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【発明の名称】 磁気記憶装置の固定装置
【発明者】 【氏名】平本 雅敏

【氏名】二宮 廣明

【氏名】鈴木 啓之

【要約】 【課題】磁気記憶装置の取付・取外しが容易であるとともに、磁気記憶装置の自己振動による読出・書込不良が発生しない磁気記憶装置の固定装置を提供することにある。

【解決手段】押え用アダプタ3は、ロックレバー5によって、上下方向に可動である。ロックレバー5は、ロックステー7によって位置固定できる。押え用アダプタ2を板バネ8によって、磁気記憶装置に押さえつける付勢力を与えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】磁気記憶装置を固定する磁気記憶装置の固定装置において、上下方向に可動な押え用アダプタと、この押えアダプタに係合すると共に、押えアダプタを上下に可動するロックレバーと、上記押えアダプタにより磁気記憶装置を保持した状態で位置を固定するロック機構と、上記押え用アダプタを上記磁気記憶装置に押さえつける付勢力を与えるバネ手段とを備えたことを特徴とする磁気記憶装置の固定装置。
【請求項2】請求項1記載の磁気記憶装置の固定装置において、上記押えアダプタは、磁気記憶装置の側面フレームの上辺を押さえることを特徴とする磁気記憶装置の固定装置。
【請求項3】請求項1記載の磁気記憶装置の固定装置において、上記磁気記憶装置の下方に配置されるとともに、導電性を有するスペーサを備えたことを特徴とする磁気記憶装置の固定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記憶装置を固定する固定装置に係り、特に、複数の磁気記憶装置を同時に試験する試験装置に用いるに好適な磁気記憶装置の固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記憶装置の生産工程や受入工程等の量産工程では、専用の試験装置を用い、複数の磁気記憶装置の良品判定を同時に試験している。良品判定は、例えば、記憶媒体にデータの読み書きを行い、記憶媒体に対する読み出し書き込み障害が発生したとき、不良品と判定する。ここで、複数の磁気記憶装置は、試験装置に、ネジにて直接固定している。しかしながら、試験装置には、例えば、60台の磁気記憶装置を取り付ける必要があり、取付作業が容易でないものであった。そこで、最近では、磁気記憶装置の側面から簡易的な固定機構にて固定する試験装置も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近、磁気記憶装置における記憶密度の増加や転送速度の高速化に伴い、磁気記憶装置自身のモータの回転速度が高速化されている。従来は、5400rpmが一般的であったのに対して、7200rpmや10000rpmの回転速度を有する磁気記憶装置も用いられつつある。このような高回転速度型の磁気記憶装置を、従来の簡易固定機構を用いた試験装置で量産工程の試験を行った結果、次のような問題があることが判明した。即ち、良品判定を行った際、本来の磁気記憶媒体の不良による読出・書込障害の他に、磁気記憶装置のモータの回転振動及びヘッドの位置決め用アームの振動により、磁気記憶装置の自己振動が発生し、磁気記憶装置に対するデータの読み出し書き込みを失敗するケースが発生することが判明した。このような読み出し書込の失敗は、本来の磁気記憶媒体の不良による読出・書込障害と区別できないため、量産工程における試験を行えないという問題があることが判明した。
【0004】本発明の目的は、磁気記憶装置の取付・取外しが容易であるとともに、磁気記憶装置の自己振動による読出・書込不良が発生しない磁気記憶装置の固定装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、磁気記憶装置を固定する磁気記憶装置の固定装置において、上下方向に可動な押え用アダプタと、この押えアダプタに係合すると共に、押えアダプタを上下に可動するロックレバーと、上記押えアダプタにより磁気記憶装置を保持した状態で位置を固定するロック機構と、上記押え用アダプタを上記磁気記憶装置に押さえつける付勢力を与えるバネ手段とを備えるようにしたものである。かかる構成により、磁気記憶装置の取付・取外しが容易であるとともに、磁気記憶装置の自己振動による読出・書込不良を防止し得るものとなる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を用いて、本発明の一実施形態による磁気記憶装置の固定装置の構成について説明する。最初に、図1及び図2を用いて、本実施形態による磁気記憶装置の固定装置の全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態による磁気記憶装置の固定装置の全体構成を示す斜視図である。図2は、本発明の一実施形態による磁気記憶装置の固定装置の分解斜視図である。
【0007】磁気記憶装置の固定装置1は、搭載用アダプタ台2と、押え用アダプタ3と、可動軸4と、ロックレバー5と、保持ブロック6と、ロックステー7と、板バネ8とから構成されている。
【0008】搭載用アダプタ台2は、保持ブロック6の上に、2つ載置されいる。搭載用アダプタ台2は、金属台2Aと、弾性を有すると共に、導電性を有するスペーサ2Bとから構成されている。スペーサ2Bは、例えば、導電性プラスチックからなり、金属台2Aの上に導電性接着剤等で固着されている。
【0009】移動軸4は、保持ブロック6の後方上部に回動可能に取り付けられている。可動軸4の一方の端部には、ロックレバー5が固定されている。ロックレバー5は、ストッパ5Aを備えている。可動軸4の中央部には、板バネ8を介して、押え用アダプタ3が取り付けられている。保持ブロック6の一方の側面には、ロックステー7が取り付けられている。ロックステー7には、固定穴7A,7B,7Cが設けられている。
【0010】ロックレバー5のストッパ5Aが、固定穴7Aに係止されている状態では、押え用アダプタ3は、上方に引き上げられており、その位置で係止している。この状態で、磁気記憶装置HDDを試験する時には、磁気記憶装置HDDを搭載用アダプター台2に乗せる。
【0011】次に、ロックレバー5のストッパ5Aを固定穴7Aから引き抜き、ロックレバー5を下方に押し下げることにより、押え用アダプタ3も下方に移動して、磁気記憶装置HDDと接触し、磁気記憶装置HDDを板バネ8のバネ力により押さえつける。この状態で、ックレバー5のストッパ5Aを、固定穴7B,7Cに係止することにより、磁気記憶装置HDDは、固定装置1に固定される。固定装置1に磁気記憶装置HDDが固定されるとき、板バネ8によって、所定の荷重(例えば、2kgf)が印加されている。この荷重は、固定装置1に固定された磁気記憶装置HDDの自己振動を抑制できる程度のものである。磁気記憶装置HDDの高さH1は、通常2種類のものが知られている。ハーフハイトのものは、高さH1が1/2インチ(約12.7mm)であり、フルハイトのものは高さH1が1インチ(約25.4mm)である。フルハイトの磁気記憶装置HDDを固定する場合には、ストッパ5Aは、固定穴7Bに係止される。また、フルハイトの磁気記憶装置HDDを固定する場合には、ストッパ5Aは、固定穴7Cに係止される。磁気記憶装置HDDの高さに応じて、固定穴7B,7Cの位置を変えるだけで、磁気記憶装置HDDを、自己振動が生じないような所定の荷重で固定することができる。また、ロックレバー5の押し下げのみで、磁気記憶装置HDDを容易に固定し、また、取り外すことができるので、作業性を向上することができる。なお、この板バネ8の強さを変更することにより磁気記憶装置の固定する強さを自由に設定し自己振動を抑制することが可能である。
【0012】押さえ用アダプター3には、その下方の押さえ部3A,3Bが設けられている。押さえ部3A,3Bは、下方に面して傾斜部を備えている。押さえ部3A,3Bの傾斜部は、ちょうど、磁気記憶装置HDDの側面フレームa,bを押さえる位置に設けられている。押さえ部3A,3Bの傾斜部は、磁気記憶装置HDDの側面フレームa,bの上部を線で押える。この時、押さえ用アダプター3は、磁気記憶装置の中央に位置する。ここで、例えば、磁気記憶装置HDDの側面フレーム以外の部分,例えば、上面cを押えると、磁気記憶装置内のスピンドルモータの稼動軸や底面に有る制御基板等に負荷が掛かるため適当ではないものである。
【0013】なお、図示は省略しているが、保持ブロック6の後方には、試験装置のコネクタが設けられており、磁気記憶装置HDDを搭載用アダプタ台2に載置し、後方に押しつけることにより、磁気記憶装置HDDのコネクタと試験装置のコネクタを接続して、試験装置を用いて、磁気記憶装置HDDの読出・書込処理を行うことができる。
【0014】次に、図3を用いて、本実施形態による磁気記憶装置の固定装置の他の構成について説明する。図3は、本発明の一実施形態による磁気記憶装置の固定装置の他の構成を示す分解斜視図である。なお、図1,図2と同一符号は、同一部分を示している。
【0015】磁気記憶装置HDDのコネクタには、複数の種類のものが用いられる場合がある。例えば、50ピンのコネクタと、68ピンのコネクタ等の場合である。このような異なるコネクタが用いられる場合、そのコネクタの設置位置(例えば、磁気記憶装置の背面側において、底面からの高さ)が異なることがある。
【0016】そこで、本実施形態では、2種類の搭載用アダプタ台2X,2Yと、2種類の押え用アダプタ3X,3Yとを備えている。例えば、アダプタ台2Xの金属台2A’の高さをH2とし、また、アダプタ台2Yの金属台2A”の高さをH3とする。ここで、H2<H3である。また、アダプタ3Xの高さをH4とし、アダプタ3Yの高さをH5とする。ここで、H4>H5である。また、(H2+H4=H3+H5)としている。
【0017】68ピンコネクタの設置位置が、50ピンコネクタの設置位置より高い場合には、搭載用アダプタ台2Xと、押え用アダプタ3Xのペアにより、68ピンコネクタを有する磁気記憶装置HDDを固定装置1に固定する。また、搭載用アダプタ台2Yと、押え用アダプタ3Yのペアにより、50ピンコネクタを有する磁気記憶装置HDDを固定装置1に固定する。このように、搭載用アダプタ台2X,2Yと、押え用アダプタ3X,3Yを交換するのみで、異なるコネクタ位置を有する磁気記憶装置にも容易に対応することができる。
【0018】また、ハーフハイトとフルハイトの磁気記憶装置のように高さH1が異なる場合に、押え用アダプタ3の高さを変えることで、対応することもできる。さらに、3.5インチの磁気記憶装置に対して、2.5インチの磁気記憶装置は、図1に示した幅W1が異なる。このような場合にも、押え用アダプタ3の幅を変えることによって、容易に対応することができる。
【0019】次に、図4を用いて、本実施形態による磁気記憶装置の固定装置が用いられる試験装置の構成について説明する。図4は、本発明の一実施形態による磁気記憶装置の固定装置が用いられる試験装置の正面図である。
【0020】試験装置10は、複数(例えば、60台)の磁気記憶装置の読出・書込試験を同時に行えるものであり、その内部には、図1及び図2において説明した複数の固定装置1が備えられている。
【0021】以上説明したように、本実施形態の固定装置を磁気記憶装置の搭載される機器に実装しておくことで、ネジを使用せず容易に磁気記憶装置の脱着が行えるとともに、磁気記憶装置の自己振動を抑制できる。したがって、磁気記憶装置の量産工程での試験工数を大幅に削減することができる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、磁気記憶装置の取付・取外しが容易であるとともに、磁気記憶装置の自己振動による読出・書込不良を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【識別番号】394004309
【氏名又は名称】株式会社アドテックス
【出願日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【代理人】 【識別番号】100077816
【弁理士】
【氏名又は名称】春日 讓
【公開番号】 特開2002−230701(P2002−230701A)
【公開日】 平成14年8月16日(2002.8.16)
【出願番号】 特願2001−18922(P2001−18922)