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【発明の名称】 板状記録媒体の記録および/または再生装置
【発明者】 【氏名】鈴木 昌司

【氏名】阿部 弘

【氏名】白嶋 仁

【氏名】伊谷 隆

【要約】 【課題】光ピックアップを移動させることなく板状記録媒体に対して情報の読み取りや書き込みが行え、光ピックアップを移送するためのスレッドモータ等が不要な安価な構成のプレーヤを提供すること。

【解決手段】略長方形のカード形記録媒体2を挿入排出口1aを介して一対のガイド部材8,9の間に挿入していくと、クランパ6aやターンテーブル7aを保持する可動シャーシ5が挿入方向に沿って移動して、チャッキングした板状記録媒体2の情報記録領域を光ピックアップ4に対向させると共に、この可動シャーシ5を再度移動させることにより、光ピックアップ4を移動させることなく板状記録媒体2に対して情報の読み取りや書き込みが行えるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 板状記録媒体を挿入および/または排出する挿入排出口を設けテーブルなる板状記録媒体の記録および/または再生装置は、前記板状記録媒体を搭載して回転可能なターンテーブルを有する回転駆動手段と、この回転駆動手段を保持し前記板状記録媒体の挿入排出方向に沿ってスライド移動可能な可動シャーシと、この可動シャーシに前記スライド移動を行わせるシャーシ駆動手段と、装置内部に設置された光ピックアップとを備え、前記可動シャーシの移動に伴って前記回転駆動手段上の前記板状記録媒体をその情報記録領域を前記光ピックアップに対向させるようになし、前記ターンテーブルを回転させながら前記可動シャーシを移動させることにより、前記板状記録媒体に対して情報の記録および/または再生が行えるようにしたことを特徴とする板状記録媒体の記録および/または再生装置。
【請求項2】 請求項1の記載において、前記回転駆動手段と対向する位置に前記ターンテーブルと共に前記板状記録媒体をチャッキングするクランプ手段が設けられ、かつ、前記可動シャーシの移動方向を前記板状記録媒体の挿入方向に対して傾けるカム手段を備え、このカム手段により前記可動シャーシを所定量上昇させることにより、前記クランプ手段および前記回転駆動手段を互いに近接方向へ移動させて前記板状記録媒体のチャッキング動作が行われるようにしたことを特徴とする板状記録媒体の記録および/または再生装置。
【請求項3】 請求項1または2の記載において、前記板状記録媒体の外形が非円形であると共に、近接離反可能に対向配置されて挿入排出時の前記板状記録媒体を支持する一対のガイド部材を備えたことを特徴とする板状記録媒体の記録および/または再生装置。
【請求項4】 請求項3の記載において、記録再生位置にある前記板状記録媒体の回転方向の傾きを検出する光学式センサを備え、排出動作が指令されたときに、前記光学式センサからの出力により前記板状記録媒体の回転方向の傾きが排出許容範囲内か否かを検出し、排出許容範囲外と検出されたときには前記ターンテーブルを回転制御して排出許容範囲内の傾きに修正した後、前記一対のガイド部材を互いに近接する向きに所定量移動させてから該板状記録媒体を排出させるようにしたことを特徴とする板状記録媒体の記録および/または再生装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状記録媒体を挿入排出口(スロット)から挿入して装填するスロットインタイプの記録および/または再生装置に係り、特に、外形が略長方形の記録媒体を装填するのに好適な板状記録媒体の記録および/または再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、CD(コンパクトディスク)に代表されるように、片面の一部に情報が記録されている円板状記録媒体が広く普及している。かかるCDは、中心孔を有する円板状の外観を呈し、中心孔の外周側に比較的幅広な帯状の情報記録領域が形成されている。このようなCDを挿入排出口から挿入して装填するスロットインタイプのCDプレーヤには、CDを挿入排出口とプレイ位置との間で搬送するローディング機構と、プレイ位置で回転するCDに対して光ピックアップを移送して情報の再生を行うピックアップ移送機構とが具備されており、通常、ローディング機構にはモータを駆動源として回転する駆動ローラ等が用いられ、光ピックアップの移送にはスレッドモータ等が用いられる。
【0003】すなわち、従来より既知のCDプレーヤにおいては、挿入排出口から挿入されたCDは、駆動ローラ等のローディング機構により装置内部へと搬送され、CDの外周縁が位置決めピン等に突き当たることにより、CDの中心孔がターンテーブルと対向するプレイ位置にセンタリングされる。そして、このプレイ位置でCDをターンテーブルとクランパとの間に挟み込んでチャッキング状態とした後、スピンドルモータによってターンテーブルを回転させると共に、スレッドモータ等によって光ピックアップをCDの径方向へ移動させることにより、ターンテーブルと一体的に回転するCDに記録されている情報が光ピックアップを介して読み取れるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近、CDと同様の積層構造ではあるが片面のごく一部にだけ情報が記録されているカード形の板状記録媒体が開発されている。かかるカード形記録媒体は、中心孔の周囲に幅狭な帯状の情報記録領域が形成されているだけであるため、CDに比べると記憶容量ははるかに少ないが、外観がカード形で携帯性や取扱い性に優れているという利点を有する。
【0005】このようなカード形の板状記録媒体は情報記録領域が幅狭であるので、光ピックアップの移動量は少なくても良いが、少ないにしても移動させるためにはスレッドモータ等が必要となり、コストアップを招来するという問題が発生する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、CD等の円板状記録媒体に比べて板状記録媒体の情報記録領域が幅狭であることに着目し、板状記録媒体をターンテーブル上に搭載して可動シャーシが挿入方向へ移動することにより、板状記録媒体の情報記録領域を光ピックアップに対向させるようになし、この可動シャーシを排出方向へ移動させることにより、光ピックアップを移動させることなく板状記録媒体に対して情報の読み取りや書き込みが行えるようにした。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明による板状記録媒体の記録および/または再生装置は、板状記録媒体を搭載して回転可能なターンテーブルを有する回転駆動手段と、この回転駆動手段を保持し前記板状記録媒体の挿入排出方向に沿ってスライド移動可能な可動シャーシと、この可動シャーシに前記スライド移動を行わせるシャーシ駆動手段と、装置内部に設置された光ピックアップとを備え、前記可動シャーシの移動に伴って前記回転駆動手段上の前記板状記録媒体をその情報記録領域を前記光ピックアップに対向させるようになし、前記ターンテーブルを回転させながら前記可動シャーシを移動させることにより、前記板状記録媒体に対して情報の記録および/または再生が行えるように構成してある。
【0008】このように構成すると、可動シャーシの移動に伴って板状記録媒体のローディングだけでなく情報の記録/再生も行われるため、光ピックアップを移送するのに必要な高価なスレッドモータ等を省略でき、安価な構成の記録および/または再生装置を実現することができる。
【0009】また、かかる構成に加えて、回転駆動手段と対向する位置にターンテーブルと共に板状記録媒体をチャッキングするクランプ手段が設けられ、かつ、可動シャーシの移動方向を板状記録媒体の挿入方向に対して傾けるカム手段を備え、このカム手段により可動シャーシを所定量上昇させることにより、クランプ手段および回転駆動手段を互いに近接方向へ移動させて板状記録媒体のチャッキング動作が行われるようにしてあれば、構成を一層簡素化することができるので好ましい。
【0010】また、板状記録媒体の外形が略長方形等の非円形である場合、近接離反可能に対向配置されて挿入排出時の前記板状記録媒体を支持する一対のガイド部材を備えることが好ましく、このようなガイド部材を用いると、板状記録媒体を安定して挿入または排出することができる。
【0011】この場合において、記録再生位置にある板状記録媒体の回転方向の傾きを検出する光学式センサを備え、排出動作が指令されたときに、光学式センサからの出力により板状記録媒体の回転方向の傾きが排出許容範囲内か否かを検出し、排出許容範囲外と検出されたときにはターンテーブルを回転制御して排出許容範囲内の傾きに修正した後、一対のガイド部材を互いに近接する向きに所定量移動させてから該板状記録媒体を排出させるようにしておけば、チャッキングを解除した該板状記録媒体を挿入時と同様に一対のガイド部材にて支持することができ、よって該板状記録媒体を前記挿入排出口から簡単に取り出すことができる。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明すると、図1は実施例に係るプレーヤにカード形記録媒体を挿入した直後の状態を示す説明図、図2は該プレーヤの正面図、図3は該プレーヤに挿入したカード形記録媒体をチャッキングした状態を示す説明図、図4は該プレーヤに挿入したカード形記録媒体を記録再生位置まで搬送した状態を示す説明図、図5は該プレーヤ内で回転方向に大きく傾いて停止した再生動作後のカード形記録媒体を示す説明図である。ただし、図1および図3,4において、(a)は内部構成を示す平面図、(b)は内部構成を示す側面図である。
【0013】これらの図において、符号1はプレーヤの外殻を形成する筐体であり、この筐体1の前面には細長い長方形状の挿入排出口1aが設けられている。符号2は中心孔を有する略長方形のカード形記録媒体で、このカード形記録媒体2の片面には中心孔の周囲に幅狭な帯状の情報記録領域が形成されている。符号3は両側壁にカム溝3aを有するメインシャーシで、このメインシャーシ3は筐体1の内部に固定されている。符号4はメインシャーシ3の底面に固定されている光ピックアップで、カード形記録媒体2に記録されている情報はこの光ピックアップ4によって読み取られる。
【0014】符号5は両側方に突設した複数本のガイドピン5aを前記カム溝3aに摺動自在に挿通している可動シャーシで、これらのガイドピン5aを介して、可動シャーシ5はカム溝3aに案内されつつ、メインシャーシ3上をスライド移動可能である。符号6は先端部に回動自在なクランパ6aが取り付けられているクランパブラケットで、このクランパブラケット6は支軸5bを回転軸として可動シャーシ5に回転可能に取り付けられており、またクランパブラケット6の両側方にはメインシャーシ3の上端部に係合する係合ピン6bが突設されている。符号7は上方のターンテーブル7aを回転駆動するスピンドルモータで、これらクランパブラケット6とスピンドルモータ7は可動シャーシ5に保持されており、可動シャーシ5の移動に伴ってメインシャーシ3上を移動する。
【0015】符号8,9はメインシャーシ3の両側壁を介して対向配置された一対のガイド部材で、ガイド部材8,9にはそれぞれラック8a,9aが設けられている。図1,2に示すように、これらガイド部材8,9にはカード形記録媒体2の両縁部を位置決めするガイド溝8b,9bが設けられており、挿入排出口1aから筐体1の内部に挿入したカード形記録媒体2の両縁部を、これらガイド溝8b,9bによって幅方向に位置規制した状態でガイド部材8,9に支持することができる。符号10は前記ラック8a,9aに噛合しているタイミングギアで、このタイミングギア10を図示せぬ駆動手段にて正逆回転させると、一対のガイド部材8,9が互いに逆向きに駆動されて近接方向もしくは離反方向に移動する。
【0016】符号11は記録再生位置(プレイ位置)にあるカード形記録媒体2の回転方向の傾きが排出許容範囲内か否かを検出するための一対のフォトインタラプタで、これらのフォトインタラプタ11がどちらもカード形記録媒体2を検知しなければ、そのカード形記録媒体2は回転方向の傾きが排出許容範囲内であると判定される。符号12はメインシャーシ3の底面に固定されている駆動モータで、この駆動モータ12により可動シャーシ5をメインシャーシ3に対してスライド移動させることができる。
【0017】このような構成のプレーヤにカード形記録媒体2を装填して情報の再生を行う場合、まず、ユーザは図1に示すように、筐体1の挿入排出口1aから装置内部へカード形記録媒体2を挿入していき、一対のガイド部材8,9のガイド溝8b,9bによってカード形記録媒体2の両縁部を支持させる。このとき、可動シャーシ5のガイドピン5aはカム溝3aの最下部にあるので、ターンテーブル7aはカード形記録媒体2の下面よりも下方に位置しており、また、クランパブラケット6の係合ピン6bがメインシャーシ3の両側壁上端部に係合しているため、クランパ6aはカード形記録媒体2の上面よりも上方に持ち上げられている。したがって、挿入排出口1aから挿入したカード形記録媒体2がターンテーブル7aやクランパ6aに接触することはなく、ユーザがそのままカード形記録媒体2を筐体1内へ押し込んでいくと、カード形記録媒体2の挿入方向先端部が図示せぬ検出スイッチのアクチュエータを押圧して駆動モータ12が駆動され、この駆動モータ12を駆動源として可動シャーシ5が図1の右方向へと移動し始める。
【0018】こうして可動シャーシ5の移動が開始されると、まずガイドピン5aがカム溝3aに沿って斜め上方へ押し上げられるので、図3に示すように、ターンテーブル7aが上昇すると共にクランパ6aが押し下げられ、よってカード形記録媒体2はターンテーブル7aとクランパ6aとに挟み込まれてチャッキング状態となる。そして、このチャッキング状態のカード形記録媒体2を両ガイド部材8,9で支持したまま、可動シャーシ5は図3の右方向へさらに移動して、図4に示すようにカード形記録媒体2を記録再生位置まで移送した時点で、可動シャーシ5は一旦停止する。このとき、カード形記録媒体2の中心孔の周囲に形成されている情報記録領域の最内周は、メインシャーシ3に固定されている光ピックアップ4と対向している。
【0019】しかる後、タイミングギア10を回転駆動して、一対のガイド部材8,9を互いに離反する向きに図4(a)の二点鎖線で示す位置まで移動させた後、スピンドルモータ7によってターンテーブル7aを回転させながら、駆動モータ12によって可動シャーシ5を図4の左方向へ適宜移動させる。これにより、光ピックアップ4に対してカード形記録媒体2の情報記録領域を最内周から外周へと変化させることができるので、この情報記録領域に記録されている情報を光ピックアップ4によって読み取ることができる。なお、図4(a)において、回転中のカード形記録媒体2の四隅の軌跡を二点鎖線の仮想円Cで示しており、可動シャーシ5の移動に伴って仮想円Cが図示左右方向に移動しても、回転中のカード形記録媒体2がガイド部材8,9に干渉されないことがわかる。
【0020】また、再生動作を終了させてカード形記録媒体2の回転が停止したとき、例えば図5に示すように、カード形記録媒体2の長手方向が挿入排出方向(図示左右方向)に対して大きく傾いていると、一対のガイド部材8,9を図中実線で示す元の位置まで戻すことができず、カード形記録媒体2の排出が困難となる。そこで本実施例では、排出動作が指令されると、一対のガイド部材8,9を近接させて元の位置まで戻す前に、記録再生位置にあるカード形記録媒体2の回転方向の傾きが排出許容範囲内であるか否かを、一対のフォトインタラプタ11によって検出するようにしてある。すなわち、一対のフォトインタラプタ11がどちらも停止状態のカード形記録媒体2を検知しなければ、そのカード形記録媒体2は回転方向の傾きが排出許容範囲内であるという判定が下されるが、少なくとも一方のフォトインタラプタ11が停止状態のカード形記録媒体2を検知したときには、そのカード形記録媒体2は回転方向に傾き過ぎて排出動作に支障をきたすという判定が下される。そして、カード形記録媒体2の回転方向の傾きが排出許容範囲外であると判定された後者の場合、ターンテーブル7aを回転制御して、カード形記録媒体2の回転方向の傾きを排出許容範囲内に修正する。
【0021】つまり、排出動作が指令されて一対のガイド部材8,9が所定の間隔に狭められたとき、記録再生位置にあるカード形記録媒体2は必ず、その長手方向が排出方向とほぼ合致した状態になっており、可動シャーシ5の移動に伴いカード形記録媒体2が挿入排出口1aへ向かって移動すると、このカード形記録媒体2の両縁部は再び一対のガイド部材8,9に支持されることになる。そして、可動シャーシ5が図1に示す位置まで移動した段階で、ガイドピン5aがカム溝3aの最下部に到達してターンテーブル7aが下降すると共に、係合ピン6bがメインシャーシ3の上端部に係合してクランパ6aが持ち上げられるので、ユーザはカード形記録媒体2を挿入排出口1aから簡単に取り出すことができる。
【0022】なお、略長方形以外の板状記録媒体にも本発明は適用可能であり、また、本発明と同様の機構を採用することにより、光ピックアップを固定したまま板状記録媒体に情報を書き込むことも可能である。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0024】可動シャーシの移動に伴って板状記録媒体のローディングだけでなく情報の記録/再生も行えるようにしてあるので、光ピックアップを移送するのに必要な高価なスレッドモータ等を省略でき、安価な構成のプレーヤを実現することができる。特に、板状記録媒体が幅狭な情報記録領域を有するカード形記録媒体であれば、可動シャーシを僅かに移動させるだけで情報の記録/再生を行うことができるため、構成の簡素化や装置の小型化が図りやすくなる。
【出願人】 【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
【出願日】 平成12年8月11日(2000.8.11)
【代理人】 【識別番号】100078134
【弁理士】
【氏名又は名称】武 顕次郎 (外2名)
【公開番号】 特開2002−56647(P2002−56647A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−244795(P2000−244795)