| 【発明の名称】 |
光ピックアップ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小笠原 昌和
【氏名】岩崎 正之
|
| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】対物レンズ及び対物レンズに固定されて光学系で発生する収差を補正する収差補正素子を含む光学ユニットと、当該光学ユニットをトラッキング方向及び/又はフォーカシング方向に移動せしめるアクチュエータと、光学ユニットのトラッキング方向における変位を検出する検出手段と、を有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光ディスクに光ビームを照射し、前記光ディスクからの反射光ビームを導く光学系を有する光ピックアップ装置であって、対物レンズ及び前記対物レンズに固定されて前記光学系で発生する収差を補正する収差補正素子を含む光学ユニットと、前記光学ユニットをトラッキング方向及び/又はフォーカシング方向に移動せしめるアクチュエータと、前記光学ユニットのトラッキング方向における変位を検出する検出手段と、を有することを特徴とする光ピックアップ装置。 【請求項2】 前記検出手段は、前記収差補正素子上に形成された遮光部と、前記遮光部の変位を光学的に検出する光センサと、を含むことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。 【請求項3】 前記遮光部は前記収差補正素子の電極の一部であることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ装置。 【請求項4】 前記遮光部はストライプ形状の複数の遮光帯からなることを特徴とする請求項2又は3記載の光ピックアップ装置。 【請求項5】 前記光センサは反射型センサであることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1に記載の光ピックアップ装置。 【請求項6】 前記検出手段は、前記収差補正素子の有効領域外に形成されて前記光ディスクへの照射光ビームの一部を反射する反射手段と、前記反射手段からの反射光を検出するディテクタと、を含むことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。 【請求項7】 前記反射手段はホログラム素子を含むことを特徴とする請求項6記載の光ピックアップ装置。 【請求項8】 前記照射光ビームは偏光ビームであり、前記反射手段はλ/4波長板及びホログラム素子からなることを特徴とする請求項6記載の光ピックアップ装置。 【請求項9】 前記ディテクタは前記光ディスクからの反射光を検出する受光素子と同一平面内に設けられたことを特徴とする請求項8記載の光ピックアップ装置。 【請求項10】 前記アクチュエータは、前記光学ユニットに取り付けられたコイルと、前記コイルに磁束を付与する磁束付与部からなることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1に記載の光ピックアップ装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光学式記録再生装置に用いられる光ピックアップ装置、特に、光路中に生じた収差を補正するための収差補正ユニットを有する光ピックアップ装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、DVD(Digital Video Disc 又は Digital Versatile Disc)等、大容量の画像・音声データ、デジタルデータを記録可能な種々の光ディスクが開発されている。また、かかる光ディスクの更なる大容量化のための高密度化の研究開発が進められると共に、高密度化に対応する光ピックアップ装置や情報記録再生装置の研究開発が進められている。 【0003】この光ディスクの高密度化に対応する方法としては、光ピックアップ装置に備えられている対物レンズの開口数(numerical aperture:NA)を大きくしたり、また、短波長の光ビームを用いることにより光ディスクに照射される光ビームの照射径を小さくすることがある。ところが、対物レンズの開口数NAを大きくしたり、短波長の光ビームを用いると、光ディスクによる光ビームへの収差の影響が大きくなり、情報記録及び情報再生の精度を向上させることが困難になるという問題が生じる。 【0004】また、光ディスクの高密度化に伴い、光ビームが通過する透明基板の薄膜化がなされているが、製造工程において僅かな透明基板厚の誤差が生じても球面収差の影響が大きくなるという問題が生じる。こうした収差の影響を低減するため、従来、収差補正用の液晶素子を備えた光ピックアップ装置が提案されている。このような液晶素子としては、例えば、特開平10−269611号公報に開示されているものがある。この液晶素子は、その両面に同心円状に形成された複数の電極を有し、各々の電極に異なる電圧を印加することによって液晶の配向状態を調節して光路中に生じた収差を補正するものである。 【0005】かかる光ピックアップ装置においては、一般に、対物レンズはアクチュエータに搭載され、弾性部材によって浮遊支持された可動部として構成され、対物レンズ以外の光学部品はピックアップボディに取り付けられていた。例えば、アクチュエータはコイルであり、ピックアップボディに固定された磁石からの磁束によって対物レンズをフォーカシング方向及びトラッキング方向に駆動するようになっている。例えば、プッシュプルトラッキングエラー方式を用いた場合では、対物レンズがトラッキング方向にシフトするとトラッキングエラーにオフセットが生じる。それを防ぐためにトラッキング時の対物レンズの位置を測定してプッシュプルトラッキングエラーから減算することが行われる。この際、対物レンズホルダやコイルボビン等に遮光部を付加し、透過型センサによって当該遮光部の変位を検出してトラッキング時の対物レンズの変位を測定している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の光ピックアップ装置においては、トラッキングサーボ時に生じる対物レンズと収差補正用の液晶素子のずれによって収差補正性能が劣化するという問題があった。本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、トラッキングサーボ時においても収差補正性能が劣化することのない高性能な光ピックアップ装置を提供することも本発明の目的である。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明による光ピックアップ装置は、光ディスクに光ビームを照射し、光ディスクからの反射光ビームを導く光学系を有する光ピックアップ装置であって、対物レンズ及び対物レンズに固定されて当該光学系で発生する収差を補正する収差補正素子を含む光学ユニットと、当該光学ユニットをトラッキング方向及び/又はフォーカシング方向に移動せしめるアクチュエータと、光学ユニットのトラッキング方向における変位を検出する検出手段と、を有することを特徴としている。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明に用いられる図において、実質的に等価な構成要素には同一の参照符を付している。 [第1の実施例]図1は、本発明の第1の実施例である光ピックアップ装置の光学ユニット10の構成を模式的に示す斜視図である。この光学ユニット10は、光ディスク等を記録媒体とする光学式記録再生装置の光ピックアップ装置に組み込まれ、弾性部材によって浮遊支持された可動部として構成されている。 【0009】より詳細には、光学ユニット10は、レンズホルダ11に支持された対物レンズ12、アクチュエータであるボビンに巻かれたコイル14、及び液晶ホルダ15に支持された液晶素子16を有する。レンズホルダ11、コイルボビン及び液晶ホルダ15は、光ビームの通過の障害とならないように光路径に対応する部分は円形状の貫通孔となっている。すなわち、光ピックアップ装置の本体部(ピックアップボディ)内の光学系からの照射光ビームは、光学ユニット10を通過して光ディスクに照射され、光ディスクからの反射光ビームは、光学ユニット10を通過してピックアップボディ内の光学系に供給される。 【0010】レンズホルダ11及び/又は液晶ホルダ15にはサスペンションばね17が設けられ、光学ユニット10を浮遊支持している。本実施例においては、サスペンションばね17は、コイル14に電力を供給するための導線を兼ねている。光学ユニット10は、磁束付与手段として働く、ピックアップボディに固定された磁石(図示しない)の間に配されている。また、コイル14は、フォーカシング及びトラッキングサーボのためのフォーカシングコイル及びトラッキングコイルを含んでいる。従って、光学ユニット10は、コイル14へ電流供給を行うことによって、ピックアップボディと相対的に、フォーカシング方向及びトラッキング方向に変位駆動されるようになっている。 【0011】後述するように、液晶素子16上には帯状の遮光部18が設けられている。一方、ピックアップボディには光センサ31が設けられており、遮光部18のトラッキング方向の変位が検出される。図2は、液晶素子16の構成を模式的に示す斜視図である。また、ピックアップボディに設けられた光センサ31も示してある。液晶素子16は、印加される駆動電圧の大きさに応じて生じる電界によって通過する光に対して複屈折変化をもたらす液晶21を有している。より詳細には、図3の断面図に示すように、この液晶素子16は、液晶21の両側にそれぞれ液晶配向膜23A、23B、透明絶縁層24A、24B、電極層25A、25B、及びガラス等からなる透明基板26A、26Bが形成されている。 【0012】電極層25A、25Bの間に駆動電圧が印加されると、その駆動電圧によって生じる電界に応じて液晶21内の液晶分子の配向が変化する。その結果、液晶21中を通過する光は、液晶21による複屈折を受けて位相が変化する。すなわち、液晶21を通過する光の位相は、液晶21に印加される駆動電圧によって制御することができる。従って、電極層25A、25Bを収差分布に応じた形状に形成し、収差の大きさに応じた電圧を印加することによって当該収差を補正することが可能になる。本実施例においては、球面収差を補正するために電極層25Aが同心円状(円環状)の複数の電極から構成された場合を例に示している。また、電極層25Bは、電極層25Aと同様に円環状に電極が形成されている。なお、電極層25Bの形状は円環状に限らず、例えば、全面に亘って透明導電体が形成された全面電極であってもよい。 【0013】図2に示すように、液晶21上には、電極層25Aの各電極に駆動電圧を供給するための配線電極28及び帯状の遮光部18が形成されている。遮光部18は、配線電極28と同一の材料から形成されている。あるいは、遮光部18は、配線電極28の一部を利用することも可能である。また、遮光部18は、トラッキング方向の垂直方向に延在し、液晶素子16内の各要素と電気的に絶縁されて液晶素子16から突き出た突出部29に渡って形成されている。突出部29は液晶素子16の一部、例えば、透明絶縁層24B及び透明基板26Bが突き出た構造を有している、あるいは、液晶素子16の下部に更に透明基板等を設けて同様な構造としてもよい。 【0014】トラッキングサーボ動作に伴って対物レンズ12がシフトすると、ピックアップボディに設けられた透過型光センサ31のセンサ光(図中、矢印)は遮光部18によって遮られ、トラッキング方向の変位が測定される。前述のように、液晶素子16は対物レンズ12に固定されて一体駆動されるので、光センサ31及び遮光部18によって対物レンズ12のトラッキング方向の変位を測定することができる。従って、トラッキングサーボ時に対物レンズ12と液晶素子16の位置がずれることがないので、液晶素子16の収差補正性能が劣化することがない。 【0015】従って、上記したように、光センサ31のターゲット(被検出部)として余分な部品を付加することなく対物レンズ12の位置の測定が可能となる。なお、上記実施例においては、液晶素子16に突出部29を設け、突出部29上の遮光部18を被検出部として用いる場合について説明したが、図4に示すように、突出部29を設けず、液晶素子16上の一部に平坦に遮光部18を設ける構造としてもよい。 [第2の実施例]図5は、本発明の第2の実施例である液晶素子16の構成を模式的に示す斜視図である。また、ピックアップボディに設けられた光センサ31も示してある。 【0016】本実施例において、遮光部18は、ストライプ形状の複数の遮光帯から構成されている。その他の構成は、上記した第1の実施例と同様である。複数のストライプ形状の遮光部18は、配線電極28と同一の電極材料を用いて形成されている。光センサ31は透過型である。トラッキングサーボ動作に伴って対物レンズ12がシフトすると、光センサ31のセンサ光は断続的に遮られる。従って、センサ受光部(図示しない)においてパルス信号が得られる。センサ受光部で検出されたこのパルス信号を演算することによって対物レンズ12の移動量を正確に測定することができ、光学式ポジションセンサとして動作する。 [第3の実施例]図6は、本発明の第3の実施例である液晶素子16の構成を模式的に示す斜視図である。また、ピックアップボディに設けられた光センサ32も示してある。本実施例において、光センサ32には反射型のものが用いられている。また、遮光部18は、ストライプ形状の複数の遮光帯から構成されている。複数の遮光帯の高反射率材料でできていることが好ましい。その他の構成は、上記した第1の実施例と同様である。 【0017】光センサ32のセンサ光は、液晶素子16の突出部29を透過し、遮光部18の遮光帯によって反射され、反射されたセンサ光は光センサ32の受光部で検出される。第2の実施例の場合と同様に、光センサ32の受光部により検出されたパルス信号を演算することによって対物レンズ12の移動量を正確に測定することができる。 [第4の実施例]図7は、本発明の第4の実施例である液晶素子16の構成を模式的に示す斜視図である。本実施例においては、液晶素子16には反射型のホログラム素子33A、33Bが設けられ、ピックアップボディにはホログラム素子33A、33Bからの反射光を受光するための2分割ディテクタ34A、34Bが設けられている。 【0018】図7及び図8の断面図に模式的に示すように、ホログラム素子33A、33Bは液晶素子16の有効径35の外側であって照射光ビーム径36の内側に配置され、2分割ディテクタ34A、34Bは照射光ビーム径36の外側となるように配置されている。本実施例においては、ホログラム素子33A、33Bによって照射光ビームの一部が反射され、反射光ビームは2分割ディテクタ34A、34Bで受光される。トラッキングサーボ動作に伴って対物レンズ12がシフトすると、2分割ディテクタ34A、34B上の反射光ビームのスポットは移動する。より詳細には、図9に示すように、対物レンズ12のシフトがゼロの場合には、2分割ディテクタ34A、34B(図9において、それぞれA,Bで示す)上のスポットはディテクタ中央に位置する。トラッキングサーボ動作に伴って対物レンズ12がプラス(+)方向にシフトすると、スポットはディテクタ中央からシフトし、対物レンズ12がマイナス(−)方向にシフトすると、スポットはその反対方向にシフトする。 【0019】上記したスポットのシフト量から対物レンズ12の移動量を確定することができる。すなわち、2分割ディテクタ(A)34Aの各ディテクタ素子の受光量をそれぞれA1,A2、同様に、2分割ディテクタ(B)34Bの各ディテクタ素子の受光量をB1,B2とすると、例えば、以下の式で対物レンズ12の移動量δが算出される。 δ=((A1+B1)-(A2+B2))/(A1+A2+B1+B2) (1) なお、上式において、2分割ディテクタ34A及び34Bの両者に入射する光量の総和(A1+A2+B1+B2)で除しているのは、光量分布の変化による誤差を低減するためである。 【0020】従って、上記したように、液晶素子16の有効径外にホログラム素子を光センサの被検出部として設けることによって対物レンズ12の位置の測定が可能となる。 [第5の実施例]図10は、本発明の第5の実施例である液晶素子16の構成を模式的に示す斜視図である。本実施例においては、光ピックアップは偏光ビーム系である。すなわち、照射光ビームとして偏光ビームが用いられている。また、プッシュプルトラッキングエラー方式によるトラッキングサーボがなされる。 【0021】図10及び図11に示すように、液晶素子16には、反射型のホログラム素子33A、33B、及びλ/4波長板38A、38Bが設けられている。また、ホログラム素子33A、33Bからの反射光を受光するための2分割ディテクタ34A、34Bが光ディスクからの反射光を検出する信号検出用の4分割受光素子39と同一平面内に設けられている。第4の実施例の場合と同様に、ホログラム素子33A、33B及びλ/4波長板38A、38Bは液晶素子16の有効径外であって照射光ビーム径の内側に配置されている。 【0022】本実施例においては、ホログラム素子33A、33Bによって照射光ビームの一部が反射され、反射光ビームは2分割ディテクタ34A、34Bで受光される。トラッキングサーボ動作に伴って対物レンズ12がシフトすると、受光素子39及び2分割ディテクタ34A、34B上の反射光ビームのスポットは移動する。より詳細には、図12に示すように、対物レンズ12のシフトがゼロの場合には、2分割ディテクタ34A、34B及び受光素子39(図12において、それぞれA,B,Cで示す)上のスポットはディテクタ中央に位置する。トラッキングサーボ動作に伴って対物レンズ12がプラス(+)方向にシフトすると、スポットはディテクタ中央からシフトし、対物レンズ12がマイナス(−)方向にシフトすると、スポットはその反対方向にシフトする。 【0023】上記したスポットのシフト量から対物レンズ12の移動量を確定することができる。すなわち、2分割ディテクタ34A、34Bの各ディテクタ素子の受光量A1,A2,B1,B2及び受光素子39の受光量C1,C2,C3,C4を用いて、例えば、以下の式で対物レンズ12の移動量(δ)、プッシュプルトラッキングエラー(ε)が算出される。 δ=((A1+B1)-(A2+B2))/(A1+A2+B1+B2) (2) ε=((C1+C4)-(C2+C3) (3) また、オフセット補正後のトラッキングエラー(ε')は、所定のゲインをGとすると、 ε'=ε−G×δ (4) で表される。 【0024】なお、上式において、2分割ディテクタ34A及び34Bの両者に入射する光量の総和(A1+A2+B1+B2)で除しているのは、光量分布の変化による誤差を低減するためである。通常のプッシュプル信号はトラックの回折の影響による明暗と対物レンズのシフトによるオフセットを分離できないが、上記した構成によれば、対物レンズのシフトを測定する光ビームにトラックの影響がないため、レンズシフト分だけのオフセットを測定することができる。 【0025】なお、上記した実施例においては、収差補正素子として液晶素子を用いた場合を例に説明したが、他の動作原理により収差補正をなす素子であってもよい。 【0026】 【発明の効果】上記したことから明らかなように、本発明によれば、トラッキングサーボ時においても収差補正性能が劣化することのない高性能な光ピックアップ装置を実現できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005016 【氏名又は名称】パイオニア株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年8月7日(2000.8.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079119 【弁理士】 【氏名又は名称】藤村 元彦
|
| 【公開番号】 |
特開2002−56565(P2002−56565A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−238598(P2000−238598) |
|