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【発明の名称】 磁気記録再生装置
【発明者】 【氏名】畠中 学

【氏名】植木 英治

【要約】 【課題】本発明は、磁気記録再生装置に関し、例えばカメラ一体型ビデオテープレコーダに適用して、従来に比してさらに一段と全体形状を小型化することができるようにする。

【解決手段】本発明は、記録用ヘッドと、この記録用ヘッドに対応する再生用ヘッド以外の再生用ヘッドとでロータリートランスの巻線を共用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】180度より大きな巻き付け角度により回転ドラムに磁気テープを巻き付け、前記磁気テープに斜めトラックを形成して所望のデータを記録する磁気記録再生装置において、前記回転ドラムに、複数の記録用ヘッドと、前記複数の記録用ヘッドの走査軌跡をそれぞれが走査する複数の再生用ヘッドと、記録時、所定の駆動信号出力回路より出力される駆動信号を前記記録用ヘッドに供給し、再生時、前記再生用ヘッドの出力信号を所定の信号処理回路に出力するロータリートランスとを有し、前記ロータリートランスは、前記記録用ヘッドと、対応する前記再生用ヘッド以外の前記再生用ヘッドとで、巻線を共用することを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項2】前記ロータリートランスは、所定の選択回路を介して前記巻線を、共用に係る前記記録用ヘッドと前記再生用ヘッドとに接続し、前記磁気記録再生装置は、所定の動作モードにおいて、1つの前記記録用ヘッドについて、前記巻線を該記録用ヘッドに接続するように、対応する前記選択回路の設定を切り換え、該記録用ヘッドに対応する再生用ヘッドについて、前記巻線を該再生用ヘッドに接続するように、対応する前記選択回路の設定を切り換えることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録再生装置。
【請求項3】前記駆動信号出力回路は、入力データを一時保持して複数系統に振り分けて出力するメモリと、前記メモリの出力データをそれぞれ一時保持して出力するバッファと、前記バッファの出力データに応じて対応する前記記録用ヘッドの駆動信号を出力する駆動回路とを有することを特徴とする請求項1に記載の磁気記録再生装置。
【請求項4】前記駆動信号出力回路は、前記回転ドラムの回転に同期した基準パルスのタイミングより、所定のレジスタに保持した制御データに応じた遅延時間だけ遅延したタイミングにより、前記バッファに保持したデータの出力を開始することを特徴とする請求項3に記載の磁気記録再生装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録再生装置に関し、例えばカメラ一体型ビデオテープレコーダに適用することができる。本発明は、記録用ヘッドと、この記録用ヘッドに対応する再生用ヘッド以外の再生用ヘッドとでロータリートランスの巻線を共用することにより、従来に比してさらに一段と全体形状を小型化することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】従来、カメラ一体型ビデオテープレコーダにおいては、スタジオ等で使用される据え置き型のビデオテープレコーダに比して、回転ドラムに搭載する磁気ヘッドの数を増大し、その分回転ドラムの回転速度を低速度化することにより、据え置き型のビデオテープレコーダと同一の記録パターンにより記録トラックを形成しつつノイズの発生を少なくするようになされている。
【0003】すなわち図7(A)は、この据え置き型のビデオテープレコーダの回転ドラムの構成を示す略線図であり、据え置き型のビデオテープレコーダにおいては、直径81〔mm〕の回転ドラム1Aを例えば90〔Hz〕の回転速度で回転駆動した状態で、この回転ドラム1Aに180度の巻き付け角度により磁気テープ2を巻き付けて磁気テープ2を走行させる。回転ドラム1Aには、正及び負のアジマス角による1組の記録用ヘッドRECA及びRECBと、この1組の記録用ヘッドRECA及びRECBと180度の角間隔により対向する1組の記録用ヘッドRECC及びRECDとが配置され、さらにこれら記録用ヘッドRECA〜RECDに対して対応する再生用ヘッドPBA〜PBDがそれぞれ90度の角間隔だけ離間して配置される。
【0004】これにより据え置き型のビデオテープレコーダにおいては、1組の記録用ヘッドRECA及びRECBが磁気テープ2の走査を終了すると、残る1組の記録用ヘッドRECC及びRECDが磁気テープ2の走査を開始し、またこの残る1組の記録用ヘッドRECC及びRECDが磁気テープ2の走査を終了すると、1組の記録用ヘッドRECA及びRECBが磁気テープ2の走査を開始するようになされ、これらにより図8(B)に示すように、記録用ヘッドRECA〜RECDの磁気テープ2の走査に対応するように記録用ヘッドRECA〜RECDを駆動して、順次磁気テープ2に記録トラックを形成するようになされている(図8(A))。なおこの図8においては、記録用ヘッドRECA〜RECDに割り当てた符号A〜Dにより対応する記録用ヘッドRECA〜RECDの駆動を示し、またこの駆動のタイムチャートに付した数字により記録トラックとの対応関係を示す。
【0005】これに対して図7(B)は、この据え置き型のビデオテープレコーダと同一フォーマットに係るカメラ一体型ビデオテープレコーダの回転ドラムの構成を示す略線図である。カメラ一体型ビデオテープレコーダにおいては、据え置き型と同一である直径81〔mm〕の回転ドラム1Bを所定の回転速度で回転駆動した状態で、この回転ドラム1Bに180度の巻き付け角度により磁気テープ2を巻き付けて磁気テープ2を走行させる。回転ドラム1Bには、2組の記録用ヘッドRECA〜RECCと、この2組の記録用ヘッドRECA〜RECDと180度の角間隔により対向する2組の記録用ヘッドRECE〜RECHとが配置され、さらにこれら記録用ヘッドRECA〜RECHに対して対応する再生用ヘッドPBA〜PBHがそれぞれ90度の角間隔だけ離間して配置される。
【0006】これによりカメラ一体型ビデオテープレコーダでは、2組の記録用ヘッドRECA〜RECDが磁気テープ2の走査を終了すると、残る2組の記録用ヘッドRECE〜RECHが磁気テープ2の走査を開始し、またこの残る2組の記録用ヘッドRECE〜RECHが磁気テープ2の走査を終了すると、先の2組の記録用ヘッドRECA〜RECDが磁気テープ2の走査を開始するようになされ、これにより回転ドラム1Bの1回転で、据え置き型の2倍である8本の走査軌跡を形成するようになされている。
【0007】カメラ一体型ビデオテープレコーダでは、これにより据え置き型の場合に対して回転ドラム1Bの回転速度を1/2の45〔Hz〕に設定して回転ドラム1Bを回転駆動すると共に、図8(C)に示すように、記録用ヘッドRECA〜RECHの磁気テープ2の走査に対応するように記録用ヘッドRECA〜RECHを駆動して、据え置き型の場合と同様の記録パターンにより順次磁気テープ2に記録トラックを形成するようになされている。なおこのように構成することにより据え置き型においては、記録用ヘッドにおけるデータ周波数が、約94〔MHz〕となるのに対し、カメラ一体型ビデオテープレコーダにおいては、半分の約47〔MHz〕となる。
【0008】このような回転ドラムの構成に係る従来のビデオテープレコーダにおいては、図7(A)及び(B)との対比により図9(A)及び(B)に示すように、180度対向する磁気ヘッドでロータリートランスの巻線を共用することにより(図9においては、この共用する関係を実線及び破線により対応する磁気ヘッドを接続して示す)、ロータリートランスの高さを薄くし、その分、全体形状を小型化するようになされている。
【0009】すなわちこの種のビデオテープレコーダにおいては、選択回路を介してロータリートランスの巻線を磁気ヘッドに接続するようになされており、例えば据え置き型の場合、記録用ヘッドRECAが磁気テープ2を走査する期間の間、この記録用ヘッドRECAにロータリートランスの2次巻線を接続し、続いて対応する記録用ヘッドRECCが磁気テープ2を走査する期間の間、記録用ヘッドRECAに代えて記録用ヘッドRECCにロータリートランスの2次巻線を接続する。
【0010】これにより記録時においては、このような選択回路の切り換えにより180度対向する記録用ヘッドを交互に駆動してビデオデータを記録するようになされ、また再生時においては、同様に180度対向する再生用ヘッドの出力信号を交互に取り込んで処理することにより磁気テープ2に記録されたビデオデータを再生できるようになされている。またこのような記録の処理と再生の処理とを同時並列的に実行して、例えば記録用ヘッドによる記録結果を再生用ヘッドによりモニタして、記録信号の調整作業等を実行できるようになされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで種のビデオテープレコーダにおいては、更なる小型化が求められていおり、特にカメラ一体型ビデオテープレコーダにおいては、このような要望が著しい。このような要望に対して磁気テープの巻き付け角度を180度より大きくし、その分回転ドラムを小径化することにより対応することが考えられる。
【0012】ところがこのようにすると、上述したような記録用ヘッド及び再生用ヘッドのそれぞれにおいて、1つの磁気ヘッドが走査を完了すると対応する磁気ヘッドが走査を開始する関係が崩れ、従来と同様の手法によっては、記録用ヘッド及び再生用ヘッドのそれぞれにおいて、ロータリートランスの巻線を共用化することが困難になる。
【0013】このようにロータリートランスの巻線を共用化することが困難になると、磁気ヘッドの数の分、ロータリートランスに巻線を配置することが必要になってロータリートランスの高さが高くなり、結局、回転ドラムの直径を小さくしても全体形状にあっては小型化することが困難になる問題がある。
【0014】本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来に比してさらに一段と全体形状を小型化することができる磁気記録再生装置を提案しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するため請求項1の発明においては、磁気記録再生装置に適用して、ロータリートランスが、記録用ヘッドと、該記録用ヘッドと対応する再生用ヘッド以外の再生用ヘッドとで、巻線を共用する。
【0016】記録用ヘッドと、該記録用ヘッドと対応する再生用ヘッド以外の再生用ヘッドとで、巻線を共用する場合、記録時においては、巻線を記録用ヘッドで使用して、再生時においては、巻線を再生用ヘッドで使用して、記録再生の処理を実行することができる。これにより巻き付け角度を180度より大きな角度とした場合でも、記録再生用ヘッドに関して記録用ヘッド及び再生用ヘッドの1/2の巻線数によりロータリートランスを構成することができ、その分ロータリートランスを小型化することができ、回転ドラムを小径化した場合でも、回転ドラムの高さを小さくすることができる。その分、全体として小型の磁気記録再生装置を得ることができる。また記録用ヘッドと、該記録用ヘッドと対応する再生用ヘッド以外の再生用ヘッドとで、ロータリートランスの巻線が共用化されることにより、記録用ヘッドで記録しながら、対応する再生用ヘッドで記録結果をモニタすることもでき、これにより例えば記録電流の調整作業を自動化することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0018】(1)実施の形態の構成図2は、本発明の実施の形態に係るカメラ一体型ビデオテープレコーダを示すブロック図である。このカメラ一体型ビデオテープレコーダ11において、CCD撮像部(CCD:Charge Coupled Device )12は、レンズLによってCCD撮像素子の撮像面に形成される撮像結果を光電変換処理して撮像信号を得、この撮像信号を信号処理することにより、赤色、青色、緑色の色信号によるディジタルビデオ信号を出力する。
【0019】ビデオプロセッサ13は、これら赤色、青色、緑色の色信号によるディジタルビデオ信号の信号処理により、ガンマ補正、ニー補正等の処理を実行し、さらには輝度信号、色差信号によるディジタルビデオ信号に変換して出力する。またビデオプロセッサ13は、再生時、デコーダ14から入力される輝度信号、色差信号によるディジタルビデオ信号を色信号によるディジタルビデオ信号に変換する。
【0020】ビューファインダー15は、ビデオプロセッサ13で処理された赤色、青色、緑色の色信号によるディジタルビデオ信号により液晶表示パネルを駆動し、これにより記録時においては、撮像結果をモニタできるようにし、また再生時においては、再生結果をモニタできるようにする。なおビューファインダー15は、これらに加えて図示しないシステムコントローラの制御により種々のメニュー画面を表示するようになされている。
【0021】シリアルデータインターフェース(SDI:Serial Digital Interface)16は、ディジタルビデオ信号のインターフェース回路であり、ビデオプロセッサ13による輝度信号及び色差信号のディジタルビデオ信号を受け、所定フォーマットにより出力する。
【0022】エンコーダ18は、オペレータの選択した記録フォーマットに対応するように、ビデオプロセッサ13より出力される輝度信号及び色差信号によるディジタルビデオ信号を信号処理して出力する。なおここでこのカメラ一体型ビデオテープレコーダ11においては、データ圧縮の相違により3種類の記録フォーマットが用意され、オペレータによりこれらのフォーマットを選択できるようになされている。これらフォーマットのうちの第1のフォーマットは、何らディジタルビデオ信号をデータ圧縮しないフォーマットであり、このフォーマットの場合、後述するECCエンコーダ19の出力データにおける周波数が約94〔MHz〕となり、1つの斜めトラックのデータ長が64270〔byte〕となるようになされている。また第2のフォーマットは、MPEG(Moving Picture Experts Group)の手法によりデータ圧縮するものであり、このフォーマットの場合、ECCエンコーダ19の出力データにおける周波数が約45〔MHz〕となり、1つの斜めトラックのデータ長が54816〔byte〕となるようになされている。また第3のフォーマットは、カメラ一体型ビデオテープレコーダに固有のデータ圧縮手法によりデータ圧縮するものであり、このフォーマットの場合、ECCエンコーダ19の出力データにおける周波数が約66〔MHz〕となり、1つの斜めトラックのデータ長が44764〔byte〕となるようになされている。
【0023】ECCエンコーダ19は、このエンコーダ18の出力データに積符号形式の誤り訂正符号等を付加し、さらにインターリーブ処理して所定のチャンネル数により出力する。
【0024】コンバータ20は、回転ドラム21に搭載された記録用ヘッドに対応するように、このECCエンコーダ19の出力データのチャンネル数、データ転送速度、タイミング等を補正して出力する。カメラ一体型ビデオテープレコーダ11は、このコンバータ20の出力信号により所定の駆動回路で記録用ヘッドの駆動信号を生成する。
【0025】ロータリートランス22は、この記録用ヘッドの駆動信号を1次巻線に受け、選択回路23を介して回転ドラム21に搭載された対応する記録用ヘッドに出力し、また選択回路23を介して回転ドラム21に搭載された対応する再生ヘッドの出力信号をデコーダ25A、25Bに出力する。
【0026】選択回路23は、回転ドラム21に搭載されて所定の制御信号により接点を切り換え、ロータリートランスの2次巻線出力を記録用ヘッドに供給し、また再生用ヘッドの出力信号をロータリートランスの2次巻線に供給する。これらによりカメラ一体型ビデオテープレコーダ11では、回転ドラム21に搭載された記録用ヘッドにより順次斜めに記録トラックを形成してディジタルビデオ信号を磁気テープ2に記録できるようになされている。また再生時においては、再生用ヘッドから得られる再生信号を対応するデコーダ25A及び25Bに出力できるようになされている。
【0027】デコーダ25A及び25Bは、それぞれ4チャンネルの信号処理回路であり、再生用ヘッドから出力される再生信号をロータリートランス22を介して入力する。デコーダ25A及び25Bは、このようにして入力する再生信号を波形等化、2値化してディジタルビデオ信号を復号して出力する。
【0028】ECCデコーダ26は、このようにしてデコーダ25A及び25Bから出力されるディジタルビデオ信号を誤り訂正処理して出力する。
【0029】デコーダ14は、エンコーダ18とは逆に、ECCデコーダ26から出力されるディジタルビデオ信号を記録時のフォーマットに応じて信号処理し、これにより一般的な輝度信号及び色差信号によるディジタルビデオ信号を生成してビデオプロセッサ13に出力する。これらによりこの実施の形態では、磁気テープ2に記録されたビデオデータを再生して出力できるようになされている。
【0030】図1は、このカメラ一体型ビデオテープレコーダ11の回転ドラムの構成を示す略線図である。回転ドラム21は、図7について上述した回転ドラム1A、1Bの直径の1/1.5である直径54〔mm〕により形成され、周波数45〔Hz〕の回転速度で回転駆動した状態で、図7について上述した回転ドラム1A、1Bの1.5倍の270度の巻き付け角度により磁気テープ2が巻き付けられるようになされている。
【0031】回転ドラム21は、180度の角度の範囲(図1においては、右半分の範囲)に集中して、ほぼ等間隔に、4組の記録用ヘッドRECA〜RECHが配置される。また回転ドラム21は、それぞれ記録用ヘッドRECA〜RECHに対して180度対向するように、対応する再生用ヘッドPBA〜PBHが配置される。なお回転ドラム21は、これらの他にフライングイレーズヘッド等が配置される。これにより回転ドラム21は、図7について上述した従来構成によるものとの対比により図3に示すように、各記録用ヘッドRECA〜RECHが一定の時間差を持って、磁気テープ2の巻き付け角度を増やした分、従来に比して各記録用ヘッドRECA〜RECHが長い期間の間、磁気テープ2を走査するようになされている。
【0032】これによりカメラ一体型ビデオテープレコーダ11では、回転速度を低速度に維持したまま回転ドラム21を小径化して、従来の記録フォーマットにより順次記録トラックを形成できるようになされている。なおこのように従来に比して各記録用ヘッドRECA〜RECHが長い期間の間、磁気テープ2を走査するようになされていることにより、このカメラ一体型ビデオテープレコーダ11においては、後述するコンバータ20の処理により、図7について説明したと同一のフォーマットによる記録においては、記録用ヘッドRECA〜RECHにおけるデータ周波数が約31.3〔MHz〕となるように、各記録用ヘッドRECA〜RECHを駆動するようになされている。
【0033】回転ドラム21は、図1(B)に示すように、各記録用ヘッドが、対応する再生用ヘッド以外の再生用ヘッドとの間で巻線を共用するように接続される。具体的に、回転ドラム21は、磁気テープ2を先行して走査する側の記録用ヘッドRECA〜RECDと、後行して走査する側の記録用ヘッドRECE〜RECHとに記録用ヘッドRECA〜RECHがグループ化され、また同様に、磁気テープ2を先行して走査する側の再生用ヘッドPBA〜PBDと、後行して走査する側の再生用ヘッドPBE〜PBHとに再生用ヘッドPBA〜PBHがグループ化される。回転ドラム21は、この先行して走査する側の記録用ヘッドRECA〜RECDによるグループと、後行して走査する側の再生用ヘッドPBE〜PBHとの間で巻線が共用される。また後行して走査する側の記録用ヘッドRECE〜RECHによるグループと、先行して走査する側の再生用ヘッドPBA〜PBDとの間で巻線が共用される。
【0034】この実施の形態においては、さらに具体的に回転ドラム21は、各記録用ヘッドが、磁気テープの巻き付け角度である270度の分だけほぼ離間して配置された再生ヘッドとの間で、選択回路23を介してロータリートランス22の巻線を共用するようになされる。すなわち先行して走査する側の記録用ヘッドRECA〜RECDによるグループと、後行して走査する側の再生用ヘッドPBE〜PBHとの間では、各記録用ヘッドRECA〜RECDが磁気テープ2の走査をほぼ終了すると走査を開始する再生用ヘッドPBE〜PBHとでそれぞれ巻線が共用化される。これに対して後行して走査する側の記録用ヘッドRECE〜RECHによるグループと、先行して走査する側の再生用ヘッドPBA〜PBDとでは、再生用ヘッドPBA〜PBDがほぼ磁気テープ2の走査を終了すると走査を開始する記録用ヘッドRECE〜RECHとそれぞれ巻線が共用化される。これにより180度より大きな巻き付け角度に設定した場合であっても、回転ドラムの高さを低くするようになされている。また1つのグループについて磁気テープ2に所望のデータを記録しながら、他のグループにより記録結果をモニタできるようになされ、これにより記録電流の調整に利用できるようになされている。
【0035】図4は、ECCエンコーダ19及びコンバータ20を詳細に示すブロック図である。ECCエンコーダ19は、図5に示すように、ディジタルビデオ信号のフレーム周期で繰り返されるフレームパルスFPを基準にして動作し(図5(A))、誤り訂正符号等を付加してなるディジタルビデオ信号を繰り返し出力する。このときエンコーダ18は、図7について説明した据え置きビデオテープレコーダにおいて、対向するように配置された2組の記録用ヘッドRECA〜RECDに対応するように、処理したデータを所定のクロックCKに同期した2系統により出力する(図5(B1)〜(B3))。なおこの図4及び図5においては、この記録用ヘッドRECA〜RECDに対応する出力をそれぞれ符号A〜Dにより示す。
【0036】コンバータ20は、このECCエンコーダ19の出力データをフレームパルスFP、クロックCKを基準にして取り込んだ後、記録用ヘッドRECA〜RECHに対応する8系統により出力する。すなわちコンバータ20において、メモリ30A及び30Bは、それぞれバッファ31A及び31Bを介して、ECCエンコーダ19の出力データを取り込んで保持する。さらにメモリ30A及び30Bは、これらのデータを各記録トラックに対応する配列に振り分けてそれぞれ4系統により出力する。
【0037】バッファ32A〜32Hは、このメモリ30A及び30Bの出力データをそれぞれ保持して出力し、カメラ一体型ビデオテープレコーダ11では、これらバッファ32A〜32Hの出力データが図示しない駆動回路、ロータリートランス22、選択回路23を介して各記録用ヘッドRECA〜RECHに出力されるようになされている(図5(C))。
【0038】これらの処理において、コンバータ20は、ドラムパルスDP(図5(D))を基準にして、各バッファ32A〜32Hより各記録用ヘッドRECA〜RECHの走査に対応するタイミングにより記録に供するデータを出力する。なおここでドラムパルスDPは、回転ドラム21の回転周期で立ち上がる基準信号であり、回転ドラム21を駆動するサーボ回路によりフレームパルスFPに同期するようになされている。またコンバータ20は、所定のクロックDCK、DRCKを基準にして各バッファ32A〜32Hより保持したデータを出力するようになされている。
【0039】タイミングジェネレータ36は、このコンバータ20の動作基準である各種基準信号、コンバータ20の動作を制御する制御信号を生成して出力する。タイミングジェネレータ36は、この各種制御信号の生成において、クロックDCK又はDRCKのカウント値とレジスタに保持した制御データとの比較により、各種制御信号を出力する。すなわちタイミングジェネレータ36は、ドラムパルスDPの立ち下がりのタイミングより、各記録用ヘッドに設定された遅延時間TA〜TH(図5(C))だけ遅延して、それぞれバッファ32A〜32Hに保持したデータを出力するように、バッファ32A〜32Hの動作を制御し、これによりドラムパルスDPを基準にして各記録用ヘッドRECA〜RECHが磁気テープ2を走査する期間の間、対応するデータを出力する。またこれとは逆に、フレームパルスを基準にしたカウント値の判定により、バッファ31A、31Bに対するデータ取り込み開始のタイミイング(図5において符号t1及びt2により示す期間の設定)、連続して取り込むデータ長DTを制御する。
【0040】CPUインターフェース(CPU/IF)35は、バスBUSを介してこのように動作するタイミングジェネレータ36を外部の中央処理ユニット(CPU)34に接続し、これによりコンバータ20は、中央処理ユニット34によりタイミングジェネレータ(TG)36のレジスタに各種制御データをセットして、この実施の形態に係る回転ドラム21における記録用ヘッドRECA〜RECHの配置の場合だけでなく、種々の角間隔による記録用ヘッドRECA〜RECHの配置に対応できるようになされている。
【0041】図6は、記録用ヘッドRECA〜RECH、再生用ヘッドPBA〜PBHの動作の切り換え制御に関する構成を示すブロック図である。カメラ一体型ビデオテープレコーダ11において、駆動回路40は、コンバータ20から出力される8系統の出力データに応じて記録用ヘッドRECA〜RECHの駆動信号を生成して出力する。これに対して調整モードにおいては、図示しない基準信号生成回路より出力される基準信号により駆動信号を生成して出力する。この処理において、駆動回路40は、システムコントローラ(シスコン)41より出力される制御信号により決まる利得で駆動信号を生成して出力する。
【0042】選択回路23は、記録時においては、このロータリートランス22の2次巻線出力を対応する記録用ヘッドRECA〜RECHに出力する。これによりカメラ一体型ビデオテープレコーダ11では、記録時、順次磁気テープ2に斜めトラックを形成してビデオ信号を記録できるようになされている。これに対して再生時、選択回路23は、記録用ヘッドRECA〜RECHに代えて、再生用ヘッドPBA〜PBHをロータリートランス22の2次巻線に接続し、カメラ一体型ビデオテープレコーダ11においては、このロータリートランス22の一次巻線出力がデコーダ25A及び25Bに出力されるようになされている。これによりカメラ一体型ビデオテープレコーダ11では、ロータリートランス22の巻線を記録用ヘッドと再生用ヘッドとで共用して順次磁気テープ2に斜め記録されたビデオ信号を再生できるようになされている。
【0043】これに対して調整時、選択回路23は、1つのグループについては、ロータリートランス22の2次巻線出力を対応する記録用ヘッドRECA〜RECD又はRECE〜RECHに出力するのに対し、他方のグループについては、再生用ヘッドPBA〜PBD又はPBE〜PBHをロータリートランス22の2次巻線に接続する。またシステムコントローラ41の制御により、このグループの接続を入れ換える。
【0044】信号レベル検出回路42は、システムコントローラ41の制御により、調整時、再生用ヘッドに接続されてなるロータリートランス22の一次巻線出力について、信号レベルを検出してシステムコントローラ41に通知する。かくするにつき、このカメラ一体型ビデオテープレコーダ11においては、対応する記録用ヘッドと再生用ヘッドとが異なるグループにグループ化されていることにより、この場合、カメラ一体型ビデオテープレコーダ11においては、記録用ヘッドにより所定の基準信号を記録した直後の記録トラックについて、再生用ヘッドより出力される再生信号の信号レベルを検出することになる。
【0045】システムコントローラ41は、オペレータの操作により調整モードに設定されると、信号レベル検出回路42で検出される信号レベルが所定の基準レベルとなるように、駆動回路40の利得を調整し、記録時においては、このようにして設定した利得により駆動信号を生成するように、駆動回路40に制御データを出力する。これによりカメラ一体型ビデオテープレコーダ11においては、記録電流を自動調整できるようになされている。
【0046】(2)実施の形態の動作以上の構成において、このカメラ一体型ビデオテープレコーダ11においては(図2)、CCD撮像部12で得られる撮像結果がビデオプロセッサ13により輝度信号及び色差信号によるディジタルビデオ信号に変換された後、エンコーダ18により所定フォーマットに変換され、続くECCエンコーダ19により誤り訂正符号が付加される。撮像結果は、このECCエンコーダ19による処理において、従来構成による4チャンネルの記録用ヘッドの配置に対応する2チャンネルのデータ列により出力される(図3、図4、図5、図7)。
【0047】このようにして得られる撮像結果は、続くコンバータ20において、回転ドラム21に配置した記録用ヘッドRECA〜RECHに対応する8チャンネルの出力データに変換された後、所定の駆動回路40により各記録用ヘッドRECA〜RECHの駆動信号に変換され(図6)、これらがロータリートランス22、選択回路23を順次介して対応する記録用ヘッドRECA〜RECHに供給される。
【0048】カメラ一体型ビデオテープレコーダ11においては、回転ドラム21に、このようにディジタルビデオ信号の記録に供する記録用ヘッドRECA〜RECHが4組、8個配置され、その分、さらに磁気テープ2が270度の巻き付け角度により巻き付けられていることにより、従来に比して小さい直径による回転ドラム21を使用して、この回転ドラム21の1回転で8本の記録トラックが作成される。これによりカメラ一体型ビデオテープレコーダ11では、従来に比して小さな直径による回転ドラム21を用いて、また従来のカメラ一体型ビデオテープレコーダと同一の低い回転速度により回転ドラム21を駆動して、従来と同一の記録パターンにより記録トラックを形成する。
【0049】このようにして順次斜めトラックを形成するカメラ一体型ビデオテープレコーダ11においては、再生時、選択回路23の接点が切り換えられ、ロータリートランス22の2時巻線が記録用ヘッドRECA〜RECHに代えて再生用ヘッドPBA〜PBHに接続される。またロータリートランス22の1次巻線出力がデコーダ25A及び25Bにより処理される。これによりカメラ一体型ビデオテープレコーダ11では、記録用ヘッドと再生用ヘッドとでロータリートランスの巻線を共用することができ、その分、ロータリートランスの高さを低いものとすることができる。従ってカメラ一体型ビデオテープレコーダ11では、磁気テープ2の巻き付け角度を大きくして回転ドラム21の直径を小さくした場合でも、回転ドラム21の高さを小さいままに維持することができ、その分、全体形状を従来に比して小型化することができる。
【0050】すなわちこのようにして再生時、ロータリートランス22の1次巻線より各再生用ヘッドPBA〜PBHの再生信号が得られ、この再生信号がデコーダ25A、25Bにより処理されて再生データが得られ、続くECCデコーダ26により誤り訂正処理される。また続くデコーダ14によりフォーマットが変換された後、ビデオプロセッサ13を介してシリアルデータインターフェース16より外部機器に出力される。
【0051】このようにして記録再生するにつき、工場出荷時、メンテナンス時等の調整時においては、8個の記録用ヘッドRECA〜RECHの中で、4個の記録用ヘッドにより所定の基準信号を記録しながら、記録直後の再生結果をモニタして記録電流が自動調整される。
【0052】カメラ一体型ビデオテープレコーダ11においては、対応する記録用ヘッドと再生用ヘッドとの間によるロータリートランスの巻線の共用化を避け(図1(B))、何ら対応関係の無い記録用ヘッドと再生用ヘッドとの間で、この巻線が共用化されていることにより、ロータリートランス22の複数巻線のうちの一部については、2次巻線を記録用ヘッド側に接続し、この記録用ヘッドの走査軌跡を走査する対応する再生用ヘッドをロータリートランス22の2次巻線に接続することができ、これによりロータリートランス22の巻線を共用化して、記録電流を自動調整することができる。
【0053】またほぼ回転ドラム21を180度の角範囲で区切って、一方にほぼ等間隔により記録用ヘッドを配置し、他方には同様にほぼ等間隔で再生用ヘッドを配置し、さらに記録用ヘッド及び再生用ヘッドを先行する側と後行する側とでグループ化し、それぞれ先行する側のグループと後行する側のグループとで巻線を共用化したことにより、グループ毎に記録電流を自動調整することができ、その分、自動調整に要する時間を短くすることができる。
【0054】このようにして各記録用ヘッドを駆動するにつき、カメラ一体型ビデオテープレコーダ11では(図4)、従来構成による回転ドラムの配置に対応する2系統によりECCエンコーダ19から記録に供するデータが出力され、このデータがコンバータ20において、一旦メモリ30A及び30Bに保持されて記録用ヘッドに対応する複数の系列に振り分けられて出力される。さらにこのときタイミングジェネレータ36のレジスタに保持した制御データに応じたタイミングにより各記録用ヘッドRECA〜RECHによる磁気テープ2の走査に対応したタイミングによりこれら複数系列のデータが出力される。これによりカメラ一体型ビデオテープレコーダ11においては、このタイミングジェネレータ36に保持した制御データを更新することにより、このコンバータ20を種々の記録用ヘッドの配置に対応させて使用することができ、その分コンバータ20の適用範囲を拡大することができる。
【0055】(3)実施の形態の効果以上の構成によれば、記録用ヘッドと、この記録用ヘッドに対応する再生用ヘッド以外の再生用ヘッドとでロータリートランスの巻線を共用することにより、180度より大きな所定の巻き付け角度により回転ドラムに磁気テープを巻き付ける場合でも、記録電流を自動的に調整することができ、また従来に比して一段と全体形状を小型化することができる。
【0056】すなわち所定の選択回路を介してロータリートランスの巻線を共用に係る記録用ヘッドと再生用ヘッドとに接続し、所定の動作モードにおいて、1つの記録用ヘッドについては巻線を該記録用ヘッドに接続し、該記録用ヘッドに対応する再生用ヘッドについては、先の巻線を該再生用ヘッドに接続することにより、記録結果をモニタして記録電流の自動調整に使用することができる。
【0057】またこのとき所定のメモリを介して記録用ヘッドに対応するデータ系列により記録に供するデータを出力するようにし、このデータの出力を回転ドラムの回転に同期した基準パルスのタイミングより、所定のレジスタに保持した制御データに応じた遅延時間だけ遅延したタイミングで出力することにより、種々の回転ドラムの構成に対応して記録用ヘッドを駆動することができる。
【0058】(4)他の実施の形態なお上述の実施の形態においては、ECCエンコーダより記録に供するデータを2系統により出力した後、コンバータ20により振り分ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ECCエンコーダより予め記録用ヘッドに振り分けて出力するようにしてもよい。
【0059】また上述の実施の形態においては、270度の巻き付け角度により磁気テープを巻き付ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、180度より大きな巻き付け角度による場合に広く適用することができる。
【0060】また上述の実施の形態においては、本発明をビデオテープレコーダに適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ディジタルオーディオテープレコーダ、テープストリーマ等、種々の磁気記録再生装置に広く適用することができる。
【0061】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、記録用ヘッドと、対応する再生用ヘッド以外の再生用ヘッドとでロータリートランスの巻線を共用することにより、180度より大きな所定の巻き付け角度により回転ドラムに磁気テープを巻き付ける場合に、従来に比して一段と全体形状を小型化することができる。
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成12年8月7日(2000.8.7)
【代理人】 【識別番号】100102185
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 繁範
【公開番号】 特開2002−56501(P2002−56501A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−243998(P2000−243998)