| 【発明の名称】 |
記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータ及びこれを用いた記録/再生ヘッド位置決め装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】揃 和紀
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| 【要約】 |
【課題】大きな変位量が得られ、かつ外部から衝撃が加わったり、繰り返し変位させても破損することのない記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータを提供する。
【解決手段】固定部12と可動部13とを有し、固定部12と可動部13との間に、剪断モードで変位する3つの変位発生部14,15,16を並設してなり、上記各変位発生部14,15,16を構成する圧電セラミックスの分極方向が同じ方向となるように配置して記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータ11を構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】固定部と可動部を有し、該固定部と可動部との間に、剪断モードで変位する圧電セラミックスからなる少なくとも3つの変位発生部を並設してなり、上記各変位発生部を構成する圧電セラミックスの分極方向が同じ方向となるように配置してあることを特徴とする記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータ。 【請求項2】上記変位発生部を構成する圧電セラミックスの圧電歪定数(d15)が600pm/V以上であることを特徴とする請求項1に記載の記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータ。 【請求項3】上記可動部及び/又は固定部が、上記各変位発生部と接着にて接合してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータ。 【請求項4】請求項1乃至請求項3に記載の記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータを構成する可動部に、記録/再生ヘッドを取着するとともに、上記記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータを構成する固定部に、ヘッドサスペンションを取着したことを特徴とする記録/再生ヘッド位置決め装置。 【請求項5】請求項1乃至請求項3に記載の記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータを構成する可動部に、記録/再生ヘッドを備えたヘッドサスペンションを取着するとともに、上記記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータを構成する固定部に、支持アームを取着したことを特徴とする記録/再生ヘッド位置決め装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンピューターの外部記憶装置等に使用されている磁気記録装置又は光記録装置に備える記録/再生ヘッド位置決め装置及びこれに用いる記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、磁気記録装置や光記録装置は、高速で回転する磁気ディスクや光ディスク(以下、単にディスクと称す)上に、記録/再生ヘッドを走査させ、記録/再生ヘッドとディスクとの間で磁気作用又は光作用によってディスク上に記録された情報を読み出したり、ディスク上に情報を書き込むようになっており、上記記録/再生ヘッドを所定位置に走査させる手段として記録/再生ヘッド位置決め装置が用いられている。 【0003】図6に一般的な記録/再生ヘッド位置決め装置の概略を示すように、このヘッド位置決め装置は、回転軸5に嵌合された軸受部4を有し、該軸受部4に備える支持アーム3に取着されたヘッドサスペンション2の先端に記録/再生ヘッド1を備えたもので、不図示のボイスコイルモーターにより軸受部4を矢印の方向に駆動させることで記録/再生ヘッド1をディスク6上の所定位置まで移動させるようになっていた。 【0004】ところで、近年、磁気記録装置や光記録装置の記録密度の向上に伴って、高BPI(Bit Per Inch)化、高TPI(Track Per Inch)化が要求されており、高BPI化のためには、ディスク6の円周方向の記録密度を上げることが必要があり、また、高TPI化のためには、ディスク6の半径方向の記録密度を上げることが必要となっている。そして、TPIの記録密度を上げるためには、記録/再生ヘッド1の位置決め精度をトラックピッチの10%以下に抑えることが求められている。 【0005】しかしながら、ディスク6のトラックピッチは1μm以下であり、さらには0.5μm以下にまで狭まる方向にあり、ボイスコイルモーターによる位置決めでは、記録/再生ヘッド1の位置決め精度をトラックピッチの10%以下(トラックピッチ1μm以下の場合、0.1μm以下)とすることが難しいものであった。 【0006】そこで、このような課題を解決するため、記録/再生ヘッド1とヘッドサスペンション2との間に圧電アクチュエータを配置し、この圧電アクチュエータを駆動させることにより記録/再生ヘッド1を微少移動させ、記録/再生ヘッド1の位置決め精度を高めることが提案されており、上記圧電アクチュエータとして、図6に示すように、固定部22と可動部23とからなり、固定部22と可動部23との間に縦振動(又は横振動)する2つの変位発生部24,25を並設したものが開示されている。そして、上記可動部23に記録/再生ヘッド1を取着するとともに、固定部22にヘッドサスペンション2を取着し、上記圧電アクチュエータ21の一方の変位発生部24を伸長させ、他方の変位発生部25を縮長させることで可動部23を矢印Cの方向に変位させ、各変位発生部24,25の伸縮を逆にすると、可動部23を矢印Dの方向に変位させることができるようになっていた。 【0007】また、上記圧電アクチュエータ21は、複数の圧電セラミック板の間に電極層を介在させて積層した板状体を用意し、サンドブラスト法によって図6に示すような貫通孔を形成することにより一体的に形成するようになっていた(国際公開番号 WO98/19304号公報参照)。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に示す圧電アクチュエータ21は、機械的強度の小さな圧電セラミックスからなる2本の変位発生部24,25で可動部23に取着された記録/再生ヘッド1を支持しなければならないことから、可動部23が変位する際に発生する応力に屈して変位発生部24,25が破損したり、あるいは外部から衝撃が加わると破損するといった課題があった。 【0009】そこで、変位発生部24,25の数を増やすことも考えられるが、上記圧電アクチュエータ21は、例えば、一方の変位発生部24を圧電縦効果(又は圧電横効果)によって伸長させ、他方の変位発生部25を圧電縦効果(又は圧電横効果)によって縮長させる構造であることから、3本目以上の変位発生部の変位量を制御することが極めて難しく、実際には駆動させることができなかった。 【0010】また、上記圧電アクチュエータ21は、複数の圧電セラミック板の間に電極層を介在させて積層した板状体にサンドブラスト法によって貫通孔を形成することにより製造するため、ブラスト処理時に、各変位発生部24,25の幅が厚み方向において異なり、変位発生部24,25の変位量にばらつきを生じる恐れもあった。 【0011】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課題に鑑み、記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータを、固定部及び可動部と、該固定部と可動部との間に並設され、剪断モードで変位する圧電セラミックスからなる少なくとも3つの変位発生部とから構成し、上記各変位発生部を形成する圧電セラミックスの分極方向が同じ方向となるように配置したことを特徴とする。 【0012】特に、上記変位発生部を形成する圧電セラミックスは、その圧電歪定数(d15)が600pm/V以上であることが好ましく、また、圧電アクチュエータを構成する可動部及び/又は固定部は、各変位発生部と接着剤にて接合したものが良い。 【0013】また、本発明は、上記記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータを構成する可動部に、記録/再生ヘッドを取着するとともに、上記記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータを構成する固定部に、ヘッドサスペンションを取着して記録/再生ヘッド位置決め装置を構成するか、あるいは上記記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータを構成する可動部に、記録/再生ヘッドを備えたヘッドサスペンションを取着するとともに、上記記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータを構成する固定部に、支持アームを取着して記録/再生ヘッド位置決め装置を構成したものである。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について説明する。 【0015】図1は本発明に係る記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータの一例を示す斜視図で、この記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータ(以下、単に圧電アクチュエータと言う)11は、圧電セラミックスからなる固定部12と、絶縁セラミックスからなる可動部13と、上記固定部12と可動部13との間に所定の間隔を隔てて並設された圧電セラミックスからなる3つの変位発生部14,15,16とからなり、上記固定部12と上記各変位発生部14,15,16とは一体的に形成するとともに、上記可動部13と上記各変位発生部14,15,16とは接着剤にて接合してある。 【0016】また、各変位発生部14,15,16は角板状をなし、その側面にはそれぞれ電極17を備えるとともに、各変位発生部14,15,16を形成する圧電セラミックスには、矢印の方向に分極処理してある。 【0017】その為、圧電アクチュエータ11の固定部12を動かないように固定し、図2(a)(b)に示すように、各変位発生部14,15,16の右側に位置する電極17に正の電圧を、各変位発生部14,15,16の左側に位置する電極17に負の電圧をそれぞれ印加すると、各変位発生部14,15,16を形成する圧電セラミックスが、電極17間に印加された電界と、予め分極処理によって付与された電界によって電極17間方向に剪断モード変形を起こすため、可動部13を矢印Aの方向に変位させることができ、また、各変位発生部14,15,16の電極17間に印加する電圧の極性を反転させると、可動部13を矢印Bの方向に変位させることができる。 【0018】そして、本発明の圧電アクチュエータ11によれば、各変位発生部14,15,16を剪断モード変形によって変位させるようにしてあることから、可動部23が縦振動(又は横振動)する変位発生部24,25によって変位する従来の圧電アクチュエータ21と比較して可動部13の変位量を大きくすることができる。 【0019】また、各変位発生部14,15,16は、剪断モード変形によって同じ方向に変位させることができるため、固定部12と可動部13との間に3本以上の変位発生部14,15,16を設けることができるため、図6に示す従来の圧電アクチュエータ21と比較して圧電アクチュエータ11の機械的強度を向上させることができる。その為、外部から衝撃が加わったり、可動部13を繰り返し変位させても変位発生部14,15,16の破損がなく、長期間にわたり安定して可動部13を変位させることができる。なお、機械的強度を向上させるためには、変位発生部の数を5本以上とすることが好ましい。 【0020】ところで、記録/再生ヘッド1の位置決め精度を高めるためには、大きな変位量が得られる圧電アクチュエータ11を用いる必要があり、可動部13を大きく変位させるためには、各変位発生部14,15,16を形成する圧電セラミックスとして、圧電歪定数d15ができるだけ高いものを用いれば良く、好ましくは圧電歪定数d15が600pm/V以上、さらに好ましくは圧電歪定数d15が800pm/V以上であるものを用いることが良い。 【0021】また、各変位発生部14,15,16の間隔が狭い場合、各変位発生部14,15,16が変位することにより固定部12や可動部13に歪みが発生し、可動部13の変位量がばらつく恐れがあるが、図1の圧電アクチュエータ11では、可動部13と各変位発生部14,15,16とを接着剤を介して接合してあることから、各変位発生部14,15,16が変位することにより作用する力を接着層で吸収し、両隣の変位発生部14,15,16に伝わることを防止し、可動部13における変位量のばらつきを低減することができる。なお、図1では可動部13と各変位発生部14,15,16とを接着にて接合した例を示したが、固定部12と各変位発生部14,15,16とを接着にて接合したものでも良く、さらには固定部12及び可動部13をそれぞれ各変位発生部14,15,16と接着にて接合したものでも構わない。ただし、接着層の厚みが厚くなり過ぎると、各変位発生部14,15,16が変位することにより作用する力が吸収され、可動部13の変位量が小さくなることから、接着層の厚みは10μm以下とすることが良く、さらに10μm以下の厚みを有する接着層中にフィラーを混入させたものを用いれば接着層の剛性を高めることができて好ましい。 【0022】また、各変位発生部14,15,16が変位することにより作用する力によって可動部13が歪まないようにするためには、剛性の高い絶縁セラミックスにより形成することが好ましく、例えば、アルミナ、ジルコニア、フォルステライト、ステアタイト、チタニア等を用いることができ、これらの中でもフォルステライト、ステアタイト、チタニアは圧電セラミックスと同程度の切削性を有することから、加工性の点で好ましい。 【0023】また、可動部13における変位量のばらつきを抑えるためには、可動部13だけでなく、固定部12も接着にて変位発生部14,15,16と接合するようにし、かつ固定部12を上述したアルミナ、ジルコニア、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素、フォルステライト、ステアタイト、チタニア、サファイア、TiC系サーメット、TiN系サーメット、TiC−TiN系サーメット等の絶縁セラミックスにより形成することが好ましい。 【0024】次に、図1に示す圧電アクチュエータ11の製造方法について説明する。 【0025】まず、予め板厚方向に分極処理した圧電セラミック板を用意する。圧電セラミックスとしては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT系)、ランタンチタン酸鉛(PLZT系)、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)又はこれらの複合材を主体とする圧電セラミックスを用いることができる。 【0026】次に、ダイヤモンド砥粒を固着した回転刃を板厚方向に押し当て、所定の間隔を隔てて2列の溝を形成した後、上記回転刃を溝と直角な方向に押し当てて圧電セラミック板を分断することにより、溝を仕切る圧電セラミック部を変位発生部14,15,16、各変位発生部14,15,16を連結する圧電セラミック部を固定部12とする部材を製作する。 【0027】このように、研削加工にて溝を形成することにより各変位発生部14,15,16を形成すれば、各変位発生部14,15,16の幅を厚み方向にわたって一定の幅とすることができるため、各変位発生部14,15,16の変位ばらつきを抑えることができる。 【0028】次いで、各変位発生部14,15,16を形成する圧電セラミックスの側面に、印刷法、メッキ法、真空蒸着法、スパッタリング法、PVD法、CVD法等によって金属膜を被着して電極17を形成する。電極17を形成する金属膜の材質としては、白金、金、パラジウム、ロジウム、ニッケル、クロム、アルミニウム等の金属、あるいは、白金−金、パラジウム−銀、白金−パラジウム等を主体とする合金を用いることができ、さらに上記金属膜を複数層積層したものでも構わない。 【0029】しかる後、各変位発生部14,15,16の端部に、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素、フォルステライト、ステアタイト、チタニア、サファイア、TiC系サーメット、TiN系サーメット、TiC−TiN系サーメット等の絶縁セラミックスからなる可動部13を接着剤にて接合することにより得ることができる。 【0030】なお、各変位発生部14,15,16と可動部13とを接合する接着剤としては、エポキシ系、ポリイミド系、フェノール系の熱硬化性接着剤を用いることができ、中でも接着強度と耐熱性の点でエポキシ系の熱硬化性接着剤を用いることが好ましい。 【0031】次に、図1に示す圧電アクチュエータ11を用いた記録/再生ヘッド位置決め装置の一例を図2を用いて説明する。 【0032】この記録/再生ヘッド位置決め装置は、回転軸5に嵌合された軸受部4に備える支持アーム3に取着されたヘッドサスペンション2の先端に、上記圧電アクチュエータ11を介して記録/再生ヘッド1を取着したもので、圧電アクチュエータ11の固定部12をヘッドサスペンション2の先端と取着するとともに、圧電アクチュエータ11の可動部13を記録/再生ヘッド1と取着してある。 【0033】そして、この記録/再生ヘッド位置決め装置を用いて記録/再生ヘッド1をディスク6上の所定位置に位置決めするには、不図示のボイスコイルモーターにより軸受部4を回転させて記録/再生ヘッド1をディスク6上の所定位置近傍まで移動させた後、圧電アクチュエータ11を変位させて記録/再生ヘッド1を微少移動させることによりディスク6の所定位置に移動させることができ、上記圧電アクチュエータ11は大きな変位量を得られることから、トラックピッチが1μm以下であるディスク6に対しても記録/再生ヘッド1の位置決め精度をトラックピッチの10%以下とすることができる。 【0034】また、記録/再生ヘッド1を支持する圧電アクチュエータ11は、固定部12と可動部13の間に3本の変位発生部14,15,16を有し、高強度であることから、外部から衝撃が加わったり、記録/再生ヘッド1を支持した状態で可動部13を繰り返し変位させたとしても各変位発生部14,15,16を破損することがなく、長期間にわたって用いることができる。 【0035】さらに、図1に示す圧電アクチュエータ11を用いた記録/再生ヘッド位置決め装置の他の例を図3を用いて説明する。 【0036】この記録/再生ヘッド位置決め装置は、回転軸5に嵌合された軸受部4に備える支持アーム3の先端に、上記圧電アクチュエータ11を介して記録/再生ヘッド1を備えたヘッドサスペンション2を接合したもので、圧電アクチュエータ11の固定部12を支持アーム3の先端に取着するとともに、圧電アクチュエータ11の可動部13をヘッドサスペンション2の後端に取着してある。 【0037】そして、この記録/再生ヘッド位置決め装置を用いて記録/再生ヘッド1をディスク5上の所定位置に位置決めするには、不図示のボイスコイルモーターにて軸受部4を回転させて記録/再生ヘッド1をディスク6上の所定位置近傍まで移動させた後、圧電アクチュエータ11を変位させて記録/再生ヘッド1を備えたヘッドサスペンション2を微少移動させることによりディスク6の所定位置に移動させることができ、上記圧電アクチュエータ11は大きな変位量を得られることから、トラックピッチが1μm以下であるディスク6に対しても記録/再生ヘッド1の位置決め精度をトラックピッチの10%以下とすることができる。 【0038】また、記録/再生ヘッド1を備えたヘッドサスペンション2を支持する圧電アクチュエータ11は、固定部12と可動部13の間に3本の変位発生部14,15,16を有し、高強度であることから、外部から衝撃が加わったり、記録/再生ヘッド1を備えたヘッドサスペンションを支持した状態で可動部13を繰り返し変位させたとしても各変位発生部14,15,16を破損することがなく、長期間にわたって用いることができる。 【0039】以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態だけに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で改良で変更できることは言う迄もない。 【0040】 【実施例】(実施例1)板厚が1.25mm、圧電歪定数d15が500pm/V、600pm/V、800pm/Vである、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミック板を用意し、予め板厚方向に分極処理を施した後、ダイヤモンド砥粒を固着した回転刃を板厚方向に押し当て、複数の溝を並設し、次いで上記回転刃を溝と直角な方向に押し当てて圧電セラミック板を切断することにより、各溝を仕切る圧電セラミック部を変位発生部、各変位発生部を連結する圧電セラミック部を固定部としてなる部材を製作した。この時、各変位発生部の幅、長さ、厚みは表1に示す寸法とした。 【0041】その後、各変位発生部を形成する圧電セラミックスの側面に、スパッタリング法によって金からなる金属膜を被着して電極を形成し、しかる後、各変位発生部とチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミックスからなる可動部をエポキシ系接着剤を介して接合することにより圧電アクチュエータを製作した。 【0042】そして、圧電アクチュエータの固定部を固定し、各変位発生部の電極間に±20Vの電圧を印加して変位させ、可動部の変位量を上方よりレーザー変位計を用いて測定した。 【0043】次に、表1に示す試料No1〜21の圧電アクチュエータ11を、図3に示す記録/再生ヘッド位置決め装置の支持アーム3とヘッドサスペンション2との間に配置し、圧電アクチュエータの電極に±20Vの電圧を印加して可動部を1億回変位させた時の変位発生部の破断の有無を双眼顕微鏡及びSEM写真で観察し、圧電アクチュエータ11の耐久性について調べる実験を行った。 【0044】それぞれ結果は表1に示す通りである。 【0045】 【表1】
【0046】この結果、変位発生部の数を3つ以上とすることで、圧電アクチュエータの破損を防止できた。 【0047】また、好ましくは、変位発生部を形成する圧電セラミックスの圧電歪定数(d15)を600pm/V以上とすることで可動部の変位量を0.1μm以上と大きな変位量が得られることが判る。 (実施例2)次に、実施例1の表1に示した試料No1〜21の圧電アクチュエ―タを、図3に示す記録/再生ヘッド位置決め装置のヘッドサスペンション2と記録/再生ヘッド1との間に配置し、圧電アクチュエータの電極に±20Vの電圧を印加して可動部を1億回変位させた時の変位発生部の破断の有無を双眼顕微鏡及びSEM写真で観察し、圧電アクチュエータの耐久性について調べる実験を行った。 【0048】結果は表2に示す通りである。 【0049】 【表2】
【0050】この結果、実施例1と同様に、変位発生部の数を3つ以上とすることで、変位発生部の破損を防止できた。 【0051】また、好ましくは、変位発生部を形成する圧電セラミックスの圧電歪定数(d15)を600pm/V以上とすることで可動部の変位量を0.1μm以上と大きな変位量が得られることが判る。 (実施例3)次に、表1の試料No4における圧電アクチュエータのうち、可動部と固定部をそれぞれ変位発生部に接着にて接合するとともに、可動部を形成するチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミックスに換え、アルミナ、ジルコニア、フォルステライト、ステアタイト、チタニア、ガラス、エポキシ樹脂を用いた時の可動部(試料No.43〜48,50,51)の変位量とそのばらつき具合を測定するとともに、表1の試料No4における圧電アクチュエータのうち、固定部も別体とし、該固定部をアルミナで形成するとともに、エポキシ系接着剤で変位発生部に接合した時の可動部(試料No.49)の変位量とそのばらつき具合について調べる実験を行った。結果は表3に示す通りである。 【0052】 【表3】
【0053】この結果、固定部又は可動部の少なくとも一方にPZT(圧電セラミックス)、アルミナ、ジルコニア、フォルステライト、ステアタイト、チタニア、ガラスを用いれば、剛性が高く、軽量であることから、可動部の変位量が大きく、また変位のばらつきも小さく優れていた。 【0054】また、これらの圧電アクチュエータを製作する際の回転刃による加工性を評価したところ、試料No.4,45〜50は回転刃の速度を換えることなく快適に加工できるが、試料No.43,44は回転刃の速度を若干遅くする必要があり、試料No.51は回転刃の砥粒の目詰まりが多く、加工性はそれほど良くなかった。 【0055】この結果、可動部を変位発生部と異なる材質で形成する場合、フォルステライト、ステアタイト、チタニア、ガラスを用いれば良いことが判る。 【0056】 【発明の効果】以上のように、本発明の記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータによれば、固定部及び可動部と、該固定部と可動部との間に並設され、剪断モードで変位する圧電セラミックスからなる少なくとも3つの変位発生部とからなり、上記各変位発生部を構成する圧電セラミックスの分極方向が同じ方向となるように配置して構成したことから、可動部を大きく変位させることができるとともに、繰り返し可動部を変位させても十分な強度を有することから変位発生部の破損がなく、長期間にわたり使用することができる。 【0057】特に、上記変位発生部を構成する圧電セラミックスとして、その圧電歪定数(d15)が600pm/V以上であるものを用いることで、より一層大きな変位量が得られ好適である。 【0058】また、圧電アクチュエータを構成する可動部及び/又は固定部を変位発生部と接着剤にて接合して構成することにより、変位発生部が変位する際に可動部や固定部が変形することを防止し、可動部の変位量が低下したり、変位量がばらつくことを防止することができる。 【0059】また、本発明に係る記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータを構成する可動部に、記録/再生ヘッドを接合するとともに、上記記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータを構成する固定部に、ヘッドサスペンションを接合して記録/再生ヘッド位置決め装置を構成するか、あるいは上記記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータを構成する可動部に、記録/再生ヘッドを備えたヘッドサスペンションを接合するとともに、上記記録/再生ヘッド位置決め用圧電アクチュエータを構成する固定部に、支持アームを接合して記録/再生ヘッド位置決め装置を構成することにより、ボイスコイルモーターでは得られない記録/再生ヘッドの微少移動が可能であることから、トラックピッチが1μm以下であるディスクに対しても記録/再生ヘッドの位置決め精度をトラックピッチの10%以下とすることができ、ディスクへの確実な書き込みやディスクからの確実な読み出しを行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006633 【氏名又は名称】京セラ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年8月10日(2000.8.10) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−56635(P2002−56635A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−242512(P2000−242512) |
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