| 【発明の名称】 |
光ピックアップ装置及びチルト量検出方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】柳澤 琢麿
【氏名】荒木 良嗣
【氏名】前田 孝則
【氏名】岩崎 正之
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】記録媒体から反射された回折光を受光する受光手段と、受光手段において受光した反射光のうち、0次回折光と0次回折光以外の回折光のうち少なくとも1つの回折光との干渉領域の光強度に基づいて当該記録媒体のチルト量を検出する検出手段と、を有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 記録媒体の記録面に光ビームを照射して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置であって、前記記録媒体から反射された回折光を受光する受光手段と、前記受光手段において受光した反射光のうち、0次回折光と前記0次回折光以外の回折光のうち少なくとも1つの回折光との干渉領域の光強度に基づいて前記記録媒体のチルト量を検出する検出手段と、を有することを特徴とする光ピックアップ装置。 【請求項2】 前記検出手段は、前記干渉領域の外周部及び内周部の光強度差に基づいて前記記録媒体のチルト量を検出することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。 【請求項3】 前記検出手段は、前記干渉領域のうち少なくとも1の干渉領域の光強度に基づいて前記チルト量を検出することを特徴とする請求項1又は2記載の光ピックアップ装置。 【請求項4】 前記受光手段は、前記記録媒体のタンジェンシャル方向に沿って3分割して得られた領域の各々に配された3個の受光素子を含む3分割ディテクタであり、前記受光素子の受光信号を前記タンジェンシャル方向に沿って順にL1,L2,L3としたとき、前記ラジアルチルト量を表すラジアルチルト信号Sは、S=L1−L2+L3で表されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の光ピックアップ装置。 【請求項5】 前記少なくとも1つの回折光は、+1次回折光及び−1次回折光のうちいずれか1を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1に記載の光ピックアップ装置。 【請求項6】 前記記録媒体は回転記録媒体であり、前記検出手段は、前記記録媒体のラジアル方向における回折光干渉領域の光強度に基づいて前記記録媒体のラジアルチルト量を検出することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1に記載の光ピックアップ装置。 【請求項7】 前記受光手段は、前記反射光を受光して前記ラジアル方向におけるプッシュプル信号であるラジアルプッシュプル信号を生成する手段を有し、前記検出手段は、前記ラジアルチルト量を表すチルト信号強度から前記ラジアルプッシュプル信号に所定係数を乗じた値を減じて補正ラジアルチルト量を算出する補正手段を有することを特徴とする請求項6に記載の光ピックアップ装置。 【請求項8】 前記受光手段は、前記反射光を受光して前記記録媒体のタンジェンシャル方向におけるプッシュプル信号であるタンジェンシャルプッシュプル信号を前記記録媒体のラジアル方向に関して少なくとも2つ生成する手段を有し、前記検出手段は、当該少なくとも2つのタンジェンシャルプッシュプル信号振幅が実質的に等しくなるように前記ラジアルチルト量を表すチルト信号を補正する補正手段を有することを特徴とする請求項6に記載の光ピックアップ装置。 【請求項9】 前記補正手段は前記タンジェンシャルプッシュプル信号の各々を増幅する増幅手段と、前記タンジェンシャルプッシュプル信号振幅が実質的に等しくなるように前記増幅手段の利得を調整する手段と、を有することを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ装置。 【請求項10】 前記記録媒体の記録領域はランド部及びグルーブ部からなることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1に記載の光ピックアップ装置。 【請求項11】 前記受光手段は、前記記録媒体のラジアル方向に沿って2分割し更に前記記録媒体のタンジェンシャル方向に沿って3分割して得られた領域の各々に配された6個の受光素子を含む6分割ディテクタであることを特徴とする請求項1ないし3及び5ないし10のいずれか1に記載の光ピックアップ装置。 【請求項12】 前記受光手段は、前記記録媒体のラジアル方向に沿って2分割し更に前記記録媒体のタンジェンシャル方向に沿って3分割して得られた領域の各々に配された6個の受光素子を含む6分割ディテクタであり、前記記録媒体のラジアル方向に対向する受光素子の各対の受光信号を前記タンジェンシャル方向に沿って順に(L1,R1)、(L2,R2)及び(L3,R3)としたとき、前記ラジアルチルト量を表すラジアルチルト信号Sは、S=(L1−L2+L3)−(R1−R2+R3) で表されることを特徴とする請求項11に記載の光ピックアップ装置。 【請求項13】 前記受光手段は、前記記録媒体のラジアル方向に沿って2分割し更に前記記録媒体のタンジェンシャル方向に沿って3分割して得られた領域の各々に配された6個の受光素子を含む6分割ディテクタであり、前記ラジアル方向に対向する受光素子の各組の受光信号を前記タンジェンシャル方向に沿って順に(L1,L2,L3)及び(R1,R2,R3)とし、前記所定係数をαとしたとき、前記ラジアルチルト量を表すラジアルチルト信号S、前記ラジアルプッシュプル信号Pr、及び前記補正ラジアルチルト量を表す補正ラジアルチルト信号S’は、S’=S−α×PrS=(L1−L2+L3)−(R1−R2+R3) Pr=(L1+L2+L3)−(R1+R2+R3) で表されることを特徴とする請求項7に記載の光ピックアップ装置。 【請求項14】 前記受光手段は、前記記録媒体のラジアル方向に沿って2分割し更に前記記録媒体のタンジェンシャル方向に沿って3分割して得られた領域の各々に配された6個の受光素子を含む6分割ディテクタであり、前記増幅手段は前記受光信号の各組を増幅する2つの増幅器を含み、前記ラジアル方向に対向する受光素子の各組の受光信号を前記タンジェンシャル方向に沿って順に(L1,L2,L3)及び(R1,R2,R3)とし、前記各組の受光信号を増幅する増幅手段の利得をそれぞれGL及びGRとしたとき、前記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅PTL,PTR、及び当該補正ラジアルチルト量を表す補正ラジアルチルト信号S’は、S’=GL×(L1−L2+L3)−GR×(R1−R2+R3) PTL=L1−L3PTR=R1−R3GL×PTL≒GR×PTRで表されることを特徴とする請求項9に記載の光ピックアップ装置。 【請求項15】 前記受光手段は、前記記録媒体のラジアル方向に沿って2分割し更に前記記録媒体のタンジェンシャル方向に沿って4分割して得られた領域の各々に配された8個の受光素子を含む8分割ディテクタであり、前記増幅手段は前記受光信号の各組を増幅する2つの増幅器を含み、前記ラジアル方向に対向する受光素子の各組の受光信号を前記タンジェンシャル方向に沿って順に(L1,L2,L3,L4)及び(R1,R2,R3,R4)とし、前記各組の受光信号を増幅する増幅手段の利得をそれぞれGL及びGRとしたとき、前記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅PTL,PTR、及び当該補正ラジアルチルト量を表す補正ラジアルチルト信号S’は、S’=GL×(L1−L2−L3+L4)−GR×(R1−R2−R3+R4) PTL=L1+L2−L3−L4PTR=R1+R2−R3−R4GL×PTL≒GR×PTRで表されることを特徴とする請求項9に記載の光ピックアップ装置。 【請求項16】 記録面に光ビームを照射して情報の記録及び/又は再生を行う記録媒体のチルト量を検出する方法であって、前記記録媒体から反射された回折光を受光するステップと、前記受光するステップにおいて受光した反射光のうち、0次回折光と前記0次回折光以外の回折光のうち少なくとも1つの回折光との干渉領域の光強度に基づいて前記記録媒体のチルト量を表すチルト信号を生成するステップと、を有することを特徴とする方法。 【請求項17】 前記チルト信号を生成するステップは、前記干渉領域の外周部及び内周部の光強度差に基づいて前記チルト信号を生成することを特徴とする請求項16に記載の方法。 【請求項18】 前記チルト信号を生成するステップは、前記干渉領域のうち少なくとも1の干渉領域の光強度に基づいて前記チルト量を生成することを特徴とする請求項16又は17記載の方法。 【請求項19】 前記少なくとも1つの回折光は、+1次回折光及び−1次回折光のうちいずれか1を含むことを特徴とする請求項16ないし18いずれか1に記載の方法。 【請求項20】 前記記録媒体は回転記録媒体であり、前記チルト信号を生成するステップは、前記記録媒体のラジアル方向における回折光干渉領域の光強度に基づいて前記記録媒体のラジアルチルト信号を生成することを特徴とする請求項16ないし19のいずれか1に記載の方法。 【請求項21】 前記受光するステップは、前記反射光を受光して前記ラジアル方向におけるプッシュプル信号であるラジアルプッシュプル信号を生成するステップを含み、前記チルト信号を生成するステップは、前記ラジアルチルト量を表すラジアルチルト信号強度から前記ラジアルプッシュプル信号に所定係数を乗じた値を減じて補正ラジアルチルト量を算出するステップを含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。 【請求項22】 前記受光するステップは、前記反射光を受光して前記記録媒体のタンジェンシャル方向におけるプッシュプル信号であるタンジェンシャルプッシュプル信号を前記記録媒体のラジアル方向に関して少なくとも2つ生成するステップを含み、前記チルト信号を生成するステップは、当該少なくとも2つのタンジェンシャルプッシュプル信号振幅が実質的に等しくなるように前記ラジアルチルト量を表すチルト信号を補正するステップを含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体を用いて情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置、特に、当該記録媒体のチルト量を検出する光ピックアップ装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、数ギガバイト(Gbyte)の記録容量を有する追記型のDVD−R(Digital Versatile Disc - Recordable)、及び書換可能なDVD−RW(DVD - Rewritable)、DVD−RAM(DVD - Random Access Memory)等、種々の大容量デジタル光学式記録媒体の開発が進められている。このような光ディスクの記録再生装置では、一般に、記録又は再生時において光ディスクを回転させた際、光ディスクの反りなどによって光ピックアップから照射された光ビームの光軸と照射位置における光ディスクの法線とにずれが生じる。このずれの角度はチルト角と呼ばれ、主に光ディスクの半径方向(以下、「ラジアル方向」と称する)で発生し、光学系のコマ収差などの要因となる。従って、チルト角が生じることにより、隣接するトラックとのクロストークやジッターなどの信号劣化が引き起こされ、光ディスクの再生品質に悪影響を与える。また、特にDVDのように高密度記録を行う場合では、レーザビームのスポット径を小さくするために、レーザ光の波長を短くし、対物レンズの開口数NAを大きくする必要があるため、チルト角に対するマージンが小さくなる。すなわち、高密度記録化によって、光ディスクが僅かに傾いていても隣接ピットからの影響が無視できなくなり再生品質の大きな劣化を招く。 【0003】ラジアルチルトサーボを行う場合には、ラジアルチルト量をモニタするためのチルト信号が必要であるが、情報記録再生用の光学系とは別個にチルト量を検出するためのチルトセンサを設けた場合では、光ピックアップの焦点位置と当該チルトセンサによるチルト検出位置が異なるために、正確なチルト量が得られない、製造上のコストが嵩むと共に重くまた小型化が困難であるという欠点がある。また、当該チルトセンサの経年変化等に起因して検出精度が低下するなど、種々の欠点を有する。これらの欠点を回避するため、チルトセンサを別途設けずにチルトを検出する種々の方法が開示されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来の、チルトセンサを別途設けずにチルトを検出するチルトサーボ装置としては、例えば、特開平11−110769号公報に開示されたものがある。当該チルトサーボにおいては、左右の隣接トラックからのクロストーク量の差分をとることでラジアルチルト信号を生成している。しかしながら、クロストーク量を検出するための複雑な回路が必要である。また、1ビーム系の光ピックアップで実現するためには、クロストーク量を検出するためにディスクが3周する間のデータをバッファに保存しておく必要がある。さらに、データが既に記録されていることが必要であるため、再生専用ディスク、あるいは書換可能ディスクの場合では記録後の再生時にしか適用できない。 【0005】また、特開2000−149298号公報に開示されたチルト検出方法においては、DPP(Differential Push-Pull)トラッキング信号とDPD(Differential Phase Detection)トラッキング信号との差分をとることでラジアルチルト信号を生成している。しかしながら、CD−RやDVD−RWのグルーブ記録の場合には3ビーム光学系が必須である。また、DPDトラッキング信号を得る必要があるため、記録時に適用するためにはディスクにアドレス等のプリピット部が存在しなければならない。 【0006】さらに、特開2000−137923号公報に開示されたチルト検出方法においては、DVD−RAMディスクのCAPA(Complimentary Allocated Pit Address)のように、トラック中心から左右に偏倚して配置された同一のプリピット列を再生した場合の信号の変化量をモニタすることでラジアルチルト信号を生成している。しかしながら、当該同一のプリピット列が存在する場合にしか適用できない。従って、再生専用ディスクには適用できない。 【0007】本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、種々のディスク及び光学系に適用できる広範囲な適用可能性を有すると共に、高精度にチルト量を検出可能な高性能かつ小型化にも適した光ピックアップ装置を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明による光ピックアップ装置は、記録媒体の記録面に光ビームを照射して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置であって、記録媒体から反射された回折光を受光する受光手段と、受光手段において受光した反射光のうち、0次回折光と0次回折光以外の回折光のうち少なくとも1つの回折光との干渉領域の光強度に基づいて記録媒体のチルト量を検出する検出手段と、を有することを特徴としている。 【0009】本発明によるチルト量検出方法は、記録面に光ビームを照射して情報の記録及び/又は再生を行う記録媒体のチルト量を検出する方法であって、記録媒体から反射された回折光を受光するステップと、受光するステップにおいて受光した反射光のうち、0次回折光と0次回折光以外の回折光のうち少なくとも1つの回折光との干渉領域の光強度に基づいて記録媒体のチルト量を表すチルト信号を生成するステップと、を有することを特徴としている。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する図において、実質的に同等な構成要素には同一の参照符を付している。 [第1の実施例]図1は、本発明による光ピックアップ装置の構成を概略的に示す図である。光源2から射出されたレーザ光はコリメータレンズ3により平行光とされ、回折格子4に入射される。回折格子4は、レーザ光ビームを主ビームBM及び第1、第2の副ビームBS1、BS2に分離する。すなわち、3ビーム構成の光ピックアップ装置である。これらのビームBM、BS1、BS2はビームスプリッタ5を透過し、λ/4波長板6を通過して円偏光ビームとして対物レンズ7により集光され、光ディスク8に照射される。光ディスク8の記録面により反射された反射光ビームは、対物レンズ7、λ/4波長板6及びビームスプリッタ5を経て集光レンズ9により集光されて受光部(ディテクタ)10で検出される。ディテクタ10で検出された上記ビームBM、BS1、BS2の各受光信号は図示しない信号処理部に供給されると共に、後述するように、光ディスク8の反射光ビームからチルト量を検出してチルト信号をするチルト信号生成部11に供給される。なお、上記信号処理部においては、読み取りデータ信号が生成されると共に、トラッキング及びフォーカス制御のための信号処理がなされる。 【0011】図2は、ディテクタ10の構成を示す図である。ディテクタ10は、主ビーム用のセンタディテクタ12、及び副ビーム用の2つのサイドディテクタ13、14から構成されている。センタディテクタ12は、光ディスク8のラジアル方向に沿って2分割し更にタンジェンシャル方向に沿って3分割して得られた領域の各々に配された6個の受光素子を含む6分割ディテクタであり、ビームスポット15を受光する。 【0012】図2に示すように、ラジアル方向に対向する2組の受光素子のうち1組をタンジェンシャル方向に沿って順にL1,L2,L3とし、他の1組をR1,R2,R3とする。なお、以下においては説明の便宜のため、上記受光素子による検出信号についても同一の参照符L1〜L3、R1〜R3を用いて説明する。センタディテクタ12の分割幅に関しては、中央部に位置する受光素子L2及びR2の幅(W)が、ビームスポットの直径を1としたときに、0.6(すなわち、W=0.6)となるように分割されている。この値Wは、対物レンズ7の開口数NA、光源の波長λ及びトラックピッチ(グルーブピッチ)等によって変化するので、用いられる装置に対して最適な値を選択すればよい。 【0013】一般的な光ディスクにおいては、グルーブピッチ若しくはトラックピッチはλ/(2×NA)以上である。この場合には、図3に示すように、光ディスクに照射された光ビームはグルーブ17若しくはデータ記録領域において回折され、少なくとも0次回折光21、+1次回折光22及び−1次回折光23に分かれる。これらの回折光は光路中においてそれらの一部が互いに重なり干渉領域25が生じる。すなわち、0次回折光21と+1次回折光22との干渉領域25A、及び0次回折光21と−1次回折光23との干渉領域25Bが生じる。 【0014】再生又は記録時において、照射光ビームがグルーブ17上にあり、ラジアルチルトが生じた場合のセンタディテクタ12上のスポット光強度分布を、ラジアルチルトが0.2°、0.4°、及び0.6°、また、ラジアルチルトが0°の場合を図4に示す。また、破線で示すようにディテクタ中心を通り、ラジアル方向に平行な断面における光強度分布をスポット径を1に規格化した相対スポット径に対して図5に示す。図5から分かるように、ラジアルチルトが大きくなる程、回折光の干渉領域の内周部27と外周部28との光強度差が大きくなる。つまり、この内周部27と外周部28との光強度差をモニタすればラジアルチルト量がわかる。あるいは、内周部27及び外周部28の何れかと他の領域、例えば、スポット中央部29との光強度差を検出することによってラジアルチルト量を知ることができる。 【0015】図6は、ディテクタ12及びチルト信号生成部11の構成の一例を示すブロック図である。ディテクタ12は、上記した6分割ディテクタであり、光ディスク8のタンジェンシャル方向に沿って配された3個の受光素子R1〜R3によって検出された信号のうち検出信号R1及びR3は加算器31に供給されて加算される。加算信号(R1+R3)及び検出信号R2は減算器32に供給され、加算信号(R1+R3)から検出信号R2が減算されて、減算信号(R1−R2+R3)が減算器33に供給される。一方、もう1組の検出信号L1〜L3も同様な演算を施され、減算信号(L1−L2+L3)が減算器33に供給される。減算器33において、減算信号(L1−L2+L3)から減算信号(R1−R2+R3)が減算され、ラジアルチルト信号として、 S=(L1−L2+L3)−(R1−R2+R3) (1) が得られる。すなわち、この場合では、干渉領域25の内周部27と外周部28との光強度差に基づいてラジアルチルト量を検出している。 【0016】図7に、ラジアルチルト角を変えてラジアルチルト信号Sをプロットした結果を示す。ラジアルチルト角に応じてラジアルチルト信号Sは単調に変化している。従って、上記した方法によって得られるラジアルチルト信号Sを用いることにより、良好なチルトサーボ制御が可能であることがわかる。ここで、この際行ったトラッキングサーボ制御においては、ラジアルプッシュプル信号PrとしてPr=(L1+L2+L3)−(R1+R2+R3)を用いた。また、光ディスクにはデータを未記録の状態とした。なお、データが記録された光ディスクの場合では、検出信号にRF信号成分が含まれるが、ローパスフィルタによってRF信号成分を除去できるので、上記したのと同様なラジアルチルト信号Sを得ることが可能である。 【0017】なお、本実施例においては、L1〜L3及びR1〜R3の両方を用いたが、どちらか一方のみ、すなわち、S=L1−L2+L3、もしくはS=R1−R2+R3としてもよい。 [第2の実施例]本発明の第2の実施例であるチルト検出方法について述べる前に、本実施例が特に有効に働く、光軸ずれがある場合のラジアルチルト信号について以下に説明する。 【0018】通常の光ピックアップ装置では、ディスクが偏心していると、トラッキングサーボにより対物レンズがラジアル方向に振られ、その結果、ディテクタ上のスポットがラジアル方向にシフトする。すなわち、光軸ずれ(δ)が生じる。光軸ずれ(δ)がある場合の、ラジアルチルト信号強度のシミュレーション結果を図8に示す。なお、この際、光軸ずれによるトラッキングオフセットをキャンセルするためにトラッキングサーボではDPP(Differential Push-Pull)トラッキング信号を用いた。 【0019】図8は、光軸ずれ(δ)が0,3,6%の場合を示すが、ラジアルチルトがゼロであるにも拘わらずラジアルチルト信号がゼロにならないことがわかる。すなわち、ラジアルチルト信号にオフセットが生じることになる。図9は、光軸ずれ(δ)が0,3,6%に対するラジアルプッシュプル信号Prのシミュレーション結果を示している。図8及び図9から、ラジアルチルト信号のオフセット量とラジアルプッシュプル信号Prの大きさとは略比例していることがわかる。従って、第1の実施例において説明したラジアルチルト信号S=(L1−L2+L3)−(R1−R2+R3)をラジアルプッシュプル信号Pr=(L1+L2+L3)−(R1+R2+R3)で補正することによって、光軸ずれ(δ)によってラジアルチルト信号に生じるオフセットを補正することができる。すなわち、当該補正を行った後の補正ラジアルチルト信号S’は次式で表される。 S’=(L1−L2+L3)−(R1−R2+R3)−α×Pr (2) ここで、αは所定の補正係数である。 【0020】次に、上記した本発明の第2の実施例であるチルト検出方法を実行するためのディテクタ12及びチルト信号生成部11の構成の一例を図10のブロック図に示す。なお、ディテクタ12の構成は第1の実施例の場合と同様である。光ディスク8のタンジェンシャル方向に沿って配された3個の受光素子R1〜R3によって検出された検出信号R1,R2,R3は、第1の実施例の場合と同様に、加算器31及び減算器32によって演算され、得られた信号(R1−R2+R3)は減算器33に供給される。また、タンジェンシャル方向に沿ったもう1組の受光素子L1〜L3によって検出された検出信号L1,L2,L3もまた加算器31及び減算器32によって演算され、得られた信号(L1−L2+L3)は減算器33に供給される。減算器33においてラジアルチルト信号S=(L1−L2+L3)−(R1−R2+R3)が得られる。 【0021】一方、検出信号R1,R2,R3,L1,L2,L3は、加算器35,36及び減算器37によって演算され、ラジアルプッシュプル信号Pr=(L1+L2+L3)−(R1+R2+R3)が減算器37から係数演算器38に供給される。係数演算器38においてラジアルプッシュプル信号Prに補正係数(α)が乗算される。減算器39においてラジアルチルト信号Sから補正値α×Prが減算され、補正ラジアルチルト信号S’={(L1−L2+L3)−(R1−R2+R3)}−α×Prが得られる。 【0022】図11に、上記したチルト検出方法を実行した場合におけるラジアルチルトに対する補正ラジアルチルト信号S’を、光軸ずれδ=0,3,6%をパラメータとしてプロットした結果を示す。光軸ずれ(δ)が生じた場合であっても補正ラジアルチルト信号S’にはオフセットが生じていない。従って、上記した方法によって得られる補正ラジアルチルト信号S’を用いることにより、良好なチルトサーボ制御が可能であることがわかる。 【0023】なお、DPP信号を用いたトラッキングサーボを行った場合を示したが、3ビーム法でも同様な効果が得られる。また、ここでは補正係数α=0.2としたが、用いられる光学系のデザイン、ディスクの種類等に応じて適宜定めるようにすればよい。さらに、再生時でれば、DPD信号でトラッキングサーボを行うことができるので、1ビーム構成の光ピックアップに対しても本方法を適用することが可能である。 [第3の実施例]上記した実施例に加え、さらに別の方法で光軸ずれによるラジアルチルト信号のオフセットをキャンセルするすることも可能である。本発明の第3の実施例においては、タンジェンシャルプッシュプル信号を用いてラジアルチルト信号を得ている。本発明の第3の実施例であるチルト検出装置について述べる前に、タンジェンシャルプッシュプル信号及び光軸ずれの関係について以下に詳細に説明する。 【0024】図12に、光ディスク8の記録領域におけるランド(L)、グルーブ(G)及び照射光ビームのスポットを、ディテクタと共に示す。ディテクタとしては、説明の簡便さのため、4分割ディテクタを例に説明する。図に示すように、光ビームがランド・プリピット(LPP)を走査すると、タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅TPP14(すなわち、TPP14=DET1−DET4)及びTPP23(TPP23=DET2−DET3)を得ることができる。しかしながら、光軸ずれ(δ)がある場合には、図13に示すように、タンジェンシャルプッシュプル信号振幅TPP14及びTPP23の振幅は異なる。本実施例においては、タンジェンシャルプッシュプル信号を用いて光軸ずれの影響を除去している。 【0025】図14は、本発明の第3の実施例であるディテクタ12及びチルト信号生成部11の構成の一例を示すブロック図である。ディテクタ12は、光ディスク8のラジアル方向に沿って2分割し更にタンジェンシャル方向に沿って4分割して得られた領域の各々に配された8個の受光素子を含む8分割ディテクタである。光ディスク8のタンジェンシャル方向に沿って配された4個の受光素子R1〜R4によって検出された検出信号R1,R2,R3,R4は増幅利得GRを有する増幅器41によって増幅される。増幅された信号は、第1の実施例の場合と同様に、加算器31及び減算器32によって演算され、得られた信号GR×(R1−R2−R3+R4)は減算器33に供給される。また、当該増幅された信号は、加算器37及び減算器38によって演算され、得られた信号GR×(R1+R2−R3−R4)は振幅コンパレータ43に供給される。 【0026】一方、もう1組の検出信号L1,L2,L3,L4もまた、増幅利得GLを有する増幅器42によって増幅された後、上記したのと同様な処理を施される。すなわち、得られた信号GL×(L1−L2−L3+L4)は減算器33に供給され、また、信号GL×(L1+L2−L3−L4)は振幅コンパレータ43に供給される。 【0027】振幅コンパレータ43は、2つのタンジェンシャルプッシュプル信号振幅PTR(=R1+R2−R3−R4)及びPTL(=L1+L2−L3−L4)の増幅利得GR及びGLを調整する信号を増幅器41及び増幅器42に送り、GR×(R1+R2−R3−R4)及びGL×(L1+L2−L3−L4)が実質的に等しくなるように制御する。これにより、光軸ずれ(δ)によってラジアルチルト信号に生じるオフセットを補正することができる。すなわち、当該補正を行った後の補正ラジアルチルト信号S’は次式で表される。 S’=GL×(L1−L2−L3+L4) −GR×(R1−R2−R3+R4) (3) なお、ここで、タンジェンシャルプッシュプル信号振幅PTR及びPTLは、受光素子L1〜L4及びR1〜R4の各々の信号振幅のピーク−トゥ−ピーク値をホールドし、これらの演算により求めている。 【0028】本発明のチルト検出による効果を、上記した利得制御を行わなかった場合と行った場合についてそれぞれ図15、図16に示す。なお、光軸ずれ(δ)は6%とした。図15に示すように、利得制御を行わない場合には、2つのタンジェンシャルプッシュプル信号振幅PTR及びPTLは異なり、ラジアルチルト信号にはオフセットが生じている。一方、利得制御を行った場合には、ラジアルチルト信号のオフセットは補正されている。従って、上記した方法によって得られる補正ラジアルチルト信号S’を用いることにより、良好なチルトサーボ制御が可能であることがわかる。 [その他の実施例]上記した第3の実施例においては、ディテクタとして8分割ディテクタを用いた場合を例に説明したが、例えば、図17に示すように、6分割ディテクタを用い、第3の実施例と同様なチルト信号生成処理を行ってもよい。この場合、補正ラジアルチルト量を表す補正ラジアルチルト信号S’は、S’=GL×(L1−L2+L3)−GR×(R1−R2+R3)で表され、また、タンジェンシャルプッシュプル信号振幅PTR及びPTLは、PTL=L1−L3、PTR=R1−R3で表される。 【0029】また、上記した種々の実施例において、ディテクタの分割形状は、回折光の干渉領域における内周部と外周部との光強度の差を検出可能な形状であれば、任意の形状であってもよい。例えば、図18,19,20に示すように、干渉領域の内周部及び外周部の光強度分布に応じた形状とすることができる。なお、これらの図において、破線は光強度分布、実線は分割区画を示している。 【0030】また、ディテクタは、干渉領域のうち少なくとも1の干渉領域内の光強度差を検出可能であればよい。例えば、図21に示すように、1つの干渉領域(R側及びL側のうち1つ)に対応するディテクタ部分が分割された形状となっていてもよい。さらに、上記した種々の実施例においては、+1次回折光又は−1次回折光との干渉領域の場合について説明したが、これに限定されない。2次以上の回折光の干渉領域の光強度分布を利用してもよい。 【0031】上記した実施例においては、DPP信号を用いたトラッキングサーボを行った場合を示したが、3ビーム法や一般的なプッシュプル法でも同様な効果が得られる。なお、一般的なプッシュプル法を用いる場合には、1ビーム構成の光ピックアップでよい。また、上記した実施例は例示であり、光記録媒体の種類、用いられる光ピックアップ光学系等に応じて適宜改変して、または組み合わせて適用することができる。 【0032】以上、詳細に説明したように、本発明はプリピットの有無に関わらず、グルーブ若しくはピット列が存在するディスクであれば適用可能である。すなわち、プッシュプル信号が得られる全てのディスク、例えば、DVD−R、DVD−RW、及びDVD−RAM等のディスクに対して適用することができる。また、いずれのディスクの場合であっても1ビーム構成で実現できるため、光ピックアップの光学系、及び信号処理回路等も非常に簡単である。 【0033】 【発明の効果】上記したことから明らかなように、本発明によれば、プリピットが存在しないディスクのデータ記録時や1ビーム構成の光ピックアップなど種々のディスク及び光学系に適用できる広範囲な適用可能性を有すると共に、高精度にチルト量を検出可能な高性能かつ小型化にも適した光ピックアップ装置を実現できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005016 【氏名又は名称】パイオニア株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年8月4日(2000.8.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079119 【弁理士】 【氏名又は名称】藤村 元彦
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| 【公開番号】 |
特開2002−56556(P2002−56556A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−237691(P2000−237691) |
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