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【発明の名称】 角度調整テーブル装置
【発明者】 【氏名】加藤 雅孝

【要約】 【課題】この角度調整テーブル装置は,物体を微小な角度で高精度に回転位置決めし,高さ寸法を低く構成して装置自体をコンパクトに構成する。

【解決手段】この角度調整テーブル装置は,ベツド1にクロスローラベアリング15を介してテーブル2を回転支持し,駆動装置3によってテーブル2に設けたアーム4を介してテーブル2を微小角度回転駆動させる。モータ8の駆動によって生じるねじ装置10によるテーブル接線方向の変位は,ベッド1と移動台5との間に介在した接線方向の移動をガイドする第1直動案内ユニット6,移動台5と回転台25との間に介在した軸受30,回転台25とアーム4との間に介在したテーブル回転中心方向の移動をガイドする第2直動案内ユニット7によってテーブル2の回転方向の変位として伝達される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 板状のベッド,前記ベッドに第1軸受を介して回転支持されたテーブル,前記テーブルの外周部から突出して設けられた板状のアーム,及び前記アームを介して前記テーブルを微小角度回転駆動させる前記ベッドの側面に配設された駆動装置を有し,前記駆動装置は,前記ベッドの前記側面に固定されたモータブラケットに設けられたモータ,前記ベッドの前記側面の長手方向に沿って延び且つ前記モータの回転軸に連結されたねじ軸,前記ねじ軸に螺合し且つ前記ねじ軸の回転に伴って前記ねじ軸に沿って移動するナット,前記ベッドの前記側面の前記長手方向に沿って配設された第1軌道レールと前記第1軌道レールに沿って移動自在な第1スライダとから成る第1直動案内ユニット,前記第1スライダに固着され前記ナットを固着した移動台,及び前記移動台と前記アームとを回転可能で直線移動可能に結合する連結装置,から構成されていることから成る角度調整テーブル装置。
【請求項2】 前記第1軸受は,前記テーブルの取付けボス部に固定された内輪,前記ベッドの取付け孔に固定された外輪,及び前記内輪と前記外輪の間に介在され且つ交互に軸心を交差させて円周方向に配列されたローラから成るクロスローラベアリングで構成されていることから成る請求項1に記載の角度調整テーブル装置。
【請求項3】 前記連結装置は,前記移動台に第2軸受を介して回転支持された回転台を構成する回転軸,及び前記回転台と前記アームとを前記テーブルの回転に伴って前記テーブルの回転中心方向に移動可能に連結した第2直動案内ユニットから構成されていることから成る請求項1に記載の角度調整テーブル装置。
【請求項4】 前記第2直動案内ユニットは,前記回転台の上面に前記テーブルの回転中心方向に延びて固定された第2軌道レールと,前記第2軌道レールに沿って前記テーブルの回転中心方向に向かって移動自在であり且つ前記アームの下面に固定された第2スライダとから構成されていることから成る請求項3に記載の角度調整テーブル装置。
【請求項5】 前記駆動装置によって生じる前記ねじ軸と前記ナットとから成るねじ装置によるテーブル接線方向の変位は,前記ベッドと前記移動台との間に介在した接線方向の移動をガイドする前記第1直動案内ユニット,前記移動台と前記回転台との間に介在した前記第2軸受,及び前記回転台と前記アームとの間に介在したテーブル回転中心方向の移動をガイドする前記第2直動案内ユニットによって前記テーブルの回転方向の変位として伝達されることから成る請求項3に記載の角度調整テーブル装置。
【請求項6】 前記第1直動案内ユニットと前記第2直動案内ユニットとは直動転がり案内ユニットから構成され,前記ねじ軸と前記ナットとから構成されたねじ装置はボールねじから構成され,前記回転台を構成する前記回転軸を支持する前記第2軸受は複数のアンギュラコンタクト軸受で構成されていることから成る請求項3に記載の角度調整テーブル装置。
【請求項7】 前記ねじ軸の他端部は,前記モータブラケットに対向して前記ベッドの前記側面に固着されたエンドブラケットに第3軸受を介して回転自在に支持されていることから成る請求項1に記載の角度調整テーブル装置。
【請求項8】 前記ベッドは矩形状に形成され,また,前記テーブルは円形に形成されていることから成る請求項1に記載の角度調整テーブル装置。
【請求項9】 前記駆動装置は,前記モータを除いてカバーで覆われていることから成る請求項1に記載の角度調整テーブル装置。
【請求項10】 前記ねじ軸の他端部には原点マークが設けられ,前記原点マークに対応して前記原点マークを検出する原点センサが設けられていることから成る請求項1に記載の角度調整テーブル装置。
【請求項11】 前記第1軌道レールの両端近傍の前記ベッドの前記側面には,リミットセンサがそれぞれ配設されていることから成る請求項1に記載の角度調整テーブル装置。
【請求項12】 前記テーブルの中央には,前記ベッドを貫通する透視孔が形成されていることから成る請求項1に記載の角度調整テーブル装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,各種ロボット,半導体製造装置,精密機械,工作機械等の各種機械装置に適用され,テーブル上に搭載されたワーク等の物体を微小な角度で回転位置決めすることができる角度調整テーブル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,直動案内ユニットとして,図7に示されているものが知られている。該直動転がり案内ユニット40は,軌道レール41と,軌道レール41に跨架した状態で載置されたスライダ42とから成る。軌道レール41の長手方向両側面には軌道溝49が形成されており,スライダ42は,軌道溝49を転走する転動体46を介して軌道レール41上を摺動自在である。軌道レール41の長手方向上面に開口するように軌道レール41に隔置して形成された取付け孔にボルトを挿通し,該ボルトをベッド,機台,加工台等の取付けベースに形成されたねじ穴に螺入することによって軌道レール41が取付ベースに固定されている。スライダ42は,軌道レール41に対して相対移動可能なケーシング43,及びケーシング43の両端にそれぞれ取り付けられたエンドキャップ44を有している。ケーシング43の上部には,他の機器,機械部品,チャック,把持装置等を取り付けるための取付穴が形成されている。
【0003】ケーシング43及びエンドキャップ44の各下面には,ケーシング43及びエンドキャップ44とが軌道レール41に跨がって移動するように凹部が形成されている。凹部には,軌道レール41の各軌道溝49と対向した位置に,それぞれ軌道溝50が形成されている。ケーシング43に組み込まれているボール等の転動体46が,対向する軌道溝49,50で構成される負荷軌道路を転走する。また,ケーシング43から転動体46が脱落するのを防止するために,保持バンド47が多数の転動体46を囲むようにケーシング43に取り付けられている。エンドキャップ44には,軌道レール41の長手方向両側面に対応して,軌道レール41の軌道溝49から転動体46をすくう爪,及び転動体46の循環のために転動体46を方向転換させる方向転換路が形成されている。
【0004】また,エンドキャップ44には,軌道レール41とスライダ42の長手方向両端部との間のシールを達成するエンドシール45が取り付けられている。エンドキャップ44は,複数の取付孔に貫通させた取付けねじ等によりケーシング43の両端面に取り付けられる。直動転がり案内ユニットでは,軌道溝49,50で構成される負荷軌道路,エンドキャップ44内に形成された方向転換路,及びケーシング43の内部に軌道溝50と平行して形成されたリターン孔51は,転動体46のための無限循環路を構成している。転動体46が軌道路において負荷された状態であっても,多数の転動体46が軌道溝49,50にころがり接触して転動することにより,スライダ42は,軌道レール41に対してスムーズに相対移動することができる。直動案内ユニットでは,転走路を潤滑する潤滑剤として,一般的には,グリース又は潤滑油が使用され,グリースは,グリースニップル48を通じて転動体46の転走路に供給される。
【0005】また,図8に示すような回転テーブル装置が知られている。該回転テーブル装置は,モータ60に直結したダイレクトドライブ方式のサーボアクチュエータであり,バックラッシやロストモーションのない高速で高精度な回転方向の位置決めが可能に構成されている。テーブル52を回転駆動して位置決めするサーボアクチュエータは,モータ60,光学式エンコーダ59及び回転用軸受55から構成されている。モータ60は,テーブル52に取り付けられたロータ54とハウジング61に取り付けられたステータ53から構成されている。回転テーブル装置では,テーブル52は,ハウジング61に内輪56,外輪57及び転動体である円筒状のローラ58から成る回転用軸受55を介して回転自在に配置されている。回転用軸受55は,ローラ58が交互に軸心を交差させて円周方向に配列されている構造を有し,一つであらゆる方向の荷重を負荷することができるクロスローラベアリングで構成されている。
【0006】また,特開2000−238232号公報には,ワーク搭載用テーブルのθ軸調整機構が開示されている。該θ軸調整機構は,ナットから起立する突出駒をテーブルから張り出すブラケットアームに配設されたカムフォロアで両側から挟み込んだものであり,駆動モータにより回動するボールネジと該ボールネジの回動により軸線に沿って移動する螺合ナットと該螺合ナットより起立する突出駒とを備える直動ユニットを,ワーク載置用テーブルの側部に配設し,突出駒を両側から挟み込み支持するローラ状のカムフォロアをワーク載置用テーブルより張り出すブラケットアームで回動自在に支持する軸受を装備している。上記θ軸調整機構は,直動ユニットの作動によって,ボールネジの軸線に沿って移動する突出駒でカムフォロアを従動し,ブラケットアームを介してワーク載置用テーブルをθ方向に回転調整可能に組み立てたものである。
【0007】また,実開平4−133540号公報には,移動テーブルが開示されている。該移動テーブルは,ベースとステージとの問にスラスト軸受を介装し,各駆動装置によってステージを駆動することによって平面上を自在に位置決めするものであり,ベース上面にスラスト軸受を介してステージを支持し,ステージの側辺に駆動装置を連結している。ベース上面とステージ側辺に,直交するリニアガイドを設け,両リニアガイドにヒンジ軸を介して連結するスライド部材を嵌合している。ステージを移動すると,スライド部材がスライド又は屈曲してステージの動きに追従し,ステージの浮き上がりと偏心荷重に対する傾きを防止する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,図8に示すような回転テーブル装置では,モータ60を構成するロータ54がテーブル52の全周にわたって設けられ,また,ロータ54に対応してステータ53がハウジング61の環状溝に全周にわたって設けられているため,モータ60そのものが,高さが高くなり,大型化し,構造そのものが複雑化している。
【0009】従来の上記のθ軸調整機構は,角度変化すると,両側のカムフォロアが突出駒に対して斜めから挟み込む状態になり,不安定になるので高精度な角度調整を期待することができない。また,圧縮バネで押圧した構造であるので,中心位置から離れると,挟み込みの力も大きくなり,滑らかな動きを期待することができないものである。
【0010】また,上記の移動テーブルは,各駆動装置をそれぞれに駆動して位置設定しなければならず複雑になっている。また,リニアガイドによってステージの浮き上がりを防止しなければならないものになっている。
【0011】上記の従来の装置は,装置自体の断面高さが大きい構造に構成されており,構造も複雑な構造に構成され,製造コストも高いものになることは明らかである。例えば,近年の半導体関連の製造装置は,多種にわたっており,その半導体製造装置,画像処理検査装置等では,ますます高精度化,コンパクト化,安価な位置決め装置が要望されている。そこで,角度調整テーブル装置として,回転方向即ちθ方向の角度位置決め駆動を可能にし,しかも,部品点数を低減すると共に,装置そのものを如何にして小型化し,軽量化し,応答性を向上させるかの課題がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,半導体製造装置,画像処理を伴う精密測定器,検査機,組立器等の各種装置に適用でき,ワーク等の物体をテーブル上に搭載し,ワーク等の物体を高精度に微小な角度で回転位置決めすることができ,装置自体の部品点数を低減し,高さ寸法を低く構成して装置自体をコンパクト化し,位置決め調整の高応答性に優れた角度調整テーブル装置を提供することである。
【0013】この発明は,板状のベッド,前記ベツドに第1軸受を介して回転支持されたテーブル,前記テーブルの外周部から突出して設けられた板状のアーム,及び前記アームを介して前記テーブルを微小角度回転駆動させる前記ベッドの側面に配設された駆動装置を有し,前記駆動装置は,前記ベッドの前記側面に固定されたモータブラケットに設けられたモータ,前記ベッドの前記側面の長手方向に沿って延び且つ前記モータの回転軸に連結されたねじ軸,前記ねじ軸に螺合し且つ前記ねじ軸の回転に伴って前記ねじ軸に沿って移動するナット,前記ベッドの前記側面の前記長手方向に沿って配設された第1軌道レールと前記第1軌道レールに沿って移動自在な第1スライダとから成る第1直動案内ユニット,前記第1スライダに固着され前記ナットを固着した移動台,及び前記移動台と前記アームとを回転可能で直線移動可能に結合する連結装置,から構成されていることから成る角度調整テーブル装置に関する。
【0014】前記第1軸受は,前記テーブルの取付けボス部に固定された内輪,前記ベッドの取付け孔に固定された外輪,及び前記内輪と前記外輪の間に介在され且つ交互に軸心を交差させて円周方向に配列されたローラから成るクロスローラベアリングで構成されている。従って,前記ベッドに対する前記テーブルの角度方向の移動,即ち,微小角度の変位は,高精度にスムースに行われ,高精度の角度位置決めを達成できる。
【0015】前記連結装置は,前記移動台に第2軸受を介して回転支持された回転台を構成する回転軸,及び前記回転台と前記アームとを前記テーブルの回転に伴って前記テーブルの回転中心方向に移動可能に連結した第2直動案内ユニットから構成されている。
【0016】前記第2直動案内ユニットは,前記回転台の上面に前記テーブルの回転中心方向に延びて固定された第2軌道レールと,前記第2軌道レールに沿って前記テーブルの回転中心方向に向かって移動自在であり且つ前記アームの下面に固定された第2スライダとから構成されている。
【0017】この角度調整テーブル装置は,前記駆動装置によって生じる前記ねじ軸と前記ナットとから成るねじ装置によるテーブル接線方向の変位が,前記ベッドと前記移動台との間に介在した接線方向の移動をガイドする前記第1直動案内ユニット,前記移動台と前記回転台との間に介在した前記第2軸受,及び前記回転台と前記アームとの間に介在したテーブル回転中心方向の移動をガイドする前記第2直動案内ユニットによって前記テーブルの回転方向の変位として伝達されるものである。
【0018】この角度調整テーブル装置では,前記第1直動案内ユニットと前記第2直動案内ユニットとは直動転がり案内ユニットから構成され,前記ねじ軸と前記ナットから構成されたねじ装置はボールねじから構成され,前記回転台を構成する前記回転軸を支持する前記第2軸受は複数のアンギュラコンタクト軸受で構成されている。従って,この角度調整テーブル装置では,前記第2軸受による回転運動,前記第1直動案内ユニットによるテーブル接線方向の直線運動,及び前記第2直動案内ユニットによるテーブル回転中心方向の直線運動は,ガタが無くスムースに伝達され,高精度な運動伝達系を作ることになる。
【0019】前記モータの連結端部とは反対側の前記ねじ軸の他端部は,前記モータブラケットに対向して前記ベッドの前記側面に固着されたエンドブラケットに第3軸受を介して回転自在に支持されている。
【0020】前記ベッドは,矩形状に形成され,また,前記テーブルは,円形に形成されている。前記ベッドは,余分な部分がない形であり,取り付け易い形状に形成されている。また,前記テーブルは,ワークを安定して搭載し易い形状に形成されている。
【0021】前記駆動装置は,前記モータを除いてカバーで覆われている。前記駆動装置は,薄型の構造に構成され,前記駆動装置が側面に配設されているため,保護及び防塵のためのカバーが設けられている。
【0022】この角度調整テーブル装置では,前記ねじ軸の他端部には原点マークが設けられ,前記原点マークに対応して前記原点マークを検出する原点センサが設けられている。また,前記第1軌道レールの両端近傍の前記ベッドの前記側面には,リミットセンサがそれぞれ配設されている。更に,前記テーブルの中央には,前記ベッドを貫通する透視孔が形成されている。
【0023】この角度調整テーブル装置は,上記のように構成されているので,前記モータの駆動によって生じる前記ねじ装置によるテーブル接線方向の変位が,前記第1直動案内ユニット,前記第2軸受及び前記第2直動案内ユニットによって,前記テーブルの回転方向の変位として伝達される。従って,この角度調整テーブル装置は,微小な角度位置決め,即ち,アライメントするのに適した小型なアライメントテーブルを提供することができ,特に,微小な回転方向でなる角度方向(θ方向)の位置決めをするために,図8に示すようなロータリテーブル装置では高さが高くなっていた問題を解消して薄型の構造に構成し,高精度化,コンパクト化,安価な装置を提供でき,また,直交して移動する位置決め装置であるXYテーブルに搭載しても薄型で高精度なXY−θテーブル装置を構成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明による角度調整テーブル装置の実施例を説明する。この角度調整テーブル装置は,各種ロボット,半導体製造装置,精密機械,工作機械,画像処理を伴う精密測定器,検査機,組立器等の各種機械装置に適用することができる。
【0025】この角度調整テーブル装置は,図1〜図3に示すように,概して,矩形厚板状になるベッド1,ベッド1の中央に第1軸受を構成するクロスローラベアリング15を介して回転支持された円形でなるテーブル2,テーブル2の外周部39の一部から突出して設けられた板状のアーム4,及びアーム4を介してテーブル2を微小角度だけ回転駆動させる駆動装置3から構成されている。駆動装置3は,具体的には,図1〜図5に示すように,テーブル2の接線方向にもなるべッド1の一辺の側面36に配設されている。また,駆動装置3は,図示していないが,その電源装置,ドライバ,コントロール等の装置を備えている。
【0026】図lに示すように,テーブル2の中央には,透視用の孔31が設けられており,透視用の孔31はベッド1にも貫通した状態になっている。駆動装置3は,ベッド1の側面36に配設され,従って,ベッド1の側面36に対応するテーブル2の周方向の一部に配設されている。ベッド1は,略矩形状の厚板から形成され,また,テーブル2は,円形に形成されている。ベッド1の四角には,ベース,XYテーブル装置等の取付体に固着するため,取付け用の孔33が形成され,また,テーブル2の上面には,ワーク等の物体を取り付けるための取付けねじ孔32が形成されている。
【0027】図3に示すように,矩形厚板状のベッド1は,テーブル2を回転自在に取り付けるため,中央部に大きく円形状に形成された孔37が形成されている。ベッド1の孔37には,クロスローラベアリング15を形成する外輪17が装着されている。円形状に形成されたテーブル2のボス部38の外周面には,クロスローラベアリング15の内輪16が嵌着しており,テーブル2は,クロスローラベアリング15を介してベッド1に回転支持されている。クロスローラベアリング15は,テーブル2に固定された内輪16とベッド1に固定された外輪17との間に,交互に軸心を交差させて円周方向に配列されたローラ18が介在されている。テーブル2は,クロスローラベアリング15を介してベッド1に対して上下方向,左右方向及びモーメント方向の負荷を受けることが可能になっている。
【0028】駆動装置3は,ベッド1の側面36に固定されたモータブラケット14に設けられたモータ8,モータ8の回転軸62に連結され且つ側面36の長手方向に沿って延びるねじ軸11,ねじ軸11に螺合し且つねじ軸11の回転に伴ってねじ軸11に沿って移動するナット12,ベッド1の側面36の長手方向に沿って配設された第1軌道レール21と第1軌道レール21に沿って移動自在な第1スライダ23とから成る第1直動案内ユニット6,第1スライダ23に固着されナット12を固着した移動台5,及び移動台5とアーム4とを回転可能で直線移動可能に結合する連結装置35から構成されている。駆動装置3は,モータブラケット14に取り付けられたモータ8を除いてカバー9によって覆われている。
【0029】駆動装置3において,モータ8の回転軸62は,ねじ軸11の一端部にカップリング34によって連結されている。ねじ軸11の他端部は,モータブラケット14に対向してベッド1の側面36に固着されたエンドブラケット19に軸受63(第3軸受)を介して回転自在に支持されている。第1直動案内ユニット6を構成する第1軌道レール21は,モータブラケット14とエンドブラケット19との間でベッド1の側面36の長手方向に沿って配設されている。移動台5は,図3に示すように,ねじ軸11が嵌挿し,第1スライダ23に固着支持されナット12が固着されている。回転台25は,アーム4の下方に配設され,移動台5に軸受30を介して回転支持されてなる回転軸13によって構成されている。
【0030】連結装置35は,移動台5に軸受30(第2軸受)を介して回転支持された回転軸13で構成される回転台25,及び回転台25とアーム4とをテーブル2の回転に伴ってテーブル2の回転中心Oの方向に移動可能に連結した第2直動案内ユニット7から構成されている。言い換えれば,第2直動案内ユニット7は,回転台25とアーム4とを相対移動可能に連結する機能を有している。第2直動案内ユニット7は,図4及び図5に示すように,回転台25の上面にテーブル2の回転中心方向に延びて固定された第2軌道レール22と,第2軌道レール22に沿ってテーブル2の回転中心Oの方向に向かって移動自在であり且つアーム4の下面に固定された第2スライダ24とから構成されている。第2直動案内ユニット7は,具体的には,図4に示すように,回転台25の上面に形成された凹溝64に固定された第2軌道レール22,及ぴ第2軌道レール22に治って摺動自在に跨架してアーム4の下面にテーブル2の回転中心Oの方向に向かって形成された凹溝65に固定された第2スライダ24から構成されている。
【0031】ねじ軸11のモータ8と反対側の端部(他端部)は,モータブラケット14に対向してベッド1の側面36に固着されたエンドブラケット19に軸受63(第3軸受)を介して回転自在に支持されている。
【0032】ねじ軸11の他端部には,円盤状の原点マーク29が設けられ,また,エンドブラケット19の対向する部分には,原点マーク29に対応して原点マーク29を検出する原点センサ20が設けられ,原点位置を感知している。また,第1軌道レール21の両端近傍におけるベッド1の側面36には,リミットセンサ26がそれぞれ配設され,リミットセンサ26は移動台5に配設されたリミット板を感知して移動台5のオーバランを防止している。
【0033】この角度調整テーブル装置において,第1直動案内ユニット6,第2直動案内ユニット7,ねじ軸11とナット12とから構成されたねじ装置10,及び回転台25を構成する回転軸13を支持する軸受30には,図示していないが,複数のボールでなる転動体がそれぞれ介在されている。この角度調整テーブル装置では,第1直動案内ユニット6及び第2直動案内ユニット7は,図7に示すように,第1軌道レール21と第1スライダ23との軌道溝間を転動するボールが組み込まれ,ガタがなく滑らかに摺動する直動転がり案内ユニットに構成されている。また,ねじ軸11はボールねじ軸を構成し,ナット12はボールねじ用ナットを構成し,ねじ軸11とナット12とによってボールねじのねじ装置10が構成されている。ねじ装置10は,ねじ軸11とナット12との間にボールが組み込まれ,ガタがなく滑らかに回転摺動する構造に構成されている。軸受30は,回転台25を移動台5に支持する複数のアンギュラコンタクト軸受から構成され,ガタがなく滑らかに回転できるように構成されている。
【0034】この角度調整テーブル装置は,以上に構成されており,次のように動作する。この角度調整テーブル装置は,図6に示すように,ベッド1に対してテーブル2を任意の角度αに変位させるために,モータ8が動作してねじ軸11が回転駆動されると,ねじ軸11に螺着するナット12が固着している移動台5がベッド1の側面36の長手方向に配設された第1直動案内ユニット6に案内されて直線移動する。そこで,移動台5と結合するアーム4が一緒に移動してテーブル2を微小角度回転させることになる。移動台5の直線移動は,テーブル2の角度回転に案内するために回転台25及び第2直動案内ユニット7が動作している。回転台25及び第2直動案内ユニット7の作動は,図6に示すように,当初のテーブル2のアーム4上の点をMOとして任意の角度位置αに移動したとすると,直線移動距離Sの点がMSになり,点MOは円弧上の点M1に移動することになるので,ここで,点MSと点M1間の距離δを是正するためにアーム4の下面に配設された第2直動案内ユニット7が摺動し,及び点MSが角度(α)になるために回転台25が微小角度回転する。即ち,第2直動案内ユニット7の軌道レール22は,テーブル2の回転中心Oを向くように常に回転する。第2直動案内ユニット7及び回転台25の動作は,同時に行われている。
【0035】
【発明の効果】この発明による角度調整テーブル装置は,上記のように構成されているので,ベッドの側面の一方向に直動する第1スライダを持つ第1直動案内ユニットとテーブルの回転中心方向に直動する第2スライダを持つ第2直動案内ユニットとを組み込んだものであり,ボールねじのねじ装置を介してテーブルを回転駆動でき,装置そのものがシンプルでコンパクトに構成でき,高精度で,応答性の良好な微小角度の位置調整を可能にした位置決め装置を安価に構成することができる。従って,この角度調整テーブル装置は,XYテーブルに搭載した時には,薄型で高精度のXY−θテーブルを構成でき,各種ロボット,半導体製造装置,精密機械,工作機械,画像処理を伴う精密測定器,検査機,組立器等の各種機械装置に適用して好ましいものである。
【出願人】 【識別番号】000229335
【氏名又は名称】日本トムソン株式会社
【出願日】 平成13年5月16日(2001.5.16)
【代理人】 【識別番号】100092347
【弁理士】
【氏名又は名称】尾仲 一宗
【公開番号】 特開2002−341076(P2002−341076A)
【公開日】 平成14年11月27日(2002.11.27)
【出願番号】 特願2001−145919(P2001−145919)