| 【発明の名称】 |
磁気信号記録方法および磁気記録再生装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】濱本 将樹
【氏名】片山 博之
【氏名】小嶋 邦男
【氏名】佐藤 純一
【氏名】高山 和久
【氏名】渡辺 耕輔
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| 【要約】 |
【課題】再生に最適な形状の磁気ビットを、略一定の形状で形成することにより、再生信号のSN比を大幅に向上できる磁気信号記録方法を提供する。
【解決手段】磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、磁気記録ヘッドにより生じる磁界分布のトラック方向位置での低下率が極大となる磁界強度とが略等しくなる部位に記録可能領域81の記録エッジ82を位置させる。これにより、記録磁界の分布形状が矩形状の磁気記録ヘッドを用いることにより、一般的な矩形状の再生領域を有する再生ヘッドによる再生に適した矩形状の磁気ビットを形成することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】局所的な昇温により保磁力が変化する磁気記録媒体を使用し、上記磁気記録媒体上の保磁力が変化した領域に対して、磁気記録ヘッドからの磁界により任意の情報を記録する磁気信号記録方法において、上記磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記磁気記録ヘッドにより生じる磁界分布のトラック方向位置での低下率が極大となる磁界強度とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置することを特徴とする磁気信号記録方法。 【請求項2】上記磁気記録媒体と上記磁気記録ヘッドとの該磁気記録媒体膜面垂直方向における距離が、該磁気記録ヘッドにより記録される磁気ビットのトラック方向長さよりも小さいことを特徴とする請求項1記載の磁気信号記録方法。 【請求項3】上記磁気記録媒体の膜厚が、上記磁気記録ヘッドにより記録される磁気ビットのトラック方向長さより小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気信号記録方法。 【請求項4】上記磁気記録ヘッドにより磁気記録媒体上に加えられる記録磁界の分布形状が矩形状であることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の磁気信号記録方法。 【請求項5】昇温された磁気記録媒体の温度分布が同心円状となる領域に記録可能領域のエッジが位置することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の磁気信号記録方法。 【請求項6】上記磁気記録媒体として、保磁力と磁界強度が等しくなる温度範囲内の低温領域側における温度上昇による保磁力の低下率が、該温度範囲内の高温領域側における温度上昇による保磁力の低下率よりも大きい磁性膜を用いることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の磁気信号記録方法。 【請求項7】局所的な昇温により保磁力が変化し、膜面に垂直な磁化容易軸を有する磁気記録媒体を使用し、磁気記録ヘッドとして、上記磁気記録媒体上の保磁力が変化した領域に対して、上記磁気記録媒体の膜面に垂直な成分を有する磁界を生じ、トラック幅よりも広い主磁極幅を有する単磁極ヘッドを使用して任意の情報を記録する磁気信号記録方法において、上記磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記単磁極ヘッドの磁界強度の上記磁気記録媒体膜面に垂直な成分の該単磁極ヘッドの主磁極トラック方向後端での低下率が極大となる位置での磁界強度の上記成分とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置することを特徴とする磁気信号記録方法。 【請求項8】局所的な昇温により保磁力が変化し、膜面に垂直な磁化容易軸を有する磁気記録媒体を使用し、磁気記録ヘッドとして、上記磁気記録媒体上の保磁力が変化した領域に対して、上記磁気記録媒体の膜面に垂直な成分を有する磁界を生じ、トラック幅よりも広いリングヘッド記録ギャップ幅を有するリングヘッドを使用して任意の情報を記録する磁気信号記録方法において、上記磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記リングヘッドの磁界強度が上記磁気記録媒体膜面に垂直な成分の該リングヘッド記録ギャップのトラック方向前縁直下近傍の低下率が極大となる位置での磁界強度の上記成分とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置することを特徴とする磁気信号記録方法。 【請求項9】上記磁気記録媒体膜面に垂直な磁化容易軸を有する磁気記録媒体が、軟磁性層を有することを特徴とする請求項7または8記載の磁気信号記録方法。 【請求項10】上記磁気記録媒体として、垂直磁気異方性の高い磁気記録媒体を用いることを特徴とする請求項7または8に記載の磁気信号記録方法。 【請求項11】上記磁気記録媒体と上記磁気記録ヘッドとの該磁気記録媒体膜面垂直方向における距離が、該磁気記録ヘッドにより記録される磁気ビットのトラック方向長さよりも小さいことを特徴とする請求項7ないし10の何れかに記載の磁気信号記録方法。 【請求項12】上記磁気記録媒体の膜厚が、上記磁気記録ヘッドにより記録される磁気ビットのトラック方向長さより小さいことを特徴とする請求項7ないし11の何れかに記載の磁気信号記録方法。 【請求項13】上記磁気記録ヘッドにより磁気記録媒体上に加えられる記録磁界の分布形状が矩形状であることを特徴とする請求項7ないし12の何れかに記載の磁気信号記録方法。 【請求項14】昇温された磁気記録媒体の温度分布が同心円状となる領域に記録可能領域のエッジが位置することを特徴とする請求項7ないし13の何れかに記載の磁気信号記録方法。 【請求項15】上記磁気記録媒体として、保磁力と磁界強度が等しくなる温度範囲内の低温領域側における温度上昇による保磁力の低下率が、該温度範囲内の高温領域側における温度上昇による保磁力の低下率よりも大きい磁性膜を用いることを特徴とする請求項7ないし14の何れかに記載の磁気信号記録方法。 【請求項16】局所的な昇温により保磁力が変化し、膜面に平行な磁化容易軸を有する磁気記録媒体を使用し、磁気記録ヘッドとして、上記磁気記録媒体上の保磁力が変化した領域に対して、上記磁気記録媒体の膜面に平行な成分を有する磁界を生じ、トラック幅よりも広いリングヘッド記録ギャップ幅を有するリングヘッドを使用して任意の情報を記録する磁気信号記録方法において、上記磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記リングヘッドの磁界強度の上記磁気記録媒体膜面に平行な成分の該リングヘッド記録ギャップのトラック方向後端の低下率が極大となる磁界強度とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置することを特徴とする磁気信号記録方法。 【請求項17】上記磁気記録媒体として、面内磁気異方性の高い磁気記録媒体を用いることを特徴とする請求項16記載の磁気信号記録方法。 【請求項18】請求項1ないし17の何れかの磁気信号記録方法を採用した磁気信号記録手段と、上記磁気信号記録手段により磁気記録媒体に記録された磁気信号を再生する磁気信号再生手段とを備えたことを特徴とする磁気記録再生装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体を昇温させながら磁気的に記録を行うことにより、高密度記録を実現する磁気信号記録方法に関し、特に、再生に有利な形状のビットを記録する磁気信号記録方法および、この方法を用いた磁気信号記録再生装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、マルチメディア技術が発達し、より大容量の情報を扱うために、より大容量のメモリデバイス需要が高まっており、中でも書き換え可能な光ディスクや磁気ディスク、磁気テープを中心にその高密度化技術の検討が活発に進められている。 【0003】その中で、温度により磁気特性の変化する磁気記録媒体を用い、光を照射するなどの手段で媒体に局所的に昇温領域を設け、昇温領域のみを選択的に磁気的に記録もしくは再生することで、高密度での記録もしくは再生を可能とする方法が提案されている。 【0004】上記のような磁気記録媒体において、局所的に昇温された領域に磁気的に情報の記録または再生を行なう方法を、例えば熱アシスト磁気信号記録方法もしくは熱アシスト磁気信号再生方法と称する。特に、前述の局所的に昇温を行う手段として光を用いる場合は、光アシスト磁気信号記録方法もしくは光アシスト磁気信号再生方法と称する。 【0005】熱アシスト磁気信号記録再生方法の一例としては、記録媒体として室温近傍に磁化がゼロとなる温度(磁気補償点温度)を有するフェリ磁性体の垂直磁化膜を用いて、記録時には、記録媒体における記録すべき領域に光ビームを照射してキュリー温度近傍に昇温させ、記録用ヘッドにより外部磁場を印加して情報を記録するとともに、再生時には記録媒体における再生すべき領域に光ビームを照射して昇温する事で、再生部位の磁化を大きくした上で、そこから漏れ出る磁束を再生用ヘッドにより検知することで情報を再生するという方法が種々提案されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記熱アシスト磁気記録方法では、磁気ビット形状は温度分布と磁界分布によって決定される。 【0007】例えば、一般的に局所昇温手段として用いられる収束レーザ光が記録媒体上に形成する熱分布は、円形もしくは略楕円形である。また、記録用の磁気ヘッドとして、現在一般に用いられているリングヘッドの磁界分布は略矩形である。これにより、記録された磁気ビットの形状は両者の中間的形状となる。 【0008】ところが、現在一般に用いられている再生ヘッドの形状は略矩形であり、その再生領域も略矩形であるため、上述のように、矩形でない磁気ビットが形成されるということは信号のSN比が悪化するという問題を生ずるため、高ビット密度記録再生に関しては不利である。 【0009】そこで、特表平6−500194号公報(以下、文献1と称する)では、熱アシスト磁気記録方法における磁気ビット形状の決定について、略矩形の磁気ビットを記録するには、(1)トラック方向に沿って、磁気記録媒体の保磁力が実質的に一定であること(2)磁気記録媒体の保磁力の等高線が、トラック方向に実質的に平行であること(3)上記(1)(2)の2点を満たすため、トラック方向に長い温度分布を磁気記録媒体上に形成すること(4)上記(3)のために長楕円形の焦点像を持つ収束レーザ光を昇温手段として用いること(5)上記(3)のためにトラック方向に熱的異方性を持つ磁気記録媒体を用いること(6)媒体の保磁力が記録温度付近では温度に寄らず一定であること等の手法が有効であるとしている。 【0010】しかしながら、上記文献1には、磁気記録ヘッドの磁界分布が鑑みられていない。このため、文献1に開示された技術では、矩形の磁気ビットを記録し得ないことを本発明者等は見出した。さらに、文献1に開示されている技術は、磁気記録ヘッド磁界分布を考慮していないが故に、高ビット密度記録にふさわしくない手段である事も本発明者等は見出した。以下に、具体的に詳細を説明する。 【0011】上述したように、磁気ビットの形状を決定するのは、磁気記録媒体の温度による磁気特性の変化と、磁気記録媒体に形成される温度分布と、磁気記録媒体に加えられる磁界とである。 【0012】ここで、磁気記録媒体が、その膜面垂直方向に磁化容易軸を有する1軸磁気異方性媒体であるとする。この磁気記録媒体において記録に関わる磁界は、磁気記録媒体膜面に垂直方向にかかる成分のみであるので、以後この成分を単に垂直磁界強度もしくは記録磁界強度と称する。 【0013】尚、上記磁気記録媒体において記録に関わる磁界は、磁気記録媒体膜面に垂直方向にかかる成分のみであるので、以後、この磁気記録媒体の膜面垂直方向にかかる磁界に対する保磁力を、単にこの磁気記録媒体の保磁力と称する。 【0014】この磁気記録媒体の、膜面垂直方向にかかる磁界に対する保磁力と温度の関係を、図17に示す。 【0015】さらに、説明の便宜上、磁気記録媒体に形成される温度分布を、上記文献1に記載されているように長楕円形とする。 【0016】また、磁気記録媒体に加えられる垂直磁界強度は、便宜上、トラック幅方向に一定であるとする。このため、垂直磁界強度の等高線(以後、これを等磁界強度線と称する) はトラック幅方向に垂直な直線となる。 【0017】一般的なリングヘッドが、磁気記録媒体に与える垂直磁界強度分布を、本発明の説明図である図12に示す。 【0018】以上の条件から導かれる、上記文献1において矩形の磁気ビットを得るために推奨されている温度分布と磁界分布を、等保磁力線群701と等磁界強度線群601を用いて示す。尚、図18は、上記文献1に開示された技術に基づいて、等保磁力線群701と等磁界強度線群601との磁気記録媒体上の位置関係を示している。 【0019】ここで、熱アシスト磁気記録が行われるのは、磁気記録媒体の保磁力が記録磁界強度を下回る部位である。この領域は、図18においてハッチングで示した領域となる。この領域を、以下、記録可能領域800と称する。尚、次段落の説明より磁気ビットの形状決定に関わるのは、この記録可能領域800の後端のみであるので、磁気ビットの形状決定に関わらない記録可能領域については、以後も含め適宜省略して記す。 【0020】磁気ビットは、磁気記録媒体をその膜面垂直方向に、移動しつつ異なる向きに磁化することで形成される。この様子を、図19(a)(b)に示す。図中の仮想マーク901は、磁気記録媒体の移動を示すための、磁気記録媒体上に固定された仮想の1点である。このことから磁気ビットは、トラック方向両端に、記録可能領域のトラック方向後端形状を有する形状で記録されることが分かる。 【0021】すなわち、記録可能領域800の、トラック方向後端の形状が、磁気ビットのトラック方向両端形状となる。以後、記録可能領域800のトラック後端を、記録エッジ801と称する。 【0022】以上の説明から示されるように、磁気ビットの形状は、トラック垂直方向の保磁力分布と、トラック方向の磁界強度分布とによって決定される記録エッジ形状を反映したものとなる。これにより、矩形の磁気ビットを記録するためには、記録エッジ形状がトラック方向に垂直な直線に近いことが望ましいことが分かる。 【0023】従って、文献1の技術を適用した場合のように、長楕円形の温度分布を想定しても、記録エッジは曲線のままであり、磁気ビットにも磁界分布に対応した幅を持つ曲線部分が形成されてしまうことになる。 【0024】よって、上記文献1に記載の長楕円形の温度分布を用いても、略矩形の磁気ビットを形成することは不可能であることが分かる。 【0025】また、一般的な磁気記録再生装置は、複数の異なるアドレスへのアクセスを簡便に行うため、ディスク形状の磁気記録媒体を用い、これを回転させる機構と、このディスク状磁気記録媒体の略半径方向に記録再生ヘッドを移動させる機構を有している。 【0026】多くの場合、この記録再生ヘッドの移動機構は回転運動を用いているため、記録再生ヘッドと媒体移動方向のなす角度は、記録再生ヘッドのアクセス位置によって変化する。すなわち、記録再生ヘッドのアクセス位置によって、磁界分布と温度分布のなす角度は一定でなく、これによって上述の記録エッジ形状は変化しうる。この様子を、図20に示す。この変化はトラック方向に長い温度分布を用いたときほど大きくなるので、上記文献1に記載のような長楕円形状の温度分布は、この点でむしろ高密度記録に不利な手法であると裏付けられる。 【0027】また、長楕円形の温度分布を形成することは、媒体の広い面積を昇温することを意味するため、消費電力が大きくなると言う欠点もある。 【0028】さらに、長楕円形の温度分布を用いると、記録領域通過後、かなりの時間にわたって磁気ビットが記録温度付近に保たれるため、磁気ビットの安定性を損なう虞がある。しかも、他の磁気ビットから及ぼされる磁界等の磁場擾乱により、記録エッジ801の位置が部分的に変化し、磁気ビットの記録形状が変化してしまう虞がある領域が長いため、高密度記録を狙って短い磁気ビットを記録しても、その形状が一定しない虞もあった。 【0029】また、光記録の高いトラック密度を活かすという意味では、トラック幅方向には、磁気ビットは温度分布による保磁力の低下によって終端されることが望ましいが、記録温度付近で保磁力が一定であるという記述のみでは、これを規定し得ない。すなわち、上記文献1に記載の媒体では、トラック幅は主に記録ギャップ幅により決定されることになる。 【0030】以上より、従来提案されている光アシスト磁気記録方式において、上記文献1記載の方法で矩形の磁気ビットを、略一定の形状で記録できるのは、磁気記録ヘッドのギャップ長に比べ、磁気ビット長が長い場合に限られ、高密度記録再生においてはSN比の観点から不利である。 【0031】さらに、上記文献1記載の方法を、上述の一般的なディスクドライブを用いて実現した場合、磁気記録ヘッドのアクセス位置に応じて変化する磁気ビット形状に応じた信号処理方法を用いる必要があった。 【0032】また、記録に用いるレーザに余分なパワーを必要とし、しかも、記録された磁気ビットは熱的に非常に不安定である。 【0033】さらに、上記文献1記載の媒体を上述の一般的なディスクドライブに用いた場合、トラック幅は磁気記録ヘッドのギャップ幅によって決定されてしまい、光記録の高いトラック密度性能を活かすことができないという問題が生じる。 【0034】本発明の目的は、従来の熱アシスト磁気信号再生方法における上述のような問題点を解決し、再生に最適な形状の磁気ビットを、略一定の形状で、磁気記録ヘッドの磁界分布を考慮して形成することで、再生信号のSN比を大幅に向上させることができる磁気信号記録方法およびこの方法を適用した磁気記録再生装置を、簡便かつ安価に提供することにある。 【0035】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、磁気記録媒体上の記録可能領域の形状が、記録に関わる磁界分布(つまり垂直記録媒体なら膜面に垂直な成分を有する磁界)が急峻に低下すればするほど、その近傍の記録磁界分布の等高線の形状に近づくことから、記録可能領域のエッジを、記録磁界強度の低下率が極大となる部位に位置させることで、該記録可能領域のエッジの形状が、記録磁界分布の等高線の形状に近づくことを見出した。さらに、磁気記録媒体上での記録磁界の分布形状が矩形状の磁気記録ヘッドを用いれば、記録磁界分布の等高線の形状が矩形になるので、記録可能領域のエッジ形状が矩形状となり、矩形の磁気ビットが記録されることになることも見出した。 【0036】すなわち、本発明の第1の磁気信号記録方法は、上記の課題を解決するために、局所的な昇温により保磁力が変化する磁気記録媒体を使用し、上記磁気記録媒体上の保磁力が変化した領域に対して、磁気記録ヘッドからの磁界により任意の情報を記録する磁気信号記録方法において、上記磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記磁気記録ヘッドにより生じる磁界分布のトラック方向位置での低下率が極大となる磁界強度とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置することを特徴としている。 【0037】上記の構成によれば、磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記磁気記録ヘッドにより生じる磁界分布のトラック方向位置での低下率が極大となる磁界強度とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置することで、該記録可能領域のエッジの形状が、記録磁界分布の等高線の形状に近づくことになる。 【0038】上記磁気記録媒体と上記磁気記録ヘッドとの該磁気記録媒体膜面垂直方向における距離が、該磁気記録ヘッドにより記録される磁気ビットのトラック方向長さよりも小さくなるようにしてもよい。 【0039】この場合、情報記録に関わる磁界強度がトラック方向後方位置によって大きく低下する磁界分布を記録媒体上に生じさせることができる。これにより、磁界強度のトラック方向後方位置における低下率を磁気記録媒体上でさらに大きくすることができる。つまり、記録可能領域のエッジの形状を、記録磁界分布の等高線の形状により近づけることができる。 【0040】上記磁気記録媒体の膜厚を、上記磁気記録ヘッドにより記録される磁気ビットのトラック方向長さより小さくしてもよい。 【0041】この場合、磁気記録媒体の厚さ方向の位置に寄らず、情報記録に関わる磁界強度がトラック方向後方位置によって大きく低下する磁界分布を該磁気記録媒体上に生じさせることができる。 【0042】上記磁気記録ヘッドにより磁気記録媒体上に加えられる記録磁界の分布形状を矩形状にしてもよい。 【0043】このように、記録磁界の分布形状が矩形状の磁気記録ヘッドを用いることにより、記録磁界分布の等高線の形状を矩形状にすることができるので、記録可能領域のエッジ形状が矩形状となり、矩形の磁気ビットが記録されることになる。 【0044】これにより、再生領域が矩形状である再生ヘッドにより、磁気記録媒体上に形成された略矩形状の磁気ビットから漏洩する磁界を再生する場合、高密度に磁気ビットを記録する高密度記録した磁気記録媒体における再生信号のSN比を大幅に向上させることができる。 【0045】また、昇温された磁気記録媒体の温度分布が同心円状となる領域に記録可能領域のエッジが位置するようにしてもよい。 【0046】この場合、磁気記録媒体の移動方向と、磁気記録ヘッドとの角度関係に関わらない磁気ビットの記録が行なえる。つまり、ディスク形状の磁気記録媒体を用い、これを回転させる機構と、このディスク状磁気記録媒体の略半径方向に記録再生ヘッドを移動させる機構を有した場合、すなわち、記録再生ヘッドのアクセス位置によって、磁界分布と温度分布のなす角度は一定でない場合であっても、磁気ビットの形状を一定に保ちながら磁気記録媒体に記録することができる。 【0047】上記磁気記録媒体として、保磁力と磁界強度が等しくなる温度範囲内の低温領域側における温度上昇による保磁力の低下率が、該温度範囲内の高温領域側における温度上昇による保磁力の低下率よりも大きい磁性膜を用いてもよい。 【0048】この場合、磁気ビットのトラック両端部を温度分布により終端することを実現しつつ、この両端での磁気ビットのトラック方向端部形状が、磁界分布形状からずれる領域を小さく抑えることができる。また、磁界分布形状に近い、トラック方向中央部におけるトラック方向端部形状を持った磁気ビットを記録することができる。 【0049】本発明の第2の磁気信号記録方法は、上記の課題を解決するために、局所的な昇温により保磁力が変化し、膜面に垂直な磁化容易軸を有する磁気記録媒体を使用し、磁気記録ヘッドとして、上記磁気記録媒体上の保磁力が変化した領域に対して、上記磁気記録媒体の膜面に垂直な成分を有する磁界を生じ、トラック幅よりも広い主磁極幅を有する単磁極ヘッドを使用して任意の情報を記録する磁気信号記録方法において、上記磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記単磁極ヘッドの磁界強度の上記磁気記録媒体膜面に垂直な成分の該単磁極ヘッドの主磁極トラック方向後端での低下率が極大となる位置での磁界強度の上記成分とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置することを特徴としている。 【0050】上記の構成によれば、上記磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記単磁極ヘッドの磁界強度の上記磁気記録媒体膜面に垂直な成分の該単磁極ヘッドの主磁極トラック方向後端での低下率が極大となる位置での磁界強度の上記成分とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置することで、該記録可能領域のエッジ形状が記録磁界分布の等高線の形状に近づくことになる。 【0051】また、単磁極ヘッドの主磁極トラック方向後端において、トラック方向後方位置により、最も大きく垂直磁界強度が低下するため、この位置に、磁気記録媒体膜面に垂直な成分について等しくなる部位の少なくとも一部があることが最も望ましい。 【0052】例えば、磁気記録媒体上の記録磁界の分布形状が矩形状の磁気記録ヘッドを用いることにより、記録磁界分布の等高線の形状を矩形状にすることができるので、記録可能領域のエッジ形状が矩形状となり、矩形の磁気ビットが記録されることになる。 【0053】これにより、再生領域が矩形状である再生ヘッドにより、磁気記録媒体上に形成された略矩形状の磁気ビットから漏洩する磁界を再生する場合、高密度に磁気ビットを記録する高密度記録した磁気記録媒体における再生信号のSN比を大幅に向上させることができる。 【0054】本発明の第3の磁気信号記録方法は、上記の課題を解決するために、局所的な昇温により保磁力が変化し、膜面に垂直な磁化容易軸を有する磁気記録媒体を使用し、磁気記録ヘッドとして、上記磁気記録媒体上の保磁力が変化した領域に対して、上記磁気記録媒体の膜面に垂直な成分を有する磁界を生じ、トラック幅よりも広いリングヘッド記録ギャップ幅を有するリングヘッドを使用して任意の情報を記録する磁気信号記録方法において、上記磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記リングヘッドの磁界強度が上記磁気記録媒体膜面に垂直な成分の該リングヘッド記録ギャップのトラック方向前縁直下近傍の低下率が極大となる位置での磁界強度の上記成分とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置することを特徴としている。 【0055】上記の構成によれば、磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記リングヘッドの磁界強度が上記磁気記録媒体膜面に垂直な成分の該リングヘッド記録ギャップのトラック方向前縁直下近傍の低下率が極大となる位置での磁界強度の上記成分とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置することで、該記録可能領域のエッジの形状が、記録磁界分布の等高線の形状に近づくことになる。 【0056】また、リングヘッドの垂直磁界強度は、リングヘッド記録ギャップのトラック方向前縁直下寄りにて最も大きく低下するため、保磁力と磁界強度とが磁気記録媒体膜面に垂直な成分について等しくなる部位の少なくとも一部が、ここに位置していることが望ましい。 【0057】上記磁気記録媒体膜面に垂直な磁化容易軸を有する磁気記録媒体が、軟磁性層を有してもよい。 【0058】この場合、磁気記録媒体を挟んで単磁極ヘッドまたはリングヘッドと対向する位置に軟磁性層が形成されるようにすれば、磁束が収束するという効果を奏するので、トラック方向位置により、より大きく垂直磁界強度が低下する磁界分布を、該磁気記録媒体上に形成することができる。 【0059】上記磁気記録媒体として、垂直磁気異方性の高い磁気記録媒体を用いてもよい。 【0060】一般に、単磁極ヘッド、リングヘッド両者について、その媒体膜面方向に垂直な磁界強度がトラック方向位置により最も大きく低下する位置近傍において、媒体膜面方向に平行な磁界強度は最大値となるので、磁気記録媒体として、上述したように、垂直磁気異方性の高いものを用いることが望ましい。 【0061】上記磁気記録媒体と上記磁気記録ヘッドとの該磁気記録媒体膜面垂直方向における距離が、該磁気記録ヘッドにより記録される磁気ビットのトラック方向長さよりも小さくなるようにしてもよい。 【0062】この場合、情報記録に関わる磁界強度がトラック方向後方位置によって大きく低下する磁界分布を記録媒体上に生じさせることができる。これにより、磁界強度のトラック方向後方位置における低下率を磁気記録媒体上でさらに大きくすることができる。つまり、記録可能領域のエッジの形状を、記録磁界分布の等高線の形状により近づけることができる。 【0063】上記磁気記録媒体の膜厚を、上記磁気記録ヘッドにより記録される磁気ビットのトラック方向長さより小さくしてもよい。 【0064】この場合、磁気記録媒体の厚さ方向の位置に寄らず、情報記録に関わる磁界強度がトラック方向後方位置によって大きく低下する磁界分布を該磁気記録媒体上に生じさせることができる。 【0065】上記磁気記録ヘッドにより磁気記録媒体上に加えられる記録磁界の分布形状を矩形状にしてもよい。 【0066】このように、記録磁界の分布形状が矩形状の磁気記録ヘッドを用いることにより、記録磁界分布の等高線の形状を矩形状にすることができるので、記録可能領域のエッジ形状が矩形状となり、矩形の磁気ビットが記録されることになる。 【0067】これにより、再生領域が矩形状である再生ヘッドにより、磁気記録媒体上に形成された略矩形状の磁気ビットから漏洩する磁界を再生する場合、高密度に磁気ビットを記録する高密度記録した磁気記録媒体における再生信号のSN比を大幅に向上させることができる。 【0068】また、昇温された磁気記録媒体の温度分布が同心円状となる領域に記録可能領域のエッジが位置するようにしてもよい。 【0069】この場合、磁気記録媒体の移動方向と、磁気記録ヘッドとの角度関係に関わらない磁気ビットの記録が行なえる。つまり、ディスク形状の磁気記録媒体を用い、これを回転させる機構と、このディスク状磁気記録媒体の略半径方向に記録再生ヘッドを移動させる機構を有した場合、すなわち、記録再生ヘッドのアクセス位置によって、磁界分布と温度分布のなす角度は一定でない場合であっても、磁気ビットの形状を一定に保ちながら磁気記録媒体に記録することができる。 【0070】上記磁気記録媒体として、保磁力と磁界強度が等しくなる温度範囲内の低温領域側における温度上昇による保磁力の低下率が、該温度範囲内の高温領域側における温度上昇による保磁力の低下率よりも大きい磁性膜を用いてもよい。 【0071】この場合、磁気ビットのトラック両端部を温度分布により終端することを実現しつつ、この両端での磁気ビットのトラック方向端部形状が、磁界分布形状からずれる領域を小さく抑えることができる。また、磁界分布形状に近い、トラック方向中央部におけるトラック方向端部形状を持った磁気ビットを記録することができる。 【0072】本発明の第4の磁気信号記録方法は、上記の課題を解決するために、局所的な昇温により保磁力が変化し、膜面に平行な磁化容易軸を有する磁気記録媒体を使用し、磁気記録ヘッドとして、上記磁気記録媒体上の保磁力が変化した領域に対して、上記磁気記録媒体の膜面に平行な成分を有する磁界を生じ、トラック幅よりも広いリングヘッド記録ギャップ幅を有するリングヘッドを使用して任意の情報を記録する磁気信号記録方法において、上記磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記リングヘッドの磁界強度の上記磁気記録媒体膜面に平行な成分の該リングヘッド記録ギャップのトラック方向後端の低下率が極大となる磁界強度とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置することを特徴としている。 【0073】上記の構成によれば、磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記リングヘッドの磁界強度の上記磁気記録媒体膜面に平行な成分の該リングヘッド記録ギャップのトラック方向後端の低下率が極大となる磁界強度とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置することで、該記録可能領域のエッジの形状が、記録磁界分布の等高線の形状に近づくことになる。 【0074】これにより、磁気記録媒体上の記録磁界の分布形状が矩形状の磁気記録ヘッドを用いることにより、記録磁界分布の等高線の形状を矩形状にすることができるので、記録可能領域のエッジ形状が矩形状となり、矩形の磁気ビットが記録されることになる。 【0075】これにより、再生領域が矩形状である再生ヘッドにより、磁気記録媒体上に形成された略矩形状の磁気ビットから漏洩する磁界を再生する場合、高密度に磁気ビットを記録する高密度記録した磁気記録媒体における再生信号のSN比を大幅に向上させることができる。 【0076】また、上述のように、磁気記録媒体上の昇温により保磁力が変化した領域において、保磁力とリングヘッドによる磁界強度とが、該磁気記録媒体の膜面方向成分について、等しくなる部位の少なくとも一部が、リングヘッド記録ギャップのトラック方向後端直下に位置することにより、記録に関わる磁界強度が最も大きく低下する領域での記録が行なえる。 【0077】上記の領域おいては、磁界強度の磁気記録媒体膜面に垂直な成分は最大となるめ、上記磁気記録媒体としては、面内磁気異方性の高い磁気記録媒体を用いるのが望ましい。具体的には、コバルトまたは白金のうち、少なくとも一方を含む合金を用いた磁気記録媒体を使用すればよい。 【0078】 【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の一形態について説明すれば以下のようになる。 【0079】尚、本実施の形態では、記録媒体として、膜面垂直方向に磁化容易軸を持つ合金薄膜を磁気記録層とする磁気記録媒体を用い、磁気記録ヘッドとして、略矩形の主磁極を有する単磁極ヘッドを用いる場合について説明する。 【0080】本実施の形態に係る磁気記録再生装置は、図2に示すように、磁気記録媒体11を挟んで単磁極ヘッド21と光学的局所昇温装置31とが対向配置された構成となっている。 【0081】上記磁気記録媒体11は、図中矢印で示すように、膜面平行方向に移動し、記録トラックがこの膜面平行方向に形成される。したがって、本実施の形態では、以下の説明において、膜面平行方向をトラック方向と称し、時間が経過するにつれて磁気記録媒体11が移動していく方向をトラック方向後方と称する。 【0082】また、上記磁気記録再生装置では、単磁極ヘッド21に隣接して、トラック方向前方側に再生ヘッド41が設けられている。この再生ヘッド41は、磁気記録媒体11からの漏洩磁束を検出することによって、磁気記録媒体11上に形成された記録トラックから磁気情報を検出するようになっている。尚、上記再生ヘッド41は、略矩形の磁気情報検出領域を有している。 【0083】上記磁気記録媒体11は、図2に示すように、円盤状の滑らかな支持基板12上に磁気記録層13が積層され、この磁気記録層13上に該磁気記録層13を保護する保護層14が形成され、この保護層14上に該磁気記録媒体11の滑らかな移動を実現させるための潤滑層15が形成された多層構造となっている。 【0084】上記支持基板12は、光学的局所昇温装置31から照射されるレーザ光の殆どを透過する素材で構成されている。このため、磁気記録媒体11は、支持基板12が光学的局所昇温装置31側に、潤滑層15が単磁極ヘッド21側にくるようにセットされる。 【0085】上記磁気記録層13としては、Tb0.2 (Fe0.85Co0.15)0.8 で表わされる組成の垂直磁化膜を用いる。したがって、本実施の形態では、情報の記録は磁気記録媒体11の磁気記録層13にかかる磁界の、膜面に垂直な方向の成分に関してのみ行なわれるものと見なして説明する。以下、磁気記録層13の膜面垂直方向にかかる磁界に対する保磁力を、磁気記録媒体11の保磁力と称する。 【0086】上記磁気記録媒体11の保磁力の温度依存は、従来技術で説明した図17に示されるものと同じである。すなわち、磁気記録媒体11は、キュリー温度が約250℃であり、キュリー温度を離れるに従って、保磁力の増加はその割合を増して行く温度特性を示す。つまり、磁気記録媒体11の保磁力は、温度の低いところでは温度上昇に伴い大きく低下し、キュリー温度に近づくにつれてその低下の割合は小さくなって行くことを示している。 【0087】尚、本実施の形態および以降の実施の形態において、一般的に、磁気記録媒体への記録とは、その磁気記録媒体における磁気記録層への記録を意味するので、以後、特に断りのない限り、磁気記録媒体への記録とは、磁気記録媒体の磁気記録層への記録を指し、磁気記録媒体の磁気的な性質とは、磁気記録媒体における磁気記録層の性質を指すものとする。 【0088】上記単磁極ヘッド21は、磁気記録媒体11との対向面が略矩形状である主磁極22と、この主磁極22に巻回されたコイル23とで構成されている。尚、上記主磁極22と磁気記録媒体11とは、所定の間隔の空隙を隔てて設けられている。 【0089】上記コイル23の両端には、記録ヘッド電流駆動回路51が接続されており、磁気記録媒体11への情報の記録時に該コイル23に電流を流すようになっている。したがって、上記単磁極ヘッド21のコイル23に電流を流すことにより、磁気記録媒体11上に、該コイル23に流された電流の正負に応じた向きの磁界分布を生じさせる。 【0090】尚、単磁極ヘッド21の主磁極22は、少なくともそのトラック方向後端の一辺がトラック方向と直交する角度で配されているものとする。 【0091】本実施の形態では、情報の記録は磁気記録媒体11の磁気記録層13の膜面に垂直な方向に関してのみ行なわれる。特に断らない限り、磁界の膜面方向に垂直な磁界を垂直磁界と称し、この垂直磁界の強度を垂直磁界強度と称する。また、記録磁界とはこの垂直磁界を指すものとする。 【0092】上記垂直磁界の強度分布は、図3に示すようなグラフとなる。つまり、記録磁界の分布形状は、図3に示すようなグラフとなり、この分布形状とは、その磁界強度の等高線の形状を示す。尚、図3に示すグラフにおいて、トラック方向位置の原点を示す0μmの位置は、単磁極ヘッド21の主磁極22のトラック方向中央を示している。また、この図3には、後述する磁界強度低下率を示すグラフも合わせて表示している。 【0093】上記光学的局所昇温装置31は、図2に示すように、レーザ照射装置32と、このレーザ照射装置32から照射されたレーザ光を磁気記録媒体11の磁気記録層13に収束させる凸レンズ等の収束光学系33とで構成されている。すなわち、光学的局所昇温装置31は、磁気記録媒体11の、支持基板12を経由して磁気記録層13にその焦点を結ぶよう、収束光学系33により収束された収束レーザ光を照射することで、光学的に磁気記録層13を局所昇温するようになっている。 【0094】上記の磁気記録層13における昇温領域では、レーザ光の焦点像はほぼ無収差であり、その光強度分布は等強度線がレーザ光の照射中心を中心とする同心円をなす分布となっている。 【0095】尚、本実施の形態では、説明の便宜上、光学的局所昇温装置31の昇温中心は、単磁極ヘッド21の主磁極22のトラック方向後端エッジ直下に位置するものとし、これを中心に略同心円の等温線で表わされる温度分布が磁気記録層13に形成されるものとする。 【0096】上記単磁極ヘッド21の主磁極22は、トラック幅に比べ十分に広い主磁極幅を持ち、実質上、トラック方向直交方向に一様な磁界分布を磁気記録媒体11の磁気記録層13上に生ずるものとする。 【0097】以上の条件より、図1に示すように、磁気記録媒体11における単磁極ヘッド21により生ずる垂直磁界の等磁界強度線群61と、該磁気記録媒体11における光学的局所昇温装置31によって形成された温度分布から求まる、垂直磁界に対する等保磁力線群71とが求まる。この等磁界強度線群61と等保磁力線群71との位置関係は、図4に示すようになる。 【0098】ここで、上記単磁極ヘッド21により磁気記録媒体11の磁気記録層13に磁気記録が行なわれる領域は、垂直磁界強度が、該磁気記録層13の保磁力を上回る領域、すなわち、図4に示すハッチングで囲った領域である。この領域を、以下、記録可能領域81と称する。 【0099】また、従来の技術で説明した場合と同様に、本実施の形態においても、磁気ビットのトラック方向両端の形状は、記録可能領域81のトラック方向後端の形状に一致する。以下、記録可能領域81のトラック方向後端を、記録エッジ82と称する。 【0100】つまり、従来の技術で説明した場合と同様に、磁気ビットは、図5(a)(b)に示すように、磁気記録媒体11がその膜面に平行方向に移動しつつ、同膜面に垂直な2方向の何れかの方向に磁化されることで形成される。尚、図5(a)では、磁気記録媒体11上に、これに固定された仮想マーク91を設けることで、磁気記録媒体11の移動を示している。この仮想マーク91によって示される磁気記録媒体11の移動と共に、図5(b)に示されるように、記録ヘッドである単磁極ヘッド21を構成するコイル23に供給する記録ヘッド駆動電流の極性が、時間経過によって反転することにより、図5(a)に示される形状の磁気ビットが形成される。 【0101】したがって、図5(a)から、記録可能領域81のトラック方向後端の形状、すなわち記録エッジ82の形状が磁気ビット100のトラック方向両端形状となっていることが分かる。 【0102】ここで、図4に示すように、垂直磁界強度が、主磁極直下(トラック方向位置が0μmの位置)から離れるに従い大きく低下するため、従来技術に比して、より記録エッジ82の形状は直線に近い形状となる。すなわち、記録可能領域81のエッジである記録エッジ82を、垂直磁界強度(記録磁界強度)の低下率が極大となる部位に位置させることで、該記録エッジ82の形状が、記録磁界分布の等高線の形状に近づくことになる。 【0103】また、単磁極ヘッド21は、磁気記録媒体11との対向面が略矩形状である主磁極22を有しているので、上記記録磁界分布の等高線の形状は矩形状となる。これにより、記録された磁気ビット形状は従来技術より矩形に近く、ビット方向に高密度の記録を行った場合でも、矩形の再生領域を持つ再生ヘッド41でよりSN比の高い再生信号を得ることができる。 【0104】磁気記録媒体11の磁気記録層13に、単磁極ヘッド21により生ずる垂直磁界強度がトラック方向位置により低下する割合(低下率)と記録エッジ82の形状との関係を示したのが、図6(a)(b)である。図6(a)は、等保磁力線群71における等保磁力線間隔が広い状態、すなわちトラック方向位置により垂直磁界強度の低下率が小さい状態を示し、図6(b)は、等保磁力線群71における等保磁力線間隔が狭い状態、すなわちトラック方向位置により垂直磁界強度の低下率が大きい状態を示している。 【0105】したがって、図6(b)に示すトラック方向位置により垂直磁界強度の低下率が大きい方の記録エッジ82bの方が、図6(a)に示すトラック方向位置により垂直磁界強度の低下率が小さい方の記録エッジ82aよりも、図6(c)に示すように、より直線に近い形状となっており、より矩形に近い形状の磁気ビットで情報の記録を行なうことができる。 【0106】したがって、より矩形に近い形状の磁気ビットを記録するには、垂直磁界強度の低下率が、トラック方向位置により、より大きく低下することが望ましい。 【0107】このためには、単磁極ヘッド21と磁気記録媒体11の、この膜面に垂直な方向の距離、すなわちマグネティックスペーシングを小さくすることが有効である。 【0108】カルキストの理論から、単磁極ヘッド21の主磁極22の中心直下を0とするトラック方向位置をx、マグネティックスペーシングをsp、単磁極ヘッドのトラック方向主磁極長さをgpとおくと、垂直磁界強度Hp(x,gp,sp) は、H0を定数、変数αの逆正接関数をarctan( α) [rad] として、Hp(x,gp,sp)=(arctan((gp/2+x)/sp)+arctan((gp/2-x)/sp))*H0で表される。本発明者の計算によれば、0<gp [μm]、0<sp [μm]の間で、垂直磁界強度は、その主磁極トラック方向後端から距離sp移動することで半分以下に減少する。すなわち、Hp(gp/2+sp,gp,sp)/Hp(gp/2,gp,sp)>0.5 (gp>0,sp>0)である。 【0109】故に、記録エッジ82が上述の垂直磁界強度が半減する領域に存在する場合、最短の磁気ビットに関しても、その中央付近において、トラック方向前後の磁気ビットと、トラック幅方向に信号が輻輳しない条件として、マグネティックスペーシングはこの最短の磁気ビット長より小さいことが必要でることが分かる。 【0110】また、磁気記録媒体11の下面では、上面に比べてマグネティックスペーシングが大きいことから、磁気記録媒体11の磁気記録層13の膜厚は薄いことが望ましい。これは、上述のマグネティックスペーシングの計算がそのまま当てはまる。例えば、磁気記録媒体11の上面が単磁極ヘッド21における主磁極22に密着している場合、磁気記録媒体11の下面においても上述の条件を満たすには、磁気記録媒体11の膜厚が、所望の最短磁気ビット長よりも小さいことが必要となる。 【0111】また、磁気記録媒体11を挟んで単磁極ヘッド21の主磁極22に対向する位置に軟磁性層を配することも有効である。 【0112】また、単磁極ヘッド21の主磁極22におけるトラック方向長さを短くすることも有効である。 【0113】尚、説明の便宜上、光学的局所昇温装置31の昇温中心は、単磁極ヘッド21の主磁極22のトラック方向後端エッジ直下に位置するとし、垂直磁界強度は距離に比例して低下するとしたが、記録エッジ82が、垂直磁界強度がトラック方向位置により大きく低下する領域に位置していれば、該記録エッジ82の形状が、記録磁界分布の等高線の形状に近づくことになるので、磁界記録分布の等高線の形状が矩形状であれば、矩形に近い磁気ビットが記録される。よって、本実施の形態に用いた、温度分布、保磁力分布、垂直磁界強度分布に関してはこの限りではない。何れの条件が本実施の形態と異なっても、本実施の形態に示した方法、すなわち垂直磁界強度と保磁力の分布の比較によって記録エッジ82の形状を決定できるので、再生ヘッド41での再生に有利な磁気ビット形状を得る条件を検討することが出来る。 【0114】また、実施の形態においては、等保磁力線が同心円であることを想定しているので、磁気記録媒体11の移動方向と、単磁極ヘッド21における主磁極22のトラック方向後端辺が直交しない場合においても、磁気ビットの形状は殆ど変わらない。 【0115】ところが、実際には、磁気記録媒体11はある線速度を持って移動しているので、磁気記録媒体11上の温度分布は、トラック方向後方に行くに従って拡散する。磁気記録媒体11の線速度が10m/秒である場合の、本発明者の実験環境での模範的な温度分布を示したのが図7である。 【0116】この図7から、昇温中心(トラック方向位置の0μmの位置)から0.5μm程度の距離の領域では温度分布は同心円状であることが分かる。すなわち、この領域で記録する場合には、記録媒体の移動方向と、単磁極ヘッド21における主磁極22のトラック方向後端辺が直交しない場合においても、磁気ビットの形状は殆ど変化しないことが分かる。 【0117】温度分布が同心円状であるためには、同心円状の光強度分布を持つレーザ照射装置32を搭載した光学的局所昇温装置31を用いることが望ましい。また、レーザ光を間欠照射することによっても温度分布をより同心円状に近づけることができる。 【0118】また、トラック両端部は、主に温度降下による保磁力上昇によって終端されると考えられることから、この領域、すなわち温度が低い領域では保磁力は温度の降下に伴い大きく上昇することが望ましい。 【0119】また、全般に、保磁力変化は小さい方が、記録エッジ82はより直線に近づく。よって、上記トラック両端部を除く部分、すなわち温度が高い領域では保磁力は、温度の上昇に伴う低下の割合が小さいことが望ましい。 【0120】本実施の形態においては、概してトラック両端の温度が最も低いので、上記の2つの条件を両立させることが出来る。 【0121】これらの例証として、保磁力の、磁気記録媒体の温度上昇による低下が、低温領域で大きく、高温領域で小さい磁気記録媒体Aと、低温領域で小さく、高温領域で大きい磁気記録媒体Bにおける記録エッジ形状の違いを図8に示す。図8において、磁気記録媒体Aの保磁力の温度依存性は曲線101、磁気記録媒体Bの保磁力の温度依存は曲線102である。 【0122】磁気記録媒体AおよびBは、温度分布、垂直磁界強度分布は同じであるが、図9に示すように、磁気記録媒体Aにおける記録エッジ82Aは、磁気記録媒体Bにおける記録エッジ82Bに比べて、トラックに垂直な直線に近い形状となっていることが分かる。 【0123】尚、上記単磁極ヘッド21の垂直磁界強度が大きく低下する位置近傍にて、磁気記録媒体11の膜面に平行方向に生ずる磁界の強度は最大となるので、安定した記録を行うために、磁気記録媒体11における、この膜面に垂直方向の磁気異方性は大きい方がよい。 【0124】また、磁気記録媒体11の組成、構成については、本願では本発明者の研究環境における装置にて模範的な媒体を作成した場合の数値を述べたが、本願の発明を実現する媒体の構造、材料、組成比に関してはこの限りではない。例えばCo/Pt 積層の人工格子膜等も高い垂直磁気異方性を示す垂直磁化膜であるため、本願の発明を実現することができる。この場合、保磁力、キュリー温度、熱伝導率、体積比熱等の違いに応じて、レーザパワー、磁気記録媒体の膜厚、等は当然変更される。 【0125】また、当然、磁気記録媒体11の保磁力、単磁極ヘッド21の磁気記録媒体11に生ずる磁界強度、分布等に関してはここに示した限りではない。 【0126】また、光学的局所昇温装置31は磁気記録媒体11を挟んで単磁極ヘッド21と対向するものとしたが、磁気記録媒体11に対して同一方向に配し、磁気記録媒体11膜面に直接収束レーザ光を照射する方法も可である。この場合は当然、支持基板12の材料は、このレーザ光を透過する材料である必要はない。 【0127】また、光学的局所昇温装置31により形成される温度分布は略同心円状であるとしたが、異なる記録アドレスへのアクセス時にも、単磁極ヘッド21の主磁極22の後端辺と磁気記録媒体11の線速度のなす角度が一定である場合、もしくはこれが一定でなくても信号処理上問題のない場合はこの限りではない。 【0128】尚、単磁極ヘッドの形状が矩形でなく、これに伴い磁界印加領域の形状が矩形でない場合についても、上記磁界印加領域からの距離に応じて大きく磁界強度が低下すれば、より上記磁界印加領域後端に近い形状のトラック方向両端部形状を持つ磁気ビットが記録される。また、略同心円の等保磁力線で表される保磁力分布を持つなら、記録媒体の移動方向と、単磁極ヘッド角度関係が変化しても、磁気ビットの形状はやはり殆ど変わらない。故に、磁界印加領域後端形状に近い形状の磁化情報検出領域を持つ再生ヘッドを用いればよい。 【0129】以上いずれの場合にせよ、本装置を実現するのに必要な磁界分布形状は、再生時の磁気記録媒体11の各部位における再生信号への寄与を含めた上で、用いる再生信号処理の性能に応じて決定される。 【0130】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。 【0131】尚、本実施の形態では、磁気記録ヘッドとして、略矩形の記録ギャップを有するリングヘッドを用いる場合について説明する。また、説明の便宜上、前記実施の形態1と同様の機能を有する部材には同一の符号を付記し、その説明は省略する。 【0132】本実施の形態にかかる磁気記録再生装置は、前記実施の形態1の磁気記録再生装置に備えられた単磁極ヘッド21の代わりに、図11に示すように、リングヘッド121を備えた構成となっている。 【0133】すなわち、上記磁気記録再生装置は、図11に示すように、磁気記録媒体11を挟んで、リングヘッド121と光学的局所昇温装置31とが対向して配され、上記磁気記録媒体11は、その膜面平行方向に移動するようになっている。記録トラックは、磁気記録媒体11の移動方向に形成されていくため、以後、これをトラック方向と呼び、時間が経過するにつれて磁気記録媒体11が移動していく方向をトラック方向後方と称する。 【0134】再生ヘッド41は、前記実施の形態1で説明したように、磁気記録媒体11からの漏洩磁束を検出することによって、該磁気記録媒体11上に形成された記録トラックから磁気情報を検出するようになっている。尚、再生ヘッド41は、略矩形の磁化情報検出領域を有し、リングヘッド121と定まった位置関係に配されている。 【0135】磁気記録媒体11は、前記実施の形態1と同様の磁気記録媒体11を用いる。すなわち、本実施の形態では、記録は磁気記録媒体11の膜面にかかる磁界の、この膜面に垂直な成分に関してのみ行われるとし、以後、磁気記録媒体11の、膜面垂直方向にかかる磁界に対する保磁力を、磁気記録媒体11の保磁力と称する。 【0136】上記リングヘッド121は、磁芯122、該磁芯122に巻回されたコイル123からなっている。そして、上記コイル123の両端には、記録ヘッド電流駆動回路151が接続されており、磁気記録媒体11への情報の記録時に該コイル123に電流を流すようになっている。 【0137】上記磁芯122は、形状が略矩形である記録ギャップ124を有する。この記録ギャップ124により、磁気記録媒体11上に、コイル123に流す電流の正負に応じた向きの磁界分布を生じる。尚、リングヘッド121は、少なくともその記録ギャップ124のトラック方向前縁辺がトラック方向と直交する角度で配されているものとする。 【0138】本実施の形態では、情報の記録は磁気記録媒体11の膜面に垂直な方向に関してのみ行われるので、以後改めて記述しない限り、リングヘッド121によって磁気記録媒体11に生ずる磁界の、膜面方向に垂直な磁界を垂直磁界、垂直磁界の強度を垂直磁界強度と称する。 【0139】垂直磁界は、図12に示される強度で分布しているものとする。尚、この場合のトラック方向位置原点は、リングヘッド121の記録ギャップ124の、トラック方向中央である。 【0140】光学的局所昇温装置31は、前記実施の形態1と同様に、磁気記録媒体11の磁気記録層13に対して、支持基板12を経由してその焦点を結ぶ、収束レーザ光であるコヒーレント光34を照射することで、光学的に磁気記録層13を局所昇温する。 【0141】その焦点像は、ほぼ無収差で、光強度分布は、その等強度線が、照射中心をその中心とする同心円をなす分布となっている。 【0142】尚、説明の便宜上、光学的局所昇温装置31の昇温中心は、リングヘッド121の記録ギャップ124のトラック方向前縁に位置するものとし、これを中心に略同心円の等温線で表される温度分布が磁気記録媒体11の磁気記録層13に形成されるものとする。 【0143】上記リングヘッド121の記録ギャップ124は、トラック幅に比べ十分に広いギャップ幅を持ち、実質上、トラック方向直交方向に一様な磁界分布を磁気記録媒体11の磁気記録層13上に生ずるものとする。 【0144】以上の条件より、図10に示すように、磁気記録媒体11における単磁極ヘッド21により生ずる垂直磁界の等磁界強度線群161と、該磁気記録媒体11における光学的局所昇温装置31によって形成された温度分布から求まる、垂直磁界に対する等保磁力線群71とが求まる。この等磁界強度線群161と等保磁力線群171と位置関係は、図13に示すようになる。 【0145】ここで、上記リングヘッド121により磁気記録媒体11の磁気記録層13に磁気記録が行なわれる領域は、垂直磁界強度が、該磁気記録層13の保磁力を上回る領域、すなわち、図13に示すハッチングで囲った領域である。この領域を、以下、記録可能領域181と称する。 【0146】また、従来の技術で説明した場合と同様に、本実施の形態においても、磁気ビットのトラック方向両端の形状は、記録可能領域181のトラック方向後端の形状に一致する。以下、記録可能領域181のトラック方向後端を、記録エッジ182と称する。 【0147】ここで、図13に示すように、垂直磁界強度が、主磁極直下(トラック方向位置が0μmの位置)から離れるに従い大きく低下するため、従来技術に比して、より記録エッジ182の形状は直線に近い形状となる。すなわち、記録可能領域181のエッジである記録エッジ182を、垂直磁界強度(記録磁界強度)の低下率が極大となる部位に位置させることで、該記録エッジ182の形状が、記録磁界分布の等高線の形状に近づくことになる。 【0148】また、リングヘッド121の磁芯122は、形状が略矩形である記録ギャップ124を有しているので、上記記録磁界分布の等高線の形状は矩形状となる。これにより記録された磁気ビット形状は従来技術より矩形に近くなり、ビット方向に高密度の記録を行った場合でも、矩形の再生領域を持つ再生ヘッド41でよりSN比の高い再生信号を得ることができる。 【0149】磁気記録媒体11の磁気記録層13に、リングヘッド121により生ずる垂直磁界強度がトラック方向位置により大きく低下する場合も、前記実施の形態1と同様である。すなわち、垂直磁界強度が位置により大きく低下すれば、記録エッジ182は、より直線に近い形状となり、磁気記録媒体11に記録される磁気ビットの形状はより、矩形に近づく。 【0150】したがって、本実施の形態においても、より矩形に近い形状の磁気ビットを記録するには、垂直磁界強度が、位置により、大きく低下することが望ましい。 【0151】このために、前記実施の形態1と同様に、リングヘッド121と磁気記録媒体11の磁気記録層13の膜面に垂直な方向の距離、すなわちマグネティックスペースシングを小さくすることが有効である。また、磁気記録層13の膜厚に関しても同様に、薄いことが望ましい。 【0152】また、磁気記録媒体11を挟んでリングヘッド121の記録ギャップ124に対向する位置に軟磁性層を配することも有効である。 【0153】また、リングヘッド121の記録ギャップ124におけるトラック方向長さを短くすることも有効である。但し、図12に示すように、垂直磁界強度はリングヘッド121の記録ギャップ124の略中央(トラック方向位置が0μmの位置)を境に再び増加するので、この境界以後では、磁気記録媒体11の磁気記録層13の保磁力が垂直磁界強度よりも大きいことが必要となる。これが満たされない場合、すなわち、磁気記録媒体11の磁気記録層13の保磁力が垂直磁界強度よりも小さい場合、図14に示すような記録可能領域(図中のハッチングで示した領域)の形状となる。 【0154】したがって、図14に示すような記録可能領域では、図15に示すように、記録エッジが直線からほど遠い形状となることが分かる。 【0155】これにより、磁気記録媒体11上には、前記実施の形態1の図5で示した工程と同様に、図16(a)(b)に示す工程により磁気ビットが形成される。この場合、ビットの形状が矩形でないのに加えて、同一の情報を記録した磁気ビットがその内部で磁化反転してしまうので、さらに信号品質が悪化することになる。 【0156】尚、本実施の形態では、説明の便宜上、光学的局所昇温装置31の、昇温中心はリングヘッド121の記録ギャップ124のトラック方向前縁に位置するとし、垂直磁界強度は、図13に示される分布としたが、記録エッジ182が、垂直磁界強度がトラック方向位置により大きく低下する領域に位置していれば、該記録エッジ182の形状が、記録磁界分布の等高線の形状に近づくことになるので、磁界記録分布の等高線の形状が矩形状であれば、矩形に近い形状の磁気ビットが記録される。よって、本実施の形態に用いた、温度分布、保磁力分布、垂直磁界強度分布に関してはこの限りではない。何れの条件が本実施の形態と異なっても、本実施の形態に示した方法、すなわち垂直磁界強度と保磁力の分布の比較によって記録エッジ182の形状を決定できるので、再生ヘッドでの再生に有利な磁気ビット形状を得る条件を検討することが出来る。 【0157】また、本実施の形態においても、前記実施の形態1と同様に、等保磁力線が略同心円であるので、記録媒体の移動方向と、リングヘッド121の記録ギャップ124の前縁辺が直交しない場合においても、磁気ビットの形状は殆ど変わらない。 【0158】より媒体の線速度が大きい場合にも温度分布が同心円状であるためには、同心円状の光強度分布を持つ光学的局所昇温装置を用い、収束レーザ光を間欠照射するのが望ましいことも同様である。 【0159】また、トラック両端部は、主に温度降下による保磁力上昇によって終端されることから、この領域、すなわち温度が低い領域では保磁力は温度の降下に伴い大きく上昇することが望ましい。 【0160】また、保磁力変化は小さい方が、記録エッジ182はより直線に近づく。よって上記トラック両端部を除く部分、すなわち温度が高い領域では保磁力は、温度の上昇に伴う低下の割合が小さいことが望ましい。 【0161】さらに、記録ギャップ124のトラック方向後半において、垂直磁界強度が再び増加に転じることからも、温度が低い領域の保磁力が、温度降下に伴い大きく上昇することが望ましい。 【0162】本実施の形態においても、前記実施の形態1と同様、トラック両端の温度は概してトラック中央部より低いので、上記条件を両立させることが出来る。 【0163】上記リングヘッド121の垂直磁界強度が大きく低下する位置近傍にて、磁気記録媒体11の磁気記録層13の膜面に平行方向に生ずる磁界の強度は最大となるので、安定した記録を行うために、磁気記録媒体11における、この膜面に垂直方向の磁気異方性は大きい方がよい。 【0164】また、磁気記録媒体11の組成、構成については、本願では本発明者の研究環境における装置にて模範的な媒体を作成した場合の数値を述べたが、本願の発明を実現する媒体の構造、材料、組成比に関してはこの限りではない。例えばCo/Pt 積層の人工格子膜等も高い垂直磁気異方性を示す垂直磁化膜であるため、本願の発明を実現することができる。この場合、保磁力、キュリー温度、熱伝導率、体積比熱等の違いに応じて、レーザパワー、磁気記録媒体の膜厚等は当然変更される。 【0165】また、当然、磁気記録媒体11の保磁力、リングヘッド121の磁気記録媒体11に生ずる磁界強度、分布等に関してはここに示した限りではない。 【0166】また、光学的局所昇温装置31は磁気記録媒体11を挟んでリングヘッド121と対向するものとしたが、磁気記録媒体11に対してこれと同一方向に配し、磁気記録媒体11の磁気記録層13の膜面に直接収束レーザ光を照射する方法も可である。この場合、磁気記録媒体11を構成する支持基板12はこのレーザ光を透過する材料である必要はない。 【0167】また、光学的局所昇温装置31により形成される温度分布は略同心円状であるとしたが、異なる記録アドレスへのアクセス時にも、リングヘッド121の記録ギャップ124のトラック方向前縁辺と磁気記録媒体11の線速度のなす角度が一定である場合、もしくはこれが一定でなくても信号処理上問題のない場合はこの限りではない。 【0168】尚、リングヘッドの記録ギャップ形状が矩形でなく、これに伴い磁界印加領域形状が矩形でない場合についても、上記磁界印加領域からの距離に応じて大きく垂直磁界強度が低下すれば、より上記磁界印加領域後端に近い形状のトラック方向両端部形状を持つ磁気ビットが記録される。また、略同心円状の等保磁力線で表される保磁力分布を持つなら、記録媒体の移動方向と、リングヘッドの角度関係が変化しても、磁気ビットの形状はやはり殆ど変化しない。よって、上記磁界印加領域後端形状に近い形状の再生ヘッドを用いればよい。 【0169】以上いずれの場合にせよ、必要な磁界分布形状は、再生時の磁気記録媒体11の各部位における再生信号への寄与を含めた上で、用いる再生信号処理の性能に応じて決定される。 【0170】〔実施の形態3〕本発明のさらに他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。 【0171】尚、本実施の形態では、記録媒体として、膜面平行方向に磁化容易軸を持つ合金薄膜を磁気記録層とする磁気記録媒体を用い、磁気記録ヘッドとして、略矩形の記録ギャップを有するリングヘッドを用いる場合について説明する。また、前記実施の形態1および2と同一機能を有する部材については、同一符号を付記し、その説明は省略する。 【0172】本実施の形態で使用される磁気記録媒体は、Tb0.2 (Fe0.85Co0.15)0.8 で表される組成の面内磁化膜を有している。この面内磁化膜を磁気記録層とし、前記実施の形態1および2と同様の構造をした磁気記録媒体が用いられる。すなわち、図11に示すように、円盤状の平滑な支持基板12上に上述の組成の面内磁化膜からなる磁気記録層113を配し、この上に保護層14、さらにその上に潤滑層15を配した磁気記録媒体111が使用される。上記支持基板12は、後述の光学的局所昇温装置31の用いるレーザ光はその殆どを透過する。 【0173】本実施の形態では、記録は磁気記録媒体111の膜面にかかる磁界の、これに平行な成分に関してのみ行われるとし、以後、磁気記録媒体111の、膜面平行方向にかかる磁界に対する保磁力を、該磁気記録媒体111の保磁力と称する。 【0174】この磁気記録媒体111の保磁力の温度依存は、図17に示すものと同一である。すなわち、キュリー温度が約250℃であり、キュリー温度を離れるに従って、保磁力の増加はその割合を増していく。つまり、この媒体の保磁力は、温度の低いところでは温度上昇に伴い大きく低下し、キュリー温度に近づくに従ってその低下の割合は小さくなっていく。 【0175】本実施の形態における磁気記録再生装置は、前記実施の形態2で説明した磁気記録再生装置と同様であるので、その詳細な説明は省略する。 【0176】すなわち、磁気記録再生装置は、図11に示すように、磁気記録媒体111を挟んで、リングヘッド121と光学的局所昇温装置31とが対向配置されている。磁気記録媒体111は、その膜面平行方向に移動する。記録トラックはこの方向に形成されていくため、以後、これをトラック方向と称し、時間が経過するにつれて磁気記録媒体111が移動していく方向をトラック方向後方と称する。 【0177】再生ヘッド41は、前記実施の形態2と同様に、磁気記録媒体111からの漏洩磁束を検出すうることにより、磁気記録媒体111上に形成された記録トラックから磁気情報を検出するようになっている。尚、再生ヘッド41は、略矩形の磁化情報検出領域を有する。 【0178】本実施の形態で使用するリングヘッド121は、磁芯122、それに巻回されたコイル123からなり、磁芯122は形状が略矩形である記録ギャップ124を有している。この記録ギャップ124により、磁気記録媒体111の磁気記録層113上に、コイル123に流す電流の正負に応じた向きの磁界分布を生じる。尚、リングヘッド121は、少なくともその記録ギャップ124のトラック方向後端辺がトラック方向と直交する角度で配されているものとする。 【0179】本実施の形態では、磁気記録媒体111の磁気記録層113として、面内磁化容易膜を使用しているので、記録は磁気記録媒体111の膜面に平行な方向に関してのみ行われる。よって、改めて記述しない限り、リングヘッド121によって磁気記録媒体111に生ずる磁界の、膜面に平行な成分を有する磁界を平行磁界、平行磁界の強度を平行磁界強度と称して説明する。 【0180】上記平行磁界は、前記実施の形態1における単磁極ヘッド21の垂直磁界と同じように図3に示す強度で分布している。尚、この場合のトラック方向位置原点(トラック方向位置が0μmで示される位置)は、リングヘッド121の記録ギャップ124の、トラック方向中央である。 【0181】光学的局所昇温装置31は、磁気記録媒体111の磁気記録層113に対して、支持基板12を経由してその焦点を結ぶ、収束レーザ光を照射することで、光学的に該磁気記録層113を局所昇温するようになっている。このとき、磁気記録層113に形成される焦点像はほぼ無収差で、光強度分布は、その等強度線が、照射中心をその中心とする同心円をなす分布となっている。 【0182】本実施の形態では、説明の便宜上、光学的局所昇温装置31の昇温中心は、リングヘッド121の記録ギャップ124のトラック方向後縁に位置するものとし、これを中心に略同心円の等温線で表される温度分布が磁気記録媒体111に形成されるものとする。 【0183】リングヘッド121の記録ギャップ124は、トラック幅に比べ十分に広いギャップ幅を持ち、実質上、トラック方向直交方向に一様な磁界分布を磁気記録媒体111上に生ずるものとする。 【0184】以上の条件より決まる磁気記録媒体111における、リングヘッド121より生ずる平行磁界の等磁界強度線群261と、光学的局所昇温装置31によって形成された温度分布から求まる平行磁界に対する等保磁力線群271との位置関係が、前記実施の形態1で示した図4と同じ状態となる。 【0185】リングヘッド121により、磁気記録媒体111に磁気記録が行われる領域は、平行磁界強度が、この媒体の保磁力を上回る領域、すなわち図4に示す領域(ハッチング領域)である。この領域を、以下、記録可能領域281と称する。 【0186】従来技術同様、本実施の形態においても、磁気ビットのトラック方向両端の形状は、記録可能領域281のトラック方向後端の形状に一致する。この記録可能領域281のトラック方向後端の形状を、以下、記録エッジ282と称する。 【0187】ここでも、前記実施の形態1と同じく、平行磁界強度が、記録ギャップ124のトラック方向後縁直下から離れるに従い大きく低下するため、従来技術に比して、記録エッジ282は、より直線に近い形状となる。すなわち、記録可能領域281のエッジである記録エッジ282を、平行磁界強度(記録磁界強度)の低下率が極大となる部位に位置させることで、該記録エッジ282の形状が、記録磁界分布の等高線の形状に近づくことになる。 【0188】また、リングヘッド121の磁芯122は、形状が略矩形である記録ギャップ124を有しているので、上記記録磁界分布の等高線の形状は矩形状となる。これにより記録されたビット形状は、従来技術より矩形に近く、ビット方向に高密度の記録を行った場合でも、矩形の再生領域を持つ再生ヘッド41でよりSN比の高い再生信号が得られる。 【0189】磁気記録媒体111にリングヘッド121により生ずる平行磁界強度が、位置により、より大きく低下する場合、記録エッジ282はより直線に近い形状となる。故に、磁気記録媒体111に記録される磁気ビットの形状は、より略矩形に近い。 【0190】従って、本実施の形態において、より略矩形に近い形状の磁気ビットを記録するには、平行磁界強度が、位置により、より大きく低下することが望ましい。 【0191】このためには、前記実施の形態2と同様に、リングヘッド121と磁気記録媒体111の、この膜面に垂直な方向の距離、すなわちマグネティックスペーシングを小さくすることが有効である。また、磁気記録媒体111の磁気記録層113の膜厚に関しても同様に、薄いことが望ましい。 【0192】磁気記録媒体上における、ある記録ギャップ長さを持つリングヘッドの平行磁界分布は、この記録ギャップ長さと等しい主磁極長さを持つ単磁極ヘッドの垂直磁界分布と等しい。故に、スペーシングの影響については、前記実施の形態1において、垂直磁界を平行磁界と読み替えたもので記述できる。このため、マグネティックスペーシングと、磁気記録媒体の膜厚とについて、所望の最短磁気ビット長より小さいことが望ましい。 【0193】また、リングヘッド121の記録ギャップ124におけるトラック方向長さを短くすることも有効である。 【0194】尚、本実施の形態では、説明の便宜上、光学的局所昇温装置31の昇温中心はリングヘッド121の記録ギャップ124のトラック方向後縁に位置するとし、平行磁界強度は、図4に示される分布であるとしたが、記録エッジ282が、平行磁界強度がトラック方向位置により大きく低下する領域に位置していれば、該記録エッジ282の形状が、記録磁界分布の等高線の形状に近づくことになるので、磁界記録分布の等高線の形状が矩形状であれば、矩形に近い磁気ビットが記録される。よって、本実施の形態に用いた、温度分布、保磁力分布、平行磁界強度分布に関してはこの限りではない。何れの条件が本実施の形態と異なっても、本実施の形態に示した方法、すなわち平行磁界強度と保磁力の分布の比較によって記録エッジ282の形状を決定できるので、再生ヘッドでの再生に有利な磁気ビット形状を得る条件を検討することが出来る。 【0195】また、本実施の形態においても、前記実施の形態2と同様に、等保磁力線が同心円状であるので、記録媒体の移動方向と、リングヘッド121の記録ギャップ124のトラック方向後端辺が直交しない場合においても、磁気ビットの形状は殆ど変わらない。 【0196】より媒体の線速度が大きい場合にも温度分布が同心円状であるためには、同心円状の光強度分布を持つ光学的局所昇温装置を用い、収束レーザ光を間欠照射するのが望ましいことも、前記実施の形態1および2と同様である。 【0197】また、本実施の形態においても、前記実施の形態1および2と同様に、トラック両端部は、主に温度降下による保磁力上昇によって終端されることから、この領域、すなわち温度が低い領域では保磁力は温度の降下に伴い大きく上昇することが望ましい。 【0198】また、全般に、保磁力変化は小さい方が、記録エッジ282はより直線に近づく。よって上記トラック両端部を除く部分、すなわち温度が高い領域では保磁力は、温度の上昇に伴う低下の割合が小さいことが望ましいことも前記実施の形態1および2と同様である。 【0199】本実施の形態においても、前記実施の形態1および2と同様に、概してトラック両端付近の温度が最も低いので、上記2条件は両立させることが出来る。 【0200】上記リングヘッド121の平行方向磁界強度が大きく低下する位置近傍にて、磁気記録媒体111の磁気記録層113の膜面に垂直方向に生ずる磁界の強度は最大となるので、安定した記録を行うために、磁気記録媒体111における磁気記録層113の膜面に平行方向の磁気異方性は大きい方がよい。 【0201】また、本願では本発明者の研究環境における装置にて模範的な媒体を作成した場合の数値を述べたが、本願の発明を実現する媒体の構造、材料、組成比に関してはこの限りではない。 【0202】例えば、磁気記録媒体として、キュリー温度が低いため比較的光アシスト記録が容易である点を重視して磁気記録媒体111の磁気記録層113の材料を選択したが、磁気記録層113の膜面平行方向の磁気異方性を重視して、コバルト、クロム、白金等を含む合金薄膜を用いても、本願の発明を実現することができる。この場合、保磁力、キュリー温度、熱伝導率、体積比熱等の違いに応じて、レーザパワー、磁気記録媒体の膜厚等は当然変更される。 【0203】また、当然、磁気記録媒体111の磁気記録層113の保磁力、リングヘッド121の磁気記録媒体111に生ずる磁界強度、分布等に関してはここに示した限りではない。 【0204】また、光学的局所昇温装置31は磁気記録媒体111を挟んでリングヘッド121と対向するものとしたが、磁気記録媒体111に対してこれと同一方向に配し、磁気記録媒体111の磁気記録層113の膜面に直接収束レーザ光を照射する方法も可である。この場合、当然、磁気記録媒体111を構成する支持基板12は、このレーザ光を透過する材料である必要はない。 【0205】また、光学的局所昇温装置31により形成される温度分布は略同心円状であるとしたが、異なる記録アドレスへのアクセス時にも、リングヘッド121の記録ギャップ124のトラック方向後縁辺と磁気記録媒体111の線速度のなす角度が一定である場合、もしくはこれが一定でなくても信号処理上問題のない場合はこの限りではない。 【0206】尚、リングヘッドの記録ギャップ形状が矩形でなく、これに伴い磁界印加領域形状が矩形でない場合についても、上記磁界印加領域からの距離に応じて大きく平行磁界強度が低下すれば、より上記磁界印加領域後端に近い形状のトラック方向両端部形状を持つ磁気ビットが記録される。また、略同心円の等保磁力線で表される保磁力分布を持つなら、記録媒体の移動方向と、リングヘッドとの角度関係が変化しても、磁気ビットの形状はやはり殆ど変化しない。よって、上記磁界印加領域後端形状に近い形状の再生ヘッドを用いればよい。 【0207】以上いずれの場合にせよ、必要な磁界分布形状は、再生時の磁気記録媒体111の各部位における再生信号への寄与を含めた上で、用いる再生信号処理の性能に応じて決定される。 【0208】本発明に記載の磁気信号記録方法は、保磁力が温度により変化する磁気記録媒体と、磁気記録媒体を局所的に昇温させる局所昇温手段と、上記磁気記録媒体上に、情報記録に関わる磁界強度がトラック方向位置によって大きく低下する磁界分布を生ずる磁気記録ヘッドを用いて、局所昇温手段により保磁力が変化した磁気記録媒体上の領域に対して、上記磁気記録ヘッドからの磁界を用いて任意の情報を記録することを特徴とする。 【0209】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、磁気記録媒体上の、局所昇温手段により保磁力が変化した領域内の保磁力と磁界強度が等しくなる部位において、少なくともトラック方向後端部で、情報記録に関わる磁界強度がトラック方向後方位置によって大きく低下することを特徴とする。 【0210】これにより、磁気記録ヘッドのトラック方向後端形状に類似したトラック方向エッジ形状を有する磁気ビットを記録することが出来る。 【0211】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、磁気記録媒体と、磁気記録ヘッドの、磁気記録媒体膜面垂直方向の距離が、磁気記録ヘッドにより記録される磁気ビットのトラック方向長さより小さいことを特徴とする。 【0212】これにより、情報記録に関わる磁界強度がトラック方向後方位置によって大きく低下する磁界分布を磁気記録媒体に生ずることが出来る。 【0213】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、磁気記録媒体膜厚が、磁気記録ヘッドにより記録される磁気ビットのトラック方向長さより小さいことを特徴とする。 【0214】これにより、磁気記録媒体の厚さ方向の位置に寄らず、情報記録に関わる磁界強度がトラック方向後方位置によって大きく低下する磁界分布を生ずることが出来る。 【0215】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、磁気記録ヘッドによる磁界印加領域が矩形であることを特徴とする。 【0216】これにより、一般的に用いられている矩形の磁化情報検出領域を有する再生ヘッドでの再生に適した形状の磁気ビットを記録することが出来る。 【0217】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、局所昇温手段により昇温された記録媒体上の温度分布が、同心円状となる領域において記録を行うことを特徴とする。 【0218】これにより、磁気記録媒体の移動方向と、磁気記録ヘッドとの角度関係に関わらない、磁気ビットの記録が行える。 【0219】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、局所昇温手段における局所昇温方法として、間欠的に局所昇温を行うことを特徴とする。 【0220】これにより、媒体の線速度が大きい場合においても、略同心円状の温度分布を磁気記録媒体上に形成することが出来る。 【0221】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、磁気記録媒体として、保磁力と磁界強度が等しくなる範囲の温度での保磁力が、低温領域において、温度上昇によって大きく低下する媒体を用いることを特徴とする。 【0222】これにより、磁気ビットのトラック両端部を温度分布により終端することを実現しつつ、この両端での磁気ビットの、トラック方向端部形状が、磁界分布形状からずれる領域を小さく抑えることが出来る。 【0223】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、磁気記録媒体上として、保磁力と磁界強度が等しくなる範囲の温度での保磁力が、高温領域において、温度上昇による低下が小さい媒体を用いることを特徴とする。 【0224】これにより、磁界分布形状に近い、トラック方向中央部におけるトラック方向端部形状を持った磁気ビットを記録することが出来る。 【0225】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、磁気記録媒体が、少なくとも1種類の希土類金属と、少なくとも1種類の遷移金属の合金を含んでいる層を有することを特徴とする。 【0226】これにより、上記の保磁力の温度依存を実現する磁気記録媒体が実現できる。 【0227】また、その希土類金属としては、ネオジウム、テルビウム、ガドリニウム、及びジスプロジウム等が挙げられ、その遷移金属としては遷移金属が、コバルト、鉄、マンガン及びニッケル等が挙げられる。 【0228】特に磁気記録媒体がテルビウム、鉄及びコバルトを含む合金であり、磁気記録媒体がテルビウム、鉄及びコバルトを、0.05<x<0.4、0≦y≦1として、Tbx (Fe y Co1-y )1-xで示される割合で含むものは、x の値により低温領域での保磁力依存を、y の値により高温領域での保磁力依存を制御できるので有用である。 【0229】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、記録媒体膜面に垂直な磁化容易軸を有する磁気記録媒体と、記録媒体膜面に、これに垂直な磁界成分の強度がトラック方向位置により大きく低下する磁界分布を生ずる磁気ヘッドを用いることを特徴とする。 【0230】これにより、記録に関わる磁界強度が位置により大きく減少するという状態を実現することが出来る。 【0231】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、記録媒体膜面に、これに垂直な磁界成分の強度がトラック方向位置により大きく低下する磁界分布を生ずる磁気ヘッドとして、トラック幅より広い主磁極幅を有する単磁極ヘッドを用いることを特徴とする。 【0232】現実的なデバイスとしては、単磁極ヘッドの採用が望ましい。当然、その主磁極幅は、トラック幅より広いことが、トラック幅方向に一定な磁界分布を得るためには望ましい。 【0233】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、記録媒体膜面に垂直な磁化容易軸を有する磁気記録媒体が、軟磁性層を有することを特徴とする。 【0234】磁気記録媒体を挟んで単磁極ヘッドと対向する位置に軟磁性層を設けることにより、磁束が収束する効果があるため、トラック方向位置により、より大きく垂直磁界強度が低下する磁界分布を、磁気記録媒体上に形成することが出来る。 【0235】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、記録媒体上の、局所昇温手段により保磁力が変化した領域において、保磁力と単磁極ヘッドによる磁界強度とが記録媒体膜面に垂直な成分について等しくなる部位の少なくとも一部が、単磁極ヘッドの主磁極トラック方向後端に位置することを特徴とする。 【0236】単磁極ヘッドの主磁極トラック方向後端において、トラック方向後方位置により、最も大きく垂直磁界強度が低下するため、この位置に、記録媒体膜面に垂直な成分について等しくなる部位の少なくとも一部があることが最も望ましい。 【0237】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、磁気記録媒体膜面に、これに垂直な磁界成分の強度がトラック方向位置により大きく低下する磁界分布を生ずる磁気ヘッドとして、トラック幅より広いリングヘッド記録ギャップ幅を有するリングヘッドを用いることを特徴とする。 【0238】磁気記録媒体に、これに垂直な磁界成分の強度がトラック方向位置により大きく低下する磁界分布を生ずる磁気ヘッドとしては、リングヘッドを用いることも可である。 【0239】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、記録ギャップ長の小さいリングヘッドを用いることを特徴とする。 【0240】これにより、磁気記録媒体膜面に垂直な成分の磁界の強度がトラック方向位置により大きく低下する磁界分布を磁気記録媒体上に生ずることが出来る。 【0241】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、記録媒体膜面に垂直な磁化容易軸を有する磁気記録媒体が、軟磁性層を有することを特徴とする。 【0242】これにより、磁束がより収束するため、磁気記録媒体膜面に垂直な成分の磁界の強度がトラック方向位置により大きく低下する磁界分布を磁気記録媒体上に生ずることが出来る。 【0243】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、記録媒体上の、局所昇温手段により保磁力が変化した領域において、保磁力と磁界強度とが記録媒体膜面に垂直な成分について等しくなる部位の少なくとも一部が、リングヘッド記録ギャップのトラック方向前縁直下寄りに位置することを特徴とする。 【0244】リングヘッドの垂直磁界強度は、リングヘッド記録ギャップのトラック方向前縁直下寄りにて最も大きく低下するため、保磁力と磁界強度とが記録媒体膜面に垂直な成分について等しくなる部位の少なくとも一部が、ここに位置していることが最も望ましい。 【0245】また、本発明に記載の磁気信号記録方法は、磁気記録媒体として、垂直磁気異方性の高い磁気記録媒体を用いることを特徴とする。 【0246】リングヘッド、単磁極ヘッド両者について、その媒体膜面方向に垂直な磁界強度がトラック方向位置により最も大きく低下する位置近傍において、媒体膜面方向に平行な磁界強度は最大値をとるので、磁気記録媒体として、なるべく後者の磁界強度に不感であるもの、言い換えれば、垂直磁気異方性の高いものを用いることが望ましい。 【0247】磁気記録媒体が、少なくとも1種類の希土類金属と、少なくとも1種類の遷移金属の合金を含んでいる層を有することを特徴とする。 【0248】希土類と遷移金属の合金は、高い異方性を示すため、上述の条件に適している。 【0249】その中でも、磁気記録媒体の希土類金属が、ネオジミウム、テルビウム、ガドリニウム、及びジスプロジウム等を含むものが磁気異方性が高い。 【0250】また、磁気記録媒体の遷移金属が、コバルト、鉄、マンガン及びニッケルの内少なくとも1つを含むことで、やはり高い磁気異方性を得ることが出来る。 【0251】また、磁気記録媒体がテルビウム、鉄及びコバルトを含む合金であるもの、その内でも特に、0.05<x<0.4、0≦y≦1として、Tbx (Fe y Co1-y)1-xで示される割合で各元素を含むものは、高い垂直磁気異方性を示す。 【0252】また、垂直磁気異方性の高い磁気記録媒体は、コバルト及び白金を含む合金によっても実現され、その中でも特に、少なくともコバルト及び白金を含む人工格子膜は高い垂直磁気異方性を示す。 【0253】また、本発明に記載の磁気記録方法は、記録媒体膜面に平行な磁化容易軸を有する磁気記録媒体と、記録媒体膜面に、これに平行な磁界成分の強度がトラック方向位置により大きく低下する磁界分布を生ずる磁気ヘッドを用いることでも実現される。 【0254】また、記録媒体膜面に、これに平行な磁界成分の強度がトラック方向位置により大きく低下する磁界分布を生ずる磁気ヘッドとして、トラック幅より広い記録ギャップ幅を有するリングヘッドを用いることができる。 【0255】また、記録媒体上の、局所昇温手段により保磁力が変化した領域において、保磁力とリングヘッドによる磁界強度とが、記録媒体膜面方向成分について、等しくなる部位の少なくとも一部が、リングヘッド記録ギャップのトラック方向後端直下に位置することにより、記録に関わる磁界強度が、最も大きく低下する領域での記録が行える。 【0256】また、上記領域近傍において、磁界強度の磁気記録媒体膜面に垂直な成分は最大となるため、磁気記録媒体として、面内磁気異方性の高い磁気記録媒体を用いることが望ましい。 【0257】そうした磁気記録媒体は、コバルト及び白金の少なくとも一つを含む合金を用いて実現することが出来る。 【0258】また、本発明に記載の磁気信号記録再生装置は、上記の磁気信号記録方法を少なくとも一つ用いた磁気信号記録手段と、磁気信号再生手段を備えることを特徴とする。 【0259】 【発明の効果】本発明の第1の磁気信号記録方法は、以上のように、局所的な昇温により保磁力が変化する磁気記録媒体を使用し、上記磁気記録媒体上の保磁力が変化した領域に対して、磁気記録ヘッドからの磁界により任意の情報を記録する磁気信号記録方法において、上記磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記磁気記録ヘッドにより生じる磁界分布のトラック方向位置での低下率が極大となる磁界強度とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置する構成である。 【0260】それゆえ、磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記磁気記録ヘッドにより生じる磁界分布のトラック方向位置での低下率が極大となる磁界強度とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置することで、該記録可能領域のエッジの形状が、記録磁界分布の等高線の形状に近づくことになる。 【0261】上記磁気記録媒体上に加えられる記録磁界の分布形状が矩形状の磁気記録ヘッドを用いることにより、記録磁界分布の等高線の形状を矩形状にすることができるので、記録可能領域のエッジ形状が矩形状となり、矩形の磁気ビットが記録されることになる。 【0262】これにより、再生領域が矩形状である再生ヘッドにより、磁気記録媒体上に形成された略矩形状の磁気ビットから漏洩する磁界を再生する場合、高密度に磁気ビットを記録する高密度記録した磁気記録媒体における再生信号のSN比を大幅に向上させることができるという効果を奏する。 【0263】本発明の第2の磁気信号記録方法は、以上のように、局所的な昇温により保磁力が変化し、膜面に垂直な磁化容易軸を有する磁気記録媒体を使用し、磁気記録ヘッドとして、上記磁気記録媒体上の保磁力が変化した領域に対して、上記磁気記録媒体の膜面に垂直な成分を有する磁界を生じ、トラック幅よりも広い主磁極幅を有する単磁極ヘッドを使用して任意の情報を記録する磁気信号記録方法において、上記磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記単磁極ヘッドの磁界強度の上記磁気記録媒体膜面に垂直な成分の該単磁極ヘッドの主磁極トラック方向後端での低下率が極大となる位置での磁界強度の上記成分とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置する構成である。 【0264】それゆえ、上記磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記単磁極ヘッドの磁界強度の上記磁気記録媒体膜面に垂直な成分の該単磁極ヘッドの主磁極トラック方向後端での低下率が極大となる位置での磁界強度の上記成分とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置することで、該記録可能領域のエッジ形状が記録磁界分布の等高線の形状に近づくことになる。 【0265】上記磁気記録媒体上に加えられる記録磁界の分布形状が矩形状の磁気記録ヘッドを用いることにより、記録磁界分布の等高線の形状を矩形状にすることができるので、記録可能領域のエッジ形状が矩形状となり、矩形の磁気ビットが記録されることになる。 【0266】これにより、再生領域が矩形状である再生ヘッドにより、磁気記録媒体上に形成された略矩形状の磁気ビットから漏洩する磁界を再生する場合、高密度に磁気ビットを記録する高密度記録した磁気記録媒体における再生信号のSN比を大幅に向上させることができるという効果を奏する。 【0267】本発明の第3の磁気信号記録方法は、以上のように、局所的な昇温により保磁力が変化し、膜面に垂直な磁化容易軸を有する磁気記録媒体を使用し、磁気記録ヘッドとして、上記磁気記録媒体上の保磁力が変化した領域に対して、上記磁気記録媒体の膜面に垂直な成分を有する磁界を生じ、トラック幅よりも広いリングヘッド記録ギャップ幅を有するリングヘッドを使用して任意の情報を記録する磁気信号記録方法において、上記磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記リングヘッドの磁界強度が上記磁気記録媒体膜面に垂直な成分の該リングヘッド記録ギャップのトラック方向前縁直下近傍の低下率が極大となる位置での磁界強度の上記成分とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置する構成である。 【0268】それゆえ、磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記リングヘッドの磁界強度が上記磁気記録媒体膜面に垂直な成分の該リングヘッド記録ギャップのトラック方向前縁直下近傍の低下率が極大となる位置での磁界強度の上記成分とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置することで、該記録可能領域のエッジの形状が、記録磁界分布の等高線の形状に近づくことになる。 【0269】上記磁気記録媒体上に加えられる記録磁界の分布形状が矩形状となる磁気記録ヘッドを用いることにより、記録磁界分布の等高線の形状を矩形状にすることができるので、記録可能領域のエッジ形状が矩形状となり、矩形の磁気ビットが記録されることになる。 【0270】これにより、再生領域が矩形状である再生ヘッドにより、磁気記録媒体上に形成された略矩形状の磁気ビットから漏洩する磁界を再生する場合、高密度に磁気ビットを記録する高密度記録した磁気記録媒体における再生信号のSN比を大幅に向上させることができるという効果を奏する。 【0271】本発明の第4の磁気信号記録方法は、以上のように、局所的な昇温により保磁力が変化し、膜面に平行な磁化容易軸を有する磁気記録媒体を使用し、磁気記録ヘッドとして、上記磁気記録媒体上の保磁力が変化した領域に対して、上記磁気記録媒体の膜面に平行な成分を有する磁界を生じ、トラック幅よりも広いリングヘッド記録ギャップ幅を有するリングヘッドを使用して任意の情報を記録する磁気信号記録方法において、上記磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記リングヘッドの磁界強度の上記磁気記録媒体膜面に平行な成分の該リングヘッド記録ギャップのトラック方向後端の低下率が極大となる磁界強度とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置する構成である。 【0272】上記の構成によれば、磁気記録媒体上の保磁力の変化した領域内の保磁力と、上記リングヘッドの磁界強度の上記磁気記録媒体膜面に平行な成分の該リングヘッド記録ギャップのトラック方向後端の低下率が極大となる磁界強度とが略等しくなる部位に記録可能領域のエッジが位置することで、該記録可能領域のエッジの形状が、記録磁界分布の等高線の形状に近づくことになる。 【0273】上記磁気記録媒体上に加えられる記録磁界の分布形状が矩形状の磁気記録ヘッドを用いることにより、記録磁界分布の等高線の形状を矩形状にすることができるので、記録可能領域のエッジ形状が矩形状となり、矩形の磁気ビットが記録されることになる。 【0274】これにより、再生領域が矩形状である再生ヘッドにより、磁気記録媒体上に形成された略矩形状の磁気ビットから漏洩する磁界を再生する場合、高密度に磁気ビットを記録する高密度記録した磁気記録媒体における再生信号のSN比を大幅に向上させることができる。 【0275】また、上述のように、磁気記録媒体上の昇温により保磁力が変化した領域において、保磁力とリングヘッドによる磁界強度とが、該磁気記録媒体の膜面方向成分について、等しくなる部位の少なくとも一部が、リングヘッド記録ギャップのトラック方向後端直下に位置することにより、記録に関わる磁界強度が最も大きく低下する領域での記録を行なうことができるという効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005049 【氏名又は名称】シャープ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年8月11日(2000.8.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080034 【弁理士】 【氏名又は名称】原 謙三
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| 【公開番号】 |
特開2002−56503(P2002−56503A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−245153(P2000−245153) |
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