トップ :: G 物理学 :: G11 情報記憶




【発明の名称】 接触型磁気ヘッド
【発明者】 【氏名】保浦 健二

【要約】 【課題】プロービングの際に接合用パッドの表面を汚染したり、傷つけたりすることがなく、プロービングに起因する接合部の機械的強度の低下や導通不良等の不具合が生じることのない接触型磁気ヘッドを提供すること。

【解決手段】電気回路84及び磁気回路51が内蔵されたヘッドチップ82と、ヘッドチップ82の一方の面に設けられ、かつ、磁気回路51に繋がるポールチップ58を備えた接触パッド59と、ヘッドチップ82の他方の面に設けられ、かつ、電気回路84に繋がる接合用パッド60とを備えた接触型磁気ヘッド80において、接合用パッド60が設けられたヘッドチップ82の面と同一面に、さらにアップリード64に繋がるプロービング用パッド86を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気回路及び磁気回路が内蔵されたヘッドチップと、該ヘッドチップの一方の面に設けられ、かつ、前記磁気回路に繋がるポールチップを備えた接触パッドと、前記ヘッドチップの他方の面に設けられ、かつ、前記電気回路に繋がる接合用パッドとを備えた接触型磁気ヘッドにおいて、前記接合用パッドが設けられた前記ヘッドチップの面と同一面に設けられ、かつ、前記電気回路に繋がるプロービング用パッドをさらに備えていることを特徴とする接触型磁気ヘッド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接触型磁気ヘッドに関し、更に詳しくは、コンピュータ、デジタルカメラ、デジタルAV等に用いられるハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体の高密度記録・再生に好適な接触型磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】フロッピーディスク、磁気テープ、ハードディスク等、磁気記録媒体への高密度記録・再生を達成するには、磁気ヘッドから発生する漏れ磁束が書き込まれる磁気記録媒体の領域を微小化し、この微小領域から正確に磁気記録情報を読み出す必要がある。そのためには、磁気記録媒体と磁気ヘッドとをできる限り接近させることが望ましい。このような観点から開発された磁気記録・再生装置としては、磁極を備えた接触パッドを磁気記録媒体に直接接触させながら磁気記録情報の記録・再生を行う接触型磁気ヘッドが知られている。
【0003】例えば、特開平8−203190号公報には、磁気ヘッドスライダ(ヘッドチップ)にダイヤモンドからなる1個の接触パッドを設け、接触パッドの先端を、中心線平均粗さRmaxが0.5nm程度となるように球面研磨した接触型磁気ヘッドが開示されている。
【0004】また、特願平9−225724号には、薄膜状のヘッドチップに、磁極(ポールチップ)を有する接触パッド(以下、これを「磁極パッド」という。)と、この磁極パッドの接触走行を安定化させるための2個の接触パッド(以下、これを「補助パッド」という。)を設けた接触型磁気ヘッドが本件出願人により提案されている。
【0005】図4(c)に、接触パッドを備えた薄膜状の接触型磁気ヘッドの基本構造の一例を示す。図4(c)において、接触型磁気ヘッド50は、ヘッドチップ50aの一方の面にポールチップ58を備えた接触パッド59が設けられ、他方の面に接合用パッド60が設けられている。また、ヘッドチップ50aは、磁気回路51と、電気回路61と、これらを保護すると同時にヘッドチップ50aの主要構造材となる絶縁層68a〜68gからなる。
【0006】磁気回路51は、磁気記録媒体(図示せず)に対してほぼ平行に形成された磁性薄膜からなるトップヨーク52及びボトムヨーク54、54と、これらを繋ぐ2つのリターンスタッド56、56と、ボトムヨーク54、54先端に設けられたポールチップ58からなる。また、ポールチップ58の先端には、磁気ギャップ58aが設けられ、ポールチップ58の周囲には、硬質材料からなる接触パッド59が設けられている。
【0007】また、電気回路61は、Auからなる接合用パッド60と、コイル62と、接合用パッド60−コイル62間を繋ぐアップリード64からなる。コイル62は、左右のリターンスタッド56、56の周囲にそれぞれ三層ずつ渦巻状に形成されたスパイラルコイル62a…がインターコネクト66、66…により1本に繋がれた多層スパイラル構造になっている。
【0008】このような立体構造を備えた接触型磁気ヘッド50は、以下のような手順により製造されるのが一般的である。すなわち、まず、図4(a)に示すように、基板12の上に、基板12からヘッドチップ50aを分離するためのリリース層14、及び複数のヘッドチップ50aを含む素子層16を積層して素子板10を作製する。素子層16は、リリース層14の上に、絶縁層68a、接合用パッド60、トップヨーク52、コイル62等を順次積層し、最後に、磁気回路51の先端部であるポールチップ58、及びポールチップ58を保護するための接触パッド59を形成することにより作製される。この時、素子板10上には、数千〜数万個のヘッドチップ50aが繋がった状態で形成される。
【0009】次に、全構造物が形成された後、図4(b)に示すように、レーザを用いて素子層16に溝18を入れて各ヘッドチップ50aを切り離す。続いて、リリース層14をエッチングすることによりヘッドチップ50aを基板12から分離させ、さらに、絶縁層68aの内、接合用パッド60先端を覆っている部分を除去すると、図4(c)に示すような接触型磁気ヘッド50が得られる。
【0010】ところで、接合用パッド60は、書き込みの際に外部からコイル62に電流を流したり、あるいは、読み出しの際にコイル62に流れる誘導電流を取り出すためのものであるが、ヘッドチップ50aを基板12から分離した時点では、接合用パッド60は、リリース層14をエッチングする際に用いられるエッチング液から保護するために、絶縁層68aで覆われている。
【0011】そのため、ヘッドチップ50aを基板12から分離した後、絶縁層68aの内、接合用パッド60を覆っている部分を除去し、接合用パッド60の先端を露出させる工程が必要となる。従来の接触型磁気ヘッドは、この時点で初めて、性能評価、不良品の選別等を行うためのプロービング(検査)が可能となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】接合用パッド60は、接触型磁気ヘッド50を機械的に保持すると同時に、接合用パッド60を介して電気信号の授受を行うために、ビームに接合される。接合用パッド60とビームの接合は、Auからなる接合用パッド60の表面とビーム上にAuメッキした接合部とをAu−Au接合させることにより行われる。従って、十分な接合強度を得るためには、接合用パッド60表面の平滑性、清浄性を保持する必要がある。
【0013】一方、完成した接触型磁気ヘッドのプロービングを行うためには、電気回路61と繋がっている接合用パッド60にプローブを押し当てることが不可欠である。しかしながら、接合用パッド60とプローブとを接触させると、接合用パッド60の表面がプローブにより汚染されたり、プローブ表面に傷が付くおそれがある。接合用パッド60表面の汚染や傷は、接合不良の原因となり、接合部の機械的強度の低下、あるいは、導通が取れない等の不具合が生じるという問題がある。
【0014】本発明が解決しようとする課題は、プロービングの際に接合用パッドの表面を汚染したり、傷つけたりすることがなく、プロービングに起因する接合部の機械的強度の低下や導通不良等の不具合が生じることのない接触型磁気ヘッドを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、電気回路及び磁気回路が内蔵されたヘッドチップと、該ヘッドチップの一方の面に設けられ、かつ、前記磁気回路に繋がるポールチップを備えた接触パッドと、前記ヘッドチップの他方の面に設けられ、かつ、前記電気回路に繋がる接合用パッドとを備えた接触型磁気ヘッドにおいて、前記接合用パッドが設けられた前記ヘッドチップの面と同一面に設けられ、かつ、前記電気回路に繋がるプロービング用パッドをさらに備えていることを要旨とするものである。
【0016】本発明に係る接触型磁気ヘッドは、接合用パッドの他に、プロービングを行うためのプロービング用パッドを備えているので、プロービングの際に接合用パッドの表面が汚染されたり、傷つけられるおそれがない。そのため、プロービングに起因する接合部の機械的強度の低下や、導通不良等の不具合を回避できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1に、本発明に係る接触型磁気ヘッドの断面図を示す。図1において、接触型磁気ヘッド80は、ヘッドチップ82と、ヘッドチップ82の一方の面に設けられたポールチップ58を備えた接触パッド59と、ヘッドチップ82の他方の面に設けられた、接合用パッド60及びプロービング用パッド86とを備えている。
【0018】薄膜状の接触型磁気ヘッドは、一般に、磁気回路及び電気回路を構成する多数の部品によって構成されるので、ヘッドチップは、複数の薄膜が積層された多層構造をとる。図1に例示するヘッドチップ82は、合計6つの絶縁層68a〜68gと、磁気回路51及び電気回路84を構成する多数の薄膜の積層体からなる。
【0019】絶縁層68a〜68gは、磁気回路51及び電気回路84を保護すると同時に接触型磁気ヘッド80の主構造材となるものであり、高い絶縁性を有する材料からなる。一般的には、アルミナ、シリカ等のセラミックス材料が用いられる。
【0020】磁気回路51は、磁気記録媒体(図示せず)に対してほぼ平行に形成されたトップヨーク52及びボトムヨーク54、54と、これらを繋ぐリターンスタッド56、56と、ボトムヨーク54、54の先端に設けられたポールチップ58からなっている。
【0021】ボトムヨーク54、54の先端近傍は、三角形状の絶縁層(メインペデスタル)68fの斜面に沿って設けられ、斜めに傾斜している。これは、左右のボトムヨーク54、54間で生じる磁束の漏洩を極力抑えると同時に、ボトムヨーク54、54とポールチップ58との接合面の面積を極力広く取り、磁束が接合面を流れる際の抵抗を小さくするためである。
【0022】ポールチップ58は、磁気回路51の先端を為し、ヘッドチップ82の表面に突設されている。ポールチップ58の中央には、磁気ギャップ58aが形成され、ポールチップ58の周囲には、ポールチップ58の摩耗を抑制するための接触パッド59が設けられている。
【0023】なお、磁気回路51を構成するこれらの要素には、一般に、パーマロイ等の軟磁性材料が用いられるが、ポールチップ58先端など、記録時に磁束密度が非常に高くなる部分については、CoZrTaなどのCo系アモルファス材料や、FeTaNなどの高飽和磁化材料を用いても良い。また、接触パッド59には、少なくとも、ポールチップ58の材質より硬度の高い材質が用いられる。特に、ダイヤモンドライクカーボンは、硬度が高く、かつ、摩擦係数が小さいので、接触パッド59の材質として好適である。
【0024】電気回路84は、接合用パッド60と、コイル62と、アップリード64の他に、プロービング用パッド86を備えている。この点が、従来の接触型磁気ヘッドとは異なる。
【0025】接合用パッド60は、書き込みの際に外部からコイル62に電流を流したり、あるいは、読み出しの際にコイル62に流れる誘導電流を取り出すためのものであり、アップリード64を介してコイル62に繋がれている。従って、1個のヘッドチップ82に対して2個の接合用パッド60が設けられているが、図1においては、その内の1個のみが示され、他の1個は、図示が省略されている。また、接合用パッド60は、接触型磁気ヘッド80を機械的に保持するために、ビーム(図示せず)と接合される。そのため、接合用パッド60には、接合が容易なAuを用いるのが好ましい。
【0026】コイル62は、左右のリターンスタッド56、56の周囲に、それぞれ3層ずつ渦巻状に形成されたスパイラルコイル62a…がインターコネクト66…を介して1本に繋がれた多層スパイラル構造になっている。各スパイラルコイル62a…は、それぞれ、絶縁層68c、68d及び68eの内部に作り込まれている。また、1本に繋がれたコイル62の両端は、それぞれ、アップリード64、64の鉛直部64aに繋がれている。
【0027】プロービング用パッド86は、アップリード64を介してコイル66に繋がれており、接合用パッド60に隣接して設けられている。プロービング用パッド86の先端は、接合用パッド60と同様に、ヘッドチップ82の背面から露出した状態となっている。なお、プロービング用パッド86は、検査時に接合用パッド60の代わりとなるものであるので、1個のヘッドチップ82に対して2個のプロービング用パッド86が設けられるが、図1においては、その内の1個のみが示され、他の1個は、図示が省略されている。
【0028】プロービング用パッド86の材質としては、耐酸化性に優れた材料を用いるのが好ましい。具体的には、Auが好適な一例として挙げられる。プロービング用パッド86の材質として、酸化しやすいものを用いると、プロービングに先だって表面を清浄化する工程が必要となるので好ましくない。
【0029】なお、電気回路84を構成するこれらの要素の内、接合用パッド60及びプロービング用パッド86以外の要素には、一般に、安価で電気伝導度の高いCuが用いられるが、他の導体を用いても良い。この場合、同一材料を用いて各要素を構成しても良く、あるいは、各要素を異なる材料を用いて構成しても良い。
【0030】次に、本発明に係る接触型磁気ヘッド80の作用について説明する。接触型磁気ヘッドのプロービングは、接触型磁気ヘッドとビームとを接合する前に、電気回路の動作を検査するために行われるものである。従って、プロービングを行うためには、電気回路の末端にプローブを接触させる必要がある。一方、従来の接触型磁気ヘッドは、電気回路が絶縁層で覆われたヘッドチップの内部に内蔵されており、ヘッドチップから露出している電気回路は、接合用パッドのみである。そのため、従来は、接合用パッドを用いてプロービングを行う必要があった。
【0031】しかしながら、接合用パッドとビームを接合するためには、その表面が清浄、かつ平滑である必要がある。特に、接合用パッドとビームの接合にAu−Au接合を用いる場合には、高い清浄性と、平滑性が求められる。そのため、プロービングのために接合用パッドとプローブとを接触させると、接合用パッドがプローブにより汚染されたり、あるいは、プローブにより傷つけられ、接合用パッドの清浄性、平滑性が劣化するおそれがあった。清浄性及び平滑性の低下は、接合不良による機械的強度不足や、導通不良の原因となる。
【0032】これに対し、本発明に係る接触型磁気ヘッド80は、接合用パッド60が設けられたヘッドチップ82の面と同一の面に、プロービング用パッド86が設けられ、プロービング用パッド86は、接合用パッド60と同様に、アップリード64を介して電気回路84に導通しているので、プロービング用パッド86を用いてプロービングを行うことができる。すなわち、プロービングの際に、接合用パッド60の表面を汚染させたり、あるいは傷つけるおそれがない。そのため、プロービングに起因する接合不良、及びこれに伴う接合部の機械的強度不足や導通不良等の不具合の発生を回避できる。
【0033】次に、本発明に係る接触型磁気ヘッドの製造方法について説明する。接触パッドを備えた薄膜状の接触型磁気ヘッドは、フォトレジストを用いて基板上に所定のパターンを形成し、パターンに沿って薄膜を積層する工程を所定回数繰り返すことにより作製することができる。
【0034】具体的には、まず、図2(a)に示すように、基板12上にリリース層14を成膜した後、絶縁層68a、接合用パッド60及びプロービング用パッド86、アップリード64、並びにトップヨーク52を順次形成する。この場合、薄膜の形成方法としては、メッキ、スパッタリング等、種々の方法があるが、成膜方法は、薄膜の材質、成膜速度等を考慮して、最適な方法を選択すればよく、特に限定されるものではない。また、接合用パッド60とプロービング用パッド86として、同一材質(例えば、Au)を用いると、従来の製造方法に比して、工数を増やすことなくプロービング用パッド86を形成できるという利点がある。
【0035】なお、基板12は、素子層16を支持するためのものであり、Al、Al−TiC等のセラミックス材料が一般に用いられる。また、リリース層14は、素子層16を形成した後、基板12と素子層16とを分離するためのものであり、適当なエッチング液により容易に溶解する金属材料(例えば、銅、クロム、ニッケルなど。)が用いられる。リリース層14の厚さは、成膜速度、エッチング液による溶解速度等を考慮して、任意に定めることができる。通常は、数μm〜数十μmである。
【0036】次いで、アップリード64上には、鉛直部64a、64aを形成し、トップヨーク52上には、リターンスタッド56、56を形成する。さらに、この上に絶縁層68bを成膜し、鉛直部64a、及びリターンスタッド56を完全に覆う。
【0037】次に、図2(b)に示すように、絶縁層68bの表面をラッピングし、鉛直部64a、64a、及びリターンスタッド56、56の先端を完全に露出させる。
【0038】次に、図2(c)に示すように、絶縁層68bの上に、リターンスタッド56、及びスパイラルコイル62aを順次形成する。この場合、新たに形成されたリターンスタッド56は、絶縁層68b内部に形成されたリターンスタッド56と繋がるように形成する。また、スパイラルコイル62aの一端は、絶縁層68b内部に形成された鉛直部64aの先端と繋がるように形成し、コイル62の他端には、インターコネクト66を形成する。さらに、この上に絶縁層68cを成膜し、インターコネクト66、及びリターンスタッド56を完全に覆う。
【0039】次に、図2(d)に示すように、絶縁層68cの表面をラッピングし、インターコネクト66、66、及びリターンスタッド56、56の先端を完全に露出させる。
【0040】以下、このような手順を順次繰り返すと、図3(a)に示すように、ウエハ12上にリリース層14を介して素子層88が形成された素子板90が得られる。素子層88には、アップリード64に繋がる接合用パッド60及びプロービング用パッド86を備えた多数のヘッドチップ82が作り込まれる。
【0041】次に、図3(b)に示すように、レーザを用いて、各ヘッドチップ82の境界線に沿って、溝18を入れる。溝18の先端は、少なくともリリース層14に達していれば良いが、基板12に達していても良い。なお、レーザを用いて切断する場合、素子層88が溶融して飛散し、溝18内部や素子層88の表面にドロスとなって付着するので、素子層88の表面を保護膜で覆った後に切断を行い、フッ酸で洗浄してドロスを取り除くと良い。
【0042】次に、ドロスを取り除いた素子板90をエッチング液に浸漬する。エッチング液は、溝18を通ってリリース層14に達し、リリース層14を溶解させるので、ヘッドチップ82は、これによって基板12から分離する。最後に接合用パッド60及びプロービング用パッド86の表面を覆っている絶縁層68aを取り除けば、図3(c)に示すような接触型磁気ヘッド80が得られる。
【0043】なお、素子板88に溝を入れる場合、すべてのヘッドチップ82の境界線に沿って、リリース層に達する溝(以下、これを「全切り溝」という。)を入れても良いが、溝の一部は、その先端が素子層88の中間で止まる溝(以下、これを「半切り溝」という。)であっても良い。
【0044】複数個のヘッドチップ82が含まれる領域の外周に全切り溝を入れ、その領域内にあるヘッドチップ82間の境界線に沿って半切り溝を入れ、リリース層14をエッチング除去すると、複数個のヘッドチップ82が半切り溝を介して繋がったシートが得られる。このようなシートは、個々のヘッドチップ82をバラバラに分離する場合に比べて、ハンドリングが容易であるという利点がある。
【0045】このようにして得られた接触型磁気ヘッド80は、プロービング用パッド86にプローブを押し当て、性能評価及び不良品の選別が行われる。その後、接合用パッド60を介して、ビーム(図示せず)に接合される。また、シートの状態で基板12から分離した場合には、シートの状態でプロービングを行った後、ヘッドチップを半切り溝に沿って切断し、接合が行われる。
【0046】以上のように、本発明に係る接触型磁気ヘッドによれば、プロービングの際に接合用パッド60を汚染させることがないので、接合用パッド60とビームとを接合した時に、機械的強度の不足や導通不良等の不具合が発生するおそれも少ない。また、シートの状態でプロービングを行うこともできるので、プロービング作業を効率よく行うことができる。
【0047】以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0048】例えば、上記実施の形態においては、磁極パッドを備えた接触型磁気ヘッドについて主に説明したが、磁極パッドと補助パッドの双方を備えた接触型磁気ヘッドに対しても本発明を同様に適用することができる。
【0049】
【発明の効果】本発明に係る接触型磁気ヘッドは、接合用パッドの他に、さらにプロービング用パッドを備えており、プロービング用パッドを用いてプロービングを行うことができるので、プロービングの際に接合用パッドを汚染させたり、傷つけるおそれがないという効果がある。また、接合用パッドの汚染又は傷による接合不良の発生、及びこれに起因する接合部の強度低下、導通不良等の不具合の発生を回避できるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000003713
【氏名又は名称】大同特殊鋼株式会社
【出願日】 平成12年8月10日(2000.8.10)
【代理人】 【識別番号】100095669
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 登
【公開番号】 特開2002−56505(P2002−56505A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−243142(P2000−243142)