| 【発明の名称】 |
磁気ディスク装置とその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】酒井 理江
【氏名】河野 巧
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| 【要約】 |
【課題】有害ガスや塵埃などの外装ケースの内部への侵入を低減して、構成部材の化学反応の発生や磁気ディスクの回転不能、ヘッドクラッシュ等を抑制できる信頼性の高い磁気ディスク装置を提供する。
【解決手段】外装ケース4に組み込まれたフィルタ7aが特定のガスを選択して透過させるガス選択フィルタであり、特に窒素を選択的に透過させる膜である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】外装ケースの内部の圧力と外部の大気圧とを等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク装置であって、前記フィルタが特定のガスを選択して透過させるガス選択フィルタである磁気ディスク装置。 【請求項2】請求項1記載の磁気ディスク装置を組み立てるに際し、減圧下で組み立てた後、大気圧に戻してガス選択フィルタに特定のガスを透過させて外装ケースの内部の圧力を大気圧と等しくする磁気ディスク装置の製造方法。 【請求項3】磁気ディスクを駆動するモータと前記磁気ディスクにアクセスして情報の記録・再生を行う磁気ヘッドとを内蔵する外装ケースに前記外装ケースの内部の気圧と大気圧を等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク装置において、前記フィルタが前記外装ケース内に窒素を選択的に透過させる膜である磁気ディスク装置。 【請求項4】前記フィルタが窒素富化膜である請求項3記載の磁気ディスク装置。 【請求項5】請求項3記載の磁気ディスク装置を組み立てるに際し、外装ケース内の雰囲気を大気圧よりも低い気圧で組み立てた後、大気圧に戻してガス選択フィルタに特定のガスを透過させて外装ケースの内部圧力を大気圧と等しくする磁気ディスク装置の製造方法。 【請求項6】磁気ディスクを駆動するモータと前記磁気ディスクにアクセスして情報の記録・再生を行う磁気ヘッドとを内蔵する外装ケースに前記外装ケースの内部の気圧と大気圧を等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク装置において、前記フィルタが電磁場による制御によって透過するガス種を選択できる膜である磁気ディスク装置。 【請求項7】前記フィルタが高分子/液晶複合膜である請求項6記載の磁気ディスク装置。 【請求項8】前記フィルタが酸素分子を透過させない膜である請求項6記載の磁気ディスク装置。 【請求項9】磁気ディスクを駆動するモータと前記磁気ディスクにアクセスして情報の記録・再生を行う磁気ヘッドとを内蔵する外装ケースに前記外装ケースの内部の気圧と大気圧を等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク装置において、前記フィルタが、窒素を選択的に外装ケースの内部に透過させる膜と、窒素を選択的に外装ケース外部に透過させる膜とからなる磁気ディスク装置。 【請求項10】窒素を選択的に外装ケース内に透過させる前記膜と窒素を選択的に外装ケース外に透過させる前記膜がともに窒素富化膜である請求項9記載の磁気ディスク装置。 【請求項11】窒素を選択的に外装ケース内に透過させる前記膜と窒素を選択的に外装ケース外に透過させる前記膜がともに高分子/液晶複合膜である請求項9記載の磁気ディスク装置。 【請求項12】窒素を選択的に外装ケース内に透過させる前記膜と、窒素を選択的に外装ケース外に透過させる前記膜のうち、一方が窒素富化膜であり、他方が高分子/液晶複合膜である請求項9記載の磁気ディスク装置。 【請求項13】磁気ディスクを駆動するモータと前記磁気ディスクにアクセスして情報の記録・再生を行う磁気ヘッドとを内蔵する外装ケースに前記外装ケースの内部の気圧と大気圧を等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク装置において、前記フィルタが、窒素を選択的に外装ケース内に透過させる膜と、酸素を選択的に外装ケース外に透過させる膜とからなる磁気ディスク装置。 【請求項14】窒素を選択的に外装ケース内に透過させる前記膜が窒素富化膜であり、酸素を選択的に外装ケース外に透過させる前記膜が酸素富化膜である請求項13記載の磁気ディスク装置。 【請求項15】窒素を選択的に外装ケース内に透過させる前記膜が高分子/液晶複合膜であり、酸素を選択的に外装ケース外に透過させる前記膜が酸素富化膜である請求項13記載の磁気ディスク装置。 【請求項16】窒素を選択的に外装ケース内に透過させる前記膜が窒素富化膜であり、酸素を選択的に外装ケース外に透過させる前記膜が高分子/液晶複合膜である請求項13記載の磁気ディスク装置。 【請求項17】窒素を選択的に外装ケース内に透過させる前記膜と酸素を選択的に外装ケース外に透過させる前記膜がともに高分子/液晶複合膜である請求項13記載の磁気ディスク装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、外装ケースの内部の圧力と大気圧とを等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、磁気ディスク装置の外装ケースには、外装ケースの内部と外気との温度差等によって生じる圧力差によって外装ケースが変形するのを避けるため、外装ケースの上面部に呼吸フィルタが取り付けられている。 【0003】この呼吸フィルタには、通常、不織布からなるフィルタなどが組み込まれており、外装ケースの空気と外気との流通をはかって圧力差を解消するよう構成されている。また、このような呼吸フィルタとしての役割だけでなく、外部からの塵埃の侵入を防止して内部の無塵化を図る目的もあり、更にフィルタに活性炭などを組み合わせて有害なガス分子を吸着させて外装ケース内の清浄化をはかっているものもある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の呼吸フィルタでは、近年の自動車等の増加に伴う排気ガスや産業排気等による大気汚染によって生じる硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)といった有害物質を除去できず、外装ケースの内部にSOxやNOxが侵入して構成部材と化学反応を起こし、その表面に生成物(例えば、硫化物、窒化物あるいは過酸化物など)を生じるという問題がある。 【0005】また、記録媒体としての磁気ディスクには、近年、記録密度の向上のために磁性膜としてコバルト系合金を用いた薄膜磁気ディスクが使われ始めており、このような薄膜磁気ディスクを使用する場合には、上記のSOxやNOxによって下記のような問題が生じる。 【0006】薄膜磁気ディスクには、一般に、磁性膜の損傷や腐食を防止するための保護膜が付与されているが、特に、カーボンを主成分とする保護膜を有する磁気ディスクを搭載した磁気ディスク装置では、繰り返しコンタクト・スタート・ストップを行うと、磁気ヘッドと磁気ディスクとの摩擦力が増大して、磁気ディスクが回転不能となったり、ヘッドクラッシュという現象が生じる。このヘッドクラッシュは、カーボン保護膜の摩耗による表面の平滑化のためであり、さらにこの摩耗メカニズムは、単なる機械的な摩耗ではなく、大気中においてはカーボンの酸化による気化(酸化摩耗)が支配的だと言われている。 【0007】本発明は前記問題点を解決し、有害ガスや塵埃などの外装ケースの内部への侵入を低減して、構成部材の化学反応の発生や磁気ディスクの回転不能、ヘッドクラッシュ等を抑制できる信頼性の高い磁気ディスク装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の磁気ディスク装置は、外装ケースにガス選択透過性フィルタを組み込んだことを特徴とする。 【0009】この本発明によると、磁気ディスク装置の動作に支障をきたすような有害ガスや塵埃、酸素などの外装ケースへの侵入を低減して、より安定で信頼性の高い磁気ディスク装置を実現できる。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の磁気ディスク装置は、外装ケースの内部の圧力と外部の大気圧とを等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク装置であって、前記フィルタが特定のガスを選択して透過させるガス選択フィルタであることを特徴とする。 【0011】この構成によると、有害ガスの外装ケース内部への侵入を低減したり、外装ケースの内部の成分を選択的に外部へ透過させることで、磁気ディスク装置への悪影響を抑え、装置の安定化が図れる。 【0012】本発明の請求項2記載の磁気ディスク装置の製造方法は、請求項1記載の磁気ディスク装置を組み立てるに際し、減圧下で組み立てた後、大気圧に戻してガス選択フィルタに特定のガスを透過させて外装ケースの内部の圧力を大気圧と等しくすることを特徴とする。 【0013】本発明の請求項3記載の磁気ディスク装置は、磁気ディスクを駆動するモータと前記磁気ディスクにアクセスして情報の記録・再生を行う磁気ヘッドとを内蔵する外装ケースに前記外装ケースの内部の気圧と大気圧を等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク装置において、前記フィルタが前記外装ケース内に窒素を選択的に透過させる膜であることを特徴とする。 【0014】この構成によると、外装ケースの内部に窒素を選択的に透過させることで有害ガスの外装ケース内部への侵入を低減でき、磁気ディスク装置への悪影響を抑え、装置の安定化が図れる。 【0015】本発明の請求項4記載の磁気ディスク装置は、請求項3において、前記フィルタが窒素富化膜であることを特徴とする。本発明の請求項5記載の磁気ディスク装置は、請求項3記載の磁気ディスク装置を組み立てるに際し、外装ケース内の雰囲気を大気圧よりも低い気圧で組み立てた後、大気圧に戻してガス選択フィルタに特定のガスを透過させて外装ケースの内部圧力を大気圧と等しくすることを特徴とする。 【0016】この構成によると、外装ケース内部の気圧を大気圧よりも低い気圧で組み立てることで大気圧に戻したときに外装ケース内部へ窒素が優先的に侵入し、有害ガスの外装ケースの内部への侵入を抑制できる。 【0017】本発明の請求項6記載の磁気ディスク装置は、磁気ディスクを駆動するモータと前記磁気ディスクにアクセスして情報の記録・再生を行う磁気ヘッドとを内蔵する外装ケースに前記外装ケースの内部の気圧と大気圧を等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク装置において、前記フィルタが電磁場による制御によって透過するガス種を選択できる膜であることを特徴とする。 【0018】本発明の請求項7記載の磁気ディスク装置は、請求項6において、前記フィルタが高分子/液晶複合膜であることを特徴とする。本発明の請求項8記載の磁気ディスク装置は、請求項6において、前記フィルタが酸素分子を透過させない膜であることを特徴とする。 【0019】本発明の請求項9記載の磁気ディスク装置は、磁気ディスクを駆動するモータと前記磁気ディスクにアクセスして情報の記録・再生を行う磁気ヘッドとを内蔵する外装ケースに前記外装ケースの内部の気圧と大気圧を等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク装置において、前記フィルタが、窒素を選択的に外装ケースの内部に透過させる膜と、窒素を選択的に外装ケース外部に透過させる膜とからなることを特徴とする。 【0020】この構成によると、外装ケースの内部へ窒素が優先的に透過するとともに外装ケースの外部へ優先的に透過することで、外部からの酸素やその他の有害ガスの外装ケースの内部への侵入が低減でき、しかも外装ケースの内部の気圧と大気圧を等しくでき、装置の安定化が図れる。 【0021】本発明の請求項10記載の磁気ディスク装置は、請求項9において、窒素を選択的に外装ケース内に透過させる前記膜と窒素を選択的に外装ケース外に透過させる前記膜がともに窒素富化膜であることを特徴とする。 【0022】本発明の請求項11記載の磁気ディスク装置は、請求項9において、窒素を選択的に外装ケース内に透過させる前記膜と窒素を選択的に外装ケース外に透過させる前記膜がともに高分子/液晶複合膜であることを特徴とする。 【0023】本発明の請求項12記載の磁気ディスク装置は、請求項9において、窒素を選択的に外装ケース内に透過させる前記膜と、窒素を選択的に外装ケース外に透過させる前記膜のうち、一方が窒素富化膜であり、他方が高分子/液晶複合膜であることを特徴とする。 【0024】本発明の請求項13記載の磁気ディスク装置は、磁気ディスクを駆動するモータと前記磁気ディスクにアクセスして情報の記録・再生を行う磁気ヘッドとを内蔵する外装ケースに前記外装ケースの内部の気圧と大気圧を等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク装置において、前記フィルタが、窒素を選択的に外装ケース内に透過させる膜と、酸素を選択的に外装ケース外に透過させる膜とからなることを特徴とする。 【0025】本発明の請求項14記載の磁気ディスク装置は、請求項13において、窒素を選択的に外装ケース内に透過させる前記膜が窒素富化膜であり、酸素を選択的に外装ケース外に透過させる前記膜が酸素富化膜であることを特徴とする。 【0026】本発明の請求項15記載の磁気ディスク装置は、請求項13において、窒素を選択的に外装ケース内に透過させる前記膜が高分子/液晶複合膜であり、酸素を選択的に外装ケース外に透過させる前記膜が酸素富化膜であることを特徴とする。 【0027】本発明の請求項16記載の磁気ディスク装置は、請求項13において、窒素を選択的に外装ケース内に透過させる前記膜が窒素富化膜であり、酸素を選択的に外装ケース外に透過させる前記膜が高分子/液晶複合膜であることを特徴とする。 【0028】本発明の請求項17記載の磁気ディスク装置は、請求項13において、窒素を選択的に外装ケース内に透過させる前記膜と酸素を選択的に外装ケース外に透過させる前記膜がともに高分子/液晶複合膜であることを特徴とする。 【0029】以下、本発明の各実施の形態を図1〜図5を用いて説明する。 (実施の形態1)図1〜図3は、本発明の(実施の形態1)を示す。 【0030】この(実施の形態1)では、呼吸フィルタとしてガス選択フィルタを用いた点で上記従来例とは異なる。磁気ディスク装置は、図1に示すように、外装ケース4の内部に磁気ディスク1を駆動するモータ2と磁気ディスク1にアクセスして情報の記録・再生を行う磁気ヘッド12とが内蔵されており、外装ケース4の上面には外装ケース4の内部の気圧と大気圧を等しくするフィルタ7aが組み込まれている。3は磁気ヘッド12を支持するテンションアームユニットである。 【0031】外装ケース4は、モータユニット2,テンションアームユニット3およびその他主要な構成部品が取り付けられた下部カバー5aと、下部カバー5aの上面を覆う上部カバー5bとからなり、下部カバー5aと上部カバー5bとの間にパッキン材8が介装され、上部カバー5bが下部カバー5aにビス9にて締め付けるられて外装ケース4がシールドされる。 【0032】図2に示すように、上部カバー5bには、外装ケース4の外部と内部の気体を流通させる孔6aが穿設されており、その上面を覆うようにフィルタ7aが接着剤等にて上部カバー5bに取り付けられている。 【0033】このようにシールドされた外装ケース4は、外部からのごみ等の侵入を防ぎ、孔6aを覆うフィルタ7aを介して外装ケース4の外部と内部とで気体の流通を行なえる。 【0034】フィルタ7aは、この(実施の形態1)に特有の構成であるガス選択フィルタであり、酸素や有害ガスや塵埃などを外装ケース4の内部に取り込まないよう、特定のガスを選択して透過するよう構成されている。 【0035】詳細には、図3に示すように、外装ケース4の内部に透過させたいガス分子10と透過させたくないその他のガス分子11が混在した状態の気体がフィルタ7aに達すると、非多孔質膜からなるフィルタ7aの表面では、微量ながら気体が溶解して界面で平衡に達する。溶解した気体はフィルタ7aの内部に拡散していき、フィルタ7aの反対側に達して脱着される。この溶解と拡散によって透過させたいガス分子10を膜の反対側に選択的に透過させ、その他のガス分子11を選択的に透過しないようにすることができ、いわゆるガスを分離することが可能となる。 【0036】従って、有害ガスなどのように透過させたくない分子11と、例えば窒素などのように透過させたいガス分子10に応じたガス選択特性のフィルタ7aを使用することで、外装ケース4の内部の劣化を低減できる。 【0037】また、上記のように構成された磁気ディスク装置において、その製造時に大気圧よりも低い減圧下で組立てて、その後で大気圧に戻すと、フィルタ7aを介して積極的に外装ケース4の内部に透過させたいガス分子10が透過するため、より効率的にガス透過が行なえる。 【0038】例えば、透過させたいガス分子10が窒素の場合には、フィルタ7aとして窒素富化膜を使用すると、大気圧よりも低い気圧で組み立てた後で減圧状態から大気圧に戻すと、窒素富化膜からより選択的に窒素が外装ケース4の内部に透過するようになり、外装ケース4内部の酸素濃度が低い磁気ディスク装置が得られる。 【0039】このように、特定のガスを選択して積極的に外装ケース4の内部に取り込むようにすることで、外装ケース4の内部への粉塵の侵入を低減できるだけでなく、酸素やSOx,NOxの侵入を低減して構成部品の酸化や破損を低減でき、ヘッドクラッシュなどの現象を抑制でき、信頼性の高い磁気ディスク装置が実現できる。 【0040】なお、上記説明では、外装ケース4の内部にフィルタ7aを介して特定のガスを取り込む場合を例に挙げて説明したが、フィルタ7aとして外装ケース4の内部からフィルタ7aを介して特定ガスを排出する特性のものを使用することによっても従来に比べて外装ケース4の内部の劣化を低減できる。例えばフィルタ7aとして酸素富化膜を使用すると、外装ケース4の内部の酸素が外部に透過して外装ケース4の内部の部品の酸化を抑制できる。 【0041】(実施の形態2)この(実施の形態2)では、ガス選択フィルタであるフィルタ7aとして高分子/液晶複合膜を用いた点で異なるがそれ以外の基本的な構成は上記(実施の形態1)と同様である。 【0042】フィルタ7aとして使用される高分子/液晶複合膜には、通常、低分子液晶をその中に3次元連続層として分散させたものが用いられ、液晶分子の配向を電磁場による制御によって変化させることで、透過するガスを選択でき、いわゆるガスを分離することが可能となる。 【0043】このようなフィルタ7aを用いると、有害物質が外装ケース4内部に入ってこないように制御でき、外装ケース4の外部から特定のガスが選択的に透過して外装ケース4の内部に入るように構成できる。 【0044】例えば、高分子/液晶複合膜が窒素を選択的に透過するよう電磁場を制御すると、上記(実施の形態1)と同様に、外装ケース4の内部に積極的に窒素を取り込むことができ、また、磁気ディスク装置の組立て時に減圧下で組み立てれば、外装ケース4内部の酸素濃度が低い磁気ディスク装置が得られる。 【0045】(実施の形態3)図4と図5は、本発明の(実施の形態3)を示す。この(実施の形態3)では、ガス選択フィルタを複数設けた点で異なるが、それ以外の基本的な構成は上記各実施の形態と同様である。 【0046】図4に示すように、磁気ディスク1が組み込まれた外装ケース4には孔6b,6cが穿設され、図5に示すように、その上面がフィルタ7b,7cで覆われて外装ケース4の外部と内部とで気体が流通するよう構成されている。 【0047】フィルタ7b,7cは、上記各実施の形態と同様のガス選択フィルタである。このように複数のフィルタ7b,7cを外装ケース4に設けると、外装ケース4の内部と外部の圧力が等しくなるだけでなく、外装ケース4の内部には選択的に窒素が透過するとともに外装ケース4の外部に選択的に窒素が透過するため、外装ケース4の内部における酸素濃度が低くなり、信頼性の高い磁気ディスク装置が得られる。 【0048】例えば、フィルタ7b,7cがともに窒素富化膜である場合には、図6(a),(b)に示すように、外装ケース4の外部から窒素が選択的に外装ケース4内部に透過し、また内部から選択的に外装ケース4外部に窒素が透過するようになる。図6(a)は、フィルタ7bで窒素を外装ケース4の内部に取り込み、フィルタ7cで内部から窒素を外部に排出する(A)のパターンであり、図6(b)は、フィルタ7bで外装ケース4の内部から窒素を外部に排出し、フィルタ7cで窒素を外装ケース4の内部に取り込む(B)のパターンである。 【0049】窒素富化膜は窒素を一方通行的に透過させる膜であり、膜の取り付けの上下を変えることで上記(A)のパターン,(B)のパターンの両方が可能となる。従って、フィルタ7b,7cの膜の取り付けの上下が逆になってさえいれば良く、(A)のパターンになるか(B)のパターンになるかは限定されるものではない。 【0050】磁気ディスク装置の回転時には、外装ケース4の内部はモータの駆動により熱が発生して内部圧が外部よりも高くなるため、窒素富化膜が外装ケース4の内部に窒素を「取り込む」向きだけに設けられていると内部圧は高くなる一方となり、ディスク装置を変形させる恐れがあるが、上記のように一方の窒素富化膜が外装ケース4の内部に窒素を「取り込む」向きであり、他方の窒素富化膜が外部に窒素を「排出する」向きであると、外装ケース4の内外の圧力差を無くしてディスク装置の変形を防ぐことができる。また、外装ケース4の内部の空気の流れが良くなるため、内部の熱を外部に積極的に放出でき、しかも、空気の流通は良くなっても窒素富化膜の効果により余分な酸素の出入りはなくなるため、外装ケース4の内部の酸素濃度を低くできる。 【0051】なお、このガス選択フィルタ7b,7cは、両方とも窒素富化膜とするだけでなく、その他にも両方とも高分子/液晶複合膜としてもよく、あるいは一方が窒素富化膜で他方が高分子/液晶複合膜であってもよい。このようにフィルタ7a,7bが特定のガス、特に窒素を選択的に透過する性質の膜であれば特に限定されるものではなく、また、上記説明では、2個のガス選択フィルタ7b,7cを設けたが、その個数は特に限定されるものではない。 【0052】(実施の形態4)この(実施の形態4)では、フィルタ7b,7cがそれぞれ異なる種類のガスを選択するようにした点で上記(実施の形態3)とは異なる。 【0053】例えば、フィルタ7bを窒素を選択的に容器内に透過させる膜とし、フィルタ7cを酸素を容器外に透過させるよう構成すると、フィルタ7bとしては窒素富化膜が,フィルタ7cとしては酸素富化膜が好適に使用できる。 【0054】これらのフィルタ7b,7cを設けた磁気ディスク装置は、外装ケース4の外部から窒素が窒素富化膜の表面に達すると、その原理に従って窒素が選択的に外装ケース4の内部に透過し、外装ケース4の内部の酸素は酸素富化膜によって外装ケース4の外部に透過するようになる。 【0055】このような構成とすることで、外装ケース4の内部と外部の圧力が等しくなるだけでなく、外装ケース4内部の酸素濃度が低く、信頼性の高い磁気ディスク装置が実現できる。 【0056】なお、酸素富化膜は、酸素を透過し拡散させる性質を持っているのは表面層だけであり、反対側は表面層を支持するシート(例えば不織布,多孔シートなど)で構成されている。そのため、酸素富化膜全体で見ると、膜の表面から反対側に向かって一方通行的に酸素を透過することはあっても逆向きの透過は起こらないので、内部の酸素が外部に透過する向きに膜が設けられていれば外部の酸素が内部に透過することはない。 【0057】また、上記説明では、フィルタ7bとして窒素富化膜を,フィルタ7cとして酸素富化膜を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他にもフィルタ7bが高分子/液晶複合膜で、フィルタ7cが酸素富化膜であるもの、フィルタ7bが窒素富化膜で、フィルタ7cが高分子/液晶複合膜であるもの、さらにフィルタ7b,7cがともに高分子/液晶複合膜であるものなどが挙げられる。また、上記説明では、2個のガス選択フィルタ7b,7cを設けたが、その個数は特に限定されるものではない。 【0058】 【発明の効果】以上のように、本発明の磁気ディスク装置によれば、外装ケースの内部の圧力と外部の大気圧とを等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク装置であって、前記フィルタが特定のガスを選択して透過させるガス選択フィルタであることで、有害ガスや塵埃などの外装ケースの内部への侵入を低減して、構成部材の化学反応の発生や磁気ディスクの回転不能、ヘッドクラッシュ等を抑制できる信頼性の高い磁気ディスク装置を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年8月4日(2000.8.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068087 【弁理士】 【氏名又は名称】森本 義弘
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| 【公開番号】 |
特開2002−56643(P2002−56643A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−236299(P2000−236299) |
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