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【発明の名称】 ディジタル式記録再生装置
【発明者】 【氏名】小林 信之

【氏名】藤井 健

【要約】 【課題】記録データの書換えの有無を確実かつ短時間で判別する。

【解決手段】外部メモリMへの記録データDS2の記録、および外部メモリMに記録された記録データDS2に基づく再生を行うディジタル式記録再生装置1であって、記録データDS2の書換えの有無判別用の判別用データDIDを生成する判別用データ生成部4と、内部メモリ11と、判別用データDIDを外部メモリMに記録すると共に記録データDS2のFATデータDf内に記録するファイル名に対応させて判別用データDIDを内部メモリ11に記録する制御部10とを備え、制御部10は、外部メモリMから記録データDS2を読み込んだ際に、その記録データDS2についてのFATデータDf内のファイル名に対応する判別データDIDが内部メモリ11に存在するときに、その判別データDIDと、読み込んだ記録データDS2内の判別用データDIDとを比較し、異なるときに所定の処理を実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 着脱自在な外部メモリを装着可能に構成されると共に、前記外部メモリへの記録データの記録、および当該外部メモリに記録された記録データに基づく再生を行うディジタル式記録再生装置であって、前記記録データの書換えの有無を判別するための判別用データを生成する判別用データ生成部と、前記判別用データを記録可能な内部メモリと、前記記録データの一部として前記判別用データを前記外部メモリに記録すると共に当該記録データについてのFATデータ内に記録すべきファイル名に対応させて当該判別用データを前記内部メモリに記録する制御部とを備え、当該制御部は、前記外部メモリから前記記録データを読み込んだ際に、その読み込んだ記録データについてのFATデータ内のファイル名に対応する前記判別データが前記内部メモリに存在するときに、その判別データと、読み込んだ記録データ内の前記判別用データとを比較し、互いに異なるときに所定の処理を実行することを特徴とするディジタル式記録再生装置。
【請求項2】 前記制御部は、前記外部メモリへの前記記録データの記録時に、当該記録データにおけるヘッダ情報記録部に前記判別用データを記録することを特徴とする請求項1記載のディジタル式記録再生装置。
【請求項3】 前記制御部は、前記外部メモリへの前記記録データの記録時に、当該記録データにおけるデータ本体記録部に前記判別用データを記録することを特徴とする請求項1記載のディジタル式記録再生装置。
【請求項4】 前記判別用データ生成部は、前記記録データのデータ量に応じて複数の前記判別用データを生成し、前記制御部は、前記複数の判別用データを前記データ本体記録部に分散記録すると共に各判別用データの記録アドレス情報を当該記録データについての前記ファイル名に対応させて前記内部メモリにそれぞれ記録し、かつ前記外部メモリから前記記録データを読み込んだ際に、その読み込んだ記録データについての前記ファイル名に対応する前記記録アドレス情報に基づいて当該記録データの前記データ本体記録部に分散記録されている前記複数の判別データを抽出し、そのファイル名に対応して前記内部メモリに記録されている前記各判別データと、前記抽出した各判別データとをそれぞれ比較することを特徴とする請求項3記載のディジタル式記録再生装置。
【請求項5】 前記制御部は、前記複数の判別用データの記録間隔をランダムに規定して前記データ本体記録部に分散記録することを特徴とする請求項4記載のディジタル式記録再生装置。
【請求項6】 前記制御部は、前記比較した両判別用データ同士が互いに異なるときには、前記所定の処理として、前記読み込んだ記録データが書き換えられている旨を報知することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のディジタル式記録再生装置。
【請求項7】 前記判別用データ生成部は、前記記録データの記録日に対応する日付情報を前記判別用データに含ませて生成することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のディジタル式記録再生装置。
【請求項8】 前記判別用データ生成部は、ランダムに発生させた数値情報を前記判別用データに含ませて生成することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のディジタル式記録再生装置。
【請求項9】 音声データを前記記録データとして記録および再生が可能に構成されたディジタル式記録再生装置であって、アナログ音声信号を入力する音声信号入力部と、前記アナログ音声信号をディジタルデータに変換すると共に当該ディジタルデータを圧縮して前記音声データを生成する音声データ生成部と、前記外部メモリに記録されている前記音声データを伸長させて前記ディジタルデータを生成すると共に当該ディジタルデータを前記アナログ音声信号に変換する音声信号生成部と、前記変換されたアナログ音声信号を増幅して出力する増幅回路とを備えていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のディジタル式記録再生装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着脱自在に構成された外部メモリを記録媒体として記録データの記録および再生を実行可能に構成されたディジタル式記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のディジタル式記録再生装置として、カード形リムーバブルメモリ(以下、「メモリカード」という)を記録媒体として使用する音声記録再生装置が存在する。この音声記録再生装置では、マイクを介して入力したアナログ音声信号をディジタル変換して音声データを生成し、その音声データをメモリカードに記録させる。この場合、この種の音声記録再生装置では、一般的に、メモリカードへの音声データの記録が完了した時点で、その音声データについてのFAT(File Allocation Table )データをメモリカードのFATデータ記録領域に記録している。一方、音声再生の際には、FATデータに従って音声データをメモリカードから読み出した後、その音声データをアナログ変換することによってアナログ音声信号を生成してスピーカまたはイヤホンから放音する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この音声記録再生装置には、以下の問題点がある。すなわち、この音声記録再生装置では、音声データを記録する記録媒体として、汎用のメモリカードを使用している。この場合、メモリカードは、音声記録再生装置から取り外して他の音声記録再生装置やパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)で使用することが可能で、しかも、その音声記録再生装置やパソコンによって音声データに基づく音声の再生や音声データの編集を行うことが可能に構成されている。このため、メモリカードに記録した音声データが、不正に書き換えられてしまうおそれがある。一方、ディジタル式の音声記録再生装置によって記録されたディジタルの音声データは、アナログ式の音声記録再生装置によって記録されたアナログの音声データとは異なり、例えば、音声データの一部が上書きされたとしても、最初にメモリカードに記録されていた音声データと、上書きされた音声データとの境界を明確に認識するのは困難である。したがって、従来の音声記録再生装置には、その音声データが上書きされたか否か、ひいては音声データの真偽を判別することが困難であるという問題点が存在する。
【0004】この場合、極く普通に音声データの一部を上書きしたときには、その音声データについてのFATデータが新たな音声データについてのFATデータに書き換えられるため、日付情報や記録アドレス情報が最初に音声データを記録したときのFATデータとは異なるデータとなる。したがって、音声データをメモリカードに記録した際に、その音声データについてのFATデータを内蔵メモリに記憶させ、音声データに基づく音声の再生時にメモリカードと内蔵メモリとにそれぞれ記憶されている両FATデータの同一性を判別することにより、音声データが書き換えられたか否かを判別することも可能である。しかし、FATデータ自体を書き換えるのが比較的容易であるため、例えば不正に音声データを書き換えて、書換え前の音声データに対応するFATデータと同じデータ内容のFATデータに復元することができる。このため、FATデータが復元された場合には、音声データが書き換えられているにも拘わらず、その書換えの有無を判別するのが困難であるという問題が存在する。
【0005】一方、第三者による音声データの書換えを防止するために、メモリカードに所定の識別コードを予め記録し、そのメモリカードに対して音声データを最初に記録した音声記録再生装置のみが音声データの書換えを可能とする技術や、音声データ自体を暗号化することにより、他の音声記録再生装置による音声データの書換えを不可能にする技術などが既に考案されている。しかし、前者の技術によれば、記録データの書換えを防止できる反面、メモリカードに識別コードを予め記録させておく必要上、膨大な数のメモリカードの各々に対応して互いに異なる識別コードを予め記録させなければならず、その結果、識別コード自体が複雑で大容量のデータとなる。したがって、メモリカードの貴重なデータ記録可能領域が大容量の識別コードによって占領されてしまうという問題がある。また、複雑かつ大容量の識別コードに対する同一性の判別処理は、長時間を要し、かつ高度な判別プログラムと高性能な制御部とを必要とするため、記録再生装置の製造コストが高騰するという問題がある。一方、音声データ自体を暗号化する後者の技術には、複雑な暗号化処理に起因して音声データの記録処理に要する時間が長時間化すると共に、再生時には暗号化された音声データの復号化処理に起因して音声データの再生処理に要する時間が長時間化するという問題がある。加えて、音声データの暗号化および復号化を行うための高度な処理プログラムと高性能な制御部とを必要とするという問題も存在する。
【0006】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、製造コストを高騰させることなく、記録データの書換えの有無を確実かつ短時間で判別可能なディジタル式記録再生装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本発明に係るディジタル式記録再生装置は、着脱自在な外部メモリを装着可能に構成されると共に、前記外部メモリへの記録データの記録、および当該外部メモリに記録された記録データに基づく再生を行うディジタル式記録再生装置であって、前記記録データの書換えの有無を判別するための判別用データを生成する判別用データ生成部と、前記判別用データを記録可能な内部メモリと、前記記録データの一部として前記判別用データを前記外部メモリに記録すると共に当該記録データについてのFATデータ内に記録すべきファイル名に対応させて当該判別用データを前記内部メモリに記録する制御部とを備え、当該制御部は、前記外部メモリから前記記録データを読み込んだ際に、その読み込んだ記録データについてのFATデータ内のファイル名に対応する前記判別データが前記内部メモリに存在するときに、その判別データと、読み込んだ記録データ内の前記判別用データとを比較し、互いに異なるときに所定の処理を実行することを特徴とする。
【0008】この場合、前記制御部が、前記外部メモリへの前記記録データの記録時に、当該記録データにおけるヘッダ情報記録部に前記判別用データを記録することが好ましい。
【0009】また、前記制御部が、前記外部メモリへの前記記録データの記録時に、当該記録データにおけるデータ本体記録部に前記判別用データを記録することが好ましい。
【0010】この場合、前記判別用データ生成部が、前記記録データのデータ量に応じて複数の前記判別用データを生成し、前記制御部は、前記複数の判別用データを前記データ本体記録部に分散記録すると共に各判別用データの記録アドレス情報を当該記録データについての前記ファイル名に対応させて前記内部メモリにそれぞれ記録し、かつ前記外部メモリから前記記録データを読み込んだ際に、その読み込んだ記録データについての前記ファイル名に対応する前記記録アドレス情報に基づいて当該記録データの前記データ本体記録部に分散記録されている前記複数の判別データを抽出し、そのファイル名に対応して前記内部メモリに記録されている前記各判別データと、前記抽出した各判別データとをそれぞれ比較することが好ましい。
【0011】また、前記制御部が、前記複数の判別用データの記録間隔をランダムに規定して前記データ本体記録部に分散記録することが好ましい。
【0012】さらに、前記制御部が、前記比較した両判別用データ同士が互いに異なるときには、前記所定の処理として、前記読み込んだ記録データが書き換えられている旨を報知することが好ましい。この場合、前記両判別用データ同士が同一のときには、前記読み込んだ記録データに基づく再生をそのまま許容するのが、より好ましい。
【0013】また、前記判別用データ生成部が、前記記録データの記録日に対応する日付情報を前記判別用データに含ませて生成することが好ましい。
【0014】さらに、前記判別用データ生成部が、ランダムに発生させた数値情報を前記判別用データに含ませて生成することが好ましい。
【0015】また、音声データを前記記録データとして記録および再生が可能に構成されたディジタル式記録再生装置に適用する場合、アナログ音声信号を入力する音声信号入力部と、前記アナログ音声信号をディジタルデータに変換すると共に当該ディジタルデータを圧縮して前記音声データを生成する音声データ生成部と、前記外部メモリに記録されている前記音声データを伸長させて前記ディジタルデータを生成すると共に当該ディジタルデータを前記アナログ音声信号に変換する音声信号生成部と、前記変換されたアナログ音声信号を増幅して出力する増幅回路とを備えていることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発明に係るディジタル式記録再生装置を音声記録再生装置1に適用した実施の形態について説明する。
【0017】最初に、音声記録再生装置1の構成について、図面を参照して説明する。
【0018】図1に示す音声記録再生装置1は、携帯型ボイスレコーダであって、メモリカードMを記録媒体として装着可能に構成されると共に、アナログ音声信号をディジタル変換して生成した音声データのメモリカードMへの記録、および、メモリカードMに記録されている音声データをアナログ変換して生成したアナログ音声信号の再生などを実行する。この場合、メモリカードMは、本発明における外部メモリに相当し、半導体素子を樹脂で封止した汎用のカード形リムーバブルメモリが用いられている。また、メモリカードMは、図2に示すように、その記録領域が、音声データDS2,DS2・・を記録するデータ記録領域Maと、音声データDS2,DS2・・の各々についてのファイル名、記録日および記録アドレス情報などからなるFATデータDfを記録するFATデータ記録領域Mbとで構成されている。なお、図3に示すように、音声データDS2は、そのファイル属性やタイトル名が含まれたヘッダ情報DSHを記録するヘッダ情報記録部DSAと、本発明における音声データに相当する音声データ本体DSD、および本発明における判別用データに相当するIDデータDID,DID・・を記録するデータ本体記録部DSBとで1ファイルとして構成されている。
【0019】一方、音声記録再生装置1は、図1に示すように、音声信号入力部2、音声データ生成部3、ID生成部4、メモリインターフェース部5、音声信号生成部6、音声信号出力部7、操作部8、表示部9、制御部10、EEPROM11、RAM12およびROM13を備えている。
【0020】音声信号入力部2は、音声を集音してアナログ音声信号SSIを出力するマイク21と、入力したアナログ音声信号SSIを増幅して出力するアンプ22aと、増幅されたアナログ音声信号SSIを低域ろ波してアナログ音声信号Ssを通過させるLPF23とを備えている。音声データ生成部3は、アナログ音声信号Ssをディジタルデータに変換するA/D変換回路24と、変換されたディジタルデータを圧縮して音声データ本体DSDを生成するデータ圧縮回路25とを備えている。ID生成部4は、本発明における判別用データ生成部に相当し、音声データDS2のメモリカードMへの記録日時に対応する例えば2バイトの日付情報と、制御部10の制御下でランダムに発生させた例えば1バイトの数値情報と、例えば音声データDS1のファイル容量を示す1バイトのファイル容量データとで全体として4バイト程度の数値データをIDデータDIDとして生成する。この場合、ID生成部4は、例えば、1バイトの数値情報として、ランダムに発生させた1バイトの乱数や、オペレータが予め入力したパスワードと乱数とを組み合わせた数値情報を生成する。メモリインターフェース部5は、メモリカードMを装着可能なコネクタを備えると共に、メモリカードMに対して、制御部10の制御下で、音声データDS1、IDデータDIDおよびFATデータDfの記録と、音声データDS1およびIDデータDIDからなる音声データDS2やFATデータDfのメモリカードMからの読出しとを実行する。
【0021】音声信号生成部6は、音声データ本体DSDを伸長させてディジタルデータに復号するデータ伸長回路26と、そのディジタルデータをアナログ音声信号Ssに変換するD/A変換回路27とを備えている。音声信号出力部7は、アナログ音声信号Ssを所定の帯域でろ波してアナログ音声信号を生成するBPF28と、BPF28から出力されたアナログ音声信号を増幅してアナログ音声信号SSOを出力するアンプ22bと、アナログ音声信号SSOを放音するスピーカ29とを備えている。また、音声記録再生装置1では、図示しないイヤホンジャックが配設されており、イヤホンジャックにイヤホンが接続されたときには、スピーカ29に代えてイヤホンからアナログ音声信号SSOが放音される。
【0022】操作部8は、録音ボタン、再生ボタン、早送りボタン、巻き戻しボタン、停止ボタン、メニューボタンおよび電源ボタンなどを含む複数の操作ボタンが配列されて構成されている。表示部9は、LCDパネルで構成され、メモリカードMの記録可能残容量、録音・再生開始からの経過時間、各種メッセージの表示、および図外のバッテリの残容量などを表示する。制御部10は、例えば、16bitCPUで構成され、音声信号入力部2、音声データ生成部3、ID生成部4、音声信号生成部6および音声信号出力部7に対する操作部8のボタン操作に応じた制御、メモリインターフェース部5を介してのメモリカードMに対する記録制御、およびメモリカードMからの読出制御などを実行する。EEPROM11は、本発明における内部メモリに相当し、音声記録再生装置1の初期設定値データDCD、ID生成部4によって生成されたIDデータDID、IDデータ記録アドレス情報DADおよびFATデータDfなどを記憶する。RAM12は、メモリカードMに記録中の音声データDS1、IDデータDID、音声データDS1についてのFATデータDf、および制御部10の演算結果などを一時的に記憶する。また、ROM13は、制御部10の動作プログラムを記憶する。
【0023】次に、音声記録再生装置1の全体的な動作について、各図を参照して説明する。
【0024】最初に、音声記録再生装置1の基本的動作について説明する。音声記録再生装置1では、電源スイッチが投入されると、制御部10が、EEPROM11から初期設定値データDCDを読み出した後、各回路に対して初期設定を行うと共に初期画面(図示せず)を表示部9に表示させる。次に、制御部10は、メモリカードMがメモリインターフェース部5に装着されているか否かを判別し、メモリカードMが装着されていないと判別したときには、例えば「メモリカードが装着されていません」とのメッセージを表示部9に表示させる。一方、メモリカードMが装着されていると判別したときには、FATデータ記録領域MbからFATデータDfを読み込むことにより、メモリカードMの記録可能容量および記録可能残容量などのカード情報をメモリカードMから取得してRAM12に記憶させる。次に、制御部10は、記録可能残容量に基づいて算出した記録可能時間などのメモリ情報を演算して表示部9に表示させる。
【0025】この後、制御部10は、操作部8でのボタン操作を監視し、ボタン操作を検知したときには、どのボタンが操作されたかを判別する。この際に、録音ボタンが操作されたときには、後述する録音処理を実行し、再生ボタンが操作されたときには、後述する再生処理を実行する、また、メニューボタンが操作されたときには、音声記録再生装置1の動作条件を設定する設定画面や補助機能を使用するための機能画面を選択するメニュー画面を表示部9に表示させると共に操作部8のボタン操作に応じて動作条件の設定などの各種設定処理を実行し、電源ボタンが操作されたときには、表示部9の表示画面を消去して電源を遮断する。
【0026】次に、上記した録音処理について説明する。この処理では、まず、制御部10が、音声信号入力部2を介して入力され音声データ生成部3によって生成された音声データ本体DSDに基づいて音声データDS1を生成する。具体的には、アンプ22aが、マイク21を介して入力したアナログ音声信号SSIを増幅し、LPF23が、アナログ音声信号SSIをろ波してアナログ音声信号Ssを出力する。次に、A/D変換回路24が、制御部10の制御下でアナログ音声信号Ssをディジタルデータに変換し、データ圧縮回路25が、そのディジタルデータを圧縮して音声データ本体DSDを生成する。次いで、制御部10が、ファイル属性やタイトル名などのヘッダ情報DSHを音声データ本体DSDに付加することにより、音声データDS1を生成する。この場合、図4に示すように、音声データDS1は、ヘッダ情報DSHが記録されて構成されるヘッダ情報記録部DSAと、音声データ本体DSDが記録されて構成されるデータ本体記録部DSBとで構成されている。次いで、制御部10は、その音声データDS1をRAM12に一時的に記憶させる。この場合、記録開始時点において、制御部10は、音声データDS1として、例えば、その音声データ本体DSDについてのヘッダ情報DSHを先頭の1バイトから90バイトに付加し、91バイト以降に音声データ本体DSDを付加してRAM12に記憶させる。
【0027】この後、制御部10は、停止ボタンが操作されるまでの間、音声データDS1の生成を継続して実行する。この間において、制御部10は、RAM12から音声データDS1を読み出してメモリインターフェース部5を介してメモリカードMのデータ記録領域Maに順次記録する。この際に、制御部10は、メモリカードMに記録した音声データDS1についてのファイル名、記録日および記録アドレス情報などをFATデータDfとしてRAM12の記録領域内に記録し、新たな音声データDS1をメモリカードMに記録する都度、その記録アドレス情報をFATデータDfに追加記録する。また、制御部10は、音声データDS1の記録中において、停止ボタンの操作によって録音が停止されたか否かを判別し、停止されていないときには、メモリインターフェース部5からメモリカードMが取り外されたか否かを判別する。取り外されていないときには、制御部10は、音声データDS1の生成と、メモリカードMへの記録とを繰り返して実行することにより、マイク21で集音した音声に対応する音声データDS1をメモリカードMのデータ記録領域Maに順次記録する。一方、録音処理中にメモリカードMが取り外されたと判別したときには、制御部10は、音声データDS1の記録を中断すると共に、例えば「メモリカードが取り外されました。メモリカードを装着して下さい。」とのエラーメッセージを表示部9に表示させる。
【0028】次に、停止ボタンが操作されたときには、ID生成部4が、制御部10の制御下で、メモリカードMに記録されている音声データDS1のデータ量に応じて複数のIDデータDID,DID・・を生成し、制御部10が、そのIDデータDID,DID・・をRAM12に一時的に記憶させる。この際に、ID生成部4は、データ量の大きさにほぼ比例する数のIDデータDIDを生成する。つまり、大きい音声データDS1に対しては、多数のIDデータDID,DID・・を生成し、データ量が小さい音声データDS1に対しては、少数のIDデータDID,DID・・を生成する。この場合、比例定数は任意に規定することができる。一方、その数が多いほどIDデータDIDの不正な書換えを困難にさせることができるが、多すぎると、IDデータDIDのデータ量が増加して処理量も増加する。一例として、音声データを記録する際に、音声データDS1の1秒当り4バイトのIDデータDIDを1つ記録させるとすれば、IDデータDIDのデータ量は、音声データDS1の1分間当り240バイト(4・60)になる。一方、例えば、既に開発されている各種音声圧縮技術のうちの特定の1つを採用した場合、音声データDS1のデータ量は、1分間当り約64000バイトの容量となる。このため、この例では、音声データDS1のデータ量(約64000バイト)に対して約0.4%増加する。しかし、この程度の増加であれば実用的に十分に小さいデータ量と考えられる。このため、例えば音声データDS1の1秒間当り1つまたは数個程度のIDデータDIDが生成される比例定数を採用するのが好ましい。
【0029】次いで、制御部10が、RAM12から順次読み出したIDデータDIDをメモリカードMの音声データDS1におけるデータ本体記録部DSBにランダムに定めた記録間隔で分散記録させる。この場合、記録間隔としては、任意の間隔に規定することができるが、上記したように音声データDS1の1秒間当り1つのIDデータDIDを記録する場合、例えば、以下の方式で記録する。すなわち、1〜256までの数値をランダムに発生する乱数発生器を使用して、連続的に数多くの乱数を発生させ、この際に、各乱数を数値「128」でそれぞれ除算する。この場合、除算した各値の平均値は、理想的には、値「1」となる。したがって、乱数発生器で発生させた各乱数を数値「128」で除算した時間(値0.5であれば0.5秒)に相当する分の音声データDS1を記録する都度、ソフトウェア割込みやタイマ割込みなどで割込みを発生させ、その各割込み毎に各IDデータDIDをそれぞれ記録する。この結果、IDデータDIDは、音声データDS1の1/128秒〜2秒のうちの1/128秒刻みのいずれかの時間に相当するランダムな間隔で記録される。なお、例えば、20MHzクロックで作動する16ビットCPUであれば、IDデータDID用乱数の発生処理、乱数IDデータDIDのRAM12への記録処理、記録間隔用乱数の発生処理、発生させた記録間隔用乱数に基づく上記の演算処理、およびIDデータDIDのRAM12からメモリカードMへの転送記録処理を、1ナノ秒以内で十分に処理することができる。したがって、上記した音声データDS1の記録処理中において、乱数発生器を使用しての記録間隔決定用演算処理を問題なく実行することができる。また、発生させた乱数の各値によっては、音声データDS1のデータ量とIDデータDIDの数とが必ずしも比例するとは限らない。したがって、比例定数に応じた数よりも若干多めのIDデータDIDを予め生成させておくのが好ましい。一方、上記したように、記録間隔の決定の都度、IDデータDIDを生成したとしても、音声データDS1の記録処理は時間的に十分可能である。このため、記録間隔を先に決定し、その都度、IDデータDIDを生成して記録することもできる。
【0030】なお、各IDデータDIDは、4バイト情報の内の3バイトの情報(2バイトの日付情報および1バイトのファイル容量データ)が同一内容で、ランダムに発生させた1バイトの数値情報のみが異なるため、ある一定の確率(1/256)で同一内容となる。しかし、その確率が小さく、しかも、上記したようにデータ本体記録部DSBにランダムな記録間隔で分散記録されるため、高度の技術を有する者にとっても、すべてのIDデータDIDの存在自体を識別するのが困難な上、その存在箇所のすべてを特定することは極めて困難である。したがって、すべてのIDデータDIDを書き換えることなく音声データDS1のみを書き換えるのは実質的に不可能となるため、不正な音声データDS1の書換えを確実に判別することができる。この結果、IDデータDIDのデータ量を小さい容量に抑えつつ、極めて実用的なデータ書換え判別手法を実現することができる。
【0031】次いで、制御部10は、各IDデータDIDを記録したデータ記録領域Ma上のアドレス情報を示すIDデータ記録アドレス情報DADを、そのIDデータDIDに対応させてIDデータDIDと共にEEPROM11に順次記録させる。この際に、制御部10は、音声データDS1についてRAM12に記憶されているFATデータDfに、各IDデータDIDについての記録アドレス情報を順次追加記録する。なお、本発明の実施の形態では、音声データDS1における音声データ本体DSDにIDデータDID,DID・・を挿入したデータを音声データDS2とする。続いて、制御部10は、全てのIDデータDID,DID・・を記録し終えて音声データDS2のメモリカードMへの記録が完了した後に、音声データDS1についてのFATデータDfにIDデータDID,DID・・の記録アドレス情報を追加したFATデータDf(つまり、音声データDS2についてのFATデータDf)をRAM12から読み出して、メモリカードMのFATデータ記録領域Mbに記録する。次に、制御部10は、そのFATデータDfを音声データDS2のファイル名に対応させてEEPROM11に記録する。これにより、録音処理が完了する。
【0032】次いで、前述した再生処理について説明する。この処理では、まず、制御部10が、メモリインターフェース部5に装着されているメモリカードMのFATデータ記録領域MbからFATデータDfを読み込んでRAM12に記憶させる。次に、制御部10は、そのFATデータDfに基づいて、データ記録領域Ma内の音声データDS2,DS2・・における各ヘッダ情報DSH,DSH・・を読み込み、そのタイトル名を表示部9に一覧表示させる。次いで、いずれかのタイトル名が選択された状態で操作部8の再生ボタンが操作されると、制御部10は、そのタイトル名が付された音声データDS2のファイル名に対応するIDデータDID,DID・・が、EEPROM11に記録されているか否かを判別する。記録されていないときには、制御部10は、その音声データDS2にIDデータDIDが記録されていないものと判別し、通常に音声を再生する。
【0033】一方、ファイル名に対応したIDデータDIDがEEPROM11に記録されているときには、制御部10は、その音声データDS2が書換えられているか否かを判別する。具体的には、制御部10は、その音声データDS2についてのFATデータDf内の日付情報と、その音声データDS2に対応させられてEEPROM11に記録したFATデータDf内の日付情報とを比較する。この場合、一般的なオペレータが、パソコンや他の音声記録再生装置を用いてメモリカードM内の音声データDS2を書き換えた場合には、メモリカードMに記録されているFATデータDf内の日付情報が、最初に音声データDS2を記録したときのFATデータDf内の日付情報とは異なる日付に書き換えられる。このため、メモリカードMおよびEEPROM11の両者にそれぞれ記録されたFATデータDf,Dfの日付情報が異なるときには、制御部10は、音声データDS2が書き換えられたものと判別し、例えば「音声データが書き換えられました。」とのメッセージを表示部9に表示させる(本発明における「記録データが書き換えられている旨の報知」に相当する)。この際に、再び再生ボタンが操作されると、制御部10は、FATデータDfの記録アドレス情報に基づいてメモリカードMから音声データDS2を読み出して、音声信号生成部6に対してアナログ音声信号Ssを生成させると共に音声信号出力部7に対して音声を再生させる。
【0034】具体的には、制御部10が、メモリカードMから音声データDS2を読み出すと共に、その音声データDS2からヘッダ情報DSHを取り除いた音声データ本体DSDをデータ伸長回路26に転送する。この場合、前述した記録処理時において音声データ本体DSDと共にデータ本体記録部DSBに記録され、かつ音声データDS2の書換え時において新たな音声データ本体DSDが上書きされることなくデータ本体記録部DSBに残されたIDデータDID,DID・・は、音声データ本体DSDの一部としてデータ伸長回路26に転送される。次いで、データ伸長回路26が、音声データ本体DSDを伸長させてディジタルデータを生成し、D/A変換回路27が、そのディジタルデータをアナログ音声信号Ssに変換する。続いて、BPF28が、アナログ音声信号Ssをろ波し、アンプ22bが、ろ波されたアナログ音声信号Ssを増幅してアナログ音声信号SSO生成してスピーカ29から放音させる。この結果、音声データDS2に基づく音声が再生される。この際に、音声データ本体DSDの一部としてデータ伸長回路26に転送されたIDデータDIDは無音として再生される。
【0035】一方、前述した両FATデータDf,Df内の日付情報の比較時に、両日付情報が同一であると判別したときには、制御部10は、音声データ本体DSDと共にデータ記録領域Maに記録されているIDデータDID,DID・・と、音声データDS2のファイル名に対応させられてEEPROM11に記録したIDデータDID,DID・・とを順次比較する。具体的には、制御部10は、EEPROM11に記録されているIDデータ記録アドレス情報DADを読み出してRAM12に記憶させ、そのアドレス情報に基づいてメモリカードMからIDデータDID,DID・・を順次読み出してRAM12に記憶させる。次に、制御部10は、RAM12に記憶させた各IDデータDID,DID・・と、音声データDS2に対応させられてEEPROM11に記録された各IDデータDID,DID・・とを個々に比較する。
【0036】この場合、図5に示すように、例えば音声データDS2におけるデータ本体記録部DSBのA1−A2間が書き換えられたときには、書換え前にA1−A2間に記録されていたIDデータDID,DID(破線で示す)が、新たな音声データ本体DSDの上書きによって消去される。したがって、IDデータ記録アドレス情報DADに基づいて読み出したIDデータDID,DIDは、書換えによって上書きされた新たな音声データ本体DSDとなるため、最初に音声データDS2を記録した際に書き込んだIDデータDID,DIDとは異なるデータ内容となる。このため、制御部10は、メモリカードMから読み込んでRAM12に記憶させたIDデータDID,DID・・と、EEPROM11に記録されているIDデータDID,DID・・とが異なるときには、音声データDS2が書き換えられたものと判別し、例えば「音声データが書き換えられました。」とのエラーメッセージを表示部9に表示させる。この際に、再び再生ボタンが操作されると、制御部10は、メモリカードMから読み出したFATデータDfに従ってメモリカードMから音声データDS2を読み出して、音声信号生成部6に対してアナログ音声信号Ssを生成させると共に音声信号出力部7に対して音声を再生させる。なお、この場合においても、音声データDS2の書換え時に新たな音声データ本体DSDによって上書きされることなく記録されていたIDデータDID,DID・・は無音として再生される。
【0037】また、メモリカードMに記録されたIDデータDID,DID・・と、EEPROM11に記録されたIDデータDID,DID・・とが同一であると判別したときには、制御部10は、メモリカードMから読み出してRAM12に記憶させたFATデータDfに従ってメモリカードMから音声データDS2を読み出してアナログ音声信号Ssの生成および音声の再生を行わせる。この際には、制御部10が、メモリカードMから音声データDS2を読み出し、そのヘッダ情報DSHを取り除いた後、データ本体記録部DSBに分散記録されているIDデータDID,DID・・を更に取り除くことにより純粋な音声データ本体DSDを抽出し、抽出した音声データ本体DSDを音声信号生成部6に転送する。この結果、音声信号生成部6がアナログ音声信号Ssを生成し、音声信号出力部7がアナログ音声信号SSOを生成してスピーカ29から放音する。この後、停止ボタンが操作されるまで音声の再生が続行される。
【0038】このように、この音声記録再生装置1によれば、音声データDS2に基づく音声の再生時に、メモリカードMおよびEEPROM11の両者にそれぞれ記録された両FATデータDf,Df内の日付情報を判別することにより、通常の技術を有する一般的なオペレータによって音声データDS2が書き換えられたか否かを比較的短時間で判別することができる。また、この音声記録再生装置1によれば、例えばFATデータDfの復元を可能な高度な技術を有するオペレータによって音声データDS2が書換えされたとしても、複数のIDデータDID,DID・・をデータ本体記録部DSB内にランダムに分散記録すると共にその音声データDS2のFATデータDf内に記録すべきファイル名に対応させてIDデータDID,DID・・とIDデータ記録アドレス情報DADとをEEPROM11に記録し、かつメモリカードMおよびEEPROM11の両者にそれぞれ記憶されているIDデータDID,DID・・同士を比較することにより、音声データDS2の書換えの有無を確実に判別することができる。この場合、複数のIDデータDID,DID・・をランダムに分散記録することにより、高度な技術を有するオペレータにとってもIDデータDID,DID・・の記録アドレスの特定が非常に困難であるため、例えば音声データDS2の書換え後におけるIDデータDID,DID・・の復元を事実上不可能にさせることができる。したがって、より強固なセキュリティ機能を有し、証拠能力に優れた音声データDS2を生成することができる。
【0039】なお、本発明は、上記した発明の実施の形態に限らず、適宜変更が可能である。例えば、本発明の実施の形態では、複数のIDデータDID,DID・・をデータ本体記録部DSBに記録する例について説明したが、本発明における判別用データを記録する記録領域は、本発明の実施の形態に示した例に限定されない。例えば、図6に示す音声データDS3のように、IDデータDIDをヘッダ情報DSHと共にヘッダ情報記録部DSAに記録してもよい。この場合、図7に示すように、音声データ本体DSDのA1−A2間が書き換えられたときには、ヘッダ情報DSHが、その書換え内容に応じて新たなヘッダ情報DSHに書き換えられるため、破線で示すIDデータDIDが、新たなヘッダ情報DSHに書き換えられる結果、EEPROM11に記録されているIDデータDIDとは異なるデータとなる。このIDデータDIDの記録方法によれば、音声データDS3の記録容量に拘わらず、録音開始時にIDデータDIDをヘッダ情報記録部DSAに記録することができるため、IDデータDIDの記録処理に要する時間を短縮することができると共に、再生処理時には、複数のIDデータDID,DID・・を抽出して比較する方式と比較して、短時間で書換えの有無を判別することができる。
【0040】また、本発明の実施の形態では、4バイトの数値情報をIDデータDIDとして記録する例について説明したが、本発明における判別用データのデータ内容およびデータ量はこれに限定されず、音声記録再生装置1,1・・毎に個別的に付与した数値情報をIDデータDIDとして用いることができるし、制御部10の処理能力に応じたデータ量の数値情報をIDデータDIDとして記録することもできる。この場合、1つのメモリカードMに複数の音声データDS2,DS2・・の記録を前提とした音声記録再生装置1では、その音声データDS2,DS2・・毎に書換えの有無を個別的に判別可能とするためにIDデータDIDが全体として2バイト以上であることが好ましい。また、8バイト以上のIDデータDIDは、その生成や同一性の判別処理に若干の時間を要すると共に、IDデータDIDが複雑化し、これに伴って判別処理用のプログラムも複雑化する。このため、4バイト程度のIDデータDIDを用いるのが好ましい。さらに、制御部10を構成するCPUの処理能力に応じてIDデータDIDのデータ量を規定することにより、そのIDデータDIDに基づく判別処理を高速に実行することが可能となる。
【0041】さらに、本発明の実施の形態では、複数のIDデータDID,DID・・をデータ本体記録部DSB内に分散させて記録する例について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば1つのIDデータDID(4バイト)を1バイト毎に分割し、分割した1バイトのIDデータDIDをデータ本体記録部DSB内に分散記録してもよい。また、ランダムな記録間隔でIDデータDIDを記録させる方式に限らず、固定記録間隔でIDデータDIDを記録させることもできる。また、例えば、N(Nは自然数)個の単語毎やN個のセンテンス毎に記録することもできるし、所定時間を超える無音データが存在する際にはその無音データ内に記録することもできる。さらに、本発明の実施の形態では、FATデータDf内に記録すべきファイル名に対応させてIDデータDIDをEEPROM11に記録した例について説明したが、例えばFATデータDfに記録すべき日付情報に対応させて判別用データをEEPROM11に記憶させ、再生時には、再生する音声データDS2の日付情報と同じ日付情報に対応するIDデータDIDがEEPROM11に記録されているときに、読み込んだデータ本体記録部DSB内のIDデータDIDと、EEPROM11に記録されているIDデータDIDとを比較する方式を採用することもできる。
【0042】また、本発明の実施の形態では、音声データDS2を記録する例について説明したが、本発明における記録データは、音声データDS2に限定されず、映像データや数値データおよびテキストデータなどの各種ディジタルデータであってもよいのは勿論である。また、本発明における音声データDS2には、マイク21を介して集音したアナログ音声信号Ssをディジタル変換した音声データDS2に限らず、例えば音声信号入力端子や光通信および無線通信を介して入力した音声信号に基づく音声データや、通信端末を介して取得した音声データなどが含まれる。さらに、本発明における外部メモリについても、メモリカードMのみならず、棒状、駒状のメモリや、ディスク形のディジタルデータ記録媒体など、各種のリームーバブルメモリ(着脱可能で書き換え可能な各種記憶媒体)が含まれる。さらに、本発明における内部メモリについても、EEPROM11に限らず、RAMなどの書込みおよび読出しが可能な各種メモリを採用することができる。この場合、EEPROM11に記録したFATデータDf、IDデータDIDおよびIDデータ記録アドレス情報DADを、データバックアップ用のメモリカードMなどに転送可能に構成すれば、EEPROM11の記憶容量を超える数のFATデータDf、IDデータDIDおよびIDデータ記録アドレス情報DADを保存することができるため、EEPROM11が少容量タイプであっても、より多くの音声データDS2,DS2・・についての書換えの有無を判別することができる。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るディジタル式記録再生装置によれば、判別用データを生成する判別用データ生成部と、判別用データを記録可能な内部メモリと、外部メモリに記録した判別用データを記録データのファイル名に対応させて内部メモリに記録する制御部とを備え、制御部が、記録データのファイル名に対応する判別データが内部メモリに存在するときに外部メモリおよび内部メモリの両メモリにそれぞれ記録されている両判別用データを比較し、互いに異なるときに所定の処理を実行することにより、簡易な構成でありながら、記録データの書換えの有無を確実かつ短時間で判別することができ、これにより、判別結果に応じて、適切な再生処理や、記録データが書き換えられている旨の報知処理などを行うことができる。また、外部メモリに識別コードを予め固定的に記録させておく方式とは異なり、外部メモリ自体の製造コストを低減することができるため、市場に流通する安価な外部メモリを記録媒体として使用することができる。
【0044】また、請求項2記載のディジタル式記録再生装置によれば、制御部が、記録データにおけるヘッダ情報記録部に判別用データを記録することにより、記録データ自体のデータ量が確定していない録音開始直後においても判別用データを記録データ内に記録することができると共に、再生処理時には、短時間で読み出し可能なヘッダ情報記録部から判別用データを読み出して同一性を判別することができるため、録音処理および再生処理に要する時間を短縮することができる。
【0045】さらに、請求項3記載のディジタル式記録再生装置によれば、制御部が、記録データにおけるデータ本体記録部に判別用データを記録することにより、ヘッダ情報記録部に判別用データを記録する方式と比較して、判別用データの記録アドレスを特定することが困難となるため、記録データの書換えの後において判別用データが不正に修復されることを防止できる結果、この判別用データに基づいて、記録データの書換えの有無を確実に判別することができる。
【0046】また、請求項4記載のディジタル式記録再生装置によれば、判別用データ生成部が、記録データのデータ量に応じて複数の判別用データを生成し、制御部が、その判別用データをデータ本体記録部に分散させて外部メモリに記録すると共に、その判別用データの記録アドレス情報を判別用データに対応させて内部メモリに記録することにより、例えば記録データの一部が書き換えられたときには、データ本体記録部に分散記録された判別用データが上書きされるため、内部メモリに記録した判別用データと比較することによって、その書換えの有無を確実に判別することができる。また、予め規定された数の判別用データを記録する方式と比較して、判別用データに対応する記録アドレスの特定がより困難となるため、記録データの書換えの後における判別用データの不正な修復を確実に防止することができる。さらに、判別用データの数を固定的に規定する方式では、記録データのデータ量が小さいときには、非常に狭い間隔で必要以上に多数の判別用データが記録されて記録データが肥大化し、記録データのデータ量が大きいときには、記録データ内に非常に広い間隔で判別用データが記録されることに起因して、記録データの部分的な書換えの確実な判別が困難になるおそれがあるという改善すべき点が存在する。これに対して、記録データのデータ量に応じて判別用データの記録数を規定することにより、記録データの肥大化を防止することができると共に記録データの部分的な書換えの有無を確実に判別することができる。
【0047】さらに、請求項5記載のディジタル式記録再生装置によれば、制御部が複数の判別用データをランダムな記録間隔で分散記録することにより、判別用データの記録間隔を予め規定した場合と比較して、判別用データについての記録アドレスの特定がさらに困難となるため、判別用データのデータ量を小さい容量に抑えつつ、記録データの書換え後における判別用データの不正な修復をさらに確実に判別することができる。
【0048】また、請求項6記載のディジタル式記録再生装置によれば、制御部が、両判別用データ同士が互いに異なるときには記録データが書き換えられている旨を報知することにより、書き換えられていない記録データについては、その記録データの再生処理をそのまま続行することができ、記録データが書き換えられているときには、例えば文字および記号の表示や、警告音によって、その旨をオペレータに報知することで、再生を中止させることができる。
【0049】さらに、請求項7記載のディジタル式記録再生装置によれば、判別用データ生成部が、記録データを記録する日付の日付情報を含ませて判別用データを生成することにより、例えば固定的な数値情報などを判別用データとして記録する方式と比較して、判別用データの記録アドレスの特定が困難となるため、簡易でありながら記録データの書換えの有無をより確実に判別することができる。
【0050】また、請求項8記載のディジタル式記録再生装置によれば、判別用データ生成部が、ランダムに発生させた数値情報を含ませて判別用データを生成することにより、例えば固定的な数値情報などを判別用データとして記録する方式と比較して、判別用データの記録アドレスの特定が困難となるため、記録データの書換えの有無をより確実に判別することができると共に、同じ日時に記録データを記録したとしても、同一内容の判別用データが生成される可能性が低下するため、記録データの書換えの有無をさらに確実に判別することができる。
【0051】また、請求項9記載のディジタル式記録再生装置によれば、比較的書換えが容易な音声データを記録するボイスレコーダなどに本発明に係るディジタル式記録再生装置を適用して音声データの記録および再生を可能に構成することにより、音声データの書換えの有無を確実に判別することができる。
【出願人】 【識別番号】000003067
【氏名又は名称】ティーディーケイ株式会社
【出願日】 平成12年9月13日(2000.9.13)
【代理人】 【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司
【公開番号】 特開2002−91494(P2002−91494A)
【公開日】 平成14年3月27日(2002.3.27)
【出願番号】 特願2000−277535(P2000−277535)