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【発明の名称】 情報処理装置及び文字入力装置
【発明者】 【氏名】田村 公夫

【要約】 【課題】キー配列領域の幅が装置の幅の制約を受けることなく、キー数及びキーピッチを十分にとることができ、操作性、携帯性の良好なキーボードを搭載した情報処理装置及び文字入力装置を提供する【解決手段】 縦横転回自在に支持されたキーボード53を格納自在に備える情報処理装置40とした。キーボード53は支持部材52に90度転回自在に支持される。支持部材52は、連結部51を介して、装置本体41の下端に着脱自在かつ蝶開自在に連結される。キーボード53を縦長姿勢にし、支持部材52とともにキーボード53を液晶表示画面42上に格納し、液晶表示画面42等を保護する。キーボード53を横長に転回してQWERTY配列のキーボードとして使用する。

【解決手段】縦横転回自在に支持されたキーボード53を格納自在に備える情報処理装置40とした。キーボード53は支持部材52に90度転回自在に支持される。支持部材52は、連結部51を介して、装置本体41の下端に着脱自在かつ蝶開自在に連結される。キーボード53を縦長姿勢にし、支持部材52とともにキーボード53を液晶表示画面42上に格納し、液晶表示画面42等を保護する。キーボード53を横長に転回してQWERTY配列のキーボードとして使用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表示画面が設けられた装置本体と、前記装置本体の一端に蝶開自在に連結される支持部材と、前記支持部材に転回自在に支持されるキーボードとを備える情報処理装置。
【請求項2】 前記支持部材が縦長平板状に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】 前記装置本体と前記支持部材との連結位置が、前記支持部材の延設方向に沿ってスライド動作可能にされてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】 前記装置本体背面を支持して前記装置本体を前記支持部材に対して所定角度に保持する角度保持部材が、前記スライド動作に伴って装置本体背面側に延出する前記支持部材の端部に、格納自在に装備されてなることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】 前記スライド動作に伴って前記装置本体側の電極端子と前記キーボード側の電極端子とが接続・乖離することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】 前記装置本体側の電極端子を遮蔽する遮蔽部材が、前記スライド動作に連動し、前記接続の際に開状態となるよう開閉自在に取り付けられてなることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】 前記キーボードの転回動作に伴って前記装置本体側の電極端子と前記キーボード側の電極端子とが接続・乖離することを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一に記載の情報処理装置。
【請求項8】 個々の入力キーに対応して前記キーボード上に表示される文字又は記号のうち、キーボードが横長に配置された第一の配置状態において入力操作可能となる文字又は記号が、前記第一の配置状態において前記表示画面に正対したオペレータに対して正立するように表示され、前記キーボードが縦長に配置された第二の配置状態において入力操作可能となる文字又は記号が、前記第二の配置状態において前記表示画面に正対したオペレータに対して正立するように表示されることを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載の情報処理装置。
【請求項9】 前記装置本体と支持部材とが着脱自在に連結されてなることを特徴とする請求項1から請求項8のうちいずれか一に記載の情報処理装置。
【請求項10】 縦横の寸法が異なるキーボードと、前記キーボードをその裏面側で転回自在に支持する支持部材と、表示画面が設けられた情報処理装置に接続する接続機構と、前記情報処理装置に接続した際に前記表示画面と前記キーボードの表面とを内側にして蝶開自在にする蝶開機構と、を備えることを特徴とする文字入力装置。
【請求項11】 表示画面が設けられた装置本体と、前記装置本体に蝶開自在、かつ、着脱自在に連結されて前記表示画面を覆うキーボードと、前記装置本体から離脱された前記キーボードをその長手方向を前記装置本体の横方向にして前記装置本体に固定にする保持部材と、前記キーボードを前記装置本体に信号入力可能に接続するコネクタと、が備えられてなる情報処理装置。
【請求項12】 前記コネクタが前記キーボードから延出するケーブルの先端に設けられてなることを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】 前記保持部材が前記キーボードの裏面に格納自在に取り付けられてなることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】 前記保持部材による前記キーボードの固定位置を前記表示画面が設置された装置本体前面上としたことを特徴とする請求項11、請求項12又は請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】 キーボードと、前記キーボードの裏面側で前記キーボードを縦横転回自在に支持する支持部材とを備える文字入力装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報処理装置及び文字入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、PDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話などの携帯情報端末、特に、電子メール機能搭載のものが普及しており、携帯情報端末に文字を入力する機会が増加している。文字入力の際には、汎用されているQWERTY配列のキーボードが使い勝手がよく入力しやすいが、携帯性を損なわないよう入力手段として種々の形態のものが提案されている。そのような従来の情報処理装置の例を図13〜図15に示す。
【0003】図13に示す情報処理装置は、縦長の外形を有するPDA10であり、入力キーをPDA10の幅方向に横長にQWERTY配列したキーボード13を内装している。キーボード13は、図13(a)に示す状態から、カバー12を下方向にスライドすることで図13(b)に示すように現れ使用することができる。
【0004】図14に示す情報処理装置は、同じく縦長の外形を有するPDA20である。図14(b)に示すように、このPDA20の下端に別体のキーボード21を接続することによってキーボード21を用いた入力操作が可能となる。
【0005】図15に示す情報処理装置は、折り畳み式の携帯電話30である。この携帯電話30は、表示画面34を備えた本体上部31と、キー操作部35を備えた本体下部32とで構成され、双方がヒンジ33を介して蝶開自在に連結されている。この蝶開機構を開状態とすることにより、表示画面34と、キー操作部35が現れ、キー入力を行うことができる。そして、蝶開機構を閉状態とすることにより、表示画面34及びキー操作部35が内部に収まり保護されることができる。また、QWERTY配列のキーボード(図示せず)をケーブル(図示せず)を介して携帯電話30に接続する場合がある。
【0006】PDA10、PDA20のような情報処理装置には、液晶画面等の保護目的で、本体と別体のハードカバーが設けられる場合がある。この場合、装置を使用する際にはカバーを装置本体から取り外し、適所に載置したり装置本体の裏面に装着したりする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】文字入力が行われる情報処理装置用のキーボードにおいて、そのキー配列は、多くの人が使い慣れているQWERTY配列とするのが望ましい。しかし、キーボード13の場合には、QWERTY配列を採用しているが、キー配列領域の幅が装置の幅の制約を受けて、キーピッチが狭くなっており、操作性に欠ける。それに対し、キーボード21の場合には、比較的キーピッチが広く、押しやすいが、キー数を削減したため、QWERTY配列を採用できていない。
【0008】携帯電話30においては、本体下部32が表示画面34を覆うハードカバーの役目を果たしており、その連結された本体下部32の紛失の恐れもない。しかし、キー操作部35に、QWERTY配列を設置しようとすると、やはりキー配列領域の幅が装置の幅の制約を受けて、キーピッチが狭くなる。したがって、QWERTY配列の採用は困難である。
【0009】PDA20のキーボード21や、携帯電話30のオプションキーボードのように情報処理装置と別体のキーボードがある場合や、別体のハードカバーがある場合には、本体、キーボード、ハードカバー等の複数の物品を携帯する煩雑さや、紛失の危険性が増す。
【0010】ところで、人間がある物体を手に持つ場合、支持位置がその物体の重心から離れれば離れるほど、その物体の回転モーメント力を支えるために、大きな筋力を使うことになり疲労感が増す。その観点からは、物体の重心近くを支持する方が、少ない筋力で支持でき、疲労感が少なくて良い。一方、入力キーを備える装置を片手でもって他方の手の指でその入力キーを押して操作する場合を考える。例えば、押そうとする入力キーが装置の一端付近にあるのに、相対する他端付近を持って操作しようとすると、操作ボタンの位置をしっかりと固定しておくことができず操作しにくい。その観点からは、装置の操作部の近くを持つ方が安定し操作しやすい。以上の二つの要請に応えるために、情報処理装置の重心にできるだけ近い位置にキーボードを配置することが有効である。しかし、そのためにキーピッチを狭くしたり、キー数を削減したりすることは、上述したように操作性の観点より有効な解決手段とならない。
【0011】本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、キー配列領域の幅が装置の幅の制約を受けることなく、キー数及びキーピッチを十分にとることができ、操作性、携帯性の良好なキーボードを搭載した情報処理装置及び文字入力装置を提供することを課題とする。
【0012】また、本発明は、表示画面を保護するハードカバー及び入力手段としてのキーボードを携帯する煩雑さを軽減でき、それらの紛失の危険性を低減できる情報処理装置及び文字入力装置を提供することを課題とする。
【0013】さらに、本発明は、キーボードが情報処理装置全体の重心に比較的近く設置され、情報処理装置を片手で持って操作する際の疲労感が少なく、操作時の安定性に優れ、使用感良好な情報処理装置及び文字入力装置を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、例えば図1に示すように、表示画面42が設けられた縦長の装置本体41と、前記装置本体41の下端に蝶開自在に連結される支持部材52と、前記支持部材52に転回自在に支持されるキーボード53とを備える情報処理装置である。
【0015】ここで「縦長」とは、前記表示画面に映し出される画像の水平方向を横、垂直方向を縦として、縦が横より長いことをいい、「横長」とはその逆という。請求項1記載の発明によれば、キーボードは支持部材に転回自在に支持されるので、キーボードを縦長にも横長にも配置転換することができる。また、支持部材と装置本体とを、表示画面と入力キーが配置されたキーボード表面とを内側にして蝶開するようにヒンジ連結し、この蝶開機構を閉状態とすることにより、キーボードを装置本体の表示画面が設置された前面上に重ね一体的に格納することができる。その際、キーボードで表示画面を覆うようにすれば、それにより表示画面を保護することができる。
【0016】請求項1記載の発明によれば、縦横寸法の長辺寸法が装置本体の幅寸法より長いキーボードを採用しても、その長辺寸法が縦長の装置本体の縦寸法以内であり、一方、キーボードの短辺寸法が装置本体の幅寸法以内であれば、キーボードを縦長に配置することにより、キーボードを装置本体上に一体的に格納することができる。すなわち、装置本体外形からはみ出させることなくキーボードを格納することができる。一方、そのような格納状態から蝶開機構を開状態とすると、縦長のキーボードとして使用することができるとともに、その開状態からさらにキーボードを90度転回して横長に配置転換すれば、横長のキーボードとして使用することができる。したがって請求項1記載の発明によれば、キー配列領域の幅が装置の幅の制約を受けることなく、十分なキー数とキーピッチを確保し、実用性の高いQWERTY配列等の横長のキー配列をも採用することができ、収納時にはキーボードを装置本体の外形にすっぽりと収めることができる。キーボードが装置本体上に一体的に格納されるので、装置本体と分離して持ち運ぶタイプのキーボードに比較して、キーボードを携帯する際の煩雑さが軽減され、キーボードの紛失の危険性が低減される。上述のようにキーボードで表示画面を覆うように構成すれば、別途ハードカバーを携帯することを不要とすることもできる。したがって請求項1記載の発明によれば、操作性、携帯性の良好なキーボードを搭載した情報処理装置を得ることができる。
【0017】請求項2記載の発明は、例えば図1に示すように、前記支持部材52が縦長平板状に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
【0018】したがって請求項2記載の発明によれば、支持部材が縦長平板状に形成されているので、キーボードを縦長に配置し蝶開機構を閉状態とした際に、キーボードが縦長の装置本体とこれに対応する縦長平板状の支持部材との間に収納されて外観良好な収納構造を得ることができる。
【0019】請求項3記載の発明は、例えば図3に示すように、前記装置本体41と前記支持部材52との連結位置が前記支持部材52の延設方向に沿ってスライド動作可能にされてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置である。
【0020】したがって請求項3記載の発明によれば、装置本体と支持部材との連結位置が支持部材の延設方向に沿ってスライド動作するので、蝶開機構を開状態とし、キーボードを横長に配置した状態において、装置本体をキーボード側に引き寄せることができる。そのため、キーボードが情報処理装置全体の重心に比較的近く設置される。キーボードが情報処理装置全体の重心近くに設置されるため、情報処理装置を片手で持って操作する際の疲労感が少なく、操作時の安定性に優れ、使用感良好な情報処理装置を得ることができる。
【0021】請求項4記載の発明は、例えば図3,図4に示すように、前記装置本体41背面を支持して前記装置本体41を前記支持部材52に対して所定角度に保持する角度保持部材55が、前記スライド動作に伴って装置本体41背面側に延出する前記支持部材52の端部に、格納自在に装備されてなることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置である。
【0022】したがって請求項4記載の発明によれば、蝶開機構を開状態とし、キーボードを横長に配置し、装置本体をキーボード側に引き寄せた状態において、角度保持部材を引き出してこれに装置本体背面を支持させ、装置本体を支持部材に対して所定角度に保持することができる。装置本体を支持部材に対して所定角度に保持することができるので、情報処理装置を手に持った状態でも、机等に置いた状態でも表示画面が見やすく、キーボードが操作しやすい角度に変態しその状態を維持することができる。机等に置いた状態では、オペレータが装置から手を離しても装置の姿勢が保たれるようにすることもできる。
【0023】請求項5記載の発明は、例えば図5に示すように、前記スライド動作に伴って前記装置本体41側の電極端子68と前記キーボード側の電極端子66とが接続・乖離することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置である。
【0024】したがって請求項5記載の発明によれば、スライド動作に伴って装置本体側の電極端子とキーボード側の電極端子とが接続・乖離するので、スライド動作により情報処理装置をキーボード使用時の所定形態に変態完了したときにのみキーボードを装置本体に信号出力可能に接続することができる。そのため、ユーザが情報処理装置を変態させるため、スライド機構をまさに動かしているその時に誤ってキーボードを操作して誤操作による信号を装置本体に送信することを防ぐことができる。また、前記スライド動作の前後において装置本体とキーボードとが常に接続されているように構成すると機構の複雑化を招く虞があるが、それに対して請求項5記載の発明によれば、比較的機構を簡単とすることができるため設計しやすく故障が発生しにくい構成とすることができる。
【0025】請求項6記載の発明は、例えば図5に示すように、前記装置本体41側の電極端子68を遮蔽する遮蔽部材64が、前記スライド動作に連動し、前記接続の際に開状態となるよう開閉自在に取り付けられてなることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置である。
【0026】したがって請求項6記載の発明によれば、装置本体側の電極端子とキーボード側の電極端子とを接続させる際には、前記スライド動作に連動して遮蔽部材を装置本体側の電極端子から回避させることでその接続を行うことができる。一方、装置本体側の電極端子とキーボード側の電極端子とを乖離させる際には、前記遮蔽部材により装置本体側の電極端子を遮蔽することができる。よって、非接続時には装置本体側の電極端子が密閉構造内に閉じ込められるので、前記装置本体側の電極端子に埃等の異物が付着することを防ぐことができ、その結果、異物付着による不具合を防ぐことができる。
【0027】請求項7記載の発明は、例えば図5,図6に示すように、前記キーボード53の転回動作に伴って前記装置本体41側の電極端子69と前記キーボード41側の電極端子72とが接続・乖離することを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一に記載の情報処理装置である。
【0028】したがって請求項7記載の発明によれば、転回保持機構の動作に伴って装置本体側の電極端子とキーボード側の電極端子とが接続・乖離するので、キーボードをキーボード使用時の所定角度に転回完了したときにのみキーボードを装置本体に信号出力可能に接続することができる。そのため、ユーザが情報処理装置を変態させるため、キーボードをまさに転回させているその時に誤ってキーボードを操作して誤操作による信号を装置本体に送信することを防ぐことができる。また、キーボードの転回動作の前後において装置本体とキーボードとが常に接続されているように構成すると機構の複雑化を招く虞があるが、それに対して請求項6記載の発明によれば、比較的機構を簡単とすることができるため設計しやすく故障が発生しにくい構成とすることができる。
【0029】請求項8記載の発明は、例えば図7〜図10に示すように、個々の入力キーに対応して前記キーボード53上に表示される文字又は記号のうち、キーボード53が横長に配置された第一の配置状態において入力操作可能となる文字又は記号が、前記第一の配置状態において前記表示画面42に正対したオペレータに対して正立するように表示され、前記キーボード53が縦長に配置された第二の配置状態において入力操作可能となる文字又は記号が、前記第二の配置状態において前記表示画面42に正対したオペレータに対して正立するように表示されることを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載の情報処理装置である。
【0030】ここで、「表示画面に正対したオペレータ」とは、自分の上下方向に表示画面の垂直方向を一致させて表示画面と向かい合っているオペレータをいう。文字又は記号が「正立」するとは、倒立した文字又は記号を180度回転させた状態をいう。したがって請求項8記載の発明によれば、蝶開機構を開状態にして、キーボードを横長に配置した状態においても、縦長に配置した状態においても、各状態において入力可能となっている文字又は記号がオペレータに対して正立し、倒立表記や横転表記にはならないため、いずれの文字又は記号が入力操作可能になっているかをオペレータに対し理解しやすく表示することができる。
【0031】表示の方法として、キーボード上に表記される文字又は記号のうち、入力操作可能となっている文字又は記号を発光表示することも、区別がつきやすくなるため有効である。また、キーボード上に表記される文字又は記号のうち、第一(第二)の配置状態において入力操作可能となる文字又は記号を入力キーパッド上に表記し、第二(第一)の配置状態において入力操作可能となる文字又は記号を入力キーパッド周辺の領域に表記することも、区別がつきやすくなるため有効である。
【0032】他の表示の方法としては、キーボードに直に文字又は記号を表記せずに、キーボード上のキー配列領域を覆うシートに文字又は記号を表記したものを用意し、これを必要時にキーボード上に設置することも有効である。この場合、第一の配置状態において入力操作可能となる文字又は記号を表記したシートと、第二の配置状態において入力操作可能となる文字又は記号を表記したシートとをそれぞれ作製し、それぞれ対応する配置状態において、キーボード上に設置する。このようにすることで、各配置状態で入力操作可能となっている文字又は記号のみを表示することができる。さらに他の表示の方法としては、第一(第二)の配置状態において入力操作可能となる文字又は記号をキーボード上に表記し、第二(第一)の配置状態において入力操作可能となる文字又は記号を表記したシートとを別途作製し、第一(第二)の配置状態においてはそのシートを外し、第二(第一)の配置状態においてはそのシートをキーボード上に設置する。この方法でも各配置状態で入力操作可能となっている文字又は記号のみを表示することができる。
【0033】請求項9記載の発明は、例えば図1,図4に示すように、前記装置本体41と支持部材52とが着脱自在に連結されてなることを特徴とする請求項1から請求項8のうちいずれか一に記載の情報処理装置である。
【0034】したがって請求項9記載の発明によれば、キーボードを使用する必要がないときや、その予定がないときなどに、キーボード及び支持部材を含む文字入力装置を取り外すことができ、装置本体のみで使用したり、持ち運んだりすることができる。また、装置本体と、そのような文字入力装置とを別売りとすることができるので、装置本体のみを購入したユーザがその後いつでも文字入力装置を追加購入して装置本体に接続し、前記キーボードを用いた快適な文字入力を行うことができるほか、文字入力装置を表示画面の保護カバーとして使用することも可能である。
【0035】請求項10記載の発明は、例えば図4に示すように、縦横の寸法が異なるキーボード53と、前記キーボード53をその裏面側で転回自在に支持する支持部材52と、表示画面が設けられた情報処理装置に接続する接続機構51と、前記情報処理装置に接続した際に前記表示画面と前記キーボード53の表面とを内側にして蝶開自在にする蝶開機構51と、を備えることを特徴とする文字入力装置である。
【0036】したがって請求項10記載の発明によれば、情報処理装置本体を購入したユーザがその後いつでも本文字入力装置を追加購入して情報処理装置本体に接続し、前記キーボードを用いた快適な文字入力を行うことができるほか、本文字入力装置を表示画面の保護カバーとして使用することもができる。ここで「縦長」とは、前記表示画面に映し出される画像の水平方向を横、垂直方向を縦として、縦が横より長いことをいい、「横長」とはその逆という。請求項10記載の発明によれば、キーボードは支持部材に転回自在に支持されるので、キーボードを縦長にも横長にも配置転換することができる。また、支持部材を装置本体に接続すると、表示画面と入力キーが配置されたキーボード表面とを内側にして蝶開自在にされ、この蝶開機構を閉状態とすることにより、キーボードを装置本体の表示画面が設置された前面上に重ね一体的に格納することができる。その際、キーボードで表示画面を覆うようにすれば、それにより表示画面を保護することができる。
【0037】請求項10記載の発明によれば、縦横寸法の長辺寸法が情報処理装置本体の幅寸法より長いキーボードを採用しても、その長辺寸法が縦長の情報処理装置本体の縦寸法以内であり、一方、キーボードの短辺寸法が情報処理装置本体の幅寸法以内であれば、キーボードを縦長に配置することにより、キーボードを装置本体上に一体的に格納することができる。すなわち、装置本体外形からはみ出させることなくキーボードを格納することができる。一方、そのような格納状態から蝶開機構を開状態とすると、縦長のキーボードとして使用することができるとともに、その開状態からさらにキーボードを90度転回して横長に配置転換すれば、横長のキーボードとして使用することができる。したがって請求項10記載の発明によれば、キー配列領域の幅が情報処理装置本体の幅の制約を受けることなく、十分なキー数とキーピッチを確保し、実用性の高いQWERTY配列をも採用することができ、収納時にはキーボードを情報処理装置本体の外形にすっぽりと収めることができる。キーボードが情報処理装置本体上に一体的に格納されるので、装置本体と分離して持ち運ぶタイプのキーボードに比較して、キーボードを携帯する際の煩雑さが軽減され、キーボードの紛失の危険性が低減される。上述のようにキーボードで表示画面を覆うように構成すれば、別途ハードカバーを携帯することを不要とすることもできる。したがって請求項10記載の発明によれば、操作性、携帯性の良好なキーボードを搭載した文字入力装置を得ることができる。
【0038】請求項11記載の発明は、例えば図11,12に示すように、表示画面114が設けられた装置本体101と、前記装置本体101に蝶開自在、かつ、着脱自在に連結されて前記表示画面114を覆うキーボード102と、前記装置本体101から離脱された前記キーボード102をその長手方向を前記装置本体101の横方向にして前記装置本体101に固定にする保持部材104a、104bと、前記キーボードを前記装置本体に信号入力可能に接続するコネクタ109と、が備えられてなる情報処理装置である。
【0039】ここで「縦長」とは、前記表示画面に映し出される画像の水平方向を横、垂直方向を縦として、縦が横より長いことをいい、「横長」とはその逆という。請求項11記載の発明によれば、前記保持部材により、キーボードを装置本体から離脱しその長手方向を装置本体の横方向にして前記装置本体に固定することができ、前記コネクタによりそのキーボードを装置本体に接続することができる。その結果、装置本体にハードカバーとして一体化するキーボードを横長に配置転換して使用することができる。したがって請求項11記載の発明によれば、キー配列領域の幅が装置の幅の制約を受けることなく、十分なキー数とキーピッチを確保し、実用性の高いQWERTY配列をも採用することができ、収納時にはキーボードを装置本体の外形にすっぽりと収めハードカバーとして使用し表示画面等を保護することができる。キーボードが装置本体上に一体的に格納されハードカバーともなるので、装置本体と分離して持ち運ぶタイプのキーボードやハードカバーに比較して、携帯する際の煩雑さが軽減され、キーボードやハードカバーの紛失の危険性が低減される。したがって請求項11記載の発明によれば、操作性、携帯性の良好なキーボードを搭載した情報処理装置を得ることができる。
【0040】請求項12記載の発明は、例えば図11に示すように、前記コネクタ109が前記キーボード102から延出するケーブル108の先端に設けられてなることを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置である。
【0041】したがって請求項12記載の発明によれば、前記保持部材によりキーボードを装置本体の所定位置に固定して使用することができるほか、キーボード(ハードカバーでもある)から延出されるケーブルを介してキーボードを装置本体に接続するため、キーボードを装置本体に固定せずとも使用することができる。そのため机等において使用する際に、ケーブルの長さ分だけ、キーボードの設置態様に自由度が生じるという利点がある。
【0042】請求項13記載の発明は、例えば図11に示すように、前記保持部材104a、104bが前記キーボード102の裏面に格納自在に取り付けられてなることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の情報処理装置である。
【0043】したがって請求項13記載の発明によれば、キーボードをハードカバーとして使用する際に、ハードカバーの外側面(キーボードの裏面)に保持部材が格納されるため、不使用時(収納時)に保持部材が邪魔にならず、又、装置外観が良好になるという利点がある。
【0044】請求項14記載の発明は、例えば図11に示すように、前記保持部材104a、104bによる前記キーボード102の固定位置を前記表示画面114が設置された装置本体101前面上としたことを特徴とする請求項11、請求項12又は請求項13に記載の情報処理装置である。
【0045】したがって請求項14記載の発明によれば、キーボードを装置本体の側面や下端に連続して固定する場合などに比較して、キーボードが情報処理装置全体の重心に比較的近く設置される。キーボードが情報処理装置全体の重心近くに設置されるため、情報処理装置を片手で持って操作する際の疲労感が少なく、操作時の安定性に優れ、使用感良好な情報処理装置を得ることができる。
【0046】請求項15記載の発明は、例えば図1に示すように、キーボード53と、前記キーボード53の裏面側で前記キーボード53を縦横転回自在に支持する支持部材52とを備える文字入力装置である。
【0047】したがって請求項15記載の発明によれば、キーボードと、前記キーボードの裏面側で前記キーボードを縦横転回自在に支持する支持部材とを備えるので、キーボードを目的に合わせて容易に縦横に転回しその姿勢を縦長にしたり横長にしたりすることができる。その目的として例えば、オペレータにとって文字入力をしやすい方向やキーボード上に表示された文字等を見やすい方向にキーボードを向けることができる。また、携帯情報端末などで装置全体を変態させて一体的に、コンパクトに収まり易くなる方向にキーボードの向きを変えることができる。また請求項15記載の発明によれば、転回機構を文字入力装置の動作モードの切り替えや電源のON/OFFなどを行うスイッチとして利用することができる。例えば、前記転回に連動して前記キーボードの入力モードを切り替える、すなわち、個々の入力キーに対応して入力操作可能となる文字又は記号を切り替えるように構成することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施の形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
【0049】〔第1の実施の形態〕まず、図1、図2、図3及び図4を参照して第1の実施の形態につき説明する。本実施形態の情報処理装置は、PDA(Personal Digital Assistant)40に本発明を適用した例である。図1、図2、図3は本発明第1の実施形態の情報処理装置(PDA40)の各変形状態における斜視図である。図4は、本発明第1の実施形態の情報処理装置(PDA40)のうち装置本体を除く文字入力装置部分の分解斜視図である。
【0050】図1に示すようにPDA40は、縦長の装置本体41の下端に、連結部51と、支持部材52と、キーボード53とからなる文字入力装置を連結してなる。装置本体41の前面には液晶表示画面42と、簡易操作キー43とが設置されている。簡易操作キー43を操作することにより装置本体41のみでも使用可能である。また、装置本体41はカード型通信モデム44を接続することにより通信端末として機能する。連結部51は、装置本体41の下端に接続し固定される。支持部材52は縦長平板状の外形を有し、前記装置本体41の下端に連結部51を介して蝶開自在に連結される。キーボード53は、支持部材52上に転回自在に支持される。キーボード53の表面には多数のキーパッド54、54、・・・がQWERTY配列で配置されている。キーボード53の裏面が支持部材52に合わさる。PDA40は、装置本体41の前面と、キーボード53の表面とを内側にして蝶開する。PDA40を図1(a)に示す開状態から図2に示す閉状態(収納状態)へと変態させることにより、キーボード53は装置本体41の前面に重なり、装置本体41と支持部材52に挟まれる態様で格納される。この格納状態においては、QWERTY配列の横方向、すなわちキーボード53の長手方向を、装置本体41の縦方向、すなわち装置本体41の長手方向に一致させてキーボード53が格納される。反対に、PDA40を図2に示す閉状態(格納状態)から図1(a)に示す開状態へと変態させることにより、縦長に配置されたキーボード53が現れ、キーボード53を縦長のキーボードとして使用することができる。
【0051】図1(a)に示す状態からキーボード53を支持部材52に対し90度転回することにより、図1(b)に示すように、キーボード53が横長に配置され、キーボード53をQWERTY配列の横長キーボードとして使用することができる。またこのとき、キーボード53下に隠されていた角度保持部材55が出現する。この角度保持部材55は門型構造を有し、支持部材52に設けられた溝に格納されている。この角度保持部材55は、回動自在に取り付けられ、かつ、支持部材52に内装されたバネ(図示せず)により飛び出し方向に付勢されている。図1(b)に示すように、この角度保持部材55はロック部材56により飛び出さないように押さえられてロックされている。ロック部材56を滑動させて、そのロックを解除すれば、図4(a)に示すように角度保持部材55が立ち上がる。
【0052】図1(b)に示す状態から図3に示すように、装置本体41と支持部材52との連結位置を支持部材52の延設方向に沿ってスライドさせ、装置本体41をキーボード53側に引き寄せる。すると、装置本体41の背面側に支持部材52の端部が延出し、上述した角度保持部材55が装置本体41の背面側に移動する。その状態で上述したようにロック部材56を滑動させて、そのロックを解除し、角度保持部材55を立ち上げる。立ち上がった角度保持部材55に装置本体41をもたれ掛けさせて装置本体41を支持部材52に対して好適な角度に保持する。
【0053】以上説明した一連の動作によってキーボード53を格納したり、縦長のキーボードとして使用したり、横長のキーボードとして使用したりすることができる。さらに各部について詳説する。
【0054】(接続機構)次に装置本体41と文字入力装置との接続機構につき説明する。図4に示すように連結部51は、1対の軸継手57a、57bと、コネクタ58とを備えており、これにより装置本体41の下端面に機械的及び電気的に接続する。装置本体41の下端面には軸継手57a、57bに対応して連結用穴(図示せず)が設けられている。また、装置本体41の下端面にはコネクタ58に対応するコネクタ(図示せず)が設けられている。この連結用穴に軸継手57a、57bを挿入するとともにコネクタ58を装置本体41の下端面に設けられたコネクタ(図示せず)に嵌合させ機械的及び電気的接続を完了する。これにより連結部51と、支持部材52と、キーボード53とからなる文字入力装置が装置本体41に装着される。かかる接続状態から連結部51を引き抜くことにより、連結部51と、支持部材52と、キーボード53とからなる文字入力装置を装置本体41から離脱させる。
【0055】(スライド機構)次にスライド機構につき説明する。また図4に示すように、連結部51の両端にはアーム59a、59bが形成されている。両アーム59a、59bの先端内側には嵌合ピン63a、63bが内向きに付設されている。一方、支持部材52の両側面にはスライド溝60が形成されている。スライド溝60内の両端にはさらに深い嵌合穴61、62が設けられている。両アーム59a、59bは支持部材52を挟圧している。嵌合ピン63a、63bはスライド溝60に嵌合する。さらに嵌合ピン63a、63bはスライド溝60の後端においては嵌合穴61に、スライド溝60の前端においては嵌合穴62に嵌合する。嵌合ピン63a、63bが嵌合穴61又は嵌合穴62に嵌合すると、容易には抜け出せない準安定状態となり、装置本体41と支持部材52の連結位置が一時的にロックされる。図1及び図2に示す状態では嵌合ピン63a、63bは嵌合穴61に嵌合している。図3に示す状態では嵌合ピン63a、63bは嵌合穴62に嵌合している。
【0056】さらに図4、図5及び図6を参照して第1の実施の形態につき説明する。図5は、図4におけるA-A断面模式図である。図6は本発明第1の実施形態の情報処理装置(PDA40)における転回支持機構の動作を説明するための支持部材52側から見た平面透過図である。
【0057】(電気系統の接続)まず、装置本体41とキーボード53との電気的接続につき説明する。図4(b)に示すように、連結部51には遮蔽部材64がバネ67により付勢されてスライド可能に取り付けられている。また、支持部材52には遮蔽部材64をスライドさせるための凸部65a、65bが形成されている。凸部65a、65b間のやや前方よりにはバネ電極66が整列している。図5(a)に示すように、装置本体41に接続するコネクタ58は連結部51に備えられた横長時接続電極68及び縦長時接続バネ電極69に電気信号伝達可能に導通している。図5(a)に示す状態では、遮蔽部材64は横長時接続電極68上を覆い隠している、すなわち遮蔽している。図5(b)に示すように連結部51を横長に配置されたキーボード53の方へスライドさせ、嵌合ピン63をスライド溝60前端の嵌合穴62に嵌合させる動作とともに、凸部65が遮蔽部材64を押し開け、横長時接続電極68とバネ電極66とが圧接し電気的に接続する。バネ電極66は支持部材52内に収められたケーブル71を介してキーボード53に接続されている。図5に示すようにケーブル71の一端はバネ電極66に接続され、他端はキーボード53に接続されている。ケーブル71は、支持部材52内から、第1転回支軸81の軸心に穿設された孔部81a(図6(a)参照)を通ってキーボード53側へ導かれキーボード53に接続する。以上のように、キーボード53を横長に配置した状態では、コネクタ58、横長時接続電極68、バネ電極66及びケーブル71を介して、キーボード53が装置本体41と信号送受信可能に接続される。これによりキーボード53を横長姿勢で操作することができるようになる。
【0058】一方、図4(a)及び図5に示すように、キーボード53の縁部には縁電極72が形成されている。キーボード53を縦長に転回したとき、縁電極72と縦長時接続バネ電極69とが圧接し電気的に接続する。以上のように、キーボード53を縦長に配置した状態では、コネクタ58、縦長時接続バネ電極69及び縁電極72を介して、キーボード53が装置本体41に信号送受信可能に接続される。これによりキーボード53を縦長姿勢で操作することができるようになる。
【0059】(転回機構)次に図6を参照してキーボード53の転回支持機構につき説明する。本実施形態においては、特開平8−185243号公報に記載された3つの転回支軸を有する転回支持機構を適用する。しかし、本発明はこれに限らず、転回支持機構を、同公報にあるように2つの転回支軸により構成したり、又は、1つの転回支軸により構成しても良い。図6に示すように、縦長平板状に形成された支持部材52のキーボード53に対向する面には、第1ガイド溝84と、第2ガイド溝85と、第3ガイド溝86とが形成されている。キーボード53の背面には第1〜第3ガイド溝84〜86に係合して案内される第1〜第3転回支軸81〜83が突設されている。第1〜第3転回支軸81〜83は、第1〜第3ガイド溝84〜86の縁部に係合し脱落を防止するための鍔状のフランジ部を有し、第1〜第3ガイド溝84〜86にそれらの溝に沿って滑動可能に嵌められている。
【0060】第1ガイド溝84は、支持部材52の短辺方向(図6の左右方向)へ延設されている。第2ガイド溝85は、所定の曲率R等でもって湾曲して斜めへ延設されている。第3ガイド溝86は、第1ガイド溝84に直交する長辺方向(図6の上下方向)へ延設されている。これら第1〜第3ガイド溝84〜86の形状ならびに配置位置は、ともにキーボード53が横長姿勢から縦長姿勢へ、あるいはその逆方向へ縦横転回する軌跡に対応させて設定される。第1ガイド溝84は、図6の左右方向へ直線往復動による軌道を描いて第1転回支軸81が動作するため、第1転回支軸81を案内しキーボード53の縦横転回に対応できる溝長さL1の部分を有する。また、第1ガイド溝84は溝長さL1の部分に直交して連続し、図6の上方向に延設される溝長さL4の部分を有し、全体として略L字状に形成されている。第2ガイド溝85は、第2転回支軸82を案内しキーボード53の縦横転回に対応できる曲率Rおよび円弧溝長さL2の円弧溝部を有する。また、第2ガイド溝85は、円弧溝長さL2の円弧溝部に連続し、図6の上方向に延設される溝長さL5の部分を有する。上記の溝長さL4の部分及び溝長さL5の部分はキーボード53を図6上の上方向に移動させて縁電極72を縦長時接続バネ電極69に圧接させるためのものである。第3ガイド溝86は、図6の上下方向へ往復動による軌道を描いて第3転回支軸83が動作するように、第3転回支軸83を案内しキーボード53の縦横転回に対応できる溝長さL3を有する。
【0061】以上のように構成される転回支持機構によってキーボード53は次のように動作する。まず、図6(a)に示される状態にあるとする。この状態はキーボード53が縦長に配置された状態であるが、縁電極72と図5に示す縦長時接続バネ電極69とは乖離している。次に、図6(a)に示される状態から図6(c)に示される状態にキーボード53を移動させ、縁電極72を縦長時接続バネ電極69に圧接する。すなわち、第1転回支軸81を溝長さL4の部分内で、第2転回支軸82を溝長さL5の部分内で、第3転回支軸83を第3ガイド溝86内で、図6の上方向にそれぞれの溝の終端まで滑動させる。これにより、キーボード53が縦長姿勢のまま図6の上方向に移動するととも、縁電極72が縦長時接続バネ電極69に圧接して電気的に接続し、キーボード53を縦長姿勢で操作することができるようになる。
【0062】次に、キーボード53を縦長姿勢から横長姿勢に転回する動作につき説明する。上記動作を逆に行い図6(c)に示される状態から図6(a)に示される状態にキーボード53を移動させ、縁電極72と図5に示す縦長時接続バネ電極69とを乖離させる。この動作に続き、キーボード53を転回させる。すなわち、第1転回支軸81を溝長さL1の部分内で、第2転回支軸82を溝長さL2の部分内で、第3転回支軸83を第3ガイド溝86内で、それぞれ滑動させる。図6(b)は、縦長姿勢に対してほぼ45度転回した転回途中の状態を示す図である。このとき、第1転回支軸81は溝長さL1の部分の略中央に、第2転回支軸82は円弧溝長さL2の円弧溝部の略中央に、第3転回支軸83は第3ガイド溝86の後端(図6の上方向の終端)に位置する。さらに転回させ、キーボード53を縦長姿勢に対して90度、すなわち、横長姿勢にまで転回させる。このとき、図6(d)に示すように、第1転回支軸81は溝長さL1の部分の左端(図6の右方向の終端 キーボード側から見ると左端となる)に、第2転回支軸82は円弧溝長さL2の円弧溝部の前端(図6の下方向の終端)に、第3転回支軸83は第3ガイド溝86の前端(図6の下方向の終端)に位置する。図6(d)に示すようにキーボード53は、縦長姿勢に対して90度回転するとともに、支持部材52の前端寄りに配置される。
【0063】上記構成に加えて、キーボード53を支持部材52に対して図6(d)に示す横長姿勢又は図6(c)に示す縦長姿勢にて位置決めロックするためのロック手段を設けておく。本実施形態はそれら両ロック位置での位置決め構造として、図6に示すように支持部材52上にキーボード裏面に向かって突設される係止突起87と、キーボード53の裏面に窪むように設けられる係止凹部88及び係止凹部89とを備える。図6(c)に示す縦長姿勢にて係止突起87は、係止凹部88に嵌り込みキーボード53を位置決めロックする。図6(d)に示す横長姿勢にて係止突起87は、係止凹部89に嵌り込みキーボード53を位置決めロックする。係止突起87には係止凹部88、89からの離脱を可能とするように適当なテーパを付ける。例えば、係止突起87の先端を円錐又は円錐台上に形成する。また、支持部材52内に係止突起87を支持するバネを弾装するなどして、係止突起87を浮沈動可能にしても良い。
【0064】(キーボード上の文字等の表示形態)次に図7〜図10を参照してキーボード上の文字又は記号(以下、「文字等」という。)の表示形態につき説明する。以下では4つの表示形態を示す。
【0065】上述したようにキーボード53の表面には多数のキーパッド54、54、・・・がQWERTY配列で配置されている。しかし、本実施形態において実際にQWERTY配列で使用するのは、キーボード53が横長姿勢となったときである。縦長姿勢では、縦長用の配列を使用する。縦長用キー配列の一例は、図8(c)に示した。キーボード53内にはQWERTY配列に対応した信号生成回路と、縦長用キー配列に対応した信号生成回路とが構成される。QWERTY配列に対応した信号生成回路の電極端子は支持部材52上に整列したバネ電極66とされ、キーボード53が横長に配置された第一の配置状態(横長姿勢)においてQWERTY配列の文字等が入力操作可能となる。すなわち、横長姿勢では、QWERTY配列が有効となる。縦長用キー配列に対応した信号生成回路の電極端子はキーボード53の縁部に設けられた縁電極72とされ、キーボード53が縦長に配置された第二の配置状態(縦長姿勢)において縦長用キー配列の文字等が入力操作可能となる。すなわち、横長姿勢では、縦長用キー配列が有効となる。
【0066】(第1の表示形態)図7及び図8を参照して第1の表示形態を説明する。第1の表示形態は、キーボード53に直に文字又は記号を表記せずに、キーボード53上のキー配列領域90を覆うシートに文字又は記号を表記したもの(以下、「キー配列表示シート」という。)を用意し、これを必要時にキーボード53上に設置する方法である。以下の各キー配列表示シート91、92は、キー配列領域90上に載置した際に、キー配列領域90上の多数のキーパッド54、54、・・・による凹凸に沿う断面形状を有する可撓性ある樹脂シート部材とする。
【0067】図7(a)に示すようにキーボード53が横長姿勢となり、QWERTY配列が有効となった場合、図7(b)に示すようなQWERTY配列の文字等が表記されたキー配列表示シート91を、図7(c)に示すようにキー配列領域90上に設置する。図8(a)に示すようにキーボード53が縦長姿勢となり、縦長用キー配列が有効となった場合、図8(b)に示すような縦長用キー配列の文字等が表記されたキー配列表示シート92を、図8(c)に示すようにキー配列領域90上に設置する。このようにすることで、各配置状態で入力操作可能となっている文字等のみを表示することができる。
【0068】(第2の表示形態)次に第2の表示形態につき言及する。第2の表示形態は、横長姿勢において入力操作可能となるQWERTY配列の文字等をキーパッド54、54、・・・上に直に表記し、縦長姿勢において入力操作可能となる縦長用キー配列の文字等を表記したキー配列表示シート92を、横長姿勢においては外しておき、縦長姿勢においてはキー配列領域90上に設置する方法である。この方法でも各配置状態で入力操作可能となっている文字等のみを表示することができる。
【0069】(第3の表示形態)次に、図9を参照して第3の表示形態を説明する。図9に示すように、第3の表示形態は、横長姿勢において入力操作可能となるQWERTY配列の文字等をキーパッド54、54、・・・の周辺領域に表記し、縦長姿勢において入力操作可能となる縦長用キー配列の文字等をキーパッド54、54、・・・上に表記する方法である。この場合、図9に示すようにQWERTY配列の文字等の基準線とこれに対応する縦長用キー配列の文字等の基準線とは互いに直交する。また、入力操作可能となっている文字等を発光表示することも、区別がつきやすくなるため有効である。すなわち、図9(a)に示すようにキーボード53が横長姿勢となり、QWERTY配列が有効となった場合に、キーボード53内に仕込んだLED等の発光デバイスによりキーパッド54、54、・・・の周辺領域を発光させる。図9(b)に示すようにキーボード53が縦長姿勢となり、縦長用キー配列が有効となった場合に、キーパッド54、54、・・・内に仕込んだLED等の発光デバイスによりキーパッド54、54、・・・を発光させる。
【0070】(第4の表示形態)次に、図10を参照して第4の表示形態を説明する。図10(a)に示すように、第4の表示形態は、横長姿勢において入力操作可能となるQWERTY配列の文字等と、縦長姿勢において入力操作可能となる縦長用キー配列の文字等とを、それらの基準線を互いに直交させてキーパッド54、54、・・・上の異なる位置に表記する方法である。また、入力操作可能となっている文字等を発光表示することも、区別がつきやすくなるため有効である。すなわち、キーパッド54、54、・・・内に仕込んだLED等の発光デバイスによって、図10(b)に示すようにキーボード53が横長姿勢となりQWERTY配列が有効となった場合に、QWERTY配列の文字等(例:「@」)を発光させ、図10(c)に示すようにキーボード53が縦長姿勢となり縦長用キー配列が有効となった場合に、縦長用キー配列の文字等(例:「1」)を発光させる。
【0071】以上のいずれの表示形態によっても、個々の入力キー(キーパッド54、54、・・・)に対応してキーボード53上に表示される文字又は記号のうち、キーボード53が横長に配置された第一の配置状態(横長姿勢)において入力操作可能となるQWERTY配列の文字等が、前記第一の配置状態(横長姿勢)において液晶表示画面42に正対したオペレータに対して正立するように表示される。そのため、横長姿勢において入力操作が可能になっている文字等をオペレータに対し理解しやすく表示することができる。例えば、図7(c)、図9(a)、図10(b)においてはQWERTY配列の文字等(例:「QWERTYUIOP@」)がオペレータに対して正立する。また、キーボード53が縦長に配置された第二の配置状態(縦長姿勢)において入力操作可能となる文字又は記号が、前記第二の配置状態(縦長姿勢)において前記表示画面に正対したオペレータに対して正立するように表示される。そのため、縦長姿勢において入力操作が可能になっている文字等をオペレータに対し理解しやすく表示することができる。例えば、図8(c)、図9(b)、図10(c)においては縦長用キー配列の文字等(例:「あかさ」)がオペレータに対して正立する。
【0072】〔第2の実施の形態〕次に、図11及び図12を参照して第2の実施の形態につき説明する。本実施形態の情報処理装置は、PDA(Personal Digital Assistant)100に本発明を適用した例である。図11及び図12は本発明第2の実施形態の情報処理装置(PDA100)の各状態における斜視図である。
【0073】図11に示すようにPDA100は、縦長の装置本体101の上端に、連結部105を介して蝶開自在、かつ、着脱自在にキーボード102を連結してなる。PDA100が閉状態の場合は、キーボード102は、装置本体101の前面に重なって液晶表示画面114を覆い、ハードカバーとしての役割を果たす。装置本体101の下端面には、コネクタ差込口106が設けられる。装置本体101の下端部左右側端面には嵌合溝107a、107bが設けられる。キーボード102の裏面にはコネクタ格納室115が設けられ、蓋103により蓋される。コネクタ格納部蓋103を開けるとコネクタ109及びケーブル108を引き出すことができる(図11(b))。またキーボード102の裏面には、嵌合爪104a、104bが格納自在に取り付けられている。
【0074】図12に示すように装置本体101の前面には、液晶表示画面114が設置されている。キーボード102の表面には、多数のキーパッド113、113、・・・がQWERTY配列で配置されている。連結部105の接続端面には、2つの接続穴111a、111bが設けられている。これに対応するキーボード102の接続端面には2つの接続鉤112a、112bが突設されている。また連結部105の内側面にはロック解除操作片110がスライド自在に構成されている。接続穴111a、111b内にはロック機構が構成されており、そのロック解除操作をロック解除操作片110に行うことができる。
【0075】PDA100を図11(a)に示す収納形態から図12に示す一使用形態に変態させてキーボード102を使用可能にするには、次のように取り扱う。PDA100を開状態にしてキーボード102を取り外す。すなわち、キーボード102を蝶開させ、ロック解除操作片110が現れたら、それをスライド操作して接続穴111a、111bと接続鉤112a、112bによる接続ロックを解除しつつ、キーボード102を引き上げる。一方、蓋103を開け、コネクタ109及びケーブル108を引き出す。また、嵌合爪104a、104bを回動させて出す。その後、コネクタ109をコネクタ差込口106に差込む。また、嵌合爪104a、104bを嵌合溝107a、107bに嵌合させる。以上の結果、図12に示すように、装置本体101の前面のうち、液晶表示画面114より下側の範囲にキーボード102の一部が載るようにしてキーボード102が固定され操作可能になる。
【0076】PDA100を図12に示す一使用形態から図11(a)に示す収納形態に変態させるには、次のように取り扱う。コネクタ109をコネクタ差込口106から引き抜く。また、嵌合爪104a、104bを嵌合溝107a、107bから外す。その後、コネクタ109及びケーブル108をコネクタ格納室115に格納し蓋103で蓋をする。また、嵌合爪104a、104bを回動させて格納する。一方、接続鉤112a、112bを接続穴111a、111bに差込み、キーボード102を連結部105に接続しロックする。キーボード102を回動させて閉め、図11(a)に示す収納形態を得る。
【0077】キーボード102は嵌合爪104a、104bと嵌合溝107a、107bによる保持手段によって装置本体101に固定しなくとも、コネクタ109をコネクタ差込口106に差込めば使用可能である。その場合、ケーブル108の長さが長いほど、装置本体101とキーボード102との距離を離して使用することができる。
【0078】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、情報処理装置において、キーボードを縦横に配置転換することとしたので、キー配列領域を大きくとることができ、収まり良く収納することができ、操作性、携帯性に優れた情報処理装置を得ることができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
【出願日】 平成13年5月16日(2001.5.16)
【代理人】 【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司 (外1名)
【公開番号】 特開2002−341998(P2002−341998A)
【公開日】 平成14年11月29日(2002.11.29)
【出願番号】 特願2001−146402(P2001−146402)