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【発明の名称】 光ピックアップ及び情報記録再生装置
【発明者】 【氏名】小野澤 和利

【氏名】今藤 修

【氏名】油利 正昭

【氏名】井島 新一

【要約】 【課題】可動部に光学系全体を搭載し、かつ最も波長の短い半導体レーザ素子の光軸を対物レンズの光軸中心に合わせることにより、光学特性の劣化を防止した光ピックアップ及びこれを搭載した情報記録再生装置を提供する。

【解決手段】光記録媒体12にレーザ光を照射する複数の半導体レーザ素子2と、レーザ光を集光する対物レンズ1とを少なくとも搭載した可動部6と、可動部6を支える基部7と、光記録媒体12のフォーカス方向とトラッキング方向とに可動部6が揺動するように可動部6と基部7とを接続した支持部品8とを有し、複数の半導体レーザ素子2の最も波長の短い半導体レーザ素子の光軸を対物レンズ1の光軸中心に合わせている。このことにより、対物レンズが位置変化した場合の、光学系における光学的なずれの発生を防止でき、かつ短波長半導体レーザ素子に対するレンズ収差等の影響を軽減できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光記録媒体にレーザ光を照射する複数の半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子から出射されるレーザ光を集光する対物レンズとを少なくとも搭載した可動部と、前記可動部を支える基部と、前記光記録媒体のフォーカス方向とトラッキング方向とに前記可動部が揺動するように前記可動部と前記基部とを接続した支持部品とを有し、前記複数の半導体レーザ素子のうち少なくとも2つは互いに異なる発振波長を有し、そのうち最も波長の短い半導体レーザ素子の光軸を前記対物レンズの光軸中心に合わせたことを特徴とする光ピックアップ。
【請求項2】 前記複数の半導体レーザ素子は、複数の発振波長を有する半導体レーザ素子アレイに含まれる素子である請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項3】 前記半導体レーザ素子アレイは、基板上に形成された第1の半導体からなる第1活性層を有する第1のレーザ素子と、前記基板上に前記第1のレーザ素子と間隔をおいて形成され、かつ前記第1活性層よりもエネルギーギャップが大きい第2の半導体からなる第2活性層を有する第2のレーザ素子とを備え、前記基板面からの前記第1活性層の高さと、前記基板面からの前記第2活性層の高さとがほぼ同じである請求項2に記載の光ピックアップ。
【請求項4】 前記第2のレーザ素子は、前記基板面からの前記第1活性層の高さと、前記基板面からの前記第2活性層の高さとがほぼ同じとなるように第1導電型の第3の半導体からなる高さ調整用バッファ層を有する請求項3に記載の光ピックアップ。
【請求項5】 前記可動部に、前記光記録媒体からの戻り光を受光する受光素子がさらに搭載されている請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項6】 前記複数の半導体レーザ素子及び前記受光素子は、基板を介して一体に形成され、前記基板には、前記半導体レーザ素子から出射されるレーザ光を反射する傾斜面が形成されている請求項5に記載の光ピックアップ。
【請求項7】 前記複数の半導体レーザ素子は、複数の発振波長を有する半導体レーザ素子アレイに含まれる素子である請求項6に記載の光ピックアップ。
【請求項8】 前記支持部品の各々が電位的に独立した複数の金属部材からなり、前記複数の金属部材の少なくとも1つが前記半導体レーザ素子に対する給電線となる請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項9】 前記可動部に、前記光記録媒体からの戻り光を受光する受光素子がさらに搭載されており、前記複数の金属部材の少なくとも1つが前記受光素子に対する給電線となる請求項8に記載の光ピックアップ。
【請求項10】 請求項1から9のいずれかに記載の光ピックアップを搭載したことを特徴とする情報記録再生装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報処理・通信用途等における情報記録再生装置と、それに用いられる光ピックアップに関する。特に、可動部に発光から受光までの光学系全体を集積的に搭載した光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタルヴァーサタイルディスク(DVD)の登場により光ディスクの高密度化が進展し、現在、8.5GBという大容量の光ディスクが実現されるに至っている。一般的なDVD用の再生装置は、DVDだけでなく、コンパクトディスク(CD)の再生が必要とされ、さらには近年急速に普及し始めた追記型CD(CD−R)の再生及び記録が必要とされる場合もある。DVDを再生する再生光には、650nm帯の赤色レーザが用いられ、CD又はCD−Rを再生する再生光には、780nm帯の赤外レーザが用いられる。従って、現状のDVD再生装置には、赤色レーザ光を生成する赤色半導体レーザチップと赤外レーザ光を生成する赤外半導体レーザチップとの2つの半導体レーザチップが搭載されている。
【0003】そして、DVDやCD等の光記録媒体に対して、情報の読み書きを行うために、光ピックアップが用いられる。図13に光ピックアップの側面の構成図を示す。対物レンズ101とコイル105を有する可動部106は、基部107に対して4本の支持ワイヤ108で接続され、揺動可能に支持されている。半導体レーザチップと受光素子の集積素子102、コリメートレンズ104、ミラー103は、光学基台109に固定されている。なお、図13において4本の支持ワイヤのうち2本は図示した2本の支持ワイヤの後ろに隠れるので図示していない。光記録媒体112は、回転時に面振れが発生するため、対物レンズ101により集光された光束L1の被写界深度内に光記録媒体112の情報記録面の位置を保つ必要がある。また、光記録媒体112は回転時に偏心が発生するため、光記録媒体112上の情報記録列を対物レンズ101により集光された光束L1が正確に追随する必要があり、光ピックアップは、光束の焦点調整機能及び焦点誤差検出機能と、トラッキング位置調整機能及びトラッキング誤差検出機能を備えることを要求される。
【0004】光ピックアップでは、光記録媒体112の面振れに対しては、対物レンズ101が出射光軸方向であるフォーカス方向に可動することにより光記録媒体への焦点調節を行う。また、光記録媒体112の偏心に対しては、対物レンズ101を光記録媒体上の情報記録列を横切る方向であるトラッキング方向に可動させることにより情報記録列に追随させる。この構成により情報記録信号の書き込みあるいは読み出しを行う構造である。
【0005】ここで、近年、パソコン等の情報機器に対する小型化の要望にともない、DVD再生装置の小型及び薄型化を進展させる必要があり、これを実現するためには、光ピックアップの小型及び薄型化が必要不可欠となる。光ピックアップの小型・薄型化の方法として、光学系の簡素化があげられる。その一つの方法として、赤色半導体レーザチップと赤外半導体レーザチップの集積化が考えられる。現状のDVD再生装置は、赤色半導体レーザチップ用及び赤外半導体レーザチップ用の2つの光学系部品から構成されており、赤色と赤外との2つの半導体レーザチップを集積化することにより2つの光学系部品を共有することが可能となるので、光ピックアップの小型及び薄型化が実現される。
【0006】赤色半導体レーザチップ及び赤外半導体レーザチップの集積化としては、一の基板上に集積されたモノリシック型に半導体レーザ素子アレイが、特開平11−186651号公報(第1の従来例)及び第60回秋季応用物理学術講演会 3a−ZC−10(第2の従来例)に報告されている。また、赤色と赤外との2つの半導体レーザチップをハイブリッドに集積化することにより2つの光学系部品を共有した光ピックアップとしては、特開平11−144307号公報(第3の従来例)及び特開平11−149652号公報(第4の従来例)に報告されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記のような従来の光ピックアップには、以下のような問題があった。第1の従来例に係る一の基板上に集積されたモノリシック型の半導体レーザ素子アレイは、活性層に電流を効率良く注入するための電流ブロック(狭窄)層として、赤色用レーザ及び赤外用レーザの双方に、各活性層のエネルギーギャップ(バンドギャップ)と同等かそれよりも小さいエネルギーギャップを持つGaAsを用いている。これにより、各活性層から出射するレーザ光を吸収することにより生成光を効果的にストライプ状の領域に閉じ込める複素屈折率導波構造を採用している。しかしながら、複素屈折率導波構造を用いた半導体レーザ素子は、生成光がGaAsからなる電流ブロック層で吸収されてしまうため、情報記録再生装置に必要な自励発振特性や高温高出力特性を得ることは極めて困難である。
【0008】また、第2の従来例に係る半導体レーザ素子アレイは、電流ブロック層を設けない、いわゆる利得導波型構造を有しているため、電流ブロック層による光吸収は生じない。ところが、この利得導波型構造の半導体レーザ素子は、生成光を有効に閉じ込める屈折率導波構造を持たないため、情報記録再生装置に必要な低ノイズ化を図るには、例えば発振スペクトルを多モード化することにより干渉性を抑える手段を必要とする。
【0009】しかしながら、発振スペクトルを多モード化したとしても、各スペクトルの半値幅が狭いため出射光と戻り光とが互いに干渉を起こし易く、情報記録再生装置に望まれる相対雑音強度(RIN)を−130dB/Hz以下にまで低減することができない。そのため、第2の従来例に係る利得導波型構造を有する半導体レーザ素子アレイの場合は、1/4λ板(λは半導体レーザ素子から出射されるレーザ光の波長)等を用いてRINの低減を図る手段が必要となり、光ピックアップを構成する部品点数を削減することが困難となる。これらの問題を解決するには、半導体レーザ素子アレイが自励発振特性を有することが必要不可欠となる。
【0010】その上、利得導波型半導体レーザ素子アレイは、電流狭窄機能は有するが、活性層の主面に対する水平方向における屈折率分布を利用した光閉じ込め機能を有さない。このため、DVD又はCDの再生時の10mW以下という低出力動作状態では、室温下では単一横モード特性を維持できるものの、高温下ではキャリアが高注入状態となって高次モードが利得を得易くなるため、安定な横モード特性を得ることが困難となる。また、半導体レーザ素子アレイの高出力動作状態では、光閉じ込め機構を有さないため、横モード特性の安定化を図ることはさらに困難となる。
【0011】さらに、モノリシックの2波長レーザ素子アレイは、光学系部品を共有するため、各レーザ素子の活性層の位置、すなわち基板面からの高さを一致させることが好ましい。しかしながら、モノリシックではあっても、各レーザ素子における活性層はその組成が互いに異なるため、成長工程を別々に行わなければならず、活性層同士の高さがばらついてしまうという問題があった。
【0012】また、第3、及び第4の従来例に係る光ピックアップは、受光素子を含む基板上に赤色半導体レーザチップと赤外半導体レーザチップをハイブリッドに集積化した素子を用いたものである。
【0013】しかしながら、赤色半導体レーザチップと赤外半導体レーザチップをハイブリッドに集積化したとしても、各半導体レーザチップの活性層の位置及び発光点の間隔を制御することが困難であるという問題があった。
【0014】また、前記各従来例の光ピックアップでは、図13に示すように半導体レーザチップと受光素子の集積素子102、コリメートレンズ104、ミラー103が固定されているのに対して、対物レンズ101のみが可動し、光記録媒体112の面振れや情報記録列への追随を行う。このときの対物レンズ101の位置変化により、光ピックアップの光学系としては光学的にずれた状態となるため、レンズ収差の発生等により光学特性は劣化するという問題があった。
【0015】本発明は、前記のような従来の問題を解決するものであり、可動部に発光から受光までの光学系全体を搭載し、かつ最も波長の短い半導体レーザ素子の光軸を対物レンズの光軸中心に合わせることにより、光学特性の劣化を防止できる光ピックアップ及びこれを搭載した情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明の光ピックアップは、光記録媒体にレーザ光を照射する複数の半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子から出射されるレーザ光を集光する対物レンズとを少なくとも搭載した可動部と、前記可動部を支える基部と、前記光記録媒体のフォーカス方向とトラッキング方向とに前記可動部が揺動するように前記可動部と前記基部とを接続した支持部品とを有し、前記複数の半導体レーザ素子のうち少なくとも2つは互いに異なる発振波長を有し、そのうち最も波長の短い半導体レーザ素子の光軸を前記対物レンズの光軸中心に合わせたことを特徴とする。
【0017】前記のような光ピックアップによれば、レーザ光の出射、受光を行なう光学系が可動部に一体に形成されているので、対物レンズが位置変化した場合の、光学系における光学的なずれの発生を防止できる。また、最も波長の短い半導体レーザ素子の光軸を対物レンズの光軸中心に合わせているので、短波長半導体レーザ素子に対するレンズ収差等の影響を軽減させることができ、光ピックアップの光学特性の劣化を防止することができる。さらに、対物レンズが光記録媒体への追従動作を行なっても、光学系が一体となって移動するので、対物レンズの位置が変化しても、最も波長の短い半導体レーザ素子の光軸が対物レンズの光軸中心に一致している関係は保たれる。このため、対物レンズの位置変化に伴なう特別な調整を行なうことなく、光学特性の劣化を防止できる。
【0018】前記光ピックアップにおいては、前記複数の半導体レーザ素子は、複数の発振波長を有する半導体レーザ素子アレイに含まれる素子であることが好ましい。前記のような光ピックアップによれば、半導体レーザ素子アレイから出射される複数のレーザ光の光路間隔を小さくすることができ、複数のレーザ光に対してレンズ収差等の影響を軽減できる。
【0019】また、前記光ピックアップにおいては、前記半導体レーザ素子アレイは、基板上に形成された第1の半導体からなる第1活性層を有する第1のレーザ素子と、前記基板上に前記第1のレーザ素子と間隔をおいて形成され、かつ前記第1活性層よりもエネルギーギャップが大きい第2の半導体からなる第2活性層を有する第2のレーザ素子とを備え、前記基板面からの前記第1活性層の高さと、前記基板面からの前記第2活性層の高さとがほぼ同じであることが好ましい。前記のような光ピックアップによれば、波長が異なるレーザ光の発光点の高さばらつきを防止でき、光ピックアップの光学調整の容易化とレンズ収差の抑制が図れるため、光学特性を安定させることができる。
【0020】また、前記光ピックアップにおいては、前記第2のレーザ素子は、前記基板面からの前記第1活性層の高さと、前記基板面からの前記第2活性層の高さとがほぼ同じとなるように第1導電型の第3の半導体からなる高さ調整用バッファ層を有することが好ましい。前記のような光ピックアップによれば、高さ調整用バッファ層を有することにより、第1活性層と第2活性層との基板面からの高さをほぼ一致させることができ、波長が異なるレーザ光の発光点の高さばらつきを防止でき、光ピックアップの光学調整の容易化とレンズ収差の抑制を図り、光学特性を安定できるとともに、第2活性層の結晶性が向上するので、第2のレーザ素子の信頼性を向上させることができる。
【0021】また、前記光ピックアップにおいては、前記可動部に、前記光記録媒体からの戻り光を受光する受光素子がさらに搭載されていることが好ましい。前記のような光ピックアップによれば、半導体レーザ素子と受光素子とが一体に変位するので、半導体レーザ素子と受光素子とを集積化できる。
【0022】また、前記光ピックアップにおいては、前記複数の半導体レーザ素子及び前記受光素子は、基板を介して一体に形成され、前記基板には、前記半導体レーザ素子から出射されるレーザ光を反射する傾斜面が形成されていることが好ましい。前記のような光ピックアップによれば、半導体レーザ素子と受光素子とを1枚の半導体基板に集積配置することができるので、可動部を小型化、薄型化できる。
【0023】また、前記光ピックアップにおいては、前記複数の半導体レーザ素子は、複数の発振波長を有する半導体レーザ素子アレイに含まれる素子であることが好ましい。前記のような光ピックアップによれば、複数の発振波長を有する半導体レーザ素子アレイを半導体基板の上に1カ所に集積配置することができ、それぞれ別個の複数の半導体レーザ素子を半導体基板に配置する場合に比べて半導体レーザ素子の調整が容易になる。
【0024】また、前記光ピックアップにおいては、前記支持部品の各々が電位的に独立した複数の金属部材からなり、前記複数の金属部材の少なくとも1つが半導体レーザ素子に対する給電線となることが好ましい。前記のような光ピックアップによれば、搭載する半導体レーザ素子アレイの駆動のための配線や、得られる信号出力に必要な多くの電極端子を、支持部品が兼ねるので、配線やフレキシブル基板の取り付けを不要とすることができる。
【0025】また、前記光ピックアップにおいては、前記可動部に、前記光記録媒体からの戻り光を受光する受光素子がさらに搭載されており、前記複数の金属部材の少なくとも1つが前記受光素子に対する給電線となることが好ましい。前記のような光ピックアップにおいても、配線やフレキシブル基板の取り付けを不要とすることができる。
【0026】次に、本発明の情報記録再生装置は、前記各光ピックアップを搭載したことを特徴とする。前記のような情報記録再生装置によれば、本発明の光ピックアップを用いているので、最適波長の異なる複数の光記録媒体について、光学特性の劣化を防止しつつ、再生又は記録を行うことができ、信号特性が安定した情報記録再生装置を実現でき、さらに小型、薄型化にも有利となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら、具体的に説明する。なお、以下の説明に用いる各図は本発明を理解することができる程度に概略的に示してあるにすぎず、本発明は各図に示す例のみに限定されるものではない。
【0028】(実施の形態1)図1は、本発明の実施形態1に係る光ピックアップの構成図を示しており、構成を分かり易くするため、部分的に断面状態で示している。本図に示したピックアップは、対物レンズ1、半導体レーザ素子アレイと受光素子の集積素子2、ミラー3、ホログラム光学素子4、コイル5等が可動部6に搭載されている。20本の支持部品8を用いて、可動部6は基部7に対して固定されている。可動部6は、支持部品8が湾曲することにより、光記録媒体12のフォーカス方向及びトラッキング方向へ揺動可能である。
【0029】なお、20本の支持部品8のうち18本は図示した2本の後ろに隠れるので図示していない。また、図示しないが、支持部品8の端部は、フレキシブル基板等により制御回路等に接続されている。さらに、光束L1は、集積素子2の半導体レーザ素子アレイより出射されたレーザ光及び光記録媒体からの戻り光の双方を表している。
【0030】また、集積素子2の半導体レーザ素子アレイは、複数の発振波長を有し、このうち最も波長の短い半導体レーザ素子の光軸を対物レンズ1の光軸中心に合わせている。
【0031】図3は、図1に示した光ピックアップを矢印A方向から見た場合の主要部を示している。可動部6及び基部7の樹脂成型の際に、支持部品8はこれらと一体に埋め込まれている。また、支持部品8は、対物レンズ1の中心を通るI−I線に対して、左右対称に配置されている。
【0032】図4は、図3のII−II線における断面図を示している。基部7には支持部品8の基端部を囲むように制動孔13が設けられ、その内部には粘弾性を有するゲル状の制動部材14を充填し、共振の発生を抑制している。ゲル状の制動部材14としては、UV硬化型のシリコン系ゲル材を用いた。
【0033】また、支持部品8は、金属材料により構成されている。金属材料として、銅よりも硬く弾性があり、錆びにくい燐青銅、ベリリウム銅、又はチタン銅等を用いれば安定な制御が可能である。
【0034】支持部品8は、それぞれ電位的に独立であり、半導体レーザ素子アレイや受光素子に給電及び信号のやりとりを行うための配線も兼ねている。図5は、図4のIII−III線の断面図を示しており、支持部品8は、基部7に埋め込まれて固定されていることが分かる。
【0035】さらに、図1に示したように、可動部6にはコイル5が取り付けられており、光学基台9に取り付けられたヨーク10には磁石11が取付けられている。このコイル5と磁石11とで磁気回路を構成することができる。この磁気回路によって、発生する磁力により、支持部品8を湾曲させることができ、フォーカス方向及びトラッキング方向の双方について、支持部品8と一体の可動部6の揺動を制御できる。
【0036】図2は、別の実施形態に係る光ピックアップの構成図を示している。図1に示した実施形態に比べ、可動部6内の各部の配置が異なっている。しかしながら、可動部6に対物レンズ1、半導体レーザ素子アレイと受光素子の集積素子2、ミラー3、ホログラム光学素子4、及びコイル5が搭載されている構成は、図1に示した構成と同様であり、基本動作も図1に示した構成と同様である。
【0037】前記のような本実施形態では、対物レンズ1に対して、半導体レーザ素子アレイと受光素子とを含む集積素子2、及びミラー3等の光学素子が固定されている。すなわち、レーザ光の出射、受光を行なう光学系が可動部6に一体に形成されているので、対物レンズ1が位置変化した場合の、光学系における光学的なずれの発生を防止できる。このため、光記録媒体12の面振れや情報記録列への追随を行うときに、収差の発生等による光学特性劣化を防止することができる。
【0038】さらに、本実施形態では、前記のように集積素子2の半導体レーザ素子アレイを構成する半導体レーザ素子のうち、最も波長の短い半導体レーザ素子の光軸を対物レンズ1の光軸中心に合わせている。このことにより、レンズ収差等の影響を受け易い短波長半導体レーザ素子からのレーザ光が、レンズ収差の程度が小さい対物レンズ1の光軸近傍を通ることになる。このため、短波長半導体レーザ素子に対するレンズ収差等の影響を軽減させることができ、光ピックアップの光学特性の劣化を防止することができる。
【0039】この効果は、前記のように光学系が可動部6に一体に形成されている構成と組み合わされることにより、一段と有効になる。すなわち、対物レンズ1が光記録媒体12への追従動作を行なっても、光学系が一体となって移動するので、対物レンズ1の位置が変化しても、最も波長の短い半導体レーザ素子の光軸が対物レンズ1の光軸中心に一致している関係は変わりない。このため、対物レンズ1の位置が変化しても、対物レンズ1の位置変化に伴なう特別な調整を行なうことなく、光学特性の劣化を防止できる効果が得られる。
【0040】なお、本実施形態は、半導体レーザ素子アレイの例で説明したが、アレイ状ではなく、別個に形成された半導体レーザ素子を複数用いる場合でも同様の効果が得られる。
【0041】また、支持部品8の筐体に埋め込まれていない端部は、半田付け、UV樹脂接着、溶融ガラスによる接着等でも同様の効果が得られる。
【0042】また、可動部6と、基部7と支持部品8とを金型により同時に樹脂成型することが好ましい。このことにより、支持部品長及び応力ともに均一な構造を得ることができる。
【0043】(実施の形態2)実施形態2は、半導体レーザ素子に係る実施形態であり、前記実施形態1に係る光ピックアップに用いることができる。
【0044】図6は、本発明の実施形態2に係る半導体レーザ素子アレイの断面構成を示している。図6に示すように、n型のGaAsからなる基板15上には、分離溝16により互いに分離された赤外半導体レーザ素子17A、及び赤色半導体レーザ素子18Aがモノリシックに形成されている。
【0045】赤外半導体レーザ素子17Aは、基板15上に、以下に示す各層が順次形成されたものである。基板15の上にはn型のGaAsからなり基板15上に成長する各半導体層の結晶性を向上させるバッファ層19が形成されている。
【0046】バッファ層19上には、n型のAlxGa1-xAs(0<x≦1)からなり後述する第1活性層にキャリア(電子)及びキャリアの再結合光を閉じ込める第1のn型クラッド層20が形成されている。
【0047】第1のn型クラッド層20上には、発振波長が750nm〜850nmとなる組成を有するAlGaAsからなる第1活性層21が形成されている。第1活性層21上には、p型のAlX1Ga1-x1As(0<x1≦1)からなり第1活性層21にキャリア(正孔)及びキャリアの再結合光を閉じ込める第1のp型クラッド層22が形成されている。
【0048】第1のp型クラッド層22上には、p型のAlx2Ga1-x2As(0≦x2≦1)からなり後述する第1電流ブロック層の開口部の形成時にエッチングストッパとなる第2のp型クラッド層23が形成されている。
【0049】第2のp型クラッド層23上には、第1活性層21からの発光光のエネルギーよりも大きいエネルギーギャップ(バンドギャップ)を有し、第1活性層21にストライプ状の電流チャネルを形成するための開口部24a(但し、開口部24aは図面内で垂直方向に延びる。)を持つn型のAly1Ga1-y1As(0<y1≦1)からなる第1電流ブロック層24が形成されている。
【0050】第1電流ブロック層24上には、p型のAlx3Ga1-x3As(0<x3≦1)からなり開口部24aを充填するように形成された第3のp型クラッド層25が形成されている。
【0051】第3のp型クラッド層25上には、p型のGaAsからなりその上面に形成される第1p側電極(図示せず)とオーミック接触する第1のp型コンタクト層26が形成されている。
【0052】赤色半導体レーザ素子18Aは、バッファ層19上に、赤外半導体レーザ素子17Aと分離溝16を隔てて、以下に示す各層が順次形成されたものである。バッファ層19上には、基板15上に成長する各半導体層の結晶性を向上させると共に第1活性層21と後述する第2活性層との基板15の表面からの高さが一致するように膜厚が調整された第1導電型であるn型のGaAsからなる高さ調整用バッファ層27が形成されている。
【0053】高さ調整用バッファ層27上には、n型の(AlzGa1-z0.5In0.5P(0<z≦1)からなり、後述する第2活性層にキャリア(電子)及びキャリアの再結合光を閉じ込める第2のn型クラッド層28が形成されている。
【0054】第2のn型クラッド層28上には、発振波長が635nm〜680nmとなる組成を有するAlGaInPからなる多重量子井戸構造の第2活性層29が形成されている。
【0055】第2活性層29上には、p型の(Alx4Ga1-x40.5In0.5P(0<x4≦1)からなり第2活性層29にキャリア(正孔)及びキャリアの再結合光を閉じ込める第4のp型クラッド層30が形成されている。
【0056】第4のp型クラッド層30上には、p型の(Alx5Ga1-x50.5In0.5P(0≦x5≦1)からなり後述する第2電流ブロック層の開口部の形成時にエッチングストッパとなる第5のp型クラッド層31が形成されている。
【0057】第5のp型クラッド層31上には、第2活性層29からの発光光のエネルギーよりも大きいエネルギーギャップを有し、第2活性層29にストライプ状の電流チャネルを形成するための、第1電流ブロック層24の開口部24aとほぼ平行に延びる開口部32aを持つn型の(Aly2Ga1-y20.5In0.5P(0<y2≦1)からなる第2電流ブロック層32が形成されている。
【0058】第2電流ブロック層32上には、p型の(Alx6Ga1-x60.5In0.5P(0<x6≦1)からなり開口部32aを充填するように形成された第6のp型クラッド層33が形成されている。
【0059】第6のp型クラッド層33上には、p型のGaAsからなり上面に形成される第2p側電極(図示せず)とオーミック接触する第2のp型コンタクト層34が形成されている。
【0060】赤外半導体レーザ素子17Aの発光点S1と赤色半導体レーザ素子18Aの発光点S2の間隔D1は、半導体拡散プロセスのフォトリソグラフィーの精度で制御できるため、ハイブリッドにレーザチップを組み立てるものに比べて非常に高精度かつ短距離化できる。
【0061】ここで、分離溝16は、バッファ層19の上面が露出した状態であるが、基板15を露出させた状態でもよい。また、赤色半導体レーザ素子18Aの高さ調整用バッファ層27がバッファ層19を兼ねてもよい。
【0062】ここで、本実施形態に係る赤外半導体レーザ素子17Aにおいて、第1電流ブロック層24の開口部24aに含まれる領域における基板面に対して垂直方向の実効屈折率n1と、開口部24aを除く領域における基板面に対して垂直方向の実効屈折率n2との差Δnが約2×10-3〜約1×10-2となるように、各半導体層の膜厚及びAlの組成等の構造パラメータが設定された屈折率導波型のレーザ素子である。
【0063】同様に、本実施形態に係る赤色半導体レーザ素子18Aにおいても、第2電流ブロック層32の開口部32aに含まれる領域における基板面に対して垂直方向の実効屈折率n1と、開口部32aを除く領域における基板面に対して垂直方向の実効屈折率n2との差Δnが約2×10-3〜約1×10-2となるように、各半導体層の膜厚及びAlの組成等の構造パラメータが設定された屈折率導波型のレーザ素子である。
【0064】以下、赤外半導体レーザ素子17A及び赤色半導体レーザ素子18Aに対してノイズの低減に必要な自励発振特性を持たせる構造パラメータの一例を図面に基づいて説明する。
【0065】図8は本実施形態に係る赤外半導体レーザ素子17Aにおける第1のp型クラッド層22の膜厚及び第3のp型クラッド層25のAl組成x3と、実効屈折率差Δnとの関係を計算により求めた結果を表わしている。ここでは、他の構造パラメータを以下のように設定している。すなわち、第1のn型クラッド層20の膜厚は約1.5μmとしAl組成xは0.5としている。第1活性層21の膜厚は約0.06μmとしている。第1のp型クラッド層22のAl組成x1は0.5としている。第2のp型クラッド層23の膜厚は約0.01μmとし、Al組成x2は0.2としている。第1電流ブロック層24の膜厚は約1μmとし、Al組成y1は0.65としている。第3のp型クラッド層25の膜厚は約2.2μmとしている。
【0066】図8から分かるように、第1のp型クラッド層22の膜厚dpが小さい程、また、第3のp型クラッド層25のAl組成X3が小さい程、実効屈折率差Δnが大きくなる。安定な自励発振特性を得るためには実効屈折率差Δn=2×10-3〜5×10-3を満足させる必要がある。例えば、第1のp型クラッド層22の膜厚dpを0.20μmとした場合には、第3のp型クラッド層25のAl組成X3を約0.61〜0.74程度とすれば良いことが分かる。
【0067】なお、図8に示した実効屈折率差Δn=2×10-3〜5×10-3を実現するための構造パラメータの組み合わせは一例に過ぎず、他の構造パラメータ(各半導体層のAl組成及び膜厚)を変更すると、適当な組み合わせが変わることはいうまでもない。
【0068】同様に、赤色半導体レーザ素子18Aにおいても、実効屈折率差Δn=2×10-3〜5×10-3を実現するための構造パラメータを適当に選ぶことにより、自励発振特性を実現させることができる。例えば、第2のn型クラッド層28のAl組成zを0.7とし、第2活性層29の発振波長を635nm〜680nmとする。第4のp型クラッド層30のAl組成x4を0.7とし、膜厚を約0.1μm〜0.3μmとする。第5のp型クラッド層31のAl組成x5を0.0〜0.1とし、膜厚を約0.009μmとする。第2電流ブロック層32のAl組成y2を0.5とし、第6のp型クラッド層33のAl組成x6を0.6〜0.75とする。これにより、赤色半導体レーザ素子18Aにおける実効屈折率差Δn=2×10-3〜5×10-3を実現できる。
【0069】また、図6に示したように、本実施形態に係る赤色半導体レーザ素子18Aは、バッファ層19と第2のn型クラッド層28との間に、赤色半導体レーザ素子18Aの各半導体結晶の品質を向上させるだけでなく、基板15の表面からの赤外半導体レーザ素子17Aの第1活性層21の高さと、基板15の表面からの第2活性層29の高さとがほぼ同じでになるように調整するための高さ調整用バッファ27が設けられている。
【0070】例えば、赤外半導体レーザ素子17A及び赤色半導体レーザ素子18Aに対して比較的高出力動作をさせるような場合には、第1のn型クラッド層20の膜厚は2.0μm以上が必要となり、一方、第2のn型クラッド層28の膜厚は1.5μm以上であればよい。従って、この場合には、高さ調整用バッファ層27の膜厚は0.5μm程度とすればよい。
【0071】また、比較的低出力動作をさせるような場合には、第1のn型クラッド層20の膜厚は1.5μm以上が必要であり、第2のn型クラッド層28の膜厚は1.1μm以上が必要となる。従って、この場合には、高さ調整用バッファ層27の膜厚は0.4μm程度とすれば良い。
【0072】このように、高出力動作の半導体レーザ素子アレイ、及び低出力動作の半導体レーザ素子アレイのいずれについても、高さ調整用バッファ層27の膜厚を調整することにより、基板15表面を基準とした第1活性層21と第2活性層29との高さを等しくすることができ、発光点の高さのばらつきを防止できる。
【0073】以上のように、本実施形態によれば、自励発振型の半導体レーザ素子アレイを実現でき、その上高出力動作が可能となる。さらに、前記のように2波長レーザ素子アレイのうちの短波長側である赤色半導体レーザ素子18Aには、第1活性層21及び第2活性層29の基板面からの高さのばらつきを抑える高さ調整用バッファ層27が設けられている。すなわち、各半導体素子の発光点の高さがあらかじめ統一されているので、本実施形態に係る半導体レーザ素子アレイを情報記録再生装置に組み込む場合に、光学系部品との位置合わせ等の調整が容易となる。
【0074】また、赤外半導体レーザ素子17Aの発光点S1と赤色半導体レーザ素子18Aの発光点S2の間隔D1は、半導体拡散プロセスのフォトリソグラフィーの精度で制御できるため、ハイブリッドにレーザチップを組み立てるものに比べて非常に高精度かつ短距離化できる。
【0075】また、赤外半導体レーザ素子17Aの発光点S1の高さと赤色半導体レーザ素子18Aの発光点S2の高さとの差をD2とした場合、S1とS2間の距離D3は、以下の式(1)で表される。
【0076】式(1) D3=(D12+D221/2しかし、高さ調整用バッファ層27を設けているので、D2≒0となり、D3≒D1となるので、非常に高精度にD3を最短距離化でき、レンズ収差を抑制できる。したがって、実施形態1のように、半導体レーザ素子アレイを構成する半導体レーザ素子のうち、最も波長の短い半導体レーザ素子(図8の例では赤色半導体素子18A)を対物レンズ1の光軸中心に合わせると、最も波長の短い半導体レーザ素子の光軸からのずれを最小とすることができるので、短波長半導体レーザ素子に対するレンズ収差等の影響を軽減させることができ、光ピックアップの光学特性の劣化を防止することができるという効果がより高まる。
【0077】また、書き込み可能な光ディスクに必要な高出力のレーザ光が要求される場合には、前記の実効屈折率差Δnを4×10-3〜1×10-2とすることにより、横モードがさらに安定するため、高出力の半導体レーザ素子アレイを実現できる。
【0078】(実施の形態3)図7は、本発明の実施形態3に係る半導体レーザ素子アレイの断面構成を示している。図7に示すように、n型のGaAsからなる基板15上には、分離溝16により分離された赤外半導体レーザ素子17B及び赤色半導体レーザ素子18Bがモノリシックに形成されている。
【0079】赤外半導体レーザ素子17Bは、基板15上に以下に示す各層が順次形成されたものである。基板15上には、n型のGaAsからなるバッファ層19が形成されている。バッファ層19上には、n型のAlxGa1-xAs(0<x≦1)からなる第1のn型クラッド層20が形成されている。
【0080】第1のn型クラッド層20上には、発振波長が750nm〜850nmとなる組成を持つAlGaAsからなる第1活性層21が形成されている。
【0081】第1活性層21上には、p型のAlx1Ga1-x1As(0<x1≦1)からなる第1のp型クラッド層22が形成され、その上にp型のAlx2Ga1-x2As(0≦x2≦1)からなる第2のp型クラッド層23が形成されている。
【0082】第2のp型クラッド層23上には、p型のAlx3Ga1-x3As(0<x3≦1)からなり図面内で垂直方向に延びるリッジ形状を持つ第3のp型クラッド層35が形成されている。第2のp型クラッド層23上には、さらに第2のp型クラッド層23の上における第3のp型クラッド層35の側方の領域に形成され、第1活性層21からの発光光のエネルギーよりも大きいエネルギーギャップを持つn型のAly1Ga1-y1As(0<y1≦1)からなる第1電流ブロック層36が形成されている。
【0083】第3のp型クラッド層35及び第1電流ブロック層36上には、第3のp型クラッド層35を含む全面に形成されたp型のGaAsからなりその上面に形成される第1p側電極(図示せず)とオーミック接触する第1のp型コンタクト層37が形成されている。
【0084】赤色半導体レーザ素子18Bは、バッファ層19上に、赤外半導体レーザ素子17Bと分離溝16を隔てて、以下に示す各層が順次形成されたものである。バッファ層19上には、基板15上に成長する各半導体層の結晶性を向上させると共に、第1活性層21と後述する第2活性層との基板15の表面からの高さが一致するように膜厚が調整された第1の導電型であるn型のGaAsからなる高さ調整用バッファ層27が形成されている。
【0085】高さ調整用バッファ層27上には、n型の(AlzGa1-z0.5In0.5P(0<z≦1)からなる第2のn型クラッド層28が形成されている。第2のn型クラッド層28上には、発振波長が635nm〜680nmとなる組成を持つAlGaInPからなる多重量子井戸構造の第2活性層29が形成されている。
【0086】第2活性層29上には、p型の(Alx4Ga1-x40.5In0.5P(0<x4≦1)からなる第4のp型クラッド層30が形成されており、その上にp型の(Alx5Ga1-x50.5In0.5P(0≦x5≦1)からなる第5のp型クラッド層31が形成されている。
【0087】第5のp型クラッド層31上には、p型の(Alx6Ga1-x60.5In0.5P(0<x6≦1)からなり第3のp型クラッド層35とほぼ平行に延びるリッジ形状を持つ第6のp型クラッド層38が形成されている。第5のp型クラッド層31上には、さらに、第5のp型クラッド層31の上における第6のp型クラッド層38側方の領域に形成され、第2活性層21からの発光光のエネルギーよりも大きいエネルギーギャップを持つn型の(Aly2Ga1-y20.5In0.5P(0<y2≦1)からなる第2電流ブロック層39が形成されている。
【0088】第6のp型クラッド層38及び第2電流ブロック層39の上には、第6のp型クラッド層38を含む全面に形成されたp型のGaAsからなりその上面に形成される第2p側電極(図示せず)とオーミック接触する第2のp型コンタクト層40が形成されている。
【0089】本実施形態においても、実施形態2で示したように、赤外半導体レーザ素子17B及び赤色半導体レーザ素子18Bに対して実効屈折率差Δn=2×10-3〜5×10-3を実現するための構造パラメータを適当に選ぶことにより、自励発振特性を実現させることができる。また、高さ調整用バッファ層27の効果についても、実施形態2と同様である。
【0090】(実施の形態4)図9に本発明の実施形態4に係る光ピックアップに用いる集積素子の斜視図を示している。本図に示した集積素子は、半導体レーザ素子アレイと受光素子とが一体に配置されたものであり、可動部(図1、2の例では可動部6)に搭載される。具体的には、半導体基板44上に、半導体レーザ素子アレイ41が設けられており、この半導体レーザ素子アレイ41と近接した位置に傾斜面43が形成されている。傾斜面43により、図の矢印aで示したように、半導体レーザ素子アレイ41からのレーザビームは、その光軸が半導体基板44の表面と垂直になるように反射される。この実施形態では、傾斜面43はSi基板をエッチングすることにより形成した。さらに、同一基板である半導体基板44上において、傾斜面43の周囲に、複数に分割された受光素子42が配置されている。
【0091】図10は、別の例に係る集積素子の側面図を示している。半導体基板44上に第2の半導体基板46、半導体レーザ素子アレイ41、及びプリズム45が設けられている。プリズム45は傾斜面43を有しており、図の矢印bで示したように、半導体レーザ素子アレイ41からのレーザビームは、その光軸が半導体基板44の表面と垂直になるように反射される。さらに、プリズム45の下部に複数に分割された受光素子42を有しており、矢印cで示した戻り光を受光する。
【0092】本実施形態によれば、半導体基板に半導体レーザ素子アレイ、複数の受光素子、傾斜面とを集積しているので、すなわちこれらを別個に配置するのではなく、同じ基板を介して一体に配置しているので、光ピックアップを小型化でき、かつ光学系の収差の影響を抑制できる。
【0093】なお、本実施形態においても、半導体レーザ素子アレイを構成する半導体レーザ素子のうち、最も波長の短い半導体レーザ素子を対物レンズの光軸中心に合わせると、短波長半導体レーザ素子に対するレンズ収差等の影響を軽減させることができ、光ピックアップの光学特性の劣化を防止することができることは、前記各実施形態と同様である。
【0094】(実施の形態5)図11は、本発明の実施形態5に係る情報記録再生装置の斜視図を示している。本実施形態は、少なくとも前記各実施施形態のいずれかに係る光ピックアップを用いたものである。
【0095】この構成により、最適波長の異なる複数の光記録媒体について、光学特性の劣化を防止しつつ、再生又は記録を行うことができ、信号特性が安定した情報記録再生装置を実現でき、さらに小型、薄型化も実現できる。また、図12は、本実施形態に係る情報記録再生装置を用いたノート型パソコンの斜視図を示している。本図に示したような、ノート型パソコンによれば、本実施形態に係る情報記録再生装置を用いているので、最適波長の異なる複数の光記録媒体について、光学特性の劣化を防止しつつ、再生又は記録を行うことができ、さらにノート型パソコンの小型、薄型化にも役立つ。
【0096】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、レーザ光の出射、受光を行なう光学系が可動部に一体に形成されているので、対物レンズが位置変化した場合の、光学系における光学的なずれの発生を防止できる。また、最も波長の短い半導体レーザ素子の光軸を対物レンズの光軸中心に合わせているので、短波長半導体レーザ素子に対するレンズ収差等の影響を軽減させることができ、光ピックアップの光学特性の劣化を防止することができる。さらに、対物レンズが光記録媒体への追従動作を行なっても、光学系が一体となって移動するので、対物レンズの位置が変化しても、最も波長の短い半導体レーザ素子の光軸が対物レンズの光軸中心に一致している関係は保たれる。このため、対物レンズの位置変化に伴なう特別な調整を行なうことなく、光学特性の劣化を防止できる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【代理人】 【識別番号】100095555
【弁理士】
【氏名又は名称】池内 寛幸 (外5名)
【公開番号】 特開2002−56569(P2002−56569A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2001−157655(P2001−157655)