| 【発明の名称】 |
発光パネルの駆動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】石塚 真一
【氏名】越智 英夫
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| 【要約】 |
【課題】発光素子の温度変化又は経時変化に拘わらず、発光パネルの表示輝度を一定に保つことができる発光パネルの駆動装置を提供することを目的とする。
【解決手段】発光素子各々を発光させる駆動電流を発光パネルの陽極線に供給する陽極線ドライバで生じる電圧降下値と、理想電圧降下値との差分値に応じて陽極線ドライバに供給すべき電源電圧の値を調整する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに交差する複数の陽極線及び複数の陰極線と、前記陽極線及び前記陰極線の各交差部にて前記陽極線及び前記陰極線間に接続された複数の発光素子とからなる発光パネルを駆動する駆動装置であって、前記発光素子各々を発光させるべき駆動電流を発生しこれを前記陽極線の各々に供給する陽極線ドライバと、前記駆動電流を発生させるべき電源電圧を前記陽極線ドライバに供給する陽極電源回路と、前記陽極線ドライバにおいて生ずる電圧降下と理想電圧降下との差分を電圧降下誤差として検出し、前記電圧降下誤差に対応した電圧降下誤差信号を得る電圧降下誤差検出回路と、を有し、前記陽極電源回路は、前記電圧降下誤差信号に応じた分だけ前記陽極線ドライバに供給すべき前記電源電圧の値を調整することを特徴とする発光パネルの駆動装置。 【請求項2】 前記電圧降下誤差検出回路は、前記電源電圧の値から前記理想電圧降下を減算した電圧値を基準電圧値として生成する基準電圧生成回路と、前記陽極線上の電圧値と前記基準電圧値との差分に基づいて前記電圧降下誤差信号を生成する差分回路と、からなることを特徴とする請求項1記載の発光パネルの駆動装置。 【請求項3】 前記電圧降下誤差検出回路は、前記電源電圧の値と前記陽極線上の電圧値との差分を前記陽極線ドライバでの前記電圧降下として求める第1差分回路と、前記電圧降下と前記理想電圧降下との差分を求めてこれを前記電圧降下誤差信号とする第2差分回路と、からなることを特徴とする請求項1記載の発光パネルの駆動装置。 【請求項4】 前記陽極電源回路による前記電源電圧の調整は、前記陽極電源回路に対する電源投入時のみに実施することを特徴とする請求項1記載の発光パネルの駆動装置。 【請求項5】 前記陽極線ドライバは前記発光パネルに形成されている前記陽極線の各々に対応して複数個設けられており、前記電圧降下誤差検出回路は、前記陽極線ドライバ各々の内のいずれか1の陽極線ドライバにおいて生ずる電圧降下と前記理想電圧降下との差分に基づいて前記電圧降下誤差信号を得ることを特徴とする請求項1記載の発光パネルの駆動装置。 【請求項6】 前記電圧降下誤差検出回路は、第1の色で発光する前記発光素子が接続されている前記陽極線上の電圧及び前記第1の色とは異なる第2の色で発光する前記発光素子が接続されている前記陽極線上の電圧の内の高い方の電圧と前記電源電圧との差分を前記電圧降下として求め、前記電圧降下と前記理想電圧降下との差分を前記電圧降下誤差信号とすることを特徴とする請求項1記載の発光パネルの駆動装置。 【請求項7】 互いに交差する複数の陽極線及び複数の陰極線と、前記陽極線及び前記陰極線の各交差部にて前記陽極線及び前記陰極線間に接続された複数の発光素子とからなる発光パネルを駆動する駆動装置であって、前記発光素子各々を発光させるべき駆動電流を発生しこれを前記陽極線の各々に供給する陽極線ドライバと、前記駆動電流を発生させるべき電源電圧を前記陽極線ドライバに供給する陽極電源回路と、前記陽極線ドライバにおいて生ずる電圧降下と理想電圧降下との大小比較を行い、この大小比較結果に応じた電圧降下誤差検出信号を生成する電圧降下誤差検出回路と、を有し、前記陽極電源回路は、前記電圧降下誤差信号に応じて前記陽極線ドライバに供給すべき前記電源電圧の値を調整することを特徴とする発光パネルの駆動装置。 【請求項8】 前記電圧降下誤差検出回路は、前記陽極線ドライバでの電圧降下よりも前記理想電圧降下の方が大なる場合には第1論理レベルの前記電圧降下誤差検出信号を生成する一方、前記理想電圧降下よりも前記陽極線ドライバでの電圧降下の方が大なる場合には第2論理レベルの前記電圧降下誤差検出信号を生成し、前記陽極電源回路は、前記第1論理レベルの前記電圧降下誤差検出信号が供給されている期間中は前記電源電圧の値を徐々に高める一方、前記第2論理レベルの前記電圧降下誤差検出信号が供給されている期間中は前記電源電圧の値を低めるべき調整を行うことを特徴とする請求項7記載の発光パネルの駆動装置。 【請求項9】 前記陽極線ドライバは前記発光パネルに形成されている前記陽極線の各々に対応して複数個設けられており、前記電圧降下誤差検出回路は、前記陽極線ドライバ各々の内のいずれか1の陽極線ドライバにおいて生ずる電圧降下と前記理想電圧降下との大小比較結果に応じて前記電圧降下誤差検出信号を生成することを特徴とする請求項7記載の発光パネルの駆動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、有機エレクトロルミネセンス素子等の容量性発光素子を用いた発光パネルの駆動装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、表示装置の大型化に伴い、薄型の表示装置が要求され、各種の薄型表示装置が実用化されている。かかる薄型表示装置の1つとして、複数の有機エレクトロルミネッセンス素子をマトリクス状に配列して為る発光パネルを搭載したエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置が着目されている。 【0003】有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、単にEL素子という)は、電気的には、図1のような等価回路にて表すことができる。図1に示すように、EL素子は、容量成分Cと、該容量成分に並列に結合するダイオード特性の成分Eとによって等価的に表すことができる、いわゆる容量性の発光素子である。EL素子は、直流の発光駆動電圧が電極間に印加されると、電荷が容量成分Cに蓄積され、続いて当該素子固有の障壁電圧または発光閾値電圧を越えると、電極(ダイオード成分Eの陽極側)から発光層を担う有機機能層に電流が流れ始め、この電流に比例した強度で発光する。 【0004】かかる素子の電圧V−電流I−輝度Lの特性は、図2に示すように、ダイオードの特性に類似しており、発光閾値電圧Vth以下の電圧では電流Iは極めて小さく、発光閾値電圧Vth以上の電圧になると電流Iは急激に増加する。また、電流Iと輝度Lはほぼ比例する。このような素子は、発光閾値電圧Vthを超える駆動電圧を素子に印加すれば当該駆動電圧に応じた電流に比例した発光輝度を呈し、印加される駆動電圧が発光閾値電圧Vth以下であれば駆動電流が流れず発光輝度もゼロに等しいままである。 【0005】このようなEL素子をマトリクス状に配列して為る発光パネルの駆動方法としては、単純マトリクス駆動方式が知られている。図3は、単純マトリクス駆動方式を採用して発光パネルの駆動を行うエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置の概略構成を示す図である。図3において、発光パネル11には、n個の陰極線(金属電極)B1 〜Bnが横方向、m個の陽極線(透明電極)A1〜Amが縦方向に夫々平行に設けられ、各交差部(計n×m個)に、EL素子E1,1〜Em,nが形成されている。画素を担うEL素子E1,1 〜Em,nは、格子状に配列され、垂直方向に沿う陽極線A1〜Amと水平方向に沿う陰極線B1 〜Bnとの交差位置に対応して一端(上記の等価回路のダイオード成分Eの陽極線側)が陽極線に、他端(上記の等価回路のダイオード成分Eの陰極線側)が陰極線に接続される。陰極線は陰極線走査回路13に接続され、陽極線は陽極線ドライブ回路14に接続されている。 【0006】陰極線走査回路13は、各陰極線の電位を個別に定める陰極線B1 〜Bnに対応する走査スイッチ51 〜5nを有し、各々が、バイアス電位Vcc(例えば10V)及びアース電位(0V)のうちのいずれか一方の電位を、対応する陰極線に中継供給する。陽極線ドライブ回路14は、発光パネル11の陽極線A1〜Am各々を介してEL素子E1,1〜Ei,jの各々に駆動電流を供給する定電流ドライバ21〜2m及びドライブスイッチ61〜6mを有している。定電流ドライバ21〜2m各々は、陽極電源回路10から供給された直流電圧VPに基づく所定の一定電流をドライブスイッチ61〜6m各々に出力する。ドライブスイッチ61〜6m各々は定電流ドライバ21〜2mからの出力又はアース電位を陽極線に供給するように構成されている。定電流ドライバ21〜2mの供給電流量は、EL素子が所望の瞬時輝度で発光する状態(以下、この状態を定常発光状態と称する。)を維持するために必要な電流量とされる。また、EL素子が定常発光状態にある時は、上述したEL素子の容量成分Cに電荷が充電されているため、EL素子の両端電圧は発光閾値電圧Vthより若干高い正電圧VF(この電圧を順方向電圧と称する)となる。 【0007】陰極線走査回路13及び陽極線ドライブ回路14は発光制御回路12に接続される。発光制御回路12は、入力された映像データに応じて当該映像データが担う画像を表示させるべく陰極線走査回路13及び陽極線ドライブ回路14を制御する。発光制御回路12は、陰極線走査回路13に対して、走査線選択制御信号を発生し、映像データの水平走査期間に対応する陰極線のいずれかを選択してアース電位に設定し、その他の陰極線はバイアス電位Vccが印加されるように走査スイッチ51 〜5nを切り換える制御を行う。バイアス電位Vccは、ドライブされている陽極線と走査選択がされていない陰極線との交点に接続されたEL素子がクロストーク発光することを防止するために、陰極線に接続される定電圧源によって印加されるものであり、通常、バイアス電位Vcc=VFと設定されている。走査スイッチ51 〜5n が水平走査期間毎に順次アース電位に切り換えられるので、アース電位に設定された陰極線は、その陰極線に接続されたEL素子を発光可能とする走査線として機能することとなる。 【0008】陽極線ドライブ回路14は、かかる走査線に対して発光制御を行う。発光制御回路12は、映像データが示す画素情報に従って当該走査線に接続されているEL素子のいずれをどのタイミングでどの程度の時間に亘って発光させるかについてを示すドライブ制御信号(駆動パルス)を発生し、陽極線ドライブ回路14に供給する。陽極線ドライブ回路14は、このドライブ制御信号に応じて、ドライブスイッチ61 〜6m を個別に切換制御し、陽極線A1 〜Am を通じて画素情報に応じた該当EL素子への駆動電流の供給をなす。これにより、駆動電流の供給されたEL素子は、当該画素情報に応じた発光をなすこととなる。 【0009】次に、発光動作について図3及び図4の例を用いて説明する。この発光動作は、陰極線B1 を走査してEL素子E1,1及びE2,1を光らせた後、陰極線B2 に走査を移してEL素子E2,2 及びE3,2 を光らせる場合を例に挙げたものである。また、説明を分かり易くするために、図3及び図4においては光っているEL素子はダイオード記号にて示され、光っていない発光素子はコンデンサ記号にて示される。 【0010】図3においては、走査スイッチ51のみが0Vのアース電位側に切り換えられ、陰極線B1 が走査されている。他の陰極線B2 〜Bn には、走査スイッチ52〜5n によりバイアス電位Vccが印加されている。同時に、陽極線A1 及びA2には、ドライブスイッチ61 及び62 によって定電流ドライバ21 及び22 が接続されている。また、他の陽極線A3 〜Am には、ドライブスイッチ63 〜6mによって0Vのアース電位側に切り換えられている。したがって、この場合、EL素子E1,1 とE2,1 のみが順方向にバイアスされ、定電流ドライバ21 及び22 から矢印のように駆動電流が流れ込み、EL素子E1,1 及びE2,1 のみが発光することとなる。この状態においては、非発光のハッチングして示されるEL素子E3,2〜Em,nは、それぞれ図示の如き極性に充電されることとなる。 【0011】この図3の発光状態から、今度は図4に示すように、陰極線B2 に対応する走査スイッチ52のみをアース電位の0V側に切り換え、陰極線B2 の走査を行う。これと同時に、ドライブスイッチ62及び63によって定電流ドライバ22及び23を対応の陽極線A2及びA3に接続せしめるとともに、他の陽極線A1 ,A4〜Am にはドライブスイッチ61,64〜6mを介して0Vを与える。したがって、この場合、EL素子E2,2 及びE3,2のみが順方向にバイアスされ、定電流ドライバ22及び23から矢印のように駆動電流が流れ込み、EL素子E2,2及びE3,2のみが発光することとなる。 【0012】このように、上記発光制御は、陰極線B1〜Bnのうちのいずれかをアクティブにする期間である走査モードの繰り返しである。かかる走査モードは、映像データの1水平走査期間(1H)毎に行われ、走査スイッチ51〜5nが水平走査期間毎に順次アース電位に切り換えられる。発光制御回路12は、映像データが示す画素情報に従って当該走査線に接続されているEL素子のどれをどのタイミングでどの程度の時間に亘って発光させるかについてを示すドライブ制御信号(駆動パルス)を発生し、陽極線ドライブ回路14に供給する。陽極線ドライブ回路14は、このドライブ制御信号に応じて、ドライブスイッチ61〜6mを切換制御し、陽極線A1〜Amを通じて画素情報に応じた該当EL素子への駆動電流の供給をなす。これにより、駆動電流の供給されたEL素子は、当該画素情報に応じた発光をなすこととなる。 【0013】ところで、EL素子には温度や経時によって特性が変化するという問題がある。図5に示すように、EL素子を流れる駆動電流とEL素子の順方向電圧との特性は温度変化に応じて変化する。この図5の特性からは、同一の駆動電流においては高温時には順方向電圧が低下し、低温時には順方向電圧が上昇することが分かる。また、図6に示すように、順方向電圧は経時経過に従って上昇することが分かっている。このようにEL素子の順方向電圧が温度や経時によって変化すると、EL素子の輝度が不安定になるという問題点があった。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題点を解決すべく為されたものであり、発光素子の温度変化又は経時変化に拘わらず、発光パネルの表示輝度を一定に保つことができる発光パネルの駆動装置を提供することである。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明の発光パネルの駆動装置は、互いに交差する複数の陽極線及び複数の陰極線と、前記陽極線及び前記陰極線の各交差部にて前記陽極線及び前記陰極線間に接続された複数の発光素子とからなる発光パネルを駆動する駆動装置であって、前記発光素子各々を発光させるべき駆動電流を発生しこれを前記陽極線の各々に供給する陽極線ドライバと、前記駆動電流を発生させるべき電源電圧を前記陽極線ドライバに供給する陽極電源回路と、前記陽極線ドライバにおいて生ずる電圧降下と理想電圧降下との差分を電圧降下誤差として検出し、前記電圧降下誤差に対応した電圧降下誤差信号を得る電圧降下誤差検出回路と、を有し、前記陽極電源回路は、前記電圧降下誤差信号に応じた分だけ前記陽極線ドライバに供給すべき前記電源電圧の値を調整する。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。図7は、本発明による発光パネルの駆動装置が搭載されているエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置の概略的な構成を示す図である。このディスプレイ装置は、発光パネル11、発光制御回路12、陰極線走査回路13、陽極線ドライブ回路14、陽極可変電源回路15、及び電圧降下誤差検出回路16からなる。 【0017】発光パネル11は、互いに交叉して配置されている複数の陽極線A1〜Am及び陰極線B1〜Bnと、これら陽極線A1〜Am及び陰極線B1〜Bnの各交差部に配置された複数の有機エレクトロルミネッセンス素子(EL素子)E1、1〜Ei、jから構成される。EL素子E1、1〜Ei、jの各々は、陽極線A1〜Am及び陰極線B1〜Bnの各交差位置において陽極線A及び陰極線B間に接続されている。 【0018】発光制御回路12は、入力された映像データに応じて当該映像データが担う画像を表示させるべく陰極線走査回路13及び陽極線ドライブ回路14各々に対して各種制御信号(後述する)を供給する。陰極線走査回路13は、陰極線B1 〜Bn各々の電位を個別に定める走査スイッチ51 〜5nを有する。走査スイッチ51 〜5n各々は、発光制御回路12から供給された走査線選択制御信号に応じて、陰極線B1 〜Bnの各々を1つずつ順次、アース電位(0V)に設定して行く。この間、アース電位に設されていない他の陰極線にはバイアス電位Vccが印加されるように、走査スイッチ51 〜5n各々の切換制御が為される。つまり、アース電位に設定された陰極線のみが走査選択されて、その陰極線に接続されたEL素子を発光可能とする走査線として機能することとなる。尚、上記バイアス電位Vccは、上述した如き走査選択されていない陰極線に接続されたEL素子がクロストーク発光しないように印加されるものであり、通常、バイアス電位Vcc=VFに設定されている。 【0019】陽極線ドライブ回路14は、発光パネル11の陽極線A1〜Am各々を介してEL素子E1、1〜Ei、jの各々に駆動電流を供給する定電流ドライバ21〜2m及びドライブスイッチ61〜6mを有している。定電流ドライバ21〜2m各々は、陽極可変電源回路15から供給された電源電圧VAに基づく所定の一定電流をドライブスイッチ61〜6m各々に出力する。定電流ドライバ21〜2m各々から出力された上記所定の一定電流量は、EL素子が所望の瞬時輝度で発光する状態(以下、この状態を定常発光状態と称する。)を維持するために必要な電流量となる。また、EL素子が定常発光状態にある時は、上述したEL素子の容量成分Cに電荷が充電されているため、EL素子の両端電圧は発光閾値電圧Vthより若干高い順方向電圧VFとなる。ドライブスイッチ61〜6m各々は定電流ドライバ21〜2mの出力又はアース電位を陽極線A1〜Am各々に供給するように構成されている。 【0020】発光制御回路12は、映像データが示す画素情報に従って、前述した如く走査選択された1つの陰極線Bに接続されているEL素子Eのいずれをどのタイミングでどの程度の時間に亘って発光させるかについてを示すドライブ制御信号(駆動パルス)を発生し、陽極線ドライブ回路14に供給する。陽極線ドライブ回路14は、このドライブ制御信号に応じて、ドライブスイッチ61 〜6m を個別に切換制御し、陽極線A1 〜Am を通じて画素情報に応じた該当EL素子への駆動電流の供給をなす。これにより、駆動電流の供給されたEL素子は、当該画素情報に応じた発光をなすこととなる。以上の如き駆動を、陰極線B1 〜Bn各々を順次、走査選択して実施することにより、発光パネル11において1フレーム分の画像表示が為される。 【0021】電圧降下誤差検出回路16は、陽極可変電源回路15から出力された電源電圧VAと、陽極線A上に印加されている順方向電圧VFとの電圧差、つまり、陽極線ドライブ回路14での電圧降下値を求める。そして、電圧降下誤差検出回路16は、かかる電圧降下値と、定電流ドライバ2が定電流性を維持できる理想電圧降下値Kとの差分値を電圧降下誤差値として求め、この電圧降下誤差値を示す電圧降下誤差信号VERを陽極可変電源回路15に供給する。 【0022】図8は、電圧降下誤差検出回路16の回路構成の一例を示す図である。図8において、サンプルホールド回路161は、例えば陽極線Am上に生じている順方向電圧VFを所定周期毎に取り込み、その値を順方向電圧Vfとして差動増幅回路162に供給する。抵抗R1及びR2からなる分圧回路は、陽極可変電源回路15の電源電圧VAを分圧して基準電圧VREFを生成し、これを差動増幅回路162に供給する。 【0023】尚、基準電圧VREFは、VREF=VA−KVA:陽極可変電源回路15の電源電圧値K:定電流ドライバ2の定電流性を維持できる理想電圧降下値なる電圧値である。 【0024】つまり、抵抗R1及びR2からなる分圧回路は、電源電圧VAから上記理想電圧降下値Kを減算した値を基準電圧VREFとして生成するのである。差動増幅回路162は、かかる基準電圧VREFと上記順方向電圧Vfとの電圧差に応じたレベルを有する電圧降下誤差信号VERを出力する。すなわち、差動増幅回路162は、VER=VREF−Vf=(VA−K)−Vf=(VA−Vf)−Kの如き、陽極線ドライブ回路14での電圧降下値である(VA−Vf)から、定電流ドライバ2の定電流性を維持できる理想電圧降下値Kを減算したものを、電圧降下誤差信号VERとして、陽極可変電源回路15に供給することになる。 【0025】陽極可変電源回路15は、上記電圧降下誤差信号VERに応じた分だけ、定電流ドライバ21〜2m各々に印加すべき電源電圧VAの電圧値を調整する。すなわち、陽極線ドライブ回路14での電圧降下値(VA−Vf)が理想電圧降下値Kよりも"r"だけ高い場合には、陽極可変電源回路15は、この"r"の分だけ電源電圧VAの電圧値を低下させる。一方、陽極線ドライブ回路14での電圧降下値(VA−Vf)が理想電圧降下値Kよりも"r"だけ低い場合には、陽極可変電源回路15は、この"r"の分だけ電源電圧VAの電圧値を高めるのである。 【0026】よって、かかる動作によれば、陽極線ドライブ回路14での電圧降下値(VA−Vf)を、常に上記理想電圧降下値Kに保つことが出来るようになるので、EL素子の温度変化又は経時経過に拘わらず、各EL素子に印加される順方向電圧を理想の順方向電圧値に保持させることが可能となる。図9は、本発明の他の実施例によるエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置の概略構成を示す図である。 【0027】尚、図9に示されている発光パネル11、発光制御回路12、陰極線走査回路13は及び陽極線ドライブ回路14各々は、図7に示すものと同一であるので、その動作説明は省略する。図9において、陽極可変電源回路25は、所定の電源電圧VAを発生し、これを陽極線ドライブ回路14の定電流ドライバ21〜2m各々に供給する。 【0028】電圧降下誤差検出回路26は、陽極可変電源回路15から出力された電源電圧VAと、陽極線A上に印加されている順方向電圧VFとの電圧差、つまり、陽極線ドライブ回路14での電圧降下値を求める。そして、電圧降下誤差検出回路26は、この陽極線ドライブ回路14での電圧降下値と、定電流ドライバ2が定電流性を維持できる理想電圧降下値Kとの大小比較を行う。この際、電圧降下誤差検出回路26は、理想電圧降下値Kの方が大なる場合には論理レベル"0"、陽極線ドライブ回路14での電圧降下値の方が大なる場合には論理レベル"1"の電圧降下誤差検出信号VDを発生し、これを陽極可変電源回路25に供給する。 【0029】図10は、上記電圧降下誤差検出回路26の回路構成の一例を示す図である。図10において、サンプルホールド回路161は、例えば陽極線Am上に生じている順方向電圧VFを所定周期毎に取り込み、その値を順方向電圧Vfとして比較器163に供給する。抵抗R1及びR2からなる分圧回路は、陽極可変電源回路25の電源電圧VAを分圧して基準電圧VREFを生成し、これを比較器163に供給する。 【0030】尚、基準電圧VREFは、VREF=VA−KVA:陽極可変電源回路25の電源電圧値K:定電流ドライバ2の定電流性を維持できる理想電圧降下値なる電圧値である。 【0031】比較器163は、上記順方向電圧Vfが基準電圧VREFよりも高い場合、つまり陽極線ドライブ回路14での電圧降下値(VA−Vf)が理想電圧降下値Kよりも低い場合には論理レベル"0"の電圧降下誤差検出信号VDを発生し、これを陽極可変電源回路25に供給する。一方、上記順方向電圧Vfが基準電圧VREFよりも低い場合、つまり陽極線ドライブ回路14での電圧降下値(VA−Vf)が理想電圧降下値Kよりも高い場合には、比較器163は、論理レベル"1"の電圧降下誤差検出信号VDを発生し、これを陽極可変電源回路25に供給する。 【0032】陽極可変電源回路25は、電圧降下誤差検出信号VDが論理レベル"1"である期間中は、図11に示す如く、定電流ドライバ21〜2m各々に供給すべき電源電圧VAの電圧値を徐々に低下する。一方、電圧降下誤差検出信号VDが論理レベル"0"である期間中は、この電源電圧VAの電圧値を徐々に上げて行く。すなわち、陽極可変電源回路25は、陽極線ドライブ回路14での電圧降下値(VA−Vf)が理想電圧降下値Kよりも低い場合には順方向電圧Vfが高くなっていると判断して、電源電圧VAの電圧値を上げるのである。一方、陽極線ドライブ回路14での電圧降下値(VA−Vf)が理想電圧降下値Kよりも高い場合には、陽極可変電源回路25は、順方向電圧Vfが低くなっていると判断し、電源電圧VAの電圧値を下げるのである。 【0033】よって、図9及び図10に示す如き構成においても、陽極線ドライブ回路14での電圧降下値(VA−Vf)を、常に、上記理想電圧降下値Kの近傍に保つことが出来るようになる。これにより、EL素子の温度変化又は経時経過に拘わらず、各EL素子の発光を安定させることができる。又、上記電圧降下誤差検出回路16の内部構成としては、図8に示すものに代わり図12に示す如きものを採用しても良い。 【0034】図12において、サンプルホールド回路161は、例えば陽極線Am上に生じている順方向電圧VFを所定周期毎に取り込み、その値を順方向電圧Vfとして差動増幅回路164に供給する。差動増幅回路164は、陽極可変電源回路15の電源電圧VAと、上記順方向電圧Vfとの差分値、つまり陽極線ドライブ回路14で生じている電圧降下値(VA−Vf)を求め、これを差動増幅回路165に供給する。差動増幅回路165は、上述した如き理想電圧降下値Kと、上記電圧降下値(VA−Vf)との差分を電圧降下誤差値として求め、この電圧降下誤差値を示す電圧降下誤差信号VERを図7に示す如き陽極可変電源回路15に供給する。 【0035】又、上記電圧降下誤差検出回路16(又は26)では、発光パネル11のm個の陽極線A1〜Amの内の1本の陽極線Am上に生じている順方向電圧VFを代表値として、陽極線ドライブ回路14で生じている電圧降下を求めている。しかしながら、EL素子E1,1〜Em,nの各々は各列毎に、赤色光を発するEL素子群、緑色光を発するEL素子群、青色光を発するEL素子群に区分されており、各色毎に、その列に対応した陽極線A上に生じる順方向電圧VFが異なる場合がある。そこで、赤色、緑色、及び青色発光各々の駆動を担う3本の陽極線A上に生じている順方向電圧を夫々取り込み、その中から最も高い電圧を有する順方向電圧を用いて、陽極線ドライブ回路14で生じている電圧降下を求めるようにしても良い。 【0036】図13は、かかる点に鑑みて為された本発明の他の実施例によるエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置の概略構成を示す図である。尚、図13においては、電圧降下誤差検出回路36を除く他の構成は図7に示すものと同一であるので、以下に、電圧降下誤差検出回路36の動作のみ説明する。 【0037】電圧降下誤差検出回路36は、先ず、陽極線A1上の電圧を順方向電圧VFR、陽極線A2上の電圧を順方向電圧VFG、陽極線A3上の電圧を順方向電圧VFBとして夫々取り込む。尚、陽極線A1には赤色発光を担うEL素子E1,1、E1,2、・・・、E1,nが接続されており、陽極線A2には緑色発光を担うEL素子E2,1、E2,2、・・・、E2,nが接続されており、陽極線A3には青色発光を担うEL素子E3,1、E3,2、・・・、E3,nが接続されている。次に、電圧降下誤差検出回路36は、上記順方向電圧VFR、順方向電圧VFG、及び順方向電圧VFB各々の内でその電圧値が最も高いものを順方向電圧VFとする。次に、電圧降下誤差検出回路36は、陽極可変電源回路15から出力された電源電圧VAと、この順方向電圧VFとの電圧差を、陽極線ドライブ回路14での電圧降下値として求める。そして、電圧降下誤差検出回路36は、かかる電圧降下値と、定電流ドライバ2が定電流性を維持できる理想電圧降下値Kとの差分値を電圧降下誤差値として求め、この電圧降下誤差値を示す電圧降下誤差信号VERを陽極可変電源回路15に供給する。要するに、夫々に、互いに異なる発光色のEL素子が接続されている少なくとも2本の陽極線上の電圧の内で、高い方の電圧値を最終的な順方向電圧VFとして用いて、電圧降下誤差を得るのである。 【0038】又、上記実施例においては、陽極可変電源回路15(又は25)による電源電圧VAの調整動作を常に実施するようにしているが、所定期間おき、あるいは、陽極可変電源回路自体への電源投入時のみに実施するようにしても良い。 【0039】 【発明の効果】以上の如く、本発明による発光パネルの駆動装置によれば、各発光素子に印加される順方向電圧を、常に理想の順方向電圧値に保持させることが可能となる。よって、本発明によれば、発光素子の温度変化又は経時経過に拘わらず、安定した画像表示輝度が得られるようになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005016 【氏名又は名称】パイオニア株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079119 【弁理士】 【氏名又は名称】藤村 元彦
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| 【公開番号】 |
特開2002−297098(P2002−297098A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月9日(2002.10.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−101441(P2001−101441) |
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