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【発明の名称】 対物レンズ駆動装置
【発明者】 【氏名】河内 秀夫

【氏名】東原 輝明

【要約】 【課題】対物レンズをフォーカシング方向とトラッキング方向と傾き方向に変位させる。

【解決手段】支軸13がベース11と、支軸13に軸線方向と回動方向に摺動可能に設けられる筒状体14と、対物レンズ3を保持するレンズホルダ12と、レンズホルダ12を筒状体14に支持するとともに、レンズホルダ12への振動を減衰する支持部材31と、レンズホルダ14側に設けられる一対のフォーカシングコイル25とトラッキングコイル27と、これらのコイル25,27に対向するようにベース11側に設けられる一対のフォーカシングマグネット16とトラッキングマグネット27とを備え、レンズホルダ12は、スキュー制御時には、一対のフォーカシングコイル25に異なる電流が給電され、光ディスクの記録トラックに対して略垂直な面内を回動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支軸が対物レンズの光軸方向に形成されたベースと、上記支軸に上記対物レンズの光軸方向と上記支軸を中心とした回動方向に摺動可能に設けられる筒状体と、上記対物レンズを保持するレンズホルダと、光ディスクの記録トラックに対して略垂直な面内を回動するように上記レンズホルダを上記筒状体に支持するとともに、上記レンズホルダへの振動を減衰する支持部材と、上記ベース又は上記レンズホルダの何れか一方に設けられる少なくとも一対の第1のコイルと、上記ベース又は上記レンズホルダの何れか他方に設けられる少なくとも一対の第1のマグネットとからなり、上記レンズホルダを上記対物レンズの光軸方向に移動する少なくとも一対の第1の駆動部と、上記ベース又は上記レンズホルダの何れか一方に設けられる少なくとも一対の第2のコイルと、上記ベース又は上記レンズホルダの何れか他方に設けられる少なくとも一対の第2のマグネットとからなり、上記レンズホルダを上記支軸を中心として回動させる少なくとも一対の第2の駆動部とを備え、上記レンズホルダは、フォーカシング制御時に、上記少なくとも一対の第1の駆動部がそれぞれ略同じ大きさの駆動力を発生することにより、上記対物レンズの光軸方向に移動し、トラッキング制御時に、上記少なくとも一対の第2の駆動部がそれぞれ略同じ大きさの駆動力を発生することにより、上記支軸を中心に回動し、スキュー制御時に、上記少なくとも一対の第1の駆動部が互いに異なる駆動力を発生することにより、光ディスクの記録トラックに対して略垂直な面内を回動することを特徴とする対物レンズ駆動装置。
【請求項2】 上記スキュー制御は、上記一対の第1のコイルに供給される直流電流に差を設けることによって行われることを特徴とする請求項1記載の対物レンズ駆動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対物レンズをフォーカシング方向とトラッキング方向と傾き方向に変位させることのできる対物レンズ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ディスクの記録再生に用いる光ピックアップ装置は、光ビームを出射する半導体レーザや光ディスクの信号記録面で反射された戻りの光ビームを受光する光検出器などを備えた光学ブロック部と、半導体レーザから出射された光ビームを集光し、光ディスクの信号記録面に照射するための対物レンズと、この対物レンズをトラッキング方向やフォーカシング方向に移動させる対物レンズ駆動装置を備えている。
【0003】例えば、対物レンズ駆動装置は、ベースと、対物レンズを保持するレンズホルダと、レンズホルダをベースに支持する支持部材とを備える。具体的に、ベースにレンズホルダを支持する支持部材は、ワイヤや板ばねにより形成される複数本のアームによって支持されている。また、ベース又はレンズホルダの何れか一方には、トラッキング方向及びフォーカシング方向に対物レンズを変位させるフォーカシングコイルとトラッキングコイルとが設けられ、他方の側には、これらコイルに対向して磁界を形成するマグネットが配設されている。
【0004】このような対物レンズ駆動装置では、対物レンズのフォーカシング制御時に、フォーカシングコイルに給電される第1の駆動電流とマグネットにより形成された磁界との作用により、第1の駆動力を発生させ、この第1の駆動力によって支持部材を弾性変位させて対物レンズをフォーカシング方向に移動させる。また、対物レンズのトラッキング制御時には、トラッキングコイルに給電される第2の駆動電流とマグネットにより形成された磁界との作用により、第2の駆動力を発生させ、この第2の駆動力によって支持部材を弾性変位させて対物レンズをトラッキング方向に移動させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、記録密度が高められた光ディスクでは、光ディスクの信号記録面に照射される光ビームのスポットを小径化する必要があり、このため、対物レンズには、従来より高開口数のものが用いられる。このとき、光ディスクが反り等で変形しており、また、振動等により傾いていると、光ディスクの信号記録面に結像されたスポットが真円ではなく楕円に形成されてしまう。すると、光ディスクに、情報信号を正確に記録することができず、また、光ディスクに記録された情報信号を正確に読み出すことができなくなってしまう。
【0006】上述した対物レンズ駆動装置は、対物レンズを保持したレンズホルダがベースにワイヤや板ばねよりなる支持部材によって支持されていることから、記録及び/又は再生装置が傾けられたときには、対物レンズやレンズホルダの自重によって、対物レンズが傾いてしまう。また、記録又は再生中に振動が加えられたときには、対物レンズやレンズホルダの自重によって、対物レンズが傾いてしまい、また、対物レンズがトラッキング方向に変位し、トラッキングサーボが外れてしまうことがある。
【0007】記録又は再生中に記録及び/又は再生装置が傾けられ、また、振動が加わると、上述したように、光ディスクの信号記録面に結像されるスポットが楕円に形成されてしまい、情報信号の正確な記録又は再生を行うことができなくなってしまう。
【0008】記録密度が高められた光ディスクの記録及び/又は再生装置を携帯可能な大きさにまで小型化を図るときには、小型化された記録及び/又は再生装置が据え置き型の記録及び/又は再生装置に比べ様々な姿勢で使用され、また、多くの振動が加えられることになることから、これらの使用環境を考慮し、フォーカシング制御やトラッキング制御やスキュー制御を確実に行うことができるように設計する必要がある。
【0009】本発明の目的は、対物レンズをフォーカシング方向とトラッキング方向と傾き方向の3方向に変位させることのできる新規な対物レンズ駆動装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る対物レンズ駆動装置は、上述した課題を解決すべく、支軸が対物レンズの光軸方向に形成されたベースと、支軸に対物レンズの光軸方向と支軸を中心とした回動方向に摺動可能に設けられる筒状体と、対物レンズを保持するレンズホルダと、光ディスクの記録トラックに対して略垂直な面内を回動するようにレンズホルダを筒状体に支持するとともに、レンズホルダへの振動を減衰する支持部材と、ベース又はレンズホルダの何れか一方に設けられる少なくとも一対の第1のコイルと、ベース又はレンズホルダの何れか他方に設けられる少なくとも一対の第1のマグネットとからなり、レンズホルダを対物レンズの光軸方向に移動する少なくとも一対の第1の駆動部と、ベース又はレンズホルダの何れか一方に設けられる少なくとも一対の第2のコイルと、ベース又はレンズホルダの何れか他方に設けられる少なくとも一対の第2のマグネットとからなり、レンズホルダを支軸を中心として回動させる少なくとも一対の第2の駆動部とを備える。そして、レンズホルダは、フォーカシング制御時に、少なくとも一対の第1の駆動部がそれぞれ略同じ大きさの駆動力を発生することにより、対物レンズの光軸方向に移動し、トラッキング制御時に、少なくとも一対の第2の駆動部がそれぞれ略同じ大きさの駆動力を発生することにより、支軸を中心に回動し、スキュー制御時に、少なくとも一対の第1の駆動部が互いに異なる駆動力を発生することにより、光ディスクの記録トラックに対して略垂直な面内を回動する。
【0011】ここで、スキュー制御は、具体的に、フォーカシング信号の直流成分に差を設け、これらの直流電流を各々のフォーカシングコイルに給電することにより、少なくとも一対の第2の駆動部に互いに異なる駆動力を発生するようにしている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された対物レンズ駆動装置について、図面を参照して説明する。
【0013】この対物レンズ駆動装置は、光ピックアップ装置1に配設されるものであり、この光ピックアップ装置1は、図1に示すように、半導体レーザ、光検出器等から構成される光学ブロック2と、光ディスクDと対向する位置に配設され、光ビームを収束する対物レンズ3と、この対物レンズ3を駆動変位させる本発明が適用された対物レンズ駆動装置10とを備える。そして、このような光ピックアップ装置1は、図示しないが記録及び/又は再生装置の装置本体を構成する筐体内配設されるベースに設けられたピックアップ送り機構によって、ディスク回転駆動部に装着された光ディスクの径方向に送り操作される。
【0014】光学ブロック2は、少なくとも光ビームL1を出射する半導体レーザ4と、この光ビームL1を0次光及び±1次光の少なくとも3本の回折光ビームに分離するグレーティング5と、半導体レーザ4から出射された光ビームL1と光ディスクDの信号記録面で反射された戻りの光ビームL2とを分離するビームスプリッタ6と、ビームスプリッタ6で分離された光ディスクDの信号記録面で反射された戻りの光ビームL2に非点収差を発生させるためのシリンドリカルレンズ7と、光ディスクDの信号記録面で反射された戻りの光ビームL2を検出する光検出器8とを備える。
【0015】半導体レーザ4から出射された光ビームL1は、先ずグレーティング5で0次光と±1次光に分離され、ビームスプリッタ6を介して対物レンズ3に入射され、光ディスクDの信号記録面に収束されて照射される。そして、光ディスクDの信号記録面で反射された戻りの光ビームL2は、対物レンズ3を透過し、ビームスプリッタ6の反射面6aで半導体レーザ4から出射された光ビームL1と分離され、シリンドリカルレンズ7を介して光検出器8に照射される。
【0016】また、本発明が適用された対物レンズ駆動装置10は、図2、図3及び図4に示すように、固定部となるベース11と、可動部となる対物レンズ3を保持するレンズホルダ12を備える。
【0017】ベース11には、該ベース11に対して略垂直に支軸13が植立されている。すなわち、この支軸13は、対物レンズ3の光軸方向に形成されている。この支軸13には、摺動可能に筒状体14が嵌入されている。筒状体14は、支軸13と略同径の挿通孔14aが形成され、また、長手方向の寸法が支軸13の高さより短くなるように形成されている。このような筒状体14は、支軸13が挿通孔14aに挿入されることにより、対物レンズ3のトラッキング制御時に、支軸13の軸線方向である図3中矢印A及び反矢印A方向に移動し、また、対物レンズ3のフォーカシング制御時に、支軸13を中心として図2中矢印B及び反矢印B方向に回動するように支軸13に取り付けられる。なお、支軸13の表面及び/又は挿通孔14aの表面には、筒状体14が支軸13に対して摺動し易くするため潤滑剤を塗布するようにしてもよい。
【0018】また、ベース11の上記筒状体14が取り付けられた支軸13の光ディスクDの径方向となる図2中矢印C方向の両側には、所定の間隔を介してフォーカシング制御を行うためのフォーカシング用のマグネットが取り付けられる第1のマグネット取付片15a,15bが立ち上がり形成されている。そして、この第1のマグネット取付片15a,15bには、フォーカシング制御用のフォーカシングマグネット16a,16bが取り付けられる。第1のマグネットとなるフォーカシングマグネット16a,16bは、対物レンズ3のフォーカシング制御時に、レンズホルダ12を図3中矢印A及び反矢印A方向に移動できるように、支軸13の軸線方向に例えば図3中上側がN極となり下側がS極となるように着磁されている。
【0019】更に、ベース11に形成された第1のマグネット取付片15a,15bの外側には、所定の間隔を介して第1のマグネット取付片15a,15bと略平行に第2のマグネット取付片17a,17bが立ち上がり形成されている。第2のマグネット取付片17a,17bには、トラッキング制御用のトラッキングマグネット18a,18bが取り付けられる。第2のマグネットとなるトラッキングマグネット18a,18bは、対物レンズ3のトラッキング制御時に、レンズホルダ12を図2中矢印B及び反矢印B方向に回動できるように、支軸13の回動方向に例えば図2中下側がN極となり上側がS極となるように着磁されている。
【0020】このようなベース11には、対物レンズ3を保持するレンズホルダ12が配設される。このレンズホルダ12は、先端側に対物レンズ3が取り付けられる対物レンズ取付孔21が形成され、略中央部に支軸13に摺動可能に取り付けられた筒状体14が挿通される第1の開口部22が形成され、この第1の開口部22の両側に第1のマグネット取付片15a,15bに取り付けられた上記フォーカシング制御用のフォーカシングマグネット16a,16bが挿通される第2の開口部23a,23bが形成されている。
【0021】レンズ取付孔21には、対物レンズ3が圧入等により取り付けられる。そして、レンズ取付孔21は、ここに取り付けられた対物レンズ3の光軸が光ディスクDの信号記録面と略直交するように対物レンズ3を保持する。
【0022】レンズホルダ12の略中央部に形成される第1の開口部22は、支軸13に摺動可能に取り付けられた筒状体14が遊嵌する大きさ、すなわち筒状体14の外周面と第1の開口部22の側面との間に空間部24が設けられる大きさに形成されている。これにより、レンズホルダ12には、支軸13に取り付けられた筒状体14からベース11に加わった振動が直接的に伝わらないようにしている。そして、レンズホルダ12は、詳細は後述する振動減衰機能を有する支持部材31によって筒状体14に支持される。
【0023】第1の開口部22の光ディスクDの径方向となる図2中矢印C方向の両側に形成される第2の開口部23a,23bには、上述した第1のマグネット取付片15a,15bに取り付けられたフォーカシング制御用のフォーカシングマグネット16a,16bが挿通される。第2の開口部23a,23bは、その開口面積がフォーカシングマグネット16a,16bと第1のマグネット取付片15a,15bとを合わせた断面積より大きくなるように形成され、レンズホルダ12が支軸13の軸線方向図3中矢印A及び反矢印A方向に移動できるとともに支軸13を中心とした図2中矢印B及び反矢印B方向に回動することができるようにされている。
【0024】第1の開口部22と第2の開口部23a,23bとは、仕切壁28a,28bにより仕切られており、この仕切壁28a,28bの第2の開口部23a,23b側の面には、上記フォーカシングマグネット16a,16bとで対物レンズ3のフォーカシング制御を行うための第1の駆動部となるフォーカシング駆動部を構成するフォーカシングコイル25a,25bが配設されている。第1のコイルとなるフォーカシングコイル25a,25bは、第2の開口部23a,23bにフォーカシングマグネット16a,16bが挿通されると、磁気ギャップとなる所定の間隔を介してフォーカシングマグネット16a,16bに対向される。
【0025】また、第2の開口部23a,23bを構成する外側の側壁26a,26bの外側の面には、上記トラッキングマグネット18a,18bとで対物レンズ3のトラッキング制御を行うための第2の駆動部となるトラッキング駆動部を構成するトラッキングコイル27a,27bが配設されている。第2のコイルであるトラッキングコイル27a,27bは、ベース11に配設されたとき、磁気ギャップとなる所定の間隔を介して第2のマグネット取付片17a,17bに取り付けられたトラッキングマグネット18a,18bに対向される。
【0026】以上のようなレンズホルダ12は、支軸13に摺動可能に取り付けられた筒状体14に支持部材31により支持される。支持部材31は、筒状体14に密着して取り付けられる筒状部32と、筒状部32の相対向する位置に設けられたアーム部33,33と、アーム部33,33の先端部に設けられ、レンズホルダ12に係止される係止部34,34とを備え、振動吸収性に優れた材料であるシリコンゴム、ブチルゴム等のゴム材により一体的に形成されてなる。
【0027】ここで、支持部材31に用いられるシリコンゴムは、内部損失が小さく、共振周波数が小さい。これに対して、ブチルゴムは、内部損失が大きく、共振周波数がシリコンゴムに比べて高い。よって、支持部材31の材料は、光ピックアップ装置1が用いられる記録及び/又は再生装置の使用態様、例えば携帯型であるか据え置き型であるか、更に車載用であるかによって選択される。
【0028】筒状部32は、ゴム材により形成されていることから、筒状体14の外周面に密着して取り付けられ、係止部34,34は、第1の開口部22の光ディスクDの回転方向となる図2中矢印R方向の相対向する仕切壁35,35に係止される。これによって、支持部材31は、レンズホルダ12が光ディスクDの径方向の面内を図2中矢印D方向に回動可能に支持される。すなわち、対物レンズ3が一体的に取り付けられているレンズホルダ12は、アーム部33,33が捻れることによって光ディスクDの傾きに合わせて図2中矢印D及び反矢印D方向に回動される。レンズホルダ12は、第1の開口部22の側壁と筒状体14の外周面との間の空間部24を介して弾性を有するアーム部33,33によって支持されていることから、ベース11に加えられた振動が伝わることが防止される。すなわち、弾性を有するゴム材によって形成された支持部材21は、振動減衰部材であるダンパとして機能し、ベース11に加わった振動がレンズホルダ12に伝わることを防止している。
【0029】ところで、以上のような対物レンズ3の駆動装置10を備える光ピックアップ装置1は、図1に示すように、光検出器8で光電変換された電気信号が供給されるRFアンプ41と、フォーカシング信号やトラッキング信号を生成するサーボ回路42とを備える。更に、光ディスクDを回転駆動するディスク回転駆動部の近傍には、光ディスクDの傾きを検出するスキューセンサ43が設けられている。このスキューセンサ43は、発光素子と受光素子とを備え、発光素子から出射された光が光ディスクDで反射されて受光素子で受光されるまでの時間を計測することによって、ディスク回転駆動部のディスクテーブルに装着された光ディスクDの傾きを検出し、光ディスクDの傾きを示すスキュー検出信号を生成する。
【0030】RFアンプ41は、光検出器8からの電気信号に基づいて、RF信号を生成すると共に、非点収差法等によりフォーカシングエラー信号を生成し、更に、3ビーム法やプッシュプル法によりトラッキングエラー信号を生成する。そして、RFアンプは、RFアンプを信号処理回路に供給し、フォーカシングエラー信号とトラッキングエラー信号をサーボ回路42に供給する。
【0031】サーボ回路42は、フォーカシングエラー信号に基づき、このフォーカシングエラー信号が0となるように、フォーカシングサーボ信号を生成する。そして、サーボ回路42は、フォーカシングサーボ信号を対物レンズ駆動装置10のフォーカシングコイル25a,25bに供給する。ここで、サーボ回路42は、一方のフォーカシングコイル25aと一方のフォーカシングマグネット16aとで構成される一方のフォーカシング駆動部で発生する駆動力と他方のフォーカシングコイル25bと他方のフォーカシングマグネット16bとで構成される他方のフォーカシング駆動部で発生する駆動力とを略同じにし、レンズホルダ12を支軸13の軸線方向である図3中矢印A及び反矢印A方向に移動させることができるように、フォーカシングサーボ信号として各フォーカシングコイル25に略同じ値の駆動電流を供給する。
【0032】また、サーボ回路42は、トラッキングエラー信号に基づき、このトラッキングエラー信号が0となるように、トラッキングサーボ信号を生成する。そして、サーボ回路42は、トラッキングサーボ信号を対物レンズ駆動装置10のトラッキングコイル27a,27bに供給する。ここで、サーボ回路42は、一方のトラッキングコイル27aと一方のトラッキングマグネット18aとで構成される一方のトラッキング駆動部で発生する駆動力と他方のトラッキングコイル27bと他方のトラッキングマグネット18bとで構成される他方のトラッキング駆動部で発生する駆動力とを略同じにし、レンズホルダ12を支軸13を中心とした図2中矢印B及び反矢印B方向に回動させることができるように、トラッキングサーボ信号として、各トラッキングコイル27に同じ値の駆動電流を供給する。
【0033】更に、サーボ回路42には、ディスク回転駆動部に装着された光ディスクの傾きを検出するスキューセンサ43からのスキュー検出信号が供給される。サーボ回路42は、スキュー検出信号に基づいて、対物レンズ3の傾きを補正するスキュー信号を生成する。そして、サーボ回路42は、スキュー信号を対物レンズ駆動装置10のフォーカシングコイル25a,25bに供給する。ここで、サーボ回路42は、一方のフォーカシングコイル25aと一方のフォーカシングマグネット16aとで構成される一方のフォーカシング駆動部で発生する駆動力と他方のフォーカシングコイル25bと他方のフォーカシングマグネット16bとで構成される他方のフォーカシング駆動部で発生する駆動力とを異ならせ、レンズホルダ12を支持部材31のアーム部33,33を中心に図2中矢印D及び反矢印D方向に回動させることができるように、各フォーカシングコイル25に直流成分に差を付けた異なる駆動電流を供給する。
【0034】以上のような光ピックアップ装置1は、記録及び/又は再生装置のディスク回転駆動部によって光ディスクDが回転されているとき、光ディスクDの径方向である図2中矢印C方向に送り操作される。光ピックアップ装置1は、光ディスクDに対して情報信号を記録し又は光ディスクDに記録された情報信号を読み出しているとき、図1に示すように、半導体レーザ4より光ビームL1を出射する。すると、この光ビームL1は、先ずグレーティング5で0次光と±1次光に分離され、ビームスプリッタ6を介して対物レンズ3に入射され、光ディスクDの信号記録面に収束されて照射される。そして、光ディスクDの信号記録面で反射された戻りの光ビームL2は、対物レンズ3を透過し、ビームスプリッタ6の反射面6aで半導体レーザ4から出射された光ビームL1と分離され、シリンドリカルレンズ7を介して光検出器8に照射される。そして、光検出器8は、この光ビームL2を光電変換し、電気信号をRFアンプ41に供給する。
【0035】RFアンプ41は、この電気信号に基づいてRF信号とフォーカシングエラー信号とトラッキングエラー信号とを生成し、RF信号を信号処理回路に供給し、フォーカシングエラー信号とトラッキングエラー信号をサーボ回路42に供給する。サーボ回路42は、フォーカシングエラー信号に基づいてフォーカシングサーボ信号を生成し、フォーカシングサーボ信号として略同じ値の駆動電流を各フォーカシングコイル25a,25bに供給すると共に、トラッキングエラー信号に基づいてトラッキングサーボ信号を生成し、トラッキングサーボ信号として略同じ値の駆動電流をトラッキングコイル27a,27bに供給する。
【0036】また、サーボ回路42には、ディスク回転駆動部に装着された光ディスクの傾きを検出するスキューセンサ43からのスキュー検出信号が供給される。サーボ回路42は、スキュー検出信号に基づいて、対物レンズ3の傾きを補正するスキュー信号を生成し、スキュー信号として、各フォーカシングコイル25に異なる駆動電流を供給する。
【0037】次に、以上のように生成されたフォーカシングサーボ信号、トラッキングサーボ信号及びスキュー信号によって駆動される対物レンズ駆動装置10の動作について説明する。先ず、フォーカシング制御時について説明すると、フォーカシングコイル25a,25bには、フォーカシングサーボ信号として略同じ値の駆動電流が供給される。すると、対物レンズ3を保持したレンズホルダ12は、ベース11の第1のマグネット取付片15a,15bに取り付けられたフォーカシングマグネット16a,16bにより形成された磁界とレンズホルダ12に取り付けられたフォーカシングコイル25a,25bに給電された駆動電流との作用により、駆動力が発生し、図3中矢印A及び反矢印A方向に移動され、これに伴って、レンズホルダ12に保持された対物レンズ3は、光軸方向に移動し、フォーカス制御がなされる。
【0038】また、トラッキング制御時について説明すると、トラッキングコイル27a,27bには、トラッキングサーボ信号として略同じ値の駆動電流が供給される。すると、対物レンズ3を保持したレンズホルダ12は、ベース11の第2のマグネット取付片17a,17bに取り付けられたトラッキングマグネット18a,18bにより形成された磁界とレンズホルダ12に取り付トラッキングコイル27a,27bに給電された駆動電流との作用により、駆動力が発生し、図2中矢印B及び反矢印B方向に回動し、これに伴って、レンズホルダ12に保持された対物レンズ3は、光ディスクDの信号記録面と平行な面内を記録トラックに直交する方向に移動し、トラッキング制御がなされる。
【0039】更に、スキュー制御について説明すると、フォーカシングコイル25a,25bには、スキュー信号として、各フォーカシングコイル25に電流差を設けた異なる駆動電流が供給される。すると、一方のフォーカシング駆動部を構成する一方のフォーカシングコイル25aに流れる駆動電流と一方のフォーカシングマグネット16aにより形成された磁界との作用により発生した駆動力と他方のフォーカシング駆動部を構成する他方のフォーカシングコイル25bに流れる駆動電流と他方のフォーカシングマグネット16bにより形成された磁界との作用により発生した駆動力との間で差が生じる。これによって、支持部材31によって筒状体14に支持されたレンズホルダ12は、アーム部33,33が捻れることによって図2中矢印D及び反矢印D方向に回動される。これに伴って、レンズホルダ12に保持された対物レンズ3は、光ディスクDの記録トラックに直交する面内を回動し、スキュー制御がなされる。
【0040】例えば図5に示すように、一方のフォーカシングコイル25aに大電流を流し、他方のフォーカシングコイル25bに小電流を流したときには、一方のフォーカシング駆動部には、他方のフォーカシング駆動部より大きい駆動力が発生する。したがって、レンズホルダ12は、図5中矢印D方向に回動し、レンズホルダ12に保持された対物レンズ3は、光ディスクDの記録トラックに直交する面内をレンズホルダ12と同方向に回動し、スキュー制御がなされる。また、図6に示すように、他方のフォーカシングコイル25bに大電流を流し、一方のフォーカシングコイル25aに小電流を流したときには、他方のフォーカシング駆動部には、一方のフォーカシング駆動部より大きい駆動力が発生する。したがって、レンズホルダ12は、図6中反矢印D方向に回動し、レンズホルダ12に保持された対物レンズ3は、光ディスクDの記録トラックに直交する面内をレンズホルダ12と同方向に回動し、スキュー制御がなされる。
【0041】以上のような光ピックアップ装置1に用いられた対物レンズ駆動装置10は、レンズホルダ12がベース11に植立された支軸に嵌入された筒状体14に弾性を有する支持部材31を介して支持されている、所謂軸摺回動型であることから、従来のようにレンズホルダをワイヤや板ばねによりベースに支持した対物レンズ駆動装置のように、使用状態によって対物レンズが傾くといった不具合を防止することができる。
【0042】また、従来の対物レンズ駆動装置では、レンズホルダがベースに対してワイヤや板ばねで支持されていることから、振動が加えられたとき等レンズホルダの自重が直接的に加わるため容易にトラッキング方向に変位してしまいトラッキング方向のサーボが外れてしまうことがあったが、対物レンズ駆動装置10は、可動部であるレンズホルダ12が固定部であるベース11に植立された支軸13に嵌入された筒状体14に支持部材31を介して支持されていることから、可動部であるレンズホルダ12の動的バランスを取りやすいとともに、トラッキング方向の衝撃を打ち消すことができ、したがって、振動が大きい携帯用の記録及び/又は再生装置や車載用の記録及び/又は再生装置の光ピックアップ装置に用いることができる。
【0043】更に、軸摺回動型の対物レンズ駆動装置10は、固定部であるベース11に対して可動部であるレンズホルダ12が従来のレンズホルダをワイヤや板ばねでベースに支持した対物レンズ駆動装置に比べ確実に支持されていることから、ベースに加わった振動がレンズホルダに伝わりやすいが、支持部材31に振動減衰機能に優れるゴム材が用いられていることから、レンズホルダ12がベース11に加わった振動によって振動することを防止することができる。
【0044】更にまた、この対物レンズ駆動装置10は、対物レンズ3の傾きを制御するに当たり、新たにコイルとマグネットとからなる駆動部を設けることなく、フォーカシングコイル25a,25bとフォーカシング用のフォーカシングマグネット16を用い、各フォーカシングコイル25に流れる駆動電流に差を設けることによって、対物レンズ3の傾きを制御するものであるから、構成の簡素化を図ることができるとともに、可動部であるレンズホルダ12の重量増加を防止することができる。
【0045】そして、以上のような対物レンズ駆動装置10を用いた光ピックアップ装置は、振動が加えられたときにも確実にフォーカシング制御とトラッキング制御とスキュー制御を行うことができることから、大きな振動が加わることが多い携帯型や車載用の記録及び/又は再生装置に用いることができる。
【0046】以上、本発明が適用された対物レンズ駆動装置10について、固定部側となるベース11側にフォーカシングマグネット25a,25bとトラッキングマグネット18a,18bを設け、可動部側となるレンズホルダ12側にフォーカシングコイル25a,25bとトラッキングコイル27a,27bを設けた例について説明したが、本発明は、これとは逆に、可動部側となるレンズホルダ12側にフォーカシングマグネット25a,25bとトラッキングマグネット18a,18bを設け、固定部側となるベース11側にフォーカシングコイル25a,25bとトラッキングコイル27a,27bを設けるようにしてもよい。
【0047】また、以上、内側にフォーカシング駆動部を設け、外側にトラッキング駆動部を設けた例について説明したが、本発明は、これとは逆に、内側にトラッキング駆動部を設け、外側にフォーカシング駆動部を設けるようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明に係る対物レンズ駆動装置によれば、対物レンズを保持するレンズホルダが、ベースに植立された支軸に軸線方向と回動方向に摺動可能に設けられた筒状体に支持部材によって光ディスクの記録トラックに対して略垂直な面内を回動するように支持されていることから、簡単な構成で対物レンズをフォーカシング方向とトラッキング方向トスキュー方向の3方向に移動させることができる。また、レンズホルダは、ベースに設けられた支軸に摺動可能に設けられた筒状体に振動減衰特性に優れた支持部材によって支持される。したがって、ベースに加わった振動によってレンズホルダが振動することが防止される。したがって、このような対物レンズ駆動装置を用いた光ピックアップ装置は、携帯型や車載用等の振動が頻繁に加わる機器に用いることができる。さらに、スキュー制御は、一対のコイルに供給する駆動電流の直流成分に差を設けることによって行うことから、装置の大型化を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成12年8月7日(2000.8.7)
【代理人】 【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃 (外2名)
【公開番号】 特開2002−56555(P2002−56555A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−239068(P2000−239068)