| 【発明の名称】 |
記憶装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】ダピン・チュー
|
| 【要約】 |
【課題】強誘電体材料の内部分極を利用しかつ非破壊データ読出オペレーションが保証される記憶装置とデータ貯蔵および引出方法とを提供すること。
【解決手段】本発明は、圧電材料の層と強誘電体材料の層とを具備し、一方の層に印加された電圧が他方の層にわたって生成される電圧を結果として生ずるように、前記2つの層が共にクランプされる。本発明は、強誘電体材料の層を提供するステップと、圧電材料の層を提供するステップと、該2つの層を共にクランプするステップと、記憶されるべきデータに従って、2つの安定方向のうちの1つに強誘電体材料を内部分極することによって、データを記憶するステップと、一方の層に非分極化電圧を印加しかつ他方の層から結果として生ずる電圧を検出することによって、記憶されたデータを引き出すステップとを具備する。好ましくは、圧電材料は強誘電体材料として実現される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧電材料の層と強誘電体材料の層とを具備し、一方の層に印加された電圧が他方の層にわたって生成される電圧を結果として生ずるように、前記2つの層が共にクランプされたことを特徴とする記憶装置。 【請求項2】 圧電材料は強誘電体材料であることを特徴とする請求項1記載の記憶装置。 【請求項3】 共通電極が2つの層の間に提供され、入力電極が前記2つの層の一方の層上に提供され、出力電極が前記2つの層の他方の層上に提供され、入力電極と出力電極とは、それぞれの層において、共通電極とは反対側に配列されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の記憶装置。 【請求項4】 入力電極と出力電極とに接続された個々の入力を有する比較器を更に具備することを特徴とする請求項3記載の記憶装置。 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載の記憶装置を複数具備することを特徴とする記憶装置。 【請求項6】 個々の入力電極は、第1の平面内に空間的に分離された方法で互いに平行に整列されており、個々の共通電極は、第2の平面内に空間的に分離された方法で互いに平行に整列されており、個々の出力電極は、第3の平面内に空間的に分離された方法で互いに平行に整列されており、前記平面は互いに平行であり、入力電極と出力電極とは互いに平行であり、共通電極は入力電極および出力電極に直交していることを特徴とする請求項5記載の記憶装置。 【請求項7】 強誘電体材料の層を提供するステップと、圧電材料の層を提供するステップと、該2つの層を共にクランプするステップと、記憶されるべきデータに従って、2つの安定方向のうちの1つに強誘電体材料を内部分極することによって、データを記憶するステップと、一方の層に非分極化電圧を印加しかつ他方の層から結果として生ずる電圧を検出することによって、記憶されたデータを引き出すステップとを具備することを特徴とするデータ貯蔵およびデータ引出の方法。 【請求項8】 圧電材料の層を提供するステップは、該圧電材料として強誘電体材料を提供するステップを具備することを特徴とする請求項7記載の方法。 【請求項9】 強誘電体材料によって実現された圧電層を基準方向に内部分極するステップと、基準方向に関連する2つの方向のうちの前記1つの方向への内部分極によって、データの貯蔵のために整列するステップとを具備することを特徴とする請求項8記載の方法。 【請求項10】 前記結果として生ずる電圧を検出するステップは、前記結果として生ずる電圧の位相を前記印加された非分極化電圧の位相と比較するステップを具備することを特徴とする請求項7から請求項9のいずれかに記載の方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、データ貯蔵のための記憶装置に関し、かつ、特に、該発明は、圧電効果を利用する記憶装置に関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】圧電材料の部分集合としての強誘電体材料は、不揮発性の双安定内部分極を示すことができる。分極の状態は、材料の対向する両表面の間に印加された電圧によって生じる。材料を内部分極するのに十分に大きい電圧を印加すると、その結果、分極の方向を決定することが可能であり、このことは2値表示として使用されることができる。それによって、該材料はデータ貯蔵媒体として動作できる。しかしながら、データ読出オペレーションがデータを破壊するという問題が発生する。具体的に言うと、該読出オペレーションは、指定された方向に分極を設定するために電圧を印加することからなる。もし、分極が既にその方向にあるならば、電荷交換は要求されない。しかしながら、もし、分極が反対の方向にあるならば、指定された方向の分極を得るために、比較的大量の電荷交換が要求される。故に、指定された分極を得るために要求される電荷交換のハイレベルまたはロー(ゼロ)レベルに従って、分極の以前の方向が判断されることができる。 【0003】データ貯蔵のために強誘電体材料の内部分極を利用する記憶装置を提供すること、かつ、非破壊データ読出オペレーションが保証されることができる記憶装置を提供することが本発明の目的である。強誘電体材料の内部分極を利用するデータ貯蔵およびデータ引出の方法を提供すること、かつ、非破壊データ読出オペレーションが保証されることができるデータ貯蔵およびデータ引出の方法を提供することが本発明の他の目的である。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴によると、圧電材料の層と強誘電体材料の層とを具備し、一方の層に印加された電圧が他方の層にわたって生成される電圧を結果として生ずるように、前記2つの層が共にクランプされた記憶装置が提供される。好ましくは、圧電材料は強誘電体材料として実現される。 【0005】本発明の第2の特徴によると、強誘電体材料の層を提供するステップと、圧電材料の層を提供するステップと、該2つの層を共にクランプするステップと、記憶されるべきデータに従って、2つの安定方向のうちの1つに強誘電体材料を内部分極することによって、データを記憶するステップと、一方の層に非分極化電圧を印加しかつ他方の層から結果として生ずる電圧を検出することによって、記憶されたデータを引き出すステップとを具備するデータ貯蔵およびデータ引出の方法が提供される。好ましくは、圧電材料の層を提供するステップは、該圧電材料として強誘電体材料を提供するステップを具備する。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明の実施形態は、後続の単なる実例によってかつ添付図面を参照して、より詳細にここで記述される。該添付図面は以下の通りである。図1は、電圧増幅器として動作する圧電デバイスの動作の原理を図解する。図2は、本発明の一実施形態による記憶装置におけるデータ貯蔵モードの図式表示である。図3は、本発明の他の実施形態による複数セル記憶装置の図式表示である。図4は、1つのセル記憶装置に対するデータ読出オペレーションを図解する。図5は、本発明によるマトリクス記憶装置への従来のアドレッシング計画の適用を図解する。 【0007】電圧増幅器として動作する圧電デバイスの動作の原理の記述が、図1を参照して、ここで与えられる。図1に図解されるように、圧電材料の2つの層(1,2)が、2つのクランプ部材(3,4)の間に閉じこめられる。圧電材料の第1層(1)に関する電圧はV1 として表され、かつ、その厚さはd1 として表され、かつ、その固有の特性はεr1およびd33,1として表される。同様に、圧電材料の第2層(2)に関する電圧はV2 として表され、かつ、その厚さはd2 として表され、かつ、その固有の特性はεr2およびd33,2として表される。理想的には、【数1】
である。層の外部閉じ込めによって、ΣΔdi =0であり、故に、V2 =±(d33,1/d33,2)V1である。ここで、符号は、層1と層2との間における平行分極および逆平行分極に対応する。 【0008】図1に図解されるデバイスは、強誘電体効果と圧電効果とが同時に存在するとして考慮される強誘電体増幅器としても解釈される。 【0009】既に言及されたように、強誘電体材料の分極の方向を変化させるためには、比較的大きな電圧が要求される。比較的小さな電圧を印加することは、分極の方向を変化させない。故に、図1に図解されるデバイスでは、小さな電圧V1 を印加することは、層1の分極を変化させないが、結果として起こる出力V2 (出力V2 の大きさは、層2の分極の方向を変化させないほどに十分小さい)の符号を読み出すことによって、層1および層2の平行分極方向または逆平行分極方向が即座にかつ非破壊的に検出される。故に、2値表示を表すために、一方の層の分極の方向を基準として考慮し、かつ、他方の層の分極の方向が変更されるように整列させると、入力読出電圧と出力読出電圧との単なる位相比較によって2値表示の非破壊読出が実行される不揮発性記憶装置が提供される。そのように描写された基本セルの例示が図2に図解される。 【0010】図2において、下層の分極は基準として使用され、かつ、上層の分極はデータ貯蔵として使用される。図解されるように、平行分極状態は2値“1”に対応し、入力電圧と出力電圧とは位相が異なり、かつ、逆平行分極状態は2値“0”に対応し、入力電圧と出力電圧とは位相が同じである。 【0011】本発明による記憶装置の独特の利点は、「外部外乱に簡単には影響されない」ということである。読出において伴われる変位は内部的かつ相対的である。それはフォノンの光学モードに類似していると考えられることができる。外部外乱(例えば振動)は、アコースティックモードに類似しており、かつ、出力には殆ど影響を与えない。 【0012】先の記述から、「本発明の1つの特徴は、メモリセルからデータを読み出すために圧電効果を利用することである」ということが認められる。特に、図2のいわゆる基準層は、強誘電体層よりもむしろ圧電層として実現されるほうがよい。圧電層へ電圧を印加することは、圧電層の縮小または拡大と、結果としての強誘電体層における変化とを引き起こす。この変化は、強誘電体材料の分極の方向に検出可能に依存している。これは、図2の実施形態の同相のみのバージョンとして考慮されることができる。更に、層をクランプすることは、物理的な閉じ込め(一定距離)に関して図解されているが、層をクランプすることは、また、該層が例えば一定の力(ストレス)にさらされているとして理解されることができる。必要なことは、「一方の層における変化が他方の層に作用し、かつ、外部には失われない」ということである。 【0013】1つのメモリセルの動作が、図1および図2を参照して記述された。実際の使用に対しては、多数のセルのアレイを提供することが望ましい。そのようなアレイは、本発明によって、容易に提供される。基本セルは、3つの電極を必要とする。これらは、図1内の参照番号5,6,7によって識別される。即ち、電圧V1 は電極5と電極6との間に印加され、かつ、電圧V2 は電極6と電極7との間において測定される。共通電極6が図解されているが、その代わりに、上層および下層に対して、2つの個々に分離した電極を使用することが当然のことながら可能である。図3に示されるように、それぞれ複数の電極5,6,7を提供することによって、セルのアレイが形成される。細長くかつ平行かつ空間的に分離された複数の電極5が、1つの平面内に提供される。細長くかつ平行かつ空間的に分離された類似の複数の電極7が、平行平面内に提供され、かつ、細長くかつ平行かつ空間的に分離された複数の電極6が、他の2つの平面の間における他の平行平面内に提供される。更に、電極5と電極7とは、互いに平行かつ垂直に整列されているのに対して、電極6は電極5および電極7と直交している。故に、個々のメモリセルは、個々の電極5,6,7それぞれの“交差”、即ち重なりの各点に形成される。 【0014】図4に示されるように、各メモリセルを読み出すために、比較器8が使用される。比較器8は、電圧V1 と電圧V2 との符号、即ち位相を比較し、かつ、該出力は2値“1”または“0”として直接得られることができる。「簡単な比較器回路を使用してメモリセルのデータ内容が読み出されることができる」ということが、本発明の独特の利点である。 【0015】図3を参照して説明されたメモリアレイは、図4を参照して記述されたような比較器を複数使用して、アクティブマトリクスまたはパッシブマトリクスのいずれかを実現するために使用されることができる。重要なこととして、結果として生ずるマトリクスは、従来のアドレッシング技術を使用してアドレッシングされることができる。複数のメモリセルの従来のアドレッシングのための本発明によるマトリクス接続が、図5に描写されている。 【0016】先の記述は単なる実例によって与えられ、かつ、「本発明の範囲から離れることなく変更が行われることができる」ということが、当業者によって認識される。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002369 【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年5月31日(2001.5.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089037 【弁理士】 【氏名又は名称】渡邊 隆 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−56667(P2002−56667A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2001−165359(P2001−165359) |
|