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【発明の名称】 光学ピックアップ装置
【発明者】 【氏名】根来 健一

【氏名】菅 健司

【要約】 【課題】一般に市販されている汎用的な光学部品を使用して薄型化が可能な光学ピックアップ装置を提供すること。

【解決手段】立上げミラー(MIR’)は、半導体レーザ(LD’)から出射されたレーザ光をその反射面で反射して対物レンズ(OL’)によって光ディスク(Disc)の信号記録面に集光させ、この信号記録面からの戻り光をその反射面で反射して光検出器(PD)で検出させる。光学ピックアップ装置のピックアップ下面に対する立上げミラー(MIR’)の反射面の立上げ角(θ’)は、45°より小さくなるように配置されて。これにより、半導体レーザおよび光検出器を含む光学部品を、ピックアップ下面から下方へはみださないように、光学ベースに対して傾けた状態で配置することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 半導体レーザから出射されたレーザ光を立上げミラーの反射面で反射して対物レンズによって光ディスクの信号記録面に集光し、該信号記録面からの戻り光を前記立上げミラーの反射面で反射して光検出器で検出する光学ピックアップ装置に於いて、当該光学ピックアップ装置のピックアップ下面に対する前記立上げミラーの反射面の立上げ角を45°より小さくし、これにより、前記半導体レーザおよび前記光検出器を含む光学部品を、前記ピックアップ下面から下方へはみださないように、光学ベースに対して傾けた状態で配置したことを特徴とする光学ピックアップ装置。
【請求項2】 前記光学部品として、前記半導体レーザから出射された1本のレーザ光を3本のレーザ光に分離する回折格子と、該回折格子からのレーザ光を反射すると共に前記戻り光を透過するビームスプリッタと、該ビームススプリッタと前記立上げミラーとの間に配置されたコリメートレンズと、前記ビームスプリッタと前記光検出器との間に配置された凹レンズとを更に含む、請求項1に記載の光学ピックアップ装置。
【請求項3】 前記光学部品として、前記半導体レーザから出射されかつ前記ビームスプリッタによって一部透過されたレーザ光の光量をモニタするフォワードセンサを更に含む、請求項2に記載の光学ピックアップ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク装置に内蔵され、光学的記録媒体(光ディスク)の再生を行なう光学ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、光学ピックアップ装置は、光源である半導体レーザから出射されたレーザ光を対物レンズによって光ディスクの信号記録面に集光し、その信号記録面からの戻り光を光検出手段である光検出器で検出する装置である。
【0003】以下、図面を参照して、従来の光学ピックアップ装置について説明する。図3および図4は、それぞれ、従来の光学ピックアップ装置の光学系を示す平面図および正面図である。
【0004】光学ピックアップ装置は、半導体レーザ(レーザダイオード)LDと、回折格子GRTと、ビームスプリッタBSと、コリメートレンズCLと、立上げミラーMIRと、対物レンズOLと、凹レンズ(拡大レンズ)ELと、光検出器(受光素子)PDと、フォワードセンサFSとを有する。尚、Diskは光ディスクである。
【0005】このような構成の光学ピックアップ装置において、手前に配置されている半導体レーザLDから水平前方向へ出射された1本のレーザ光は、回折格子GRTで3本のレーザ光に分離され、ビームスプリッタBSで直角に折り曲げられて水平左方向へ進む。尚、ビームスプリッタBSは、入射したレーザ光を反射光と透過光に一定割合で分離し、例えば入射したレーザ光の80%を反射し、20%を透過するように構成される。フォワードセンサFSは、フロントモニタとも呼ばれ、このビームスプリッタBSを透過してきたレーザ光の光量をモニタするためのものである。この水平左方向へ進むレーザ光は、コリメートレンズCLで平行光にされた後、立上げミラーMIRの反射面で反射されることにより直角に折り曲げられて鉛直上方へ進み、対物レンズOLを介して光ディスクDiskの信号記録面へ集光(照射)される。
【0006】光ディスクDiscの信号記録面からの反射光(戻り光)は、鉛直下方向へ進み、対物レンズOLを通過し、立上げミラーMIRの反射面で反射されることにより直角に折り曲げられて水平右方向へ進み、コリメートレンズCL、ビームスプリッタBS、凹レンズELを通して光検出器PDで検出される。
【0007】尚、図4から明らかなように、半導体レーザLD、ビームスプリッタBS、コリメートレンズCL、立上げミラーMIR、および光検出器PDは、ピックアップ下面より上に配置されている。そして、半導体レーザLD、回折格子GRT、ビームスプリッタBS、コリメートレンズCL、立上げミラーMIR、凹レンズEL、光検出器PD、およびフォワードセンサFDなどの光学部品は、図示しない光学ベースに保持されている。また、対物レンズOLは、レンズホルダ(図示せず)によって保持され、レンズホルダは、光学ベースに対して微動可能に支持されている。ピックアップ下面は、光学ベース下面である。とにかく、従来の光学ピックアップ装置では、立上げミラーMIRの反射面は、ピックアップ下面に対して45°傾けた状態で配置されている。換言すれば、ピックアップ下面に対する立上げミラーMIRの反射面の立上げ角θは、45°である。
【0008】このような構成の光学ピックアップ装置は、図示しないピックアップ駆動部によって、光ディスクDiscに対して所定のディスク半径方向に移動される。すなわち、光学ピックアップ装置は、光ディスク装置のシャーシ(図示せず)上に摺動可能に支持されており、シャーシ上面とピックアップ下面とは互いにほんの僅かな距離離間して配置されることになる。したがって、上述した光学部品がピックアップ下面(光学ベース下面)より下方へ突出することは好ましくない。また、上述した光学部品としては、一般に市販されている汎用的な光学部品を使用することができる。
【0009】近年、光ディスク装置の薄型化が進んでいる。これに伴って、光学ピックアップ装置も薄型化することが要求されている。尚、光学ピックアップ装置の「高さ寸法」とは、光学ベース下面から光ディスクDiscの下面までの寸法Hのことを言う。
【0010】光学ピックアップ装置の薄型化を図るために、半導体レーザ、光検出器、回折格子、ホログラム素子を一体化した送受光ユニットが良く用いられる。
【0011】また、これら送受光ユニットを使ってさらに薄型化する手段は、例えば、特開平10−177733号公報や特開平8−36779号公報に開示されている。
【0012】しかしながら、このような送受光ユニットは高価であるという問題がある。これに対し、汎用的な光学部品は、価格も安いので、これらを用いた光学ピックアップ装置は、送受光ユニットを用いた光学ピックアップ装置と比較して価格的に有利であるという利点がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、半導体レーザLDと光検出器PDとが分離して配置されている構造の、従来の光学ピックアップ装置においては、光学ピックアップ装置の高さ寸法Hを小さくするには、ビームスプリッタBSや立上げミラーMIRおよび光検出器PDの高さを低く、対物レンズOLやコリメートレンズCL、凹レンズELおよびレーザダイオード(半導体レーザ)LDの外形を小さくしなければならない。
【0014】これら光学部品の中で、ビームスプリッタBSや立上げミラーMIRの材質はガラスであることが多く、カットする制約もほとんどないため、比較的容易にそれらの高さを低くすることができる。また、対物レンズOLやコリメートレンズCLおよび凹レンズELの材質はガラスやプラスチックであるのがほとんどで、プレス法やモールド法で形成される。したがって、対物レンズOLやコリメートレンズCLおよび凹レンズELも、それらの外形を小さくしたり、ピックアップ下面側を切断して、それらの高さを低くすることができる。さらに、レーザダイオード(半導体レーザ)LDは、通常直径φ5.6mmの外形を有しているが、その一部分を切断したD形状の外形を有するレーザダイオードも市販されているので、比較的容易にその高さを低くすることができる。
【0015】これに対して、光検出器PDは、図5に示されるように、信号取り出し用のピン(取出端子)が水平に一定間隔(ピッチ)を空けて配置されている。よって、光検出器PDの高さHPDを低くするには、ピンのピッチを狭くするか、ピン数を減らさなくてはならない。しかしながら、後で詳述するように、実装上の問題や特性上の問題で、光検出器PDは容易にピンピッチを狭くしたり、ピン数を減らして、その高さHPDを低くすることはできない。
【0016】その結果、従来の光学ピックアップ装置を単純に薄型化(小型化)した場合、図6に示されたような構成にせざるを得ない。図6において、LD’、BS’、CL’、MIR’、OL’、およびEL’は、それぞれ、図4に示す対応するものを小型化した、半導体レーザ、ビームスプリッタ、コリメートレンズ、立上げミラー、対物レンズ、および凹レンズである。ピックアップ下面に対する立上げミラーMIR’の反射面の立上げ角θも45°である。光学ピックアップ装置の高さ寸法H’は、H’<Hである。すなわち、前述したように、光学部品の中で光検出器PDのみ小型化(すなわち、その高さHPDを低く)できないので、光検出器PDの下部がピックアップ下面より下方へ突出して(はみだして)しまう。前述したように、光学ピックアップ装置は、光ディスク装置のシャーシ上に摺動可能に支持されており、シャーシ上面とピックアップ下面とは互いにほんの僅かな距離離間して配置される。そのため、結果として、光学ピックアップ装置を薄型化することが困難になってしまう。
【0017】次に、光検出器PDを小型化できない理由について詳細に説明する。図5において、(A)は光検出器PDの正面図、(B)は光検出器PDの左側面図である。
【0018】光検出器PDの取出端子(ピン)は金属製で、その材料としてはアルミニウムなどが良く用いられる。この取出端子(ピン)は、図3に示されるように、およそ90°に折り曲げられ、基板やフレキシブル基板(FPC)に挟んで取り付けられる。
【0019】光学ピックアップ装置では、この光検出器PDはFPC上の穴にこれら取付端子(ピン)を通し、はんだ付けすることが多い。この場合、図7に示されるように、FPCの穴径は、取付端子幅A(公差含む)より大きくし、かつはんだが付く金属部分が必要になる。
【0020】よって、隣接する取付端子間距離(ピッチ)を短くすると、FPCの金属部分(はんだが付く部分)が重なってしまったり、はんだが隣接する取付端子と接触したりして、短絡する可能性が高くなる。
【0021】一方、この取付端子の幅Aを短くすると、取付端子が細くなり十分な強度が得られず、FPCにはんだ付けした後に軽微な力が加わっただけでも、ズレが発生する可能性が高くなる。
【0022】以上述べたような理由から、簡単に取付端子の幅Aや隣接する取付端子間距離(ピッチ)を短くして、光検出器PDの高さHPDを低くすることが出来ない。
【0023】それ故に本発明の課題は、一般に市販されている汎用的な光学部品を使用して薄型化が可能な光学ピックアップ装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、半導体レーザ(LD’)から出射されたレーザ光を立上げミラー(MIR’)の反射面で反射して対物レンズ(OL’)によって光ディスク(Disc)の信号記録面に集光し、該信号記録面からの戻り光を前記立上げミラー(MIR’)の反射面で反射して光検出器(PD)で検出する光学ピックアップ装置に於いて、当該光学ピックアップ装置のピックアップ下面に対する前記立上げミラー(MIR’)の反射面の立上げ角(θ’)を45°より小さくし、これにより、前記半導体レーザおよび前記光検出器を含む光学部品を、前記ピックアップ下面から下方へはみださないように、光学ベースに対して傾けた状態で配置したことを特徴とする光学ピックアップ装置が得られる。
【0025】なお、上記光学部品としては、前記半導体レーザ(LD’)から出射された1本のレーザ光を3本のレーザ光に分離する回折格子(GRT)と、該回折格子からのレーザ光を反射すると共に前記戻り光を透過するビームスプリッタ(BS’)と、該ビームススプリッタと前記立上げミラーとの間に配置されたコリメートレンズ(CL’)と、前記ビームスプリッタと前記光検出器との間に配置された凹レンズ(EL’)とを更に含む。また、上記光学部品として、前記半導体レーザから出射されかつ前記ビームスプリッタによって一部透過されたレーザ光の光量をモニタするフォワードセンサ(FS)を更に含んでも良い。
【0026】尚、上記括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、これらに限定されないのは勿論である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0028】図1を参照して、本発明の一実施の形態に係る光学ピックアップ装置について説明する。
【0029】図示の光学ピックアップ装置は、構成部品が図6に示されたものと同一であるが、後述するように、立上げミラーMIR’の反射面の立上げ角θ’が異なると共に、光学部品の配置の仕方が異なる。
【0030】すなわち、ピックアップ下面に対する立上げミラーMIR’の反射面の立上げ角θ’を45°より小さくしている。そして、図1に示されるように、半導体レーザLD’、光検出器PD、回折格子GRT、コリメートレンズCL’、凹レンズEL’、およびフォワードセンサFSの光学部品を、ピックアップ下面から下方へはみださないように、光学ベース(図示せず)に対して傾けた状態で配置している。
【0031】図2に、従来における立上げミラーMIR’の反射面の立上げ角θ(図6)と本発明による立上げミラーMIR’の反射面の立上げ角θ’との関係を図示する。従来では、立上げミラーMIR’の反射面の立上げ角θが45°であるので、立上げミラーMIR’に入射するレーザ光およびこの立上げミラーMIR’から反射する戻り光の光軸は、ピックアップ下面に対して平行であった。
【0032】これに対して、本発明による立上げミラーMIR’の反射面の立上げ角θ’は45°より小さいので、立上げミラーMIR’に入射するレーザ光およびこの立上げミラーMIR’から反射する戻り光の光軸は、ピックアップ下面に対して角度αだけ上方に傾いている。この角度αは、α=90°−2θ’で表される。
【0033】これにより、たとえ光検出器PDを小型化することができなくとも、図1に示されるように、半導体レーザLD’、光検出器PD、回折格子GRT、コリメートレンズCL’、凹レンズEL’、およびフォワードセンサFSの光学部品を、ピックアップ下面から下方へはみださないように、光学ベースに配置することができる。従って、光学ピックアップ装置を薄型化することができる。
【0034】次に、図1に示した光学ピックアップ装置の動作について説明する。
【0035】手前に配置されている半導体レーザLD’からの、水平面(ピックアップ下面)に対して角度αだけ下方に傾いた状態で前方向へ出射された1本のレーザ光は、回折格子GRT(図3)で3本のレーザ光に分離され、ビームスプリッタBS’で直角に折り曲げられて、水平面に対して角度αだけ下方に傾いた状態で左方向へ進む。尚、ビームスプリッタBS’は、入射したレーザ光を反射光と透過光に一定割合で分離し、例えば入射したレーザ光の80%を反射し、20%を透過するように構成される。フォワードセンサFS(図3)は、このビームスプリッタBS’を透過してきたレーザ光の光量をモニタする。この水平面に対して角度αだけ下方に傾いて左方向へ進むレーザ光は、コリメートレンズCL’で平行光にされた後、立上げミラーMIR’の反射面で反射されて鉛直上方へ進み、対物レンズOLを介して光ディスクDiskの信号記録面へ集光(照射)される。
【0036】光ディスクDiscの信号記録面からの反射光(戻り光)は、鉛直下方向へ進み、対物レンズOLを通過し、立上げミラーMIR’の反射面で反射されて、水平面に対して角度αだけ上方に傾いた状態で(図2)右方向へ進み、コリメートレンズCL’、ビームスプリッタBS’、凹レンズEL’を通して光検出器PDで検出される。
【0037】本発明は上述した実施の形態に限定せず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更・変形が可能なのは勿論である。すなわち、本発明による光学ピックアップ装置は、半導体レーザと光検出器とが分離して配置され、立上げミラーおよび対物レンズを備えた構造のものであれば、どのような構成でも良いので、光学部品としては上述したものに限定されないのは勿論である。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ピックアップ下面に対する立上げミラーの反射面の立上げ角を45°より小さくしたので、たとえ光検出器の小型化ができなくとも、光学ピックアップ装置を薄型化することができる。
【出願人】 【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
【出願日】 平成12年8月10日(2000.8.10)
【代理人】 【識別番号】100071272
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 洋介 (外1名)
【公開番号】 特開2002−56561(P2002−56561A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−242648(P2000−242648)