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【発明の名称】 車両用電子機器システム
【発明者】 【氏名】長坂 康弘

【氏名】志賀 恒男

【氏名】村田 昌亮

【要約】 【課題】システムのグレードアップや変更を安価に行うことができる車両用電子機器システムを提供すること。

【解決手段】電子機器システムは、筐体20と、同筐体20に着脱可能に組み付け固定される複数のモジュール31〜35とを含んでいる。モジュール31〜34は、液晶ディスプレイ31a、描画制御回路32a1及びナビゲーション用制御回路32a2、MDユニット33a、CDユニット34aをそれぞれ含んでいている。モジュール35は、描画制御回路及びナビゲーション用制御回路、MDユニット、及びCDユニットに対して共通する機能を達成する制御部、例えば、電力供給用の定電圧回路等を統合したものである。これにより、モジュール31〜34のうちの必要なもののみを交換することができるため、システムのグレードアップ等に要するコストを低減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】操作部、特定の作動を行うための特有な構成を有する特有部、及び制御部を有してなり前記操作部の操作に応じ前記特有部及び前記制御部が協働して前記特定の作動を行う電子機器を複数備えた車両用電子機器システムであって、前記特有部及び前記制御部の少なくとも一部が単独で交換可能に構成された電子機器システム。
【請求項2】請求項1に記載の電子機器システムにおいて、前記特有部のうちの少なくとも二以上の特有部は物理的に独立分離されてなる電子機器システム。
【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の電子機器システムにおいて、前記制御部の全部又は一部であって前記複数の電子機器の特有部のうちの少なくとも二以上の特有部に共通する機能を達成する部分が物理的に統合されてなる電子機器システム。
【請求項4】請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の電子機器システムにおいて、前記特有部及び前記制御部は、前記車両に着脱可能に取付けられる筐体に対して着脱可能に取付けられるように構成された電子機器システム。
【請求項5】請求項4に記載の電子機器システムにおいて、前記筐体は開口部を有するとともに同開口部は同筐体に対して着脱可能に取付けられるパネルにより閉塞され、前記操作部は物理的に統合されて前記パネルに設けられてなる電子機器システム。
【請求項6】請求項4又は請求項5に記載の電子機器システムにおいて、前記特有部及び前記制御部は基体上に形成されるとともに、前記筐体は内壁面に複数のスリットを有し、前記特有部及び前記制御部は前記基体の端部が前記スリットに挿入された状態にて前記筐体に固定されるように構成された電子機器システム。
【請求項7】請求項5又は請求項6に記載の電子機器システムにおいて、前記パネルの操作部は、複数のスイッチを含むとともに同スイッチは前記パネルに設けられたスイッチ回路を介して前記特有部又は前記制御部に電気的に接続されるように構成された電子機器システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載されるとともに乗員の操作に応じ特定の作動を行う複数の電子機器を有してなる車両用電子機器システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、この種の車両用電子機器システムは、ナビゲーションシステム、ラジオ及びカセットテープデッキを含むオーディオシステム、コンパクトディスク(CD)システム、及びミニディスク(MD)システム等からなるシステムの集合体として構成されている。これらのシステムは、それぞれ一つの電子機器ユニットにより、又は二つの電子機器ユニットが組み合わされたユニット群により、それぞれのシステムに要求される特定の作動を行うように構成されている。
【0003】上記車両用電子機器システムが車両に搭載される場合の態様について図6を参照しながら説明すると、この例では、ナビゲーション用電子制御ユニット61が車両のラゲージルーム内に配設され、前記ナビゲーション用電子制御ユニット61と通信を行い必要な情報をディスプレイに表示する表示制御ユニット62、オーディオシステム用電子機器ユニット63、CDシステム用電子機器ユニット64、及びMDシステム用電子機器ユニット65が同車両のインストルメントパネル66に配設されるようになっている。
【0004】図6に概念的に示したように、上記ナビゲーション用電子制御ユニット61は、他のモジュールとの通信を行うための通信制御部61aと、電源回路61bを備えている。表示制御ユニット62は、通信制御部62aと、電源回路62bと、ディスプレイの表示(描画)を制御する描画制御回路62cと、スイッチ入力を処理するスイッチ回路62dとを備えている。オーディオシステム用電子機器ユニット63は、通信制御部63aと、電源回路63bと、ラジオチューナ回路63cと、スイッチ回路63dと、入力信号を増幅して出力するオーディオ回路63eとを備えている。
【0005】CDシステム用電子機器ユニット64は、通信制御部64aと、電源回路64bと、オーディオ回路64cと、スイッチ回路64dと、CDに記憶された情報を読み込むため同CDを駆動するメカニカル部分を含む機構部64eとを備えている。同様に、MDシステム用電子機器ユニット65は、通信制御部65aと、電源回路65bと、オーディオ回路65cと、スイッチ回路65dと、MDに記憶された情報を読み込むため同MDを駆動するメカニカル部分を含む機構部65eとを備えている。
【0006】一方、特開2000−95032号公報には、オーディオ機器の自由な選択・組合せを可能にしてシステムのグレードアップ等を容易に行えるようにするため、同システムをオーディオ機器制御回路、スイッチ入力回路、操作パネル、コネクタ、及び表示装置を備えたベースユニットと、このベースユニットに着脱可能に固定される複数のモジュールとにより構成する技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記一般的なシステムにおける電子機器ユニット61〜65の各々は、他の電子機器ユニット61〜65においても共通に使用することができる機能部分、例えば、通信制御部61a,62a,63a,64a,65a、電源回路61b,62b,63b,64b,65b、スイッチ回路62d,63d,64d,65d、及び、オーディオ回路63e,64c,65c(以下、これらの二以上の電子機器ユニットに共通して使用可能な部分を「制御部」と総称する。)を重複して備えているためにコストが高くなるという問題点がある。また、システムのグレードアップや変更の際にはユニット単位で交換することとなるので、交換する必要のない制御部まで交換しなければならず、そのコストが高くなるという問題点がある。
【0008】一方、上記特開2000−95032号公報に開示された技術においては、ベースユニットに含まれるオーディオ機器制御回路に適合したモジュールは自由に選択して装着できるものの、オーディオ機器制御回路に適合できないユニットを装着する場合にはベースユニット自体を交換しなければならないため、交換する必要のないスイッチ類や表示装置等まで交換しなければならず、結果としてグレードアップのためのコストが高くなるという問題がある。
【0009】
【本発明の概要】本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その特徴は、操作部、特定の作動を行うための特有な構成を有する特有部、及び制御部を有してなり前記操作部の操作に応じ前記特有部及び前記制御部が協働して前記特定の作動を行う電子機器を複数備えた車両用電子機器システムであって、前記特有部及び前記制御部の少なくとも一部が単独で交換可能に構成されたことにある。
【0010】これによれば、前記特有部及び前記制御部の少なくとも一部が単独で交換可能であるので、即ち、前記特有部及び前記制御部のうちの一部であって交換対象となるものが交換対象以外の操作部、特有部、及び制御部の交換を伴わず交換され得るので、システムの変更やグレードアップ等において必要な部分だけを交換することができ、この結果、交換に要するコストを抑制することができる。また、仮に、既装着の制御部ではグレードアップされた特有部の装着が困難な場合であっても、制御部を操作部と切り離して交換することが可能であるので、その際のコストを抑制することが可能となる。
【0011】この場合において、前記特有部のうちの少なくとも二以上の特有部は物理的に独立分離されてなることが好適である。
【0012】これによれば、交換対象が上記独立分離された特有部であるとき、交換に必要な部分のみを交換することができるので、その際のコストを一層抑制することが可能となる。
【0013】また、前記制御部の全部又は一部であって前記複数の電子機器の特有部のうちの少なくとも二以上の特有部に共通する機能を達成する部分が物理的に統合されてなることが好適である。
【0014】これによれば、システム全体として無駄な重複が排除され得るので、同システムのコストを低減することが可能となる。
【0015】また、前記特有部及び前記制御部は、前記車両に着脱可能に取付けられる筐体に対して着脱可能に取付けられるように構成されることが好適である。
【0016】これによれば、従来個別に有していた電子機器ユニットのケースを一体化・簡素化できるので、システムのコストを低減することが可能となる。また、電子機器システムを車両の組立てラインとは別のラインにて組立て、この組立後のシステムを一時に車両に組み付けることができるので、同システムの車両への組み付けが容易となる。
【0017】また、前記筐体は開口部を有するとともに同開口部は同筐体に対して着脱可能に取付けられるパネルにより閉塞され、前記操作部は物理的に統合されて前記パネルに設けられてなることが好適である。
【0018】これによれば、筐体の蓋体と操作部とを一体化できるので、システムのコストを低減することが可能となる。また、パネルに各車両毎の意匠を施せば、特有部及び制御部に車両特有の意匠を施す必要がないので、部品の種類を減少させることができ、結果的にシステムのコストを低減することが可能となる。
【0019】また、前記特有部及び前記制御部は基体上に形成されるとともに、前記筐体は内壁面に複数のスリットを有し、前記特有部及び前記制御部は前記基体の端部が前記スリットに挿入された状態にて前記筐体に固定されるように構成されることが好適である。
【0020】これによれば、特有部及び制御部の基体をスリットに挿入するだけで、これらの正確な位置決めを行うことができるので、前記システムを容易に製造することが可能となるとともに、特有部及び制御部と操作部との位置関係を容易に維持することが可能となる。
【0021】更に、前記パネルの操作部は、複数のスイッチを含むとともに同スイッチは前記パネルに設けられたスイッチ回路を介して前記特有部又は前記制御部に電気的に接続されるように構成されることが好適である。
【0022】これによれば、従来のスイッチ回路を操作部に統合しているので、特有部又は制御部の交換にともないスイッチ回路を交換する必要がなく、グレードアップ等に要するコストを抑制し得る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明による車両用電子機器システムの実施形態について図面を参照しつつ説明する。この電子機器システム10は、図1に示したように、車両のインストルメントパネル11の運転席と助手席の略中間位置に設けられた空間12に組み込まれて車両に固定され、運転者又は助手席の乗員による操作に応じて特定の作動(ナビゲーション又は音楽の演奏等)を行うものであって、前記空間12内に完全に埋めこまれた状態にて車両にボルト固定される筐体20と、同システムの分解斜視図である図2及び概念的な断面図である図3に示したように、前記筐体20に着脱可能に組み付け固定される複数のモジュール31〜35と、前記筐体20に着脱可能に固定される操作パネル40とから構成されている。
【0024】筐体20は、図2に示したように、略直方体形状の箱体であり、この筐体20が車両に組みつけられたときに同車両の後方側(図2のX軸の正方向側)に位置する面(図2においてY−Z平面)が開口している。以下、この開口した面を開口面と称する。
【0025】筐体20の右側壁21Rの内面には、前記筐体20の開口面と略直交する方向(図2のX軸方向)に伸びる樹脂からなる右側スリット形成体22R…22Rが複数貼着されていて、同右側スリット形成体22R…22Rの各々にはスリット22R1…22R1が設けられている。同様に、筐体20の左側壁21Lの内面であって、筐体20の高さ方向(図2のZ軸方向)において前記右側スリット形成体22R…22Rと対向する位置には、前記筐体20の開口面と略直交する方向に伸びる樹脂からなる左側スリット形成体22L…22Lが複数貼着されていて、同左側スリット形成体22L…22Lの各々にはスリット22L1…22L1が設けられている。即ち、筐体20には、前記筐体20が車両に組みつけられたとき同車両の略前後方向(図2のX軸方向)に伸びるとともに同筐体20の幅方向(図2のY軸方向)の中心線(中央)に向けて開口した一対のスリット(レール)22R1,22L1が複数組設けられている。
【0026】また、筐体20の開口面と略同一平面内には左右の側壁21L,21Rから幅方向外方及び高さ方向に延設された一対の鍔部23,23が設けられていて、同鍔部23,23には複数のボルト孔23a…23aが高さ方向に所定の距離を隔てて設けられている。更に、図3に示したように、筐体20の開口面に対向する面(筐体20の背面)、即ち、同筐体20が車両に組みつけられたときに同車両の前方側(X軸負方向側)に位置する面24には、統合コネクタ36を貫通させるための開口部24aが設けられている。
【0027】図2に示されたモジュール31は、略直方体形状を有するTFT(薄膜トランジスタ)からなる液晶ディスプレイ31aと、同ディスプレイ31aの画面よりも大きい長方形状を有し且つその長辺が前記筐体20の左右の側壁21L,21R間の距離と略等しい薄板からなる取付け基板(基体)31bとから構成されている。ディスプレイ31aの下部には電源との接続用及びモジュール32,35との通信用のコネクタ(図示省略)が設けられている。
【0028】取付け基板31bの各短辺には、同取付け基板31bから幅方向外側に伸びる略正方形の薄板からなる取付け部31c,31cが設けられていて、同取付け部31c,31cにはボルト孔が形成されている。以上の構成により、モジュール31は、取付け部31c,31cのボルト孔を貫通して鍔部23のボルト孔23a,23aに螺合するボルトにより筐体20に対し着脱可能に固定されるようになっている。
【0029】モジュール32は、回路基板32aと、短辺の長さが前記筐体20の左右一対のスリット22L1,22R1(の底部)間の距離と略等しい長方形の薄板からなる取付け基板(基体)32bとから構成されていて、前記回路基板32aは前記取付け基板32bの上に固定されている。取付け基板32bの短辺の一つの両側であって同取付け基板32bと直交する平面内には正方形の薄板からなる取付け部32c,32cが設けられていて、この取付け部32c,32cにはボルト孔が形成されている。以上の構成により、モジュール32は、取付け基板32bの長辺部分がスリット22R1,22L1の間に挿入され、取付け部32c,32cのボルト孔を貫通して鍔部23のボルト孔23a,23aに螺合するボルトにより筐体20に着脱可能に固定されるようになっている。
【0030】図2に示した回路基板32aの上には、図3に概念的に示したように、前記ディスプレイ31aの表示(描画)を制御する第1特有部としての描画制御回路32a1と、第2特有部としてのナビゲーション用制御回路32a2とが形成されている。また、図2に示したように、回路基板32a上であって取付け基板32bが筐体20に取付けられた状態において筐体20の開口面を臨む位置に、電源との接続用及びモジュール35との通信用のコネクタ32a3と、モジュール31との接続用コネクタ32a4が設けられている。
【0031】モジュール33は、MD再生のために必要とされる機構(メカニカル部分)、即ち、MDに記憶された情報を再生する作動を行うために特有な構成を有する第3特有部としてのMDユニット33aと、上記取付け基板32bと同形の薄板からなる取付け基板(基体)33bとから構成されていて、前記MDユニット33aは取付け基板33bの上に固定されている。取付け基板33bには、上記取付け部32c,32cと同様に略正方形の薄板からなる取付け部33c,33cが設けられていて、同取付け部33c,33cにはボルト孔が形成されている。これにより、モジュール33は、モジュール32と同様に筐体20に対し着脱可能にボルト固定されるようになっている。また、MDユニット33aには、取付け基板33bが筐体20に取付けられた状態において筐体20の開口面を臨む位置に電源との接続用及びモジュール35との通信用のコネクタ33a1が設けられている。
【0032】モジュール34は、CD再生のために必要とされる機構(メカニカル部分)、即ち、CDに記憶された情報を再生する作動を行うために特有な構成を有する第4特有部としてのCDユニット34aと、上記取付け基板32bと同形の薄板からなる取付け基板(基体)34bとから構成されていて、前記CDユニット34aは取付け基板34bの上に固定されている。取付け基板34bには、上記取付け部32c,32cと同様に略正方形の薄板からなる取付け部34c,34cが設けられていて、同取付け部34c,34cにはボルト孔が形成されている。これにより、モジュール34は、モジュール32と同様に筐体20に対し着脱可能にボルト固定されるようになっている。また、CDユニット34aには、取付け基板34bが筐体20に取付けられた状態において筐体20の開口面を臨む位置に電源との接続用及びモジュール35との通信用のコネクタ34a1が設けられている。
【0033】モジュール35は、上記モジュール32の描画制御回路32a1及びナビゲーション用制御回路32a2、上記MDユニット33a、及び上記CDユニット34aの二以上に対して共通する機能(この例では、定電圧の電力の供給、信号の増幅等)を達成する制御部を構成するものであって、回路基板35aと、上記取付け基板32bと同形の薄板からなる取付け基板(基体)35bとからなっていて、回路基板35aは取付け基板35bの上に固定されている。取付け基板35bには、上記取付け部32c,32cと同様に略正方形の薄板からなる取付け部35c,35cが設けられていて、同取付け部35c,35cにはボルト孔が形成されている。これにより、モジュール35は、モジュール32と同様に筐体20に対し着脱可能にボルト固定されるようになっている。
【0034】図2に示した回路基板35aの上には、図3に概念的に示したように、モジュール31〜35のための定電圧回路(定電圧源)35a1と、モジュール31〜34との間及び他の車両用電子機器等との間の通信を行うための通信制御部35a2と、増幅器を含むオーディオ回路35a3と、ラジオ用のチューナー回路35a4とが統合されて形成されている。オーディオ回路35a3は、MDユニット33a及びCDユニット34aからの信号とチューナー回路35a4からの信号とを増幅してスピーカ(図示省略)から出力するように構成されている。
【0035】回路基板35aには、図2に示したように、回路基板35a上であって取付け基板35bが筐体20に取付けられた状態において筐体20の開口面を臨む位置にモジュール31,33及びモジュール34への電力供給用及び通信用のコネクタ35a5,35a6及び35a7と、後述するスイッチ回路との接続用コネクタ35a8とが設けられるとともに、筐体20の背面24を臨む位置に前記統合コネクタ36が形成されている。
【0036】操作パネル40は、上記モジュール31〜35に対し特定の作動を行わせるために乗員により操作される操作部が統合されていて、筐体20が車両に組みつけられた状態にて車両の室内側に露呈するようになっている。このため、操作パネル40は、前記インストルパネル11と一体感を有するように表面に意匠が施されるとともに、スイッチボタン等からなる複数の操作子41…41、前記ディスプレイ31a用の窓部42、前記MDユニット33a及びCDユニット34aにMD及びCDを挿脱するための各開口部43,44、及び車室内空調用の吹出しダクト45,45を備えている。
【0037】また、図3に示したように、操作パネル40の背面(筐体20が車両に組みつけられた状態にて車両前方側)には、前記複数の操作子41…41の操作を特定するとともに、操作子41…41により発生した信号を前記各モジュール31〜35が入力し得る信号に変換するためのスイッチ回路46が一体的に設けられている。
【0038】上記スイッチ回路46は、一つの操作子41の周辺の断面図である図5に示したように、スイッチ基板46aと、タクトスイッチ41bと、コネクタ46cとを備えている。タクトスイッチ41bは、前記スイッチ基板46a上に固定され、操作子41のスイッチノブ41aにより押動操作される毎に閉状態と開状態とが切換るようになっている。コネクタ46cは、タクトスイッチ41bの接点(図示省略)と所定のスイッチ回路(図示省略)を介してプリント配線により電気的に接続されるように前記スイッチ基板46aに半田固定されていて、筐体20が車両に固定された状態において同車両の前方側(X軸の負方向側)に向う接続部を備えている。
【0039】次に、上記構成の電子機器システムの製造工程について説明すると、先ず筐体20及びモジュール31〜35が準備される。次いで、モジュール31が、その取付け部31c,31cのボルト孔を貫通して鍔部23のボルト孔23a,23aに螺合するボルトにより筐体20の最上部に着脱可能に固定される。モジュール32〜35は、取付け基板32b,33b,35b及び34bが、上部から順にそれぞれスリット22R1,22L1の間に挿入され、取付け部32c,32c、33c,33c、35c,35c、及び34c,34cの各ボルト孔を貫通して鍔部23の対応するボルト孔23a,23aに螺合するボルトにより筐体20に着脱可能に固定される。
【0040】次に、コネクタの接続を図示しないワイヤハーネスを用いて行う。具体的には、ディスプレイ31aのコネクタ(図示省略)とコネクタ32a4とを接続するとともに、コネクタ32a3とコネクタ35a5とを接続し、次いで、コネクタ33a1とコネクタ35a6、及びコネクタ34a1とコネクタ35a7とを接続する。その後、筐体20に操作パネル40をボルト固定する。このとき、コネクタ35a8と回路基板46aのコネクタ46cとが接続される。次いで、統合コネクタ36を図3及び図5に示した車両側ワイヤーハーネス50と接続する。最後に、筐体20をインストルメントパネル11の空間12に埋めこんで同筐体20を車体に対してボルト固定する。以上により、電子機器システムの取付けが完了する。
【0041】以上に説明したように、本実施形態においては、第3特有部としてのMDユニット33aを含むモジュール33と、第4特有部としてのCDユニット34aを含むモジュール34とが物理的に独立分離した態様にて筐体20に着脱可能に固定されている。また、第1特有部としての描画制御回路32a1と第2特有部としてのナビゲーション用制御回路32a2とはモジュール32に統合された上、同モジュール32は物理的に独立分離した態様にて筐体20に着脱可能に固定されている。更に、モジュール35は、描画制御回路32a1及びナビゲーション用制御回路32a2、MDユニット33a、及びCDユニット34aの二以上に対して共通する機能(電力の供給、及び信号の増幅)を達成する制御部を統合したものであり、他のモジュールとは物理的に独立分離した態様にて筐体20に着脱可能に固定されている。また、操作パネル40は、スイッチ等の操作子41を含むとともに、モジュール31〜35に入力される操作子41からの信号を処理するという同モジュール31〜35に共通して要求される機能を達成するスイッチ回路が統合されたものであり、筐体20(即ち車両)に対して着脱可能となっている。
【0042】従って、本実施形態によれば、システムのグレードアップや変更を容易に行う際、交換対象となるモジュール32,33,34のみを交換することができ、高価なディスプレイ31aを含むモジュール31及び制御部であるモジュール35等を交換する必要がないので、同グレードアップ等に必要なコストを抑制することができる。また、例えば、既装着のモジュール35がグレードアップしようとするMDユニット33aに対応できない場合であっても、同グレードアップされたMDユニット33aを装着するとともに、前記既装着のモジュール35を同MDユニット33aに対応可能なモジュール35に交換するだけでよく、他のモジュール31,32,34を交換する必要がないので、同グレードアップに必要なコストを抑制することができる。
【0043】更に、本実施形態によれば、各車両に対しては操作パネル40のみに意匠を施せばよく、モジュール31〜35に対し同車両に適合した意匠を施す必要がないので、モジュール31〜35の種類を削減することが可能である。また、筐体20がモジュール31〜35のケーシングとなるので、モジュール31〜35の各々が個別のケーシングを必要としない。このため、各モジュール31〜35が小型化されることから、搭載密度の向上が図られるとともに、モジュール31〜35の搭載位置やシステム構成に関する設計自由度を高めることができる。また、モジュール35と、他のモジュール32〜34との電気的接続は、筐体20の開口面側にてコネクタを有するワイヤハーネス(接続線)により行われるので、モジュール32〜34の組み付け、及び交換が容易に行われ得る。加えて、モジュール32〜35は筐体20のスリット22L1,22R1に挿入・嵌着されるようになっているので、この点においても、筐体20への組み付け・交換が容易に成され得る。
【0044】なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態ではモジュール35に、モジュール31〜34に対する電源回路を集約していたが、モジュール35にはモジュール33,34に対する電源回路を集約し、モジュール32にモジュール31,32の電源回路を搭載してもよい。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成12年8月8日(2000.8.8)
【代理人】 【識別番号】100088971
【弁理士】
【氏名又は名称】大庭 咲夫 (外1名)
【公開番号】 特開2002−56660(P2002−56660A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−239687(P2000−239687)