| 【発明の名称】 |
光学ピックアップ装置、光記録媒体記録再生装置及びトラック判別信号検出方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】西 紀彰
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| 【要約】 |
【課題】部品点数を多くしたり部品の構成を複雑化することなく、例えば「DVD−RAM」、「DVR」の如き「ランドグルーブ方式」を採用した光記録媒体を用いる場合においても、トラック判別信号を生成することができるようにする。
【解決手段】光ディスク101上に、記録再生を行う主スポットと、この主スポットから離間した副スポットを形成する。副スポットは、非点収差付加手段となるホログラム素子17によって、非点収差を付加されている。この非点収差により、スポットがランド部上にあるかグループ部上にあるかによって、戻り光の強度分布に差異が現れるので、この差異を検出してトラック判別信号を生成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光束を出射する少なくとも1つの発光点を有する光源と、上記光束を光記録媒体の信号記録面上に集光させて照射する対物レンズと、上記光記録媒体の信号記録面からの反射光束を受光する光検出手段とを備え、上記光源から出射された光束は、光路中に配設された非点収差付加手段によって、情報信号の記録及び/又は再生を行うための主スポットを上記光記録媒体の信号記録面上に形成する主光束と、該光記録媒体の信号記録面上において該主スポットに対して離間した位置に副スポットを形成する非点収差を有する副光束となることを特徴とする光学ピックアップ装置。 【請求項2】 副スポットは、光記録媒体の信号記録面上に形成された記録トラックの法線方向の主スポットに対する距離の絶対値をS、トラックピッチをP、nを整数としたとき、S≒Pn/2が成立する位置に形成されることを特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ装置。 【請求項3】 副スポットは、光記録媒体の信号記録面上に形成された記録トラックの法線方向の主スポットに対する距離をS、トラックピッチをP、nを整数としたとき、S≒+Pn/2が成立する位置及びS≒−Pn/2が成立する位置に形成されることを特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ装置。 【請求項4】 副スポットは、光記録媒体の信号記録面上に形成された記録トラックの法線方向の主スポットに対する距離の絶対値をSとしたとき、S=0が成立する位置に形成されることを特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ装置。 【請求項5】 非点収差付加手段は、光源と光記録媒体との間に設けられた光回折素子であることを特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ装置。 【請求項6】 副スポットは、非点隔差の方向が、光記録媒体の信号記録面上に形成された記録トラックの接線方向に対して略々45°の方向であることを特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ装置。 【請求項7】 副スポットは、非点隔差の方向が互いに異なる2つのスポットとして形成されることを特徴とする請求項2記載の光学ピックアップ装置。 【請求項8】 光検出手段は、主光束が光記録媒体の信号記録面により反射された光束である主反射光束を受光する主受光部と、副光束が該信号記録面により反射された光束である副反射光束を受光する副受光部とを備え、副受光部は、それぞれが独立した光検出信号を出力する複数の受光素子から構成され、これら受光素子によって、副反射光束を分割して受光し、上記各受光素子は、加減算されることにより、記録トラックの位置を判別するためのトラック判別信号が生成される複数の光検出信号を出力することを特徴とすることを特徴とする請求項7記載の光学ピックアップ装置。 【請求項9】 各副受光部を構成する複数の受光素子は、記録トラックの遠視野像に略々平行な方向及び略々直交する方向に配列されていることを特徴とする請求項8記載の光学ピックアップ装置。 【請求項10】 ランド部及びグループ部を有しこれらランド部及びグループ部の一方もしくは双方に情報信号の記録が可能な光記録媒体が着脱可能に取り付けられ、装着された光記録媒体を操作する操作機構と、上記操作機構に装着されて操作される光記録媒体に対して、情報信号の書込み及び読出しを行う光学ピックアップ装置と、上記光学ピックアップ装置からの出力信号に基づいて該光学ピックアップ装置の対物レンズの位置を制御するサーボ回路とを備え、上記光学ピックアップ装置は、光束を出射する少なくとも1つの発光点を有する光源と、該光束を光記録媒体の信号記録面上に集光させて照射する対物レンズと、該光記録媒体の信号記録面からの反射光束を受光する光検出手段とを有し、上記光学ピックアップ装置において上記光源から出射された光束は、情報信号の記録及び/又は再生を行うための主スポットを上記光記録媒体の信号記録面上に形成する主光束と、該光記録媒体の信号記録面上において該主スポットに対して離間した位置に副スポットを形成する非点収差を有する副光束となることを特徴とする光記録媒体記録再生装置。 【請求項11】 ランド部及びグループ部を有しこれらランド部及びグループ部の一方もしくは双方に情報信号の記録が可能な光記録媒体が着脱可能に取り付けられ、装着された光記録媒体を操作する操作機構に該光記録媒体を装着して操作させ、光束を出射する少なくとも1つの発光点を有する光源と、該光束を光記録媒体の信号記録面上に集光させて照射する対物レンズと、該光記録媒体の信号記録面からの反射光束を受光する光検出手段とを有する光学ピックアップ装置を用いて、上記操作機構に装着されて操作される光記録媒体より情報信号を読み出し、上記光学ピックアップ装置においては、上記光源から出射された光束が、情報信号の記録及び/又は再生を行うための主スポットを上記光記録媒体の信号記録面上に形成する主光束と、該光記録媒体の信号記録面上において該主スポットに対して離間した位置に副スポットを形成する非点収差を有する副光束となることとし、上記光検出手段からの出力信号に基づいてトラック判別信号を生成することを特徴とするトラック判別信号検出方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体に対して情報信号の書き込み及び読出しを行う光学ピックアップ装置、このような光学ピックアップ装置を備えて構成され光記録媒体に対する情報信号の記録及び再生を行う光記録媒体記録再生装置、及び、このような光記録媒体記録再生装置において記録トラックの位置を検出するためのトラック判別信号を検出するトラック判別信号検出方法に関し、特に、ランド−グループ記録を行う光記録媒体記録再生装置、この光記録媒体記録再生装置において用いられる光学ピックアップ装置及びトラック判別信号検出方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、いわゆる光ディスクの如き光記録媒体が提案され、このような光記録媒体を用いて情報信号の記録及び再生を行う装置として光記録媒体記録再生装置が提案されている。この光記録媒体記録再生装置においては、光記録媒体として、種々の方式に基づく光ディスクが用いられる。そして、このような光記録媒体記録再生装置においては、光学ピックアップ装置によって、光ディスクに対する情報信号の書き込み及び読出しを行っている。 【0003】この光学ピックアップ装置は、半導体レーザの如き光源を有し、この光源の発する光束を、対物レンズを介して光ディスクの信号記録面上に集光させて照射するように構成されている。そして、この光学ピックアップ装置は、信号記録面上に照射した光束により該信号記録面に情報信号を書き込み、また、該信号記録面上に照射した光束の該信号記録面による反射光束を検出することにより、該信号記録面に記録された情報信号を読み取るように構成されている。 【0004】この光学ピックアップ装置は、光ディスクの信号記録面上に螺旋状、または、同心円状に形成されたランド部、または、グループ部に沿って、情報信号の書き込み及び読出しを行う。 【0005】一方、光ディスクにおいては、記録される情報信号の高密度化が進められている。例えば、再生専用のいわゆる「ROMディスク」としては、「コンパクトディスク(CD)」(商標名)と同じく直径が120mmの光ディスクを用いながら、記録容量が「コンパクトディスク」の容量である650MBの約7倍の4.7GBに高められた「DVD」(商標名)が提案されている。 【0006】高記録密度化は、情報信号の記録及び再生が行える「書換可能ディスク」においても進行しており、書換可能な「DVD」という位置付けで、いわゆる「DVD−RAM」ディスクを用いる光記録媒体記録再生装置が提案されている。この「DVD−RAM」ディスクは、記録される情報信号の高密度化を図るために、従来のランド部もしくはグループ部の一方のみに情報信号を記録する方式ではなく、ランド部及びグループ部の双方に情報信号を記録する「ランドグルーブ記録方式」を採用している。 【0007】また、近年、さらなる高記録密度化を図った光ディスクフォーマットとして、発光波長が405nm付近の短波長光源と、NA(開口数)が0.85の高NA対物レンズを用いた「DVR」フォーマットが開発されているが、このフォーマットにおいても、「ランドグルーブ記録方式」が採用されている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のような「DVD−RAM」に代表されるように、「ランドグルーブ記録方式」を用いた高密度書換可能ディスクにおいては、ランド部及びグルーブ部の幅がほぼ等しく設定されていることによって、以下のような不具合を生じる。 【0009】すなわち、ランド部がグルーブ部よりも幅が広い光ディスクを用いてランド部のみに記録を行う「ランド記録方式」を採用した場合においては、図22に示すように、トラッキングエラー信号(TE)と戻り光(「3スポット法」を用いる場合はメインスポット)の和信号(SUM)とは、グループ部から次のグループ部までを一周期とした場合に(1/4)周期だけ位相がずれた関係にある。 【0010】したがって、トラッキングエラー信号(TE)が0となるようにトラッキング制御を行うにあたって、トラッキングエラー信号(TE)が0となる状態は光束がランド部上に照射されている場合とグルーブ部上に照射されている場合との2つの場合があるが、これら2つの場合は、和信号(SUM)のレベルによって区別することができる。 【0011】このように光束がランド部上に照射されている場合とグルーブ部上に照射されている場合との2つの場合を区別するための信号は、「トラック判別信号」、または、「クロストラック信号(CTS)」と呼ばれる。このような「トラック判別信号」としては、「ランド記録方式」を採用した場合のように、和信号(SUM)のレベルが光束がランド部上に照射されている場合とグルーブ部上に照射されている場合とで大きく異なる場合には、図23に示すように、該和信号の交流(AC)成分(AC−SUM)を用いることが可能である、和信号の交流成分は、図23に示すように、トラッキングエラー信号に対して90度位相の異なるトラック判別信号となっている。 【0012】「ランド記録方式」を採用した場合においては、このようなトラッキングエラー信号と和信号の交流成分との2信号を用いることにより、高速でシーク動作をしている場合でも、記録トラックに対してスポットがどちらの方向に何トラック動いたかを正確に知ることが可能となり、安定してトラック横断数のカウントや、トラッキングサーボの引込動作を行うことができる。 【0013】ところが、「ランドグルーブ方式」を採用した場合においては、記録再生特性を最適にするために、通常はランド部とグルーブ部とは互いに略々同じ幅に設定されている。その結果、先の説明における和信号は、図24に示すように、ランド部上に光束が照射されている場合とグルーブ部上に光束が照射されている場合とでほぼ等しくなってしまい、この和信号からトラック判別信号を生成することができない。 【0014】その結果、特に、外部記憶装置や業務用映像記録、編集装置などの用途において頻繁に行われる高速シーク動作時に、所定の記録トラックに一度でアクセスすることが困難となり、アクセス時間が長くなってしまうという問題があった。 【0015】また、「ランドグルーブ方式」を採用しないで光記録媒体に記録される情報信号の高密度化を図るフォーマットとして、いわゆる「DVD+RW」等があるが、これらも、ランド、または、グループの一方のみに情報信号を記録する方式でありながら、ランド及びグループの幅が互いに略々等しく設定されていることなどにより、和信号の交流成分(AC−SUM)は、その直流(DC)成分に対して数%しかない場合が多く、やはり同様の問題を抱えていた。 【0016】そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、部品点数を多くしたり部品の構成を複雑化することなく、例えば「DVD−RAM」や「DVR」の如き「ランドグルーブ方式」を採用した光記録媒体を用いる場合においても、トラック判別信号を生成することができ、また、高速アクセスが可能となされた光学ピックアップ装置、トラック判別信号検出方法、及び、このような光学ピックアップ装置、トラック判別信号検出方法を採用した光記録媒体記録再生装置を提供しようとするものである。 【0017】 【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するため、本発明に係る光学ピックアップ装置は、光束を出射する少なくとも1つの発光点を有する光源と、該光束を光記録媒体の信号記録面上に集光させて照射する対物レンズと、該光記録媒体の信号記録面からの反射光束を受光する光検出手段とを備えている。 【0018】そして、この光学ピックアップ装置においては、光源から出射された光束を、情報信号の記録及び/又は再生を行うための主スポットを上記光記録媒体の信号記録面上に形成する主光束と、該光記録媒体の信号記録面上において該主スポットに対して離間した位置に副スポットを形成する非点収差を有する副光束とする。 【0019】また、本発明に係る光記録媒体記録再生装置は、ランド部及びグループ部を有しこれらランド部及びグループ部の一方もしくは双方に情報信号の記録が可能な光記録媒体が着脱可能に取り付けられ、装着された光記録媒体を操作する操作機構と、この操作機構に装着されて操作される光記録媒体に対して情報信号の書込み及び読出しを行う光学ピックアップ装置と、この光学ピックアップ装置からの出力信号に基づいて該光学ピックアップ装置の対物レンズの位置を制御するサーボ回路とを備えている。 【0020】この光記録媒体記録再生装置において、光学ピックアップ装置は、光束を出射する少なくとも1つの発光点を有する光源と、該光束を光記録媒体の信号記録面上に集光させて照射する対物レンズと、該光記録媒体の信号記録面からの反射光束を受光する光検出手段とを有している。この光学ピックアップ装置においては、光源から出射された光束を、情報信号の記録及び/又は再生を行うための主スポットを光記録媒体の信号記録面上に形成する主光束と、該光記録媒体の信号記録面上において該主スポットに対して離間した位置に副スポットを形成する非点収差を有する副光束とする。 【0021】そして、本発明に係るトラック判別信号検出方法は、まず、ランド部及びグループ部を有しこれらランド部及びグループ部の一方もしくは双方に情報信号の記録が可能な光記録媒体が着脱可能に取り付けられ装着された光記録媒体を操作する操作機構に、該光記録媒体を装着して操作させる。次に、光束を出射する少なくとも1つの発光点を有する光源と該光束を光記録媒体の信号記録面上に集光させて照射する対物レンズと該光記録媒体の信号記録面からの反射光束を受光する光検出手段とを有する光学ピックアップ装置を用いて、操作機構に装着されて操作された光記録媒体より情報信号を読み出す。 【0022】光学ピックアップ装置においては、光源から出射された光束を、情報信号の記録及び/又は再生を行うための主スポットを光記録媒体の信号記録面上に形成する主光束と該光記録媒体の信号記録面上において該主スポットに対して離間した位置に副スポットを形成する非点収差を有する副光束とする。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。 【0024】本発明に係る光学ピックアップ装置を備えて構成された本発明に係る光記録媒体記録再生装置は、この実施の形態においては、光記録媒体である光ディスクとして、複数の種類の光ディスクから選定して、それぞれに対して情報信号の記録及び再生できるようになっている。そして、モード切替等の操作により、例えば、いわゆる「DVD−RAM」ディスクの如く「ランドグループ記録」を行うことができる光ディスクを用いて、「ランドグループ記録」を行うことができる。 【0025】この光記録媒体記録再生装置は、図1に示すように、光記録媒体である光ディスク101を回転駆動する回転操作手段となるスピンドルモータ1を備えている。スピンドルモータ1は、駆動軸に図示しないディスクテーブルが取付けられており、このディスクテーブル上に光ディスク101が装着されることにより、この光ディスク101をディスクテーブルとともに回転操作する。スピンドルモータ1は、サーボ制御回路5及びシステムコントローラ7によって制御され、所定の回転数で駆動する。 【0026】光学ピックアップ装置2は、スピンドルモータ1によって回転操作される光ディスク101に対し、情報信号の書き込み及び読出しを行う。この光学ピックアップ装置1は、送りモータ3によって、ディスクテーブル上に装着された光ディスク101の径方向に移動操作される。これら光学ピックアップ装置1及び送りモータ3も、サーボ制御回路5によって制御されて駆動する。 【0027】光学ピックアップ装置2は、光ディスク101の信号記録面に光束を照射し、この光束の反射光束を検出することにより、該信号記録面より情報信号を読み出す。光学ピックアップ装置2により光ディスク101より読み出された信号は、プリアンプ4により増幅されて、信号変復調及びECCブロック6及びサーボ制御回路5に送られる。信号変復調及びECCブロック6は、再生する光記録媒体の種類に応じて、信号の変調、復調及びECC(エラー訂正符号)の付加を行う。また、信号変復調及びECCブロック6は、送られた信号に基づき、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、トラック判別信号、RF信号等を生成する。サーボ制御回路5は、信号変復調及びECCブロック6にて生成されるフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、トラック判別信号に基づいて、光学ピックアップ装置2を制御する。 【0028】信号変復調及びECCブロック6において復調された信号は、この信号が例えばコンピュータのデータストレージ用のデータであれば、インターフェイス8aを介して、外部コンピュータ9a等に送出される。この場合、外部コンピュータ9a等は、光ディスク101に記録された信号を、再生信号として受け取ることができる。 【0029】また、光ディスク101に記録された情報信号が、いわゆる「オーディオ・ビジュアル」(音響再生及び画像再生)用の信号である場合には、信号変復調及びECCブロック6において復調された信号は、D/A,A/D変換器8bにおいてデジタル/アナログ変換されて、オーディオ・ビジュアル処理部9bに送出される。このオーディオ・ビジュアル処理部9bにおいてオーディオ・ビデオ処理を行われた信号は、オーディオ・ビジュアル信号入出力部9cを介して、図示しない外部の映像・映写機器に伝送される。 【0030】また、光学ピックアップ装置2は、信号変復調及びECCブロック6から送られる信号に基づいて、回転操作される光ディスク101の信号記録面に対して、光束の照射を行う。このような光束の照射により、光ディスク101の信号記録面に対する情報信号の書き込みが行われる。 【0031】光学ピックアップ装置2は、図2に示すように、光源部10を備えて構成されている。この光源部10は、光束を出射する少なくとも1つの発光点を有しており、この実施の形態においては、図3に示すように、1つの発光点10aを有している。この発光点10aは、保持台部10dにより支持されて、パッケージ10e内に収納されている。そして、この光源部10は、光回折素子17を有している。光回折素子17は、図4に示すように、非点収差を生じさせるホログラムパターン(ホログラム素子)として構成されている。発光点10aより発せられ光回折素子17によって回折された光束は、0次光及び±1次光に分離される。0次光は、発光点10aから発せられてそのまま進行する主光束に等しい。+1次光は、発光点10aではなく、この発光点10aからずれた第1の仮想発光点10bから発せられた第1の副光束に等しい。また、−1次光も、発光点10aではなく、この発光点10aからずれた第2の仮想発光点10cから発せられた第2の副光束に等しい。 【0032】そして、光回折素子17における0次光は、光ディスク101に対して情報信号の記録再生を行うための主スポットを該光ディスク101の信号記録面上に形成する主光束となる。光回折素子17における+1次光は、第1の副スポットを形成する第1の副光束となる。また、光回折素子17における−1次光は、第2の副スポットを形成する第2の副光束となる。また、主光束が形成する主スポットと各副光束が形成する各副スポットとは、光ディスク101の信号記録面上において、互いに離間した位置に形成される。 【0033】そして、光回折素子17における±1次光は、互いに逆符号で、かつ、光ディスク101の信号記録面上に形成される記録トラックの接線方向に対し略々45°の角度をなす非点収差が付加されている。 【0034】また、この光源部10においては、光回折素子17が光軸回りに回転操作されることにより、主スポットの合焦位置を変動させることなく、各副スポットと光ディスクの信号記録面上の記録トラックとの位置関係を変化させることが可能となっている。そして、各副スポットは、光ディスクの信号記録面上に形成された記録トラックの法線方向の主スポットに対する距離の絶対値をS、トラックピッチをTp、nを整数としたとき、S≒Tp・n/2が成立する位置に形成される。 【0035】なお、本発明において、「トラックピッチ(Tp)」とは、「ランドグルーブ方式」を採用し光ディスク上のランド部及びグループ部の双方に情報信号を記録する場合であっても、「ランド部から次のランド部までの距離」(または、「グループ部から次のグループ部までの距離」)のことを言っている。 【0036】この光学ピックアップ装置2を用いて「ランドグルーブ記録」が行われた光記録媒体から情報信号を読み出す場合には、この光源部10の仮想的な各発光点10a,10b,10cから射出された各光束は、図2に示すように、偏光ビームスプリッタプリズム11に入射され、この偏光ビームスプリッタプリズム11が有する誘電体多層膜に対してS偏光状態であることにより該誘電体多層膜によって略々全光量が反射されて、1/4波長板12に入射する。1/4波長板12に入射された光束は、この1/4波長板12を透過することにより円偏光状態となされ、コリメータレンズ13を透過して平行光束となされて、対物レンズ14に入射する。 【0037】なお、偏光ビームスプリッタプリズム11は、−般に、互いに貼り合わせられて立方体を形成する一対の三角プリズムと、これらの三角プリズムの間に蒸着やスパッタリングによって形成された誘電体多層膜とによって構成されている。この偏光ビームスプリッタプリズム11に対する入射光束は、誘電体多層膜に対するP偏光成分が該誘電体多層膜を透過し、該誘電体多層膜に対するS偏光成分が該誘電体多層膜によって反射される。 【0038】対物レンズ14は、図示しない二軸アクチュエータによって、図2中矢印Fで示すフオーカス方向及び図2中矢印Tで示すトラッキング方向に移動操作可能に支持されており、入射された各光束を光ディスク101の信号記録面上に集光させる。このとき、3つの仮想的な発光点10a,10b,10cから射出された光束が信号記録面上に集光される。 【0039】光ディスク101の信号記録面上に照射されて該信号記録面により反射された3本の反射光束は、対物レンズ14、コリメータレンズ13及び1/4波長板12を経て、直線偏光状態となって偏光ビームスプリッタプリズム11に至る。この偏光ビームスプリッタプリズム11において、反射光束は、誘電体多層膜に対してP偏光状態となっていることにより略々全光量が該誘電体多層膜を透過し、光源部10に戻る光路より分離されて、光分岐素子22及びマルチレンズ15を経て光検出素子16に入射する光路を進行する。マルチレンズ15は、凹面とシリンドリカル面とが組み合わされたレンズであって、反射光束の集光点までの距離を延長するとともに、該反射光束に非点収差を生じさせる。 【0040】なお、光学ピックアップ装置2を構成する各光学部品は、図示しない光学ブロック部内に個別にマウントされて支持されている。また、光回折素子17は、偏光ホログラム素子により構成することもできる。この場合には、光回折素子17は、上述のように発光点10aと偏光ビームスプリッタプリズム11との間ではなく、偏光ビームスプリッタプリズム11と1/4波長板12との間に設けることとしてもよい。偏光ホログラム素子は、光ディスクに向かう往路の光束に対してホログラムとして作用するが、光ディスクから戻る復路の光束に対しては、なんらの光学的作用を生じないように形成することが可能だからである。 【0041】光検出素子16は、図5に示すように、主スポットからの主反射光束を受光する第1の主受光部18、第1の副スポットからの第1の副反射光束を受光する第1の副受光部19、第2の副スポットからの第2の副反射光束を受光する第2の副受光部20、及び、主スポットからの主反射光束が分岐された光束を独立して受光する第2の主受光部21を有して構成されている。第2の主受光部21への主反射光束の分岐は、図2に示すように、偏光ビームスプリッタプリズム11及びマルチレンズ15との間に、例えば、ウォラストンプリズムの如き光分岐素子22が設けられていることによって行われる。 【0042】第1の主受光部18は、いわゆる「非点収差法」によるフォーカスエラー信号の検出を行うため中心部分を介して放射状に配列された状態の4個の受光素子a,b,c,dとからなる。この主受光部18において、受光素子a,c及び受光素子b,dは、互いに主受光部18の中心部分を介して対角で対向する位置となっている。これら4面の受光素子a,b,c,dからは、それぞれ独立的な光検出信号a,b,c,dが出力される。 【0043】第2の主受光部21は、光分岐素子によって分岐された主スポットからの反射光束を受光する1個の受光素子sからなる。この受光素子sからは、光検出信号sが出力される。この光検出信号sは、光ディスク101から読み出されるいわゆるRF信号となるものである。 【0044】また、各副受光部19,20は、それぞれいわゆる「非点収差法」によるフォーカスエラー信号の検出を行うため中心部分を介して放射状に配列された状態の4個の受光素子e,f,g,h、i,j,k,lとからなる。第1の副受光部19において、受光素子e,g及び受光素子f,hは、互いに第1の副受光部19の中心部分を介して対角で対向する位置となっている。これら4面の受光素子e,f,g,hからは、それぞれ独立的な光検出信号e,f,g,hが出力される。第2の副受光部20において、受光素子i,k及び受光素子j,lは、互いに第2の副受光部20の中心部分を介して対角で対向する位置となっている。これら4面の受光素子i,j,k,lからは、それぞれ独立的な光検出信号i,j,k,lが出力される。 【0045】この光検出素子16から出力される光検出信号は、例えば該光検出素子16の半導体基板上に形成された図示しないアンプにより電流−電圧変換された後、演算回路、もしくは、各受光部18,19,20,21に接続された光検出素子外部の演算回路に送られる。この演算回路においては、以下のようにして、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、トラック判別信号CTS及びRF信号が演算される。 【0046】すなわち、トラック判別信号CTSは、以下の演算により生成される。 【0047】CTS={(e+g)−(f+h)}−{(i+k)−(j+l)} また、フォーカスエラー信号FE1、トラッキングエラー信号TE及びRF信号は、それぞれ以下の演算によって生成される。フォーカスエラー信号FE1は、いわゆる「非点収差法」による生成であり、トラッキングエラー信号TEは、いわゆる「差動プッシュプル法」による生成である。 【0048】 FE1=(a+c)−(b+d) TE={(a+d)−(b+c)}−K1・{(e+h)−(f+g)}+{(i+l)−(j+k)} (∵K1は係数) RF=sなお、本発明に係る光学ピックアップ装置の光検出素子16においては、各副受光部19,20がそれぞれ主受光部18と同様の受光面を有していることから、特開2000−82226において提案されているように、フォーカスエラー信号FE2を以下の演算により生成することとしてもよい。 【0049】FE2={(a+c)−(b+d)}+K2・{(e+g)−(f+h)}+{(i+k)−(j+l)} (∵K2は係数) また、トラッキングエラー信号としては、主受光部18からの光検出信号a,b,c,dを用いて、いわゆる差動位相差法(ディファレンシャルフェイズディテクション法:DPD法)により生成することも可能である。 【0050】次に、本発明に係るトラック判別信号検出方法における信号検出の原理について説明する。 【0051】本発明においては、光ディスクの信号記録面上に、記録トラックの接線方向に対して略々45°方向をなす非点収差を付加した副スポットを形成する。非点収差付加手段としてホログラム素子を用い、その±1次光を副スポットを形成する副光束として使用する場合、互いに非点隔差の方向の異なる2つの副スポットが形成される。この状態で各スポットが記録トラックを横断すると、主スポットでは、照射位置がランド位置かグループ位置かによって戻り光の強度が等しいのに対して、副スポットでは、非点収差による波面の干渉状態の変化によって、照射位置がランド位置かグループ位置かによって、戻り光強度に大きな差異が生ずる。このような光強度の差異に基づいて、トラック判別を行うことができる。 【0052】例えば、光ディスクとして「DVR」ディスク(商標名)を用いる光学ピックアップ装置において、光ディスクにおける回折光の対物レンズ瞳上における強度分布及び位相分布を計算した結果を図6乃至図11に示す。 【0053】ここに示した計算結果の計算条件としては、光学ピックアップ装置が照射する光束の波長を405nmとし、対物レンズの開口数(NA)を0.85とした。光ディスク上の記録トラックの周期は、0.60μmとし、グループ部の往復位相深さを(λ/6)とした。また、ランド部及びグループ部は、ともに等幅(0.30μm)の矩形とした。 【0054】この図6乃至図11は、主スポットがランド部上にある場合(図6乃至図8)の、非点隔差が+0.5μmの一方の副スポット(図6)、主スポット(図7)及び非点隔差が−0.5μmの他方の副スポット(図8)について(便宜上、非点隔差の方向を表すため、“+”,“−”の符号を用いている。)、並びに、主スポットがグループ部上にある場合(図9乃至図11)の、非点隔差が+0.5μmの一方の副スポット(図9)、主スポット(図10)及び非点隔差が−0.5μmの他方の副スポット(図11)について、反射光束における強度分布を示している。 【0055】図7及び図10に示すように、光束に非点収差のない状態では、スポットがランド部上にあるかグループ部上であるかで、反射光束における強度分布は異ならない。これは、前述したように、ランド−グループ記録媒体において、和信号をトラック判別信号として用いることができない原因でもある。一方、光束に非点収差を付加した場合には、スポットがランド部上にあるかグループ部上にあるかで、反射光束における強度分布に大きな差異が生じ、しかも、非点収差の方向(符号)によって、ランド部とグループ部との関係が逆転していることがわかる。 【0056】ところで、上述の光学ピックアップ装置において、フォーカスエラー信号は、通常の非点収差法のほか、上述した特開2000−82226において提案されている方式によって検出することが可能であるが、この場合、反射光束は、図12に示すように、マルチレンズ15によって、記録トラックによる回折パターンの方向に対して45°をなす方向に非点収差を生じさせられている。光検出素子16の受光部を、図12に示すように、非点収差が生じていることにより形成される非点収差が発生する方向の焦線と、これと直交する非点収差を付加されない方向、すなわち、マルチレンズ15のシリンドリカル面の母線に平行な方向の焦線との略中間位置に配置することにより、合焦時には、戻り光のスポットは略々円に、引込範囲の両端では、焦線となることによって、主光束の光ディスク上での合焦時には、反射光束の受光素子上のスポットは略々円形になり、フォーカス引込範囲の両端側では、焦線となり、S字型をしたフォーカスエラー曲線が得られる。 【0057】主スポットの光ディスク上における合焦時において、対物レンズの瞳上における反射光束の回折パターンと、受光部上における回折パターンとを考えると、シリンドリカル面の母線に平行な方向と直交する方向のうち、受光部面の手前で合焦する方向についてのみ、パターンが反転するため、光検出素子16の受光部面上には、図13に示すように、各受光部に対応した戻り光スポットが形成される。 【0058】したがって、受光部において副光束の反射光束を分割して受光するにあたって、図16に示すように、スポットの中心から放射状に4分割した状態で受光することとすれば、図14及び図15に示すような、照射位置がランド部上かグループ部上かによる強度変化に基づいて、上述したように、トラック判別信号が検出できるのである。 【0059】ここで、主スポットと副スポットとの光ディスク上における位置関係は、フォーカスエラー信号の検出方式として上述した特開2000−82226に記載の方式を用いている場合には、主スポットがグルーブ部上にあるときには、副スポットはランド部上にあるように設定されていることが望ましい。また、フォーカスエラー信号を求める演算が通常の非点収差法である場合には、主スポットがグルーブ部上にあるときに、副スポットがグループ部上にあるように設定されていてもランド部上にあるように設定されていてもよい。これらの場合には、トラック判別信号の極性が互いに反転する。 【0060】主スポットと副スポットとが光ディスク上においてこのような位置関係をとるためには、上述したように、光ディスクの信号記録面上に形成された記録トラックの法線方向の主スポットに対する距離をS、記録トラックのトラックピッチをTp、nを整数としたときに、以下の式が成立している必要がある。 S≒Tp・n/2特に、各副スポットは、以下の式(I)または(II)が成立する2つの位置に形成されていることが望ましい。 (I)S≒+P/2S≒−P/2(II)S=0しかし、各副スポットは、主スポットに対して対称な位置に形成される必要はない。 S≒+nP/2S≒−mP/2(∵n>m、n<m、または、n=m) 特に、上記式(II)が成立する場合については、主スポットと副スポットとが全て同一記録トラック上に形成されるため、トラックピッチの異なる複数の光ディスクに対しても、常に副スポットの記録トラックに対する関係を同じ状態にすることができる。 【0061】トラック判別信号(CTS信号)は、図17に示すように、トラッキングエラー信号TEに対して、グループ部から次のグループ部までを一周期とした場合に(1/4)周期だけ位相がずれた関係にある。トラック判別信号が極小となる図17中の(A),(C)で示す状態においては、トラック判別信号が極大となる図17中の(B)で示す状態に対して、光検出素子16の受光面部においては、図18及び図20に示す状態に対して図19に示すように、トラック判別信号の極性が逆になる強度分布となっている。 【0062】なお、上述した実施の形態においては、トラック判別信号を得るための副スポットとして、ホログラム素子によって形成された2つのスポットを用いている。様々な外乱による影響を低減するためには、このように2つの副スポットを用いることが望ましいが、1つの副スポットからでも、トラック判別信号を生成することができる。 【0063】なお、光検出素子16の受光面部は、図21に示すように、主受光部18及び各副受光部19,20において、各戻り光スポットの中央部分のみを受光する受光面m,n,oを設けることとしてもよい。このように、各受光部18,19,20において、反射光束の中央部分のみを受光する受光面m,n,oを設けることにより、光ディスクの信号記録面における回折光が重なって反射光束の中央部分の光強度が強くなった状態でスポットの移動が生じたときにも、このスポット移動によるフォーカスエラー信号の変動を回避することができる。 【0064】この場合にも、上述した各演算方法により、フォーカスエラー信号FE1,FE2、トラッキングエラー信号TE、トラック判別信号CTS、RF信号RFを生成することができる。 【0065】 【発明の効果】上述のように、本発明に係る光学ピックアップ装置、光記録媒体記録再生装置及びトラック判別信号検出方法においては、「ランドグルーブ記録媒体」を用いて「ランドグループ記録」を行う場合においても、簡単な構成により、良好なトラック判別信号を得ることができる。 【0066】このため、トラッキングサーボの引込や、シーク時の記録トラック横断の数及び方向のカウントなど、従来より使用されていた制御方法を「ランドグルーブ記録」において使用することを可能とする。 【0067】したがって、本発明は、部品点数が少なく部品の構成も簡単で、低コストで、かつ、高速アクセスが可能となされた、例えば「DVD−RAM」、「DVR」などを用いて「ランドグループ記録」を行う光学ピックアップ装置及び光記録媒体記録再生装置を提供することができる。 【0068】また、「DVD−RAM」、「DVR」に限らず、「ランドグルーブ記録」を用いる他の規格の光ディスクに対して一般的に適用することができ、部品点数も少なく部品の構成も簡単な光学ピックアップ装置及び光記録媒体記録再生装置を提供することができるものである。 【0069】すなわち、本発明は、部品点数を多くしたり部品の構成を複雑化することなく、例えば「DVD−RAM」や「DVR」の如き「ランドグルーブ方式」を採用した光記録媒体を用いる場合においても、トラック判別信号を生成することができ、また、高速アクセスが可能となされた光学ピックアップ装置、トラック判別信号検出方法、及び、このような光学ピックアップ装置、トラック判別信号検出方法を採用した光記録媒体記録再生装置を提供することかできるものである。 【0070】なお、本発明は、「ランドグルーブ方式」の採用に伴って生ずる特有の現象を利用しているわけではないので、「DVD+RW」や「DVD−RW」等の如く、ランド部、または、グルーブ部のいずれか一方のみに情報信号を記録する方式の光記録媒体を用いる場合においても有効である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年8月14日(2000.8.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067736 【弁理士】 【氏名又は名称】小池 晃 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−56568(P2002−56568A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−246025(P2000−246025) |
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