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【発明の名称】 光学式記録媒体並びにその製造方法及び製造装置
【発明者】 【氏名】加藤 正浩

【氏名】村松 英治

【氏名】山口 淳

【氏名】谷口 昭史

【氏名】大島 清朗

【氏名】松川 真

【氏名】田切 孝夫

【氏名】山登 一広

【氏名】米 竜大

【要約】 【課題】情報再生時の読取信号に波形歪みが少ない読取信号が得られる光学式記録媒体を提供する。

【解決手段】互いに対となって周期的に屈曲しつつ並設されたグルーブ情報トラック及びランド情報トラックと、ランド情報トラックに予め形成されかつグルーブ情報トラックに関連する情報を担持する複数のランドプリピットと、少なくともグルーブ情報トラック及びランド情報トラック上に形成された記録層と、を備える光学式記録媒体であって、ランドプリピットはその非存在区間でのグルーブ情報トラックの側面の平均曲率半径より小なる平均曲率半径を有しかつグルーブ情報トラックの側面から連続する曲面により画定され、ランドプリピットの連続する曲面に対向するグルーブ情報トラックの側面はグルーブ情報トラックを狭窄する曲面であり、ランドプリピットの深さがグルーブ情報トラックの深さより大である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに対となって周期的に屈曲しつつ並設されたグルーブ情報トラック及びランド情報トラックと、前記ランド情報トラックに予め形成されかつ前記グルーブ情報トラックに関連する情報を担持する複数のランドプリピットと、少なくとも前記グルーブ情報トラック及びランド情報トラック上に形成された記録層と、を備える光学式記録媒体であって、前記ランドプリピットは、前記ランドプリピットの非存在区間での前記グルーブ情報トラックの側面の平均曲率半径より小なる平均曲率半径を有しかつ前記グルーブ情報トラックの側面から連続する曲面により画定されていること、及び前記ランドプリピットの前記連続する曲面に対向する前記グルーブ情報トラックの側面は、前記グルーブ情報トラックを狭窄する曲面であること、及び前記ランドプリピットの深さが前記グルーブ情報トラックの深さより大であることを特徴とする光学式記録媒体。
【請求項2】 前記グルーブ情報トラックの深さに対する前記ランドプリピットの深さの比率Rは1.0<R≦2.0であることを特徴とする請求項1記載の光学式記録媒体。
【請求項3】 前記グルーブ情報トラックは第1振幅の側面を有し、前記ランドプリピットは前記第1振幅よりも大なる第2振幅の側面を有することを特徴とする請求項1記載の光学式記録媒体。
【請求項4】 前記ランドプリピットは、隣接するグルーブ情報トラックとは離間していることを特徴とする請求項1記載の光学式記録媒体。
【請求項5】 前記ランドプリピットのトラック接線方向の長さと前記ランドプリピットのトラック接線方向に垂直な方向の幅とは、前記ランドプリピットによる前記グルーブ情報トラックから再生される情報信号のオフセットレベルが所定値未満でかつ前記ランドプリピットの信号レベルが所定の範囲を満たす値に設定されていることを特徴とする請求項1記載の光学式記録媒体。
【請求項6】 前記所定値は0.05であり、前記所定の範囲は0.18〜0.27であることを特徴とする請求項5記載の光学式記録媒体。
【請求項7】 互いに対となって周期的に屈曲しつつ並設されたグルーブ情報トラック及びランド情報トラックと、前記ランド情報トラックに予め形成されかつ前記グルーブ情報トラックに関連する情報を担持する複数のランドプリピットと、少なくとも前記グルーブ情報トラック及びランド情報トラック上に形成された記録層と、を備える光学式記録媒体の製造方法であって、記録原盤に形成されたフォトレジスト層上に、前記記録原盤に対して相対移動するカッティング光ビームをスポット状に照射して、伸長する前記グルーブ情報トラックを形成する工程と、前記カッティング光ビームの強度を増加させつつ前記スポットを、前記グルーブ情報トラックが伸長する方向に対し垂直な方向に偏倚させ、偏倚した前記スポットを、前記グルーブ情報トラックが伸長すべき位置に復帰させて、前記グルーブ情報トラックの側面から連続する曲面により画定される側面を有する前記ランドプリピットを形成するとともに、前記ランドプリピットの側面に対向する前記グルーブ情報トラックの側面を、前記グルーブ情報トラックを狭窄する曲面となすとともに、前記ランドプリピットの深さを前記グルーブ情報トラックの深さより大とする工程と、を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項8】 前記グルーブ情報トラックの深さに対する前記ランドプリピットの深さの比率Rは1.0<R≦2.0であることを特徴とする請求項7記載の製造方法。
【請求項9】 前記ランドプリピットの側面は、前記ランドプリピットの非存在区間での前記グルーブ情報トラックの側面の平均曲率半径より小なる平均曲率半径を有することを特徴とする請求項7記載の製造方法。
【請求項10】 前記グルーブ情報トラックを形成する工程において前記スポットを第1振幅で揺動せしめ、前記グルーブ情報トラックを狭窄する曲面側面及び前記ランドプリピットを画定する曲面側面を形成する工程において前記スポットを前記第1振幅よりも大なる第2振幅で揺動せしめることを特徴とする請求項7記載の製造方法。
【請求項11】 前記ランドプリピットのトラック接線方向の長さと前記ランドプリピットのトラック接線方向に垂直な方向の幅とは、前記ランドプリピットによる前記グルーブ情報トラックから再生される情報信号のオフセットレベルが所定値未満でかつ前記ランドプリピットの信号レベルが所定の範囲を満たす値に設定されていることを特徴とする請求項7記載の製造方法。
【請求項12】 前記所定値は0.05であり、前記所定の範囲は0.18〜0.27であることを特徴とする請求項11記載の製造方法。
【請求項13】 互いに対となって周期的に屈曲しつつ並設されたグルーブ情報トラック及びランド情報トラックと、前記ランド情報トラックに予め形成されかつ前記グルーブ情報トラックに関連する情報を担持する複数のランドプリピットと、少なくとも前記グルーブ情報トラック及びランド情報トラック上に形成された記録層と、を備える光学式記録媒体の製造装置であって、記録原盤に形成されたフォトレジスト層上に、前記記録原盤に対して相対移動するカッティング光ビームをスポット状に照射して、伸長する前記グルーブ情報トラックを形成するトラック形成部と、前記カッティング光ビームの強度を増加させつつ前記スポットを、前記グルーブ情報トラックが伸長する方向に対し垂直な方向に偏倚させ、偏倚した前記スポットを、前記グルーブ情報トラックが伸長すべき位置に復帰させて、前記グルーブ情報トラックの側面から連続する曲面により画定される側面を有する前記ランドプリピットを形成するとともに、前記ランドプリピットの側面に対向する前記グルーブ情報トラックの側面を、前記グルーブ情報トラックを狭窄する曲面となすとともに、前記ランドプリピットの深さを前記グルーブ情報トラックの深さより大とするランドプリピット形成部と、を含むことを特徴とする製造装置。
【請求項14】 前記グルーブ情報トラックの深さに対する前記ランドプリピットの深さの比率Rは1.0<R≦2.0であることを特徴とする請求項13記載の製造装置。
【請求項15】 前記ランドプリピットの側面は、前記ランドプリピットの非存在区間での前記グルーブ情報トラックの側面の平均曲率半径より小なる平均曲率半径を有することを特徴とする請求項13記載の製造装置。
【請求項16】 前記トラック形成部において、前記スポットを第1振幅で揺動せしめ、前記ランドプリピット形成部において、前記スポットを前記第1振幅よりも大なる第2振幅で揺動せしめることを特徴とする請求項13記載の製造装置。
【請求項17】 前記ランドプリピットのトラック接線方向の長さと前記ランドプリピットのトラック接線方向に垂直な方向の幅とは、前記ランドプリピットによる前記グルーブ情報トラックから再生される情報信号のオフセットレベルが所定値未満でかつ前記ランドプリピットの信号レベルが所定の範囲を満たす値に設定されていることを特徴とする請求項13記載の製造装置。
【請求項18】 前記所定値は0.05であり、前記所定の範囲は0.18〜0.27であることを特徴とする請求項17記載の製造装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、光ディスク、光カードなどの光学式記録媒体並びにその製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】記録可能な光学式記録媒体、特に追記型のDVD−R(Digital Versatile Disc-Recordable)や、書換可能型のDVD−RW(Digital Versatile Disc-Re-recordable)など(以下、これら媒体を単にDVDと総称する)が既に製品化されている。DVDにおいて、画像情報などのデータの記録時の位置検索などに必要なアドレス情報やウォブリング信号などのディスクの回転制御に用いられる回転制御情報など(以下、これらを総称してプリ情報という。)が予め記録されている。
【0003】回転制御情報は、製造時のプリフォーマットの段階で、データを記録する情報トラック(グルーブトラック又はランドトラック)を、予め定められた周波数(ウォブリング周波数)で一定の振幅の波型に予めウォブリングさせることにより、記録されている。よって、DVDに対して実際にデータを記録する際には、当該ウォブリングされているトラックのウォブリング周波数を検出し、これに基づいてDVDを回転制御するための基準クロックを抽出し、当該抽出した基準クロックに基づいてDVDを回転させるスピンドルモータを回転制御するための駆動信号を生成すると共に、DVDの回転に同期したタイミング情報を含む記録用クロック信号を生成している。
【0004】更に、データの記録時に必要なDVD上のアドレスを示すアドレス情報については、二つの情報トラックの間にあるトラック(例えば、ランドトラック)に当該プリ情報に対応するプリピットを形成することによって記録されている。更に、必要に応じて当該プリピットからも基準クロックが再生できるようにするために、当該プリピットはDVDの全面に渡ってほぼ均等に形成されている。
【0005】図1は、DVDの一例の記録層及び断面の構造を示す。図示されるように、DVDの例えば相変化材料からなる記録層上には、予め、凸状のグルーブトラックGV(グルーブ情報トラック)及び凹状のランドトラックLD(ランド情報トラック)が螺旋状もしくは同心円状に交互に形成され、すなわち、予め両情報トラックが1対となって繰り返し並設されている。
【0006】ランドトラックLD上には、グルーブトラックGV上の位置を示すアドレス及び記録タイミングを担う複数のランドプリピットLPPなどの関連する情報が予め形成されている。ランドプリピットLPPの各々は、隣接する両グルーブトラックGV間を連結する形態で形成されており、ランドプリピットの表面は、グルーブトラックGVの表面と同一平面上に位置している。
【0007】なお、図1においては、情報記録再生装置によって記録されるべきデータ(音声データ、映像データ、及びコンピュータデータ)の記録が行われる前の形態を示している。図1では各グルーブトラックGVは直線的に示しているが、実際にはDVDの回転速度に対応した周波数でウォブリングされている。すなわち、ランドトラックLD及びグルーブトラックGVは互いに対となって周期的に屈曲しつつ並設されている。
【0008】ここで、かかるDVDに対してデータの記録を行う情報記録再生装置は、このDVDからランドプリピットLPPを検出することによりグルーブトラックGV上の位置を認識しつつ、図2に示すようにデータに応じた記録光ビームをグルーブトラックGV上に集光照射する。この際、かかる記録光ビームが照射された部分を加熱し、グルーブトラックGVの部分に、周囲の反射率とは異なる反射率の記録マーク部Mを形成する。なお、1つのグルーブトラックについてのアドレスなどの情報を備えたランドプリピットLPPは、そのグルーブトラックの外周側に形成されたものであるので、図2に示したように各トラックの外周側のランドプリピットLPPが検出されている。
【0009】情報記録再生装置は、ランドプリピットLPPを検出するプリピット検出装置を有しており、プリピット検出装置には図3に示すような4分割光検出器1が含まれる。4分割光検出器1はDVDのグルーブトラックGVに沿った方向と、そのグルーブトラックに直交する方向とによって4分割された受光面1a〜1dを有する光電変換素子からなる。受光面1a,1dはディスク外周側に位置し、受光面1b,1cはディスク内周側に位置する。
【0010】スピンドルモータによって回転駆動されるDVDに対して読取光ビーム発生装置から読取光ビームが照射され、その記録層上に光スポットが形成される。かかる光電変換素子は、その情報読取スポットによるDVDからの反射光を4つの受光面1a〜1d各々によって受光し、受光面1a〜1d各々の受光量に応じた電気信号である受光信号Ra〜Rdを出力する。ディスク外周側に位置する受光面1a,1dに対応した受光信号Ra,Rdは加算器2に供給され、ディスク内周側に位置する受光面1b,1cに対応した受光信号Rb,Rcは加算器3に供給される。加算器2は受光信号Ra,Rdを加算し、加算器3は受光信号Rb,Rcを加算する。更に、加算器2の出力信号から加算器3の出力信号が減算器4にて差し引かれ、減算器4の出力信号がラジアルプッシュプル信号として得られている。
【0011】図2に示すように照射された光スポットが、データが記録されていないグルーブトラックGVを中心としたランドプリピットLPPを含む位置にある場合には、光ビームの回折により光検出器1の受光面1a,1dへの反射光量が減少し、受光面1b,1cへの反射光量が増加するので、加算器2の出力信号のレベルが加算器3の出力信号のレベルより低下する。よって、ランドプリピットLPPの位置に対応して減算器4から出力されるラジアルプッシュプル信号は図4に示すように急峻な谷部を示す波形となる。このラジアルプッシュプル信号は2値化回路5に供給され、予め定められた閾値で2値化されることによりランドプリピットLPPが検出されることになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、データを担う記録マーク部Mを形成するため記録光ビームがランドプリピットLPPの位置に照射される場合、記録光ビームを照射した際の熱がグルーブトラックGVからランドプリピットLPPの一部にも伝導され、図2に示すように、ランドプリピットの非存在区間でのグルーブトラックの記録マーク部Mより面積の大きい記録マーク部M1が形成される。
【0013】従って、記録された状態のDVDから情報データの再生を行うと、ランドプリピットLPP近傍の記録マーク部M1を読み取った際の読取信号に波形歪みが生じる場合があり、読み取りエラー率が高くなるという問題があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した点に鑑みなされたものであり、情報再生時の読取信号に波形歪みが少ない読取信号が得られる光学式記録媒体並びにその製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の光学式記録媒体は、互いに対となって周期的に屈曲しつつ並設されたグルーブ情報トラック及びランド情報トラックと、前記ランド情報トラックに予め形成されかつ前記グルーブ情報トラックに関連する情報を担持する複数のランドプリピットと、少なくとも前記グルーブ情報トラック及びランド情報トラック上に形成された記録層と、を備える光学式記録媒体であって、前記ランドプリピットは、前記ランドプリピットの非存在区間での前記グルーブ情報トラックの側面の平均曲率半径より小なる平均曲率半径を有しかつ前記グルーブ情報トラックの側面から連続する曲面により画定されていること、及び前記ランドプリピットの前記連続する曲面に対向する前記グルーブ情報トラックの側面は、前記グルーブ情報トラックを狭窄する曲面であること、及び前記ランドプリピットの深さが前記グルーブ情報トラックの深さより大であることを特徴とする。
【0016】本発明の光学式記録媒体においては、前記グルーブ情報トラックの深さに対する前記ランドプリピットの深さの比率Rは1.0<R≦2.0であることを特徴とする。本発明の光学式記録媒体においては、前記グルーブ情報トラックは第1振幅の側面を有し、前記ランドプリピットは前記第1振幅よりも大なる第2振幅の側面を有することを特徴とする。
【0017】本発明の光学式記録媒体においては、前記ランドプリピットは、隣接するグルーブ情報トラックとは離間していることを特徴とする。本発明の光学式記録媒体においては、前記ランドプリピットのトラック接線方向の長さと前記ランドプリピットのトラック接線方向に垂直な方向の幅とは、前記ランドプリピットによる前記グルーブ情報トラックから再生される情報信号のオフセットレベルが所定値未満でかつ前記ランドプリピットの信号レベルが所定の範囲を満たす値に設定されていることを特徴とする。
【0018】本発明の光学式記録媒体においては、前記所定値は0.05であり、前記所定の範囲は0.18〜0.27であることを特徴とする。本発明の光学式記録媒体の製造方法は、互いに対となって周期的に屈曲しつつ並設されたグルーブ情報トラック及びランド情報トラックと、前記ランド情報トラックに予め形成されかつ前記グルーブ情報トラックに関連する情報を担持する複数のランドプリピットと、少なくとも前記グルーブ情報トラック及びランド情報トラック上に形成された記録層と、を備える光学式記録媒体の製造方法であって、記録原盤に形成されたフォトレジスト層上に、前記記録原盤に対して相対移動するカッティング光ビームをスポット状に照射して、伸長する前記グルーブ情報トラックを形成する工程と、前記カッティング光ビームの強度を増加させつつ前記スポットを、前記グルーブ情報トラックが伸長する方向に対し垂直な方向に偏倚させ、偏倚した前記スポットを、前記グルーブ情報トラックが伸長すべき位置に復帰させて、前記グルーブ情報トラックの側面から連続する曲面により画定される側面を有する前記ランドプリピットを形成するとともに、前記ランドプリピットの側面に対向する前記グルーブ情報トラックの側面を、前記グルーブ情報トラックを狭窄する曲面となすとともに、前記ランドプリピットの深さを前記グルーブ情報トラックの深さより大とする工程と、を含むことを特徴とする。
【0019】本発明の光学式記録媒体の製造方法においては、前記グルーブ情報トラックの深さに対する前記ランドプリピットの深さの比率Rは1.0<R≦2.0であることを特徴とする。本発明の光学式記録媒体の製造方法においては、前記ランドプリピットの側面は、前記ランドプリピットの非存在区間での前記グルーブ情報トラックの側面の平均曲率半径より小なる平均曲率半径を有することを特徴とする。
【0020】本発明の光学式記録媒体の製造方法においては、前記グルーブ情報トラックを形成する工程において前記スポットを第1振幅で揺動せしめ、前記グルーブ情報トラックを狭窄する曲面側面及び前記ランドプリピットを画定する曲面側面を形成する工程において前記スポットを前記第1振幅よりも大なる第2振幅で揺動せしめることを特徴とする。
【0021】本発明の光学式記録媒体の製造方法においては、前記ランドプリピットのトラック接線方向の長さと前記ランドプリピットのトラック接線方向に垂直な方向の幅とは、前記ランドプリピットによる前記グルーブ情報トラックから再生される情報信号のオフセットレベルが所定値未満でかつ前記ランドプリピットの信号レベルが所定の範囲を満たす値に設定されていることを特徴とする。
【0022】本発明の光学式記録媒体の製造方法においては、前記所定値は0.05であり、前記所定の範囲は0.18〜0.27であることを特徴とする。本発明の光学式記録媒体の製造装置は、互いに対となって周期的に屈曲しつつ並設されたグルーブ情報トラック及びランド情報トラックと、前記ランド情報トラックに予め形成されかつ前記グルーブ情報トラックに関連する情報を担持する複数のランドプリピットと、少なくとも前記グルーブ情報トラック及びランド情報トラック上に形成された記録層と、を備える光学式記録媒体の製造装置であって、記録原盤に形成されたフォトレジスト層上に、前記記録原盤に対して相対移動するカッティング光ビームをスポット状に照射して、伸長する前記グルーブ情報トラックを形成するトラック形成部と、前記カッティング光ビームの強度を増加させつつ前記スポットを、前記グルーブ情報トラックが伸長する方向に対し垂直な方向に偏倚させ、偏倚した前記スポットを、前記グルーブ情報トラックが伸長すべき位置に復帰させて、前記グルーブ情報トラックの側面から連続する曲面により画定される側面を有する前記ランドプリピットを形成するとともに、前記ランドプリピットの側面に対向する前記グルーブ情報トラックの側面を、前記グルーブ情報トラックを狭窄する曲面となすとともに、前記ランドプリピットの深さを前記グルーブ情報トラックの深さより大とするランドプリピット形成部と、を含むことを特徴とする。
【0023】本発明の光学式記録媒体の製造装置においては、前記グルーブ情報トラックの深さに対する前記ランドプリピットの深さの比率Rは1.0<R≦2.0であることを特徴とする。本発明の光学式記録媒体の製造装置においては、前記ランドプリピットの側面は、前記ランドプリピットの非存在区間での前記グルーブ情報トラックの側面の平均曲率半径より小なる平均曲率半径を有することを特徴とする。
【0024】本発明の光学式記録媒体の製造装置においては、前記トラック形成部において、前記スポットを第1振幅で揺動せしめ、前記ランドプリピット形成部において、前記スポットを前記第1振幅よりも大なる第2振幅で揺動せしめることを特徴とする。本発明の光学式記録媒体の製造装置においては、前記ランドプリピットのトラック接線方向の長さと前記ランドプリピットのトラック接線方向に垂直な方向の幅とは、前記ランドプリピットによる前記グルーブ情報トラックから再生される情報信号のオフセットレベルが所定値未満でかつ前記ランドプリピットの信号レベルが所定の範囲を満たす値に設定されていることを特徴とする。
【0025】本発明の光学式記録媒体の製造装置においては、前記所定値は0.05であり、前記所定の範囲は0.18〜0.27であることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。図5は、書き換え可能な相変化型光ディスクの一例を示す。この光ディスク(DVD−RW)11は、例えば、Ag−In−Sb−Teなどの相変化材料からなる媒体層及びこれを挟む例えば、ZnS−SiO2などのガラス質保護層からなる積層構造の記録層15を備えている。記録層15上にグルーブトラック12とランドトラック13が形成されている。この並設されたランド及びグルーブにより、再生光又は記録光としてのレーザ光ビーム(B)を誘導する。また、光ディスク11は光ビーム(B)を反射するための反射層16、透明基板(ポリカーボネート)18及び接着層19を備えている。更に、光ビーム(B)の入射面側にはそれらを保護するための透明膜(ポリカーボネート)17が設けられている。
【0027】光ディスク11のランドトラック13には、プリ情報に対応するランドプリピット14が予め形成されている。図5に示すように、ランドプリピット14の側面14aは、その非存在区間でのグルーブトラック12の側面12aの平均曲率半径より小なる平均曲率半径の曲面であり、ランドプリピット非存在区間のグルーブトラック12の側面12aから連続するように形成されている。グルーブトラック12は所定周波数でウォブリングしているので、図6に示すように、グルーブトラックの側面はほぼ平面に近い、すなわちディスク平面上では大きい曲率半径12Rの比較的緩やかな曲線で切削され、プリ情報の一部がランドプリピット非存在区間にウォブル周波数として記録されている。従って、グルーブトラック12の側面12aの平均曲率半径も比較的大きいものとなる。この実施形態では、図6及び図7に示すように、ランドプリピット14の側面14aは、グルーブトラック12の大きい曲率半径12Rより遙かに小さい急峻な曲線(ランドプリピット14の曲率半径14R)で切削されている。このように、グルーブトラック12は中心線(二点差線)から第1振幅A1の側面を有し、ランドプリピット14は第1振幅よりも大なる第2振幅A2の側面を有している。
【0028】ランドプリピット14の側面14aに対向するグルーブトラック12の側面12bは、グルーブトラック12を狭窄する曲面である。このグルーブトラック12の側面12bは、対向するグルーブトラック12の側面の延長線(図7の破線で示す)に到達しない程度で狭窄するように形成することが好ましい。後に記録された記録マークMがランドプリピット隣接部に形成された場合に、記録マークMからの反射光量が減少するからである。
【0029】本実施形態の更なる特徴は、図8に示すように、ランドプリピット14の深さGrをグルーブトラック12の深さGdより大きくすることである。これにより再生信号の特性、特にRFオフセットのレベルを低減できる。次に、本実施形態の相変化型光ディスクへの記録動作を説明する。図5に示すように、光ディスク11にユーザーデータ(プリ情報以外のユーザーなどが後から記録する画像情報などのデータをいう)を記録する際には、情報記録装置においてこのグルーブトラック12のウォブリング周波数を抽出することにより、光ディスク11を所定の回転速度で回転制御する。同時に、ランドプリピット14を検出することにより、予めプリ情報を取得し、それに基づいて記録用光ビーム(B)の最適出力などが設定される。また、ランドプリピット14を検出することによりユーザーデータを記録すべき光ディスク11上の位置を示すアドレス情報などが取得され、このアドレス情報に基づいてユーザーデータが対応する位置に記録される。なお、光ディスク11に記録されるユーザーデータはグルーブトラック12の中心線上に反射率の異なる記録マーク部として記録される。
【0030】ユーザーデータの記録時には、光ビーム(B)をその中心がグルーブトラック12の中心と一致するように照射してグルーブトラック12上にユーザーデータに対応する記録マーク部を形成することにより、ユーザーデータを記録する。この時、光スポット(SP)の大きさは、その一部がグルーブトラック12だけではなくランドトラック13にも照射されるように設定される。
【0031】ランドトラック13に照射された光スポット(SP)の一部の反射光を用い、例えば、図3に示すグルーブ12の接線(トラック方向)に平行な分割線により分割された光検出器を用いたラジアルプッシュプル方式により、ランドプリピット14からプリ情報を取得すると共にグルーブトラック12からウォブル信号を抽出してディスクの回転に同期した記録用クロック信号を検出する。
【0032】次に、実施例の光ディスクの製造装置及び製造方法について説明する。まず、図9に相変化型光ディスクのための原盤形成用の光ディスクカッティング装置を示す。Krレーザ発振器201は露光用光ビームを発生する。レーザ発振器201から発せられた光ビームは反射ミラー203,204にて各々反射されて対物レンズ205に入射し、対物レンズ205を通過した光ビームは記録原盤206上に照射される。反射ミラー202及び203間にはAO変調器(Acoustic Optical Modulator)207aが設けられており、FM変調器207から供給される記録すべき映像信号や音声信号などの信号をAO変調器207aによって、光ビームが該信号に応じて変調を受ける。
【0033】AO変調器207aとして、非平行面を出入射面とするウェッジプリズム、AOD(光響光学偏向器)又は回転ミラーが使用される。AO変調器207aは例えば、約300MHzの中心周波数の高周波電気信号を入力し、その中心周波数を変化させることによって、1次回折光の回折角度が変化することを利用するものである。一方、ウェッジプリズム及び回転ミラーを使用するものとしては、これらを回動駆動するDCモータ、ステッピングモータ、ピエゾ素子などの駆動系を制御して、その屈折光及び反射光の偏向を用いる。変調された露光用光ビームにより、回転する記録原盤6上のポジ型フォトレジスト層が露光される。また、反射ミラー203及び204間には光ビームエキスパンダ208が設けられており、これによって対物レンズ205のレンズ一杯にビームを入射させるために光ビーム径が拡大される。
【0034】一方、対物レンズ5を駆動しフォーカスサーボをなすためにHeNeレーザ発振器210を含むフォーカスサーボ用光学系が光ディスクカッティング装置に用いられている。レーザ発振器210から発せられた光ビームは反射ミラー211及びダイクロイックミラー212によって各々反射され露光用光ビームに合流後、反射ミラー204に入射する。対物レンズ208を通過した光ビームは記録原盤206上に照射される。なお、レーザ発振器210のフォーカス用光ビームは、記録原盤206を露光することがないよう、その波長及び強度が選定されている。反射ミラー211及びダイクロイックミラー212間には偏光ビームスプリッタ213が設けられており、記録原盤206からの反射光は対物レンズ205を通過して反射ミラー204及びダイクロイックミラー212によって反射され、偏光ビームスプリッタ213によって反射されてシリンドリカルレンズ214を介して4分割光ディテクタ215に供給される。光ディテクタ215の各出力信号はフォーカスサーボ制御回路216に供給され、フォーカスサーボ制御回路216は光ディテクタ215の各出力信号に応じて対物レンズ205のアクチュエータ217を駆動する。
【0035】さらにまた、記録原盤206を保持しこれを回転せしめるターンテーブル219を回転せしめるスピンドルモータ220の回転を制御するスピンドルサーボ回路221と、対物レンズ205を含む光学系などを担持する光ヘッドを記録原盤206の半径方向において移動せしめる駆動モータ222の回転を制御するする光ヘッド送りサーボ回路223とが、光ディスクカッティング装置に備えられている。
【0036】かかる光ディスクカッティング装置においては、コントローラ260がレーザ発振器201、変調器207、サーボ系216,221,223を制御する。これによって、LPP信号を重畳したウォブリング信号で変調された1つの光ビームで、記録原盤のポジ型フォトレジスト層に照射露光し、所定グルーブ及びプリピットすなわちグルーブ情報トラック及びランドプリピットの潜像を記録原盤に形成する。
【0037】このように光ディスクカッティング装置は、グルーブ情報トラックを形成するトラック形成部と、グルーブ情報トラックの側面から連続する曲面により画定される側面を有するランドプリピットを形成するランドプリピット形成部とを含んでいる。トラック形成部としてのコントローラ260は、変調器207へ入力するLPP信号を重畳したウォブリング信号のウォブリング信号成分期間においては、レーザ発振器201へ一定出力光を射出する信号を供給する。一方、ランドプリピット形成部としてのコントローラ260は、カッティング光ビームの強度を増加させつつスポットを、グルーブ情報トラックが伸長する方向に対し垂直な方向に偏倚させ、偏倚したスポットを、グルーブ情報トラックが伸長すべき位置に復帰させて、同時に、ランドプリピットの側面に対向するグルーブ情報トラックの側面を、グルーブ情報トラックを狭窄する曲面となすとともに、LPP信号重畳ウォブリング信号のLPP信号成分期間に同期してレーザ発振器201へ強度変調した出力光を射出させる信号を供給して、ランドプリピットの深さをグルーブ情報トラックの深さより大とするような潜像を形成する。
【0038】次に、かかる光ディスクカッティング装置を用いた製造方法について説明する。まず、光ディスクカッティング装置に、ガラス円盤206aの主面上にフォトレジスト層206bを形成した記録原盤206を、レーザーカッティング装置のターンテーブル219に載置する。なお、フォトレジスト層206bの膜厚は光ビームにより貫通して露光されない十分な膜厚から選定される。その後、テーブルを回転させ、図9に示すように、LPP信号重畳ウォブリング信号のウォブリング信号成分で変調された光ビームLa1を、原盤上を螺旋又は同心円状に相対移動させつつ、フォトレジスト層206b上に集光せしめ、グルーブトラック12用潜像を形成する。次に、LPP信号重畳ウォブリング信号のLPP信号成分によりAO変調器207aでカッティング光ビームLa2のスポットを、グルーブトラック12が伸長する方向に対し垂直な方向に偏倚させ、偏倚したスポットを、グルーブトラック12が伸長すべき位置に復帰させ、ランドプリピットの潜像をフォトレジスト層206bに形成する。この時、LPP信号重畳ウォブリング信号を用いているので、図6に示すように、カッティング光ビームLa2のスポットは一定間隔第1振幅(光ビームLa1)よりも大なる第2振幅で揺動する。
【0039】実施形態においては、未露光原盤に強度変調した光ビームを照射してフォトレジスト層206bを露光させる。グルーブトラック12の形成期間おいては、強度の弱い光ビームLa1を照射すると、フォトレジスト層206bの表層近傍(深さGd)が露光される。一方、ランドプリピット14の形成期間においては、光ビームLa1よりも強度の強い光ビームLa2を照射する。光ビームLa2は、光ビームLa1の場合よりも、さらにガラス円盤206aの方向へ深く(深さGr、Gr>Gd)、フォトレジスト層206bを露光する。レーザ光の光強度分布は、光ビームの中心を最大強度とするガウス分布を有している。光ビームLa1の光強度分布における最大強度は、光ビームLa2の光強度分布における最大強度よりも低い。したがって、光ビームLa1によってフォトレジスト層206bに形成される潜像の幅W1(すなわち、グルーブトラック12の幅)は、光ビームLaによってフォトレジスト層206に形成される潜像の幅W2(すなわち、ランドプリピット14の幅)よりも狭い。よって、グルーブトラック12(深さGd)とランドプリピット14(深さGr)を形成する際に、それらの深さの異なるとともにランドプリピット14の幅は、グルーブトラック12の幅よりも広くなる。
【0040】次に、露光した記録原盤を現像装置(図示せず)に装着し、これを現像して潜像部分を除去し、現像された記録原盤を得る。図11に示すように、原盤において、グルーブトラック12の側面から連続する曲面により画定される側面を有するランドプリピットを形成するとともに、ランドプリピットの側面に対向するグルーブトラック12の側面によって、グルーブトラック12を狭窄する曲面として形成する。このようにして、ランドプリピット14の側面は、ランドプリピットの非存在区間におけるグルーブトラック12の側面の平均曲率半径より小なる平均曲率半径を有することになる。さらに、ランドプリピット14は、グルーブトラック12の深さGdより深い深さGrを有することになる。
【0041】次に、ポストベークで定着させた後、フォトレジスト層206b上にニッケル又は銀などの導電膜をスパッタリング又は蒸着などによって形成し、例えばニッケル電鋳によりニッケルスタンパを形成して、該スタンパをガラス盤206aから分離して、ニッケルスタンパを得る。該スタンパによって、例えば射出成形法や、いわゆる2P法により、図10に示すものと同一の所定プリ情報を有した樹脂光ディスク基板17のレプリカが作成される。
【0042】このようにして得られた光ディスク基板上に、例えば保護膜、相変化材料媒体層、保護膜、反射膜を順次積層し、接着層により他の基板に貼り合わせ、図5に示す光ディスクが作成される。次に、本発明におけるランドプリピット14のトラック接線方向の長さ(LPP length (μm))とトラック接線方向に垂直な方向への偏倚量(シフト量)(LPP shift (μm))の最適値について説明する。
【0043】上述したようにして本発明の光学式記録媒体によれば、ランドプリピット14は、グルーブトラック12をトラック伸張方向に対して垂直方向に急激に偏倚することにより形成されている。このため、ランドプリピット14の長さ及びシフト量(図7)は、ランドプリピット自体の検出信号レベルに影響を及ぼすだけでなく、グルーブトラック12に記録される情報ピットの再生信号(RF信号)にも大きな影響を及ぼす。
【0044】DVDの記録フォーマットによれば、グルーブトラック上に形成される情報ピットは3T〜11Tと14Tの何れかの長さを取り得る。3T〜11Tは主に8−16変調された情報信号によるものであり、14Tは情報信号の各シンクフレームの先頭に付加された同期信号(シンクコード)によるものである。周知のように3Tの情報ピットに対するRF信号の変化幅は一番小さく、発明者の実験確認によると、ランドプリピットによるRF信号レベルのオフセットレベル(RFオフセット)が0.05以上になると、この一番短い3Tの情報ピットを読み誤り始めることを確認した。なお、未記録のグルーブトラックを再生するときの全反射光量レベルをレベル1としている。また、DVDフォーマットによれば、ランドプリピットの検出信号レベル(LPPレベル)は0.18〜0.27でなければならないと規定されている。
【0045】従って、本発明によるランドプリピットの長さ及びシフト量は、RFオフセットが0.05未満であり、且つLPPレベルが0.18〜0.27となる値に設定される。図12はこの2条件を満たすランドプリピット14の長さ及びシフト量の取り得る範囲の一例を示している。なお、同図におけるグルーブトラック12の幅Gwは0.25μm、その深さGdは0.030μmとされている。
【0046】図12において、実線AはLPPレベルが0.18となる条件ライン、実線BはLPPレベルが0.21となる条件ライン、そして実線CはLPPレベルが0.24となる条件ラインである。本例において、LPPレベルが0.27以上となる条件ラインは存在しない。よって、LPPレベルが0.18〜0.27となるランドプリピット14の長さ及びシフト量の取り得る範囲は、実線Aより右上側のエリアとなる。
【0047】一方、破線DはRFオフセットが0.02となる条件ライン、破線EはRFオフセットが0.05となる条件ライン、破線FはRFオフセットが0.08となる条件ラインである。よって、RFオフセットが0.05未満となるランドプリピット14の長さ及びシフト量の取り得る範囲は、実線Eより左下側のエリアとなる。
【0048】以上のことから、上述した2条件(RFオフセット<0.05、LPPレベル=0.18〜0.27)を満たすランドプリピットの長さ及びシフト量は、図12の実線Aと破線Eとの間によって示されるエリアとなり、このエリア内で自由に設定される。例えば、点P1に示されるように、ランドプリピットの長さを0.80μm、シフト量を0.36μm、点P2に示されるように、ランドプリピットの長さを1.2μm、シフト量を0.24μm、或いは点P3に示されるように、ランドプリピットの長さを2.0μm、シフト量を0.20μmに設定される。
【0049】なお、図12に示される各条件ラインは、グルーブトラック幅Gw及びグルーブトラック深さGdの値によって移動するため、注意が必要である。LPPレベルの条件ラインA〜Cは、グルーブトラック幅Gwを0.30μm、0.35μmと広げると、同図左下方向に移動し、逆に狭くすれば、同図右上方向に移動する。また、条件ラインA〜Cは、グルーブトラック深さGdを0.25μmから深くしても同図左下方向に移動し、浅くすると同図右上方向に移動する。一方、RFオフセットの条件ラインD〜Fは、グルーブトラック幅Gwを広げると同図右上方向に移動し、逆に狭くすれば同図左下方向に移動する。また、条件ラインD〜Fは、グルーブトラック深さGdを深くすると同図左下方向に移動し、逆に浅くすれば同図右上方向に移動する。
【0050】次に、本発明におけるランドプリピット14の深さの最適値について説明する。ランドプリピット14の深さとグルーブクラック12の深さの比率(以下、LPP/Gr深さ比率Rと述べる)に対するRFオフセットの変化の関係を調査した。図13は図12と同様にグルーブクラック12を幅Gw=0.25μm、深さGd=0.030μmとし、図12の点P1に示されるようにランドプリピット14の長さを0.80μm、シフト量を0.36μm、点P2に示されるようにその長さを1.2μm、シフト量を0.24μm、点P3に示されるようにその長さを2.0μm、シフト量を0.20μm、また点P4に示されるようにその長さを1.8μm、シフト量を0.32μmに設定した場合のLPP/Gr深さ比率Rに対するRFオフセットの変化を測定した。
【0051】図13に示されるように、点P1に示される条件でのRFオフセットは、LPP/Gr深さ比率Rが1、即ちランドプリピット14の深さとグルーブクラック12の深さが同一の時、略0.04存在するが、LPP/Gr深さ比率Rが大きく設定されるにつれて減少し、LPP/Gr深さ比率Rが略1.15の時、ゼロになることが分かる。
【0052】同様に点P2及びP3に示される条件でのRFオフセットは、略同様に変化し、LPP/Gr深さ比率Rが1の時、略0.035存在するが、LPP/Gr深さ比率Rが略1.1の時、ゼロになることが分かる。そして、点P4に示されるように例えランドプリピットの長さ及びシフト量が上述した2条件(RFオフセット<0.05、LPPレベル=0.18〜0.27)を満足しない値に設定されている場合であっても、LPP/Gr深さ比率Rを略1.3に設定することにより、RFオフセットをゼロに出来ることが分かる。
【0053】なお、図13に示される結果は、グルーブクラックの幅、深さにより変わることは勿論、グルーブクラック及びランドプリピットの底部の形状(実際のディスクにおいてはV字溝に近い形状で形成される)によって大きく変化し、各種条件によってはRFオフセットをゼロにするLPP/Gr深さ比率Rは1.0<R≦2.0を取り得る。
【0054】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、ランドプリピットがその非存在区間におけるグルーブ情報トラックの側面の平均曲率半径より小なる平均曲率半径を有しかつグルーブ情報トラックの側面から連続する曲面により画定されて、さらに、ランドプリピットの連続する曲面に対向するグルーブ情報トラックの側面がグルーブ情報トラックを狭窄する曲面でありかつランドプリピットの深さがグルーブ情報トラックの深さより大きいので、得られるRFオフセットが低減されランドプリピットの信号を正確に検出することができる。
【出願人】 【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
【出願日】 平成12年8月10日(2000.8.10)
【代理人】 【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
【公開番号】 特開2002−56542(P2002−56542A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−242376(P2000−242376)