| 【発明の名称】 |
単リール型の磁気テープカートリッジ |
| 【発明者】 |
【氏名】曽我部 輝夫
【氏名】宮崎 信隆
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| 【要約】 |
【課題】テープの繰り出し端にコ字枠状の先導ピースが固定してある単リール型のテープカートリッジにおいて、先導ピースを高い製作精度で、しかも低コストで製造できるようにする。
【解決手段】リーダーテープ12の端に固定される垂直状の金属製のピン14と、ピン14の上下端に固定される水平状の一対の掛止アーム15とで、先導ピース13をコ字枠状に構成する。両掛止アーム15の成形時にピン14の上下両端をインサート固定して、両者14・15を一体化する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケース本体内にテープが巻かれる単一のリールが配置してあり、テープの繰り出し端に、リーダーテープを介してテープドライブ側の捕捉体が係止する先導ピースを備えている単リール型の磁気テープカートリッジにおいて、前記先導ピースは、前記リーダーテープの端部が固定される垂直状の金属製のピンと、前記ピンの上下両端に固定されて横向きの水平状に延びるプラスチック製の掛止アームとでコ字枠状に形成されており、前記両掛止アームの成形時に前記ピンをインサート固定して、前記ピンと前記掛止アームとが一体化してあることを特徴とする単リール型の磁気テープカートリッジ。 【請求項2】 前記掛止アームにインサートされる前記ピンの上下両端に、前記掛止アームと前記ピンとの相対回動および上下方向への分離を阻止するアンカー部が、それぞれ一体に成形されている請求項1記載の単リール型の磁気テープカートリッジ。 【請求項3】 前記ピンが断面円形の丸軸で形成されており、前記アンカー部が、前記ピンの上下の軸端部を末拡がり状に押し潰して形成されている請求項2記載の単リール型の磁気テープカートリッジ。 【請求項4】 前記両掛止アームの上下対向面のそれぞれに、前記捕捉体が係止する掛止溝が凹み形成されており、前記掛止溝は、前記両掛止アームの前面側に設けた導入案内面に連続して形成されていて、その溝始端が前記ピンを有するアーム基端部へ向かって開口している請求項1または2または3記載の単リール型の磁気テープカートリッジ。 【請求項5】 前記ケース本体の前面に開口したテープ引出口に、不使用時の前記先導ピースを待機姿勢に保持するためのアーム受部とロックピースとが、それぞれ設けられており、前記アーム受部は、前記テープ引出口に臨む前記ケース本体の内面の上下に、前記掛止アームの内面側の外郭線に沿う鉤形の凹みとして形成されており、前記ロックピースは、前記ピンをロック姿勢に保持するロックアームを備えていて、前記ロックアームが前記ピンに係合するロック位置と、前記ロックアームが前記ピンとの係合を解除するアンロック位置とにわたって往復揺動できるよう前記ケース本体に支持されて、ばねでロック位置へ向かって揺動付勢されている請求項1または2または3または4記載の単リール型の磁気テープカートリッジ。 【請求項6】 前記ピンには、前記リーダーテープの上下方向の位置ずれを規制するための段部が形成されており、前記リーダーテープの端部に設けた連結部の少なくとも上下の一端縁が前記段部に受け止められた状態で、前記連結部を前記ピンに巻き掛け連結することにより、前記ピンに対する前記リーダーテープの上下方向の位置決めが図られている請求項1記載の単リール型の磁気テープカートリッジ。 【請求項7】 前記リーダーテープが、弾性を有する硬質テープで形成されている請求項6記載の単リール型の磁気テープカートリッジ。 【請求項8】 前記ピンは、上下に長い丸軸からなり、その上下方向の中途部に他の部分より大径のロック軸部を有し、前記ロック軸部の上下に前記ロック軸部より小径の巻付軸部を有し、前記ロック軸部の上下に前記段部が形成されており、前記リーダーテープの端部に、テープ幅方向の中途部に切欠を設けて、前記切欠で上下に分断される一対の前記連結部が設けられており、前記段部に前記連結部の上下方向の端縁が受け止められた状態で、前記巻付軸部に前記連結部がそれぞれ巻き掛け連結されている請求項6または7記載の単リール型の磁気テープカートリッジ。 【請求項9】 前記ピンの上下方向の中途部に、上下端に前記段部を有する他より小径の前記巻付軸部が形成されており、前記巻付軸部に、前記リーダーテープの端部に設けた前記連結部を、前記連結部の上下端縁が前記段部にそれぞれ受け止められた状態で巻き掛け連結してある請求項6または7記載の単リール型の磁気テープカートリッジ。 【請求項10】 前記段部の径方向の段差寸法が、前記リーダーテープの厚み寸法の2分の1以上に設定されている請求項6記載の単リール型の磁気テープカートリッジ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、テープの繰り出し端に、ケース本体の外方にテープを引き出し操作するための先導ピースが設けてある単リール型の磁気テープカートリッジに関する。 【0002】 【従来の技術】この種の磁気テープカートリッジの従来技術に特開平11−232826号公報がある。そこでは、先導ピースを直線軸状の金属ピンで形成し、その軸部分にテープ繰り出し端を巻き付けて、断面C字状の緩衝体とクリップとで分離不能に抱持することにより接続している。先導ピースの上下両端には他の軸部分より大径の係合軸部が設けてあり、これを上下ケースの上壁および底壁に凹み形成した一対の軸受部およびばねで係合保持して、不使用時に先導ピースを待機姿勢に保持している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記のように単リール型の磁気テープカートリッジにおいては、テープ繰り出し端に先導ピースを設け、この先導ピースを捕捉することによって、テープドライブによるテープ引き出しを確実化する必要がある。そのためには、不使用時の先導ピースの待機姿勢を常に適正に保持することや、テープと先導ピースとに上下方向の位置ずれや、角度のずれのないこと等が、テープ引き出しを確実化するための前提条件となる。また、落下衝撃等の強い外力を受ける場合にも、先導ピースを適正な待機姿勢に維持できることが求められる。 【0004】しかし、クリップの弾性でテープを抱持固定する従来例の場合には、テープを先導ピースの軸部に密着する状態で巻き付けた後、その状態を維持したままで緩衝体とクリップとを軸部に対して順に外嵌装着するので、テープが先導ピースに対して傾いた状態のままで連結されてしまうおそれがある。また、待機状態においては、起立姿勢の先導ピースの上下両端をばねで押圧して保持しているが、例えば落下衝撃を受けたような場合に、先導ピースがばねの保持部から抜け出て傾倒しやすい。 【0005】そこで、本発明者等は、添付図面を借りて説明すると、上下一対の掛止アーム15と、両掛止アーム15の基端部どうしを繋ぐピン14とで、先導ピース13を傾倒しにくいコ字枠形に構成することを考えた。これによれば、試験の結果、先の丸軸状の先導ピースに比べて、外部衝撃に強く傾倒しにくい先導ピース13になることが確認できた。 【0006】本発明の目的は、ピンと上下一対の掛止アームとからなる先導ピースを、より高い精度でしかも低コストで製造し、その分だけ単リール型のテープカートリッジの製造コストを削減化することにある。本発明の目的は、先導ピースの構造強度を向上し、併わせて金属製のピンとプラスチック製の掛止アームとの結合強度を向上して、耐久性に優れた先導ピースを得ることにある。本発明の目的は、先導ピースを不使用時状態において適正な姿勢で待機保持でき、従ってテープドライブ側の捕捉体による先導ピースの連結捕捉が常に的確に行える単リール型のテープカートリッジを提供することにある。本発明の目的は、先導ピースに対してテープを上下に位置ずれすることなく連結でき、しかも上下方向の外力が作用しても、先導ピースのピンに対してテープがズレ動くのを確実に規制して、テープドライブ側の捕捉体によるテープ引き出し動作が常に適正に行えるようにした単リール型の磁気テープカートリッジを提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明は、図2に示すごとくケース本体1内にテープ3が巻かれる単一のリール2が配置してあり、テープ3の繰り出し端に、リーダーテープ12を介してテープドライブ側の捕捉体50(図6参照)が係止する先導ピース13を備えている単リール型の磁気テープカートリッジにおいて、先導ピース13は、図1に示すごとくリーダーテープ12の端部が固定される垂直状の金属製のピン14と、このピン14の上下両端に固定されて横向きの水平状に延びるプラスチック製の掛止アーム15とでコ字枠状に形成されており、両掛止アーム15の成形時に前記ピン14をインサート固定して、該ピン14と前記掛止アーム15とが一体化してあることを特徴とする。 【0008】請求項2記載の本発明に係る磁気テープカートリッジは、請求項1記載の掛止アーム15にインサートされるピン14の上下両端に、掛止アーム15とピン14との相対回動および上下方向への分離を阻止するアンカー部14cが、それぞれ一体に成形されている。 【0009】請求項3記載の本発明に係る磁気テープカートリッジは、請求項2記載の磁気テープカートリッジにおいて、前記ピン14が断面円形の丸軸で形成されており、前記アンカー部14cが、図4に示すごとく前記ピン14の上下の軸端部を末拡がり状に押し潰して形成されている。 【0010】請求項4記載の本発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気テープカートリッジにおいて、図3に示すごとく両掛止アーム15の上下対向面のそれぞれに、前記捕捉体50(図6参照)が係止する掛止溝16が凹み形成されており、掛止溝16は、両掛止アーム15の前面側に設けた導入案内面17に連続して形成されていて、その溝始端18が前記ピン14を有するアーム基端部へ向かって開口している。 【0011】請求項5記載の本発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気テープカートリッジにおいて、ケース本体1の前面に開口するテープ引出口4に、図4および図5に示すごとく不使用時の前記先導ピース13を待機姿勢に保持するためのアーム受部21とロックピース22とがそれぞれ設けられており、アーム受部21は、テープ引出口4に臨むケース本体1の内面の上下に、掛止アーム15の内面側の外郭線に沿う鉤形の凹みとして形成されており、ロックピース22は、前記ピン14をロック姿勢に保持するロックアーム24を備えていて、ロックアーム24がピン14に係合するロック位置と、ロックアーム24がピン14との係合を解除するアンロック位置とにわたって往復揺動できるようケース本体1に支持されて、ばね26でロック位置へ向かって揺動付勢されている。 【0012】請求項6記載の本発明は、請求項1記載のテープカートリッジにおいて、図3に示すごとく前記ピン14に、前記リーダーテープ12の上下方向の位置ずれを規制するための段部30が形成されており、リーダーテープ12の端部に設けた連結部12aの少なくとも上下の一端縁が前記段部30に受け止められた状態で、前記連結部12aを前記ピン14に巻き掛け連結することにより、前記ピン14に対する前記リーダーテープ12の上下方向の位置決めが図られている。 【0013】請求項7記載の本発明に係る磁気テープカートリッジは、請求項6記載の前記リーダーテープ12が、弾性を有する硬質テープで形成されている。 【0014】請求項8記載の本発明は、請求項6または7記載の磁気テープカートリッジにおいて、図3に示すごとく前記ピン14の上下方向の中途部に他の部分より大径のロック軸部14aを有し、このロック軸部14aの上下に該ロック軸部14aより小径の巻付軸部14bを有し、ロック軸部14aの上下に前記段部30が形成されており、前記リーダーテープ12の端部に、テープ幅方向の中途部に切欠31を設けて、該切欠31で上下に分断される一対の前記連結部12aが設けられており、前記段部30に前記連結部12aの上下方向の端縁が受け止められた状態で、前記巻付軸部14bにそれぞれ前記連結部12aが巻き掛け連結されている。 【0015】請求項9記載の本発明は、請求項6または7記載の磁気テープカートリッジにおいて、図7に示すごとく前記ピン14の上下方向の中途部に、上下端に前記段部30を有する他より小径の巻付軸部14bが形成されており、該巻付軸部14bに、前記リーダーテープ12の端部に設けた前記連結部12aを、該連結部12aの上下端縁が前記段部30にそれぞれ受け止められた状態で巻き掛け連結してある。 【0016】請求項10記載の本発明に係る磁気テープカートリッジは、請求項6記載の前記段部30の径方向の段差寸法Dが、図1に示すごとく前記リーダーテープ12の厚み寸法Tの2分の1以上に設定されている。 【0017】 【発明の作用効果】請求項1記載の本発明によれば、前記両掛止アームの成形時に前記ピンを金型内に装填して、前記ピンの両端が前記両掛止アームの内部に埋入する状態で、前記ピンを前記両掛止アームにインサート固定するので、前記掛止アームと前記ピンとの相対位置や、直交度あるいは一体化した後の前記掛止アームの対向間隔および平行度等を高い精度で実現できる。例えば、前記ピンを前記両掛止アームの成形後に圧入して一体化する場合に比べて、前記先導ピースの仕上り形状にばらつきが生じるのを一掃できる。前記両掛止アームの成形時に前記ピンを一体化できるので、前記ピンと前記掛止アームとを一体化するための作業を別途行う必要がなく、その分だけ前記先導ピースを低コストで製造できる。また、前記ピンと上下一対の前記掛止アームとでコ字枠状の剛体として構成した前記先導ピースは、ストレートピンのみからなる先導ピースに比べて傾倒しにくいうえ、上下一対の前記掛止アームを利用して位置決めできるので、前記先導ピースを常に適正な待機姿勢に保持することができる。従って長期使用時にも、テープドライブ側の前記捕捉体によるテープ引き出し操作を、前記先導ピースを介して支障なく行うことができる。 【0018】請求項2記載の本発明によれば、前記ピンの両端に、予め前記アンカー部を設けておき、前記アンカー部を前記掛止アームにインサート固定するので、前記先導ピースの成形後に、前記掛止アームと前記ピンとが相対回動したり、あるいは前記掛止アームが前記ピンから抜け外れたりするのを確実に防止できるので、両者の結合強度が向上し、出き上がった前記先導ピースの構造強度が向上する。 【0019】請求項3記載の本発明によれば、断面円形の丸軸からなる前記ピンの上下の軸端部を末拡がり状に押し潰して前記アンカー部を形成してるので、前記アンカー部が簡単に加工でき、そのうえで前記掛止アームと前記ピンとが相対回動したり、前記掛止アームが前記ピンから抜け外れたりするのを確実に防止できる。 【0020】請求項4記載の本発明によれば、前記両掛止アームの前面に、前記捕捉体用の前記掛止溝と前記導入案内面とを連続して設け、該掛止溝の溝始端が前記ピン側のアーム基端部に向かって開口しているので、前記捕捉体の上下を前記導入案内面に当てがった状態のまま、該導入案内面に沿って横移動させることにより、前記捕捉体を前記掛止溝に容易に案内して確実に係止できる。換言すると、前記捕捉体による前記先導ピースの捕捉動作を単純化できるので、テープドライブ側の前記捕捉体の駆動構造を簡素化できる。 【0021】請求項5記載の本発明によれば、前記テープを前記リールで巻き戻した状態において、前記先導ピースの上下の前記掛止アームは、前記ケース本体の内面の上下の前記アーム受部で受け止められて位置決めされる。さらに、前記ピンが前記ロックピースの前記ロックアームでロック保持されることにより、前記先導ピースが前記アーム受部から不用意に抜け外れることがない。このように、不使用時の前記先導ピースを前記アーム受部と前記ロックピースとで協働して位置保持すると、前記先導ピースを常に適正な位置に適正な姿勢で待機保持できるので、前記捕捉体による先導ピースの捕捉連結を的確に行え、単リール型のテープカートリッジの信頼性を向上できる。落下衝撃を受けた前記先導ピースが傾倒したり、所定の待機位置からずれ動くのも確実に防止できる。 【0022】請求項6記載の本発明によれば、前記リーダーテープの前記連結部を前記先導ピースの前記ピンに巻き付けて連結するに際し、前記ピンに前記段部を設けておき、組立作業時に該段部を位置決め基準にして、前記連結部をその上下の一端縁が該段部に受け止められた状態で前記ピンに巻き掛け連結するので、前記リーダーテープを前記ピンに対して適正な位置決め状態で連結できる。さらに、使用時には、前記リーダーテープや前記ピンに作用する上下方向の外力を前記段部で受け止めて、前記リーダーテープと前記ピンとが相対的に上下方向へずれ動くのを確実に阻止できる。従って、待機状態における前記先導ピースと前記リーダーテープとの位置関係を適正な状態に維持して、テープドライブ側の前記捕捉体によるテープ引き出し作業を常に的確に行える。 【0023】請求項7記載の本発明によれば、前記リーダーテープが弾性を有する硬質テープで形成されているので、その前記連結部の上下端縁の一方または双方が前記段部に当たったときにも、前記連結部の上下端縁の変形や折れ曲がりを防止して、前記テープと前記先導ピースとの上下方向の位置ずれをよく規制できる。 【0024】請求項8記載の本発明によれば、前記ピンの上下方向の中途部に、上下端に前記段部を有する大径の前記ロック軸部を形成しておき、前記リーダーテープの端部に設けた上下の前記連結部を上下の小径の前記巻付軸部に巻き掛け連結するようになっている。従って、上下の前記連結部を前記巻付軸部にそれぞれ巻き付けて反転した後、その反転端をテープ面に接着ないし溶着などにより固定することになるが、その際に、上下に離れた前記連結部を前記ピンに対して個別に連結することになるので、連結状態における前記ピンと前記リーダーテープとの縦横方向の角度のずれを最小限化できる。前記リーダーテープに作用する引っ張り力は、前記リーダーテープの上下端縁側に分散する状態で作用させることができるので、前記リーダーテープに過大な引っ張り荷重が作用する場合にも、引っ張り力が一点に集中して、前記リーダーテープが破損するのをよく防止できる。 【0025】請求項9記載の本発明によれば、請求項8の連結形態とは逆に、上下端に前記段部を有する小径の前記巻付軸部を前記ピンに形成しておき、前記巻付軸部に前記リーダーテープの連結部を巻き掛け連結する。この場合にも、前記リーダーテープと前記ピンとが相対的に上下にずれ動くのを規制して、テープドライブ側の前記捕捉体によるテープ引き出し作業を常に適正に行うことができる。 【0026】請求項10記載の本発明によれば、前記段部の径方向の段差寸法が、前記リーダーテープの厚み寸法の2分の1以上に設定されているので、前記ピンと前記連結部との間に遊動隙間が設けてある場合にも、前記連結部が前記段部を乗り越えて上下にずれ動くのを確実に防止できる。 【0027】 【実施例】図1ないし図6は、本発明に係る単リール型のテープカートリッジの実施例を示す。図2において、テープカートリッジは、上下ケース1a・1bを蓋合わせ状に結合してなる角箱状のケース本体1を有する。ケース本体1の内部には1個のリール2を配置してあり、このリール2にテープ3が巻き込んである。ケース本体1の前面にはテープ引出口4が開口している。ケース本体1には、テープ引出口4を開閉するドア5が揺動自在に軸支されている。ドア5は図外のばねで閉じ勝手に移動付勢されている。ドア5がテープ引出口4を閉止した位置において、ドア5は図外のロック機構でロック保持される。 【0028】ケース本体1の対向する内隅の2個所には、リールロック手段6・7が設けてある。リール2には下フランジの外周にギヤ歯が設けてある。不使用時に、リールロック手段6・7は前記ギヤ歯に係合してリール2を遊転不能にロック保持する。ケース本体1には、背壁の左右の一側(図では左側)に誤消去防止用の切換ピース8が設けてある。リール2と上ケース1aとの間には、リール2を下ケース1bの側へ向かって押し下げ付勢するばね9が配置してある。このばね9とリール2とは遊転自在な鋼ボール10を介して接している。 【0029】リール2に巻き込んだテープ3は、これの端部がテープドライブの捕捉体50で自動的に捕捉される。そのために、テープ3の繰り出し端に設けたリーダーテープ12には、先導ピース13が設けられている。図3において先導ピース13は、リーダーテープ12の端部が固定される垂直状のステンレス製のピン14と、ピン14の上下両端に固定されて横向きの水平状に延びるプラスチック製の一対の掛止アーム15とでコ字枠状に構成されている。リーダーテープ12は、例えばポリエチレンテレフタレートやボリブチレンテレフタレートなどの、弾性に富む硬質のプラスチックシートで形成されている。リーダーテープ12の端部には、上下のテープ幅方向の中途部に切欠31を設けることにより、上下に分断された連結部12a・12aを有する。この両連結部12a・12aをそれぞれピン14に巻き掛けて反転した後、この反転端部をリーダーテープ12のテープ面に接着することにより、リーダーテープ12の端部がピン14に接続されている。リーダーテープ12とピン14との間には僅かな遊動隙間を設けてあって、ピン14はリーダーテープ12に対して相対的に回転できる。 【0030】図3においてピン14は、上下に長い丸軸からなり、その上下方向の中央部に他の部分より大径のロック軸部14aを有し、ロック軸部14aの上下にロック軸部14aより僅かに小径の巻付軸部14b・14bを有し、さらに巻付軸部14b・14bのそれぞれの軸端にアンカー部14c・14cを形成してある。リーダーテープ12の上下の前記連結部12a・12aは、それぞれが上下の巻付軸部14b・14bに前述の要領で巻き掛け連結されている。各巻付軸部14b・14bはロック軸部14aより小径であるから、ロック軸部14aの上下には段部30・30を有する。リーダーテープ12の上方の連結部12aの下端縁は、ロック軸部14aの上方の前記段部30に受け止められ、下方の連結部12aの上端縁は、ロック軸部14aの下方の前記段部30に受け止められ、これによってピン14に対するリーダーテープ12の上下方向の位置決めが図られているとともに、さらに各連結部12aとピン14とが上下にずれ動くのを阻止している。なお、段部30の径方向の段差寸法Dは、図1に示すごとくリーダーテープ12の厚み寸法Tの2分の1以上に設定してある。より好ましくは、先の段差寸法Dはリーダーテープ12の厚み寸法Tの2分の1に、ピン14と連結部12aとの間の遊動隙間寸法を加えた合計値より大きく設定する。 【0031】後述するように、ピン14は掛止アーム15にインサート固定される。その際、成形後のピン14と掛止アーム15との相対回動および上下方向への分離をそれぞれ阻止するために、ピン14の上下端には、前記アンカー部14c・14cが設けられている。この実施例では、各アンカー部14cが図4に示すごとくピン14の上下の軸端部をそれぞれ末拡がり状に押し潰して形成されている。 【0032】図3および図5において各掛止アーム15は、左右横長のプラスチック成形品からなり、その成形時に、各掛止アーム15の基端部にピン14がインサート固定される。上下の各掛止アーム15はケース本体1の外面側へ向かって突弧状に湾曲形成されており、各掛止アーム15の前面側にテープドライブ側の捕捉体50が係止する掛止溝16が形成されている。詳しくは、各掛止アーム15の前面に、捕捉体50を導入するための導入案内面17をケース後方側へ向かって下り傾斜する状態で形成し、この傾斜面に連続して掛止溝16がアーム先端側へ延びるように形成されている。これにより、上下の掛止アーム15・15は、上側の掛止溝16が上壁を有し、下側の掛止溝16が下壁を有し、両掛止溝16・16が上下に対向する状態で開口し、さらに各掛止溝16の溝始端18がピン14を有する掛止アーム15の基端部へ向かって開口している。なお、上下の掛止アーム15・15の対向間隔はテープ3の上下幅寸法より十分大きく設定しておく。従って、テープ3の移動軌跡が後述するアーム受部21と接触干渉するのを阻止できる。捕捉体50を掛止溝16に連結した状態において、各掛止溝16の前記上壁あるいは前記下壁は、テープドライブ側の捕捉体50の掛止ピン19の上下位置を位置決めするのに役立つ。 【0033】捕捉体50は、図6に示すごとくテープドライブ側のリーダーテープの端に掛止ピン19を固定して形成してあり、図外のローディングアームで掛止ピン19を操作することにより、その上下両端の球軸19aが、図4に示すごとく掛止溝16に掛け止められる。 【0034】不使用時の先導ピース13は、ケース本体1を所定位置に待機姿勢で保持しておく必要がある。そのために、ケース本体1側には、図4および図5に示すごとくテープ引出口4に臨ませてアーム受部21とロックピース22とを設けてある。アーム受部21はケース本体1の内面の上下に凹み形成する。詳しくは、テープ引出口4に臨むケース本体1の上下壁にそれぞれ低いリブを上下対向状に突設し、このリブを各掛止アーム15のケース内面側の外郭線に沿うよう鉤形に湾曲させて、一端がケース内方へ凹むアーム受部21を形成する。リーダーテープ12と共に先導ピース13をケース本体1の内部へ引き込んだ状態において、先導ピース13は上下の各掛止アーム15が上下のアーム受部21に密接する状態で受け止められて、適正に位置決め保持される。 【0035】テープ弛みが発生した状況下においても、落下衝撃に耐えて先導ピース13を上記の位置決め姿勢に保持するために、ロックピース22で先導ピース13のピン14をロック姿勢に保持する。図4および図5においてロックピース22は、縦向きのボス23と、その外周面からそれぞれ左右逆の横向きに突設したロックアーム24およびロック解除片25を一体に形成したプラスチック成形品からなる。ボス23は、上下端を上下ケース1a・1bに揺動自在に軸支し、さらにボス23の下端に組み付けたばね26でロックピース22をロック姿勢に揺動付勢することにより、ロックアーム24は先端側が常にケース内方へ向かって揺動付勢され、図4に示すようにロックアーム24の先端に設けたフック部27がピン14の前記ロック軸部14aに係脱自在に係合する。不使用時に、ロックアーム24はフック部27がケース外面側からピン14のロック軸部14aに外嵌係合しており、ロック解除片25はケース本体1の前壁に開口した解除ピン挿入口29と正対している。 【0036】以上のように不使用時の先導ピース13が、アーム受部21とロックピース22とで協働して待機姿勢に保持されていると、先導ピース13に作用する外部衝撃は、ロックピース22がばね26に抗して揺動することで緩和吸収できる。従って、たとえテープ3がケース内部で弛んでいたとしても、先導ピース13がアーム受部21からずれ動いたり、飛び出てしまうのを防止できる。また、外部衝撃力の消滅と同時に、ロックピース22は前記ばね26の付勢力を受けて先導ピース13をアーム受部21に復帰操作して密接させるので、先導ピース13を常に適切な待機姿勢に保持できる。 【0037】不使用時のドア5は、図5に示すごとくテープ引出口4を塞いで先導ピース13の外面を覆っている。そこで、ドア5の内面には、先導ピース13の外面側の外郭線に合致する押圧部28を設けて、先導ピース13のとくに掛止アーム15の先端側がアーム受部21から浮き離れるのを阻止している。 【0038】テープカートリッジをテープドライブに装填すると、ドア5が開いてテープ引出口4を開放する。同時にリール2の遊転を阻止していた一対のリールロック手段6・7がロック解除される。ロックピース22は、そのロック解除片25が図6に示すごとくテープドライブ側の解除ピン51で解除ピン投入口29を介してケース本体1の内側後方へ押されることにより、ロックアーム24のフック部27がピン14から外れる前方向きにロック解除操作される。リール2は、ケース本体1内にこれの下面側から進入して来るリール駆動軸と係合する。この状態でテープドライブ側の捕捉具50がテープ引出口4内へ進入し、その掛止ピン19の上下端が上下の掛止アーム15・15の掛止溝16・16に係合して、図6に示すように先導ピース13を介してテープ3をケース本体1の外側前方へ引き出し、テープドライブ側のリールに巻き込む。テープ3に対するデータの書き込みあるいは読み出しが終了したら、テープ3はリール2に巻き戻され、先導ピース13はアーム受部21とロックピース22とによって再び元の待機状態に位置決め保持される。 【0039】図7および図8はそれぞれ先導ピース13とリーダーテープ12との連結構造に関する本発明の別実施例を示す。図7の連結構造においては、ピン14の上下方向の中途部に、上下端に段部30を有する他より小径の巻付軸部14bを形成して、この巻付軸部14bに、リーダーテープ12の端部に設けた1個の連結部12aを巻き掛け連結したものとなっている。この実施例の連結部12aの上下幅は、他のテープ面の上下幅より小さく寸法設定したが、連結部12aの上下幅はリーダーテープ12のテープ幅と同幅にすることができる。 【0040】図8の連結構造では、基本的に図1に示す連結形態を採りながら、巻付軸部14bの上下端のそれぞれに段部30を設けて、合計4個の段部30で上下に分断した各連結部12aの位置規制と遊動規制とを行うようにしてある。 【0041】上記以外に、図8の実施例におけるロック軸部14aを省略して、上側の連結部12aの上端縁と、下側の連結部12aの下端縁とをのみ上下の段部30で受け止める形式にしてもよい。また、基本的には図7の実施形式において、前記ピン14の上下の一方にのみ段部30を設け、リーダーテープ12の連結部12aの上端縁または下端縁のみを該段部30で受け止めて位置規制を行ってもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005810 【氏名又は名称】日立マクセル株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月17日(2001.5.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077920 【弁理士】 【氏名又は名称】折寄 武士
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| 【公開番号】 |
特開2002−56640(P2002−56640A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2001−148410(P2001−148410) |
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