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【発明の名称】 コンパクトディスク再生装置
【発明者】 【氏名】鈴木 修一

【要約】 【課題】コンパクトディスク再生装置に消去済みCD−RWが装填されると、再生動作を停止し表示部に消去済みCD−RWであることを表示する。

【解決手段】光ディスクに記録された信号を検出する光ピックアップと、増幅回路のゲインを切り替えるゲイン切り替え部と、光ディスクの種類を判別するディスク種類判別部と、光ピックアップを制御するサーボ制御部と、検出した信号からオーディオデータとサブコードデータを抽出する信号処理部と、表示部と、システム制御部とを備え、システム制御部は、光ディスクの反射率がCDの反射率より低いときは、増幅回路のゲインを高くしTOC情報を読み取り、サブコードデータQのモード番号が1、TNOが0、POINTが0となるときは、信号の検出を停止し光ディスクが消去済みCD−RWであることを表示するよう表示部を制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光ディスクに記録されたデータを読み出しオーディオ信号を出力するコンパクトディスク再生装置において、光ディスクに記録された信号を検出する光ピックアップと、前記光ピックアップが検出した検出信号を増幅する増幅回路のゲインを切り替えるゲイン切り替え部と、前記光ピックアップが検出した検出信号の信号レベルから光ディスクの種類を判別するディスク種類判別部と、前記光ピックアップを制御するサーボ制御部と、前記ゲイン切り替え部から出力される信号からオーディオデータとサブコードデータを抽出する信号処理部と、トラック番号又は再生時間を表示する表示部と、コンパクトディスク再生の動作を制御するシステム制御部とを備え、前記システム制御部は、光ディスクが前記ディスク種類判別部によってCDの反射率より低い反射率の光ディスクであると判別されたときは、検出信号を増幅する増幅回路のゲインが高くなるよう前記ゲイン切り替え部を制御し、さらに、光ディスクから読み取ったサブコードデータQのモード番号が1、トラックナンバー(TNO)が0、ポイント(POINT)が0となるときは、前記光ピックアップの信号検出動作を停止するよう前記サーボ制御部を制御し、光ディスクが消去済みCD−RWであることを表示するよう前記表示部を制御することを特徴とするコンパクトディスク再生装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクに記録された情報を再生するコンパクトディスク再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光ディスク再生装置として、コンパクトディスク(以下、CDという)を再生する再生専用のCD再生装置がある。このCD再生装置は、CDを装填すると、オーディオデータが記録されているプログラムエリアのトラックをサーチする前に、CD内周のリードインエリアに記録されたトラックに関する目次情報であるTOC(Table Of Contents)情報の再生を行い、このTOC情報にしたがってプログラムエリアのトラック位置をサーチしてオーディオデータを再生する。また、CD再生装置にプログラムエリアのオーディオデータを書き換え可能とした光ディスクであるCD−RW(Compact Disc-Rewritable)が装填された場合には、CD−RWから検出されるHF信号の信号レベルが小さくオーディオデータの復調が不可能となるため再生動作を停止する。
【0003】また、CD再生装置にディスクの種類を判別するディスク種類判別部を備えることにより光ディスクの種類を判別して、装填された光ディスクがCDでない光ディスクであると判別されれば再生動作を停止することができる。
【0004】上述したディスク種類判別部によって行われる光ディスク種類の判別は、光ディスクから反射されるレーザ光の光量の大きさによって行われる。例えば、光ピックアップが読み取った高周波(HF)信号のピーク電圧の包絡線電圧を比較レベルと比較して、比較レベルより大きい場合はCDとし、比較レベルより小さい場合はCD−RWとする。上述した比較レベルの例として、例えば、市販されるCDとCD−RWのそれぞれのレーザ光の反射光量を測定したデータを多数収集し、CDの最小反射レベルとCD−RWの最大反射レベルにより決めるようにしても良い。
【0005】また近年、CD−RWの販売量が多くなってきたため、CD再生装置がCDの再生だけではなくオーディオデータを記録したCD―RWも再生できるようにしたものが製品化されてきた。CD再生装置がCD−RWのオーディオデータを再生可能とするためには、CD−RWから検出されたHF信号の信号レベルを、CDを再生したときのHF信号の信号レベルと同レベルにするため増幅回路を備える必要がある。さらに、CDとCD−RWのどちらも再生できるようにするためは、増幅回路のゲインが切り替えられるよう制御がなされる必要がある。
【0006】CD及びCD−RWとを再生可能としたCD再生装置においては、CD及びCD−RWにオーディオデータが記録されていることを前提としている。しかし、このような光ディスクでもディスク表面に傷やゴミ等があってTOC情報が読みとれなかったり、オーディオデータが記録されているCDやCD−RWでは存在しないようなTOC情報が読み取られる場合がある。このような場合に、CD再生装置が音楽の再生ができなくなる処理を行うと、CDやCD−RWから再生したい音楽を再生できないため、正しいTOC情報を読み取るまで何度も光ディスクの装填を繰り返さなくてはならない。したがって、TOC情報が読みとれなかったり、存在しないようなTOC情報が読み取られても音楽の再生ができなくなる処理を行なわずに、CD再生装置に備えられた操作ボタンによって再生の指示があれば、TOC情報によらなくてもプログラムエリアのトラックをサーチさせることにより、音楽の再生が可能になるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このようなCD再生装置では、オーディオデータが全て消去されたCD−RWが装填され再生の指示があった場合には、オーディオデータが記録されているCD−RWには有り得ないTOC情報を読み取るが、音楽の再生を優先するのでプログラムエリアの最初のトラックをサーチする動作を開始する。しかし、オーディオデータが全て消去されたCD−RWにはオーディオデータを記録したトラックが実在しないため、サーチ動作がタイムオーバーとなるまでトラックサーチ動作を継続したり、または、トラックサーチの動作が継続されたままサーチ動作がいつまでも終了しないという課題があった。
【0008】また、光ディスクを再生する指示をしたにも関わらず、CD再生装置の再生動作が停止していたり、いつまでたっても再生音が出力されなかった場合には、ユーザはその理由が分からないまま再生を中断せざるを得なかった。
【0009】本発明は、上述の課題を解決するため、CD再生装置がCD−RWからTOC情報を読み出したときに、読み出したTOC情報に基づいてCD−RWにオーディオデータが記録されたことがあるか否かを判別し、オーディオデータが全て消去されたCD−RWが装填されたと判別された場合は、装置の表示部に光ディスクがCD−RWである旨を表示して、再生動作が停止した理由を知らせるCD再生装置を得ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、光ディスクに記録されたデータを読み出しオーディオ信号を出力するコンパクトディスク再生装置において、光ディスクに記録された信号を検出する光ピックアップと、前記光ピックアップが検出した検出信号を増幅する増幅回路のゲインを切り替えるゲイン切り替え部と、前記光ピックアップが検出した検出信号の信号レベルから光ディスクの種類を判別するディスク種類判別部と、前記光ピックアップを制御するサーボ制御部と、前記ゲイン切り替え部から出力される信号からオーディオデータとサブコードデータを抽出する信号処理部と、トラック番号又は再生時間を表示する表示部と、コンパクトディスク再生装置の動作を制御するシステム制御部とを備え、前記システム制御部は、光ディスクが前記ディスク種類判別部によってCDの反射率より低い反射率の光ディスクであると判別されたときは、検出信号を増幅する増幅回路のゲインが高くなるよう前記ゲイン切り替え部を制御し、さらに、光ディスクから読み取ったサブコードデータQのデータ内容を分類したモード番号が1(図3に示すMode-1、即ちADR(Address)の各ビットが(b4,b5,b6,b7)=(0,0,0,1))、トラックナンバー(TNO)が0、ポイント(POINT)が0となるときは、前記光ピックアップの信号検出動作を停止するよう前記サーボ制御部を制御し、光ディスクが消去済みCD−RWであることを表示するよう前記表示部を制御するコンパクトディスク再生装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のコンパクトディスク再生装置の一実施例のCD再生装置の構成を示すブロック図である。
【0012】光ディスク1は、本実施例ではCDである。光ピックアップ2は、内部にレーザダイオード、光学レンズ、フォトディテクタ及び対物レンズの駆動コイルとを備える。レーザダイオードが発光したレーザ光は、光ディススク1の情報記録面に照射され反射されてフォトディテクタで受光されたのち、HF信号、フォーカス信号、及びトラッキング信号として検出される。
【0013】スピンドルモータ3は、その回転軸にターンテーブルが固定され、ターンテーブルに載置された光ディスク1を所定の線速度1.2〜1.4メートル/秒で回転させる。スライドモータ4は、光ピックアップ2を光ディスク1の半径方向に移動させる。
【0014】ゲイン切り替え部13は、光ピックアップ2から出力されるHF信号、フォーカス信号及びトラッキング信号を光ディスクの種類の応じてゲインの異なる増幅回路に接続するための切り替え回路を備える。
【0015】信号処理5は、ゲイン切り替え部13から出力されたHF信号からオーディオデータとサブコードデータを抽出する。また、信号処理部5はHF信号に含まれるフレーム同期信号を抽出してサーボ制御回路9に出力する。また、信号処理部5は、フォーカス信号及びトラッキング信号をサーボ制御回路9に出力する。
【0016】CDデコード部6は、信号処理部5が抽出したオーディオデータの復調及びエラー訂正を行い、D/A変換部7にデジタルのオーディオデータとして出力する。また、CDデコード部6は、信号処理部5が抽出したサブコードデータの復調及びエラー訂正を行い、システムコントロール部8にサブコードデータを出力する【0017】DA変換部7は、デジタルのオーディオデータをアナログのオーディオ信号に変換する。
【0018】システムコントロール部8は、操作部11に備えられた操作ボタンから再生等の動作の指示がある場合にサーボ制御部9やCDデーコード部6の動作を制御したり、CDデコード部6から出力されたサブコードデータの内容の判読を行う。また、サブコードデータから判読されたトラックに関する情報としてトラック番号、再生時間等を表示部10に表示するよう制御する。
【0019】サーボ制御部9は、光ピックアップ2が検出し信号処理部5から出力されるフォーカス信号及びトラッキング信号から得られるフォーカスエラー及びトラッキングエラーを抽出して、光ピックアップ2のフォーカスコイル、トラッキングコイル及びスライドモータを駆動する制御を行う。また、信号処理部5から出力されるフレーム同期信号と内部クロック信号との位相差を検出してその位相差が一定になるようスピンドルモータ3を駆動する。これにより、スピンドルモータ3の回転は、CDの所定の線速度である1.2〜1.4メートル/秒に制御される。
【0020】ディスク種類判別部12は、光ピックアップ2が検出したHF信号のピーク電圧をホールドした包絡線の信号を求め、この包絡線の信号の電圧を予め定めた電圧値と比較しその大小により光ディスクからのレーザ光の反射量を識別する識別信号をシステムコントロール部8に出力する。システムコントロール部8はこの識別信号により光ディスクの種類を判別してサーボ制御部の動作を制御する。
【0021】図2は、CD又はCD−RWのリードインエリアに記録されたサブコードデータQのデータフォーマットを説明する図である。図3は、CDのサブコードデータQのモードの種類とモードの内容を示す図である。
【0022】図2に示すサブコードデータQのCONTROL&ADR20のコントロール20a(CONTROL)の4ビットb0〜b3はプリエンファシスのオン・オフ及びチャンネル数のフラグであり、ADR20bのb4〜b7は図3に示すモード番号に対応したサブコードデータQのためのコントロールビットである。例えば、サブコードQのデータ内容がTOC情報である場合は、モード番号は1(Mode-1)であり、ADRの各ビット(b4,b5,b6,b7)は(0,0,0,1)となる。トラックナンバー21(TNO)のデータは、トラック番号を示すデータであり、リードインエリアにおけるトラック番号は0であり、プログラムエリアにおけるトラック番号は01〜99である。
【0023】ポイント22(POINT)のデータは、トラックナンバー21(TNO)が0のときは、ポイント22(POINT)に記録されたトラック番号のスタート時間がPMIN27、PSEC28、PFRAME29に記録されていることを示す。
【0024】MIN23、SEC24、FRAME25に記録されたデータは、トラックのスタート時間からのランニング時間を示す。
【0025】光ディスクが、CD又はオーディオデータを記録したCD−RWであれば、プログラムエリアには必ずオーディオデータを記録したトラックが存在するため、TOC情報にはトラックに関する目次情報が記録される。しかし、プログラムエリアのオーディオデータが全て消去されトラックが存在しないCD−RWのTOC情報にはトラックに関する目次情報も書き換えられ、TNO21に記録されるデータは0であり、POINT22に記録されるデータも0となる。
【0026】さらに、ADR20bは、図3に示すように、一度でもオーディオデータを記録したCD−RWではリードインエリアにおいてはモード番号が1(Mode-1)であるため、ADR20bは(0,0,0,1)と記録される。ところが、オーディオデータを全て消去したCD−RWであっても、リードインエリアにおいてはモード番号がMode-1であることに変わりがないので、ADR20b=(0,0,0,1)となったままである。
【0027】したがって、ADR20b=(0,0,0,1)とTNO21=0とPOINT22=0の条件が整えば、CD−RWがかつてオーディオデータを記録したことがあり、且つオーディオデータの全てを消去した痕跡があったとみることができる。即ち、消去済みCD―RWを判別することが可能となる。
【0028】図4は、本実施例のCD再生装置において、光ディスクを装填したときに光ピックアップが検出した検出信号を増幅する増幅回路のゲインを切り替える動作を説明するフローチャートである。図5は、本実施例のCD再生装置において、光ディスクがCD―RWか否かを判別しその結果を表示部に表示する動作を説明するフローチャートである。
【0029】図4において、本実施例のCD再生装置に光ディスク1が装填されると、光ピックアップ2は光ディスク1から検出したHF信号の信号レベルを確認する。(ST100)
【0030】HF信号の信号レベルを予め設定していたレベルと比較し、HF信号の信号レベルが予め設定していたレベルより大きい場合は、システムコントロール部8はゲイン切り替え部13を制御して光ピックアップ2から出力されるHF信号、フォーカス信号及びトラッキング信号を増幅する増幅回路のゲインが1になるよう回路の接続を切り替える。(ST101)、(ST102)
【0031】HF信号の信号レベルが予め設定していたレベルより小さい場合は、システムコントロール部8はゲイン切り替え部13を制御して光ピックアップ2から出力されるHF信号、フォーカス信号及びトラッキング信号を増幅する増幅回路のゲインが例えば3〜6倍となるよう回路の接続を切り替える。(ST101)、(ST103)
【0032】ST102又はST103の動作が行われた後、光ディスクのTOC情報を読み取る動作に移行する。(ST104)
【0033】次に、図5において、システムコントロール部8は、光ピックアップ2を光ディスクのリードインエリアに移動させ、サブコードを読み込み、サブコードデータQからTOC情報を抽出する。(ST200)
【0034】サブコードデータQのADR20bの4ビットのデータ(b4,b5,b6,b7)の各ビットを調べ、(0,0,0,1)であれば、サブコードデータQのPMIN27〜PFRAME29のデータがプログラムエリアのトラックに関する時間情報を示すことになるので、次のステップであるST3に移行する。(ST201)
また、ADR20b=(b4,b5,b6,b7)が(0,0,0,1)以外であれば、サブコードデータQのTNO21〜PFRAME29に相当する部分に記録されているデータはトラックに関する時間情報ではなく、例えば、光ディスクのカタログ番号又はISRC(Inter-national-Standard-Recording-Code)を示すため、読み取ったデータを記憶部に記憶しながらADR20b=(b4,b5,b6,b7)として(0,0,0,1)が読みとれるまで待機する。(ST207)
【0035】ADR20b=(b4,b5,b6,b7)として(0,0,0,1)が読みとれた場合は、TNO21に記録されたデータが0かどうかを確認する。0であればST4に移行する。(ST202)
次に、POINT22に記録されたデータが0かどうかを確認する。0であればST5に移行する。(ST203)
【0036】ST5において、TOC情報の読み取り中かどうかを確認し、TOC情報を読み取り中であれば読み取り動作を中止し、装填されている光ディスクが消去済みのCD−RWであると判断し、表示部に消去済みCD―RWである旨の表示をする。(ST204)〜(ST206)
【0037】本実施例のCD再生装置によれば、サブコードデータQの特定のデータ部であるADR、TNO、POINTのデータがADR=(0,0,0,1)(即ち、モード番号が1)、TNO=0、POINT=0のように記録されていれば、一度記録したオーディオデータを全て消去してしまった消去済みCD−RWであると判別することができる。このため、CD再生装置に消去済みCD−RWが装填された場合でも光ピックアップがプログラムエリアへのトラックサーチを行う前に再生動作を停止させることができ、さらに、消去済みCD―RWである旨を表示部に表示するようにしたので、再生動作が停止している原因が消去済みCD―RWを装填したためであることを知ることができる。
【0038】
【発明の効果】本発明により、コンパクトディスク再生装置において、サブコードデータQの特定の記録データを確認することにより、一度記録されたオーディオデータが全て消去された消去済みCD−RWであることを判別することが可能となる。また消去済みCD−RWと判別されたときには光ピックアップがサーチ動作を行う前に再生動作を停止し、ユーザは装填した光ディスクが消去済みCD−RWであることを即座に知ることができる。
【出願人】 【識別番号】000004167
【氏名又は名称】日本コロムビア株式会社
【出願日】 平成12年8月4日(2000.8.4)
【代理人】 【識別番号】100074550
【弁理士】
【氏名又は名称】林 實
【公開番号】 特開2002−56540(P2002−56540A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−236789(P2000−236789)