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【発明の名称】 位置信号検出装置
【発明者】 【氏名】八木 生剛

【氏名】今井 欽之

【氏名】黒川 義昭

【氏名】田辺 隆也

【氏名】館 彰之

【要約】 【課題】複雑なパターンマッチングを用いた位置ずれ検出を行う必要なしに、ホログラムの結像面と二次元フォトディテクタの相対位置誤差を高精度で検出する。

【解決手段】シングルモード平面型光導波路内の導波光によってホログラム面1上の円盤状の領域4から回折された光6は結像面2上にスポット(bright spot;輝点)αを作り、同時に、ホログラム面1上の円盤状の領域5から回折された光7は結像面2上にスポットβを作る。両スポットは近傍位置にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シングルモード平面型光導波路内を導波する導波光を回折手段により回折させて、当該回折光による画像を所定結像面に結像させる再生専用記憶媒体の位置信号検出装置において、前記回折手段は、その内部の第1の領域からの回折光を前記所定結像面との相対位置が既知の別の結像面に所定入射角で入射させて該別の結像面の所定位置に第1のスポットを作り、前記第1の領域と異なる領域を含んだ第2の領域からの回折光を前記所定の入射角と異なる入射角で前記別の結像面に入射させて前記第1のスポットの近傍位置に第2のスポットを作るように形成されており、前記第1のスポットと前記第2のスポットの位置を検出する光ディテクタと、検出された前記第1および第2のスポットの位置に従って前記別の結像面の前記所定結像面に対する位置を検出する検出手段とを備えたことを特徴とする位置信号検出装置。
【請求項2】 請求項1に記載の位置信号検出装置において、前記回折手段は前記別の結像面に、さらに複数の前記第1および第2のスポットを作るように形成されたことを特徴とする位置信号検出装置。
【請求項3】 請求項1に記載の位置信号検出装置において、前記光ディテクタは4分割光ディテクタであり、分割された各検出領域における前記第1および第2のスポットの受光量に応じて前記検出手段が前記位置検出を行うことを特徴とする位置信号検出装置。
【請求項4】 請求項1に記載の位置信号検出装置において、前記シングルモード平面型光導波路は前記導波光の導波方向と略垂直方向に複数積層されていることを特徴とする位置信号検出装置。
【請求項5】 請求項1に記載の位置信号検出装置において、前記第1の領域の中心位置と前記第2の領域の中心位置を通る線は、前記回折手段の回折面と別の面が互いに直交する線上にあり、前記第1のスポットの重心位置と前記第2のスポットの重心位置を通る線は、前記別の面と略直交することを特徴とする位置信号検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は位置信号検出装置に関し、特に、シングルモード平面型光導波路内を導波する導波光を回折手段により回折させて当該回折光による画像を所定結像面に結像させる再生専用記憶媒体の位置信号検出装置に関する。本発明に係る位置信号検出装置はデジタル式光情報記憶媒体及び光情報再生装置に好適に用いることができ、磁気カードやICカード等の様に持ち運びが容易な携帯用メモリカード形態の光情報記憶媒体の読み出しに用いることができる。
【0002】
【従来の技術】シングルモード平面導波路内でコアとクラッドの境界に微小な凹凸を形成し、その微小凹凸によって導波光を導波層の法線方向に回折させて任意の波面を導波路外に取り出す技術が導波路ホログラフィとして知られており、微小な凹凸の数や大きさ、位置を調整することで、導波路外の結像面に所望の画像を得ることができる。該平面導波路内に目的の波面を作るように形成された微小な凹凸の集合を導波路ホログラムと呼ぶ。
【0003】ホログラフィを体積型ホログラフィと薄膜型ホログラフィに分類すると、導波路ホログラフィは薄膜型ホログラフィに分類される。しかし、導波路ホログラムが作り込まれた導波路を積層化した積層導波路ホログラフィは、薄膜型ホログラフィでありながら三次元領域を記録領域として使用できることから、大容量の光メモリとしての応用が可能である(特開平11−345419号公報、発明の名称「再生専用多重ホログラム情報記憶媒体」)。
【0004】薄膜型ホログラフィは、光源の波長誤差や記憶媒体の熱膨張や作製誤差に対する許容度が大きい点で体積型ホログラフィに対して優位性を持っている。これは、薄膜型ホログラフィには体積型ホログラフィの回折条件であるブラッグ条件が課せられず、はるかに条件の緩やかなラマンナス条件のみ課せられるということに起因する。すなわち、使用波長誤差や記憶媒体の伸び縮みがあると、体積型ホログラフィならば回折そのものが起きないのに対し、薄膜型ホログラフィでは結像位置に変化は起きるものの、少なくとも回折は起きるということを意味する。
【0005】従って、例えば図13に示すように導波路ホログラム130による結像パターンを検出する二次元光ディテクタ132を結像位置の変化に追従させるような移動機構を備えることで、発振波長に個体差はあるが安価な半導体レーザを使用すること、および、熱膨張係数は大きいが量産性に優れたプラスチック材料を記憶媒体(導波路ホログラム)として用いることが可能となる。この2つの要件は、安価であることが要求される再生専用記憶媒体に必須の要件である。
【0006】従って、図13に模式的に示すように3軸x,y,zを中心にCCD等の二次元光ディテクタ132を回動させて移動制御するサーボ機構(図示せず)を備え、導波路ホログラム130による結像パターン(再生像)134の初期状態を機械精度で検出し、検出した結像パターン134の位置変化に二次元光ディテクタ132を追従させて結像面上でピクセルマッチすることで、発振波長に個体差はあるが安価な半導体レーザを使用すること、および、熱膨張係数は大きいが量産性に優れたプラスチック材料を記憶媒体(導波路ホログラム)として用いることが可能となる。この2つの要件は、低コストが要求される再生専用記憶媒体に必須の要件である。図13における結像パターン134の○と●は微小凹凸の分布例を模式的に示すものである。
【0007】ここで、二次元光ディテクタを結像位置の変化に追従させるためには、まず二次元光ディテクタの結像面と結像パターンの位置ずれを検出する必要がある。従来、この位置ずれ検出には、結像パターン中に位置信号パターンを埋め込んでおき、この位置信号パターンが結像面上の決められた位置からどれ位ずれているかを検出する手法が採られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従来手法では、ホログラム面と結像面間の距離変化を伴う位置ずれは検出することができない。すなわち、焦点距離の変化の検出、および、ホログラム面の二次元光ディテクタ面に対する傾きの検出は行えないという課題があった。また、結像面における平行移動は検出できるが、パターン認識処理による検出であるために位置ずれ信号検出に多数のピクセルを持った光ディテクタが必要になること、および、パターン認識処理には複雑な演算が必要であり、低コスト化が困難、かつ処理時間が膨大になるという課題があった。さらに、処理時間がかかることから、フィードバックの応答性が悪く、振動環境下でのフォーカスサーボは現実的には不可能であった。
【0009】本発明の目的は、簡単な構成により上記の課題を解決でき、かつ、高精度で位置検出を行うことのできる位置検出装置を提供することである。この装置により、光情報を二次元の光強度パターン、すなわち、画像情報として二次元光ディテクタによって検出し、この光ディテクタと光情報パターンとの位置ずれを補正するサーボを施す為に必要な位置ずれ信号を検出することができる。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために本発明は、シングルモード平面型光導波路内を導波する導波光を回折手段により回折させて、当該回折光による画像を所定結像面に結像させる再生専用記憶媒体の位置信号検出装置において、前記回折手段は、その内部の第1の領域からの回折光を前記所定結像面との相対位置が既知の別の結像面に所定入射角で入射させて該別の結像面の所定位置に第1のスポットを作り、前記第1の領域と異なる領域を含んだ第2の領域からの回折光を前記所定の入射角と異なる入射角で前記別の結像面に入射させて前記第1のスポットの近傍位置に第2のスポットを作るように形成されており、前記第1のスポットと前記第2のスポットの位置を検出する光ディテクタと、検出された前記第1および第2のスポットの位置に従って前記別の結像面の前記所定結像面に対する位置を検出する検出手段とを備えた構成の位置信号検出装置を実施した。
【0011】上記構成において、前記別の結像面に、さらに複数の前記第1および第2のスポットを作るように前記回折手段を形成すること、前記光ディテクタを4分割光ディテクタとし、分割された各検出領域における前記第1および第2のスポットの受光量に応じて前記検出手段が前記位置検出を行うこと、前記シングルモード平面型光導波路を前記導波光の導波方向と略垂直方向に複数積層すること、および、前記第1の領域の中心位置と前記第2の領域の中心位置を通る線が前記回折手段の回折面と別の面が互いに直交する線上にあり、前記第1のスポットの重心位置と前記第2のスポットの重心位置を通る線が前記別の面と略直交することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】(一実施形態)以下、本発明の一実施形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。まず、本発明装置の動作原理について図1および図2を参照して説明する。図1は、ホログラムによって焦点位置の変化に敏感なパターンを作成する方法を説明する模式図である。1はシングルモード平面型光導波路内(図示せず)のホログラム、2は結像面(撮像面)を示す。結像面2は、理想的にはCCDイメージセンサ等の二次元フォトディテクタの結像面と一致する。
【0013】図2は二次元フォトディテクタとホログラムの関係を示しており、以下、同図に示した三次元座標系におけるベクトル表現を用い、図1に示したホログラム1による動作を説明する。二次元フォトディテクタ20はyz平面に位置し、ホログラム1に対向するものとする。
【0014】シングルモード平面型光導波路内の導波光によってホログラム面1上の円盤状の領域4から回折された光6は結像面2上にスポット(bright spot;輝点)αを作り、同時に、ホログラム面1上の円盤状の領域5から回折された光7は結像面2上にスポットβを作るように、電子線描画またはスタンパによってホログラムが作成されている。簡単のために、領域4と領域5の半径はそれぞれRとする。両領域の一部はオーバーラップするが、主として異なる領域を有している。また、ここでは両領域からはそれぞれ単一のスポットを集光するものとするが、それぞれ複数のスポットを作るようにホログラムを作成しても良い。
【0015】各領域4,5の中心O1,O2の座標を、それぞれ【0016】
【外1】

【0017】スポットαとβは近傍位置にあり、ここでは模式的に円形として示した。スポットαとβは、せいぜい数μmの大きさであるが、スポットαとβの光強度分布の重心位置を検出すれば良いから、その形状は円形である必要はない。焦点面(結像面)2上に回折光6,7を集光するように設計されたスポットα,βの光強度分布の焦点面2上での重心座標を、それぞれ【0018】
【外2】

【0019】ただし、焦点面2上での両重心位置の相違は、ホログラム面1上での中心O1,O2の位置の相違に比べて十分小さいものとする。すなわち、【0020】
【数1】

【0021】と仮定する。
【0022】さて、スポットαを作る回折光6の重心位置は、【0023】
【外3】

【0024】従って、設計された焦点距離fにある焦点面2の近傍でδfだけずれた位置(距離f+δf)においてこれらのスポットα,βを受光したとすると、それぞれのスポットα,βの重心位置【0025】
【外4】

【0026】
【数2】

【0027】
【外5】

【0028】
【数3】

【0029】で与えられる。ただし、焦点面2でのスポットα,βの重心位置の相違はホログラム1面での領域4,5の中心O1,O2の座標の相違より十分小さく、それぞれ【0030】
【数4】

【0031】とする。従って、式(1)が満足され、かつ、2つのスポットα,βがオーバラップしない範囲にあれば、式(6)から、焦点誤差による2つのスポットα,βの相対位置ずれは、その位置によらずホログラム面1上の位置ずれ【0032】
【外6】

【0033】
【外7】

【0034】すなわち、焦点面2上の位置ずれのベクトルとホログラム面1上の位置ずれのベクトルが同一方向を向いている場合、もしくは反平行、焦点面2上の位置ずれのベクトルとホログラム面1上の位置ずれのベクトルが180度逆方向を向いている場合は、【0035】
【数5】

【0036】が満足されれば、スポットαとスポットβを取り違える恐れがない。したがって、スポットα,β重心位置間の間隔を測定することにより、焦点ずれ量δfを求めて後述の通りに焦点誤差信号を得ることが可能となる。
【0037】
【外8】

【0038】がスポットサイズより十分大きければ、互いのスポットを取り違えることなく、焦点ずれ量計算を行えることが分かる。ここで直交とは、ホログラム面1と直交する面(図示せず)を想定し、両方の面が互いに直交する線上にホログラム面1上の位置ずれのベクトルがあるときに、ホログラム面1と直交する面に対し焦点面2上の位置ずれのベクトルが直交することをいう。
【0039】このスポットα,βのサイズは、光の波長をλとするとλf/R程度であるから、λ=680nmの場合、【0040】
【外9】

【0041】
【外10】

【0042】以上、受光面の1ヶ所にのみ、サーボマークとして1対のスポットを作る場合についての基本的な動作原理を説明した。この場合には、スポット対が結像する近傍での焦点ずれが観測できるのみであるが、同様のスポット対を焦点面内に3対以上(上記1対の他に複数対)配置することによって、二次元フォトディテクタの位置を、6自由度すべての移動量を判定して検出することができる。6自由度とは、図2に示した様に、二次元フォトディテクタ20のx,y,z各軸方向への並進の3自由度、z軸を回転中心としたxy面内回転(θ)の1自由度、y軸を回転中心としたxz面内回転(φ)の1自由度、およびx軸を回転中心としたyz面内回転(ψ)の回転の1自由度である。
【0043】上記スポット対をホログラム面に対向して1直線上に無い異なる3ヶ所に作り、これら3スポット対で決定される面と焦点面との位置関係が既知であれば、原理的には、すべての自由度(x,y,z,θ,φ,ψ)を決定することができる。以下、4スポット対を作って、焦点面に対し所定位置に配置した4個の4分割フォトディテクタを用いて位置検出を行う簡単な方法について説明する。
【0044】図3は、一例として位置検出用の4分割フォトディテクタを結像面と略同一面に配置し、これをホログラム面上に投影して示している。以下、この投影図と図4の投影図を用いて説明するが、4分割フォトディテクタは結像面と略同一面にあり、ホログラム面との距離は焦点距離fに略等しいとする。このことについて、以後はことさら言及しない。
【0045】さて、投影図上でホログラム面2の各頂点近傍に4分割フォトディテクタA,B,C,Dを配置する。各4分割ディテクタの4個の受光部を、それぞれ小文字a,b,c,dで表す。このa,b,c,dは、z軸30を回転中心として、例えば4分割フォトディテクタAを反時計回り方向に90度回転したときに同一位置となる4分割フォトディテクタBと4分割フォトディテクタAの各受光部の名称が一致するように付してある。さらに90度回転したときには4分割フォトディテクタCの各受光部と、さらに180度回転したときには4分割フォトディテクタDの各受光部と名称が一致するように付してある。
【0046】なお、特定の4分割ディテクタの特定の受光部を指すために、主文字をフォトディテクタ名、添え字を受光部名で表記し、フォトディテクタXの受光部mであればXmと表記する。
【0047】図3中の各4分割フォトディテクタA,B,C,Dへ集光されるスポットは、ホログラム面2上の4つの円盤状領域35,36,37,38から回折される。この様子を4分割フォトディテクタAに注目して図4に示す。
【0048】4分割フォトディテクタAに集光されるスポットは、領域37から回折されるものと領域37から回折されもの、1対である。ただし、合焦時に領域35からのスポット45は受光部Acと受光部Adの境界にその重心が位置し、領域37からのスポット44は受光部Aaと受光部Abの境界にその重心が位置するようにホログラムが設計されている。このとき、領域37の中心OCと領域35の中心OAを結ぶベクトルは、スポット44,45の重心同士を結ぶベクトルと直交している。
【0049】他の4分割フォトディテクタB,C,Dへのスポットも、以上と同様にして集光され、受光部Bcと受光部Bdの境界にその重心が位置するスポットと受光部Baと受光部Bbの境界にその重心が位置するスポットが4分割フォトディテクタBに、受光部Ccと受光部Cdの境界にその重心が位置するスポットと受光部Caと受光部Cbの境界にその重心が位置するスポットが4分割フォトディテクタCに、受光部Dcと受光部Ddの境界にその重心が位置するスポットと受光部Daと受光部Dbの境界にその重心が位置するスポットが4分割フォトディテクタDにそれぞれ集光される(図示せず)。
【0050】すなわち、図3において、領域35からは4分割フォトディテクタAとCへ、領域36からは4分割フォトディテクタBとDへ、領域37からは4分割フォトディテクタAとCへ、領域38からは4分割フォトディテクタBとDへ、それぞれ光を回折する(図示せず)ようにホログラムを設計しておく。
【0051】図5〜図8は、焦点ずれや焦点面内シフト等、位置ずれ発生時の4分割フォトディテクタそれぞれの上でのスポットの位置変化の様子を示している。図5は4分割フォトディテクタAについて、図6は4分割フォトディテクタ領域Bについて、図7は4分割フォトディテクタCについて、図8は4分割フォトディテクタDについて、位置ずれの態様(A)〜(I)に応じて示している。
【0052】位置ずれの態様としては(A)〜(I)で示したものの他に、x軸の逆方向シフト,y軸の逆方向シフト、これらx,y両軸方向シフトを合成したものがある。上記すべての態様は各フォトディテクタについて独立的に発生する。
【0053】例えば、角度ずれ(θ,φ,ψ各軸中心の回転)がなく、かつ面内シフト(x,y)もなく、単に焦点位置のみが遠い(z軸方向シフトのみ発生)場合、すべてのスポットはホログラムの中心から遠い方向にずれるため、図5(B)と図6(B)と図7(B)と図8(B)の態様が同時に起こることはない。この場合、例えば4分割フォトディテクタA単独では、焦点より遠く、かつ−x方向と−y方向にシフトしていると分類される光分布(図5(E)と図5(H)の合成)が観察される。
【0054】そこで、6自由度を分離して検出するために、受光部Xmからの信号強度をPXmと記述し、次に示す様に演算を行う。この演算はアナログ量の加減算のみであり、CPUを用いずに加算回路、減算回路(図示せず)等によって行うことができ、これら回路にかかる負荷が小さくて済み、短時間で演算を行える利点がある。また、低コストで装置を構成することができる。
【0055】
【数6】
A=(PAb+PAd)−(PAa+PAc) (7)
B=(PBb+PBd)−(PBa+PBc) (8)
C=(PCb+PCd)−(PCa+PCc) (9)
D=(PDb+PDd)−(PDa+PDc) (10)
A=(PAa+PAb)−(PAc+PAd) (11)
B=(PBa +PBb)−(PBc+PBd) (12)
C=(PCa +PCb)−(PCc+PCd) (13)
D=(PDa+PDb)−(PDc+PDd) (14)
A=(PAb+PAc)−(PAa+PAd) (15)
B=(PBb+PBc)−(PBa+PBd) (16)
C=(PCb+PCc)−(PCa+PCd) (17)
D=(PDb+PDc) −(PDa+PDd) (18)
θ= −TA−TB−TC−TD (19) Eφ=(FB+FC)−(FA+FD) (20) Eψ=(FA+FB)−(FC+FD) (21) Ez= FA+FB+FC+FD (22) Ex=(RB+RC)−(RA+RD) (23) Ey=(RC+RD)−(RA+RB) (24)【0056】上記の演算において、式(7)〜(10)はフォーカス信号、式(11)〜(14)はタンジェンシャルシフト信号、式(15)〜(18)はラジアルシフト信号を表す。これらの信号を求めて式(19)〜(24)を計算し、これらの式によって6自由度の位置ずれを独立に表す誤差信号を得ることができる。
【0057】図2に示した座標系において、Eθはθ方向の回転誤差信号、Eφはφ方向の回転誤差(チルト)信号、Eψはψ方向の回転誤差(チルト)信号である。Exはx軸方向の並進位置ずれ信号、Eyはy軸方向の並進位置ずれ信号、Ezはz軸方向の並進位置ずれ信号、すなわち焦点誤差信号である。回転方向の正負は各軸に対して右手系で決定され、例えば、θはz軸を回転中心とした回転量であるが、z軸を正方向から負方向に眺めたときに反時計回り方向の回転がθを正とし、時計回り方向の回転が負とする。
【0058】それぞれの位置ずれ信号または誤差信号は、数値が大きいと各軸の正方向にずれている。そこで、二次元フォトディテクタ20を移動制御するサーボ機構(図示せず)を用い、上記の演算結果に従って各信号の値を0にするようなフィードバックサーボをかけることで、二次元フォトディテクタ20の結像面2上でリアルタイムにピクセルマッチさせることができる。
【0059】(変形例)上記した位置ずれ信号または誤差信号を検出できるように作られた導波路ホログラムを図9に示すように複数積層することができる。
【0060】図9において、再生専用多重ホログラムメモリ90は、クラッド91−1,コア92−1,クラッド91−2,コア92−2,……の様な周期層構造を持った積層型シングルモード平面導波路内に上記導波路ホログラムが作られている。積層された平面導波路の端面に反射面93が配設され、導波路平面に垂直な方向に対して45゜の角度をなしている。例えば凸レンズ94を介してレーザ光95を反射面93に入射し、反射点96から導波光97を伝搬させる。
【0061】コア層とクラッド層の境界に作られた凹凸部98において回折された回折光99によって、4分割フォトディテクタ90A,90B,90C,90Dにそれぞれサーボマークとしてスポット対を作る。
【0062】この再生専用多重ホログラムメモリ90はコア層が積層されており、導波層への入射光が導波層間をジャンプするときに有限の時間を必要とする。そこで、再生装置の振動に対する安全性が層間ジャンプの時間内で保証されていない場合には、各導波路ホログラムから上記実施形態の二次元位置ずれ信号が得られるように上記サーボマークを画像に重畳しておけば、振動による位置ずれから速やかに回復することができる。
【0063】
【実施例】(実施例1)本発明の動作原理確認のためにサーボマークを作成し、スポットの位置ずれを検出した結果を説明する。実験時のパラメータは図10に示す通り、f=4mmであり、ホログラム面上の領域100と105からの回折光によってそれぞれ5個のスポットを1単位としたスポット対をサーボマークとして結像面上に作り、このとき、ftanθは0.5μmと0.833とした。
【0064】このサーボマークの位置ずれΔdは【0065】
【数7】
Δd=(δf/f)×(0.833−0.5)
=0.08325δf (25)【0066】で表され、δfに比例する。
【0067】δf=0の合焦時には、位置ずれ検出用フォトディテクタ(図示せず)によって図11(A)に示す通りにサーボマークが検出された(図10は検出した画像を模式的に示すものである)。ここでは、一方の領域によるスポット110と別の領域によるスポット111が直線状に並んでいる。δfが大きくなるに従ってスポット110とスポット111間の位置ずれが増大し(図11(B)→(C)→(D)、および同(E)→(F)→(G))、120μmの焦点ずれでは、式(25)で計算される理論値Δd=9.99μmに対して略10μmを検出することができた。
【0068】(実施例2)本発明装置を実施するためには、前述した通り、結像面(受光面)と位置ずれ信号用フォトディタクタとの相対位置関係が正確に分かっている必要がある。そこで本実施例では、図12に示すように、CMOS画像センサ120のデータ受光部121内の対角部に4分割フォトディタクタ120A,120B,120C,120Dを作り込んだ位置信号検出装置を実施した。したがって、受光部121の面内に各4分割フォトディタクタが配置され、受光部121の寸法から簡単に各4分割フォトディタクタの相対位置を知ることができる。
【0069】ここで、データ受光部121は、ピクセルピッチ5μmとし、1024×1024正方ピクセルを作っている。つまり、データ受光部121のサイズは、一辺5.12mmの正方形である。この正方形の対角線の延長線上に4分割フォトディタクタ120A,120B,120C,120Dを配置し、そのサイズは7μm×7μmとして。分割形態は前述と同様である。
【0070】ホログラム面122とCMOS画像センサ120間の距離は5mmとし、導波路ホログラム123のサイズは5mm×5mmとした。光源には波長680nmのもの使用した。ホログラム面122上の半径1.25mmの円盤状領域(図示せず)から回折して各4分割フォトディタクタに略3μm程度の大きさのスポット対を作り、スポット重心間距離が略5μmとなるように導波路ホログラム123を設計した。
【0071】上記構成を用いて、10mWの光を導波路ホログラム123に結合させ、各4分割フォトディタクタ上のスポットの光強度が0.1μW程度となるようにした。データ受光部121の各ピクセルが受光する光強度は100pW程度であり、この値に対して格段に大きな光パワーのスポットを各4分割フォトディタクタに集光することで、短時間で検出信号をサンプリングできるようにした。
【0072】従って、このようにして得た検出信号に基づいて演算部124により前述の通り式(7〜24)に従い高速で演算を行って位置ずれ信号を計算し、この信号に従ってサーボ機構125によるCMOS画像センサ120の6自由度の位置制御を行い、概ね理論通りの結果を得ることができる。
【0073】
【発明の効果】以上述べたように本発明に係る信号検出装置によれば、複雑なパターンマッチングを用いた位置ずれ検出を行う必要なしに、ホログラムの結像面と二次元フォトディテクタの相対位置誤差を高精度で検出することが可能となる。この位置ずれ検出装置をホログラムフィックメモリに適用することにより、所定のホログラムのページへのアクセスを高速に行うことができ、転送速度の向上が図れるために振動環境下でのフォーカスサーボを可能とすることができる。またに、加減算のみによって位置ずれ信号を生成することができるため、簡単な電気回路を用いた低コストな装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
【出願日】 平成12年8月11日(2000.8.11)
【代理人】 【識別番号】100077481
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 義一 (外1名)
【公開番号】 特開2002−56552(P2002−56552A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−245407(P2000−245407)