| 【発明の名称】 |
燃料集合体 |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 泰
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| 【要約】 |
【課題】燃料棒に対する熱的余裕および除熱性能を向上させる。
【解決手段】ほぼ正方形状枠体を構成する支持バンド18の上端部から突出した複数のフロータブ19を支持バンド18に並列に形成する。各々のフロータブ19の中央先端部に切り込み20を設けて2分割し、2分割したフロータブ19の先端部を燃料棒3の方向に折り曲げて折り曲げ部21を張り出す。張り出したフロータブ19の先端部により二相流中の液滴が燃料棒3の表面に振り向けられ、これにより、熱的余裕効果と除熱効果が向上する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の燃料棒及びウォータロッドを配列して上端部を上部タイプレートで支持し、下端部を下部タイプレートで支持するとともに前記燃料棒及びウォータロッドを間隔をおいて保持するために冷却材の流れ方向に複数個の燃料スペーサが設けられた燃料集合体において、前記燃料スペーサは燃料スペーサ構成部材とそれらを取り囲む支持バンドとによって構成され、前記支持バンドにはその上部下流側に前記冷却材の流れ方向に伸びた複数個のフロータブが並列に設けられ、かつ前記フロータブの先端部が切り込まれて分割され、この分割されたフロータブのそれぞれに前記燃料棒方向に折り曲げられた折り曲げ部を設けてなることを特徴とする燃料集合体。 【請求項2】 複数の燃料棒及びウォータロッドを配列して上端部を上部タイプレートで支持し、下端部を下部タイプレートで支持するとともに前記燃料棒及びウォータロッドを間隔をおいて保持するために冷却材の流れ方向に複数個の燃料スペーサが設けられた燃料集合体において、前記燃料スペーサは前記支持バンド内に複数の平板を格子状に組み合わせた格子型構造を備えており、前記平板と前記支持バンドの接合部の前記バンド下流側方向に伸びかつ先端部が切り込まれて分割されたフロータブが形成され、前記分割されたフロータブのそれぞれには最も近い位置にある前記燃料棒の中心軸方向に折り曲げ部が設けられていることを特徴とする燃料集合体。 【請求項3】 複数の燃料棒及びウォータロッドを配列して上端部を上部タイプレートで支持し、下端部を下部タイプレートで支持するとともに前記燃料棒及びウォータロッドを間隔をおいて保持するために冷却材の流れ方向に複数個の燃料スペーサが設けられた燃料集合体において、前記燃料スペーサは複数の平板を格子状に組み合わせた格子型構造を備えており、前記平板とバンドの接合部の前記バンド下流側方向に伸びる、先端部が分割されたフロータブが形成され、前記分割されたフロータブのそれぞれは前記燃料棒方向に折り曲げ部を有し、この折り曲げ部に最も近い位置にある前記燃料棒の中心軸方向に捻りを形成してなることを特徴とする燃料集合体。 【請求項4】 前記燃料スペーサは縦横に配列された複数の前記支持バンドがほぼ直角方向に交差する位置の下流側に、旋回羽根を設けてなることを特徴とする請求項1ないし3記載の燃料集合体。 【請求項5】 前記燃料スペーサは前記支持バンドが交差する位置の下流側に、捻り板を設けてなることを特徴とする請求項1ないし3記載の燃料集合体。 【請求項6】 複数の燃料棒及びウォータロッドを配列して上端部を上部タイプレートで支持し、下端部を下部タイプレートで支持するとともに前記燃料棒及びウォータロッドを間隔をおいて保持するために流れ方向に複数個の燃料スペーサが設けられた燃料集合体において、前記燃料スペーサは燃料スペーサ構成部材とそれらを取り囲む支持バンドとによって構成され、前記支持バンドに冷却材の下流側方向に突出したフロータブが設けられ、このフロータブの先端部が前記燃料棒方向に曲げられた折り曲げ部を有し、かつ前記支持バンドの外側に前記フロータブの上流側を避けて流路を閉塞する機構を設けてなることを特徴とする燃料集合体。 【請求項7】 前記燃料棒の有効発熱部上流から下流側に有効発熱長さに対して2/7から6/7までの軸方向位置の範囲に設けられた複数個の燃料スペーサのうち、前記請求項1ないし6に記載の燃料スペーサから選択された少なくとも1個の燃料スペーサを設けてなることを特徴とする燃料集合体。 【請求項8】 前記燃料棒の有効発熱部上流から下流向きに有効発熱長さに対して2/7から6/7までの軸方向位置の範囲に前記請求項1ないし6に記載の燃料スペーサから選択された燃料スペーサ間隔を他の発熱部の燃料スペーサ間隔よりも短くして設けてなることを特徴とする請求項1ないし6記載の燃料集合体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は沸騰水型原子炉の燃料集合体に組み込んで燃料棒を適切な間隔に保持する燃料スペーサを組み込んだ燃料集合体に関する。 【0002】 【従来の技術】軽水型原子炉においては、原子力発電プラントの運転コスト低減、長期サイクル運転、これらを実現するための燃料の経済的燃焼等のため、径方向に非均質な形状の燃料集合体が導入されている。 【0003】図11は、このような燃料集合体の一例として、沸騰水型原子炉で使用されている燃料集合体の構成を示したものである。すなわち、符号1で示す燃料集合体は略四角形の断面を有する環状流路であるチャンネルボックス2内の中心部に、4本の燃料棒3に相当する太径ウォータロッド4が2本配置されて、その周囲に74本の燃料棒3が全体として正方格子状に配置されている。 【0004】ウォータロッド4の上下端部には冷却水流入孔5aと冷却水噴出孔5bとが形成されている。正方格子状に配列した燃料棒3、ウォータロッド4及び短尺燃料棒6の水平方向間隔を一定に保持するため、軸方向に燃料スペーサ7が複数個配置されている。 【0005】複数の燃料棒3及びウォータロッド4の上端部は上部タイプレート8で支持され、複数の燃料棒3,ウォータロッド4及び短尺燃料棒6の下端部は下部タイプレート9で支持されている。 【0006】さらに、燃料スペーサ7によって束ねられた燃料棒3、ウォータロッド4および短尺燃料棒6の束つまり、燃料チャンネルをチャンネルボックス2によって取り囲んでいる。チャンネルボックス2は上部タイプレート8に取り付けられ、下部タイプレート9の外側面までを覆っている。なお、図中符号10は上部タイプレート8の下面に接する燃料棒3の上端栓に挿入した外部スプリングである。 【0007】図12は図11に示した燃料スペーサ7を拡大して側面を示したもので、多数本の燃料棒3が燃料スペーサ7内に挿入された状態を示している。燃料スペーサ7は、多数本の燃料棒3を外周側から支持する四角枠状の支持バンド11と、この支持バンド11内に連設され燃料棒3および短尺燃料棒6を通過させる燃料棒挿入通路をそれぞれ独立に形成する燃料保持部として例えば図15で示す環状フェルール14を有している。 【0008】環状フェルール14は燃料棒3および短尺燃料棒6と同数が格子状に配列して束ねられ、その環状フェルール14の束の外周が前記支持バンド11で取り囲まれ、これによって燃料スペーサ7が構成されている。 【0009】また、燃料棒3の束がチャンネルボックス2の特定方向に著しく片寄ることがないように、支持バンド11の外側面にバスタブと呼ばれる突出部11aが形成され、さらに支持バンド11の冷却材流れの下流側となる上端縁部から、フロータブ12が突設されている。 【0010】チャンネルボックス2内を流れる冷却材は、下部からチャンネルボックス2内を上昇するとともに燃料棒3により加熱され、沸騰して液相と気相とからなる気液二相流となって上方に通過する。その際、気相は主として、燃料棒3間の比較的広い流路中を流れ、液相は一部が気相に随伴して流れ、その一部は燃料棒3の表面やチャンネルボックス2内面を液膜流として流れる。 【0011】燃料棒3の表面に沿って流れる液相が減少すると、燃料棒3の表面熱伝達率が低下し(沸騰遷移開始と言う)、過熱(バーンアウトと言う)が起こる恐れがある。燃料集合体1の熱的限界は図13に示すように沸騰曲線Lで核沸騰領域H1から遷移沸騰領域H2に移行する状態であり、その時の表面熱流束を限界熱流束QCHFと定義する。 【0012】通常運転中の沸騰モードは核沸騰領域H1であり、この領域は安定した状態であり、燃料棒表面(被覆管表面)温度は冷却材の飽和温度より数度高い程度の温度で一定に保たれる。 【0013】一方、バーンアウト点Aを超えると、燃料棒表面(被覆管表面)温度と冷却材飽和温度との差(過熱度)が次第に大きくなり、熱伝達が不安定な沸騰状態になる。このバーンアウト点Aは実際に被覆管の熱的破損に結び付く限界点ではないが、燃料棒としては通常運転および単一故障の過渡変化中においても許容されない沸騰領域である。 【0014】このバーンアウト点Aは圧力、冷却材流量、燃料集合体形状、軸方向の出力分布、核燃料棒の出力分布等のパラメータに依存することが実験的に知られている。また、バーンアウトが発生する軸方向位置は、ボイド率の高い領域に配設した燃料スペーサの下端から上流側に数cm以内の範囲にあることが知られている。 【0015】この原因としては、図11に示すように燃料棒3間の管群流路を上昇してきた冷却材が、燃料スペーサ7の流動抵抗にあって燃料棒3側に乱れを生じ、この乱れにより燃料棒3表面に付着形成されていた液膜流の一部が剥離し、燃料棒3表面が乾いた(ドライアウト)状態になり、乾いた部位の熱伝達率が低下するとする説がある。 【0016】また、燃料スペーサ7により蒸気中の液滴が燃料棒に付着する効果によって、燃料スペーサ7の下流では液膜流量は増加するが、下流にゆくほど蒸発と液滴発生により液膜流量は減少するので、最も液膜が薄くなるのは燃料スペーサ7の直上流であり、ある出力を超えると燃料棒3表面の液膜が乾いた(ドライアウト)状態になり、乾いた部位の熱伝達率が低下するとする説がある。 【0017】炉心の熱的余裕に関する指標としては現在用いられているものには、次式に示すような最小限界出力比(MCPR:Minimum Critical Power Ratio)がある。 MCPR=QCP/QBUNDLE …(1)ここで、QBUNDLE:燃料集合体運転出力,QCP:熱的限界出力である。 【0018】最小限界出力は炉心の燃焼とともに、図14に示すような軌跡をとる。長期サイクル運転に伴って燃料棒内の核分離核種濃度を高める必要があるため、図14に示すように、燃料取替え後に炉心の熱的余裕度が低下する傾向がある。 【0019】したがって、原子力発電プラントの運転コストを低減するためには、熱的限界出力の高い燃料集合体設計が求められており、ハード設計(燃料スペーサ、燃料棒など)やソフト設計(燃料濃縮度分布、燃焼管理など)の目的の1つになっている。 【0020】熱的限界出力の高い燃料集合体設計のために、従来、次の観点から限界出力の増加方法が提案されている。 (a)冷却材混合による燃料棒表面への液相の供給(b)燃料棒単位表面あたりの熱流束の低減【0021】このような知見から、(a)に対応する燃料集合体1の設計では、燃料棒3の冷却に使われる冷却材割合を増加して冷却効率を増加させるため、燃料棒の冷却に寄与していないチャンネルボックス表面を流れる液相を、燃料棒に振り向けるための手段が提案されている。 【0022】その1つには、チャンネルボックスに溝を設け段差をつけることにより液膜を剥離させるフロートリッパ(例えば特開平2−44289号公報)があり、チャンネルボックス表面を流れる液相に横方向の速度を与えることにより、燃料棒の冷却に使われる冷却材割合を増加させる効果がある。但し、チャンネルボックスの段差は、燃料集合体の圧力損失を増加させ、また、チャンネルボックス近傍の二相流流速を減少させてしまうので、段差による液滴発生量は少なく、限界出力向上効果は小さい。 【0023】燃料集合体の冷却材の混合効果(ミキシング効果)には次の2点がある。 (1)平均的な流れによる横方向輸送(冷却材への強制的横方向流れ) (2)乱流メカニズムによる横方向輸送【0024】上述のフロートリッパは(1)に対応する方法であるが、(2)の作用について積極的な効果を狙ったものではない。また、(b)に対応する燃料集合体設計では、燃料棒の直径を細くして燃料棒の表面積を増加し、単位表面積あたりの熱流束を低減することが提案され、8×8格子から9×9格子への燃料棒本数を増加する設計が提案されている。 【0025】一方、燃料集合体の熱的限界出力に影響する燃料集合体の構成要素には、前記燃料スペーサ7がある。燃料スペーサ7は燃料集合体1の高さ方向に複数設置されており、燃料棒3,ウォータロッド4相互間のギャップおよびチャンネルボックス2と燃料棒3,ウォータロッド4間のギャップを保持し、燃料集合体1の形状を維持している。 【0026】一般的に燃料スペーサ設計で考慮されている点には下記の(1)から(10)のものがある。 (1)燃料集合体の耐震性(2)燃料棒間隔の保持(3)燃料棒振動の抑制(4)燃料棒膨張のゆとり(5)燃料集合体の組立の容易さ(6)燃料棒との接触面積の最小化(7)熱的限界出力の最大化(8)燃料集合体の圧力損失の最小化(9)寄生的中性子吸収の最小化(10)部品点数の最小化【0027】燃料スペーサ7の及ぼすドライアウトへの影響として、主に考えられている点に、冷却材の混合による燃料棒表面液膜への液滴供給の効果(ミキシング効果)がある。 【0028】この知見から燃料スペーサ7の設計要素としては、燃料スペーサ肉厚増加、あるいは図12に示したように、燃料スペーサ7の上部に内向きに設けられた突起(フロータブ12)を多数設けることなどがある。 【0029】この燃料スペーサ7の上部のフロータブ12は本来、チャンネルボックス2に燃料棒3を挿入する際の導入部として設けられたものであるが、燃料スペーサ7のミキシング効果を促進して、二相流中の液滴を効果的に燃料棒表面に振り向け、熱的限界出力の増加に寄与することが知られている。 【0030】すなわち、フロータブ12は燃料スペーサ7の冷却材流れの下流側端縁部に設けられており、燃料スペーサ7の上流側(下部)より流れてくる冷却材を燃料側に向け、これにより最外周に位置する燃料棒3の熱的余裕を向上させる役割をも持っている。 【0031】 【発明が解決しようとする課題】従来のフェルール型燃料スペーサ7では、図15に示すようにフロータブ12の上端部が燃料流路部の内側に折り曲げられており、チャンネルボックス2側で最外周の燃料棒3と支持バンド11との間隙部に流れる冷却材を図16中矢印で示すように燃料棒3側へ偏流させており、燃料棒3,3間隙部の冷却材を燃料棒3側へより多く、効果的に偏流させることによって燃料の熱的余裕が向上する。 【0032】しかしながら、さらに熱的余裕を確保するために、前述の(b)燃料棒単位表面あたりの熱流束の低減を考えた場合、図15に示すフェルール型のスペーサでは、燃料棒3の本数の増加とともに部品点数が増加し、前述の燃料スペーサ設計で考慮されている10点のうちの(10)項の部品点数の最小化に逆行する。 【0033】部品点数を最小化するためには、フェルール型よりも、短冊状平板を格子状に組み合わせた格子型スペーサの方が有利である。しかしながら、格子型スペーサの場合、従来と同じように支持バンド11にフロータブ12を設けると、後述する図3(b)に破線で示すように二相流の流れの遅い領域16が格子板13の下流に位置する。 【0034】そのため、フロータブ12が二相流へ与える影響は小さく、また、二相流中の液滴を燃料棒3の表面に振り向ける効果も小さくなり、したがって、フロータブ12による熱的余裕向上効果が小さくなる課題がある。なお、図3(a)はフロータブを設けていない場合の格子型燃料スペーサにおける二相流の流れの速い領域15を示している。 【0035】本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、気液二相流中の液滴を燃料棒へ振り向けて除熱効果を高め、除熱性能を向上させることにより、原子力発電プラントの安全性余裕を向上させ、また長期サイクル運転に好適な燃料集合体を提供することにある。 【0036】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、複数の燃料棒及びウォータロッドを配列して上端部を上部タイプレートで支持し、下端部を下部タイプレートで支持するとともに前記燃料棒及びウォータロッドを間隔をおいて保持するために冷却材の流れ方向に複数個の燃料スペーサが設けられた燃料集合体において、前記燃料スペーサは燃料スペーサ構成部材とそれらを取り囲む支持バンドとによって構成され、前記支持バンドにはその上部下流側に前記冷却材の流れ方向に伸びた複数個のフロータブが並列に設けられ、かつ前記フロータブの先端部が切り込まれて分割され、この分割されたフロータブのそれぞれに前記燃料棒方向に折り曲げられた折り曲げ部を設けてなることを特徴とする。 【0037】請求項1の発明によれば、支持バンドと一体に設けたフロータブの中央先端部に切り込みを入れて分割し、その分割したフロータブのそれぞれの先端部を燃料棒方向に折り曲げることにより、格子板で囲まれる流路に効果的にフロータブを張り出させることができる。 【0038】流路に張り出したフロータブは気液二相流に及ぼす影響が大きく、二相流中の液滴を燃料棒表面へ振り向ける効果が増大するので、熱的余裕向上効果も増大させることができる。 【0039】請求項2に係る発明は、複数の燃料棒及びウォータロッドを配列して上端部を上部タイプレートで支持し、下端部を下部タイプレートで支持するとともに前記燃料棒及びウォータロッドを間隔をおいて保持するために冷却材の流れ方向に複数個の燃料スペーサが設けられた燃料集合体において、前記燃料スペーサは前記支持バンド内に複数の平板を格子状に組み合わせた格子型構造を備えており、前記平板と前記支持バンドの接合部の前記バンド下流側方向に伸びかつ先端部が切り込まれて分割されたフロータブが形成され、前記分割されたフロータブのそれぞれには最も近い位置にある前記燃料棒の中心軸方向に折り曲げ部が設けられていることを特徴とする。 【0040】請求項2の発明によれば、フロータブの先端部を燃料棒に最も近い位置に折り曲げることにより、フロータブによる燃料棒への液滴付着促進効果が増大し、除熱効果をより向上させる。 【0041】請求項3に係る発明は、複数の燃料棒及びウォータロッドを配列して上端部を上部タイプレートで支持し、下端部を下部タイプレートで支持するとともに前記燃料棒及びウォータロッドを間隔をおいて保持するために冷却材の流れ方向に複数個の燃料スペーサが設けられた燃料集合体において、前記燃料スペーサは複数の平板を格子状に組み合わせた格子型構造を備えており、前記平板とバンドの接合部の前記バンド下流側方向に伸びる、先端部が分割されたフロータブが形成され、前記分割されたフロータブのそれぞれは前記燃料棒方向に折り曲げ部を有し、この折り曲げ部に最も近い位置にある前記燃料棒の中心軸方向に捻りを形成してなることを特徴とする。 【0042】請求項3の発明によれば、フロータブの先端部に捻りを形成することにより燃料棒へ液滴を多く付着させることができ、燃料棒表面の液膜流量を増大でき、燃料棒表面が乾き難くなり、除熱性能がさらに増大する。 【0043】請求項4に係る発明は、前記燃料スペーサは縦横に配列された複数の前記支持バンドがほぼ直角方向に交差する位置の下流側に、旋回羽根を設けてなることを特徴とする。請求項4の発明によれば、支持バンドが交差する位置の下流側に旋回羽根を設けることにより圧力損失係数を上昇させ、フロータブのある外周部流路へより冷却材を振り向けることができる。これにより、外周の燃料棒、内周の燃料棒ともに熱的余裕を向上させることができ、燃料集合体の熱的余裕が向上する。 【0044】請求項5に係る発明は、前記燃料スペーサは前記支持バンドが交差する位置の下流側に、捻り板を設けてなることを特徴とする。請求項5の発明によれば、旋回羽根の代りに捻り板を設けることにより請求項4の発明と同様の作用効果がある。 【0045】請求項6に係る発明は、複数の燃料棒及びウォータロッドを配列して上端部を上部タイプレートで支持し、下端部を下部タイプレートで支持するとともに前記燃料棒及びウォータロッドを間隔をおいて保持するために流れ方向に複数個の燃料スペーサが設けられた燃料集合体において、前記燃料スペーサは燃料スペーサ構成部材とそれらを取り囲む支持バンドとによって構成され、前記支持バンドに冷却材の下流側方向に突出したフロータブが設けられ、このフロータブの先端部が前記燃料棒方向に曲げられた折り曲げ部を有し、かつ前記支持バンドの外側に前記フロータブの上流側を避けて流路を閉塞する機構を設けてなることを特徴とする。 【0046】請求項6の発明によれば、支持バンドに設けたバスタブと呼ばれる突出部の数を増加し、フロータブの上流に液膜を捕集する。これにより、液膜厚さ、液膜流速が増加すると、液膜の乱れが増し、フロータブの効果と相俟って液滴発生を促進し、燃料棒表面への液滴付着を促進し、外周燃料棒の熱的余裕を向上させることができる。 【0047】請求項7に係る発明は、前記燃料棒の有効発熱部上流から下流側に有効発熱長さに対して2/7から6/7までの軸方向位置の範囲に設けられた複数個の燃料スペーサのうち、前記請求項1ないし6に記載の燃料スペーサから選択された少なくとも1個の燃料スペーサを設けてなることを特徴とする。請求項7の発明によれば、請求項1から6に係る燃料スペーサを発熱部の2/7〜6/7の位置に燃料集合体の除熱性能を向上させることができる。 【0048】請求項8に係る発明は、前記燃料棒の有効発熱部上流から下流向きに有効発熱長さに対して2/7から6/7までの軸方向位置の範囲に前記請求項1ないし6に記載の燃料スペーサから選択された燃料スペーサ間隔を他の発熱部の燃料スペーサ間隔よりも短くして設けてなることを特徴とする。請求項8の発明によれば、請求項1から6に係る燃料スペーサの数の間隔を狭めることにより、燃料集合体の除熱性能を向上させることができる。 【0049】 【発明の実施の形態】図1(a),(b)から図4により本発明に係る燃料集合体の第1の実施の形態を説明する。図1(a)は本実施の形態に係る燃料集合体の燃料棒とウォータロッドを燃料スペーサ17で保持した状態を示す横断面図で、図1(b)は図1(a)における燃料スペーサの側面図である。図2は図1(a),(b)における燃料スペーサ17の支持バンド18を示す要部拡大図、図3(a)〜(c)は本実施の形態の燃料スペーサの冷却材の流れ領域を従来例と比較して示す上面図、図4は本実施の形態と従来例の燃料スペーサにおける液滴付着効果を比較して示す曲線図である。 【0050】本実施の形態が従来例と異なる点は燃料スペーサを改良したことにあるので、燃料集合体の構成については図11に示した燃料集合体とほぼ同様である。したがって、燃料集合体の構成の説明は省略し、本実施の形態に係る燃料スペーサの構成とその作用効果について説明する。なお、燃料棒3やウォータロッド4の本数,配列,形状等は図11に限定されるものではない。 【0051】図1から図3中、図11および図12と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。図1(a),(b)において、本実施の形態における燃料スペーサ17は角部に若干の曲面を有する正方形状枠体からなる支持バンド18の下流側に、支持バンド18と一体に複数のフロータブ19が並列に形成されている。そして、図2に拡大して示したように支持バンド18に形成したフロータブ19の中央部には切り込み20が形成されてフロータブ19は2分割され、この2分割したフロータブ19の先端部を燃料棒3方向に折り曲げた折り曲げ部21が形成されている。支持バンド18の外側にはバスタブと称する突出部22が形成されている。 【0052】格子板13を支持バンド18内に格子状に組み合わせた格子型燃料スペーサの場合、従来例の支持バンド11に取り付けたフロータブ12は図3(b)に示したように格子板13の直下流に位置するため、前述したようにフロータブ12による二相流へ及ぼす効果が小さく、二相流中の液滴を燃料棒3の表面へ振り向ける効果も小さいため、熱的余裕向上効果が小さい。 【0053】これに対して、本実施の形態のようにフロータブ19の中央先端部に切り込み20を入れて2分割し、2分割したフロータブ19に最も近くの燃料棒3側へ向けて折り曲げることにより分割したフロータブ19を燃料棒3と支持バンド18,格子板13で囲まれる流路に効果的に張り出させることができる。 【0054】すなわち、格子型燃料スペーサでは図3(a)に示したように支持バンド11,格子板13および燃料棒3で囲まれる部分が流れの速い領域15となり、流速はスペーサによる流路面積の縮小により加速される。図3(b)は従来例で、フロータブ12が格子板13の下流に位置し、流れの遅い領域16に位置しているため、フロータブ12が二相流に及ぼす効果が小さい。 【0055】これに対して、本実施の形態では図3(c)に示すように燃料棒3側の流路に支持バンド18から張り出したフロータブ19は、二相流に及ぼす影響が大きく、二相流中の液滴を燃料棒3の表面へ振り向ける効果が増大するので、熱的余裕向上効果も増大させることができる。 【0056】図4は本実施の形態のフロータブ19と図13に示す従来例によるフロータブ12の効果を比較した曲線図で、本実施の形態(本発明)ではフロータブ19による燃料棒3への液滴付着促進効果(曲線a)は従来例のフロータブの効果(曲線b)に比較して増大する。燃料棒3へ液滴を多く付着できれば、燃料棒3表面の液膜流量を増大できるので、燃料棒3表面が乾き難くなり、除熱性能を増大することができる。 【0057】つぎに図5により本発明に係る燃料集合体の第2の実施の形態を説明する。図5は本実施の形態の要部のみを拡大して示しており、図5中、図2と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。 【0058】本実施の形態は支持バンド18の上端面からフロータブ19を直接折り曲げた折り曲げ部21を有する支持バンド18とフロータブ19とを一体化した燃料スペーサにある。すなわち、支持バンド18の上面に形成したフロータブ19に切り込み20を設けて2分割し、この2分割したフロータブ19を突出し、この2分割したフロータブ19を支持バンド18の上端面に沿って直接折り曲げて折り曲げ部21を形成して一体化形状としたことにある。 【0059】本実施の形態によれば、2分割したフロータブ19は二相流により強い力を受けるが、2分割したフロータブ19と支持バンド18を一体化することにより、2分割したフロータブ19の強度を増加させることができる。 【0060】つぎに図6(a),(b)により本発明に係る燃料集合体の第3の実施の形態を説明する。図6(a)は本実施の形態における燃料スペーサの支持バンド18とフロータブ19の要部を斜視図で示し、図6(b)は図6(a)の正面図を示し、図2と同一部分には同一符号をふして重複する部分の説明は省略する。 【0061】本実施の形態は支持バンド18の上端に形成したフロータブ19に切り込み20を設けてフロータブ19を2分割し、2分割したフロータブ19の先端部分に折り曲げ部21を形成し、この折り曲げ部21から先端部分までに捻り部23を形成したことにある。 【0062】本実施の形態によれば、2分割したフロータブ19に折り曲げ部21と捻り部23を連続して形成することにより、第1の実施の形態と同様の効果が得られるほか、燃料棒への液滴をさらに多く付着させることができ、除熱性能をさらに増大させることができる。 【0063】つぎに図7により本発明に係る燃料集合体の第4の実施の形態を説明する。本実施の形態は第1から第3の実施の形態において、内側の燃料棒の熱的余裕を向上させるために図7に示したように切り込み20で2分割したフロータブ19を有する支持バンド18内にたてよこに配列された格子板13のクロス(交差)する位置の下流側に旋回羽根24を設けたことにある。すなわち、格子板13が交差する近傍の上端部にひねり部25を有する旋回羽根24を突設したことにある。 【0064】旋回羽根24は燃料集合体中央部熱的余裕を向上させるという目的に加え、燃料スペーサ17の断面方向の圧力損失分布を調整する目的がある。格子型燃料スペーサの場合、燃料集合体中央部流路の燃料スペーサの圧力損失係数は小さいが、外周流路はフロータブ19の影響で圧力損失係数が大きい。 【0065】そこで、本実施の形態のように格子板13が交差する近傍の上端部に旋回羽根24を設けることにより、圧力損失係数を上昇させ、2分割したフロータブ19の存する外周部流路へさらに冷却材を振り向けることができる。これにより、外周の燃料棒、内周の燃料棒ともに、熱的余裕を向上させることができ、燃料集合体トータルとして熱的余裕が向上する。 【0066】つぎに図8により本発明に係る燃料集合体の第5の実施の形態を説明する。本実施の形態は第4の実施の形態における旋回羽根24の代りに、格子板13がたてよこに交差する位置の下流側に捻り板26を設けたことにある。その他の部分は第4の実施の形態と同様であるので、図8中、図7と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。本実施の形態の作用効果は旋回羽根24の場合とほぼ同様であるので、その説明は省略する。 【0067】つぎに図9及び図10(a)により本発明に係る燃料集合体の第6の実施の形態を、図9及び図10(b)により第7の実施の形態を説明する。図9は従来の沸騰水型原子炉用燃料集合体の熱的作用を説明するための燃料棒3と燃料スペーサ7の関係を概略的に示したものである。図9に示したように従来の燃料集合体は燃料棒3の発熱部に燃料スペーサ7が軸方向に沿ってほぼ等間隔に7個設けられている。 【0068】上流の燃料スペーサ7から順番に■〜■の番号を付けると、通常、熱的に厳しいのは最下流の第7番目のスペーサ■の直上流および第6番目のスペーサ■の直上流である。熱的に余裕が向上してくると、さらに第5および第4番目のスペーサ■,■の直上流においても熱的に厳しくなる。 【0069】燃料スペーサ7は二相流中の液滴を燃料棒3の表面へ振り向け、燃料棒3の表面が乾き、除熱が悪化することを妨げる効果があるため、第3番目のスペーサ■も第4番目のスペーサ■の直上流位置の熱的余裕を向上させる効果がある。 【0070】したがって、発熱部を7等分した場合、本発明に係る第6の実施の形態では、図10(a)に示したように発熱部に対して発熱部下端からの相対距離2/7から6/7までの軸方向位置の範囲に第1から第5の実施の形態で記載した燃料スペーサから選択された少なくとも1個の燃料スペーサ17を設ける。 【0071】また、本発明に係る第7の実施の形態では図10(b)に示したように2/7から6/7までの軸方向位置の範囲に第1から第5の実施の形態で記載した燃料スペーサから選択された燃料スペーサを設け、その燃料スペーサ17の数を増加して各々の燃料スペーサ17の間隔を狭める。 【0072】この第6および第7の実施の形態によれば、燃料集合体の除熱性能を向上させることができ、原子力発電プラントの安全性余裕を向上させ、また長期サイクル運転に好適な燃料集合体を提供することができる。 【0073】 【発明の効果】本発明によれば、燃料棒側に張り出したフロータブにより気液二相流中の液滴を燃料棒表面へ振り向け、液膜流量が増大し、除熱効果を大きくできる。したがって、除熱性能が向上することにより原子力発電プラントの安全余裕が向上し、また長期サイクル運転に好適な燃料集合体を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成12年6月19日(2000.6.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087332 【弁理士】 【氏名又は名称】猪股 祥晃 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−6073(P2002−6073A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月9日(2002.1.9) |
| 【出願番号】 |
特願2000−183018(P2000−183018) |
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