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【発明の名称】 光学ピックアップ装置及び光学ピックアップ装置の製造方法
【発明者】 【氏名】森 一弘

【氏名】金 容台

【氏名】桜井 努

【要約】 【課題】メカデッキ上に搭載した後において対物レンズスキュー調整を行う場合においても、調整後に調整結果が良好に維持されるようにする。

【解決手段】アクチュエータ部3を覆うカバー部材4に、スキュー調整部材2を光学ブロック部1に対して固定する接着剤の塗布を行うための開口部14を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光学記録媒体に対して相対的に移動操作される光学ブロック部と、上記光学ブロック部に対する傾きの調整が可能となされて該光学ブロック部に取付けられたスキュー調整部材と、上記スキュー調整部材に取付けられ、上記光学ブロック部より射出される光束を光学記録媒体上に集光させる対物レンズを支持するアクチュエータ部と、上記アクチュエータ部を覆うカバー部材とを備え、上記カバー部材は、上記スキュー調整部材を上記光学ブロック図に対して固定する接着剤の塗布を行うための開口部を有していることを特徴とする光学ピックアップ装置。
【請求項2】 光学記録媒体に対して相対的に移動操作される光学ブロック部に対して、この光学ブロック部に対する傾きの調整が可能となされて該光学ブロック部に取付けられたスキュー調整部材の傾きを調整し、上記光学ブロック部より射出される光束を光学記録媒体上に集光させる対物レンズを支持するアクチュエータ部を覆うために上記スキュー調整部材に取付けられたカバー部材に設けられた開口部を介して、接着剤を塗布して、該スキュー調整部材を該光学ブロック部に対して固定することを特徴とする光学ピックアップ装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学記録媒体からの情報信号の読出しを行う光学ピックアップ装置及び光学ピックアップ装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学記録媒体が提案され、この光学記録媒体に記録された情報信号を読出すための光学ピックアップ装置が提案されている。そして、このような光学記録媒体及び光学ピックアップ装置においては、記録密度の向上を図るために、近年、読取光波長の短波長化、対物レンズの高NA(開口数)化が行われている。
【0003】このように、読取光波長の短波長化、対物レンズの高NA化が進んだことにより、光学ピックアップ装置においては、この光学ピックアップ装置を移動操作可能に搭載するメカデッキ上にこの光学ピックアップ装置を搭載した後において対物レンズスキュー調整を行う必要性が増してきている。対物レンズスキュー調整は、メカデッキにより移動操作可能に支持される光学ブロック部(スライドベース)に対して、対物レンズを支持する2軸アクチュエータの傾きを調整することによって行われる。
【0004】2軸アクチュエータをこの2軸アクチュエータが取付けられたスキュー調整ベースとともに光学ブロック部に対して傾けることによって、対物レンズスキュー調整を行う場合においては、2軸アクチュエータを覆うためのアクチュエータカバーを外した状態で行う必要があった。
【0005】これは、特に、アクチュエータカバーが光学ブロック部に直接装着されている場合においては、このアクチュエータカバーを装着した状態では、スキュー調整ベースと光学ブロック部との間の接着固定等、すなわち、接着剤の塗布及びUV(紫外線)照射による硬化等を行うことが困難であるからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のような光学ピックアップ装置においては、対物レンズスキューの調整を完了した後に、スキュー調整ベースと光学ブロック部との接着固定を行うときには、アクチュエータカバーが装着されておらず、スキュー調整ベース等の調整箇所が外方側に露出されている。
【0007】そのため、この光学ピックアップ装置においては、対物レンズスキューの調整完了後、アクチュエータカバー装着前において、スキュー調整ベース等が直接的に外力の影響を受け易く、対物レンズスキューの調整にずれを生じさせてしまう虞れがあった。
【0008】また、アクチュエータカバーを光学ブロック部に取付ける際に、スキュー調整ベースの接着固定部に応力がかかり、対物レンズスキューの調整精度が損なわれる虞れがあった。
【0009】そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、光学ピックアップ装置を移動操作可能に搭載するメカデッキ上にこの光学ピックアップ装置を搭載した後において対物レンズスキュー調整を行う場合においても、調整後に調整結果が良好に維持されるようになされた光学ピックアップ装置及びそのような光学ピックアップ装置の製造方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するため、本発明に係る光学ピックアップ装置は、光学記録媒体に対して相対的に移動操作される光学ブロック部と、この光学ブロック部に対する傾きの調整が可能となされて該光学ブロック部に取付けられたスキュー調整部材と、このスキュー調整部材に取付けられ光学ブロック部より射出される光束を光学記録媒体上に集光させる対物レンズを支持するアクチュエータ部と、このアクチュエータ部を覆うカバー部材とを備えて構成されている。
【0011】そして、この光学ピックアップ装置においては、カバー部材は、スキュー調整部材を光学ブロック部に対して固定する接着剤の塗布を行うための開口部を有していることを特徴とするものである。
【0012】また、本発明に係る光学ピックアップ装置の製造方法においては、光学記録媒体に対して相対的に移動操作される光学ブロック部に対してこの光学ブロック部に対する傾きの調整が可能となされて該光学ブロック部に取付けられたスキュー調整部材の傾きを調整し、この光学ブロック部より射出される光束を光学記録媒体上に集光させる対物レンズを支持するアクチュエータ部を覆うためにスキュー調整部材に取付けられたカバー部材に設けられた開口部を介して接着剤を塗布して該スキュー調整部材を該光学ブロック部に対して固定することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0014】本発明に係る光学ピックアップ装置は、図1に示すように、光学ブロック部(スライドベース)1と、この光学ブロック部上に傾き調整が可能に取り付けれたスキュー調整部材であるスキュー調整ベース2と、このスキューベース2上に配設される2軸アクチュエータ3と、光学ブロック部1に取付けられて該スキュー調整ベース2及び2軸アクチュエータ3を覆うカバー部材となるアクチュエータカバー4とを備えて構成される。
【0015】光学ブロック部1内には、光源となるレーザダイオード、このレーザダイオードから発せられた光束をこの光学ブロック部1の外方側に射出させるための複数の光学デバイス、及び、後述する光学記録媒体により反射されて戻った光束を検出するための光検出器が内蔵されている。
【0016】この光学ブロック部1は、スラストベアリング部5を有しており、図2に示すように、このスラストベアリング部5に、光学記録再生装置のメカシャーシ101上に配設されたガイド軸102を挿通させて、このガイド軸102に沿って移動操作可能に支持される。このメカシャーシ101上には、光学記録媒体である光ディスク103を支持し回転操作するためのスピンドルモータ104が配設される。そして、このメカシャーシ101上においては、光学ピックアップ装置は、ガイド軸102に沿って移動操作されることにより、スピンドルモータ104によって支持されて回転操作される光ディスク103の信号記録面に対して、後述する対物レンズを対向させた状態で、この光ディスク103の内外周に亘って移動操作が可能となされる。
【0017】図1に示すスキュー調整ベース2は、取付けねじなどにより光学ブロック部1に取付けられた状態で、この光学ブロック部1に設けられた支点を介して、該光学ブロック部1に対して傾けられることが可能となされている。そして、このスキュー調整ベース2は、光学ブロック部1に対する傾きが適正な状態となると、この光学ブロック部1に対して、例えば、UV(紫外線硬化型)接着剤などによって、固着される。
【0018】そして、このスキュー調整ベース2上には、対物レンズを支持する2軸アクチュエータ3が配設されている。対物レンズは、光学ブロック部1より射出された光束を、スピンドルモータによって支持された光ディスクの信号記録面上に集光させるものである。2軸アクチュエータ3は、スキー調整ベース2上に立設された一対の磁気ヨーク6,6と、これら磁気ヨーク6,6に取付けられた一対のマグネット7,7からなる磁気回路を有して構成される。そして、この2軸アクチュエータ3は、対物レンズ8が取付けられたコイルボビン9を有している。このコイルボビン9は、対物レンズ8の入射面及び出射面をそれぞれ下方側及び上方側に臨ませて該対物レンズ8を支持しており、外周面部には、フォーカスコイル10及びトラッキングコイル11が取付けられている。そして、このコイルボビン9は、可撓性を有する支持腕12を介して、各磁気ヨーク6,6の間に位置して、スキュー調整ベース2に取付けられている。
【0019】この2軸アクチュエータ3においては、フォーカスコイル10に駆動電流が供給されると、この駆動電流が形成する磁界とマグネット7,7が形成する磁気回路の磁界との相互作用により、コイルボビン9は、図1中矢印Foで示す対物レンズ8の光軸方向であるフォーカス方向に移動操作される。また、この2軸アクチュエータ3において、トラッキングコイル11に駆動電流が供給されると、この駆動電流が形成する磁界とマグネット7,7が形成する磁気回路の磁界との相互作用により、コイルボビン9は、図1中矢印Trで示す対物レンズ8の光軸に直交するトラッキング方向に移動操作される。このトラッキング方向は、メカシャーシ上においては、光ディスクの系方向に一致する方向である。
【0020】この2軸アクチュエータ3は、フォーカスコイル10及びトラッキングコイル11にそれぞれフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に応じた駆動電流を供給されることにより、コイルボビン9を移動操作して、対物レンズ8によって形成される光束の集光点を光ディスクの記録トラックに追従させる。
【0021】そして、この2軸アクチュエータ3は、スキュー調整ベース2が光学ブロック部1に対する傾きを調整されることにより、対物レンズ8とともに、この光学ブロック部1に対する傾きを調整される。
【0022】アクチュエータカバー4は、合成樹脂材料や金属等の材料によって、中空の略々箱状に形成されており、光学ブロック部1側に臨む下面部が解放されるとともに、上面部の略々中央には、対物レンズ8が上方側に臨むためのレンズ用開口部13が形成されている。また、このアクチュエータカバー4は、上面部及び側面部の一部に亘って、接着剤塗布作業用開口部14を有している。
【0023】この光学ピックアップ装置は、レーザダイオードより発せられ対物レンズ8により光ディスクの信号記録面上に集光された光束の該信号記録面よりの反射光束を再び対物レンズ8を介して光検出器によって検出することにより、該光ディスクに記録された情報信号の読取りを行う。
【0024】上述のように構成された本発明に係る光学ピックアップ装置は、本発明に係る光学ピックアップ装置の製造方法によって製造される。すなわち、この光学ピックアップ装置においては、図2において矢印Ra及び矢印Ta示すように、スキュー調整ベース2の光学ブロック部1に対する傾きの調整を行う。この調整は、スピンドルモータ104によって回転操作される光ディスク103より、この光学ピックアップ装置により情報信号の読出しを行い、読出された信号の状態によって、対物レンズ8の傾きの良否を判断することによって行う。
【0025】そして、この調整が完了したときには、図3に示すように、接着剤塗布作業用開口部14を介して、接着剤ディスペンサ15を用いて、スキュー調整ベース2と光学ブロック部1との間に、例えば、UV(紫外線硬化型)接着剤等の接着剤の塗布を行う。この接着剤塗布作業は、光学ピックアップ装置をメカシャーシ101に装着したままで、また、アクチュエータカバー4を光学ブロック部1に取り付けたままで行うことができる。
【0026】さらに、接着剤の塗布が完了したときには、図4に示すように、接着剤塗布作業用開口部14を介して、例えば、UV(紫外線)照射器16を用いて、スキュー調整ベース2と光学ブロック部1との間に塗布された接着剤に紫外線を照射することにより、この接着剤を硬化させ、スキュー調整ベース2を光学ブロック部1に対して固着させる。この硬化作業は、光学ピックアップ装置をメカシャーシ101に装着したままで、また、アクチュエータカバー4を光学ブロック部1に取り付けたままで行うことができる。
【0027】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る光学ピックアップ装置及び光学ピックアップ装置の製造方法においては、スキュー調整部材の光学ブロック部に対する傾きの調整及び接着等による固着を、カバー部材を装着したままの状態で行うことができる。すなわち、スキュー調整部材の光学ブロック部に対する傾きの調整の後に、カバーを取付ける必要がなく、このカバー部材の取付け作業により傾きの調整状態に対して影響を与える虞れがない。
【0028】また、この光学ピックアップ装置においては、光学ピックアップ装置を記録再生装置のメカデッキに取り付けた状態においても、スキュー調整部材の光学ブロック部に対する傾きの調整及び接着等による固着を行うことができる。したがって、メカデッキ上において、光学ピックアップ装置全体を傾き調整する機構を設ける必要をなくすことができる。
【0029】すなわち、本発明は、光学ピックアップ装置を移動操作可能に搭載するメカデッキ上にこの光学ピックアップ装置を搭載した後において対物レンズスキュー調整を行う場合においても、調整後に調整結果が良好に維持されるようになされた光学ピックアップ装置及びそのような光学ピックアップ装置の製造方法を提供することができるものである。
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成12年8月9日(2000.8.9)
【代理人】 【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃 (外2名)
【公開番号】 特開2002−56546(P2002−56546A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−241792(P2000−241792)