| 【発明の名称】 |
光ヘッドおよび、それを利用する記録装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】宮浦 智子
【氏名】坂田 忠文
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| 【要約】 |
【課題】記録媒体に対して精度良く光学的にアクセスできる光ヘッド、およびそれを用いた記録装置を提供する。
【解決手段】傾斜しながら記録媒体の記録面に浮上可能なスライダ21には、近接場光発生用のSIM22が設けられるとともに、SIM22を保持する揺動機構3と、揺動付勢力を発生する付勢部4とを有している。揺動機構3は、SIM22を保持するフレーム30を回動自在に支持するピンのペア32と、ピンのペア32に接続するフレーム31を回動自在に支持するピンのペア33とを有し、これによりSIM22で2自由度の揺動が可能となる。また、付勢部4は、4つのコイル40〜43と、4つのニッケル磁性膜44〜47とを有し、コイル40〜43への電流入力によりニッケル磁性膜44〜47との間で発生する引力、斥力により、SIM22の姿勢を調整できる。従って、スライダ21の傾斜角度に応じてSIM22の姿勢を制御すれば、記録媒体に対して精度の良い光学的なアクセスが可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光ヘッドであって、(a)記録媒体に対して光学的にアクセスするための対物光学素子と、(b)前記記録媒体の記録面上において、前記記録面の情報記録トラックに沿った所定の方向に相対移動可能なスライダと、を備え、前記スライダは、(b-1)少なくとも前記所定の方向に揺動自在に前記対物光学素子を保持する揺動手段、を有し、前記揺動手段における揺動自由度によって前記記録面に対する前記対物光学素子の相対的姿勢を所定の姿勢に維持することを特徴とする光ヘッド。 【請求項2】 請求項1に記載の光ヘッドにおいて、前記対物光学素子は、ソリッドイマージョンレンズ、ソリッドイマージョンミラー、および微小開口を有する近接場光学素子のうちいずれかであることを特徴とする光ヘッド。 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の光ヘッドにおいて、前記揺動手段は、前記対物光学素子を所定の軸上で回動自在に支持する支持部材のペア、を有することを特徴とする光ヘッド。 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光ヘッドにおいて、前記スライダが前記記録媒体の記録面に対して相対移動する際に、前記揺動手段によって、前記対物光学素子の主軸を前記記録面に対して略垂直に維持することを特徴とする光ヘッド。 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光ヘッドにおいて、前記スライダは、(b-2)電磁気的作用、静電気的作用、または圧電作用を利用して、前記対物光学素子の揺動に係る付勢力を与える付勢手段、を有することを特徴とする光ヘッド。 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光ヘッドにおいて、(c)接続部材により前記スライダに接続するアームと、(d)前記アームに固設され、前記対物光学素子に対して空中伝搬する供給光の光路を変更する光路変更部材と、をさらに備えることを特徴とする光ヘッド。 【請求項7】 請求項6に記載の光ヘッドにおいて、前記接続部材は、前記供給光の通過領域に孔を有することを特徴とする光ヘッド。 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の光へッドを備え、前記記録媒体への情報の記録、再生および消去の少なくともひとつを行うことを特徴とする記録装置。 【請求項9】 請求項6または請求項7に記載の光へッドを備え、前記記録媒体への情報の記録、再生および消去の少なくともひとつを行う記録装置であって、前記光路変更部材において前記供給光の光路の近傍に設けられる光検出器と、前記対物光学素子からの戻り光に関する前記光検出器の検出結果に応じて、前記付勢力を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする記録装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、光学対物素子を備えた光ヘッドおよび、それを利用する記録装置に関する。 【0002】 【従来の技術】光ディスク等の記録媒体に対する記録密度は、記録および読み取りを行う際の光スポット径を小さくすることで向上する。従来においては、使用するレーザ光の波長を短波長化したり、対物レンズの開口数NAを大きくすることで記録装置における記録密度の高密度化が推進されてきた。しかしながら、このような対策だけでは、光の回折限界があるため、大幅な記録密度の向上を実現することが不可能である。 【0003】これに対して、ニアフィールド光学顕微鏡(SNOM)の原理を利用する近接場光記録は、光の波長より小さな記録スポットを形成できるため記録密度を向上できる。ここでは、近接場光を発生させる対物光学素子(例えばSIM)により、微小な記録スポットを形成できる。 【0004】近接場光を用いた光記録では、記録媒体の記録面と対物光学素子との間隔を光の波長以下の距離に保持制御する必要がある。そのため、ハードディスク型の磁気記録装置で用いられている浮上スライダ技術を近接場光記録ヘッドに搭載する試みがなされている。これは、空気膜潤滑原理を利用してスライダを浮上させ、スライダに設けられた磁気検出部で情報を検出する技術である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の浮上スライダの技術においては、記録媒体の記録面に対してスライダが傾くため、この技術を、そのまま近接場光を用いた光記録に適用するのは好ましくない。すなわち、対物光学素子が記録媒体の記録面に平行に対向して記録面との距離を正確に保つ必要がある近接場光の光記録においては、傾斜するスライダに設けられる対物光学素子が記録面に対して傾くと、記録精度が低下してしまう。 【0006】この問題を解消するため、対物光学素子に対する入射光の向きをミラー等を用いて変更する方法が考案されているが、対物光学素子に一定の角度および安定した光量で入射する構成が複雑となる。 【0007】本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、記録媒体に対して精度良く光学的にアクセスできる光ヘッド、およびそれを用いた記録装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、光ヘッドであって、(a)記録媒体に対して光学的にアクセスするための対物光学素子と、(b)前記記録媒体の記録面上において、前記記録面の情報記録トラックに沿った所定の方向に相対移動可能なスライダと、を備え、前記スライダは、(b-1)少なくとも前記所定の方向に揺動自在に前記対物光学素子を保持する揺動手段、を有し、前記揺動手段における揺動自由度によって前記記録面に対する前記対物光学素子の相対的姿勢を所定の姿勢に維持する。 【0009】また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る光ヘッドにおいて、前記対物光学素子は、ソリッドイマージョンレンズ、ソリッドイマージョンミラー、および微小開口を有する近接場光学素子のうちいずれかである。 【0010】また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る光ヘッドにおいて、前記揺動手段は、前記対物光学素子を所定の軸上で回動自在に支持する支持部材のペアを有する。 【0011】また、請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明に係る光ヘッドにおいて、前記スライダが前記記録媒体の記録面に対して相対移動する際に、前記揺動手段によって、前記対物光学素子の主軸を前記記録面に対して略垂直に維持する。 【0012】また、請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明に係る光ヘッドにおいて、前記スライダは、(b-2)電磁気的作用、静電気的作用、または圧電作用を利用して、前記対物光学素子の揺動に係る付勢力を与える付勢手段を有する。 【0013】また、請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかの発明に係る光ヘッドにおいて、(c)接続部材により前記スライダに接続するアームと、(d)前記アームに固設され、前記対物光学素子に対して空中伝搬する供給光の光路を変更する光路変更部材とをさらに備える。 【0014】また、請求項7の発明は、請求項6の発明に係る光ヘッドにおいて、前記接続部材は、前記供給光の通過領域に孔を有する。 【0015】また、請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかの発明に係る光へッドを備え、前記記録媒体への情報の記録、再生および消去の少なくともひとつを行う記録装置である。 【0016】また、請求項9の発明は、請求項6または請求項7の発明に係る光へッドを備え、前記記録媒体への情報の記録、再生および消去の少なくともひとつを行う記録装置であって、前記光路変更部材において前記供給光の光路の近傍に設けられる光検出器と、前記対物光学素子からの戻り光に関する前記光検出器の検出結果に応じて、前記付勢力を制御する制御手段とを備える。 【0017】 【発明の実施の形態】<第1実施形態><光ヘッドを組み込んだ記録装置の要部構成>図1は、本発明の第1実施形態に係る光ヘッドを組み込んだ記録装置1の要部構成を示す平面図である。 【0018】記録装置1は、ドーナツ状のディスク型記録媒体9の同心円状または螺旋状の情報記録トラックTRに光学的にアクセスして情報を記録する光ヘッド2と、発光部11と、記録媒体9を回転させる回転機構部12と、これらを統括制御する制御部15とを備えている。 【0019】光ヘッド2は、記録媒体9の記録面9aに平行して、駆動部(図示は省略)により記録媒体9の径方向Sa、Sbに揺動できる構成となっている。この光ヘッド2の構成については、後で詳述する。 【0020】発光部11は、レーザダイオードを有しており、光ヘッド2に光を供給する。 【0021】回転機構部12は、記録媒体9の下方に位置するモータ13と、モータ13により回転する回転軸14を有している。 【0022】回転軸13は、記録媒体9の中心部を固定して保持することが可能であり、モータ13の駆動によって記録媒体9が方向Rに回転する。これにより、光ヘッド2に設けられるスライダ21(図2)は、記録媒体9の記録面9aに対して所定の回転方向Rに相対移動することとなる。 【0023】制御部15は、CPUおよびメモリを有しており、上記の各部に対して有機的に制御を行う。 【0024】<光ヘッド2の構成>図2は、光ヘッド2の先端部2eの斜視図である。また、図3は、光ヘッド2の先端部2eの側面図である。 【0025】光ヘッド2は、スライダ21と、スライダ21の中央部に配置されるソリッドイマージョンミラー(SIM)22と、接続部材として機能するサスペンション25によりスライダ21を懸架するアーム26と、アーム26の先端に固設されるミラー27とを有している。 【0026】図4は、SIM22の断面図である。 【0027】SIM22は、記録媒体9に対して光学的にアクセスするための対物光学素子として働き、半球状の集光ミラー221、平面ミラー222とを有するとともに、これらのミラー221、222の間に光を透過する透明部材223が充填されている。この集光ミラー221および平面ミラー222は、アルミニウム等の金属材料を用い、薄膜として形成されている。 【0028】集光ミラー221は、ミラー層が除去されている数百nm程度の微小開口22hを有している。この微小開口22hは、SIM22において内部反射光の焦点スポットを調整するためのものである。 【0029】平面ミラー222は、集光ミラー221で反射した光を、微小開口22hに導くようように反射させるための部材である。 【0030】透明部材223は、例えばガラス材などの高屈折率物質で形成されている。 【0031】このような構成のSIM22により、SIMに入射される入射光LTは、集光ミラー221と平面ミラー222との間で反射され、微小開口22hで集光される。これにより、微小開口22hから近接場光が発生して、記録媒体9に対して高密度な情報の記録が可能となる。 【0032】このSIM22では、平面ミラー222に対して垂直な方向22pから光LTの入射角度がずれると、微小開口22hへの光の集光効率が低下する。そこで、微小開口22hにおいて近接場光の出力が最大となる光LTの入射角度、すなわち平面ミラー222に対して垂直な方向22pをSIM22の主軸と呼ぶこととする。 【0033】図2および図3に戻って、説明を続ける。 【0034】サスペンション25は、フレキシブルな構造であり、SIM22とミラー27との間で空中伝搬する光の通過領域に孔25hが設けられている。また、サスペンション25は、端部25aでアーム26と連結し、端部25bでスライダ21の端部付近21eと連結している。これにより、アーム26に対してスライダ21が自在に運動できるため、記録媒体9の回転に伴って発生する空気流Wdにより、空気膜潤滑原理を利用して、スライダ21が浮上できることとなる。 【0035】アーム26は、記録媒体9の記録面9aに対して平行となるように配置されており、図1に示す方向Sa、Sbに揺動できる構成となっている。 【0036】ミラー27は、アーム26に沿って空中伝搬される供給光LTの光路をSIM22の方向に変更する光路変更部材として機能する。このミラー27には、光路LTの近傍にフォトダイオード28が設けられている。このフォトダイオード28は、SIM22からの戻り光を検出する光検出器として働き、その検出情報が制御部15に送られる。 【0037】一般的に、極めて小さいSIM22に対して光LTを入射させるミラーは、その入出射光の光軸を安定させる必要があり、軽量化は困難である。例えばミラー27をスライダ21に固設するとスライダ21全体が重くなってしまい、スライダ21の浮上に好ましくない。そこで、本実施形態のようにミラー27をアーム26に固定することにより、ミラー27の重量的配慮が不要となり光軸LTが安定できるとともに、スライダ21を軽量化できるメリットが生じる。 【0038】図5は、スライダ21の中央部を示す平面図である。 【0039】スライダ21は、スライダ本体21nと、SIM22の姿勢を変更可能な揺動機構3と、SIM22の揺動に係る付勢力を与える付勢部4とを有している。 【0040】揺動機構3は、2つのリング状のフレーム30、31と、支持部材としての2組のピンのペア32、33とを有している。 【0041】フレーム30は、SIM22を保持する部材である。また、フレーム31は、スライダ本体21nに対してピンのペア33で支持されるとともに、ピンのペア32によりフレーム30を支持している。 【0042】ピンのペア32は、SIM22の主軸22pを通りX軸と平行な軸上に配置されている。また、ピンのペア33は、SIM22の主軸22pを通りY軸と平行な軸上に配置されている。 【0043】このような揺動機構3の構成により、ピンのペア32を軸として方向YaにSIM22が回動自在となるとともに、ピンのペア33を軸として方向YbにSIM22が回動自在となる。すなわち、SIM22の姿勢を、互いに直交する2自由度で変更できることとなる。なお、この2自由度のうち、SIM22における方向Yaの傾き補正、すなわち記録媒体9の記録面9aの情報記録トラックTRに対してスライダ21が相対移動する方向についての傾き補正が特に重要となる。 【0044】付勢部4は、4つのコイル40〜43と、4つのニッケル磁性膜44〜47とを有している。 【0045】コイル40〜43は、ピンのペア32で形成される軸上と、ピンのペア33で形成される軸上とに、それぞれ設けられている。 【0046】ニッケル磁性膜44、46は、フレーム31の外周上に配設されているとともに、ニッケル磁性膜45、47は、フレーム30の外周上に配設されている。 【0047】また、ニッケル磁性膜44〜47は、帯磁しており、コイルで発生する磁界により、コイルとの間で電磁気的作用により引力と斥力とが発生する。 【0048】このような構成の付勢部4により、コイル40の通電で磁性膜44との間で力が発生するため、ピンのペア33を軸とした付勢力、すなわち回転モーメントが生じ、回動方向Ybに関するSIM22の姿勢を調整できる。コイル42と磁性膜46との間でも同様である。 【0049】また、コイル41の通電で磁性膜45との間で力が発生するため、ピンのペア32を軸とした回転モーメントが生じ、回動方向Yaに関するSIM22の姿勢を調整できる。コイル43と磁性膜47との間でも同様である。 【0050】以上のような付勢部4の構成により、コイル40〜43への入力電流を制御することにより、SIM22は記録面9aに対して所定の相対姿勢をとることができる。 【0051】なお、付勢部4のコイル40〜43に対する電力供給は、サスペンション25に形成したパターニング配線および、アーム26上の配線を通じて行われる。 【0052】<記録装置1の動作>このような構成を有する記録装置1の動作は以下の通りである。 【0053】まず、所定の入力により、回転機構部12が起動し、記録媒体9は一定速度で回転される。このとき、スライダ21は、記録媒体9の回転に伴う空気流による風圧と、サスペンション25との力の平衡状態において、傾きながら記録媒体9から浮き上がる。また、SIM22も、回転開始直後、スライダ21の傾斜方向に傾いている状態となっている(図6(c)参照)。 【0054】そこで、SIM22からの戻り光をフォトダイオード28で検出し、その検出情報に基づき制御部15が、SIM22の姿勢に関するフィードバック信号を生成する。そして、この信号に基づいて、コイル40〜43に電流を入力して磁場を発生させることにより、SIM22の姿勢が適切に調整できる(図3参照)。 【0055】このSIM22の姿勢制御では、フォトダイオード28の検出値が最大、つまりSIM22からの戻り光が最大になるように制御が行われる。この戻り光が最大となる場合とは、光がSIM22に垂直に入射する場合、すなわちSIM22の主軸22pが入射光の方向と一致して記録媒体9の記録面9aに垂直となる場合である。このときには、SIM22の近接場光発生箇所、すなわち微小開口22hが、記録面9aに対して最短距離となるため、効率良く記録動作が行われることとなる。 【0056】なお、SIM22からの戻り光については、便宜上、光を線として図示しているが、実際には仮想線LTu、LTd(図3)程度まで分布しており、SIM22の主軸22pと光路LTが一致する場合には、往路と同じ光路を光が戻るため、フォトダイオード28が、戻り光の光量を適切に検出できることとなる。 【0057】次に、本実施形態に係る光ヘッド2の効果を確認する実験結果について説明する。 【0058】図6は、光ヘッド2による記録媒体9に対しての記録実験の結果を示す図である。図6(a)は、光ヘッド2を利用した場合の実験結果を示しており、図6(b)は、光ヘッド2からスライダ21の揺動機構3と付勢部4を除去し、SIM22がスライダ本体21nに固定されている従来のスライダについての実験結果を示している。これら双方の実験については、記録媒体9が2000rpmの高速回転している条件で行われた。また、633nm−10mWのレーザをNDフィルタで光量を50μWに調節して、スポット径φ1μmに集光したものを発光部11に使用するとともに、記録媒体9は、鏡面ガラス基板にシニアン系色素(NK529:日本感光色素製)を2000オンク゛ストロームの厚みに塗布したディスクを使用した。 【0059】図6(a)に示す実験に関しては、スライダ21におけるSIM22の姿勢制御機能が有効に働き、記録媒体9上の記録スポット91が、0.5μmの微小スポットとしてコントラスト良く得られた。 【0060】一方、図6(b)に示す実験に関しては、SIM22がスライダ本体21nに固定されているため、記録媒体9に対してスライダ21の傾斜に応じた姿勢をSIM22がとってしまう。このため、SIM22は記録媒体9の記録面9aに対して平行状態とならず、記録スポット92が楕円形状でコントラストも悪かった。また、入射光LTはSIM22の向きに対応する角度で反射するため、戻り光はミラー27に配置したフォトダイオード28で検出できずに迷光LM(図6(c))となって非記録領域に影93のようなものが観察された。 【0061】以上のような構成の光ヘッド2を備える記録装置1の動作により、記録媒体9から浮上するスライダ21が傾いても、SIM22の姿勢を適切に制御できるため、記録媒体に対して精度良い記録が可能となる。 【0062】また、例えば高速度から低速度に記録媒体の回転速度が変化すると、スライダ本体21nの記録媒体に対する浮上量および傾斜角度が変化するが、この場合にも、SIM22の姿勢制御を適切に行うことができる。 【0063】なお、SIM22の重心がピンのペア32、33で形成される軸よりも下方にくるように揺動機構2を構成すれば、記録媒体9の記録面9aが鉛直方向に垂直であれば、付勢部4がなくても重力により記録面9aと平行になるようにSIM22の姿勢が調整できることとなる。これにより、上記と同様に、記録媒体に対して精度良い記録が可能となる。 【0064】<第2実施形態><光ヘッドの要部構成>本発明の第2実施形態に係る光ヘッドを組み込んだ記録装置1Aは、第1実施形態の記録装置1に類似しているが、光ヘッド2Aの構成が異なる。 【0065】図7は、光ヘッド2Aの先端部2eの斜視図である。また、図8は、光ヘッド2Aの先端部2eの側面図である。 【0066】光ヘッド2Aは、第1実施形態の光ヘッド2と同様の構成であるサスペンション25と、アーム26と、ミラー27とを有するとともに、第1実施形態と異なるスライダ21Aと、近接場光発生用の微小開口を有する微小開口基板23とを有している。 【0067】図9は、スライダ21Aの中央部を示す平面図である。 【0068】スライダ21Aは、スライダ本体21nと、微小開口基板23の姿勢を変更可能な揺動機構5と、微小開口基板23の揺動に係る付勢力を与える付勢部6とを有している。 【0069】微小開口基板23は、記録媒体9に対して光学的にアクセスするための対物光学素子として働き、数百nm程度の微小開口23hを有している。この微小開口基板23の主軸23pについては、微小開口23hの中心から微小開口基板23に対して垂直に伸びる直線が該当することとなる。すなわち、この主軸23pに沿って、光が入射されると、微小開口23hでの近接場光の出力が最大となる。 【0070】揺動機構5は、2つの矩形状のフレーム50、51と、支持部材としての2組のピンのペア52、53とを有している。 【0071】フレーム50は、微小開口基板23を保持する部材である。また、フレーム51は、スライダ本体21nに対してピンのペア52で支持されるとともに、ピンのペア53によりフレーム50を支持している。 【0072】ピンのペア52は、微小開口基板23の主軸23pを通りX軸と平行な軸上に配置されている。また、ピンのペア53は、微小開口基板23の主軸23pを通りY軸と平行な軸上に配置されている。 【0073】このような揺動機構5の構成により、ピンのペア52を軸として方向Yaに微小開口基板23が回動自在となるとともに、ピンのペア53を軸として方向Ybに微小開口基板23が回動自在となる。すなわち、微小開口基板23の姿勢を、互いに直交する2自由度で変更できる。 【0074】付勢部6は、4対のアルミ膜61〜64を有している。 【0075】アルミ膜61〜64は、ピンのペア52で形成される軸上と、ピンのペア53で形成される軸上とに、それぞれ設けられている。 【0076】アルミ膜61、63は、一方の膜がスライダ本体21nに配設され、他方の膜がフレーム50に配設される。また、アルミ膜62、64は、一方の膜がスライダ本体21nに配設され、他方の膜がフレーム51に配設される。 【0077】また、アルミ膜61〜64は、正電荷または負電荷を付与できる構成となっており、対となっている各アルミ膜に同符号の電荷を与えると、静電気的作用によって、アルミ膜間に斥力が発生し、一方各アルミ膜に異符号の電荷を与えると、アルミ膜間に引力が発生する。 【0078】このような構成の付勢部6により、アルミ膜61に電荷を付与することにより各アルミ膜61の間で力が発生するため、ピンのペア53を軸とした付勢力、すなわち回転モーメントが生じ、回動方向Ybに関する微小開口基板23の姿勢を調整できる。アルミ膜63についても同様である。 【0079】また、アルミ膜62に電荷を付与することにより各アルミ膜62の間で力が発生するため、ピンのペア52を軸とした回転モーメントが生じ、回動方向Yaに関する微小開口基板23の姿勢を調整できる。アルミ膜64についても同様である。 【0080】以上のような付勢部6の構成により、アルミ膜61〜64への入力電荷量を制御することにより、微小開口基板23は記録面9aに対して所定の相対姿勢をとることができる。 【0081】<記録装置1Aの動作>このような構成を有する記録装置1Aの動作は、第1実施形態の記録装置1の動作とほぼ同様である。 【0082】すなわち、記録媒体9の回転が開始されると、その直後は微小開口基板23が傾いた状態となる(図10(c)参照)。そこで、微小開口基板23からの戻り光をフォトダイオード28で検出し、その検出情報に基づき制御部15が、微小開口基板23の姿勢に関するフィードバック信号を生成する。そして、この信号に基づいて、アルミ膜61〜64に電荷を入力して静電気力を発生させることにより、微小開口基板23の姿勢が適切に調整できる(図8参照)。これにより、微小開口基板23の近接場光発生箇所、すなわち微小開口23hが、記録面9aに対して最短距離となるため、効率良く記録動作が行われることとなる。 【0083】次に、本実施形態に係る光ヘッド2Aの効果を確認する実験結果について説明する。 【0084】図10は、光ヘッド2Aによる記録媒体9に対しての記録実験の結果を示す図である。図10(a)は、光ヘッド2Aを利用した場合の実験結果を示しており、図10(b)は、光ヘッド2Aからスライダ21Aの揺動機構5と付勢部6を除去し、微小開口基板23がスライダ本体21nに固定されている従来のスライダについての実験結果を示している。これら双方の実験についての条件は、回転速度が3000rpmであることを除き、上述の第1実施形態の実験と同様である。 【0085】図10(a)に関しては、スライダ21Aにおける微小開口基板23の姿勢制御機能が有効に働き、記録媒体9上の記録スポット94が、0.3μmの微小スポットとしてコントラスト良く得られた。 【0086】一方、図10(b)に関しては、微小開口基板23がスライダ本体21nに固定されているため、記録媒体9に対してスライダ21Aの傾斜に応じた姿勢を微小開口基板23がとってしまう。このため、微小開口基板23は記録媒体9の記録面9aに対して平行状態とならず、記録スポット95が楕円形状でコントラストも悪かった。また、入射光LTは微小開口基板23の向きに対応する角度で反射するため、戻り光はミラー27に配置したフォトダイオード28で検出できずに迷光LM(図10(c))となって非記録領域に影96のようなものが観察された。 【0087】以上のような構成の光ヘッド2Aを備える記録装置1Aの動作により、記録媒体9から浮上するスライダ21Aが傾いても、微小開口基板23の姿勢を適切に制御できるため、記録媒体に対して精度良く記録が可能となる。 【0088】<第3実施形態><光ヘッドの要部構成>本発明の第3実施形態に係る光ヘッドを組み込んだ記録装置1Bは、第1実施形態の記録装置1に類似しているが、光ヘッド2Bの構成が異なる。 【0089】図11は、光ヘッド2Bの先端部2eの斜視図である。また、図12は、光ヘッド2Bの先端部2eの側面図である。 【0090】光ヘッド2Bは、第1実施形態の光ヘッド2と同様の構成であるサスペンション25と、アーム26と、ミラー27とを有するとともに、第1実施形態と異なるスライダ21Bと、光学系24とを有している。 【0091】図13は、近接場光を発生させる光学系24の断面図である。 【0092】光学系24は、記録媒体9に対して情報交換を行う対物光学素子として働く半球状のソリッドイマージョンレンズ(SIL)241と、SIL241の上方に配置される上部レンズ242と、これらのレンズ241、242とを保持する円筒状のホルダ243とを有している。 【0093】SIL241と上部レンズ242との組合せにより、入射光LTは、SIL241下面の中心24sに集光され、中心24sから近接場光が発生して、記録媒体9に対して高密度な情報の記録が可能となる。 【0094】この光学系24の主軸24pについては、中心24sからSIL241の下面に対して垂直に伸びる直線が該当することとなる。すなわち、この主軸24pに沿って、光が入射されると、中心24sでの近接場光の出力が最大となる。 【0095】図14は、スライダ21Bの中央部を示す平面図である。 【0096】スライダ21Bは、スライダ本体21nと、SIL24の姿勢を変更可能な揺動機構7と、光学系24の揺動に係る付勢力を与える付勢部8とを有している。 【0097】揺動機構7は、2つのリング状のフレーム70、71と、支持部材としての2組のピンのペア72、73とを有している。 【0098】フレーム70は、SIL24を保持する部材である。また、フレーム71は、スライダ本体21nに対してピンのペア73で支持されるとともに、ピンのペア72によりフレーム70を支持している。 【0099】ピンのペア72は、光学系24の主軸24pを通りX軸と平行な軸上に配置されている。また、ピンのペア73は、光学系24の主軸24pを通りY軸と平行な軸上に配置されている。 【0100】このような揺動機構7の構成により、ピンのペア72を軸として方向Yaに光学系24が回動自在となるとともに、ピンのペア73を軸として方向Ybに光学系24が回動自在となる。すなわち、光学系24の姿勢を、互いに直交する2自由度で変更できることとなる。 【0101】付勢部8は、4つの圧電素子であるピエゾ素子81〜84を有している。 【0102】ピエゾ素子81〜84は、通電によって伸縮する特性を有し、ピンのペア72で形成される軸上と、ピンのペア73で形成される軸上とに、それぞれ設けられている。 【0103】ピエゾ素子81、83の両端は、それぞれスライダ本体21nおよびフレーム71に接続している。また、ピエゾ素子82、84の両端は、それぞれフレーム71およびフレーム70に接続している。 【0104】このような構成の付勢部8により、ピエゾ素子81、83の通電によりピエゾ素子81、83がそれぞれ伸縮するため、ピンのペア73を軸とした付勢力、すなわち回転モーメントが生じ、回動方向Ybに関する光学系24の姿勢を調整できる。 【0105】また、ピエゾ素子82、84の通電でピエゾ素子82、84がそれぞれ伸縮するため、ピンのペア72を軸とした回転モーメントが生じ、回動方向Yaについての光学系24の姿勢を調整できる。 【0106】以上のような付勢部8の構成により、ピエソ素子81〜84への入力電流を制御することにより、光学系24は記録面9aに対して所定の相対姿勢をとることができる。 【0107】なお、光学系24は、上述したSIM22や微小開口基板23よりも重いため、付勢手段としては、比較的大きな力を発生できるピエゾ素子が適している。 【0108】<記録装置1Bの動作>このような構成を有する記録装置1Bの動作は、第1実施形態の記録装置1の動作とほぼ同様である。 【0109】すなわち、記録媒体9の回転が開始されると、その直後は光学系24が傾いた状態となる(図15(c)参照)。そこで、光学系24からの戻り光をフォトダイオード28で検出し、その検出情報に基づき制御部15が、光学系24の姿勢に関するフィードバック信号を生成する。そして、この信号に基づいて、ピエゾ素子81〜84に電流を入力して伸縮させることにより、光学系24の姿勢が適切に調整できる(図12参照)。これにより、SIL241における近接場光発生箇所、すなわち中心24sが、記録面9aに対して最短距離となるため、効率良く記録動作が行われることとなる。 【0110】次に、本実施形態に係る光ヘッド2Bの効果を確認する実験結果について説明する。 【0111】図15は、光ヘッド2Bによる記録媒体9に対しての記録実験の結果を示す図である。図15(a)は、光ヘッド2Bを利用した場合の実験結果を示しており、図15(b)は、光ヘッド2Bからスライダ21Bの揺動機構7と付勢部8を除去し、光学系24がスライダ本体21nに固定されている従来のスライダについての実験結果を示している。これら双方の実験についての条件は、回転速度が2500rpmであることを除き、上述の第1実施形態の実験と同様である。 【0112】図15(a)に関しては、スライダ21Bにおける光学系24の姿勢制御機能が有効に働き、記録媒体9上の記録スポット97が、0.1μmの微小スポットとしてコントラスト良く得られた。 【0113】一方、図15(b)に関しては、光学系24がスライダ本体21nに固定されているため、記録媒体9に対してスライダ21Bの傾斜に応じた姿勢を光学系24がとってしまう。このため、光学系24は記録媒体9の記録面9aに対して平行状態とならず、記録スポット98が不明瞭で確認できなかった。 【0114】以上のような構成の光ヘッド2Bを備える記録装置1Bの動作により、記録媒体9から浮上するスライダ21Bが傾いても、SIL241を有する光学系24の姿勢を適切に制御できるため、記録媒体に対して精度良く記録が可能となる。 【0115】なお、光学系24の重心がピンのペア72、73で形成される軸よりも下方にくるように揺動機構7を構成すれば、記録媒体9の記録面9aが鉛直方向と垂直であれば、付勢部8がなくても重力により記録面9aと平行になるように光学系24の姿勢が調整できることとなる。これにより、上記と同様に、記録媒体に対して精度良く記録が可能となる。 【0116】<変形例>◎第1実施形態のフォトダイオード28については、ミラー27上に設けるのは必須ではなく、例えば図16に示す光ヘッド2Cのようにフォトダイオード28をアーム26上に設けても良い。この場合には、光路LTにハーフミラー29を設けて、SIM22への供給光を透過させるとともに、ミラー27を介してSIM22から戻ってくる光を反射させて、フォトダイオード28に導くようにする。 【0117】このような構成においても、SIM22の姿勢検出が可能となるため、記録媒体に精度良く、情報を記録できる。 【0118】また、第2実施形態の光ヘッド2Aおよび第3実施形態の光ヘッド2Bにおいても同様である。 【0119】◎各実施形態のフォトダイオードについては、ミラー27の代わりにフォトダイオードそのものを利用し、戻り光の光量検出を行うとともに光路変更を行っても良い。この場合、シリコン受光面に二酸化シリコン被膜保護層を設けた一般的なフォトダイオードの構成で反射率は30%程度あり、十分ミラーとして使用できる。これにより、ミラー27を省略でき、光ヘッドの構成を簡素化できる。 【0120】◎各実施形態については、光路を変更する光路変更手段として、ミラー27の代わりにプリズムを使用しても良い。 【0121】◎各実施形態の揺動機構については、付勢部により付勢力を与えるのは必須ではなく、帯電や磁化させた記録媒体9の記録面9aを利用して付勢力を与えても良い。すなわち、帯電や磁化させた記録媒体9に相対する揺動機構に設けられた電極や被膜との間で働く静電気力や電磁気力を利用して、記録媒体9の記録面9aに平行となるように、対物光学素子の姿勢を調整できる。 【0122】◎各実施形態の記録装置については、記録媒体に対する情報の記録のみでなく、対物光学素子からの戻り光を検出することにより情報の再生が可能である。このように再生装置として使用する場合についても、狭義の記録装置の場合と同様に、対物光学素子の姿勢を制御できるため、正確に記録媒体に記録される情報の読み出しが可能となる。同様に、情報の消去にも、この発明は利用できる。よって、本発明における記録装置は、情報の記録、再生、および消去のうちの少なくともひとつを行う装置として定義される。 【0123】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請求項9の発明によれば、スライダが少なくとも所定の方向に揺動自在に対物光学素子を保持する揺動手段を有するため、対物光学素子の姿勢の適切な調整が可能となり、記録媒体に対して精度良く光学的にアクセスできる。 【0124】特に、請求項2の発明については、対物光学素子がソリッドイマージョンレンズ、ソリッドイマージョンミラー、および微小開口を有する近接場光学素子のうちのいずれかであるため、近接場光により記録媒体において高密度な記録ができる。 【0125】また、請求項3の発明については、揺動手段が対物光学素子を所定の軸上で回動自在に支持する支持部材のペアを有するため、簡易に揺動機構を構成できる。 【0126】また、請求項4の発明については、スライダが記録媒体の記録面に対して相対移動する際に揺動手段によって対物光学素子の主軸を記録面に対して略垂直に維持するため、動作時において記録媒体に対してより精度良く情報交換できる。 【0127】また、請求項5の発明については、スライダが電磁気的作用、静電気的作用、または圧電作用を利用して対物光学素子の揺動に係る付勢力を与える付勢手段を有するため、対物光学素子の姿勢を能動的に調整できる。 【0128】また、請求項6の発明については、光路変更部材がアームに固設されるため、スライダの軽量化が図れる。 【0129】また、請求項7の発明については、接続部材が供給光の通過領域に孔を有するため、対物光学素子への光供給が容易に行える。 【0130】また、請求項9の発明については、供給光の光路の近傍に設けられる光検出器における対物光学素子からの戻り光に関する検出結果に応じて付勢力を制御するため、対物光学素子の姿勢制御を適切に行える。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006079 【氏名又は名称】ミノルタ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年8月11日(2000.8.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089233 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 茂明 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−56567(P2002−56567A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−244167(P2000−244167) |
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