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【発明の名称】 テープカートリッジ
【発明者】 【氏名】曽我部 輝夫

【要約】 【課題】ケース本体内に非接触型のメモリーカートリッジを備えたテープカートリッジにおいて、電磁波障害の一掃を図る。

【解決手段】メモリーカートリッジMが装填される遮磁部材10を有する。遮磁部材10は、通信方向にのみ開口部15を有する角形の箱形状に形成する。ケース本体1内の内隅空所Sに、遮磁部材10を組み付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 テープが巻かれるリールを内蔵するケース本体の内部に、非接触型のメモリーカートリッジが配置されていて、前記メモリーカートリッジがテープドライブ側のメモリーリーダとの間で無線接続状態となることによって、メモリーカートリッジ内の各種データを読み書きできるテープカートリッジにおいて、前記ケース本体内には、前記メモリーカートリッジの外周りに電磁波遮断性能を有する遮磁部材が設けられていることを特徴とするテープカートリッジ。
【請求項2】 前記ケース本体内に、前記テープが巻かれる1個の前記リールを備えている請求項1記載のテープカートリッジ。
【請求項3】 前記遮磁部材は、前記メモリーリーダに向かう通信方向にのみ開口部を有する箱形状に形成されており、前記遮磁部材の内部に、前記メモリーカートリッジが装填されている請求項1又は2記載のテープカートリッジ。
【請求項4】 前記遮磁部材が、前記ケース本体内の内隅空所のひとつに配設されている請求項3記載のテープカートリッジ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ケース本体内に非接触型のメモリーカートリッジを備えているテープカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】メモリーカートリッジを備えたテープカートリッジは、例えば特開平8−161859号公報に公知である。そこでは、接触型のメモリーカートリッジをケース内に備えており、ケース外面に露出する接触端子を介して、ICチップ内に記憶されている磁気テープの特性データや、設定データ等を読み書きしている。
【0003】上記のような接触型のメモリーカートリッジでは、接触端子とメモリーリーダとの間で接触不良が生じて、読み書きエラーや動作不良を生じるおそれがある。そこで、非接触型のメモリーカートリッジが提案されており(文献不祥)、これによればメモリーリーダとの間で無線接続状態となることによってICチップ内に記憶されているデータを送受信するので、接触型に不可避の接触不良に基づく問題を解決でき、テープカートリッジの信頼性を向上できる。
【0004】主として大容量のコンピュータデータの記録や、そのバックアップ用の記録媒体として用いられる単リール型のテープカートリッジにおいても、かかる非接触型のメモリーカートリッジを付加することが予定されている。そこでは、メモリーカートリッジに、例えばテープに記録されたデータのディレクトリや使用履歴データ等の管理情報を記憶させて、より迅速なデータ検索を実現し、さらに使用開始以後のテープカートリッジ自体の、あるいはデータファイルの経過情報等を記録して、その管理等を行うことが予定されている。また、ロット番号、テープの使用や特性等のメーカーの製造データも合わせて記録することが予測されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】非接触型のメモリーカートリッジでは、電磁波を使ってデータの送受信を行うため、電磁波障害に基づく動作不良が問題になる。その原因の一つは、メモリーカートリッジの近傍にビスのような金属製部品があると、これにメモリーカートリッジから発せられた電磁波が干渉して、本来の通信方向に電磁波を送ることができなくなることにある。他は、テープドライブその他の周辺機器から漏れ出たノイズがメモリーカートリッジから発せられた電磁波に干渉することにある。前者の原因は、メモリーカートリッジを金属製部品から遠ざけて配置することで解消できるが、それではテープカートリッジ内でのメモリーカートリッジの配置部位が極めて限られたものとなり、テープカートリッジ側の設計上の自由度が低下する。また、メモリーリーダはメモリーカートリッジと対峙する位置に取り付ける必要があるので、メモリーカートリッジの配置位置が限定されると、結果としてテープドライブ側の設計上の自由度も阻害されることになる。
【0006】この発明の目的は、非接触型のメモリーカートリッジに不可避の電磁波障害に基づく問題を一掃して、非接触型メモリーカートリッジを備えたテープカートリッジの信頼性の向上を図るにある。この発明の目的は、金属製部品との位置関係で相対的に決定されていたメモリーカートリッジの配置位置に設計上の自由度を与えて、テープカートリッジ側、さらにはテープドライブ側の設計上の自由度の向上を図るにある。この発明の目的は、ケース本体内への非接触型メモリーカートリッジの組み付け作業性の向上を図るにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、テープ3が巻かれるリール2を内蔵するケース本体1の内部に、非接触型のメモリーカートリッジMが配置されていて、前記メモリーカートリッジMがテープドライブ側のメモリーリーダ20との間で無線接続状態となることによって、メモリーカートリッジM内の各種データを読み書きできるようにしたテープカートリッジにおいて、前記ケース本体1内には、前記メモリカートリッジMの外周りに電磁波遮断性能を有する遮磁部材10が設けられている。ここでのメモリーカートリッジの外周りとは、前後・左右・上下のうちの一側面にのみ平板状の遮磁部材10が介在する形態を含む概念である。
【0008】具体的には、ケース本体1内にテープ3が巻かれる1個のリール2を備えた単リール型のテープカートリッジに適用できる。遮磁部材10は、前記メモリーリーダ20に向かう通信方向にのみ開口部15を有する箱形状に形成し、これの内部にメモリーカートリッジMを装填した状態でケース本体1内に組み込む。
【0009】メモリーカートリッジMが装填された遮磁部材10は、ケース本体1内の内隅空所Sのひとつに配設することができる。
【0010】
【発明の作用効果】本発明では、メモリーカートリッジの外周囲が遮磁部材で電磁波からシールドされているので、メモリーカートリッジから発せられた電磁波がテープドライブ等から漏れ出たノイズの影響を受けたり、メモリーカートリッジから発せられた電磁波がテープカートリッジ側の金属製部品に干渉するのを抑えることができる。これにより、非接触型のメモリーカートリッジには不可避であった電磁波障害の問題を一掃でき、信頼性の向上を図ることができる。また、金属製部品とは無関係にメモリーカートリッジを配置できるので、テープカートリッジの設計上の自由度の向上を図ることができる。テープカートリッジの配置位置に自由度が出るので、テープドライブ内におけるメモリーリーダの取付位置にも設計上の自由度が確保できる。
【0011】遮磁部材が通信方向のみ開口した箱形状になっていると、これにメモリーカートリッジを予め装填してユニット化しておけば、ケース本体内に遮磁部材を後組みするだけでよく、メモリーカートリッジを正しく位置決めして組み付けの自動機械化をも図れ、組み付け作業性が向上する。
【0012】更に遮磁部材は、ケース本体内の内隅空所のひとつを選んで配設すると、元来はデッドスペースであった前記内隅空所を有効利用できるので、ケース本体内に前記メモリーカートリッジ用の装填部を新たに設ける必要がなく、テープカートリッジの全体を安価に製造するのに有利である。
【0013】
【実施例】図1ないし図5はこの発明を単リール型のテープカートリッジに適用した場合の実施例を示しており、図1において上下ケース1a・1bを蓋合わせ状に結合してなる角箱状のケース本体1を有し、ケース本体1の内部に配置した1個のリール2にテープ3が巻かれている。ケース本体1の前側壁の一側端には、テープ引出口4を設けてあり、これがスライド自在な蓋5で開閉できる。蓋5は、図外のばねで閉じ勝手に移動付勢されている。テープ3の繰り出し端には、テープドライブ側の連結具で捕捉連結される先導体7を設けてあり、不使用時の先導体7を直立する待機姿勢で保持固定するために、テープ引出口4の内面上下にキャッチ機構が設けられている。
【0014】ケース本体1の内部四隅のうち、前方左側のテープ引出口4を除く三つの隅部に内隅空所Sがそれぞれ設けられている。これら内隅空所Sとテープ引出口4の近傍とにおいて、上下ケース1a・1bがビス6で締結されている。内隅空所Sは、リール2の周縁に沿う部分円弧状の区分壁8と、ケース本体1のコーナー壁とで平面視が略三角形状に形成されている。これら内隅空所のうち、図1において右側後方の内隅空所Sを利用して、ここに誤消去防止用の切換ピース9が配設されている。
【0015】すなわち、ケース本体1の右側後方の内隅空所Sにおいて、ケース本体1の後壁に操作窓11を設け、該ケース後壁とこれの内側に設けたガイド壁11aとの間に平板状の切換ピース9が左右方向へ移動自在に装着され、操作窓11を介して切換ピース9が書き込み可能状態と書き込み禁止状態とに切り換え操作できる。なお、操作窓11は上下ケース1a・1bに半割り状態で形成されており、上下ケース1a・1bを結合することにより形成される。同じくガイド壁11aは上下ケース1a・1bの内面からそれぞれ突設されていて、上下ケース1a・1bを結合したとき、ガイド壁11a・11aどうしが突き合わされて、操作窓11から該当の内隅空所S内に塵埃が侵入しないようになっている。
【0016】切換ピース9が装着されるケース本体1内の右側後方の内隅空所Sには、切換ピース9よりも内奥(前方)側に非接触型のメモリーカートリッジMが遮磁部材10を介して組み付けられる。
【0017】遮磁部材10は、電磁波遮断性能を有する材料で左右横長の四角箱状に形成されており、後面側のみが全面的に開口している。符号15はその開口部を示す。メモリーカートリッジMは、遮磁部材10内に開口部15を介して不離一体に装填し、この装填状態においてICチップ13が前記開口部15に臨んでいる。遮磁部材10の内奥壁にメモリーカートリッジMの基板12のICチップ13とは反端側の前面を接着剤で接着することにより、遮磁部材10にメモリーカートリッジMを不離一体に予め組み付けてユニット化しておく。
【0018】図3において、そのメモリーカートリッジMは、絶縁性を有する左右横長の四角形の基板12と、基板12の片面に配置したICチップ13と、ICチップ13の周囲を囲む図外のアンテナとからなり、ICチップ13およびアンテナの外面を絶縁性接着剤で被覆することにより封止してある。
【0019】図2においてメモリーカートリッジMは、テープドライブ側に設けたメモリーリーダ20と対峙する位置にあり、このメモリーリーダ20との間で電磁波を介して無線接続状態となることによって、ICチップ13内に記憶されている履歴情報等の各種情報を読み書きする。さらに詳しくは、メモリーカートリッジMは、メモリーリーダ20から発せられる特定周波数の微弱電波をアンテナで受けると共振して、その共振電圧でICチップ13これ全体の動作に必要な駆動電力を供給してICチップ13を起動させ、ICチップ13内に記憶されている各種データをアンテナからメモリーリーダ20に向けて送出したり、メモリーリーダ20から送られてきたデータをICチップ13内に記憶する。
【0020】かかる非接触型のメモリーカートリッジMでは、電磁波を使ってデータの送受信を行っているため、電磁波障害に基づく問題が生じる。本発明では、メモリーカートリッジMの外周囲を電磁波からシールドすることで、この問題の解決を図っている。具体的には、前記遮磁部材10が、図3に示すように、メモリーリーダ20へ向かう通信方向にのみ開口部15を有する角形の箱形状を呈しており、遮磁部材10の全体が電磁波遮断材料で形成されている。これにより、遮磁部材10で通信方向以外から飛んでくる電磁波をカットし、メモリーカートリッジMから発した電磁波が、ノイズの影響を受けるのを防ぐ。また、メモリーカートリッジMの近傍にビス6等の金属製部品があっても、これにメモリーカートリッジMから発した電磁波が干渉するのを防ぐ。メモリーカートリッジMから送出された電磁波に通信方向へ向かう指向性を与えて、強固な無線接続状態を確立できるようになっている。
【0021】図2および図3においてケース本体1内の右側後方の内隅空所Sには、メモリーカートリッジMが装填済みの遮磁部材10を位置決め保持するための位置保持構造を有する。この位置保持構造としては、上下ケース1a・1bの内面からそれぞれ突設されて突き合わされる左右のリブ状の壁部材16・17と、前記ガイド壁11aとからなる。両壁部材16・17はガイド壁11aよりもケース内奥(前方)側に間隔を置いて位置している。メモリーカートリッジMの組み付けに際しては、下ケース1bのガイド壁11aと壁部材16・17との間に、メモリーカートリッジMが装填済みの遮磁部材10を上方から落とし込み装着したのち、下ケース1bに上ケース1aを被せ付けて上下ケース1a・1bをねじ結合する。これにて、遮磁部材10は、ガイド壁11aおよび両壁部材16・17で前後方向への遊動が規制され、左方のL字状の壁部材16とケース本体1の右側壁とで左右方向への遊動が規制され、上下ケース1a・1bの内面で上下方向への遊動が規制されて位置決め保持される。
【0022】メモリーカートリッジMは、遮磁部材10に接着固定するに代えて、図4に示すように、遮磁部材10の左右側壁10b・10bから内方向にリブ18・18を突設して、このリブ18・18でメモリーカートリッジMの基板12の左右の縁部を受け止めてもよい。また、図5に示すように、メモリーカートリッジMは、遮磁部材10内に装填してから、中央に挿通孔19aを有する板状部材19を遮磁部材10内に嵌め込んで、メモリーカートリッジMを抜け落ち不能に保持してもよい。
【0023】以上のようにメモリーカートリッジMは、外周囲が遮磁部材10でシールドされているので、非接触型に不可避的であった電磁波障害の問題を一掃でき、非接触型メモリーカートリッジMを備えたテープカートリッジの信頼性が向上する。また、ビス6の近くにでもメモリーカートリッジMを配設できるので、テープカートリッジ側およびテープドライブ側の設計上の自由度が向上する。
【0024】図6は本発明の別実施例を示す。そこでは、遮磁部材10の左右側壁10b・10bを僅かに左右の一方向に傾けて、メモリーカートリッジMから発せられた電磁波に左右の一方向への指向性を与えてある。これに対応して、メモリーカートリッジMの真向かいから僅かに左方向にずらして、メモリーリーダ20を配置してある。このように、遮磁部材10の側壁10b・10bを傾ければ、メモリーカートリッジMとメモリーリーダ20とは、真向かいに対峙する位置に配置せずともよくなるので、テープカートリッジおよびテープドライブの設計自由度は向上する。
【0025】上記以外にテープカートリッジは、単一リール型に限られない。遮磁部材10を含むメモリーカートリッジMは、はその他の内隅空所Sなどに配置してあってもよい。基板12の外形は、四角形以外の多角形状に形成してもよい。
【出願人】 【識別番号】000005810
【氏名又は名称】日立マクセル株式会社
【出願日】 平成12年8月10日(2000.8.10)
【代理人】 【識別番号】100077920
【弁理士】
【氏名又は名称】折寄 武士
【公開番号】 特開2002−56641(P2002−56641A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−243024(P2000−243024)