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【発明の名称】 記録及び/又は再生装置並びに方法
【発明者】 【氏名】長田 豊

【要約】 【課題】記録時又は再生時にかかわらず、記録トラックが所定周波数でウォブリングされ、ランドにアドレス情報等のランドプリピットが設けられた光ディスクから、ランドプリピットを精度良く確実に検出する。

【解決手段】ラジアルプッシュプル信号を検出するための(A+B)信号及び(C+D)信号のうち、(A+B)信号に対して所定の係数kを乗算処理する。この所定の係数kは、ランドプリピットをデコードした際のエラーレート、光ピックアップ2の対物レンズのレンズシフト量、和信号の信号レベルに対するランドプリピット信号やウォブリング信号のレベルに応じて適宜可変する。これにより、記録時又は再生時にかかわらず、光ディスク上のランドプリピットを精度良く確実に検出することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の周波数でウォブリングされ且つ情報信号の記録トラックとなるウォブリンググルーブと、所定のウォブリング周期間隔で少なくともアドレス情報などがランドプリピットとして予め記録されたランドとを螺旋状又は同心円状に交互に形成したディスク状記録媒体に対して前記情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生装置において、光ビームを前記ディスク状記録媒体に照射した際に、該ディスク状記録媒体からの反射光を前記ディスク状記録媒体の前記記録トラックに沿って少なくとも2等分割された第1,第2の受光領域で受光し、これら第1,第2の受光領域の各受光出力のうち一方の受光出力に対して所定の係数を乗算処理して出力する係数乗算手段と、前記第1,第2の受光領域の各受光出力のうち他方の受光出力から前記係数乗算手段で乗算処理した結果の出力を差引いた差分をラジアルプッシュプル信号として出力するプッシュプル信号生成手段と、前記ラジアルプッシュプル信号から前記ランドのランドプリピットに対応したランドプリピット信号を抽出して、このランドプリピット信号の振幅を検出して出力するランドプリピット信号振幅検出手段と、前記ラジアルプッシュプル信号から前記ウォブリンググルーブのウォブリング信号を抽出して、このウォブリング信号の振幅を検出して出力するウォブリング信号振幅検出手段と、前記ランドプリピット信号の振幅、又は、前記ランドプリピット信号の振幅及び前記ウォブリング信号の振幅に基づいて、前記所定の係数の値を1.0より大きく且つ前記ランドプリピット信号を検出可能な範囲内の値に設定する係数設定手段とを備えたことを特徴とする記録及び/又は再生装置。
【請求項2】 所定の周波数でウォブリングされ且つ情報信号の記録トラックとなるウォブリンググルーブと、所定のウォブリング周期間隔で少なくともアドレス情報などがランドプリピットとして予め記録されたランドとを螺旋状又は同心円状に交互に形成したディスク状記録媒体に対して前記情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生装置において、光ビームを前記ディスク状記録媒体に照射した際に、該ディスク状記録媒体からの反射光を前記ディスク状記録媒体の前記記録トラックに沿って少なくとも2等分割された第1,第2の受光領域で受光し、これら第1,第2の受光領域の各受光出力のうち一方の受光出力に対して所定の係数を乗算処理して出力する係数乗算手段と、前記第1,第2の受光領域の各受光出力のうち他方の受光出力から前記係数乗算手段で乗算処理した結果の出力を差引いた差分をラジアルプッシュプル信号として出力するプッシュプル信号生成手段と、前記ラジアルプッシュプル信号から前記ランドのランドプリピットに対応したランドプリピット信号を抽出して、このランドプリピット信号の振幅を検出して出力するランドプリピット信号振幅検出手段と、前記ラジアルプッシュプル信号から前記ウォブリンググルーブのウォブリング信号を抽出して、このウォブリング信号の振幅を検出して出力するウォブリング信号振幅検出手段と、前記第1,第2の受光領域の各受光出力の総和を取って和信号を出力する和信号生成手段と、前記ランドプリピット信号の振幅を前記和信号で除算処理することにより、正規化されたランドプリピット信号の振幅を出力する正規化ランドプリピット信号振幅生成手段と、前記ウォブリング信号の振幅を前記和信号で除算処理することにより、正規化されたウォブリング信号の振幅を出力する正規化ウォブリング信号振幅生成手段と、前記正規化されたランドプリピット信号の振幅、又は、前記正規化されたランドプリピット信号の振幅及び前記正規化されたウォブリング信号の振幅に基づいて、前記所定の係数の値を1.0より大きく且つ前記ランドプリピット信号を検出可能な範囲内の値に設定する係数設定手段とを備えたことを特徴とする記録及び/又は再生装置。
【請求項3】 所定の周波数でウォブリングされ且つ情報信号の記録トラックとなるウォブリンググルーブと、所定のウォブリング周期間隔で少なくともアドレス情報などがランドプリピットとして予め記録されたランドとを螺旋状又は同心円状に交互に形成したディスク状記録媒体に対して前記情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生装置において、光ビームを前記ディスク状記録媒体に照射した際に、該ディスク状記録媒体からの反射光を前記ディスク状記録媒体の前記記録トラックに沿って少なくとも2等分割された第1,第2の受光領域で受光し、これら第1,第2の受光領域の各受光出力のうち一方の受光出力に対して所定の係数を乗算処理して出力する係数乗算手段と、前記第1,第2の受光領域の各受光出力のうち他方の受光出力から前記係数乗算手段で乗算処理した結果の出力を差引いた差分をラジアルプッシュプル信号として出力するプッシュプル信号生成手段と、前記ラジアルプッシュプル信号中に含まれるランドプリピット信号の検出時のエラーレートを演算して出力するエラーレート演算手段と、前記エラーレートに基づいて、前記所定の係数の値を1.0より大きく且つ前記ランドプリピット信号を検出可能な範囲内の値に設定する係数設定手段とを備えたことを特徴とする記録及び/又は再生装置。
【請求項4】 所定の周波数でウォブリングされ且つ情報信号の記録トラックとなるウォブリンググルーブと、所定のウォブリング周期間隔で少なくともアドレス情報などがランドプリピットとして予め記録されたランドとを螺旋状又は同心円状に交互に形成したディスク状記録媒体に対して前記情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生装置において、光ビームを前記ディスク状記録媒体に照射した際に、該ディスク状記録媒体からの反射光を前記ディスク状記録媒体の前記記録トラックに沿って少なくとも2等分割された第1,第2の受光領域で受光し、これら第1,第2の受光領域の各受光出力のうち一方の受光出力に対して所定の係数を乗算処理して出力する係数乗算手段と、前記第1,第2の受光領域の各受光出力のうち他方の受光出力から前記係数乗算手段で乗算処理した結果の出力を差引いた差分をラジアルプッシュプル信号として出力するプッシュプル信号生成手段と、前記ディスク状記録媒体に前記光ビームを照射する光ピックアップの対物レンズの光軸中心からラジアル方向へのレンズシフト量を検出して該レンズシフト量を出力するレンズシフト量検出手段と、前記レンズシフト量に基づいて、前記所定の係数の値を1.0より大きく且つ前記ランドプリピット信号を検出可能な範囲内の値に設定する係数設定手段とを備えたことを特徴とする記録及び/又は再生装置。
【請求項5】 所定の周波数でウォブリングされ且つ情報信号の記録トラックとなるウォブリンググルーブと、所定のウォブリング周期間隔で少なくともアドレス情報などがランドプリピットとして予め記録されたランドとを螺旋状又は同心円状に交互に形成したディスク状記録媒体に対して前記情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生方法において、光ビームを前記ディスク状記録媒体に照射した際に、該ディスク状記録媒体からの反射光を前記ディスク状記録媒体の前記記録トラックに沿って少なくとも2等分割された第1,第2の受光領域で受光し、これら第1,第2の受光領域の各受光出力のうち一方の受光出力に対して所定の係数を乗算処理して出力する係数乗算ステップと、前記第1,第2の受光領域の各受光出力のうち他方の受光出力から前記係数乗算ステップで乗算処理した結果の出力を差引いた差分をラジアルプッシュプル信号として出力するプッシュプル信号生成ステップと、前記ラジアルプッシュプル信号から前記ランドのランドプリピットに対応したランドプリピット信号を抽出して、このランドプリピット信号の振幅を検出して出力するランドプリピット信号振幅検出ステップと、前記ラジアルプッシュプル信号から前記ウォブリンググルーブのウォブリング信号を抽出して、このウォブリング信号の振幅を検出して出力するウォブリング信号振幅検出ステップと、前記ランドプリピット信号の振幅、又は、前記ランドプリピット信号の振幅及び前記ウォブリング信号の振幅に基づいて、前記所定の係数の値を1.0より大きく且つ前記ランドプリピット信号を検出可能な範囲内の値に設定する係数設定ステップとを有することを特徴とする記録及び/又は再生方法。
【請求項6】 所定の周波数でウォブリングされ且つ情報信号の記録トラックとなるウォブリンググルーブと、所定のウォブリング周期間隔で少なくともアドレス情報などがランドプリピットとして予め記録されたランドとを螺旋状又は同心円状に交互に形成したディスク状記録媒体に対して前記情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生方法において、光ビームを前記ディスク状記録媒体に照射した際に、該ディスク状記録媒体からの反射光を前記ディスク状記録媒体の前記記録トラックに沿って少なくとも2等分割された第1,第2の受光領域で受光し、これら第1,第2の受光領域の各受光出力のうち一方の受光出力に対して所定の係数を乗算処理して出力する係数乗算ステップと、前記第1,第2の受光領域の各受光出力のうち他方の受光出力から前記係数乗算ステップで乗算処理した結果の出力を差引いた差分をラジアルプッシュプル信号として出力するプッシュプル信号生成ステップと、前記ラジアルプッシュプル信号から前記ランドのランドプリピットに対応したランドプリピット信号を抽出して、このランドプリピット信号の振幅を検出して出力するランドプリピット信号振幅検出ステップと、前記ラジアルプッシュプル信号から前記ウォブリンググルーブのウォブリング信号を抽出して、このウォブリング信号の振幅を検出して出力するウォブリング信号振幅検出ステップと、前記第1,第2の受光領域の各受光出力の総和を取って和信号を出力する和信号生成ステップと、前記ランドプリピット信号の振幅を前記和信号で除算処理することにより、正規化されたランドプリピット信号の振幅を出力する正規化ランドプリピット信号振幅生成ステップと、前記ウォブリング信号の振幅を前記和信号で除算処理することにより、正規化されたウォブリング信号の振幅を出力する正規化ウォブリング信号振幅生成ステップと、前記正規化されたランドプリピット信号の振幅、又は、前記正規化されたランドプリピット信号の振幅及び前記正規化されたウォブリング信号の振幅に基づいて、前記所定の係数の値を1.0より大きく且つ前記ランドプリピット信号を検出可能な範囲内の値に設定する係数設定ステップとを有することを特徴とする記録及び/又は再生方法。
【請求項7】 所定の周波数でウォブリングされ且つ情報信号の記録トラックとなるウォブリンググルーブと、所定のウォブリング周期間隔で少なくともアドレス情報などがランドプリピットとして予め記録されたランドとを螺旋状又は同心円状に交互に形成したディスク状記録媒体に対して前記情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生方法において、光ビームを前記ディスク状記録媒体に照射した際に、該ディスク状記録媒体からの反射光を前記ディスク状記録媒体の前記記録トラックに沿って少なくとも2等分割された第1,第2の受光領域で受光し、これら第1,第2の受光領域の各受光出力のうち一方の受光出力に対して所定の係数を乗算処理して出力する係数乗算ステップと、前記第1,第2の受光領域の各受光出力のうち他方の受光出力から前記係数乗算ステップで乗算処理した結果の出力を差引いた差分をラジアルプッシュプル信号として出力するプッシュプル信号生成ステップと、前記ラジアルプッシュプル信号中に含まれるランドプリピット信号の検出時のエラーレートを演算して出力するエラーレート演算ステップと、前記エラーレートに基づいて、前記所定の係数の値を1.0より大きく且つ前記ランドプリピット信号を検出可能な範囲内の値に設定する係数設定ステップとを有することを特徴とする記録及び/又は再生方法。
【請求項8】 所定の周波数でウォブリングされ且つ情報信号の記録トラックとなるウォブリンググルーブと、所定のウォブリング周期間隔で少なくともアドレス情報などがランドプリピットとして予め記録されたランドとを螺旋状又は同心円状に交互に形成したディスク状記録媒体に対して前記情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生方法において、光ビームを前記ディスク状記録媒体に照射した際に、該ディスク状記録媒体からの反射光を前記ディスク状記録媒体の前記記録トラックに沿って少なくとも2等分割された第1,第2の受光領域で受光し、これら第1,第2の受光領域の各受光出力のうち一方の受光出力に対して所定の係数を乗算処理して出力する係数乗算ステップと、前記第1,第2の受光領域の各受光出力のうち他方の受光出力から前記係数乗算ステップで乗算処理した結果の出力を差引いた差分をラジアルプッシュプル信号として出力するプッシュプル信号生成ステップと、前記ディスク状記録媒体に前記光ビームを照射する光ピックアップの対物レンズの光軸中心からラジアル方向へのレンズシフト量を検出して該レンズシフト量を出力するレンズシフト量検出ステップと、前記レンズシフト量に基づいて、前記所定の係数の値を1.0より大きく且つ前記ランドプリピット信号を検出可能な範囲内の値に設定する係数設定ステップとを有することを特徴とする記録及び/又は再生方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばDVD−RやDVD−RW等の光ディスクに対して記録再生を行うDVD再生装置やDVD記録装置或いはDVD記録再生装置等に適用して好適な記録及び/又は再生装置並びに方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、記録可能な光記録媒体には、所望の情報の記録を可能とするために、プリピットのかたちでアドレス情報等が予め記録されており、また、記録再生動作に用いるクロック信号を生成するために、所定周波数でウォブリングされた記録トラックが設けられている。
【0003】このような光記録媒体としては、例えばCD(Compact Disc)の約7倍の情報を記録可能なDVD−R(Digital VersatileDisc−Recordable)が知られている。このDVD−Rには、ビデオデータやオーディオデータ等の本来記録すべき情報が記録ピットとして記録される領域である凹状のプリグルーブと共に、このプリグルーブ間の領域である凸状のランド上にアドレス情報等がランドプリピット(LPP)の形態で予め記録されている。
【0004】ランド上のランドプリピット(LPP)は、プリグルーブの接線方向に対して垂直に交わる直線上で、プリグルーブを挟んで隣接することがないように記録されている。また、プリグルーブは、DVD−Rの回転制御に用いられ基準クロックに基づいた周波数で光ディスクの半径方向に、所定周波数でわずかに揺動(ウォブリング)するように設けられている。
【0005】このようなDVD−Rの回転制御を行う際には、ウォブリングさたプリグルーブ(以下、ウォブリンググルーブと記す)の再生出力からウォブリング周波数を検出し、この検出したウォブリング周波数が基準クロックの周波数と合致するようにフィードバック制御する。
【0006】ランドプリピット(LPP)は、ウォブリンググルーブに照射した半導体レーザーからの光ビーム(レーザービーム)の反射光を、ウォブリンググルーブの接線方向と光学的に平行な分割線で少なくとも2分割された受光素子にて受光し、この受光素子の各領域(分割された個々の領域)からの出力信号の前記ウォブリンググルーブに垂直な方向の差分を演算することで差分信号を得て、この差分信号を所定の閾値と比較して2値化した2値化信号が検出される。
【0007】ディスク状記録媒体が光ディスクの場合には、上記分割線によって光ディスクの半径方向(ラジアル方向)に沿って受光素子の分割領域が形成されることになるので、上記差分信号はラジアルプッシュプル信号と呼ばれる。
【0008】このようにラジアルプッシュプル信号(差分信号)を所定の閾値と比較して2値化した2値化信号でランドプリピット(LPP)を検出できるのは、前述のようにランドプリピット(LPP)が、ウォブリンググルーブの接線方向に対して垂直に交わる直線上において、隣接するランドに存在することがないように形成されているためである。
【0009】すなわち、光ビームを1つのウォブリンググルーブに照射するとき、その両側のランドからの反射光には、同時にはランドプリピット(LPP)の反射成分が存在しない(いずれか一方のランドからの反射光のみにLPP成分が存在する)ことにより、上記差分演算を行うことによりランドプリピット(LPP)の反射光成分のみが抽出されるのである。
【0010】ただし、通常は、差分演算による両極成分のうちいずれか一方(例えば正極成分)のみを所定の閾値と比較して得られる2値信号をランドプリピット信号(LPP信号)としている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、DVD−RやDVD−RW等の光ディスクにおいて、ランドプリピット(LPP)はラジアルプッシュプル信号(差分信号)を所定の閾値と比較して2値化し2値化信号に基づいて検出されるのであるが、従来、ラジアルプッシュプル信号(差分信号)を演算するための2つの入力信号の振幅比が等しくなるように調整していたが、この方法によると、ランドプリピット(LPP)において、記録中のレーザーパワー変調成分がノイズとなり、あるいは、再生モード時において、記録ピットの影響によりランドプリピット(LPP)を誤検出する問題があった。また、光ディスクの記録再生モード時に対物レンズによるレンズシフトが発生すると、ラジアルプッシュプル信号のバランスが崩れるので、更にランドプリピット(LPP)を誤検出する問題があった。
【0012】本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で精度良くランドプリピット信号(LPP信号)の抽出を行うことができるような記録及び/又は再生装置並びに方法の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明に係る記録及び/又は再生装置は、所定の周波数でウォブリングされ且つ情報信号の記録トラックとなるウォブリンググルーブと、所定のウォブリング周期間隔で少なくともアドレス情報などがランドプリピットとして予め記録されたランドとを螺旋状又は同心円状に交互に形成したディスク状記録媒体に対して前記情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生装置において、光ビームを前記ディスク状記録媒体に照射した際に、該ディスク状記録媒体からの反射光を前記ディスク状記録媒体の前記記録トラックに沿って少なくとも2等分割された第1,第2の受光領域で受光し、これら第1,第2の受光領域の各受光出力のうち一方の受光出力に対して所定の係数を乗算処理して出力する係数乗算手段と、前記第1,第2の受光領域の各受光出力のうち他方の受光出力から前記係数乗算手段で乗算処理した結果の出力を差引いた差分をラジアルプッシュプル信号として出力するプッシュプル信号生成手段と、前記ラジアルプッシュプル信号から前記ランドのランドプリピットに対応したランドプリピット信号を抽出して、このランドプリピット信号の振幅を検出して出力するランドプリピット信号振幅検出手段と、前記ラジアルプッシュプル信号から前記ウォブリンググルーブのウォブリング信号を抽出して、このウォブリング信号の振幅を検出して出力するウォブリング信号振幅検出手段と、前記ランドプリピット信号の振幅、又は、前記ランドプリピット信号の振幅及び前記ウォブリング信号の振幅に基づいて、前記所定の係数の値を1.0より大きく且つ前記ランドプリピット信号を検出可能な範囲内の値に設定する係数設定手段とを備える。
【0014】また、請求項2に記載の本発明に係る記録及び/又は再生装置は、所定の周波数でウォブリングされ且つ情報信号の記録トラックとなるウォブリンググルーブと、所定のウォブリング周期間隔で少なくともアドレス情報などがランドプリピットとして予め記録されたランドとを螺旋状又は同心円状に交互に形成したディスク状記録媒体に対して前記情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生装置において、光ビームを前記ディスク状記録媒体に照射した際に、該ディスク状記録媒体からの反射光を前記ディスク状記録媒体の前記記録トラックに沿って少なくとも2等分割された第1,第2の受光領域で受光し、これら第1,第2の受光領域の各受光出力のうち一方の受光出力に対して所定の係数を乗算処理して出力する係数乗算手段と、前記第1,第2の受光領域の各受光出力のうち他方の受光出力から前記係数乗算手段で乗算処理した結果の出力を差引いた差分をラジアルプッシュプル信号として出力するプッシュプル信号生成手段と、前記ラジアルプッシュプル信号から前記ランドのランドプリピットに対応したランドプリピット信号を抽出して、このランドプリピット信号の振幅を検出して出力するランドプリピット信号振幅検出手段と、前記ラジアルプッシュプル信号から前記ウォブリンググルーブのウォブリング信号を抽出して、このウォブリング信号の振幅を検出して出力するウォブリング信号振幅検出手段と、前記第1,第2の受光領域の各受光出力の総和を取って和信号を出力する和信号生成手段と、前記ランドプリピット信号の振幅を前記和信号で除算処理することにより、正規化されたランドプリピット信号の振幅を出力する正規化ランドプリピット信号振幅生成手段と、前記ウォブリング信号の振幅を前記和信号で除算処理することにより、正規化されたウォブリング信号の振幅を出力する正規化ウォブリング信号振幅生成手段と、前記正規化されたランドプリピット信号の振幅、又は、前記正規化されたランドプリピット信号の振幅及び前記正規化されたウォブリング信号の振幅に基づいて、前記所定の係数の値を1.0より大きく且つ前記ランドプリピット信号を検出可能な範囲内の値に設定する係数設定手段とを備える。
【0015】また、請求項3に記載の本発明に係る記録及び/又は再生装置は、所定の周波数でウォブリングされ且つ情報信号の記録トラックとなるウォブリンググルーブと、所定のウォブリング周期間隔で少なくともアドレス情報などがランドプリピットとして予め記録されたランドとを螺旋状又は同心円状に交互に形成したディスク状記録媒体に対して前記情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生装置において、光ビームを前記ディスク状記録媒体に照射した際に、該ディスク状記録媒体からの反射光を前記ディスク状記録媒体の前記記録トラックに沿って少なくとも2等分割された第1,第2の受光領域で受光し、これら第1,第2の受光領域の各受光出力のうち一方の受光出力に対して所定の係数を乗算処理して出力する係数乗算手段と、前記第1,第2の受光領域の各受光出力のうち他方の受光出力から前記係数乗算手段で乗算処理した結果の出力を差引いた差分をラジアルプッシュプル信号として出力するプッシュプル信号生成手段と、前記ラジアルプッシュプル信号中に含まれるランドプリピット信号の検出時のエラーレートを演算して出力するエラーレート演算手段と、前記エラーレートに基づいて、前記所定の係数の値を1.0より大きく且つ前記ランドプリピット信号を検出可能な範囲内の値に設定する係数設定手段とを備える。
【0016】また、請求項4に記載の本発明に係る記録及び/又は再生装置は、所定の周波数でウォブリングされ且つ情報信号の記録トラックとなるウォブリンググルーブと、所定のウォブリング周期間隔で少なくともアドレス情報などがランドプリピットとして予め記録されたランドとを螺旋状又は同心円状に交互に形成したディスク状記録媒体に対して前記情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生装置において、光ビームを前記ディスク状記録媒体に照射した際に、該ディスク状記録媒体からの反射光を前記ディスク状記録媒体の前記記録トラックに沿って少なくとも2等分割された第1,第2の受光領域で受光し、これら第1,第2の受光領域の各受光出力のうち一方の受光出力に対して所定の係数を乗算処理して出力する係数乗算手段と、前記第1,第2の受光領域の各受光出力のうち他方の受光出力から前記係数乗算手段で乗算処理した結果の出力を差引いた差分をラジアルプッシュプル信号として出力するプッシュプル信号生成手段と、前記ディスク状記録媒体に前記光ビームを照射する光ピックアップの対物レンズの光軸中心からラジアル方向へのレンズシフト量を検出して該レンズシフト量を出力するレンズシフト量検出手段と、前記レンズシフト量に基づいて、前記所定の係数の値を1.0より大きく且つ前記ランドプリピット信号を検出可能な範囲内の値に設定する係数設定手段とを備える。
【0017】また、請求項5に記載の本発明に係る記録及び/又は再生方法は、所定の周波数でウォブリングされ且つ情報信号の記録トラックとなるウォブリンググルーブと、所定のウォブリング周期間隔で少なくともアドレス情報などがランドプリピットとして予め記録されたランドとを螺旋状又は同心円状に交互に形成したディスク状記録媒体に対して前記情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生方法において、光ビームを前記ディスク状記録媒体に照射した際に、該ディスク状記録媒体からの反射光を前記ディスク状記録媒体の前記記録トラックに沿って少なくとも2等分割された第1,第2の受光領域で受光し、これら第1,第2の受光領域の各受光出力のうち一方の受光出力に対して所定の係数を乗算処理して出力する係数乗算ステップと、前記第1,第2の受光領域の各受光出力のうち他方の受光出力から前記係数乗算ステップで乗算処理した結果の出力を差引いた差分をラジアルプッシュプル信号として出力するプッシュプル信号生成ステップと、前記ラジアルプッシュプル信号から前記ランドのランドプリピットに対応したランドプリピット信号を抽出して、このランドプリピット信号の振幅を検出して出力するランドプリピット信号振幅検出ステップと、前記ラジアルプッシュプル信号から前記ウォブリンググルーブのウォブリング信号を抽出して、このウォブリング信号の振幅を検出して出力するウォブリング信号振幅検出ステップと、前記ランドプリピット信号の振幅、又は、前記ランドプリピット信号の振幅及び前記ウォブリング信号の振幅に基づいて、前記所定の係数の値を1.0より大きく且つ前記ランドプリピット信号を検出可能な範囲内の値に設定する係数設定ステップとを有する。
【0018】また、請求項6に記載の本発明に係る記録及び/又は再生方法は、所定の周波数でウォブリングされ且つ情報信号の記録トラックとなるウォブリンググルーブと、所定のウォブリング周期間隔で少なくともアドレス情報などがランドプリピットとして予め記録されたランドとを螺旋状又は同心円状に交互に形成したディスク状記録媒体に対して前記情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生方法において、光ビームを前記ディスク状記録媒体に照射した際に、該ディスク状記録媒体からの反射光を前記ディスク状記録媒体の前記記録トラックに沿って少なくとも2等分割された第1,第2の受光領域で受光し、これら第1,第2の受光領域の各受光出力のうち一方の受光出力に対して所定の係数を乗算処理して出力する係数乗算ステップと、前記第1,第2の受光領域の各受光出力のうち他方の受光出力から前記係数乗算ステップで乗算処理した結果の出力を差引いた差分をラジアルプッシュプル信号として出力するプッシュプル信号生成ステップと、前記ラジアルプッシュプル信号から前記ランドのランドプリピットに対応したランドプリピット信号を抽出して、このランドプリピット信号の振幅を検出して出力するランドプリピット信号振幅検出ステップと、前記ラジアルプッシュプル信号から前記ウォブリンググルーブのウォブリング信号を抽出して、このウォブリング信号の振幅を検出して出力するウォブリング信号振幅検出ステップと、前記第1,第2の受光領域の各受光出力の総和を取って和信号を出力する和信号生成ステップと、前記ランドプリピット信号の振幅を前記和信号で除算処理することにより、正規化されたランドプリピット信号の振幅を出力する正規化ランドプリピット信号振幅生成ステップと、前記ウォブリング信号の振幅を前記和信号で除算処理することにより、正規化されたウォブリング信号の振幅を出力する正規化ウォブリング信号振幅生成ステップと、前記正規化されたランドプリピット信号の振幅、又は、前記正規化されたランドプリピット信号の振幅及び前記正規化されたウォブリング信号の振幅に基づいて、前記所定の係数の値を1.0より大きく且つ前記ランドプリピット信号を検出可能な範囲内の値に設定する係数設定ステップとを有する。
【0019】また、請求項7に記載の本発明に係る記録及び/又は再生方法は、所定の周波数でウォブリングされ且つ情報信号の記録トラックとなるウォブリンググルーブと、所定のウォブリング周期間隔で少なくともアドレス情報などがランドプリピットとして予め記録されたランドとを螺旋状又は同心円状に交互に形成したディスク状記録媒体に対して前記情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生方法において、光ビームを前記ディスク状記録媒体に照射した際に、該ディスク状記録媒体からの反射光を前記ディスク状記録媒体の前記記録トラックに沿って少なくとも2等分割された第1,第2の受光領域で受光し、これら第1,第2の受光領域の各受光出力のうち一方の受光出力に対して所定の係数を乗算処理して出力する係数乗算ステップと、前記第1,第2の受光領域の各受光出力のうち他方の受光出力から前記係数乗算ステップで乗算処理した結果の出力を差引いた差分をラジアルプッシュプル信号として出力するプッシュプル信号生成ステップと、前記ラジアルプッシュプル信号中に含まれるランドプリピット信号の検出時のエラーレートを演算して出力するエラーレート演算ステップと、前記エラーレートに基づいて、前記所定の係数の値を1.0より大きく且つ前記ランドプリピット信号を検出可能な範囲内の値に設定する係数設定ステップとを有する。
【0020】更に、請求項8に記載の本発明に係る記録及び/又は再生方法は、所定の周波数でウォブリングされ且つ情報信号の記録トラックとなるウォブリンググルーブと、所定のウォブリング周期間隔で少なくともアドレス情報などがランドプリピットとして予め記録されたランドとを螺旋状又は同心円状に交互に形成したディスク状記録媒体に対して前記情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生方法において、光ビームを前記ディスク状記録媒体に照射した際に、該ディスク状記録媒体からの反射光を前記ディスク状記録媒体の前記記録トラックに沿って少なくとも2等分割された第1,第2の受光領域で受光し、これら第1,第2の受光領域の各受光出力のうち一方の受光出力に対して所定の係数を乗算処理して出力する係数乗算ステップと、前記第1,第2の受光領域の各受光出力のうち他方の受光出力から前記係数乗算ステップで乗算処理した結果の出力を差引いた差分をラジアルプッシュプル信号として出力するプッシュプル信号生成ステップと、前記ディスク状記録媒体に前記光ビームを照射する光ピックアップの対物レンズの光軸中心からラジアル方向へのレンズシフト量を検出して該レンズシフト量を出力するレンズシフト量検出ステップと、前記レンズシフト量に基づいて、前記所定の係数の値を1.0より大きく且つ前記ランドプリピット信号を検出可能な範囲内の値に設定する係数設定ステップとを有する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に係る記録及び/又は再生装置並びに方法は、DVD−RやDVD−RW(以下、まとめてDVDという)に対してデータの記録再生を行うディスク記録再生装置に適用することができる。
【0022】まず、この実施の形態のディスク記録再生装置に用いられるDVD31は、図1に示すように、円盤状の透明基板Kの一方の面に凹状のウォブリンググルーブ32と凸状のランド33とが螺旋状又は同心円状に交互に射出成形などにより形成されている。また、ウォブリンググルーブ32上及びランド33上にデータ記録層としての色素膜35が成膜され、この色素膜35に記録すべきデータ(以下、記録データという)に応じて変調された記録用の光ビームBが透明基板Kの他方の面側から照射されることで、記録データに応じたピット列が非可逆的に形成されるようになっている。
【0023】このDVD31は、所定の周波数成分を有するウォブリング信号に応じてウォブリングされたウォブリンググルーブ32を有しており、このウォブリンググルーブ32が、前記記録データを記録するためのデータ記録用トラックとなっている。
【0024】また、このDVD31には、隣接するウォブリンググルーブ32間のランド33上に、例えば光ディスク盤面上におけるアドレス情報(絶対位置情報)等が所定のウォブリング周期間隔で記録されたランドプリピット34が予め形成されている。
【0025】また、色素膜35上には金蒸着膜36が形成されている。DVD31では、データ記録用トラックに記録された記録データを再生する際に、データ記録用トラックに照射された再生用の光ビームBを、この金蒸着膜36にて高い反射率で反射させるようにしている。更に、金蒸着膜36上には保護膜37が成膜されている。
【0026】このようなDVD31に対して、記録データを記録或いは再生する際には、データ記録用トラックとして設けられたウォブリンググルーブ32のウォブリング周波数が検出され、このウォブリング周波数に基づいてDVD31が回転駆動されるようになっている。また、ランドプリピット34からはアドレス情報等が検出され、このアドレス情報に基づいて記録位置を検出し、ウォブリンググルーブ32に記録データを記録し再生するようになっている。
【0027】ここで、記録データを記録する際には、記録データに応じて変調された記録用の光ビームBを、その光スポットの中心がウォブリンググルーブ32の中心と一致するように照射する。これにより、ウォブリンググルーブ32上のデータ記録トラックに、記録データに対応したピット列が形成されて記録データの記録が行われることとなる。このとき、記録用の光ビームBの光スポットSPの大きさは、図1に示すように、その一部がウォブリンググルーブ32だけではなく、隣接するウォブリンググルーブ32間のランド33にも照射されるように設定される。
【0028】そして、このランド33に照射された光スポットSPの一部の反射光を、ウォブリンググルーブ32の接線方向、すなわち、DVD31の回転方向に光学的に平行な分割線により分割されたフォトディテクタにより受光し、このフォトディテクタからの出力に基づいて、例えばプッシュプル信号を形成してトラッキングサーボをかけ、また、フォトディテクタからウォブリンググルーブ32のウォブリング信号を抽出し、このウォブリング信号を2値化して生成したウォブリングパルスに基づいてDVD31の回転に同期した記録クロックを形成するようになっている。
【0029】次に、DVD31に予め記録されているアドレス情報の記録フォーマットについて、図2を用いて説明する。
【0030】この図2において、上段は記録データにおける記録フォーマットを示し、下段の波形は当該記録データを記録するウォブリンググルーブ32のウォブリング状態(ウォブリンググルーブ32を平面視したときに確認される蛇行状態)を示している。また、記録データにおける記録フォーマットを示した上段とウォブリンググルーブ32のウォブリング状態を示した下段との間の上向き矢印は、ランドプリピット34が形成される位置を模式的に示すものである。
【0031】なお、この図2におけるウォブリンググルーブ32のウォブリング状態は、理解を容易化するために、実際の振幅よりも大きい振幅で示している。また、実際には、記録データは、上述したようにウォブリンググルーブ32の中心線上に記録されるようになっている。
【0032】この図2に示すように、DVD31に記録される記録データは、予め情報単位としてのシンクフレーム毎に分割されている。1つのレコーディングセクタは、26のシンクフレームで構成されている。また、16のレコーディングセクタで1つのECC(Error Correcting Code)ブロックが構成されている。
【0033】1つのシンクフレームは、記録データを記録する際の記録フォーマットにより規定されるピット間隔に対応する単位長さTの1488倍(1488T)の長さを有している。そして、1つのシンクフレームの先頭における14Tの長さに相当する部分は、シンクフレーム毎の同期をとるための同期情報SYが記録されるようになっている。
【0034】一方、DVD31に記録されるアドレス情報(ランドプリピット34)は、光ディスク製造時に記録データのシンクフレーム毎に予め記録されることになる。ここで、ランドプリピット34によりDVD31にアドレス情報が記録される場合は、記録データの各シンクフレームにおける同期情報SYが記録される領域に隣接するランド33上に、アドレス情報における同期信号を示すものとして、図2中矢印B0で示すランドプリピット34(ランドプリピットB0)が形成されると共に、当該同期情報SY以外の当該シンクフレーム内の前半部分に隣接するランド33上に、記録すべきアドレス情報の内容を示すものとして図2中矢印B1,B2で示すランドプリピット34(ランドプリピットB1、ランドプリピットB2)の双方或いは一方が形成されることになる。
【0035】ただし、同期情報SY以外の当該シンクフレーム内の前半部分については、記録すべきアドレス情報の内容によっては、ランドプリピットB1やランドプリピットB2が形成されない場合もある。
【0036】この際、1つのレコーディングセクタにおいては、1つ置きのシンクフレーム毎にランドプリピット34が形成されてアドレス情報等が記録される。1つのレコーディングセクタは、EVENフレームとODDフレームとが交互に連続しており、図2中実線の上向き矢印で示すように、EVENフレームにランドプリピット34が形成された場合には、ODDフレームにはランドプリピット34は形成されない。
【0037】一方、図2中波線の上向き矢印で示すように、ODDフレームにランドプリピット34が形成された場合には、EVENフレームにはランドプリピット34は形成されない。
【0038】また、EVENフレームにランドプリピット34を形成する場合には、レコーディングセクタの先頭のシンクフレームにおいては、ランドプリピットB0,ランドプリピットB1,ランドプリピットB2の全てのランドプリピットが形成されており、レコーディングセクタの先頭以外のシンクフレームにおいては、当該シンクフレームに記録すべきアドレス情報が「1」のときには、ランドプリピットB0及びランドプリピットB2のみが形成され、記録すべきアドレス情報が「0」のときには、ランドプリピットB0及びランドプリピットB1のみが形成されている。
【0039】また、ODDフレームにランドプリピット34を形成する場合には、レコーディングセクタの先頭のシンクフレームにおいては、ランドプリピットB0及びランドプリピットB1のみが形成されており、レコーディングセクタの先頭以外のシンクフレームにおいては、前記EVENフレームの場合と同様である。
【0040】なお、ランドプリピット34をEVENフレームとODDフレームのいずれのシンクフレームに形成するかは、隣接するランド33上に先行して形成されたランドプリピット34の位置に依存して決められる。
【0041】すなわち、ランドプリピット34は、通常はEVENフレームに形成されるが、当該EVENフレームにランドプリピット34を形成したときに、このランドプリピット34が、先行して形成された隣接するランド33上のランドプリピット34と、DVD31の径方向において重なることになる場合には、このランドプリピット34は、ODDフレームに形成されることになる。
【0042】換言すると、ランドプリピット34は、図3に示すように隣接するランド33間において、DVD31の径方向に重ならないように形成される。ランドプリピット34をこのように形成することにより、隣接するランド33間において、DVD31の径方向に重なる位置にそれぞれランドプリピット34が形成されることがなくなるので、ランドプリピット34の検出に当たっては隣接したランド上のランドプリピットクロストークによる影響を低減することができる。
【0043】なお、図3において、ランド33上で先頭が黒色の帯状で示されたシンクフレームが、ランドプリピット34が形成されたシンクフレームであり、先頭が白抜きの帯状で示されたシンクフレームが、ランドプリピット34が形成されていないシンクフレームである。
【0044】一方、ウォブリンググルーブ32は、全てのシンクフレームに亘って、約140KHzの一定ウォブリング周波数f0(1つシンクフレーム内にウォブル8周期分のウォブリング信号が入る周波数)でウォブリングされている。この際、ウォブリング信号のウォブリング周波数f0を抽出することで、DVD31の回転動作を制御するための信号が検出されると共に、記録クロック信号が生成されるようになっている。
【0045】また、ランドプリピット34とウォブリング信号との位相関係を一定にするために、ランドプリピットB0〜B2は、光ディスク製造時に予め形成されており、ランドプリピットB0から186T(1488T/8)分づつ離れてランドプリピットB1,ランドプリピットB2がそれぞれ予め形成されている。
【0046】また、ランドプリピット34は、前述のように1つおきのシンクフレーム毎にランド33上に形成され、隣接するランド33間において、DVD31の径方向に重ならないように形成されている。従って、1つのウォブリンググルーブ32に隣接する2つのランド33には、ウォブリンググルーブ32のウォブル16周期毎にランドプリピット34が出現し、且つ、そのランドプリピット34がウォブリンググルーブ32の両側に交互に出現することとなる。
【0047】次に、図4は、当該実施の形態のディスク記録再生装置のブロック図である。この図4からわかるように、当該実施の形態のディスク記録再生装置は、DVD31に対して半導体レーザー(図示せず)からの光ビームを対物レンズ(図示せず)を介して照射してデータの記録再生を行う光ピックアップ2と、光ピックアップ2からの再生出力を所定の利得で増幅して出力するプリアンプ3とを有している。
【0048】図5(a)は、光ピックアップ2内の光受光素子PD(Photo Detector)がウォブリンググルーブ32の中央に位置し、且つ、この光受光素子PDで図示右側のランド33上のランドプリピット34を検出している状態を模式的に示した模式図である。
【0049】上記した光受光素子PDは略矩形状に形成されており、DVD31の径方向に沿った直線とトラック方向に沿った直線とで全受光領域が4等分割されているものの、この光受光素子PD上に結像した光スポットSPはDVD31(光ディスク)の外周側の2つの受光領域A及び受光領域Bの組みと、DVD31の内周側の2つの受光領域C及び受光領域Dの組みとで2つの組みを形成しているので、DVD31の記録トラック方向に沿った直線に対して2分割した状態となる。
【0050】そして、光受光素子PDから受光出力を出力する時には、図5(b)に示したように、DVD31の外周側の2つの受光領域A及び受光領域Bの各受光信号を加算した(A+B)信号と、DVD31の内周側の2つの受光領域C及び受光領域Dの各受光信号を加算した(C+D)信号とをそれぞれ出力しているが、この時に光受光素子PD上ではランドプリピット34への光ビームBの回折現象などの影響によりDVD31の外周側と内周側とで明るさがアンバランスになるために、(A+B)信号と(C+D)信号とが共に0レベルより上方側で互いに反転したような状態で出力されている。
【0051】この際、(A+B)信号の出力振幅と、(C+D)信号の出力振幅とが略同じレベルであることが必要条件であり、光ピックアップ2の調整状態などにより、両者が略同じにならない場合には、後述するようにRPP生成回路8で差分信号を生成する前に(A+B)加算回路4,(C+D)加算回路5で両者の出力振幅が略同じレベルなるように適宜な調整回路で調整しておけば良い。
【0052】この後、光受光素子PDのから出力された(A+B)信号と(C+D)信号とによりラジアルプッシュプル信号を生成する場合には、(C+D)信号と、(A+B)信号の極性を反転させるために所定の係数kに−(マイナス)符号を乗算処理した{−k(A+B)}信号とが、0レベルの上下で図5(c)に示したように得られるので、これらの各信号の差分を取った差分信号{(C+D)−k(A+B))}がラジアルプッシュプル信号として生成されるようになっている。この際、図5(b)において、ランドプリピット信号(LPP信号)がウォブリング信号(WBL信号)を中心にして0レベル側に向いた(下側に向いた)方の信号(A+B)側に対して所定の係数kに−(マイナス)符号を乗算処理すれば良く、図示とは異なって仮に(C+D)側でランドプリピット信号(LPP信号)が下側に向いていればこちらを乗算処理すれば良いものであるが、この判定は装置内で行うことなく、どちら側を乗算処理するかは予め設定できるので、実施例のように(A+B)加算回路4側に係数乗算回路6を結線しておけば良いものである。
【0053】このため、当該ディスク記録再生装置は、DVD31の外周側の2つの前記受光領域A及び受光領域Bの各受光信号を加算した(A+B)信号を検出する(A+B)加算回路4と、DVD31の内周側の2つの受光領域C及び受光領域Dの各受光信号を加算した(C+D)信号を検出する(C+D)加算回路5とを有している。
【0054】また、当該ディスク記録再生装置は、(A+B)加算回路4からの(A+B)信号の極性を反転し、且つ、所定の係数kを乗算処理{−k(A+B)}して出力する係数乗算回路6を有している。
【0055】当該ディスク記録再生装置においては、ラジアルプッシュプル信号の検出出力や、ランドプリピット信号の検出時のエラーレートや、光ピックアップ2の対物レンズのシフト量に応じてこの所定の係数kを可変することにより、光ディスク上のランドプリピット(LPP)の検出精度の向上を図っている。
【0056】また、当該ディスク記録再生装置は、(C+D)信号と{−k(A+B)}信号とに基づくラジアルプッシュプル信号{(C+D)−k(A+B)}を生成するRPP生成回路8と、このRPP生成回路8からのラジアルプッシュプル信号中に含まれるランドプリピット信号(LPP信号)を2値化する2値化回路9と、2値化回路9で2値化されたランドプリピット信号(LPP信号)のアドレス情報等をデコード処理するLPPデコード回路10と、このLPPデコード回路10でデコードされたランドプリピット信号のエラーレートを演算してこのエラーレートを出力するCPU11とを有している。
【0057】また、当該ディスク記録再生装置は、(A+B)加算回路4からの(A+B)信号と(C+D)加算回路5からの(C+D)信号とを加算処理して和信号{RF信号:(A+B+C+D)}を生成するRF回路7と、RPP生成回路8からのラジアルプッシュプル信号中からランドプリピット信号(LPP信号)を抽出し、このランドプリピット信号の振幅を検出してLPPb生成回路14及び係数設定回路16に出力するLPP振幅検出回路(ランドプリピット信号振幅検出回路)12と、RPP生成回路8からのラジアルプッシュプル信号中から記録トラックのウォブリング信号(WBL信号)を抽出し、このウォブリング信号の振幅を検出してWBLb生成回路15及び係数設定回路16に出力するWBL振幅検出回路(ウォブリング信号振幅検出回路)13とを有している。
【0058】また、当該ディスク記録再生装置は、LPP振幅検出回路12で抽出されたランドプリピット信号(LPP信号)のレベルを、RF回路7で生成された和信号(A+B+C+D)のレベルに対して正規化されたランドプリピット信号(以下、LPPb信号と記す)として出力するLPPb生成回路(正規化ランドプリピット信号振幅検出回路)14と、WBL振幅検出回路13で抽出されたウォブリング信号のレベルを、RF回路7で生成された和信号(A+B+C+D)のレベルに対して正規化されたウォブリング信号(以下、WBLb信号と記す)として出力するWBLb生成回路(正規化ウォブリング信号振幅検出回路)15と、光ピックアップ2の対物レンズの光軸中心からラジアル方向へのレンズシフト量を検出してこのレンズシフト量を出力するレンズシフト量検出回路17とを有している。
【0059】また、当該ディスク記録再生装置は、CPU11からのランドプリピット信号の検出時のエラーレート、LPP振幅検出回路12からのランドプリピット信号の振幅、WBL振幅検出回路13からのウォブリング信号の振幅、LPPb生成回路14からの正規化したLPPb信号、WBLb生成回路15からの正規化したWBLb信号、レンズシフト量検出回路17により検出されたレンズシフト量に応じて、前記係数乗算回路6の所定の係数kを設定する係数設定回路16を有している。尚、LPP振幅検出回路12からのランドプリピット信号の振幅、WBL振幅検出回路13からのウォブリング信号の振幅の組み、又は、LPPb生成回路14からの正規化したLPPb信号、WBLb生成回路15からの正規化したWBLb信号の組みのいずれか一方の組みだけを係数設定回路16に接続しても良い。
【0060】次に、このような構成を有する当該実施の形態のディスク記録再生装置において、本発明の要部となるランドプリピット(LPP)検出動作の説明をする。
【0061】尚、以下に説明する図6,図7,図8等において、ウオブリング信号、LPP信号が直線で近似表現されており、図12,図13等とは異なるが、これは簡単化して表示しているにすぎないものである。
【0062】本発明は未記録部分を再生してそのディスクについての関連基本パラメータを測定することを含んでいるが、実際の記録再生装置においては、ディスク上の未記録領域は認識できるので、その領域にシークして上記パラメータを求めることができる。また、ディスク最内周におけるリードイン領域、或いは、ディスク最外周のリードアウト領域は、ディスクに対して全てのユーザデータを記録した後に記録する部分で、この領域を記録した後は、ディスクに対して記録は行わない。本発明におけるディスクについての関連基本パラメータの測定はこのリードイン領域或いはリードアウト領域に対して行うことも可能である。
【0063】まず、図6は、DVD31の未記録部分を再生したときのRF回路7からの和信号出力(A+B+C+D)と、RPP生成回路8からのラジアルプッシュプル信号{(C+D)−k(A+B)}の関係を示しているのであるが、この図6からわかるようにA〜Dの各信号を加算処理したRF信号のレベルは、(C+D)信号から{−k(A+B)}信号を差引いた差分信号であるラジアルプッシュプル信号のレベルよりも大きくなる。
【0064】また、ラジアルプッシュプル信号には、0レベルを中心に上下に振れているウォブリング信号(WBL信号)に、このウォブリング信号の位相90°のタイミングで現れるランドプリピット信号(LPP信号)が重畳していることがわかる。この際、和信号(A+B+C+D)の振幅R1と、ウォブリング信号(WBL)の振幅W1と、ランドプリピット信号(LPP信号)の振幅L1は、それぞれ0レベルから図示上方の各信号までの間の値とする。上記したランドプリピット信号(LPP信号)はそのトラックに対して正規の側の信号を示した図であり、反対側には正規でないランドプリピット信号(LPP信号)が存在するものの図示を省略している。
【0065】次に、図7は、図6で説明した未記録部分を再生したときのラジアルプッシュプル信号{(C+D)−k(A+B)}を、(C+D)信号と、極性が反転された{−k(A+B)}信号とに分けて示した図なのであるが、この図7からわかるように(C+D)信号は0レベルを境にして正極性側に現れ、{−k(A+B)}信号は0レベルを境にして負極性側に現れる。そして、(C+D)信号及び{−k(A+B)}信号は、それぞれウォブリング信号に、このウォブリング信号の位相90°のタイミングで現れるランドプリピット信号(LPP信号)が重畳して形成されていることがわかるであろう。
【0066】この際、正極性側の(C+D)信号の中心レベルまでの振幅R2及び負極性側の{−k(A+B)}信号の中心レベルまでの振幅kR2は、図示の如く0レベルを基準として表示する。また、(C+D)信号に対応したウォブリング信号(WBL信号)の振幅W2と、ランドプリピット信号(LPP信号)の振幅L2は、(C+D)信号の中心レベルから図示上方の各信号の頂点までの間の値とする。更に、{−k(A+B)}信号に対応したウォブリング信号(WBL)の振幅kW2と、ランドプリピット信号(LPP信号)の振幅kL2は、{−k(A+B)}信号の中心レベルから図示上方の各信号の頂点までの値とする。
【0067】次に、図8は、DVD31上のウォブリンググルーブ32に情報信号を記録する際の状態を示しており、例えば情報信号をパルス状の光ビームBで記録する際に光ビームBの照射光量が大きい部位(「情報信号の1」に相当する部位)をハイパワー照射部とし、光ビームBの照射光量が小さい部位(「情報信号の0」に相当する部位)をローパワー照射部とした時に、正極性側の(C+D)信号及び負極性側の{−k(A+B)}信号に対してハイパワー照射部のエンベロープとローパワー照射部のエンベロープとをそれぞれ分けて示している図である。
【0068】この図8からわかるように、(C+D)信号及び{−k(A+B)}信号共にハイパワー照射部とローパワー照射部とが存在すると、(C+D)信号及び{−k(A+B)}信号の各レベルがそれぞれ異なるレベルとなることがわかるであろう。そして、ハイパワー照射部及びローパワー照射部でこのようなレベル差が生ずるために、後段でランドプリピット信号の誤検出が生ずるのである。
【0069】尚、以下の説明では、記録時について述べるものであるが、再生時は光ディスク上で記録ピットが形成された部位がローパワー照射部と対応し、記録ピットが形成されていない未記録部位がハイパワー照射部と対応しているものとして、ランドプリピット信号を検出すれば良いもであるから、再生時についての説明を省略する。
【0070】そこで、当該実施の形態のディスク記録再生装置は、極性が反転された{−k(A+B)}信号を得るために乗算する所定の係数kを可変制御することでラジアルプッシュプル信号{(C+D)−k(A+B)}のうちで{−k(A+B)}信号側のレベルを所定の係数kにより調整して、後段でのランドプリピット信号の検出精度の向上を図っている。なお、ラジアルプッシュプル信号として{(A+B)−k(C+D)}信号を用いても良く、この場合には{−k(C+D)}信号側のレベルを調整すすれば良いものであり、以下の説明では{−k(A+B)}信号側のレベルを調整する場合について説明する。
【0071】すなわち、まず、記録時(或いは再生時)には、光ピックアップ2から記録用(或いは再生用)の光ビームが照射され、光ピックアップ2は、この光ビームの反射光を、図5を用いて説明した4分割受光素子PDで受光し、受光領域A及び受光領域Bの各受光信号をプリアンプ3を介して(A+B)加算回路4に供給すると共に、受光領域C及び受光領域Dの各受光信号をプリアンプ3を介して(C+D)加算回路5に供給する。
【0072】(A+B)加算回路4は、受光領域A及び受光領域Bの各受光信号をそれぞれ加算処理して(A+B)信号を生成し、これを係数乗算回路6に供給すると共にRF回路7に供給する。また、(C+D)加算回路5は、受光領域C及び受光領域Dの各受光信号をそれぞれ加算処理して(C+D)信号を生成し、これをRPP生成回路8に供給すると共にRF回路7に供給する。
【0073】RF回路7は、(A+B)信号及び(C+D)信号を加算処理することにより、(A+B+C+D)信号である和信号を生成し、これをLPPb生成回路14及びWBLb生成回路15にそれぞれ供給する。
【0074】係数乗算回路6の係数の初期値は、入力された(A+B)信号のレベルを可変することなくそのまま出力するように所定の係数kが「1」に設定されている。このため、この場合、係数乗算回路6に供給された(A+B)信号は極性が反転されたのみでレベルが可変されることなく、初期状態ではそのままRPP生成回路8に供給されるものの、この後、後述するように係数設定回路16からのフィードバックより所定の係数kが可変されるので、下記のRPP生成回路8の説明は所定の係数kを用いて説明する。
【0075】RPP生成回路8は、前記(C+D)信号から極性が反転された{−k(A+B)信号}を差引いた差分信号を演算することでラジアルプッシュプル信号{(C+D)−k(A+B)信号}を生成し、このラジアルプッシュプル信号を2値化回路9,LPP振幅検出回路12,WBL振幅検出回路13にそれぞれ供給する。
【0076】2値化回路9は、ラジアルプッシュプル信号中に含まれるランドプリピット信号(LPP信号)を2値化する。
【0077】LPP振幅検出回路12は、ラジアルプッシュプル信号中に含まれるランドプリピット(LPP)成分を抽出してランドプリピット信号(LPP信号)の振幅を検出し、この検出出力をLPPb生成回路14及び係数設定回路16に供給する。
【0078】また、WBL振幅検出回路13は、ラジアルプッシュプル信号中に含まれるウォブル(WBL)成分を抽出してウォブリング信号(WBL信号)の振幅を検出し、この検出出力をWBLb生成回路15及び係数設定回路16に供給する。
【0079】更に、LPPb生成回路14は、RF回路7からの和信号、及びLPP振幅検出回路12により検出されたラジアルプッシュプル信号中に含まれるLPP成分の振幅に基づいて、和信号に対するランドプリピット信号の振幅の割合を示すLPPb信号を演算し、これを係数設定回路16に供給する。
【0080】具体的には、図6に示す和信号(A+B+C+D)の振幅を「R1」、ランドプリピット信号の振幅を「L1」、図7に示す(C+D)信号の振幅を「R2」、(C+D)信号中のランドプリピット信号の振幅を「L2」、図7に示す{−k(A+B)}信号の振幅を「kR2」、{−k(A+B)}信号中のランドプリピット信号の振幅を「kL2」とすると、LPPb生成回路15は、以下の(1式)の演算により正規化したLPPb信号を生成し、これを係数設定回路16に供給する。
【0081】
LPPb信号=L1/R1=kL2/kR2=L2/R2……(1式)
同様に、WBLb生成回路15は、RF回路7からの和信号、及びWBL振幅検出回路13により検出されたウォブリング信号に基づいて、和信号に対するウォブリング信号の振幅の割合を示すWBLb信号を演算し、これを係数設定回路16に供給する。
【0082】具体的には、図6に示す和信号(A+B+C+D)の振幅を「R1」、ウォブリング信号の振幅を「W1」、図7に示す(C+D)信号の振幅を「R2」、(C+D)信号中のウォブリング信号の振幅を「W2」、図7に示す{−k(A+B)}信号の振幅を「kR2」、{−k(A+B)}信号中のウォブリング信号の振幅を「kW2」とすると、WBLb生成回路15は、以下の(2式)の演算により正規化したWBLb信号を生成し、これを係数設定回路16に供給する。
【0083】
WBLb信号=W1/R1=kW2/kR2=W2/R2……(2式)
一方、2値化回路9は、RPP生成回路8からのラジアルプッシュプル信号中に含まれるランドプリピット信号(LPP信号)を2値化し、2値化したランドプリピット信号(LPP信号)をLPPデコード回路10に供給する。LPPデコード回路10は、この2値化したランドプリピット信号(LPP信号)に基づいて、このランドプリピット信号(LPP信号)中に含まれるアドレス情報等をデコードする。
【0084】そして、このデコードの際にランドプリピット信号(LPP信号)の検出時のエラーレートをCPU11に供給する。CPU11は、このエラーレートを係数設定回路16に供給して、この係数設定回路16内でエラーレートが小さくなるように後述する所定の係数kの設定時にエラーレートを考慮した分だけ所定の係数kを更に補正する。
【0085】また、レンズシフト量検出回路17は、光ピックアップ2の対物レンズの光軸中心がDVD31のラジアル方向の外周側にシフトされているか、または、DVD31の内周側にシフトされているかを判断して、レンズシフト量を外周側と内周側に応じて±で検出し、このレンズシフト量を示すレンズシフト量信号を係数設定回路16に供給して、後述する所定の係数kの設定時にDVD31の外周側又は内周側にシフトされたレンズシフト量を考慮した分だけ所定の係数kを更に補正する。
【0086】即ち、先に説明した図5(a)において、レンズシフトが発生すると、受光素子PD上に結像した光スポットSPの位置が受光素子PDの中心に対して光ディスクの半径方向にずれるので(A+B)、(C+D)の出力レベルが変化する。そこで、レンズシフト量を補正することでこの出力レベルを補正できる。
【0087】具体的には、このレンズシフト量検出回路17は、ここでの図示を省略するものの、対物レンズ駆動用のボビンに設けられたスリット板と、このスリット板に光を照射する光源と、スリット板のスリットを介して光源から照射される光を2つに分割された受光領域(受光領域E,受光領域F)でそれぞれ均等に受光する受光素子とで構成されており、この受光素子の各受光領域E,Fで受光した光の受光光量の差分(E−F)をレンズシフト量として検出するようになっている。
【0088】また、このような機械的なレンズシフト量の検出の仕方以外でも、例えばラジアルプッシュプル信号に基づいて対物レンズのオフセットを検出し、これをレンズシフト量とすることもできる。
【0089】なお、いわゆるディファレンシャルプッシュプル法(DPP法)でトラッキングエラーを検出するシステムでは、DPP法自体がレンズシフトによる影響をキャンセルするようになっているため、ディファレンシャルプッシュプル信号に基づいては対物レンズのオフセットを検出することはできない。
【0090】このため、この場合は、DPP法によるトラッキングエラーの検出系とは別に、ラジアルプッシュプル信号の検出系を設け、DPP法でトラッキングサーボをかけながらこのラジアルプッシュプル信号の検出系により検出されたラジアルプッシュプル信号に基づいて、対物レンズのオフセットを検出するようにすればよい。
【0091】次に、前述のように係数乗算回路6に設定される所定の係数kは、装置の初期状態において「k=1」に設定されており、この後、係数設定回路16は、この所定の係数kを「1」としたときにフィードバックされるLPPb信号,WBLb信号,エラーレート、及びレンズシフト量信号に基づいて、以下に説明するように係数乗算回路6の所定の係数kを最適に可変制御している。
【0092】具体的には、従来、記録トラックがウォブリングされている記録媒体としてミニディスク(MD)やCD−Rが知られているのであるが、このMDやCD−Rの記録再生装置では、図6に示したウォブリング信号と0レベルとのクロスポイント(ゼロクロスポイント)において記録ノイズが最小となるように調整を行っているのであるが、本件出願人の長年に亘る研究により、このゼロクロスポイントよりも若干離れたポイントで記録ノイズが最小となるように調整を行うことで、ランドプリピット信号の検出精度が向上することが判明した。
【0093】以下に、詳細に説明する。まず、図9は、ラジアルプッシュプル信号中のウォブリング信号成分を仮にゼロにしてウォブリング信号成分を除去し、ラジアルプッシュプル信号中のランドプリピット信号のみに着目した図であり、0レベルを境にした正極性側が(C+D)信号のハイパワー照射部のランドプリピット信号及びローパワー照射部のランドプリピット信号を示し、一方、0レベルを境にした負極性側が{−k(A+B)}信号のハイパワー照射部のランドプリピット信号及びローパワー照射部のランドプリピット信号を示している。
【0094】また、{−k(A+B)}信号は、乗算処理する所定の係数kを例えば0.9近傍から1.6近傍までの間で適宜振ってシュミレーションした場合についてローパワー照射部のランドプリピット信号と、ハイパワー照射部のランドプリピット信号とをそれぞれ示している。
【0095】また、(C+D)信号は、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルを「m1」、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルを「m2」、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルに対するピークレベルを「a」、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルに対するピークレベルを「b」とし、a/m1=b/m2=Lとしたとき、ハイパワー照射部のランドプリピット信号波形の頂点からローパワー照射部のランドプリピット信号波形の頂点までの振幅である(C+D)信号の振幅LB1は、以下の(3式)で算出される。
【0096】
LB1=m2−m1+b−a=m2−m1+L×m2−L×m1……(3式)
また、上記と同様に、{−k(A+B)}信号は、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルを「−km1」、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルを「−km2」、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルに対するピークレベルを「ka」、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルに対するピークレベルを「kb」とし、−ka/−km1=−kb/−km2=Lとしたとき、ローパワー照射部のランドプリピット信号波形の頂点からハイパワー照射部のランドプリピット信号波形の頂点までの振幅である{−k(A+B)}信号の振幅LB2は、以下の式(4式)で算出される。
【0097】
LB2=k(m2−m1+a−b)=k(m2−m1+L×m1−L×m2)
…………(4式)
上記した(3式)と(4式)との関係については後述する。
【0098】次に、図10及び図11は、ラジアルプッシュプル信号{(C+D)−k(A+B)}中のランドプリピット信号を2値化回路9内で確実に2値化するために、(C+D)信号と{−k(A+B)}信号中のランドプリピット信号のみに注目して、このランドプリピット信号の許容変動幅(スライスウインドウ幅)が所定の係数kによりどの様に変化するかをシュミレーションすることで、ハイパワー照射部のランドプリピット信号と、ローパワー照射部のランドプリピット信号との両者を同時に確実に検出することができるスライスウインドウ幅を所定の係数kに応じて求めている。この際、ランドプリピット信号に対するスライスウインドウ幅は、2値化回路9内で設定されるものである。
【0099】まず、図10(a)〜(f)の場合には、上記図9で説明したa/m1=b/m2=Lが成立している特殊な場合であり、ここではLの値を例えば0.2に設定してシュミレーションをしている。
【0100】図10(b)は所定の係数kを「1.0」に設定した場合であり、この場合は従来より行われているラジアルプッシュプル信号{(C+D)−(A+B)}を得る場合である。この例では、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルと、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルとが共に同じ基準レベル(以下、0レベルと記す)となり、ここでの図示を省略したウォブリング信号を良好に検出することができるものの、ランドプリピット信号の検出が今一つ良好となり得ない。
【0101】即ち、ハイパワー照射部のランドプリピット信号とローパワー照射部のランドプリピット信号とを検出するための前記スライスウインドウ幅は、ローパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルと、0レベルとのレベル差が4.0となり、このスライスウインドウ幅の値=4.0はやや小さいので両ランドプリピット信号を確実に検出できない。
【0102】また、上記した図10(b)に対して図10(a)に示したように、所定の係数kを「1.0」より少し小さくして「0.96」に設定した場合には、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルと、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルとが共に0レベルより上方に上がり、且つ、両ランドプリピット信号を検出するための前記スライスウインドウ幅は、ローパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルと、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルとのレベル差が0.92となり、このスライスウインドウ幅の値=0.92は図10(b)よりも極端に小さくなってしまいランドプリピット信号の検出が困難となると共に、図示を省略したウォブリング信号も図10(b)の場合よりも少し劣る。
【0103】一方、上記した図10(b)に対して図10(c)に示したように、所定の係数kを「1.0」より少し大きくして「1.1」に設定した場合には、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルと、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルとが共に0レベルより下方に下がり、且つ、両ランドプリピット信号を検出するための前記スライスウインドウ幅は、ローパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルと、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルとのレベル差が4.1となり、このスライスウインドウ幅の値=4.1は図10(b)よりも僅かに大きいので、ランドプリピット信号の検出が少し向上する。
【0104】この際、図示を省略したウォブリング信号は図10(b)の場合よりも少し劣るものの、ウォブリング信号の検出が劣化することよりもランドプリピット信号を確実に検出できる方がより重要であり、以下図10(d)〜図10(f)の場合でもウォブリング信号の検出が徐々に劣化するものである。
【0105】また、図10(d)に示したように、所定の係数kを図10(c)よりも大きく「1.2」に設定した場合には、図10(c)と同じ傾向となるものの、両ランドプリピット信号を検出するための前記スライスウインドウ幅は、ローパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルと、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルとのレベル差が4.4となり、このスライスウインドウ幅の値=4.4は両ランドプリピット信号を信頼性良く確実に検出できる良好な値である。
【0106】また、図10(e)に示したように、所定の係数kを図10(d)よりも更に大きく「1.5」に設定した場合には、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルと、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルとが共に0レベルより下方に下がった状態で、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルと、ローパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルとが共に0レベルで一致している。
【0107】また、両ランドプリピット信号を検出するための前記スライスウインドウ幅は、0レベル(=ハイパワー照射部及びローパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベル)と、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルとのレベル差が5.0となり、このスライスウインドウ幅の値=5.0は両ランドプリピット信号を確実に検出できる最大値となるので、後述する理由により、a/m1=b/m2=Lの条件下での所定の係数k=1.5が理論的上限値となるものである。尚、所定の係数kの理論的下限値の求め方については後述する。
【0108】更に、図10(f)に示したように、所定の係数kを図10(d)よりも更に大きく「1.6」に設定した場合には、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルとローパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルとが共に0レベルより下方に下り、且つ、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルの方がローパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルよりも下がった状態となり、且つ、両ランドプリピット信号を検出するための前記スライスウインドウ幅は、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルと、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルとのレベル差が2.0となり、このスライスウインドウ幅の値=2.0は図10(e)の場合から所定の係数kを僅かに0.1だけ増加したにもかかわらず極端に減少してしまい、両ランドプリピット信号の検出が極端に悪化する。
【0109】従って、図10(e)に示したように所定の係数kが「1.5」の場合が理論的上限値となるものであり、この理論的上限値に設定した場合には所定の係数kが1.5より大きくなる方向に対して余裕がないため、信頼性及び安全性の面から図10(d)に示したように、所定の係数kが「1.2」〜「1.4」(一部図示省略)の場合がa/m1=b/m2=Lの条件下での実用値となる。
【0110】ここで、図10(e)に示したように、所定の係数kがa/m1=b/m2=Lの条件下で理論的上限値を取る時の条件は、前述した如く、(3式)による(C+D)信号中のランドプリピット信号の振幅LB1と、(4式)による{−k(A+B)}信号中のランドプリピット信号の振幅LB2とが同じ値になる場合に所定の係数kの理論的上限値が得られるものであり、これによって(3式)=(4式)から所定の係数kは以下の5式で算出される値となる。
【0111】
k={m2−m1+L(m2−m1)}/{m2−m1+L(m1−m2)}
={(m2−m1)(1+L)}/{(m2−m1)(1−L)} =(1+L)/(1−L)……(5式)
更に、上記(5式)中のLは、前述した(1式)による正規化したLPPb信号=L1/R1=kL2/kR2=L2/R2を演算した場合と図7から明らかに等価となるものであるから、上記したL値を正規化したLPPb信号値に置き換えることができ、即ち、(5式)を下記の(6式)に置き換えることができ、これによりLPPb生成回路14からの出力結果を係数設定回路16に供給することで(6式)により理論的上限値の所定の係数kが得られる。
【0112】
k=(1+LPPb)/(1−LPPb)……(6式)
次に、図11(a)〜(e)の場合には、上記図9で説明したごとくのa/m1=b/m2=Lが成立していなく、即ち、a/m1≠b/m2≠Lとなる一般的な場合であり、ここではLの値を例えば略0.2に設定してシュミレーションをしている。
【0113】尚、図11(a)〜(e)も図10で説明した略同様な考え方で所定の係数Kに対してハイパワー照射部のランドプリピット信号及びローパワー照射部のランドプリピット信号を共に確実に検出するためのスライスウインドウ幅を求めている。また、ここで求めたスラウスウインドウ幅の絶対値は、図10で求めた絶対値とは異なるが、これはもちろん所定の係数k以外の要因が異なるためである。
【0114】即ち、図11(a)は所定の係数kを「0.9」に設定した場合なのであるが、この場合、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルと、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルとが共に0レベルより上方に上がり、且つ、ハイパワー照射部のランドプリピット信号とローパワー照射部のランドプリピット信号とを検出するための前記スライスウインドウ幅は、ローパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルと、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルとのレベル差が3.5となる。この3.5という数値はランドプリピット信号の検出が困難となる小さな値である。
【0115】また、図11(b)は所定の係数kを「1.0」に設定した場合であり、この場合は従来より行われているラジアルプッシュプル信号{(C+D)−(A+B)}を得る場合である。
【0116】この場合では、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルと、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルとが共に同じ0レベル(基準レベル)となり、ここでの図示を省略したウォブリング信号を良好に検出することができるものの、ランドプリピット信号の検出が今一つ良好となり得ない。即ち、両ランドプリピット信号を検出するための前記スライスウインドウ幅は、ローパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルと、0レベルとのレベル差が8.0となり、このスライスウインドウ幅の値=8.0はやや小さいので両ランドプリピット信号を確実に検出できない。
【0117】また、図11(c)は所定の係数kを「1.1」に設定した場合なのであるが、この場合、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルと、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルとが共に0レベルより下方に下がり、且つ、両ランドプリピット信号を検出するための前記スライスウインドウ幅は、ローパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルと、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルとのレベル差が8.4となり、このスライスウインドウ幅の値=8.4は両ランドプリピット信号を信頼性良く確実に検出できる良好な値である。
【0118】また、図11(d)は所定の係数kを「1.2」に設定した場合なのであるが、この場合、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルと、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルとが共に0レベルより下方に下がった状態で、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルと、ローパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルとが共に0レベルより上方で一致している。
【0119】そして、両ランドプリピット信号を検出するための前記スライスウインドウ幅は、ハイパワー照射部及びローパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルと、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルとのレベル差が8.8となり、このスライスウインドウ幅の値=8.8は両ランドプリピット信号を確実に検出できる最大値となるので、a/m1≠b/m2≠Lの条件下での所定の係数k=1.2が理論的上限値となるものである。
【0120】また、図11(e)は所定の係数kを「1.3」に設定した場合なのであるが、この場合、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルとローパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルとが共に0レベルより下方に下り、且つ、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルの方がローパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルよりも下がった状態となり、両ランドプリピット信号を検出するための前記スライスウインドウ幅は、ハイパワー照射部のランドプリピット信号のピークレベルと、ローパワー照射部のランドプリピット信号のアンダーレベルとのレベル差が7.0となり、このスライスウインドウ幅の値=7.0は図11(c)及び図11(d)より小さくなってしまい、両ランドプリピット信号の検出が悪化する。
【0121】従って、図11(d)に示したように所定の係数kが「1.2」の場合が理論的上限値となるものであり、この理論的上限値に設定した場合には所定の係数kが1.2より大きくなる方向に対して余裕がないため、信頼性及び安全性の面から図11(c)に示したように、所定の係数kが「1.1」近傍の場合がa/m1≠b/m2≠Lの条件下での実用値となる。
【0122】ここで、図11(d)に示したように、所定の係数kがa/m1≠b/m2≠Lの条件下で理論的上限値を取る時の条件は、前記した(5式)及び(6式)から類推できるものであり、下記の(7式)及び(8式)が成立する。
【0123】
1.0<k<α×{(1+L)/(1−L)}……(7式)
1.0<k<α×{(1+LPPb)/(1−LPPb)}……(8式)
この際、(7式)及び(8式)中の係数αは、光ピックアップ2の性能、及び、その光ピックアップ2の基での記録パワー、並びに、再生モードにおいては再生パワーによって左右される係数で1.0より小さい値を取るものであり、この係数αの値は予めメモリに格納しておけば良いものである。
【0124】次に、図12は、ラジアルプッシュプル信号中のランドプリピット信号成分を仮にゼロにしてランドプリピット信号成分を除去し、ラジアルプッシュプル信号中のウォブリング信号のみに着目した図であり、0レベルを境にした正極性側が(C+D)信号のハイパワー照射部のウォブリング信号及びローパワー照射部のウォブリング信号を示し、一方、0レベルを境にした負極性側が{−k(A+B)}信号のハイパワー照射部のウォブリング信号及びローパワー照射部のウォブリング信号を示している。
【0125】また、{−k(A+B)}信号は、乗算処理する所定の係数kを図9で説明したと同様に可変してシュミレーションしているが、図示の都合上所定の係数k=1.0,k=1.1,k=1.2の場合についてのみ示している。
【0126】また、(C+D)信号は、ローパワー照射部のウォブリング信号の中心レベルを「m1」、ハイパワー照射部のウォブリング信号の中心レベルを「m2」、ローパワー照射部のウォブリング信号の中心レベルから上片側の振幅を「c」、ハイパワー照射部のウォブリング信号の中心レベルから上片側の振幅を「d」とし、c/m1=d/m2=Wとしたとき、ハイパワー照射部のウォブリング信号波形の頂点からローパワー照射部のウォブリング信号波形の頂点までの振幅である(C+D)信号の振幅WB1は、以下の(9式)で算出される。
【0127】
WB1=m2−m1+d−c=m2−m1+W×m2−W×m1……(9式)
また、上記と同様に、{−k(A+B)}信号は、ローパワー照射部のウォブリング信号の中心レベルを「−km1」、ハイパワー照射部のウォブリング信号の中心レベルを「−km2」、ローパワー照射部のウォブリング信号の中心レベルから上片側の振幅を「kc」、ハイパワー照射部のウォブリング信号の中心レベルから上片側の振幅を「kd」とし、−kc/−km1=−kd/−km2=Wとしたとき、ローパワー照射部のウォブリング信号波形の頂点からハイパワー照射部のウォブリング信号波形の頂点までの振幅である{−k(A+B)}信号の振幅WB2は、以下の式(10式)で算出される。
【0128】
WB2=k(m2−m1+c−d)=k(m2−m1+W×m1−W×m2)
…………(10式)
上記した(9式)と(10式)との関係についても後述する。
【0129】次に、図13は、ラジアルプッシュプル信号{(C+D)−k(A+B)}中のランドプリピット信号を2値化回路9内で確実に2値化するために、(C+D)信号と{−k(A+B)}信号中のウォブリング信号のみに注目して、このウォブリング信号が所定の係数kによりどの様に変化するかをシュミレーションすることで、ハイパワー照射部のウォブリング信号の振幅と、ローパワー照射部のウォブリング信号の振幅との関係から所定の係数kの理論的下限値を決定している。尚、同図中では図12に合わせて所定の係数kが「1.0」,「1.1」,「1.2」である場合を図示している。
【0130】まず、図13(a)〜(c)の場合には、上記図12で説明したごとくのc/m1=d/m2=Wが成立している特殊な場合であり、ここではWの値を例えば0.05に設定してシュミレーションをしている。
【0131】まず、図13(a)は所定の係数kを「1.0」に設定した場合であり、この場合は従来より行われているラジアルプッシュプル信号{(C+D)−(A+B)}を得る場合である。この例では、ハイパワー照射部のウォブリング信号と、ローパワー照射部のウォブリング信号とが共に同一周期であり、且つ、ハイパワー照射部のウォブリング信号の振幅の方がローパワー照射部のウォブリング信号の振幅よりも大きくなっている。この状態は先に説明した図10(b)と対応しており、ウォブリング信号を良好に検出できるものの、ランドプリピット信号の検出が今一つ良好となり得ない。
【0132】また、図13(b)は所定の係数kを「1.1」に設定した場合であり、この例では、ハイパワー照射部のウォブリング信号と、ローパワー照射部のウォブリング信号とが異なる周期となるものの、ローパワー照射部のウォブリング信号の波形の頂点と、ハイパワー照射部のウォブリング信号の波形の頂点とが中心レベルより上方で一致しており、この状態はc/m1=d/m2=Wの条件下での所定の係数k=1.1が理論的下限値となるものである。また、この状態は先に説明した図10(c)と対応しており、ウォブリング信号の検出が図13(a)よりも少し劣るものの、ランドプリピット信号の検出をどうにか検出できるため、所定の係数k=1.1が理論的下限値となるものである。
【0133】また、図13(c)は所定の係数kを「1.2」に設定した場合であり、この例では、ローパワー照射部のウォブリング信号の波形の頂点の下方に、ハイパワー照射部のウォブリング信号の波形の頂点の交わることなく位置している。この状態は先に説明した図10(d)と対応しており、ウォブリング信号の検出が更に悪くなる一方、ランドプリピット信号の検出が良好となるものであり、これについては説明済みである。
【0134】ここで、図13(b)に示したように、所定の係数kがc/m1=d/m2=Wの条件下で理論的下限値を取る時の条件は、前述した如く、(9式)による(C+D)信号中のウォブリング信号の振幅WB1と、(10式)による{−k(A+B)}信号中のウォブリング信号の振幅WB2とが同じ値になる場合に所定の係数kの理論的下限値が得られるものであり、これによって(9式)=(10式)から所定の係数kは以下の式(11式)で算出される値となる。
【0135】
k={m2−m1+W(m2−m1)}/{m2−m1+W(m1−m2)}
={(m2−m1)(1+W)}/{(m2−m1)(1−W)} =(1+W)/(1−W)……(11式)
更に、上記(11式)中のWは、前述した(2式)による正規化したWBLb信号=W1/R1=kW2/kR2=W2/R2を演算した場合と図7から明らかに等価となるものであるから、上記したW値を正規化したWBLb信号値に置き換えることができ、即ち、(11式)を下記の(12式)に置き換えることができ、これによりWBLb生成回路15からの出力結果を係数設定回路16に供給することで(12式)により理論的下限値の所定の係数kが得られる。
【0136】
k=(1+WBLb)/(1−WBLb)……(12式)
また、ここでの図示を省略するものの、図12で説明したごとくの所定の係数kがc/m1=d/m2=Wが成立していなく、即ち、c/m1≠d/m2≠Wとなる一般的な場合でも、図13(b)に示したと略同様に、ローパワー照射部のウォブリング信号の波形の頂点と、ハイパワー照射部のウォブリング信号の波形の頂点とが一致した時に、この状態がc/m1≠d/m2≠Wの条件下での所定の係数kの理論的下限値となるものである。
【0137】この場合には、先に説明した(7式)及び(8式)と対をなす(13式)及び(14式)が成立する。
【0138】
1.0<k<β×{(1+W)/(1−W)}……(13式)
1.0<k<β×{(1+WBLb)/(1−WBLb)}……(14式)
この際、(13式)及び(14式)中の係数βは、光ピックアップ2の性能、及び、その光ピックアップ2の基での記録パワー、並びに、再生モードにおいては再生パワーによって左右される係数で1.0より小さい値を取るものであり、この係数βの値は予めメモリに格納しておけば良いものである。
【0139】以上詳述したことを総合すると、所定の係数kは、ランドプリピット信号に対して先に説明した(5式),(6式),(7式),(8式)がそれぞれ個別に成立し、また、ウォブリング信号に対して先に説明した(11式),(12式),(13式),(14式)がそれぞれ個別に成立し、これらをランドプリピット信号側とウォブリング信号とで組み合わせて適用すれば良い。
【0140】従って、所定の係数kは、理論的上限値と理論的下限値の範囲内に収まっていればランドドプリピット信号を精度良く確実に検出することができ、これにより以下の(15式)〜(18式)が成立するものである。
【0141】即ち、a/m1=b/m2=L、且つ、c/m1=d/m2=Wの条件下では、 (1+W)/(1−W)≦k≦(1+L)/(1−L) ……(15式)
(1+WBLb)/(1−WBLb)≦k≦(1+LPPb)/(1−LPPb ……(16式)
一方、a/m1≠b/m2≠L、且つ、c/m1≠d/m2≠Wの条件下では、 β×{(1+W)/(1−W)}<k<α×{(1+L)/(1−L)}…… ……(17式)
β×{(1+WBLb)/(1−WBLb)}<k<α×{(1+LPPb)
/(1−LPPb)} ……(18式)
より具体的には、所定の係数kは従来「1.0」に設定されていたものであるが、本発明では、(1)ランドプリピット信号の振幅、又は、ランドプリピット信号の振幅及びウォブリング信号の振幅に基づいて、所定の係数の値を1.0より大きく且つランドプリピット信号を検出可能な範囲の値にフィードバックして設定するとか、もしくは、(2)正規化されたランドプリピット信号の振幅、又は、正規化されたランドプリピット信号の振幅及び正規化されたウォブリング信号の振幅に基づいて、所定の係数の値を1.0より大きく且つランドプリピット信号を検出可能な範囲の値にフィードバックして設定することで、ランドドプリピット信号を精度良く確実に検出することができ、ディスク状記録媒体の記録時又は再生時に、ランド33に予め形成したランドドプリピットと対応するランドドプリピット信号を精度良く検出することができる。
【0142】更に、当該実施の形態のディスク記録再生装置では、係数設定回路16が、LPP信号,WBL信号,LPPb信号,WBLb信号,ランドプリピット信号の検出時のエラーレート,光ピックアップ2の対物レンズのシフト量に基づいて、係数乗算回路6に設定する所定の係数kの値を、前記した理論的上限値から理論的下限値の間の値に設定する。より具体的には、所定の係数kの値を1.0より大きく且つランドプリピット信号を検出可能な範囲内の値に設定する。
【0143】これにより、記録時にDVD31上のハイパワー照射部及びローパワー照射部にかかわらず、ランドプリピット信号を精度良く確実に検出することができ、また、再生時にDVD31上の記録ピット形成部位及び未記録部位にかかわらず、ランドプリピット信号を精度良く確実に検出することができる。
【0144】
【発明の効果】請求項1乃至請求項8に記載の本発明に係る記録及び/又は再生装置並びに方法によれば、所定の周波数でウォブリングされ且つ情報信号の記録トラックとなるグルーブと、所定のウォブリング周期間隔で少なくともアドレス情報などがランドプリピットとして予め記録されたランドとを螺旋状又は同心円状に交互に形成したディスク状記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う際に、光ビームをディスク状記録媒体に照射した戻りの反射光をディスク状記録媒体の記録トラックに沿って少なくとも2等分割された第1,第2の受光領域で受光し、これら第1,第2の受光領域の各受光出力のいずれか一方の受光出力に対して所定の係数を乗算処理すると共に、他方の受光出力から前記所定の係数を乗算処理した結果の出力を差引いた差分をラジアルプッシュプル信号として取り出して、このラジアルプッシュプル信号から前記ランドプリピットと対応したランドプリピット信号を検出するに当たって、前記所定の係数は従来「1.0」に設定されていたものであるが、本発明では、(1)ランドプリピット信号の振幅、又は、ランドプリピット信号の振幅及びウォブリング信号の振幅とか、(2)正規化されたランドプリピット信号の振幅、又は、正規化されたランドプリピット信号の振幅及び正規化されたウォブリング信号の振幅とか、(3)ラジアルプッシュプル信号から得られたエラーレートとか、(4)光ピックアップの対物レンズの光軸中心からラジアル方向へのレンズシフト量とかに基づいて、前記所定の係数の値を1.0より大きく且つランドプリピット信号を検出可能な範囲の値に設定しているため、記録時にディスク状記録媒体上での光ビームによるハイパワー照射部及びローパワー照射部にかかわらず、ランドプリピット信号を精度良く確実に検出することができる。また、再生時にディスク状記録媒体上の記録ピット形成部位及び未記録部位にかかわらず、ランドプリピット信号を精度良く確実に検出することができる。
【出願人】 【識別番号】000004329
【氏名又は名称】日本ビクター株式会社
【出願日】 平成12年8月7日(2000.8.7)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外9名)
【公開番号】 特開2002−56532(P2002−56532A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−239002(P2000−239002)