| 【発明の名称】 |
核融合装置用真空容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】豊田 真彦
【氏名】清水 克祐
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| 【要約】 |
【課題】中性子に対する耐照射性が優れているとともに、放射化が抑制され、かつ、耐蝕性とガス放出特性に優れた核融合装置用真空容器を提供すること。
【解決手段】オーステナイト系ステンレス鋼製の真空容器2の内面にフェライト鋼製のタイル3が設置されている。このフェライト鋼製のタイル3の表面には、Cr,Al,SiC,TiCなどのメッキ層4によって形成された耐蝕性、耐ガス放出性、ガス非吸着性をもつコーティングが施されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 オーステナイト系ステンレス鋼製の真空容器内面に、表面に耐蝕性、耐ガス放出性、ガス非吸着性のコーティングを施したフェライト鋼製のタイルを設置したことを特徴とする核融合装置用真空容器。 【請求項2】 前記コーティングをCr,Al,SiC,TiCなどのメッキによって施したことを特徴とする請求項1に記載の核融合装置用真空容器。 【請求項3】 前記コーティングをAl,SiC,TiCなどの真空蒸着によって施したことを特徴とする請求項1に記載の核融合装置用真空容器。 【請求項4】 前記コーティングをTiO2 などのセラミックスの加水分解によるコーティングで施したことを特徴とする請求項1に記載の核融合装置用真空容器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、核融合装置を構成する真空容器に関する。 【0002】 【従来の技術】核融合反応を起こすためには、高温・高密度のプラズマをつくって真空にした反応容器の中に磁力線によって閉じ込めることが必要である。このような、核融合装置を構成する真空容器には、SUS316やインコネルなどの常磁性体であるオーステナイト系ステンレス鋼が使われる。しかしながら、オーステナイト系ステンレス鋼は核融合反応によって生ずる中性子で放射化し易いという性質があり扱い難い。 【0003】一方、フェライト系の鋼は放射化しにくいが、錆びやすい。核融合装置を構成する真空容器は真空状態で使用されるが、点検時には開放されるので、錆びやすいという面で耐蝕性が弱いフェライト系の鋼は、核融合装置用真空容器には使用できない。また、核融合装置用の真空容器は、中性子に対する耐照射性に優れていること、更には、高真空を維持するためのガス放出特性に優れていることが必要である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、中性子に対する耐照射性が優れているとともに、放射化が抑制され、かつ、耐蝕性とガス放出特性に優れた核融合装置用真空容器を提供することを課題としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決するため、オーステナイト系ステンレス鋼製の真空容器内面に、表面に耐蝕性、耐ガス放出性、ガス非吸着性のコーティングを施したフェライト鋼製のタイルを設置した構成の核融合装置用真空容器を提供する。 【0006】本発明の核融合装置用真空容器を構成するフェライト鋼製のタイルに施すコーティングとしては、Cr,Al,SiC,TiCなどのメッキによるもの、Al,SiC,TiCなどの真空蒸着によるもの、或いは、TiO2 、などのセラミックスの加水分解によりコーティングを形成したものなど、耐蝕性、耐ガス放出性、ガス非吸着性のあるものを種々採用することができる。 【0007】以上の構成を有する本発明の核融合装置用真空容器は、オーステナイト系ステンレス鋼製であるが、その内面にフェライト鋼製のタイルが設置されていて、核融合反応によって生ずる中性子に対する耐照射性が向上し、放射能化が抑制できる。しかも、そのフェライト鋼製のタイルには、表面に施されたコーティングによって耐蝕性、耐ガス放出性、ガス非吸着性が与えられているので、核融合装置用の真空容器としての機能を担うことができるものとなっている。 【0008】本発明の核融合装置用真空容器に採用するフェライト鋼製のタイルにコーティングを施すのに、Cr,Al,SiC,TiCなどのメッキや真空蒸着、或いはTiO2 などのセラミックスの加水分解によるコーティングを施すやり方によれば、一回の施工でタイル全面にコーティングを施すことができる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明による核融合装置用真空容器を図示した実施形態に基づいて具体的に説明する。 【0010】(第1実施形態)まず、図1に示した第1実施形態による核融合装置用真空容器について説明する。核融合装置におけるドーナツ状の真空容器1の一部を輪切りにした断面図を示す図1の(a)に見られるように、この真空容器1は、オーステナイト系ステンレス鋼製の容器2と、その内面に設置されたFe−9%Crなどのフェライト鋼製タイル3によって構成されている。 【0011】図1の(a)のB部分の拡大図である図1の(b)図に示してあるように、フェライト鋼製タイル3にはCr(クロム)、Al(アルミニウム)などの金属やSiC,TiCなどのセラミックスによる数10〜数100μの厚さのメッキ層4によるコーティングが施されている。 【0012】このように本実施形態による核融合装置用真空容器1は、オーステナイト系ステンレス鋼製の容器2の内面にフェライト鋼製タイル3が設置してあるので、核融合反応によって生ずる中性子に対する耐照射性が向上されているとともに、核融合反応によって生ずる中性子による放射化が抑制可能となっている。 【0013】また、真空容器1内面に設置されているフェライト鋼製タイル3には、その表面にメッキ層4によるコーティングが施されているので耐蝕性が付与されるとともにガス放出特性が改善されており、フェライト鋼製タイル3の表面に錆が発生し、核融合装置用真空容器としての性能を損なうようなことがない。更に、フェライト鋼製タイル3の表面には、メッキ層4によってコーティングを形成するので、一回の施工でフェライト鋼製タイル3の全面に被膜を形成させることができる。 【0014】(第2実施形態)次に、図2に示す第2実施形態による核融合装置用真空容器について説明する。この第2実施形態による核融合装置用真空容器1も、オーステナイト系ステンレス鋼製の容器2の内面にフェライト鋼製タイル3が設置されている。フェライト鋼製タイル3の表面には、Al(アルミニウム)などの金属やSiC,TiCなどのセラミックスを材料とした真空蒸着層5によるコーティングが形成されている。 【0015】この第2実施形態による核融合装置用真空容器1は、オーステナイト系ステンレス鋼製の容器2の内面にフェライト鋼製タイル3が設置してあるので、核融合反応によって生ずる中性子に対する耐照射性が向上されているとともに、核融合反応によって生ずる中性子による放射化が抑制可能となっている。 【0016】また、真空容器1内面に設置されているフェライト鋼製タイル3には、その表面に真空蒸着層5によるコーティングが施されているので耐蝕性が確保されるとともにガス放出特性が改善されている。また、フェライト鋼製タイル3の表面にコーティング5を形成するのに真空蒸着層5を用いているので、一回の施工でタイル全面にコーティングを形成させることができる。 【0017】(第3実施形態)次に、図3に示す第3実施形態による核融合装置用真空容器について説明する。この第3実施形態による核融合装置用真空容器1も、オーステナイト系ステンレス鋼製の容器2の内面にフェライト鋼製タイル3が設置されている。フェライト鋼製タイル3の表面には、TiO2 セラミックスなどを材料とした加水分解コーティング層6が施されている。 【0018】このコーティング層6は、一例として次のように施される。テトライソプロポキシドチタンなどの有機チタネートを使用し、真空チャンバを真空排気しながら昇温し、有機チタネートの蒸気を真空チャンバ内に導入する。次いで真空チャンバを室温に戻して内壁面に結露させ、次にチャンバ内に湿度40%の大気をゆっくりと導入して加水分解反応により有機チタネートを二酸化チタンに組成変化させ、二酸化チタン膜を生成させる。 【0019】以上のように構成されている本実施形態による核融合装置用真空容器1は、オーステナイト系ステンレス鋼製の容器2の内面にフェライト鋼製タイル3が設置してあるので、核融合反応によって生ずる中性子に対する耐照射性が向上されているとともに、核融合反応によって生ずる中性子による放射化が抑制可能となっている。 【0020】また、そのフェライト鋼製タイルの表面には、セラミックスの加水分解によるコーティング層6が施されているので耐蝕性が確保されているとともに、ガス放出特性が改善されている。更にまた、フェライト鋼製タイルの表面にセラミックスの加水分解によるコーティング層6を施すことによって1回の施工でタイル全面をコーティングすることができる。 【0021】以上、本発明を図示した実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明がこれらの実施形態に限定されず特許請求の範囲に示す本発明の範囲内で、その具体的構造、構成に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。例えば、上記実施形態ではフェライト鋼製タイルの表面にコーティングを施すのに、メッキ、真空蒸着、加水分解によるものを採用しているが、フェライト鋼製タイルの表面に、耐蝕性、耐ガス放出性、ガス非吸着性のコーティングを施しうるものであれば、溶射など、他の適宜の方法によってよい。 【0022】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼製の真空容器内面に、表面に耐蝕性、耐ガス放出性、ガス非吸着性のコーティングを施したフェライト鋼製のタイルを設置した構成の核融合装置用真空容器を提供する。 【0023】以上の構成を有する本発明の核融合装置用真空容器は、オーステナイト系ステンレス鋼製であるが、その内面にフェライト鋼製のタイルが設置されていて、核融合反応によって生ずる中性子に対する耐照射性が向上し、放射能化が抑制できる。しかも、そのフェライト鋼製のタイルには、表面に施されたコーティングによって耐蝕性、耐ガス放出性、ガス非吸着性が与えられているので、核融合装置用の真空容器としての機能を担うことができるものとなっている。 【0024】本発明の核融合装置用真空容器に採用するフェライト鋼製のタイルにコーティングを施すのに、Cr,Al,SiC,TiCなどのメッキや真空蒸着、或いはTiO2 などのセラミックスの加水分解によるコーティングを採用したものでは、一回の施工でタイル全面にコーティングを施すことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年11月8日(2000.11.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100069246 【弁理士】 【氏名又は名称】石川 新 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−148376(P2002−148376A) |
| 【公開日】 |
平成14年5月22日(2002.5.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−340177(P2000−340177) |
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