| 【発明の名称】 |
ピックアップトラバースの調整部材 |
| 【発明者】 |
【氏名】城戸 国男
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| 【要約】 |
【課題】ピックアップトラバースの調整部材をシャーシと一体成形して構成部品点数を削減する。
【解決手段】ピックアップトラバース(案内軸)12の支持部材103は、基部105の連結部107以外の辺がシャーシ10から切離され、帯状に延在する自由端を直角に折曲げ、上方に開口する切込み103aを設けて案内軸12を支持する。基部105は圧延して薄肉の弾性変形部106を形成する。片側縁に歯列104aをプレス加工したネジ軸104をシャーシから切起す。ナット11をネジ軸104に螺合し、ねじ込みまたはねじ戻し操作で案内軸12の傾斜を調整する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ピックアップ移動位置での光軸の傾きを修正するピックアップトラバース調整機構を備えたピックアップユニットにおいて、前記調整機構を構成する部材のうち、ピックアップ案内軸の支持部、調整操作用のネジ体に螺合するネジ軸および前記調整ネジ体に対して弾性力を作用させる付勢部のうちの二部材以上を、板金プレス成形加工またはモールド射出成型加工のいずれかにより前記ピックアップユニットのシャーシ部材と一体に形成したことを特徴とするピックアップトラバースの調整部材。 【請求項2】 前記支持部とネジ軸とを板金プレス成形加工により前記シャーシ部材と一体成形したことを特徴とする請求項1に記載のピックアップトラバースの調整部材。 【請求項3】 前記付勢部と支持部とを板金プレス成形加工により前記シャーシ部材と一体形成したことを特徴とする請求項1に記載のピックアップトラバースの調整部材。 【請求項4】 前記シャーシ部材と一体の付勢部は一部に薄肉部を設けて可撓部とし、この可撓部における可撓量と付勢力とを平衡させたことを特徴とする請求項3に記載のピックアップトラバースの調整部材。 【請求項5】 前記支持部に前記付勢部と前記調整ネジ体との係合部を連設したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のピックアップトラバースの調整部材。 【請求項6】 前記調整ネジ体の回転中心を前記案内軸の中心と直交させ、前記支持部と前記ネジ軸とを一体に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載のピックアップトラバースの調整部材。 【請求項7】 前記モールド射出成形加工による前記ネジ軸のネジ山は、連続する一山を1周以内に設け、金型の一往復動で加工できる構成にしたことを特徴とする請求項1に記載のピックアップトラバースの調整部材。 【請求項8】 前記モールド射出成形加工による前記ネジ軸のネジ山を不連続にして、残されたネジ山が軸線方向で互いに重ならないように配置し、金型の一往復動で加工できる構成にしたことを特徴とする請求項1に記載のピックアップトラバースの調整部材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ディスクプレーヤにおいて、サーボモータによって回転する光学的記録ディスクの半径線に沿って再生用光学ピックアップを走査させる直線移動機構(ピックアップトラバース)に係わり、より具体的にはピックアップが光軸を光ディスク面に対して垂直にかつ合焦距離を一定に保って平行移動するように再生用光学ピックアップの移動位置でのピックアップ光軸の傾きの変動を修正するために、案内軸の傾斜(光学的記録面との平行度)を修正するスキュー調整部材に関する。 【0002】 【従来の技術】従来は図19に示されるように、ディスクプレーヤ再生用光学ピックアップ201は、サーボモータ202のターンテーブル203に載置されて回転する光ディスク204の記録面と平行な面内で平行に配設された二本の案内軸205(図示は一本のみ)に支持されて移動するように構成されている。案内軸205はピックアップ201が光ディスク面204と平行な面内で光軸を垂直に保持して移動する。ピックアップ201の平行移動を案内軸205の平行度で修正するために、案内軸205を軸受206の貫通孔に嵌挿して支持する少なくとも三箇所の支持部材207(図示は二箇所のみ)の高さ(シャーシ208からの距離)が調整できるようになっている。 【0003】従来の調整手段の支持部材207は、シャーシ208に基部209をカシメて立設したボルト210のネジを形成しない部分210aに摺動自在に嵌装され、シャーシ208との間に円錐コイルバネ211が介装される。ボルト210のネジ部に螺合させた調整ネジ212の片面を支持部材207に当接させ円錐形コイルバネ211の付勢力に抗して案内支持部材207を押動し、または円錐形コイルバネ211の復元力で支持部材207を調整ネジ212のねじ戻しに追動させることにより、案内軸205の支持高さを調整する構成が適用されている。 【0004】支持部材207から延在する補助ガイド軸213は、シャーシ208の貫通孔214に嵌合して摺動自在であり、圧縮スプリング215との協働で支持部材207と立設ボルト210との間の嵌合がこじれやがたつきによって円滑性を阻止することなく均等な力配分でバランスよく摺動できるように設置される。 【0005】このように、ピックアップ201を光ディスク204と平行な面内で移動させるための従来の案内軸205の調整手段は、案内軸205の支持部材207、円錐コイルバネ211のような変位復元のための弾性付勢部材、調整ネジ212およびボルト210のような調整ネジを微小移動させるネジ軸からなる少なくとも四点の構成部材が一箇所の案内軸支持部材207の高さ調整に必要であり、少なくとも三個所の案内軸支持部材207を含む調整箇所周辺には実に12点の関連部品を個々に別部材として用意しなければならない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】このような部品点の多さに加えて、金属板シャーシの場合、ボルト210をカシメるときにシャーシ208を変形させるので、製品の均一性が期し難い。また、互いに係合させる部分が多いことによる組立て累積誤差で生じる製品のばらつきは、個々の製品の調整にかける労力と時間を増大させるばかりか、個々の製品に対する品質管理の自動化の障害となる。また、シャーシ208をプラスチックモールドで射出成型加工する場合は、ネジを一体成型する金型形状の複雑化が避けられない。 【0007】さらに、ネジ軸のネジ機能は位置の設定に使用されるのみで、負荷応力は僅かであるから、調整ネジを全ネジで支持する必要はない。しかしながら、ネジの螺旋形状をプレス金型や成形金型で成形するために金型構造が複雑になることは避けられない。このため、ネジの一部を省略して板金プレス金型またはモールド射出成型金型の構造を簡略化して、最も基本的な一往復動のみの工程で成形ができるようにして製造コストを節減することが望まれる。 【0008】そこで本発明の第一の目的は、ネジ軸、弾性付勢部材、支持部材のいずれかをシャーシと一体化することによって構成部品点数並びに組立工数を削減し、製造コストを低減することである。 【0009】本発明の第二の目的は、金型を単純化して加工時間を短縮すると共に金型の耐久性を向上させて、金型経費を節減することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明に係わるピックアップトラバースの調整部材は、ピックアップ移動位置での光軸の傾きを修正するピックアップトラバース調整機構を備えたピックアップユニットにおいて、前記調整機構を構成する部材のうち、ピックアップ案内軸の支持部、調整操作用のネジ体に螺合するネジ軸および前記ネジ体に対して弾性力を作用させる付勢部のうちの二部材以上を、板金プレス成形加工またはモールド射出成型加工のいずれかにより前記ピックアップユニットのシャーシ部材と一体に形成した。 【0011】そこで、前記支持部とネジ軸とを板金プレス成型加工により前記シャーシ部材と一体成形した。また、前記付勢部と支持部とを板金プレス成形加工により前記シャーシ部材と一体成形してもよい。この場合、前記シャーシ部材と一体の弾性部材は一部に薄肉部を設けて可撓部とし、この可撓部における可撓量と付勢力とを平衡させた。 【0012】また、前記支持部に前記付勢部と前記調整ネジ体との係合部を連設してもよい。好適には、前記調整ネジ体の回転中心を案内軸の中心と直交させ、前記支持部材と前記ネジ軸とを一体成型する。 【0013】一方、前記モールド射出成形加工による前記ネジ軸のネジ山は、連続する一山を1周以内に設け、金型の一往復動で加工できるようにした。また、前記モールド射出成形加工による前記ネジ軸のネジ山を不連続にして、残されたネジ山が軸線方向で互いに重ならないように配置し、金型の一往復動で加工できるようにしてもよい。 【0014】 【発明の実施の形態】以下に本発明に係わるピックアップトラバースの調整部材の実施の形態を図1〜図18に図示した各実施例に従って順次説明する。図1〜図7において共通するシャーシ10、調整ネジ体としてのナット(以下調整ナット)11および円柱状のピックアップトラバース(以下案内軸)12は同じ符号で示す。図1は第一実施例で、板金プレス成形加工によりシャーシ10と一体成形した支持部材13とネジ軸14との斜視図である。すなわち、ネジ軸14は、調整ナット11のネジ形状およびピッチに合致させた歯列14a,14bがプレスの打抜きで幅の両側に形成されている。ネジ軸14の横に円柱状案内軸12の外径に嵌合する円弧状の切込み13aを設けた支持部材13を連設し、一体でシャーシ10から切起片を形成する。 【0015】付勢部としての捩りコイルばね16は別部品で、切起したネジ軸14および支持部材13との切起片15、シャーシ10から別に切り起こしたばね支持片17との間に設置し、コイルバネ部16aから延在する脚部16b,16cの先端を折曲げ、一方の脚部端16dはネジ軸14の基部に係止して位置決めし、他方の脚部端16eは案内軸12の外周を下から囲繞する形状で支持し、コイルバネ部16aの弾性により案内軸12の端部を上方に向けて付勢している。 【0016】調整ナット11をネジ軸14の歯列14a,14bに螺合し、調整ナット11の拡径したつば11aの下面を案内軸12の外周上端に当接させてコイルバネ部16aの弾性付勢力に抗して案内軸12の位置を下方移動しあるいは調整ナット11をねじ戻して、コイルバネ部16aの弾性付勢力で案内軸12の位置を上方移動させて、案内軸12の傾斜を調整することができる。 【0017】図2(a)は第二実施例の一部を断面で示した側面図である。ネジ軸24は、第一実施例同様に調整ナット11のネジ形状およびピッチに合致させた歯列24a,24bをプレスの打抜きで幅の両側に形成してある。ネジ軸24の中心に円柱状案内軸12の外径が摺動可能に挿通できる上下方向の長孔23aを穿設して支持部とする。支持部はネジ軸24と一体化されるので切起し部分の面積が少なくてすむ。 【0018】付勢部として別設の捩りコイルばね26は、切起したネジ軸24および別にシャーシ10から切起した支持片27a,27bの間で位置決めされる。コイルばね部26aから延在する一方の脚部端26bは案内軸12の中心付近で上方に向けて垂直に折曲げ案内軸12の軸方向の移動を防止するように機能させる。他方の脚部端26cは案内軸12の外周を下から囲繞する形状で支持し、コイルバネ部26aの弾性により案内軸12の端部を上方に向けて付勢している。調整ナット11をネジ軸24の歯列24a,24bに螺合し、捩りコイルばね26との協働で案内軸12の端部を上下に移動させて傾斜を調整することは第一実施例と同様である。 【0019】図2(b)は第三実施例を断面で示した側面図である。切起したネジ軸34は第二実施例と同様で、ネジ軸34両側縁には歯列34a,34bが形成されている。別設の付勢部は圧縮コイルばね36で、ネジ軸34の基部34cの外周を囲繞して伸縮自在であり、ネジ軸34中央の長孔33aに嵌挿されて垂直方向に摺動自在な案内軸12を上方に付勢している。調整ナット11をネジ軸34の歯列34a,34bに螺合し、圧縮コイルばね36と協働して拡径したつばの下面11aで案内軸12の端部を押動し、案内軸12の傾斜を調整することは上記実施例と同様であるので説明を省略する。 【0020】図2(c)は第四実施例を断面で示した側面図である。切起したネジ軸44には、上方に開口する切込み43aが設けられ案内軸12を垂直に案内する支持部を兼ねている。言い換えれば、支持部の両側縁に上記実施例同様の調整ナット11の雌ネジに螺合する歯列44a,44bが形成されてネジ軸44を形成している。付勢部として別設の捩りコイルばね46は、切起したネジ軸44と別にシャーシ10を切起した支持片47aの間で位置決めされ、コイルばね部46aから延在する一方の脚部46bの下方折曲部分46cを、シャーシ10に穿設した孔47bに挿入して固定する。 【0021】コイルばね部46aは、延在する他方の脚部端46dで案内軸12の端部を下から支持し上方に向けて弾性付勢している。縮径されたつば11bをもつ調整ナット11をネジ軸44の歯列44a,44bに螺合し、捩りコイルばね46と協働して、縮径されたつば11bの下面で案内軸12の端部を上下に移動させて傾斜を調整することは上記実施例と同様であるので説明を省略する。捩りコイルばね16,26,46は上記実施例以外にも様々な変形が可能であり、また、上記実施例の間でいろいろに組合せを変えて実施することもできる。 【0022】上記ネジ軸14,24,34,44にプレス成形される歯列14a,14b;24a,24b;34a,34b;44a,44bは、力を伝達するものではなく、位置の移動にのみ使用され、位置の移動に要する耐力は僅かであるから、調整ナット11の全てのネジ山が係合に関わる必要はない。この観点から、歯列14a,14b;24a,24b;34a,34b;44a,44bに配列される歯の数を減らしてプレス型を簡単化することができる。その実施の形態を図3から図7に示す第5〜第8実施例について説明する。 【0023】図3の第五実施例の構成は第一実施例と同様で、同じ符号が用いてあるが、ネジ軸54には幅の片側だけに歯列54aが形成される。図4はさらに歯列の歯数を省略した第六実施例で第五実施例の変形例である。図4(a)はネジ軸64の両側で歯列64aの歯は2枚、歯列64bの歯は1枚である。図4(b)はネジ軸74の両側で歯列74a,74bにはそれぞれ1枚ずつ設けられる。 【0024】図4(c)のネジ軸84は片側の歯列84aだけに2枚の歯が設けてある。図4(d)の歯はネジ軸94は片側の歯列94aに1枚だけで最も単純化した実施例である。第六実施例は螺合作用による案内軸12の移動機能は十分にあり、ネジロック等の緩み止めを配慮して、振動などの外乱で生じる係合の緩みで位置が移動するのを防止すれば、目的とする案内軸12の調整は支障なく達成することができる。 【0025】図5は第七実施例の断面図である。第七実施例ではネジ軸104、支持部103および付勢部106が全てシャーシ10と一体形成される。すなわち支持部103は、基部105の連結部107以外の辺がシャーシ10から切離され、帯状に延在する自由端を直角上方に折曲げて形成する。支持部103の上端には、上方に開口して案内軸12の外径と密に嵌合する切込み103aを設けて案内軸12を支持する。 【0026】基部105におけるシャーシ10との連結部107近傍の板厚をプレス圧延で薄く形成し片持梁構造の弾性変形部106を付勢部として形成する。帯状の基部105の中心線の延長線上に、片側縁に歯列104aをプレス成形加工したネジ軸104が切起される。歯列104aは第一実施例〜第四実施例(図1および図2参照)に示すように両側に設けても、また第五実施例(図3参照)および第六実施例(図4参照)のように適当に歯数を減らしてもよい。 【0027】上記実施例同様に、調整ナット11をネジ軸104に螺合して、つば11aで案内軸12の先端を押動して下方移動させると、支持部103は下方変位し、弾性変形部106は連動して弾性変形し、上向きの付勢力を蓄勢する。調整ナット11をねじ戻すと、弾性変形部106は蓄勢力によって弾性復帰し、支持部103が上方変位して案内軸12を上方移動させる。すなわち、調整ナット11のねじ込みまたはねじ戻し操作で案内軸12の傾斜を調整することができる。 【0028】図6および図7は第八実施例である。図6は斜視図、図7は図6の7−7線に沿った側面図で一部を断面で示す。第八実施例は支持部の変形例である。第七実施例同様にシャーシ10から切離して切起した支持部113の帯状基部115にはプレス圧延によってシャーシ10と同じ板材の肉厚を薄くした弾性変形部116が付勢部として形成される。隣接して切起したネジ軸114は歯列114aがプレス成形加工され、基部114bで案内軸12を垂直に案内する。支持部113にはネジ軸114に向かって距離を短縮する方向に下降する傾斜部113bを設けて楔作用によってネジ軸基部114bに案内軸12側面を押圧し三点で安定に支持する。しかも、弾性変形部116の付勢力は、傾斜部114bの斜面による分力で、案内軸12を調整ナット11のつば11aとネジ軸114に弾性圧着し緩み止め機能も果たす。 【0029】ネジ軸114は、第五実施例と同様の構成で片側のみに歯列114aが形成されている。調整ナット11をネジ軸114の歯列114aに螺合させてつば11aで案内軸12外面の頂部に当接させて押動することにより、案内軸12の軸端と共に支持部113を下方移動させて弾性変形部116に付勢力を蓄勢し、調整ナット11をねじ戻すことで弾性変形部116が弾性復帰して支持部113は案内軸12の軸端を上方移動する。従って、調整ナット11のねじ込み、ねじ戻し操作により案内軸12の傾斜を調整することができることは上記実施例と同様である。 【0030】図8および図9は第九実施例で、以下シャーシ10および案内軸12については上記実施例と同一符号で示す。図8は斜視図、図9は図8の9−9線に沿った断面図である。第九実施例はシャーシ10にタップ加工を施し、調整ネジ体として調整ボルト111を使用することでネジ軸が省略される。すなわち、第九実施例は付勢部および支持部がシャーシ10に一体形成された実施の形態で、シャーシ10から支持部123が切起され、帯状の基部125と共にシャーシ10との連結部127を残して切離されている。 【0031】支持部123にはシャーシ10の上面から所定の高さに案内軸12と精密に嵌合する挿通孔123aが穿設されて案内軸12を支持する。また、基部125は連結部127の根元近傍にプレス圧延によりシャーシ10を構成する板材の肉厚を薄くした弾性変形部材126を付勢部として形成し、自由端を上向きに直角に折曲げて調整ボルト111との係合部128とする。さらに、基部125の中心線125aの延長線上に中心を置く雌ネジ129をタップ加工でシャーシ10に螺刻する。 【0032】雌ネジ129に標準ボルト111をねじ込み、ボルトのつば111aで操作部128を押動する。つば111aによる係合部128の下方移動で、片持梁構造の弾性変形部126は下向きに弾性変形して蓄勢され、支持部123は下方変位する。標準ボルト111をねじ戻すと、係合部128は弾性変形部126に蓄勢された付勢力により、支持部123は復帰方向に上方変位する。標準ボルト111のねじ込み、ねじ戻しで支持部123の上下変位と共に移動する挿通孔123aにより案内軸12の傾斜を調整することができる。 【0033】図10は第十実施例で、長手方向に三分割した雌ネジ134aをシャーシ10を形成する板金の表裏に交互にプレス型で螺刻し、ネジ側を円弧状の凹面に形成して調整ネジ体としての調整ボルト131が螺合できる雌ネジ形状にする。雌ネジ134aを形成したネジ軸134が切起される。あるいは、交互に形成した円弧状の凹面にタッピングで雌ネジ134aを形成してもよい。支持部133は、中心が雌ネジ134aの軸線に整合するように、シャーシ10に片持梁構成で連結部137から帯状に延在する基部135の自由端を上方に折曲げて形成し、先端の中心が雌ネジ134a軸線の直下に整合するようにする。また、基部135の連結部137近傍における板材の肉厚をプレス圧延で薄くして弾性変形部136を形成し付勢部とする。 【0034】雌ネジ134aに調整ボルト131を螺合し、調整ボルトの先端131aで案内軸12の外面頂部を押動し、案内軸12端部と共に支持部133を下方移動させる。支持部133に連動して弾性変形部136は変形し付勢力を蓄勢する。ボルト131をねじ戻すと弾性変形部136は弾性復帰し案内軸12の端部を上方移動させる。すなわち、調整ボルト131をねじ込み、ねじ戻しすることで上記実施例同様に案内軸12の傾斜を調整することができる。 【0035】図11〜図17は、本発明に係わるピックアップトラバースの調整部材において、プラスチックのモールド射出成型加工で成形されるシャーシ20に、案内軸12の調整に関わるネジ軸、付勢部、支持部を一体化する場合の実施の形態について説明する。以下の図面で、調整ネジ体としての調整ナット11、案内軸12、シャーシ20には同一符号を使用する。図11〜図13は第十一実施例の図示で、図11は斜視図、図12は平面図、図13は図12の13−13線に沿った断面図である。 【0036】ネジ軸144、支持部143、付勢部146はシャーシ20と同時に一体成形される。ネジ軸144はネジ係合突起144bを明確にするため誇張して図示されている。ネジ軸144の直径線を横断し軸線方向に延在する溝144aは、案内軸12の外径を嵌入して案内軸12の横移動を規制し、垂直な摺動を案内する。ネジ軸144には調整ナット11のピッチ螺旋11cに沿って外周をほぼ等分する3箇所のみにネジ係合突起144bが突設される。これは、ネジ係合突起144b直下のシャーシ20に残される型抜き孔20aにより、上下分割式の成形型でネジ軸144と同時成形が可能である。 【0037】支持部143は、三方向がシャーシ20から切離されて片持梁状に支持される帯状基部145の自由端に形成され案内軸12の端部を載置する。帯状基部145がシャーシ20に支持される連結部147の近傍に付勢部146として弾性変形容易な肉薄部を形成する。調整ナット11をネジ係合突起144bに螺合させてつば11aを案内軸12外面の頂部に当接し、調整ナット11のねじ込みまたはねじ戻しと付勢部146との協働で、案内軸12の傾斜を調整できることは上記実施例同様であるから説明を省略する。 【0038】図14は第十二実施例の図示で、ネジ軸154、支持部153、付勢部156はシャーシ20と一体に同時成形される。ネジ軸154はネジ係合突起154aを突設したネジ係合部154bと、案内軸12の横移動を阻止して垂直方向の摺動を案内するガイド部154cの二段構成となっている。ネジ係合突起154aは、調整ナット11のピッチ螺旋に沿って案内軸12の軸線方向でネジ軸154の反対側にそれぞれ一個ずつ突設される。 【0039】ガイド部154cは、ネジ係合部154bの下方に設けた有段で拡径された部分で、ネジ係合突起154aの突設方向と同じ方向に貫通する長孔154dがネジ軸154の直径線に沿って穿設され、案内軸12の外径と摺動自在に嵌合する。ガイド部154cの拡径段154eは、ネジ係合突起154a直下の部分が、ネジ係合突起154aの幅d1と等しいか僅かに大きい幅d2に開端されて、長孔154dに連通する溝154fを形成している。 【0040】さらに、長孔154dの小判型断面形状20bはそのままシャーシ20を貫通し、しかも拡径段154eの厚みh2はネジ係合突起154aの突出高さh1に等しいか僅かに大きく形成される。このため、ネジ係合突起154aは上下分割式の成形型でネジ軸154と一体に同時成形が可能である。 【0041】一方、シャーシ20と同時に一体成形される支持部153は、主軸が案内軸12の長軸と直交する方向に片持梁構造で支持され、シャーシ20との連結部157から延在する基部155の自由端に、案内軸12を載置する台153aと案内軸12の軸方向移動を阻止する突起153bが形成される。基部155の連結部157近傍に付勢部156として弾性変形容易な肉薄部が形成される。調整ナット11をネジ係合突起154aに螺合させてつば11aを案内軸12外面の頂部に当接し、調整ナット11のねじ込みまたはねじ戻しと、付勢部156との協働で、案内軸12の傾斜を調整できることは上記実施例同様である。 【0042】図15は第十二実施例のネジ軸154に対する支持部の変更例で、明確さを期すため部分拡大して図示する。図15(a)に示す第十三実施例では、付勢部166として、案内軸12の長軸線延長上に中心をもつ渦巻きバネをシャーシ20に形成し、中心部に案内軸12端部を載置する台座163aを形成し、突起163bで案内軸12の軸方向の移動を阻止して支持部163とする。この場合も、図示しない調整ナット11をネジ軸154のネジ係合突起154aに螺合させて、調整ナットのつば11aを案内軸12外面の頂部に当接させ上記実施例同様に案内軸12の傾斜を調整することができる。 【0043】図15(b)は、第十二実施例と同じ構造のネジ軸154に対する支持部の変更例を示す第十四実施例で、符号176で示す支持部は、外側に拡開する一対の弾性薄板で付勢部としても機能させる。173はシャーシ20から突設させた係止板で、案内軸12の軸方向の移動を阻止する。20cは、シャーシ20に残される支持部176を形成した下型を抜くための孔である。また、図15(b)に図示した第十四実施例の薄板状支持部176の変形例を図16に示す。 【0044】図16(a)は、図15(b)の係止板173の代わりに支持部176の外縁に沿って突片176aを設け、案内軸12の軸方向の移動を阻止する実施例である。図16(b)の実施例は、シャーシ20から一対の薄板弾性片176bを上方に向けて延在させ、自由端側それぞれに突設させた中凸形に湾曲するブロック176cを逆八字形に対向させて案内軸12を支持する。 【0045】上記実施例と同様にネジ軸154に調整ナット11を螺合し、つば11aの下面で案内軸12の外面上縁を押圧すると案内軸12はブロック176cの曲面に沿って、ブロック176cを外側に押し広げながら下降する。押し広げられたブロック176cはそれぞれの薄板弾性片176bに付勢力を蓄勢する。ブロック176cの外縁には案内軸12の軸方向の移動を阻止する突片176dが設けられる。符号20dはシャーシ20に残される支持部176を形成した下型を抜くための孔である。 【0046】図16(c)の実施例は、案内軸12の両外側で相対する位置に一対の支持部176eを立設し、支持部176e上端から薄板状の弾性板176fを互いに内側に向けて延在させる。薄板状の弾性板176fの外縁には案内軸12の軸方向の移動を阻止する突片176gが設けられる。自由端に案内軸12を載置して、上記実施例と同様に調整ナット11をネジ軸154に螺合して、案内軸12を押動すると薄板状の弾性板176fは付勢力を蓄勢しながら逆八字形の弧状に湾曲され、案内軸12を弾性支持する。符号20eは弾性板176fを形成する下型の抜き孔でシャーシ20に残される。図16に示すいずれの実施例によっても同様の効果を得ることができる。 【0047】図17は、ネジ軸184、支持部183、付勢部186がシャーシ20と一体に同時成形される第十五実施例の斜視図で、ネジ軸184には調整ネジ体である調整ボルト181と螺合する係合突起184a(明確を期すため図では実線で示す)がネジ軸184と同時成形される。この係合突起184aは標準ネジのリード1以下の範囲で形成することによって、成形型を上下分割型で構成することができる。ネジ軸184はネジ係合突起184aをボルト係合孔184bの内周に突設したネジ係合部184cと、案内軸12の横移動を阻止して垂直方向の摺動を案内するガイド部184dの二段構成となっている。 【0048】ガイド部184dは、ネジ係合部184cの下方に有段で角型に形成された部分で、長孔184eがトンネル状にネジ軸184の直径方向に貫通し、案内軸12の外径と摺動自在に嵌合する。一方、支持部183は第十二実施例(図14参照)同様に、主軸が案内軸12の長軸と直交する方向の片持梁構造で支持されシャーシ20との連結部187から延在する基部185の自由端に形成され、台座183aに案内軸12の軸端が載置され、突起183bで案内軸12の軸方向移動を阻止している。 【0049】基部185の連結部187近傍に付勢部186として積極的に弾性変形させる肉薄部が形成される。調整ボルト181をネジ係合突起184aに螺合させ、調整ボルト先端181aを案内軸12の外面上端に当接させて、調整ボルト181をねじ込みまたはねじ戻しして付勢部186と協働で案内軸12の傾斜を調整できることは上記実施例同様であるから説明は省略する。 【0050】図18は第十五実施例においてボルト係合孔184bの内周に形成されるネジ係合突起184a以外の突起形状の実施の形態である。図18(a)は図17に示すボルト係合孔184aの内周を一周する1リード分のネジ係合突起184aを分割して形成したネジ係合突起194aを示すネジ軸184の断面図で、図18(b)はボルト係合孔184bの内周を一周する一本の環状突起194bをネジ軸184と一体で同時に射出成形し、タップ加工で図18(c)に示す溝切り194cをして、調整ボルト181との螺合を可能にする。図18に図示された実施の形態は全て上下に分割される射出成形型によって、シャーシ20の成形と同時に一体成形することができる。 【0051】以上、種々の実施例について説明したが、これらの実施例は本発明に係わるピックアップトラバースの調整部材を限定するものではない。また、ここに述べた実施例には本発明における特許請求の範囲内で種々の変更を加えることができ、また実施例間において組合わせを様々に変えることでここに記載した実施例以外のピックアップトラバースの調整部材を構成することが可能である。 【0052】 【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に係わるピックアップトラバースの調整部材によれば、部品点数が削減されるので、管理のポイントが明確化されて部品管理が容易になるので、製品の品質が安定化して生産性が向上し、コストダウンを図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000220136 【氏名又は名称】東京ピジョン株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年8月4日(2000.8.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072383 【弁理士】 【氏名又は名称】永田 武三郎
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| 【公開番号】 |
特開2002−56545(P2002−56545A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−236582(P2000−236582) |
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