本のローラに回転駆動機構を設け、この回転駆動機構を遠隔制御して取り込まれた炉内核計装管を所定の長さに送るための制御を行う制御手段を設けたことを特徴とする炉内核計装管水中切断装置。
【請求項7】 請求項1記載の炉内核計装管水中切断装置において、水中カッターに設置した放射線検出器と、この放射線検出器の放射線強度信号に基づいて前記水中カッター位置の表面線量率を表示する放射線表示器とを備えたことを特徴とする炉内核計装管水中切断装置。
【請求項8】 請求項7記載の炉内核計装管水中切断装置において、放射線検出器からの放射線強度信号に基づいて炉内核計装管の中性子検出器部分が水中カッターに位置していることを表示する中性子検出器表示装置を設けたことを特徴とする炉内核計装管水中切断装置。
【請求項9】 請求項6記載の炉内核計装管水中切断装置において、制御手段は、炉内核計装管の切断長さを予め記憶する手段と、この記憶された切断長さに前記炉内核計装管を送るための制御を行う送り制御手段と、この送られた前記炉内核計装管を設定長さに切断するための制御を行う切断制御手段とを備えたことを特徴とする炉内核計装水中切断装置。
【請求項10】 請求項9記載の炉内核計装管水中切断装置において、制御手段は、水中カッター位置に炉内核計装管の中性子検出器部分が達している場合、その旨を表示する表示器および切断の可否を確認可能な切断確認装置を備えたことを特徴とする炉内核計装管水中切断装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉内における使用済みの炉内核計装管を切断する際に使用する炉内核計装管水中切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、原子炉の炉内出力を監視するには、中性子検出器を管内部に設けた炉内核計装管を上記原子炉内に設置し、この炉内核計装管により原子炉の出力に関する情報を得ているものの、この炉内核計装管には寿命があるため適切な時期に交換する必要がある。上記原子炉内に設置された炉内核計装管の交換・廃棄作業は、原子炉内を検査する定期検査時に原子炉を停止して実施され、使用済みの炉内核計装管は新品と交換された後、切断されて廃棄処分となる。
【0003】上記使用済の炉内核計装管は強力な放射線源であるため、炉内からの炉内核計装管の取外し作業や切断作業には、以下に説明する作業例のように非常に手間のかかる処理が必要である。
【0004】すなわち、図11は従来の炉内核計装管の切断方法を示す説明図である。図11に示すように、原子炉内の原子炉圧力容器1には、隣接して使用済燃料プール2が設置され、炉内核計装管の交換時には原子炉圧力容器1および使用済燃料プール2には全て水が張られ、かつこれら原子炉圧力容器1と使用済燃料プール2を仕切るゲート3を開放するため、原子炉圧力容器1と使用済燃料プール2の双方の水面が一つに繋がった状態になっている。
【0005】そして、まず使用済の炉内核計装管4は、既設の天井クレーン5などを使用して1本ずつ原子炉圧力容器1内から抜き取られた後、この抜き取られた使用済の炉内核計装管4を切断するには、切断された使用済の炉内核計装管4を専用の切断物保管ラックに詰めて使用済燃料プール2に保管しておく必要があるため、既設の天井クレーン5を用いて使用済の炉内核計装管4が使用済燃料プール2に移動して切断される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記炉内核計装管4は長尺であるため、使用済燃料プール2の底部に炉内核計装管4の底部が接するように垂直に立設しても高放射能汚染物である炉内核計装管4の一部が気中に露出してしまい、切断作業者が高放射線に被爆しながら作業を実施せざるを得なかった。
【0007】また、この場合には、気中で高放射能汚染物である炉内核計装管4を切断するため、切断時の衝撃により、高濃度の放射性ダストが拡散するのを避けられなかった。
【0008】さらに、炉内核計装管4は、運転中、原子炉内において中性子に照射されているため、放射化しそれ自体が放射性物質を備えている。そして、炉内核計装管4の中性子検出器部分は、元々内部にウランを含んでいるため、そのウランが核分裂して生成された高密度の放射性物質を有し、放射性物質拡散防止の観点から、この部分を確実に回避して切断することが不可欠である。
【0009】しかし、この場合には、炉内核計装管4内における中性子検出器部分の位置を考慮に入れて、切断物の長さを測りながら切断を行っているのが現状であり、中性子検出器部分を確実に回避して切断することができなかった。
【0010】そこで、本発明は上記事情を考慮してなされたもので、高線量率の炉内核計装管の廃棄作業を水中作業のみで行い、その作業を行う作業員の被爆線量を低減することの可能な炉内核計装管水中切断装置を提供することを目的とする。
【0011】また、本発明の他の目的とするところは、炉内核計装管の中性子検出器部分を回避して切断可能な炉内核計装管水中切断装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、請求項1記載の発明では、使用済燃料プールの壁面に斜めに設置されるとともに、被切断物である使用済の炉内核計装管を水中にて収納保持する切断物保持装置と、この切断物保持装置に保持された使用済の炉内核計装管を水中にて切断する水中カッターとを備えたことを特徴とする。
【0013】請求項1記載の発明によれば、使用済燃料プールの壁面に斜めに設置した切断物保持装置に、被切断物である使用済の炉内核計装管を水中にて収納保持して水中カッターで切断することにより、高線量率の炉内核計装管の切断作業を水中作業のみで行い、その作業を行う作業員の被爆線量を低減させることができる。
【0014】請求項2記載の発明では、請求項1記載の炉内核計装管水中切断装置において、水中カッターは、押し切り型のカッターであって、被切断物である使用済みの炉内核計装管の切断面を閉じるように切断することを特徴とする。
【0015】請求項2記載の発明によれば、水中カッターで炉内核計装管の切断面を閉じるように切断することにより、切断中および切断後に切断面から被切断物である炉内核計装管の内部に蓄積している放射性物質が外部に拡散するのを未然に防止することができる。
【0016】請求項3記載の発明では、請求項1記載の炉内核計装管水中切断装置において、切断物保持装置の軸方向延長線上における水中カッターの下部に切断物保管ラックを設置したことを特徴とする。
【0017】請求項3記載の発明によれば、切断物保持装置の軸方向延長線上に切断物保管ラックを設置したことにより、切断終了後の切断物を自動的に切断物保管ラックに落下させることができる。その結果、高放射能汚染物である切断物を容易に取り扱うことができる。
【0018】請求項4記載の発明では、請求項1記載の炉内核計装管水中切断装置において、切断物保持装置は、遠隔操作で全体を長手方向に沿って開閉可能に構成したことを特徴とする。
【0019】請求項4記載の発明によれば、切断物保持装置が遠隔操作で全体を長手方向に沿って開閉可能としたことにより、切断物保持装置内に炉内核計装管を容易に取り込んで掴むことができる。
【0020】請求項5記載の発明では、請求項3または4記載の炉内核計装管水中切断装置において、切断物保持装置の長手方向内部に複数のローラを設置したことを特徴とする。
【0021】請求項5記載の発明によれば、切断物保持装置の長手方向内部に複数のローラを設置したことにより、切断物保持装置内に取り込まれた炉内核計装管が自重で切断物保管ラック内部の最下端まで自動的に降りるようになるので、切断物保持装置の内部への炉内核計装管の挿入作業が容易になる。
【0022】請求項6記載の発明では、請求項5記載の炉内核計装管水中切断装置において、少なくとも一本のローラに回転駆動機構を設け、この回転駆動機構を遠隔制御して取り込まれた炉内核計装管を任意の長さに送るための制御を行う制御手段を設けたことを特徴とする。
【0023】請求項6記載の発明によれば、切断物保持装置内部のローラに回転駆動機構を設け、炉内核計装管を所定の長さに送るように回転駆動機構を制御し、水中カッターを用いて炉内核計装管を所定の長さに切断することにより、切断加工精度を高めることが可能となる。
【0024】請求項7記載の発明では、請求項1記載の炉内核計装管水中切断装置において、水中カッターに設置した放射線検出器と、この放射線検出器の放射線強度信号に基づいて前記水中カッター位置の表面線量率を表示する放射線表示器とを備えたことを特徴とする。
【0025】請求項7記載の発明によれば、水中カッターに設置した放射線検出器と、この放射線検出器の放射線強度信号に基づいて水中カッター位置の表面線量率を表示する放射線表示器とを備えたことにより、作業者が炉内核計装管の表面放射線強度を確認しながら切断作業を行うことができる。
【0026】請求項8記載の発明では、請求項7記載の炉内核計装管水中切断装置において、放射線検出器からの放射線強度信号に基づいて炉内核計装管の中性子検出器部分が水中カッターに位置していることを表示する中性子検出器表示装置を設けたことを特徴とする。
【0027】請求項8記載の発明によれば、中性子検出器部分が水中カッター部分に位置している場合はその旨を中性子検出器表示装置に表示させることにより、切断作業員が炉内核計装管の表面放射線強度を確認しながら切断作業を行うことで、炉内核計装管の中性子検出器部分を一層確実に回避して切断することができる。
【0028】請求項9記載の発明では、請求項6記載の炉内核計装管水中切断装置において、制御手段は、炉内核計装管の切断長さを予め記憶する手段と、この記憶された切断長さに前記炉内核計装管を送るための制御を行う送り制御手段と、この送られた前記炉内核計装管を設定長さに切断するための制御を行う切断制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0029】請求項9記載の発明によれば、炉内核計装管の切断長さを予め記憶する手段に切断長さを設定しておくと、その設定長さに水中カッターで自動的に切断していくので、炉内核計装管が設定長さに正確に切断される。これにより、中性子検出器部分を一層確実に回避して切断することができる。
【0030】請求項10記載の発明では、請求項9記載の炉内核計装管水中切断装置において、制御手段は、水中カッター位置に炉内核計装管の中性子検出器部分が達している場合、その旨を表示する表示器および切断の可否を確認可能な切断確認装置を備えたことを特徴とする。
【0031】請求項10記載の発明によれば、水中カッター位置に炉内核計装管の中性子検出器部分が水中カッター部分に位置している場合はその旨を表示させ、切断作業者に切断の可否を確認可能としたことにより、炉内核計装管内部の中性子検出器部分を確実に回避して切断することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0033】[第1実施形態]図1は本発明に係る炉内核計装管水中切断装置の第1実施形態を示す構成図、図2は図1の水中カッターを示す横断面図である。なお、従来の構成と同一または対応する部分には、図11と同一の符号を用いて説明する。
【0034】図1に示すように、使用済燃料プール2内には水が溜められ、この水中における使用済燃料プール2の壁面には、炉内核計装管4を挿通するため、中空円筒状に形成され、かつ炉内核計装管4の外径より若干大径の孔6aを備えた切断物保持装置6が斜めに図示しない固定手段により固定されている。この切断物保持装置6は、炉内核計装管4を内部に差し込む際に炉内核計装管4の一部が水上に露出しないように、使用済燃料プール2のなるべく下部に、しかも低い傾斜角度で設置されている。
【0035】また、切断物保持装置6の下端には水中カッター7が固定され、この水中カッター7は、例えばオペレーションフロア上に設置された水中カッター操作装置8と送気ホース9を介して接続されている。
【0036】さらに、水中カッター7は、図2に示すように圧縮空気式で押し切り型のカッターであり、箱状に形成されかつ切断物保持装置6の下端に固着される固定金具10を有し、この固定金具10内には高硬度材料からなり先端が鋭角の刃先に形成された切断刃11が取り付けられ、この切断刃11は固定金具10の一側に固着された固定刃11aと、この固定刃11aに対向して配置され固定刃11aに対して接近・離反可能な可動刃11bとから構成されている。
【0037】この可動刃11bは、固定金具10の他側に固着された空気溜12を覆うように取り付けられ、この空気溜12は送気ホース9と接続され、この送気ホース9を通して水中カッター操作装置8から空気溜12に圧縮空気が供給されることで、可動刃11bが固定刃11aに対し接近する方向に移動する。
【0038】次に、本実施形態の作用を説明する。
【0039】原子炉から取り出された炉内核計装管4は、天井クレーンなどを使用して吊り上げられた状態で、操作ポールなどを用いて切断物保持装置6の上部からその孔6aに差し込まれる。この差し込まれた炉内核計装管4は、切断物保持装置6の内周面を通り、水中カッター7の下方に突出する長さを調整することで、切断位置が決定される。
【0040】すなわち、炉内核計装管4は、水中カッター7の下方に突出した長さが切断希望長さになったところで、水上のオペレーションフロアの作業エリアにいる切断作業員は、水中カッター操作装置8を操作する。
【0041】なお、水中カッター7には動作方法の異なる種類があるが、本実施形態では上記のように広く普及している圧縮空気式の水中カッター7を用いている。そして、切断作業員が水中カッター操作装置8を操作すると、送気ホース9を通じて圧縮空気が水中カッター7に送られ、切断刃11が閉じることによって水中カッター7の切断刃11が炉内核計装管4を切断する。
【0042】すなわち、図1に示す水中カッター操作装置8を切断作業員が操作すると、この水中カッター操作装置8から圧縮空気が図1および図2に示す送気ホース9の内部を流れ、空気溜12内部に空気が溜まる。すると、この溜まった圧縮空気により可動刃11bが固定刃11aに接近する方向に移動し、その間に挿入されている炉内核計装管4が切断される。
【0043】このように本実施形態によれば、使用済燃料プール2の壁面に斜めに設置され、かつ中空円筒状に形成された切断物保持装置6の空洞部分に、その下端まで使用済の炉内核計装管4を取り込み、この炉内核計装管4を水中カッター7で切断することにより、高線量率の炉内核計装管4の切断作業を水中作業のみで行い、その作業を行う作業員の被爆線量を低減させることができる。
【0044】また、本実施形態によれば、水中カッター7に押し切り型のカッターを用いて切断面を閉じるように炉内核計装管4を切断することによって、切断中および切断後に被切断物である炉内核計装管4の内部に蓄積している放射性物質が、その切断面から外部に拡散するのを未然に防止することができる。
【0045】[第2実施形態]図3は本発明に係る炉内核計装管水中切断装置の第2実施形態を示す構成図である。なお、前記第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略し、異なる構成および作用のみを説明する。以下の各実施形態も同様である。
【0046】図3に示すように、本実施形態では、切断物保持装置6の軸方向延長線上における水中カッター7の下部に、専用の切断物保管ラック13が設置されている。この切断物保管ラック13は、有底円筒状に形成されるとともに、切断された炉内核計装管4より大径の中空部を有し、使用済燃料プール2の壁面に固定された固定フック14に掛止することにより取り付けられる。
【0047】次に、本実施形態の作用を説明する。
【0048】まず、炉内核計装管4の切断前準備として固定フック14に切断物保管ラック13を図3に示すように取り付ける。次いで、水中カッター7から下方に突出した炉内核計装管4は切断物保管ラック13に案内されて切断物保管ラック13の内部に隠れるようになり、水中カッター7で切断された切断片は、自動的に切断物保管ラック13の内部に落下して収納される。
【0049】このように本実施形態によれば、水中カッター7の下部であって切断物保持装置6の軸方向延長線上に専用の切断物保管ラック13を設置したことにより、切断終了後の切断物を自動的に切断物保管ラック13に落下させることができる。その結果、高放射能汚染物である切断物を容易に取り扱うことができる。
【0050】[第3実施形態]図4は本発明に係る炉内核計装管水中切断装置の第3実施形態を示す構成図である。
【0051】図4に示すように、本実施形態は、切断物保持装置6aに開閉機構を設けたものであり、この切断物保持装置6aは、断面コ字状に形成され使用済燃料プール2の壁面に固定された長尺の固定部16と、この固定部16の長手方向に一定間隔をおいて設置された開閉用ねじ18と、固定部16と同形状で互いに対をなし、開閉用ねじ18に対応する部位に雌ねじが刻設された可動部17と、各開閉用ねじ18がそれぞれ駆動軸に直結された複数の駆動モータ19と、これらの駆動モータ19に信号線20を介して接続され、切断作業員が操作するためにオペレーションフロア上に設置された制御装置21とを備えて構成されている。
【0052】そして、切断作業員がオペレーションフロア上で制御装置21を操作すると、この制御装置21から各駆動モータ19に、各駆動モータ19を作動させるための信号線20を通して動力信号S1を出力する。
【0053】次に、本実施形態の作用を説明する。
【0054】水上のオペレーションフロア上で切断作業員が制御装置21にて開閉操作すると、この制御装置21は各駆動モータ19に対して信号線20を通して動力信号S1を出力し、固定部16内に設置された各駆動モータ19を駆動させる。すると、各駆動モータ19の駆動軸に直結された各開閉用ねじ18を回転させる。
【0055】これらの各開閉用ねじ18は、雄ねじが刻設されており、受側の可動部17にも各開閉用ねじ18と螺合する雌ねじが刻設され、これらは各開閉用ねじ18が可動部17の内部に入り込む形で結合しているため、各開閉用ねじ18を回転させることにより、可動部17が上下動して切断物保持装置6aが開閉することになる。
【0056】このように切断物保持装置6aの開閉は、動力信号S1によって開閉し、つまり、この動力信号S1の波形により切断物保持装置6aの開操作を行うとすれば、その波形を反転させることによって切断物保持装置6aの閉操作を行うことができる。
【0057】このように本実施形態によれば、切断物保持装置6aは遠隔操作により全体を長手方向に沿って開閉可能に構成したことにより、遠隔操作で炉内核計装管4を容易に取り込んで掴むことが可能となる。その結果、切断物保持装置6aで炉内核計装管4を容易に保持することができる。
【0058】[第4実施形態]図5は本発明に係る炉内核計装管水中切断装置の第4実施形態を示す構成図である。
【0059】本実施形態は、図4に示す切断物保持装置6aに炉内核計装管4の自重落下機構を設けたものである。すなわち、本実施形態の切断物保持装置6bは、図4に示す切断物保持装置6aにおける長尺の固定部16と、この固定部16と同形状で互いに対をなす可動部17との両者の長手方向内面に、一定間隔をおいて回動自在に複数のローラ23が取り付けられている。その他の構成は、前記第2,第3実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0060】次に、本実施形態の作用を説明する。
【0061】切断物保持装置6bに取り込まれた炉内核計装管4は、切断物保持装置6b内に取り付けられた複数のローラ23を自重で廻すことにより、切断物保管ラック13の最下端まで到達する。この最下端まで到達した時点で炉内核計装管4を水中カッター7にて切断することにより一定長さで切断可能となる。
【0062】このように本実施形態によれば、切断物保持装置6bの長手方向内部に複数のローラ23を一定間隔をおいて設置し、切断物保管ラック13内部の最下端まで炉内核計装管4を自動的に降下させるようにしたので、切断物保持装置6bの内部への炉内核計装管4の挿入作業が容易になる。
【0063】[第5実施形態]図6は本発明に係る炉内核計装管水中切断装置の第5実施形態を示す構成図である。
【0064】本実施形態は、図5に示す切断物保持装置6bに炉内核計装管4の送り機構を設けたものである。すなわち、図6に示す切断物保持装置6cは、図5に示す切断物保持装置6b内に設置した複数のローラ23内の少なくとも一本のローラ23aに、回転駆動機構としての送りモータ25の駆動軸を取り付け、この送りモータ25は信号線26を介して制御装置21と接続されている。したがって、この送りモータ25は制御装置21から出力される送り信号S2によって作動する。
【0065】次に、本実施形態の作用を説明する。
【0066】水上のオペレーションフロア上で切断作業員が制御装置21を遠隔操作すると、この制御装置21は送りモータ25に対して信号線26を通して送り信号S2を出力する。すると、送りモータ25が作動してローラ23aを回転させる。
【0067】その結果、切断物保持装置6cに取り込まれた炉内核計装管4は、切断物保管ラック13に向かって任意の長さが送られる。この炉内核計装管4を戻すには、送りモータ25に出力する送り信号S2の波形を反転させることによって行われる。
【0068】このように本実施形態によれば、切断物保持装置6c内部の少なくとも一本のローラ23aに送りモータ25を接続し、この送りモータ25を遠隔制御して任意の長さに炉内核計装管4を送り、水中カッター7を用いて炉内核計装管4を任意の長さで切断することにより、切断加工精度を高めることが可能となる。
【0069】[第6実施形態]図7は本発明に係る炉内核計装管水中切断装置の第6実施形態の水中カッターを示す構成図である。
【0070】本実施形態は、図2に示す押し切り型の水中カッター7に放射線検出器機能を持たせたものである。
【0071】図7に示すように、本実施形態は、水中カッター7の固定刃11a内に放射線検出器28が設置され、この放射線検出器28はオペレーションフロア上に設置された放射線表示器29に信号線30を介して接続される。したがって、この放射線検出器28から出力される放射線信号S3は、信号線30を通して水上のオペレーションフロアに設置された放射線表示器29に入力する。
【0072】次に、本実施形態の作用を説明する。
【0073】炉内核計装管4からの放射線を放射線検出器28が検出すると、この放射線信号S3が信号線30を通して放射線表示器29に入力する。すると、放射線表示器29が炉内核計装管4の水中カッター7位置の表面線量率を表示する。
【0074】ここで、炉内核計装管4内の中性子検出器近傍は高線量率となっており、この高線量率を目安とすれば、切断作業員は中性子検出器を回避して切断作業を実施することができる。
【0075】このように本実施形態によれば、水中カッター7部分に放射線検出器28を設置し、この放射線検出器28はオペレーションフロア上に設置された放射線表示器29と信号線30を介して接続されているので、水上のオペレーションフロア上にて作業者が遠隔操作で炉内核計装管4の表面放射線強度を確認しながら切断作業を行うことができる。
【0076】[第7実施形態]図8は本発明に係る炉内核計装管水中切断装置の第7実施形態の水中カッターを示す構成図である。
【0077】本実施形態は、図7に示す放射線測定器付き押し切り型水中カッター7に中性子検出器の表示機能を持たせたものである。
【0078】本実施形態は、図8に示すように図7の信号線30から分岐して信号線31を接続し、この信号線31を水上のオペレーションフロアに設置された中性子検出器表示装置32に接続したものであり、放射線検出器28から信号線31を通して出力される放射線信号S3を中性子検出器表示装置32に入力する。
【0079】すなわち、本実施形態は、水中カッター7の固定刃11a内に放射線検出器28を設置し、この放射線検出器28がオペレーションフロア上に設置された放射線表示器29と信号線30を介して接続される一方、この信号線30から分岐して信号線31を接続し、この信号線31を水上のオペレーションフロアに設置された中性子検出器表示装置32に接続したものである。
【0080】次に、本実施形態の作用を説明する。
【0081】炉内核計装管4からある設定値以上の放射線を放射線検出器28が検出すると、この放射線信号S3が信号線30および31を通して中性子検出器表示装置32に入力する。これにより、中性子検出器表示装置32は、現在の水中カッター7の位置における炉内核計装管4部位が中性子検出器部分であることを表示する。
【0082】このように本実施形態によれば、水中カッター7に放射線検出器28を設置し、この表面放射線強度信号を中性子検出器表示装置32に入力させ、炉内核計装管4の中性子検出器部分が水中カッター7に位置している場合は、その旨を中性子検出器表示装置32に表示させることにより、水上のオペレーションフロア上にて切断作業員が遠隔操作で炉内核計装管4の表面放射線強度を確認しながら切断作業を行うことで、炉内核計装管4の中性子検出器部分を一層確実に回避して切断することができる。
【0083】[第8実施形態]図9は本発明に係る炉内核計装管水中切断装置の第8実施形態における切断物保持装置の制御装置を示すブロック図である。
【0084】本実施形態は、図6に示す制御装置21の内部に炉内核計装管4の自動送り機構と水中カッター7の切断ボタン押し機構を設けたものである。
【0085】図9に示すように、本実施形態の制御装置21は、炉内核計装管4の切断長さを予め記憶する手段としての入力・制御部35と、この入力・制御部35からの送り指令信号S4を得て、入力・制御部35に記憶された切断長さに炉内核計装管4を送るための制御を行う送り制御手段としての送り制御部36と、入力・制御部35からの切断指令信号S5を得て、送られた炉内核計装管4を設定長さに切断するための制御を行う切断制御手段としての切断ボタン押装置37とを備えて構成されている。
【0086】したがって、本実施形態は、入力・制御部35で炉内核計装管4の切断長さを予め記憶し、この入力・制御部35は送り指令信号S4を送り制御部36に出力するとともに、入力・制御部35は切断ボタン押装置37に切断指令信号S5を出力し、事前に水中カッター7の切断押しボタンに接触・固定させておいた切断ボタン押装置37が、水中カッター7の切断押ボタンを押す。
【0087】次に、本実施形態の作用を説明する。
【0088】入力・制御部35は入力された任意の切断長さを予め記憶し、炉内核計装管4の切断位置が水中カッター7の位置に達するまで送り制御部36に送り指令信号S4を出力し、その信号S4を受信した送り制御部36が信号線26を通して送り信号S2を切断物保持装置6cの送りモータ25に出力する。
【0089】すると、この送りモータ25により炉内核計装管4を切断設定長さ分送ったところで、入力・制御部35は、切断指令信号S5を切断ボタン押装置37に出力し、この切断ボタン押装置37により水中カッター7の切断押ボタンを押すことで、水中カッター7が作動し、炉内核計装管4を設定した長さに切断する。
【0090】このように本実施形態によれば、入力・制御部35に切断長さを設定しておくと、自動的に切断ボタン押装置37が水中カッター7の切断押しボタンを押して設定長さに炉内核計装管4を切断していくので、炉内核計装管4が設定長さに正確に切断される。これにより、中性子検出器部分を一層確実に回避して切断することができる。
【0091】[第9実施形態]図10は本発明に係る炉内核計装管水中切断装置の第9実施形態における切断物保持装置の制御装置を示すブロック図である。
【0092】本実施形態は、図9に示す制御装置21に中性子検出器の検出部分を設け、水中カッター7位置に炉内核計装管4の中性子検出器部分が達している場合は作業者が切断時であることを確認可能な機能を有するものである。
【0093】図10に示すように、本実施形態の制御装置21は、前記第8実施形態と同様に炉内核計装管4の切断長さを予め記憶する入力・制御部35と、この入力・制御部35からの送り指令信号S4を得て、入力・制御部35に記憶された切断長さに炉内核計装管4を送るための制御を行う送り制御部36と、入力・制御部35からの切断指令信号S5を得て、送られた炉内核計装管4を設定長さに切断するための制御を行う切断ボタン押装置37とを備えて構成されている。
【0094】また、入力・制御部35は、水中カッター7に設置した放射線検出器28からの放射線信号S3を入力し、炉内核計装管4を設定長さに送った後で放射線信号S3に基づいて、切断ボタン押し装置37に切断指令信号S5または表示器38に表示信号S6を送り、この表示器38に表示信号S6を送出した場合は、切断確認装置39からの確認信号S7が入力されるのを待つ。
【0095】次に、本実施形態の作用を説明する。
【0096】入力・制御部35に炉内核計装管4の切断長さを予め記憶し、この入力・制御部35は送り指令信号S4を送り制御部36に出力する。その信号S4を受信した送り制御部36が送り信号S2を切断物保持装置6cの送りモータ25に出力して炉内核計装管4を切断設定長さ分だけ送る。
【0097】また、入力・制御部35は、炉内核計装管4を設定長さ分送ったところで、放射線検出器28から信号線30を通して放射線信号S3を確認し、この線量率がある設定値を超えた場合は、表示信号S6を表示器38に出力し、表示器38にその旨を表示する。
【0098】ところで、切断作業員は切断確認装置39により、炉内核計装管4を「切断する」または「切断しない」のいずれか一方を選択し、その確認信号S7が入力・制御部35に出力される。この入力・制御部35はその確認信号を元に「切断する」が選択された場合は、切断指令信号S5が切断ボタン押し装置37を動作させ水中カッター7が作動し、炉内核計装管4が切断される。
【0099】一方、「切断しない」が選択された場合、入力・制御装置35は、炉内核計装管4が元の位置にくるように送り制御部36に送り指令信号S4を出力し、この送り制御部36が信号線26を通して送り信号S2を出力して、炉内核計装管4を元の位置に戻した上、切断設定をクリアする。
【0100】このように本実施形態によれば、水中カッター7部分に放射線検出器28を設置し、その放射線信号S3を制御装置21に入力し、炉内核計装管4における中性子検出器部分が水中カッター7部分に位置している場合は、その旨を表示器38に表示させ、切断を一時中止し、切断作業者が切断の可否を確認可能としたことにより、炉内核計装管4内部の中性子検出器部分を確実に回避して切断することができる。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、炉内核計装管を気中に露出させることなく切断することができるため、炉内核計装管から発生する放射線を最低限に抑え、切断作業員の放射線被爆を低減することができ、また気中切断時の放射性ダストの発生を未然に防止することができる。
【0102】また、炉内核計装管内部の中性子検出器部分を確実に回避して切断することが可能となり、炉内核計装管内部の放射性物質の拡散を最小限に抑えることができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成12年6月27日(2000.6.27)
【代理人】 【識別番号】100078765
【弁理士】
【氏名又は名称】波多野 久 (外1名)
【公開番号】 特開2002−6078(P2002−6078A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−192812(P2000−192812)