| 【発明の名称】 |
記録再生ヘッド及び磁気記録装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】桐野 文良
【氏名】太田 憲雄
【氏名】竹内 輝明
【氏名】粟野 博之
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| 【要約】 |
【課題】熱アシスト磁気記録用の磁気記録媒体の記録再生に好適な記録再生ヘッド及び磁気記録装置を提供する。
【解決手段】サスペンション103a及び103bを光ヘッド110に接続させて設けるとともに、該サスペンション103a及び103bの先端に磁気ヘッド120を形成し、磁気ヘッド120を光ヘッド110の光射出側でサスペンション103a及び103bにより支持する。これにより磁気ヘッド120は光ヘッド110と磁気記録媒体10との間に安定して配置されるとともに磁気記録媒体10の表面に近づけられる。光ヘッドから出射する光は磁気ヘッドの空芯コイルの中央部を透過して媒体上に照射される。かかる記録再生ヘッドは磁気記録媒体に微小な磁区を精度良く形成できるので、40Gbits/inch2(約6.20Gbits/cm2)を越える超高密度な磁気記録装置を提供できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 磁気記録媒体の記録再生ヘッドにおいて、磁気記録媒体に光を照射するための光ヘッドと、磁気記録媒体に磁界を印加するための記録素子及び磁気記録媒体からの漏洩磁界強度を検出するための再生素子を有する磁気ヘッドとを備え、上記磁気ヘッドが、上記光ヘッドに接続された少なくとも一つのサスペンションにより、光ヘッドの光射出側で支持されていることを特徴とする記録再生ヘッド。 【請求項2】 上記記録素子の磁界発生部と光ヘッドの光出射部がほぼ同軸になるように磁気ヘッドが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の記録再生ヘッド。 【請求項3】 上記記録素子は空芯コイルであり、該空芯コイルにより磁気記録媒体に磁界が印加されることを特徴とする請求項1または2に記載の記録再生ヘッド。 【請求項4】 上記空芯コイルの中心部分を光ヘッドからの光が通過することを特徴とする請求項3に記載の記録再生ヘッド。 【請求項5】 更に、上記磁気ヘッドは、磁気記録媒体上を浮上するスライダに搭載されており、該スライダに光ヘッドからの光を透過するための光透過部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の記録再生ヘッド。 【請求項6】 上記光透過部は、上記光ヘッドから出射する光の径よりも小さな径を有する貫通穴であることを特徴とする請求項5に記載の記録再生ヘッド。 【請求項7】 上記再生素子は、磁気抵抗効果素子、巨大磁気抵抗効果素子及び磁気トンネル型磁気抵抗効果素子からなる群から選ばれた1種の再生素子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録再生ヘッド。 【請求項8】 上記光ヘッドは、光を集光するための対物レンズを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の記録再生ヘッド。 【請求項9】 上記光ヘッドは光反射部材を備え、光反射部材により光が磁気ヘッドの方向に導かれることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の記録再生ヘッド。 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一項に記載の記録再生ヘッドと、磁気記録媒体と、上記記録再生ヘッドを上記磁気記録媒体に対して駆動するための駆動装置とを備える磁気記録装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に情報の記録、消去、再生を行なうための記録再生ヘッド及びそれを装着した磁気記録装置に関し、特に、情報記録時に磁気記録媒体に熱を与えつつ磁界を印加することができる記録再生ヘッド及びそれを装着した磁気記録装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展にはめざましいものがあり、各種形態の情報を統合したマルチメディアが急速に普及してきている。マルチメディアの一つとしてコンピュータ等に装着される磁気ディスク装置が知られている。現在、磁気ディスク装置は、記録密度を向上させつつ小型化する方向に開発が進められている。また、それに並行して装置の低価格化も急速に進められている。 【0003】磁気ディスクの高密度化を実現するためには、1)磁気ディスクと磁気ヘッドとの距離を狭めること、2)磁気記録媒体の保磁力を増大させること、3)信号処理方法を高速化すること、4)磁気記録媒体の熱揺らぎを低減すること、等が要望されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、従来は、高密度化のために保磁力を高めた磁気記録媒体に情報を記録することは極めて困難であった。これは、現状の磁気ヘッドで発生できる磁界強度には限界があり、その磁界強度よりも大きな保磁力を有する磁気記録媒体には情報を記録することができないからである。そこで、保磁力を高めた磁気記録媒体に光ヘッドを用いて光を照射することによって記録すべき領域を加熱してその領域の保磁力を低下させ、保磁力が低下した領域に磁気ヘッドを用いて情報に応じた磁界を印加して情報を記録する方法が提案されている。以下、かかる記録方法を熱アシスト磁気記録と称する。熱アシスト磁気記録により記録された情報の再生には、従来の磁気ディスクの再生と同様に、磁気ヘッドに搭載された再生用素子を用いて、磁気記録媒体からの漏れ磁界を検出する。熱アシスト記録する場合には、光を照射した領域に確実に磁界が印加されるように、磁気ヘッドと光ヘッドを一致させる必要がある。 【0005】日本応用磁気学会第113回研究会資料(pp11-40、2000)には、光磁気記録媒体の記録方式と磁気記録媒体の記録方式の利点を融合させて、高保磁力な記録媒体に微小な磁区を形成する技術が開示されている。 【0006】本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱アシスト磁気記録に好適な記録再生ヘッド及びそれを備える磁気記録装置を提供することにある。 【0007】本発明の別の目的は、熱アシスト磁気記録用の磁気記録媒体に微小な磁区を安定して形成することができる記録再生ヘッド及びそれを備える磁気記録装置を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に従えば、磁気記録媒体の記録再生ヘッドにおいて、磁気記録媒体に光を照射するための光ヘッドと、磁気記録媒体に磁界を印加するための記録素子及び磁気記録媒体からの漏洩磁界強度を検出するための再生素子を有する磁気ヘッドとを備え、上記磁気ヘッドが、上記光ヘッドに接続された少なくとも一つのサスペンションにより、光ヘッドの光射出側で支持されていることを特徴とする記録再生ヘッドが提供される。 【0009】本発明の記録再生ヘッドは、光ヘッドと磁気ヘッドとサスペンションを備えており、図1に示すように、サスペンション103a及び103bの一端がそれぞれ光ヘッド110に取り付けられ、サスペンション103a及び103bの先端部分に磁気ヘッド120が形成された構造を有し、磁気ヘッドは光ヘッドの光出射側でサスペンションにより支持されている。サスペンションにより支持される磁気ヘッドは、その磁界発生部分と光ヘッドの光軸が一致するように配置されることが好ましい。これにより、情報記録時には光ヘッドから照射される光により磁気記録媒体の所望の領域を加熱すると同時に、磁気ヘッドから記録情報に応じた極性の磁界を加熱した領域に印加することにより磁気記録媒体に確実に情報を記録することができる。それゆえ、熱アシスト磁気記録用の記録再生ヘッドとして極めて好適である。 【0010】本発明の記録再生ヘッドにおいて、磁気ヘッドを支持するためのサスペンションは、例えば、弾性を有する板ばねやワイヤを用いて構成することができる。磁気ヘッドを複数のサスペンションを用いて支持する場合には、それぞれのサスペンションの先端部で磁気ヘッドを保持するとともに、各サスペンションの他端を光ヘッドの本体部と連結すればよい。複数のサスペンションを用いて磁気ヘッドを支持することにより、記録再生時に、磁気ヘッドを磁気記録媒体上で安定して浮上させることができる。更には、光ヘッドから出射する光の光軸と磁気ヘッドから発生する磁界の中心との位置ずれを抑制することができる。 【0011】本発明の記録再生ヘッドの磁気ヘッドは、空芯コイルを備えることができ、かかる空芯コイルにより磁気記録媒体に記録情報に応じた極性の磁界を印加することができる。この場合、空芯コイルの中央部分に光透過部を形成し、光ヘッドから出射した光を、かかる光透過部を透過させて磁気記録媒体に照射させるようにすることができる。 【0012】磁気ヘッドには、磁気記録媒体から漏洩する磁界強度を磁気抵抗効果により検出する素子として、MR素子(Magneto Resistive素子;磁気抵抗効果素子)やGMR素子(Giant Magneto Resistive素子;巨大磁気抵抗効果素子)、TMR素子(Tunneling Magneto Resistive素子;磁気トンネル型磁気抵抗効果素子)を搭載することができる。これらの再生素子を用いることにより磁気記録媒体に記録された情報を高いS/Nで再生することができる。 【0013】本発明において、磁気ヘッドはスライダに搭載されることができ、これにより磁気ヘッドを、磁気記録媒体上で一定の間隔を保持した状態で浮上させることができる。スライダは、磁気記録媒体の回転によって生じる空気流による浮力と、光ヘッドに対して磁気ヘッドを支持しているサスペンションの弾性力とが釣り合った位置で安定に磁気記録媒体上を浮上するので、スライダの浮力とサスペンションの弾性力とを適当に調整することにより、磁気ヘッドを磁気記録媒体に近接させつつ浮上させることが可能になる。これにより、記録や消去に印加する磁界強度を従来よりも弱くしても、磁気記録媒体の記録層に形成されている磁区の磁化を確実に反転させることができる。それゆえ、磁気ヘッドの記録周波数を向上させることが可能になるので、磁気ヘッドから発生する磁界の極性を記録周波数に応じて十分に追随することが可能になり、従来よりも高密度記録を実現できる。 【0014】また、スライダには、光ヘッドから出射した光を透過させるための光透過部を形成することが好ましい。光透過部は例えば直径100nm〜300nm程度の円形の貫通穴(ピンホール)から構成することができる。貫通穴の径は、光ヘッドから出射する光の径よりも小さくてもよい。これにより光ヘッドから出射する光の一部が貫通穴を通過し、光ヘッドから出射した光よりも小さな光径の光が貫通穴から出射して磁気記録媒体上に照射される。すなわちスライダに形成された貫通穴が微小光源となる。これにより磁気記録媒体の微小領域が加熱されることになり、微小な磁区を磁気記録媒体の記録層に形成することが可能となる。ここで、スライダに形成された貫通穴を透過させる光は、対物レンズにより集光された光であっても、光源から出射した光を例えば光ファイバなどを用いて導いた光であってもよい。また、上述の光反射部材により反射されて導かれた光であってもよい。光ファイバや光反射部材を用いた場合は、対物レンズを用いる必要がないので光ヘッドを軽量化することができる。 【0015】本発明において、光ヘッドは光を集光するための対物レンズを備えることができる。これにより、対物レンズで集光させた光を磁気記録媒体上に照射させることが可能となり、磁気記録媒体の記録層の微小領域を局所的に加熱することができる。本発明では、光ヘッドから出射した光で媒体が所定温度、例えば100℃〜120℃程度に加熱されれば足りるので、対物レンズの焦点位置を磁気記録媒体の記録層上に必ずしも精密に合わせる必要はない。それゆえ、対物レンズの焦点位置を精密に合わせるための機構を設ける必要がなくなるので、光ヘッドを構成する部品を少なくすることができ、光ヘッドを軽量化することができる。 【0016】本発明において、光ヘッドは、光源から出射したレーザー光を磁気ヘッドの位置する側に導くための光反射部材を備え得る。かかる光反射部材は、例えば図6及び図8に示すようにプリズム61やミラー71などを用いて構成することができる。光反射部材で反射されたレーザー光は、磁気ヘッド120を通過した後、媒体上に照射され、媒体の所望の領域を所望の温度で加熱することができる。 【0017】また、光ヘッドは、磁気記録媒体に光を照射するための光源として、例えば発振波長が400nm〜850nmの半導体レーザー光源を搭載することもできる。光ヘッドから発生させる光は、連続光であってもパルス光であっても良い。特に、パルス光を媒体に照射して記録を行なうと、記録層に形成される記録マークのトラック幅方向の寸法を極めて狭くすることができる。 【0018】本発明の第2の態様に従えば、本発明の第1の態様に従う記録再生ヘッドと、磁気記録媒体と、上記記録再生ヘッドを上記磁気記録媒体に対して駆動するための駆動装置とを備える磁気記録装置が提供される。 【0019】本発明の磁気記録装置は、本発明の記録再生ヘッドを備えるので熱アシスト用の磁気記録媒体に微小な磁区を高い精度で安定して記録することができる。それゆえ40Gbits/inch2(約6.20Gbits/cm2)を越える記録密度を有する磁気記録装置を提供することができる。 【0020】 【発明の実施の形態】本発明の記録再生ヘッド及び記録再生装置について実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0021】 【実施例1】〔記録再生ヘッド〕本発明に従う記録再生ヘッドの一具体例の概略構成を図1に示す。図1(A)は、記録再生ヘッドの概略断面図であり、図1(B)は記録再生ヘッド100に搭載されている磁気ヘッド110を下方側から見た概略図である。記録再生ヘッド100は、光ヘッド110、磁気ヘッド120及びサスペンション103a、103bを主に備える。光ヘッド110は、対物レンズ101及び光学素子108並びにそれらを保持する本体部107から主に構成される。対物レンズ101の開口数は0.6である。磁気ヘッド120は、磁気ディスク10に磁界を印加するための空芯コイル102と、巨大磁気抵抗効果を用いたデュアルスピンバルブ型のGMR素子105とから主に構成される。空芯コイル102の外径は約50μm、内径(空芯部の直径)は約7μmであり、ターン数は20ターンである。GMR素子105は、図1において、空芯コイル102の右側に接着されて形成されている。サスペンション103a、103bは、弾性を有する薄板状の板バネであり、光ヘッド本体部107の底面の外周部分にそれぞれ接続され、それぞれのサスペンション103a及び103bの先端部が対物レンズの下に向かって延在するように配置されている。サスペンション103a及び103bの先端には磁気ヘッド120が取り付けられており、磁気ヘッド120の空芯コイル102の中心と対物レンズ101の光軸がほぼ一致するように磁気ヘッド120の位置が調整されている。不図示の半導体レーザー光源(発振波長は約630nm)から出射したレーザー光は、光ヘッド110の対物レンズ101で集光され、空芯コイル102の中心(芯部)を通過して磁気ディスク10上に照射される。 【0022】記録再生時には、磁気ヘッド120は磁気ディスク10の表面から10nmの高さで浮上する。磁気ヘッド120はサスペンション103a及び103bにより支持されているので、磁気ヘッド120に搭載された空芯コイル102と磁気ディスク10の表面との距離を短くできるとともに、一定の距離に保つことができる。その結果、空芯コイル102に流す電流を少なくしても記録や消去を行うことができる。また、空芯コイル102の中心と光ヘッドの対物レンズ101の光軸とを一致するように取り付けているので、空芯コイルの空芯の直径(コイルの中心部分の穴の直径)を小さくできる。そのため、空芯コイル102から強磁界を発生させることができるとともに、発生させた強磁界を磁気ディスクに印加することができる。特に、空芯コイル102に流す記録電流を小さくできるので、低消費電力化やコイルの小型化、コイルの発熱の抑制などを実現できる。また高周波記録が可能になるので転送速度を向上させることができる。 【0023】〔磁気記録装置〕上記記録再生ヘッド100は、図2及び3に示す熱アシスト磁気記録用の磁気記録装置200に搭載される。図2は磁気記録装置200の上面の図であり、図3は、図2の破線A−A’における磁気記録装置200の断面図である。図2及び3において、記録再生ヘッド100は、駆動系54により制御される。磁気ディスク10は回転駆動系のスピンドル52により同軸回転される。 【0024】つぎに、図4に磁気記録装置200の回路構成の概略を示す。磁気記録装置200は、記録再生ヘッドドライバ41、半導体レーザー(光源)42、レーザードライバ43、再生回路44、コントローラ45、回転駆動系54及び磁気ディスク10を主に備える。回転駆動系54はロータリーアクチュエータ46及びスイングアーム47から主に構成される。情報記録時または再生時には、スイングアーム47は、ロータリーアクチュエータ46の中心軸で回転し、記録再生ヘッド100を磁気ディスク10上の所望位置に位置付ける。記録再生ヘッド100の磁気ディス10上の位置決めは、磁気ヘッド120で磁気ディスク10に記録されている磁気サーボ信号を検出することによって行なうことができる。記録再生ヘッドドライバ41は、情報記録時に、記録再生ヘッド100に搭載された磁気ヘッドの空芯コイルにコイル駆動電流を流して空芯コイルから磁気記録媒体に記録情報に応じた磁界を印加することができる。また、記録再生ヘッドドライバ41は、情報再生時には、記録再生ヘッド100のGMR素子によって検出された、磁気ディスクの磁性層からの漏れ磁界を電気信号に変換し、変換された電気信号を再生回路に出力することができる。電気信号は再生回路44にて再生データに変換され、磁気ディスク10に記録された情報が再生される。レーザドライバ43は、レーザ駆動電流を半導体レーザー42に流して半導体レーザー42から磁気ディスク10にレーザー光を照射させることができる。また、レーザードライバ43は、半導体レーザー42を制御して、半導体レーザー42から連続的またはパルス状にレーザー光を発生させることができる。コントローラ45は、記録情報に応じて、記録再生ヘッド100の磁気ヘッドから発生させる磁界と半導体レーザー42から発生させるレーザー光とが磁気ディスク上に同じタイミングで適用されるようにレーザードライバ43と記録再生ヘッドドライバー41を制御することができる。 【0025】〔磁気ディスク〕つぎに、上記磁気記録装置200に搭載される磁気ディスク10について説明する。図9に、磁気ディスク10の概略断面構造を示す。磁気ディスク10は、光磁気記録に用いられる媒体と同様の積層構造を有し、基板1上に光反射膜2、第1無機化合物膜3、磁性膜4、第2無機化合物膜5及び潤滑剤層6を順次積層した構造を有する。かかる構造を有する磁気ディスク10を以下に示すようにして製造した。 【0026】まず、基板1として、直径3.5インチ(約8.89cm)のガラス基板を用意した。次いで、かかる基板1上に、光反射膜2としてAl−Ti膜を30nmの膜厚に形成した。純Arを放電ガスに、Al90Ti10合金をターゲットにそれぞれ使用した。スパッタ時の圧力は15mTorr(約1.995Pa)、投入RF電力は0.5kW/150mmφである。ここで、成膜された薄膜の組成とターゲットの組成には違いは見られなかった。 【0027】つぎに、光反射膜2上に第1無機化合物膜3として、窒化シリコン膜をスパッタ法により形成した。Siをターゲットに、Ar/N2を放電ガスにそれぞれ使用した。スパッタ時の圧力は10mTorr(約1.33Pa)、投入RF電力は0.7kW/150mmφである。第1無機化合物膜3の膜厚は15nmである。 【0028】次いで、第1無機化合物膜3上に、磁性膜4として、Tb−Fe−Co膜をスパッタ法により25nmの膜厚で成膜した。スパッタ用のターゲットには熱間静圧プレス(HIP)法により作製したTb26Fe62Co12合金を用いた。HIP法によりターゲットを作製すると、ターゲット中の酸素含有量を低減できるとともに、ターゲットと成膜される膜との間の組成差を大幅に低減できる効果が得られる。スパッタ時の圧力は5mTorr(約665mPa)、投入RF電力は1.5kW/150mmφである。かかる磁性膜の磁気特性を測定したところ、保磁力が10.0kOe(約795.8kA/m)であり、垂直磁気異方性エネルギーが2×107erg/ml、飽和磁化は120emu/mlであった。また、キュリー温度は210℃、補償温度は80℃であった。 【0029】次いで、磁性膜4上に第2無機化合物膜5として窒化シリコン膜をスパッタ法により65nmの膜厚に形成した。Siをターゲットに用い、Ar/N2を放電ガスに用いた。スパッタ時の圧力は10mTorr(約1.33Pa)、投入RF電力は0.7kW/150mmφである。第2無機化合物膜5の膜厚は、20nmとした。 【0030】次いで、第2無機化合物膜5の表面をテープクリーニングした後、その表面に潤滑剤を膜厚約1nmで塗布した。こうして図9に示す積層構造を有する磁気ディスクを作製した。なお、記録再生時に、磁気ヘッドと磁気ディスク表面との距離が100nm以上である場合には、テープクリーニングなどの処理を除いて製造プロセスを簡素化しても良い。 【0031】〔記録再生特性〕つぎに、磁気ディスク10に40Gbits/inch2(約6.20Gbits/cm2)に相当する信号(700kFCI)を記録した。情報の記録には、図1において、光ヘッド110から連続的にレーザー光を磁気ディスク10に照射すると同時に、磁気ヘッド120に搭載した空芯コイル102から一定の変調を施した変調磁界を印加した。ここで、情報の記録に、光パルスと磁界の両方を変調した光パルス磁界変調方式を用いても良く、光のみを変調させる光強度変調記録方式を用いても良い。いずれの場合も、情報記録時に磁界印加と光照射が同時に行なわれる。本実施例の記録再生ヘッド100は、空芯コイル102と磁気ディスク10との距離を狭くすることができるので、弱い磁界で記録が可能である。また、空芯コイル102のインダクタンスも小さくできるので、高周波記録も可能になる。 【0032】図1に示す磁気ヘッド120のGMR素子105により、同一の記録マークを再生したところ、ギャップ長が0.12μmのGMR素子では、S/Nが34dBの再生信号出力を得た。ここで、磁気ヘッド120の底面と磁気ディスク10の磁性層との距離は12nmである。この浮上距離は、サスペンション103a及び103bの弾性係数を調整したり、磁気ヘッド120の底面の形状を変更したり、磁気ディスク10の回転数を好適に選択することにより所望の値に調整することができる。磁気ディスクの欠陥レートを測定したところ、信号処理を行わない場合の値で1×10−5以下であった。 【0033】なお、情報記録時には、光ヘッド110から20ns間隔のマルチパルスを連続して照射すると同時に、磁気ヘッド120の空芯コイル102から一定に変調した磁界を磁気ディスク10へ印加してもよい。また、光ヘッド110からパルス間隔が15nsで15mWの微小光パルスを出射するとともに、空芯コイル102からパルス状の磁界を光パルスに同期させて印加することによって磁気ディスク10に情報を記録しても良い。これにより、空芯コイルの空芯の直径よりも著しく微小な磁区を磁気ディスクの磁性膜に形成することができた。 【0034】以上の結果から、光ヘッドの光射出側にサスペンションで支持された磁気ヘッドを搭載した記録再生ヘッドを用いることにより、40Gbits/inch2(約6.20Gbits/cm2)を超える記録密度を達成することができた。本発明の記録再生ヘッドを用いると、狭い範囲に磁界を印加できるので、再生分解能を向上させることができる。 【0035】 【実施例2】図5に、記録再生ヘッドの別の具体例の概略構成を示す。図5(A)は記録再生ヘッドの概略断面図であり、図5(B)は記録再生ヘッドに搭載されている磁気ヘッドを底面から見た概略図である。かかる記録再生ヘッド500はスライダ55を備えており、かかるスライダ55に空芯コイル102及びGMR素子105が搭載されている。スライダ55は、光ヘッド110に接続されたサスペンション103により光ヘッド110の光出射側で支持されている。スライダ55には光透過部として貫通穴56が形成されており、貫通穴56と空芯コイル102の中心が一致するように空芯コイル102が配置されている。貫通穴56の直径は、スライダ55の上方に位置する光ヘッド110から出射する光の直径よりも大きく、約1.5μmである。光ヘッド110の対物レンズ101で集光された光は、貫通穴56を通過して磁気ディスク10上に照射される。また、スライダ55は、記録再生時に磁気ディスク10上を所望の高さで浮上することができる。これにより空芯コイル102を磁気ディスク10に、より一層近接させることができる。 【0036】以上、本発明の記録再生ヘッド及び磁気記録装置について実施例により具体的に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の改良例及び変形例をも含む。例えば、実施例1の記録再生ヘッドは、磁気ヘッドを2つのサスペンションを用いて光ヘッドの下方で支持した構成にしたが、3つまたは4つ以上のサスペンションを用いて磁気ヘッドを支持しても良い。磁気ヘッドを固定する個所が増えると、対物レンズの光軸と空芯コイルの中心との位置合わせを、より一層安定させることができる。 【0037】また、実施例1では、磁気ディスク用の基板に直径3.5インチ(約8.89cm)の基板を用いたが、いずれのサイズのディスク基板を用いてもよい。また、基板の材料もガラスに限定されるものではなく、例えば、ポリカーボネイトやアモルファスポリオレフィンなどの樹脂を用いても本発明の効果は左右されるものではない。また、記録再生ヘッドの位置決めのために、凹凸の案内溝を有する基板を用いることもできる。この場合、磁気ディスクの形成後に凹凸の案内溝を作製しても良い。 【0038】また、上記実施例では、記録再生ヘッドに搭載される再生用素子としてGMR素子を用いたが、MR(Magneto Resistive)素子やTMR(Tunneling MagnetoResistive)素子を用いることもできる。 【0039】また上記実施例1では、磁気記録装置に搭載する磁気ディスクとして、光磁気記録で用いられる媒体と同様の積層構造を有する磁気ディスクを作製したが、これに限らず、既に知られた磁気ディスク、例えば磁性層にCo系の磁性材料を用いた磁気ディスクや、熱アシスト磁気記録用の磁気ディスクを用いることもできる。 【0040】上記実施例2では、スライダに形成した貫通穴の直径を、光ヘッドから出射する光の径よりも大きくしたが、貫通穴の直径を光の直径よりも小さくしても良い。この場合は、光ヘッドから出射した光の一部が貫通穴を通過して磁気ディスク上に照射される。これにより磁気ディスクの所望の微小領域が加熱されるので、微小な記録マークを磁性膜に形成できる。 【0041】また、記録再生ヘッドの変形例として、図8に示すように、光ヘッド110を支持するアーム81にサスペンション103を連結し、サスペンション103の先端部が光ヘッド110の下方に位置するように配置させ、サスペンション103の先端に磁気ヘッド120を固定することによって、光ヘッドの光出射側で磁気ヘッド120を支持させた構造の記録再生ヘッドを用いてもよい。 【発明の効果】本発明の記録再生ヘッドは、磁界印加用の空芯コイル及び再生素子を備える磁気ヘッドが光ヘッドと接続されたサスペンションに取り付けられ、光ヘッドの光射出側で支持された構造を有している。かかる記録再生ヘッドを磁気ディスク上に配置させると、磁気ディスクの回転により記録再生ヘッドに搭載されている磁気ヘッドが所望の浮上高さで安定して浮上する。これにより磁気ディスクに一定強度の磁界を安定して印加できる。また、磁気ヘッドの空芯コイルの小型化及び低消費電力化が図れると同時に、インダクタンスを低くできるので、高周波記録が可能になり、転送速度を高めることができる。更に、空芯コイルの中心部分の穴径を小さくすることができるので、空芯コイルから強磁界を発生させることができる。それゆえ空芯コイルと磁気記録媒体との距離を離しても情報の記録及び消去に十分な磁界強度を印加することとができる。したがって、ヘッドクラッシュなどを抑制でき、高い信頼性を有する磁気記録装置を提供することができる。 【0042】本発明の記録再生ヘッドを備える磁気記録装置は、磁気記録媒体に微小な磁区を精度良く形成できるので、40Gbits/inch2(約6.20Gbits/cm2)を越える超高密度記録を実現することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005810 【氏名又は名称】日立マクセル株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年8月7日(2000.8.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099793 【弁理士】 【氏名又は名称】川北 喜十郎
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| 【公開番号】 |
特開2002−56502(P2002−56502A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−237999(P2000−237999) |
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