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【発明の名称】 リセット回路を内蔵した記憶媒体
【発明者】 【氏名】桑畑 和良

【要約】 【課題】リセット回路と書き換え可能な記憶媒体とをバス通信可能に接続することにより、製品として完成後も、外部から記憶媒体内のプログラム内容を書き換えることにより、リセット回路の各種動作条件を変更可能とする。

【解決手段】マイクロコンピュータ1にリセット信号を出力するリセット回路3が、外部から電気的に書き換え可能なEEPROM2に一体的に内蔵されているとともに、このリセット回路3とEEPROM2とが内部においてIICバス4によりバス通信可能に接続されており、リセット回路3のリセット信号を出力するタイミングまたはリセット後のバックアップ時間を、EEPROM2のプログラム内容を外部から書き換えることにより、バス通信を利用して変更可能とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 マイクロコンピュータにリセット信号を出力するリセット回路が、外部から電気的に書き換え可能なEEPROMに一体的に内蔵されているとともに、このリセット回路とEEPROMとが内部においてバス通信可能に接続されており、前記リセット回路のリセット信号を出力するタイミングまたはリセット後のバックアップ時間を、前記EEPROMのプログラム内容を外部から書き換えることにより、前記バス通信を利用して変更可能としたことを特徴とするリセット回路を内蔵した記憶媒体。
【請求項2】 マイクロコンピュータにリセット信号を出力するリセット回路と、外部から書き換え可能な記憶媒体とがバス通信可能に接続されており、前記リセット回路の各種動作条件を前記記憶媒体のプログラム内容を外部から書き換えることにより、前記バス通信を利用して変更可能としたことを特徴とするリセット回路を内蔵した記憶媒体。
【請求項3】 前記動作条件が、リセット信号を出力するタイミングまたはリセット後のバックアップ時間であることを特徴とする請求項2に記載のリセット回路を内蔵した記憶媒体。
【請求項4】 前記リセット回路が、前記記憶媒体に一体的に内蔵されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のリセット回路を内蔵した記憶媒体。
【請求項5】 前記記憶媒体が電気的に書き換え可能なEEPROMであることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のリセット回路を内蔵した記憶媒体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロコンピュータを制御している製品に必要不可欠であるリセット回路に係り、より詳細には、リセット回路を書き換え可能な記憶媒体に内蔵することにより、製品後もリセット回路の各種条件を容易に変更可能としたリセット回路を内蔵した記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、マイクロコンピュータをリセットするためのリセット回路が種々提案されている。例えば、特開2000−207065号公報や特開平10−55228号公報には、マイクロコンピュータに外付けする形でリセット回路が組まれている(これを従来技術1という)。また、特開平5−265595号公報や特開平4−31981号公報には、外部のリセット回路を削除し、ワンチップマイコン内にリセット回路を構成した技術が開示されている(これを従来技術2という)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術1では、リセット回路をディスクリート回路として構成しているため、リセット回路の定数を変更する場合には、電解コンデンサや抵抗といった部品自体を変更する必要があるといった問題があった。
【0004】また、上記従来技術2では、リセット回路がワンチップマイコンに内蔵されているため、マスク工程によってワンチップマイコンを組み込んでしまった後は、リセット回路の定数を変更することができないといった問題があった。
【0005】本発明はかかる問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、リセット回路と書き換え可能な記憶媒体とをバス通信可能に接続することにより、製品として完成後も、不具合等が発生した場合には、外部から記憶媒体内のプログラム内容を書き換えることにより、リセット回路の各種動作条件を変更可能としたリセット回路を内蔵した記憶媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明のリセット回路を内蔵した記憶媒体は、マイクロコンピュータにリセット信号を出力するリセット回路が、外部から電気的に書き換え可能なEEPROMに一体的に内蔵されているとともに、このリセット回路とEEPROMとが内部において、例えばI2 Cバス等によるバス通信可能に接続されており、前記リセット回路のリセット信号を出力するタイミングまたはリセット後のバックアップ時間を、前記EEPROMのプログラム内容を外部から書き換えることにより、前記バス通信を利用して変更可能としたことを特徴とする。
【0007】このような特徴を有する本発明によれば、リセット回路がEEPROMに一体的に内蔵されており、このリセット回路とEEPROMとが内部においてIICバス等によりバス通信可能に接続されている。つまり、EEPROMの内部プログラムにより、バス通信によって、リセット回路のリセット信号を出力するタイミングや、リセット後のバックアップ時間が制御可能となっている。そのため、製品完成後でも、マイクロコンピュータからEEPROMのプログラム内容を書き換えるロムコレクションによって、リセット回路のリセット信号を出力するタイミングや、リセット後のバックアップ時間を容易に変更することができる。また、リセット回路をEEPROMに内蔵することによって、PCB(printed circuit board )の有効面積が広くなり、基板レイアウトの自由度が高くなる。
【0008】また、本発明のリセット回路を内蔵した記憶媒体は、マイクロコンピュータにリセット信号を出力するリセット回路と、外部から書き換え可能な記憶媒体とがバス通信可能に接続されており、前記リセット回路の各種動作条件を前記記憶媒体のプログラム内容を外部から書き換えることにより、前記バス通信を利用して変更可能としたことを特徴とする。また、動作条件としては、リセット信号を出力するタイミングや、リセット後のバックアップ時間などがある。
【0009】このような特徴を有する本発明によれば、リセット回路と書き換え可能な記憶媒体とがバス通信可能に接続されている。つまり、記憶媒体の内部プログラムにより、バス通信によって、リセット回路の各種動作条件(例えば、リセット信号を出力するタイミングや、リセット後のバックアップ時間)が制御可能となっている。そのため、製品完成後でも、マイクロコンピュータから記憶媒体のプログラム内容を書き換えることによって、リセット回路のリセット信号を出力するタイミングや、リセット後のバックアップ時間を容易に変更することができる。
【0010】また、本発明のリセット回路を内蔵した記憶媒体によれば、リセット回路を、EEPROMである記憶媒体に一体的に内蔵することによって、PCBの有効面積が広くなり、基板レイアウトの自由度を高くすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明のリセット回路を内蔵した記憶媒体の実施の形態を示す回路ブロック図である。
【0012】本実施の形態では、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略記する)1に、外部から電気的に書き換え可能なEEPROM2が接続されており、EEPROM2の反対側の1つの端子25とマイコン1のリセット端子15とが接続された構成となっている。
【0013】EEPROM2には、後述するリセット回路3(図1において斜線を付して示す)が一体的に内蔵されており、このリセット回路3とEEPROM2とが、内部においてIICバス4によりバス通信可能に接続されている。
【0014】EEPROM2の一方の側の各端子とマイコン1の各端子とは、それぞれ信号線によって接続されている。すなわち、EEPROM2のクロック端子21とマイコン1のクロック端子11とがクロック信号線(SCL)51によって接続されており、EEPROM2のデータ端子22とマイコン1のデータ端子12とがデータバス(SDA)52によって接続されており、EEPROM2のバス制御端子23とマイコン1のバス制御端子13とが制御信号線(Bus−OPEN)53によって接続されている。また、EEPROM2の電源端子24とマイコン1の電源端子14とには、共通の電源(+B)が接続されている。
【0015】また、EEPROM2の他方に設けられた各端子は、内蔵されたリセット回路3の各端子として用いられており、端子25はリセット信号を出力するリセット端子となっている。そのため、このリセット端子25は、マイコン1のリセット端子15に接続されている。また、端子26は、リセット回路3に電源(+B)を供給するための電源端子となっている。その他の端子27、28はGNDに接続された構成となっている。
【0016】クロック信号線51は、マイコン1からEEPROM2に対して基準クロックを出力する信号線である。データバス52は、マイコン1とEEPROM2との間でデータの送受信を行うための通信線であり、ロムコレクションによるEEPROM2へのプログラムの書き込みは、このデータバス52を通じて行われる。制御信号線53は、例えばマイコン1からEEPROM2に対してデータを送信するとき、EEPROM2のバスをオープンとして、データの衝突を避けるための制御信号線であり、マイコン1からEEPROM2に対してデータを送信するときには、Bus−OPENを例えば「H」にし、EEPROM2からマイコン1に対してデータを送信するときには、Bus−OPENを例えば「L」にする。
【0017】図2は、EEPROM2に内蔵されているリセット回路3の一構成例を示している。
【0018】このリセット回路3は、電源(+B)が導かれる電源端子26とGNDとの間に、第1の電解コンデンサC1と第1のスイッチ回路31とが並列に接続されているとともに、抵抗R1の一方の端子と、第2の電解コンデンサC2の一方の端子とが接続されている。また、抵抗R1の他方の端子はトランジスタQのコレクタに接続されており、第2の電解コンデンサC2の他方の端子はトランジスタQのベースと、一方の端子がGNDに接続された抵抗R2の他方の端子に接続されている。また、トランジスタQのベースには、一方の端子がGNDに接続された第2のスイッチ回路32の他方の端子が接続されている。さらに、トランジスタQのエミッタは、並列に接続された抵抗R3と第3の電解コンデンサC3とを介してGNDに接続されているとともに、抵抗R4を介してリセット端子25に接続された構成となっている。
【0019】第1のスイッチ回路31および第2のスイッチ回路32は、EEPROM2に書き込まれている制御プログラムに従い、内部のIICバス4を通じて送られてくる制御信号により、オン/オフのスイッチングを行うようになっている。
【0020】上記構成において、例えばコンセントを抜く等して電源が遮断されたとき、第1のスイッチ回路31および第2のスイッチ回路32をスイッチングせずに常にオフ状態としている場合には、マイコン1にリセット信号を出力するタイミングは、第2の電解コンデンサC2の定数によって決まり、電源遮断後のバックアップ時間は、第1の電解コンデンサC1の定数によって決まる。
【0021】すなわち、それぞれの電解コンデンサは、電源端子26から+B電源が供給されなくなった時点(時刻t0)から放電を開始し、図3に示すように一定のカーブを描いて電圧が低下することになる。なお、図3では、説明の便宜上、本来なら個別に示す必要のある第1の電解コンデンサC1および第2の電解コンデンサC2の放電特性を、同じ1つの特性として図示している。
【0022】そして、第2の電解コンデンサC2による放電電圧が例えば2.5Vを切ると(時刻t1)、リセット端子25からマイコン1のリセット端子15に対してリセット信号を出力するようになっている。また、第1の電解コンデンサC1による放電電圧が例えば2.0Vを切ると(時刻t2)、リセット回路3へのバックアップ電源の供給が終了することになる。すなわち、時刻t0からt1までの時間T1が、電源遮断後、マイコン1にリセット信号を出力するまでのタイミング時間となり、時刻t0からt2までの時間T2が、電源遮断後のリセット回路3への電源供給のバックアップ時間となる。
【0023】ここで、EEPROM2に書き込まれている制御プログラムに従って、第1のスイッチ回路31および第2のスイッチ回路32をそれぞれ個別にスイッチングすると、それぞれの電解コンデンサは、図4に示すように階段状のカーブを描いて電圧が低下することになる。なお、図4では、説明の便宜上、本来なら個別に行う第1のスイッチ回路31および第2のスイッチ回路32のスイッチング動作を、同じスイッチング動作として図示している。
【0024】そして、第2の電解コンデンサC2による放電電圧が2.5Vを切ると(時刻t1′)、リセット端子25からマイコン1のリセット端子15に対してリセット信号を出力する。また、第1の電解コンデンサC1による放電電圧が2.0Vを切ると(時刻t2′)、リセット回路3へのバックアップ電源の供給が終了する。すなわち、時刻t0からt1′までの時間T1′が、電源遮断後、マイコン1にリセット信号を出力するまでのタイミング時間となり、時刻t0からt2′までの時間T2′が、電源遮断後のリセット回路3への電源供給のバックアップ時間となる。
【0025】すなわち、EEPROM2に書き込まれている制御プログラムに従って、第1のスイッチ回路31および第2のスイッチ回路32をそれぞれ個別にスイッチングすることにより、スイッチングする前と比較して、リセット時間をT1からT1′に変更することができ、バックアップ時間をT2からT2′に変更することができるようになっている。
【0026】このように、本発明のリセット回路を内蔵した記憶媒体によれば、EEPROM2に書き込まれているプログラム(本実施の形態では、スイッチング動作を制御するプログラム)を、ロムコレクションによって書き換えることにより、内蔵したリセット回路3のリセット時間やバックアップ時間をソフト的に変更することが可能となる。
【0027】なお、上記したリセット回路3は、本発明を実現するための一具体例であり、この具体例に限定されるものではない。例えば、本発明を実現するための他の方法としては、リセット回路自体は第1のスイッチ回路31および第2のスイッチ回路32を有さない従来のリセット回路を用い、EEPROM2に書き込まれたプログラムに従って、図3および図4に示す閾値(2.5Vや2.0V)を変更するように構成してもよい。これによっても、リセット回路のリセット時間やバックアップ時間をソフト的に変更することが可能となる。
【0028】
【発明の効果】本発明のリセット回路を内蔵した記憶媒体によれば、リセット回路が記憶媒体であるEEPROMに一体的に内蔵されており、このリセット回路とEEPROMとが内部においてIICバス等によりバス通信可能に接続されている。つまり、EEPROMの内部プログラムにより、バス通信によって、リセット回路のリセット信号を出力するタイミングや、リセット後のバックアップ時間が制御可能となっている。そのため、製品完成後でも、マイクロコンピュータからEEPROMのプログラム内容を書き換えるロムコレクションによって、リセット回路のリセット信号を出力するタイミングや、リセット後のバックアップ時間を容易に変更することができる。また、リセット回路をEEPROMに内蔵することによって、PCBの有効面積が広くなり、基板レイアウトにより自由度を持たせることができる。
【出願人】 【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
【出願日】 平成13年5月15日(2001.5.15)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−341972(P2002−341972A)
【公開日】 平成14年11月29日(2002.11.29)
【出願番号】 特願2001−144862(P2001−144862)