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【発明の名称】 磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法
【発明者】 【氏名】涌田 宏

【要約】 【課題】第1、第2のプリント配線基板3、5の第1、第2の接続部3c、5c、及び第1、第2の基部3a、5aの表面電荷の除電が充分に行われない状態で、第1、第2の接続部の半田付けを行うと、残留している電荷が第1のフレキシブルプリント配線基板の第1の導電体3bを介して磁気抵抗素子に流れ込み、この電荷によって、低い値の抵抗値で薄い膜厚に形成された磁気抵抗素子が熱破壊を生じる問題があり、磁気抵抗素子の熱破壊が生じない製造方法の提供。

【解決手段】第1のプリント配線基板3の第1のパターンランド部3eと第2のプリント配線基板5の第2のパターンランド部5eとのそれぞれに別個の高抵抗体6,7を接続し、各高抵抗体をそれぞれ接地し、第1のプリント配線基板の第1の導電体3bと第2のプリント配線基板の第2の導電体5bとを各高抵抗体を介してゼロ電位にする工程と、その後に、第1の導電体の端部3cと第2の導電体の端部5cとを電気的に固着接続する工程とを備えたこと。
【特許請求の範囲】
【請求項1】磁気抵抗型ヘッドの磁気抵抗素子に接続された第1の導電体を有する第1のプリント配線基板と、第2の導電体を有する第2のプリント配線基板とから成り、前記第1のプリント配線基板には、前記第1の導電体に導通された第1のパターンランド部、前記第2のプリント配線基板には、前記第2の導電体に導通された第2のパターンランド部をそれぞれ設け、前記磁気抵抗素子からの再生信号を前記第1のプリント配線基板の前記第1の導電体から前記第2のプリント配線基板の前記第2の導電体へ取り出すために、前記第1の導電体の端部と前記第2の導電体の端部とを電気的に接続する磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法であって、前記第1のプリント配線基板の前記第1のパターンランド部と前記第2のプリント配線基板の前記第2のパターンランド部とのそれぞれに別個の前記高抵抗体を接続し、各前記高抵抗体をそれぞれ接地し、前記第1のプリント配線基板の前記第1の導電体と前記第2のプリント配線基板の前記第2の導電体とを各前記高抵抗体を介してゼロ電位にする工程と、その後に、前記第1のプリント配線基板の前記第1の導電体の端部と前記第2のプリント配線基板の前記第2の導電体の端部とを電気的に固着接続する工程と、その後に、前記第1、第2のパターンランド部とから前記各高抵抗体を引き離す工程とを備えたことを特徴とする磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法。
【請求項2】前記第1の導電体は、前記磁気抵抗素子の両端から引き出された2本の導電体から成り、前記第1のパターンランド部は、それぞれ2本の導電体に導通され、少なくとも2個設けられ、1つの前記高抵抗体が前記第1のパターンランド部を跨ぐように接続されていることを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法。
【請求項3】前記磁気抵抗型ヘッドがフロッピィーディスクドライブ装置に用いられることを特徴とする請求項1、又は2記載の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばフロッピィーディスクドライブ(FDD)などに使用され、磁気抵抗型ヘッドと磁気抵抗型ヘッドの再生(読み込み)信号を増幅する集積回路素子との間を電気的に接続する磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法を図面を用いて説明する。図4は、従来の磁気抵抗型ヘッド装置を説明する斜視図、図5は、従来の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法を説明する斜視図、図6は、従来の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法を説明する斜視図である。
【0003】図4〜図6に示すように、従来の磁気抵抗型ヘッド装置は、磁気抵抗型ヘッド1と、ジンバルサスペンション2と、集積回路素子4と、磁気抵抗型ヘッド1と集積回路素子4とを接続する第1、第2のフレキシブルプリント配線基板3、5とによって概略構成されている。
【0004】磁気抵抗型ヘッド1は、略矩形であって、例えば、パーマロイなどの磁性材料などからなり、磁気抵抗素子(図示せず)と、複数個(例えば、4個)の端子1aとを有している。この磁気抵抗型ヘッド1は、フロッピィーディスク(FD)などの磁気記録媒体(図示せず)に対するデータの書き込み(記録)/読み出し(再生)をする機能を有している。
【0005】そして、4個の前記端子1aは、2個を1組とした2組から成り、一方の1組の端子1aは、磁気抵抗型ヘッド1からの読み出しデータ用であり、他方の1組の端子1aは、磁気抵抗型ヘッド1への書き込みデータ用に設けられている。そして、読み出しデータ用の1組の端子1aは、磁気抵抗型ヘッド1を構成する前記磁気抵抗素子(図示せず)と電気的に接続されている。
【0006】この磁気抵抗素子(図示せず)は、抵抗値が約50Ω(オーム)位と、低い値の抵抗値を有しており、また、膜厚寸法は、約100Å(オングストローム)位と、薄い膜厚に形成されている。
【0007】ジンバルサスペンション2は、例えば、ステンレスなどの弾性を有する平板状の金属材料から成り、プレス加工によって形成され、基部2aと、基部2aの一方の端部側に設けられた支持部2bと、基部2aの他方の端部側に設けられた孔部2cとを有している。この支持部2bには、磁気抵抗型ヘッド1が例えば、接着剤など適宜手段にて固着されている。
【0008】第1のフレキシブルプリント配線基板3は、例えば、ポリイミドなどの合成樹脂材料から成り、成形加工によって形成され、積層され、フレキシブルな第1の基部3aと、第1の基部3aの内部の積層面に形成され、金箔、又は銀箔などから成る複数本(例えば、4本)の第1の導電体3bと、第1の導電体3bの一方の端部に設けられた第1の接続部3cと、第1の導電体3bの他方の端部に設けられた第1の端子部3dとを有している。このとき、第1の接続部3cと第1の端子部3dとは表面が露出して配設され、第1の導電体3bは、第1の基部3aによって被服されている。
【0009】また、この第1のフレキシブルプリント配線基板3の各第1の端子部3dと、磁気抵抗型ヘッド1の各端子1aとは半田付けなどの適宜手段にて電気的に接続されている。
【0010】集積回路素子4は、略矩形であって、複数個の端子部4aを有し、磁気抵抗型ヘッド1の磁気抵抗素子によって再生(読み出し)されたデータが入力され、そのデータが増幅/制御する機能を有している。この集積回路素子4は、静電気などの比較的高い電圧に耐えられるように構成されている。
【0011】第2のフレキシブルプリント配線基板(第2のFPC)5は、例えば、ポリイミドなどの合成樹脂材料から成り、成形加工によって形成され、積層され、フレキシブルな第2の基部5aと、第2の基部5aの内部の積層面に形成され、金箔、又は銀箔などから成る複数本(例えば、4本)の第2の導電体5bと、第2の導電体5bの一方の端部に設けられた第2の接続部5cと、第2の導電体5bの他方の端部側に設けられた第2の端子部5dとを有している。このとき、第2の接続部5cと第2の端子部5dとは表面が露出して配設され、第2の導電体5bは、第2の基部5aによって被服されている。
【0012】また、第2の端子部5dには、集積回路素子4の端子部4aが半田付けされ、第2のフレキシブルプリント配線基板5と集積回路素子4とが一体化されている。
【0013】図6に示す、イオナイザー15は、帯電した電荷(イオン)を除去するためのものであって、帯電した電荷(イオン)を除去することによって、磁気抵抗型ヘッド1の帯電圧による絶縁破壊や放電に伴う異常電流による熱破壊を防止するためのものである。そして、このイオナイザー15は、電極側でコロナ放電により、電極周辺の気体をイオン化し、送風ファン(図示せず)によって、除電したい対称物(例えば、誘電体部材:フレキシブルプリント配線基板)の表面にイオンを吹き付ける。
【0014】そして、対称物の表面電荷がプラス(+)ならばイオナイザー15によって吹き付けられるプラス(+)電荷は、反発力を受け、対称物から離れるが、マイナス(−)電荷は、異種電荷なので対称物の表面に吸引され、対称物のプラス(+)電荷が相殺されるように構成されている。このようにして、対称物表面の電荷の除電を行うことができるように構成されている。
【0015】ここで、この上述の磁気抵抗型ヘッド装置は、磁気抵抗型ヘッド1とジンバルサスペンション2と第1のフレキシブルプリント配線基板3とによって構成された第1の半製品と、集積回路素子4と第2のフレキシブルプリント配線基板5とによって構成された第2の半製品とが別個の製造工程によってそれぞれ製造される。
【0016】この別個の製造工程によって製造された第1の半製品と、第2の半製品とが固着され、一体化されて磁気抵抗型ヘッド装置が完成される。
【0017】このことから、この第1の半製品と、第2の半製品との接続方法(製造方法)について、次に説明する。先ず、最初の工程では、第1の半製品を構成する第1のフレキシブルプリント配線基板3の各第1の接続部3cと、第2の半製品を構成する第2のフレキシブルプリント配線基板5の各第2の接続部5cとを接触させるように対向配置させる。
【0018】次に、その後の工程では、前述の工程での各第1の接続部3cと各第2の接続部5cと対向配置させた状態で、イオナイザー15からのイオンを第1、第2の接続部3c、5cを保持する第1、第2の基部3a、5aに吹き付け、第1、第2の接続部3c、5c、及び第1、第2の基部3a、5aの表面電荷の除電を行う。
【0019】次に、その後の工程では、除電された第1、第2の接続部3c、5cを接触して、半田付けによって、第1の接続部3cと第2の接続部5cとを電気的に導通する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法においては、第1の半製品の各第1の接続部3cと、第2の半製品の各第2の接続部5cとを半田付けにて電気的に一体化する際に、イオナイザー15からのイオンによって、第1、第2の接続部3c、5c、及び第1、第2の基部3a、5aの表面電荷の除電を行うという工程を有する。ところが、このイオナイザー15からのイオンによる除電では、ある一定以上の除電が進んだ(行われた)場合に、イオナイザー15により吹き付けるイオンが帯電原因となって、0(ゼロ)V(ボルト)とはならないことがある。また、工程作業に伴う、FPC材と他の部材との接触、剥離にともない断続的に発生する静電気に対する対策としては、不十分であることが多い。
【0021】このように、第1、第2の接続部3c、5c、及び第1、第2の基部3a、5aの表面電荷の除電が充分に行われない状態で、第1、第2の接続部3c、5cの半田付けを行うと、残留している電荷が第1、第2の接続部3c、5cから第1のフレキシブルプリント配線基板3の第1の導電体3bを介して磁気抵抗素子(図示せず)に流れ込み、この電荷によって、低い値の抵抗値で薄い膜厚に形成された磁気抵抗素子が熱破壊を生じるという問題がある。
【0022】また、イオナイザー15は、装置の値段が高価であることから、イオナイザー15を用いた製造方法では、製造コストが高価になるという問題もある。
【0023】そこで、本発明は、上述の問題点を解決するもので、本発明の目的は、磁気抵抗型ヘッドの磁気抵抗素子の熱破壊を防止することのできる磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法は、磁気抵抗型ヘッドの磁気抵抗素子に接続された第1の導電体を有する第1のプリント配線基板と、第2の導電体を有する第2のプリント配線基板とから成り、第1のプリント配線基板には、第1の導電体に導通された第1のパターンランド部、第2のプリント配線基板には、第2の導電体に導通された第2のパターンランド部をそれぞれ設け、磁気抵抗素子からの再生信号を第1のプリント配線基板の第1の導電体から第2のプリント配線基板の第2の導電体へ取り出すために、第1の導電体の端部と第2の導電体の端部とを電気的に接続する磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法であって、第1のプリント配線基板の第1のパターンランド部と第2のプリント配線基板の第2のパターンランド部とのそれぞれに別個の高抵抗体を接続し、各高抵抗体をそれぞれ接地し、第1のプリント配線基板の第1の導電体と第2のプリント配線基板の第2の導電体とを各高抵抗体を介してゼロ電位にする工程と、その後に、第1のプリント配線基板の第1の導電体の端部と第2のプリント配線基板の第2の導電体の端部とを電気的に固着接続する工程と、その後に、第1、第2のパターンランド部とから各高抵抗体を引き離す工程とを備えたことである。
【0025】また、本発明の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法は、第1の導電体は、磁気抵抗素子の両端から引き出された2本の導電体から成り、第1のパターンランド部は、それぞれ2本の導電体に導通され、少なくとも2個設けられ、1つの高抵抗体が第1のパターンランド部を跨ぐように接続されていることである。
【0026】また、本発明の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法は、磁気抵抗型ヘッドがフロッピィーディスクドライブ装置に用いられることである。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態である磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法について、図1〜図6の図面を用いて以下に説明する。なお、従来の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法と同一構成については、同一符号を付与してある。
【0028】図1は、本発明の磁気抵抗型ヘッド装置の実施の形態を説明する斜視図、図2は、本発明の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法の実施の形態を説明する斜視図である。
【0029】図1、図2に示すように、本発明の磁気抵抗型ヘッド装置は、磁気抵抗型ヘッド1と、ジンバルサスペンション2と、集積回路素子4と、磁気抵抗型ヘッド1と集積回路素子4とを接続する第1、第2のフレキシブルプリント配線基板3、5とによって概略構成されている。
【0030】磁気抵抗型ヘッド1は、略矩形であって、例えば、パーマロイなどの磁性材料などからなり、磁気抵抗素子(図示せず)と、複数個(例えば、4個)の端子1aとを有している。この磁気抵抗型ヘッド1は、フロッピィーディスク(FD)などの磁気記録媒体(図示せず)に対するデータの記録(書き込み)/再生(読み出し)をする機能を有している。
【0031】そして、4個の前記端子1aは、2個を1組とした2組から成り、一方の1組の端子1aは、磁気抵抗型ヘッド1からの読み出しデータ用であり、他方の1組の端子1aは、磁気抵抗型ヘッド1への書き込みデータ用に設けられている。そして、再生(読み出し)データ用の1組の端子1aは、磁気抵抗型ヘッド1を構成する前記磁気抵抗素子(図示せず)と電気的に接続されている。
【0032】この磁気抵抗素子(図示せず)は、抵抗値が約50Ω(オーム)位と、低い値の抵抗値を有しており、また、膜厚寸法は、約100Å(オングストローム)位と、薄い膜厚に形成されている。また、この磁気抵抗素子の耐電圧は、約20〜80V(ボルト)位に形成されている。
【0033】ジンバルサスペンション2は、例えば、ステンレスなどの弾性を有する平板状の金属材料から成り、プレス加工によって形成され、基部2aと、基部2aの一方の端部側に設けられた支持部2bと、基部2aの他方の端部側に設けられた孔部2cとを有している。この支持部2bには、磁気抵抗型ヘッド1が例えば、接着剤など適宜手段にて固着されている。
【0034】第1のフレキシブルプリント配線基板(第1のFPC)3は、例えば、ポリイミドなどの合成樹脂材料から成り、成形加工によって形成され、積層され、フレキシブルな第1の基部3aと、第1の基部3aの内部の積層面に形成され、金箔、又は銀箔などから成る複数本(例えば、4本)の第1の導電体3bと、第1の導電体3bの一方の端部に設けられた第1の接続部3cと、第1の導電体3bの他方の端部に設けられた第1の端子部3dとを有している。このとき、第1の接続部3cと第1の端子部3dとは表面が露出して配設され、第1の導電体3bは、第1の基部3aによって被服されている。
【0035】この4本の第1の導電体3bは、2本を1組とした2組として構成され、このことから、第1の接続部3cと第1の端子部3dとも2組として構成されている。また、この第1のフレキシブルプリント配線基板3の各第1の端子部3dと、磁気抵抗型ヘッド1の各端子1aとは半田付けなどの適宜手段にて電気的に接続されている。
【0036】また、磁気抵抗型ヘッド1の磁気抵抗素子と接続(導通)された1組の第1の接続部3c、3cの近傍には、第1の導電体3bに接続(導通)された一対の第1のパターンランド部3e、3eがそれぞれ設けられている。この第1のパターンランド部3e、3eは、表面が露出して設けられている。
【0037】集積回路素子4は、略矩形であって、複数個の端子部4aを有し、磁気抵抗型ヘッド1の磁気抵抗素子によって再生(読み出し)されたデータが入力され、そのデータが増幅/制御する機能を有している。この集積回路素子4は、静電気などの比較的高い電圧に耐えられるように構成されている。
【0038】第2のフレキシブルプリント配線基板(第2のFPC)5は、例えば、ポリイミドなどの合成樹脂材料から成り、成形加工によって形成され、積層され、フレキシブルな第2の基部5aと、第2の基部5aの内部の積層面に形成され、金箔、又は銀箔などから成る複数本(例えば、4本)の第2の導電体5bと、第2の導電体5bの一方の端部に設けられた第2の接続部5cと、第2の導電体5bの他方の端部側に設けられた第2の端子部5dとを有している。このとき、第2の接続部5cと第2の端子部5dとは表面が露出して配設され、第2の導電体5bは、第2の基部5aによって被服されている。
【0039】この4本の第2の導電体5bは、2本を1組とした2組として構成され、このことから、第2の接続部5cと第2の端子部5dとも2組として構成されている。また、第2の端子部5dには、集積回路素子4の端子部4aが半田付けされ、集積回路素子4が第2のフレキシブルプリント配線基板5上に配設されている。また、集積回路素子4の読み出し信号を増幅するための第2の導電体5bに設けられた1組の第2の端子部5d、5dの近傍には、一対の第2のパターンランド部5e、5eが設けられている。この第2のパターンランド部5e、5eは、表面が露出して設けられている。
【0040】第1の高抵抗体6は、例えば、カーボン抵抗体などから成り、平板状であって、例えば、約100MΩ/cm2 程度の高い抵抗値を有している。この第1の高抵抗体6には、金属材料から成る接地のためのリード線(図示せず)が接続されていても良い。
【0041】この第1の高抵抗体6は、前述の磁気抵抗型ヘッド装置の製造工程において、第1のフレキシブルプリント配線基板3の一対の第1のパターンランド部3e、3eに跨るように接触されている製造工程がある。また、この状態のとき、第1の高抵抗体6は、ジンバルサスペンション2とジンバルサスペンション2に接続されたリード線2dとを介して接地されている。
【0042】第2の高抵抗体7は、例えば、カーボン抵抗体などから成り、平板状であって、例えば、約100MΩ/cm2 程度の高い抵抗値を有し、第2の高抵抗体7には、金属材料から成る接地のためのリード線7aが接続されている。
【0043】この第2の高抵抗体7は、前述の磁気抵抗型ヘッド装置の製造工程において、第2のフレキシブルプリント配線基板5の一対の第2のパターンランド部5e、5eに跨るように接触されている製造工程がある。また、この状態のとき、第2の高抵抗体7は、リード線7aによって接地されている。
【0044】なお、本発明の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法では、フレキシブルプリント配線基板相互の半田付けによる接続について説明したが、これに限定されず、ハードなプリント配線基板相互の接続であっても良く、一方がフレキシブルで、他方がハードなプリント配線基板相互の接続であっても良い。更に、半田付け以外のコネクタ接続や熱などのカシメ付け接続であっても良いことは勿論である。
【0045】また、本発明の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法では、FDDに用いる磁気抵抗型ヘッドの接続について説明したが、これに限定されず、いわゆるVCR(VTR)カセット型の磁気記録再生装置に用いる磁気抵抗型ヘッドの製造方法であっても良く、更に、ハードディスク(HD)装置に用いる磁気抵抗型ヘッドの製造方法であっても良いことは勿論である。
【0046】ここで、この上述の磁気抵抗型ヘッド装置は、磁気抵抗型ヘッド1とジンバルサスペンション2と第1のフレキシブルプリント配線基板3とによって構成された第1の半製品と、集積回路素子4と第2のフレキシブルプリント配線基板5とによって構成された第2の半製品とが別個の製造工程によってそれぞれ製造される。
【0047】この別個の製造工程によって製造された第1の半製品と、第2の半製品とが固着され、一体化されて磁気抵抗型ヘッド装置が完成される。
【0048】このことから、この第1の半製品と、第2の半製品との接続方法(製造方法)について、次に説明する。先ず、最初の工程では、第1の半製品を構成する第1のフレキシブルプリント配線基板3の一対の第1のパターンランド部3e、3eに第1の高抵抗体6を跨るように接触させる。このとき第1の高抵抗体6は、ジンバルサスペンション2の基部2aとも接触させる。
【0049】なお、このとき、ジンバルサスペンション2の基部2aは、例えば、リード線2d(図2参照)を介して接地(アース)されている。このように第1の高抵抗体6が第1のパターンランド部3e、3eと基部2aとに接触されると、基部2aが接地されていることから第1のパターンランド部3e、3eの電位はゼロ電位となる。第1のパターンランド部3e、3eがゼロ電位となることによって、第1のパターンランド部3e、3eに接続(導通)されている第1の導電体3bと第1の接続部3cと第1の端子部3dとは、共にゼロ電位となる。
【0050】一方、第2の半製品を構成する第2のフレキシブルプリント配線基板5の一対の第2のパターンランド部5e、5eに第2の高抵抗体7を跨るように接触させる。このとき、第2の高抵抗体7は、例えば、リード線7aを介して接地(アース)されている。このように第2の高抵抗体7が第2のパターンランド部5e、5eに接触されると、第2の高抵抗体7が接地されていることから第2のパターンランド部5e、5eの電位はゼロ電位となる。第2のパターンランド部5e、5eがゼロ電位となることによって、第2のパターンランド部5e、5eに接続(導通)されている第2の導電体5bと第2の接続部5cと第2の端子部5dとは、共にゼロ電位となる。
【0051】次に、その後の工程では、前述の工程での各第1、第2の高抵抗体6、7が第1、第2のパターンランド部3e、3e、5e、5eにそれぞれ接触した状態で、第1のフレキシブルプリント配線基板3の第1の接続部3cと、第2のフレキシブルプリント配線基板5の第2の接続部5cとを当接させて、この当接された第1の接続部3cと第2の接続部5cとを半田付けによって、電気的に導通・固着する。
【0052】次に、その後の工程では、前述の工程が完了してから、第1、第2のパターンランド部3e、3e、5e、5eに接触させた、各第1、第2の高抵抗体6、7をそれぞれ第1、第2のパターンランド部3e、3e、5e、5eから引き離すようにする。
【0053】次に、この本発明の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法の第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態については、前述の第1の実施の形態と同一構成については同一符号を付与して詳細な説明は省略する。そして、この第2の実施の形態では第1の実施の形態との違いのみの説明をする。
【0054】図3は、本発明の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法の第2の実施の形態を示す斜視図であり、図3に示すように第1のフレキシブルプリント配線基板3には、各第1の接続部3cからそれぞれ延設された第3の導電体3fが設けられ、該第3の導電体3fの先端部には4個のヘッドテストランド部3gがそれぞれ設けられている。このヘッドテストランド部3gは、その表面が露出されている。上述の如く、第1の半製品の第1のフレキシブルプリント配線基板3は、第3の導電体3fとヘッドテストランド部3gとを有している。
【0055】ここで、第2の実施の形態の第1の半製品と、第2の半製品との接続(製造)方法について、次に説明する。上述の如き構成の第1の半製品と、第2の半製品とを電気的に接続・固着する際に、前記ヘッドテストランド部3gに第1の高抵抗体6をリード線6aによって接地した状態で、接触させる。この接地された第1の高抵抗体6のヘッドテストランド部3gへの接触によって、第1の半製品の第1の導電体3bと第1の接続部3cと第1の端子部3dと第3の導電体3fとはゼロ電位となる。
【0056】この状態を維持して、同様に第2の半製品の第2のパターンランド部5e、5eに第2の高抵抗体7をリード線7aによって接地(ゼロ電位)した状態で、第1の半製品と、第2の半製品とを電気的に接続・固着する。この電気的な接続は、第1のフレキシブルプリント配線基板3の第1の接続部3cと、第2のフレキシブルプリント配線基板5の第2の接続部5cとを当接させて、この当接された第1の接続部3cと第2の接続部5cとを半田付けによって電気的な導通が行なわれる。
【0057】次に、その後の工程では、前述の工程が完了してから、ヘッドテストランド部3g、3gと第2のパターンランド部5e、5eとに接触させた、各第1、第2の高抵抗体6、7をそれぞれヘッドテストランド部3g、3gと第2のパターンランド部5e、5eとから引き離すようにする。
【0058】また、次に、その後の工程では、この工程は、必ずしも行われる工程ではないが、ヘッドテストランド部3g、3gと第3の導電体3fの一部とを第1の基部3aから切断・分離するようにする。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法は、第1のパターンランド部と第2のパターンランド部とのそれぞれに別個の高抵抗体を接続し、各高抵抗体をそれぞれ接地し、第1の導電体と第2の導電体とを各高抵抗体を介してゼロ電位にする工程を備えていることによって、このゼロ電位の状態で第1の接続部と第2の接続部とを電気的に固着することで磁気抵抗素子の熱破壊を確実に防止できるという効果を奏する。
【0060】また、本発明の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法では、第1の導電体は、磁気抵抗素子の両端から引き出された2本の導電体から成り、第1のパターンランド部は、それぞれ2本の導電体に導通され、少なくとも2個設けられ、1つの高抵抗体が第1のパターンランド部を跨ぐように接続されていることによって、2本の導電体を一層確実にゼロ電位にできるので、磁気抵抗素子の熱破壊を一層確実に防止できる。
【0061】また、本発明の磁気抵抗型ヘッド装置の製造方法では、磁気抵抗型ヘッドの熱破壊を確実に防止でき、安定した電気的特性を有するフロッピィーディスクドライブ(FDD)を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
【出願日】 平成12年8月7日(2000.8.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−56513(P2002−56513A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−244044(P2000−244044)