トップ :: G 物理学 :: G11 情報記憶




【発明の名称】 光学系駆動装置
【発明者】 【氏名】植草 伸夫

【氏名】河野 紀行

【氏名】木ノ内 充

【氏名】長野 克人

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 対物レンズを保持するとともにフォーカスコイル及びトラッキングコイルを備え、支持機構部によりフォーカス方向及びトラッキング方向に変位可能に支持されたレンズ支持体と、このレンズ支持体のフォーカスコイル及びトラッキングコイルに対向させた磁石とを有し、前記フォーカスコイル及びトラッキングコイルと磁石との電磁作用によりレンズ支持体をフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動する光学系駆動装置において、前記フォーカスコイルとトラッキングコイルは、同一基板上にパターン形成したものであることを特徴とする光学系駆動装置。
【請求項2】 請求項1において、前記フォーカスコイルとトラッキングコイルは、絶縁層を介して形成されていることを特徴とする光学系駆動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学系駆動装置に関し、さらに詳しくは、光ディスク等の記録媒体に対して光学的に情報を記録又は再生する光学式情報記録再生装置に用いて好適な光学系駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光学式情報記録再生装置により情報を光ディスク等に記録又は再生するには光スポットが光ディスク等の情報トラックを適正に追従するように光学系駆動装置の対物レンズを保持したレンズ保持体を制御することが必要である。
【0003】このため、従来においては光学系駆動装置として、対物レンズを保持したレンズ保持体を支持機構部により光軸と平行なフォーカス方向とこのフォーカス方向に直交するトラッキング方向に変位可能に支持し、レンズ保持体に設けた巻線加工又はプレス成形加工によるフォーカスコイル及びトラッキングコイルと、これらフォーカスコイル及びトラッキングコイルに対向配置した永久磁石との電磁作用によりレンズ支持体をフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した構成の光学系駆動装置の場合、フォーカスコイル及びトラッキングコイルはいずれも巻線加工又はプレス成形加工により成形したものであるため、寸法的にばらつきが大きく磁気特性を均一化できないとともに小型軽量化しにくいという問題があった。
【0005】また、上述したフォーカスコイル及びトラッキングコイルは、その厚さが大きく、これらを磁気回路に挿入した場合、磁気ギャップが大きくなって磁束密度の低下による感度低下を招くという問題もあった。
【0006】さらに、フォーカスコイル及びトラッキングコイルをレンズ保持体に取り付ける構成であるため、レンズ保持体の剛性が小さくなり高次共振周波数を高めることができないという問題もあった。
【0007】そこで、本発明は、構成を改良し、小型軽量化が可能で優れた動作特性を発揮し高次共振周波数を高めることも可能な光学系駆動装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、対物レンズを保持するとともにフォーカスコイル及びトラッキングコイルを備え、支持機構部によりフォーカス方向及びトラッキング方向に変位可能に支持されたレンズ支持体と、このレンズ支持体のフォーカスコイル及びトラッキングコイルに対向させた磁石とを有し、前記フォーカスコイル及びトラッキングコイルと磁石との電磁作用によりレンズ支持体をフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動する光学系駆動装置において前記フォーカスコイルとトラッキングコイルは、同一基板上にパターン形成したものであることを特徴とするものであり、また、前記フォーカスコイルとトラッキングコイルは、絶縁層を介して形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
【作用】上述した構成の光学系駆動装置によれば、レンズ保持体に設けた電磁作用を発揮するフォーカスコイル及びトラッキングコイルを同一基板上にパターン形成したものであり、あるいは両者間に絶縁層を介しているので、寸法的に薄く均一化できるので磁気特性が均一化し、また、小型軽量化が可能となる。
【0010】また、このような構成のフォーカスコイル及びトラッキングコイルは、その厚さが薄くなり、これらを磁気回路に挿入した場合、磁気ギャップを小さくできるので磁束密度を高め光学系駆動装置の動作を高感度にすることができる。
【0011】さらに、このような構成のフォーカスコイル及びトラッキングコイルをレンズ保持体に取り付ける構成であるため、レンズ保持体の剛性を大きくし高次共振周波数を高めることもできる。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0013】図1に示す光学系駆動装置1は、平坦な基台2と、この基台2の端部上に設けた支持機構部3を構成する直方体状の支持体5と、この支持体5から水平方向に突設した合計4本のばね材6に取り付けた対物レンズ7を保持するレンズ支持体8と、このレンズ支持体8の両端面に各々取り付けた厚膜コイルによるフォーカスコイル9及びトラッキングコイル10と、基台2上においてレンズ支持体8の両端面の近傍に各々配置した同一形状で前記レンズ支持体8よりもトラッキング方向の幅が狭い一対のヨーク13と、各ヨーク13に対して上下配置にかつ各々レンズ支持体8に近接する状態に取り付けた永久磁石11、12とを具備している。
【0014】上側の各永久磁石11は、いずれもN極を前記トラッキングコイル10側に臨ませている。また、下側の各永久磁石12は、いずれもS極を前記レンズ支持体8側に臨ませている。
【0015】ここで、前記厚膜コイルによるフォーカスコイル9及びトラッキングコイル10の製造例について図2乃至図11を参照して詳述する。
【0016】前記フォーカスコイル9を製造するには、まず、図3に示すように、アルミナ製の長方形状の基板(厚さ20μm程度)21を用意し、この基板21に対して図4に示すように幅100乃至150μm、厚さ5乃至20μmの印刷法による銅等の導電体製のパターンP1を角型螺旋状に形成する。
【0017】次に、パターンP1上に図5に示すように低融点ガラスを用いた絶縁層22を印刷塗布しこのパターンP1を覆う。この際、パターンP1の内側の端部の上側のみに接続用の穴部23を形成しておく。
【0018】次に、図6に示すように、絶縁層22上にやはり幅100乃至150μm、厚さ5乃至20μmの印刷法による銅等の導電体製のパターンP2を角型螺旋状に形成する。この際、パターンP2の内側の端部は穴部23を介してパターンP1の内側の端部と接続される。
【0019】さらに、図7に示すように、パターンP2の上に低融点ガラスを用いた絶縁層24を印刷塗布しこのパターンP2を覆う。
【0020】これにより、フォーカスコイル9を得ることができる。
【0021】尚、パターンP1、パターンP2の各外側の端部領域は、図4、図6に示すようにやや大きめにし、図示しないリード線の半田接続に用いる。
【0022】前記フォーカスコイル9上にトラッキングコイル10を形成する。
【0023】即ち、まず、図8に示すように、フォーカスコイル9上の上側左隅部に幅100乃至150μm、厚さ5乃至20μmの印刷法による銅等の導電体製のパターンP3を角型螺旋状に形成する。
【0024】次に、パターンP3上に図9に示すように低融点ガラスを用いた絶縁層32を印刷塗布しこのパターンP3を覆う。この際、パターンP3の内側の端部の上側のみに接続用の穴部33を形成しておく。
【0025】次に、図10に示すように、絶縁層32上にやはり幅100乃至150μm、厚さ5乃至20μmの印刷法による銅等の導電体製のパターンP4 を角型螺旋状に形成する。この際、パターンP4の内側の端部は穴部33を介してパターンP3の内側の端部と接続される。
【0026】さらに、図11に示すように、パターンP4の上に低融点ガラスを用いた絶縁層34を印刷塗布しこのパターンP4を覆う。
【0027】このようにして、フォーカスコイル9にトラッキングコイル10を形成することができる。フォーカスコイル9上の上側右隅部に形成するトラッキングコイル10の製造方法も上述した場合と全く同様である。
【0028】尚、パターンP3、パターンP4の各外側の端部領域は、図8、図10に示すようにやや大きめにし、図示しないリード線の半田接続に用いる。
【0029】このようにして製造したフォーカスコイル9、トラッキングコイル10を接着剤を用いて図2に示すように前記レンズ支持体8の各端面に各々接着する。
【0030】上述した構成の光学系駆動装置1によれば、レンズ保持体8に設けた電磁作用を発揮するフォーカスコイル9及びトラッキングコイル10の双方を厚膜コイルとしたので、寸法的に薄く均一化できるので磁気特性が均一化し、また、小型軽量化が可能となる。
【0031】尚、フォーカスコイル9及びトラッキングコイル10のうち、トラッキングコイル10のみを厚膜コイルとしたり、逆にフォーカスコイル9のみを厚膜コイルとすることもできる。
【0032】また、上述した厚膜コイルによるフォーカスコイル9及びトラッキングコイル10は、その厚さが従来のフォーカスコイル及びトラッキングコイルよりもはるかに薄くなるので、これらを光学系駆動装置1の磁気回路に挿入した場合、磁気ギャップを小さくでき、これにより、フォーカスコイル9及びトラッキングコイル10と永久磁石11、12との間の磁束密度を高め光学系駆動装置1の動作を高感度にすることができる。
【0033】さらに、厚膜コイルによるフォーカスコイル9及びトラッキングコイル10をレンズ保持体8に取り付ける構成であるため、レンズ保持体8の剛性が従来例よりも大きくなり、これにより、レンズ保持体8の高次共振周波数を高めることもできる。
【0034】図12は本発明の他の実施例を示すものであり、同図に示す光学系駆動装置1Aは、前記レンズ保持体8の両端面の両側に各々配置したレンズ保持体8よりも狭幅の一対のヨーク15を立設し、各ヨーク15の上部に各々N極が前記トラッキングコイル10に対峙する状態に永久磁石11を配置したこと、レンズ保持体8の内部をフォーカス方向に沿って、かつ、前記永久磁石11のトラッキング方向の幅と同一幅で四角形状に切欠し、その内部に一対の直方体状の内部ヨーク41、42を配置したことが特徴である。
【0035】この光学系駆動装置1Aによっても、前記光学系駆動装置1の場合と同様な作用効果を発揮させることが可能である。
【0036】本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0037】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、レンズ保持体に設けた電磁作用を発揮するフォーカスコイル及びトラッキングコイルを同一基板上にパターン形成したものであり、あるいは両者間に絶縁層を介したものであるから、磁気特性が均一化し、また、小型軽量化が可能となるとともに、磁気回路に挿入した場合、磁気ギャップを小さくできるので磁束密度を高め光学系駆動装置の動作を高感度にでき、さらに、レンズ保持体の剛性を大きくし高次共振周波数を高めることも可能な光学系駆動装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000003067
【氏名又は名称】ティーディーケイ株式会社
【出願日】 平成4年10月12日(1992.10.12)
【代理人】 【識別番号】100081411
【弁理士】
【氏名又は名称】三澤 正義
【公開番号】 特開2002−56551(P2002−56551A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2001−210180(P2001−210180)