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【発明の名称】 ネットワークプリンティングシステム、プリンタ、サービス代行サーバ、及びプログラム
【発明者】 【氏名】河渕 洋一

【氏名】今泉 祥二

【氏名】池ノ上 義和

【要約】 【課題】ネットワークプリンティングシステムにおいて、プリンタの起動開始後は、端末からのプリントデータを受信可能とする。

【解決手段】サービス代行サーバを設け、プリンタの起動開始後、起動完了前の間、サービス代行サーバが端末に対して、プリンタの代行を行い、プリント指示、プリントデータの受信を行う。そして、プリンタから起動完了通知を受けた後は、端末に対してプリントシーケンスの中断指示を行うと共に、プリンタに対してそれまでに受信したプリントデータを転送し、転送後端末に対し中断の解除を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プリンタが少なくとも2種類以上のネットワークと接続されたプリンティングシステムにおいて、プリンタに対する起動指示とプリント動作指示とを別々のネットワークを介して行うことを特徴とするプリンティングシステム。
【請求項2】 プリンタはプリント制御部と電源管理部とを内蔵しており、プリント動作指示に利用される第1のネットワークにプリント制御部が、起動指示に利用される第2のネットワークに電源管理部が接続されていて、起動指示があると電源管理部が通電され、起動を開始する一方、プリント動作指示があるとプリント制御部がプリンタのプリント動作を制御することを特徴とする請求項1に記載のネットワークプリンティングシステム。
【請求項3】 前記第2のネットワークは電力線であることを特徴とする請求項2記載のネットワークプリンティングシステム。
【請求項4】 前記第1のネットワークと第2のネットワークとに接続されたサービス代行サーバをさらに備え、プリンタがスリープモードに遷移しているときは、ネットワーク上の他の端末に対してプリンタの代行サービスを行うことを特徴とする請求項1から3に記載のネットワークプリンティングシステム。
【請求項5】 前記サービス代行サーバは第1のネットワークの上につながった端末から送られてくるプリンタの起動指示を第2のネットワークにルーティングするルータ機能を備えていることを特徴とする請求項4に記載のネットワークプリンティングシステム。
【請求項6】 ネットワークに対してプリンタとサービス代行サーバとが接続され、前記プリンタは、ネットワークインターフェース部を含み主要機能部への通電を遮断してスリープモードに遷移する機能と、スリープモードに突入するときに最新のマシン情報を前記サービス代行サーバに転送するマシン情報転送手段とを有し、前記サービス代行サーバは、前記プリンタがスリープ状態のときにネットワーク上のプリンタ管理装置からの前記プリンタへのマシン状態を参照するサービス要求があった場合、前記マシン情報転送手段から転送されたマシン情報を用いてスリープモード状態のプリンタのサービスを代行する代行処理手段を有していることを特徴とするネットワークプリンティングシステム。
【請求項7】 前記マシン情報には、サービス代行依頼するプリンタのIPアドレス、MACアドレス、トレイにセットされている用紙情報、モード設定情報、ドアのセット不良のいずれか1以上が含まれることを特徴とする請求項6に記載のネットワークプリンティングシステム。
【請求項8】 前記代行手段はサービスを依頼したプリンタのIPアドレスを自装置のIPアドレスとして振るまい、ネットワーク上のプリンタ管理装置からのプリンタに対するサービス要求を受信してプリンタに成りすまして応答を行うことを特徴とする請求項7に記載のネットワークプリンティングシステム。
【請求項9】 前記代行手段は、プリンタがスリープモードから復帰したことを通知されると、代行中に使用したマシン情報をプリンタに転送することを特徴とする請求項8に記載のネットワークプリンティングシステム。
【請求項10】 少なくとも2種類以上のネットワークと接続されたプリンタであって、第1のネットワークに接続され、第1のネットワークからプリント動作指示を受け取ったときにプリント動作を制御するプリント制御と、第2のネットワークに接続され、第2のネットワークから起動支持を受け取ったときに通電され、前記プリント制御部を起動させる電源管理部とを備えたことを特徴とするプリンタ。
【請求項11】 前記第2のネットワークは、電力線であることを特徴とする請求項10に記載のプリンタ。
【請求項12】 プリンタが少なくとも第1及び第2のネットワークと接続されたプリンティングシステムにおけるサービス代行サーバであって、前記プリンタがスリープ状態にあるか否かを検知する検知手段と、前記プリンタがスリープ状態にあることを検知したとき、前記ネットワーク上の他の端末に対し、当該プリンタの代行サービスを行う代行手段とを備えたことを特徴とするサービス代行サーバ。
【請求項13】 前記第2のネットワークは電力線であることを特徴とする請求項12に記載のサービス代行サーバ。
【請求項14】 前記第1のネットワークに接続された前記他の端末から前記プリンタに対する起動要求を前記第2のネットワークにルーティングするルーティング手段を備えたことを特徴とする請求項13に記載のサービス代行サーバ。
【請求項15】 前記プリンタから当該プリンタのマシン情報を受信する受信手段を備え、前記代行手段は、前記受信手段が受信したマシン情報を用いて代行サービスを行うことを特徴とする請求項14に記載のサービス代行サーバ。
【請求項16】 前記マシン情報には、前記プリンタのIPアドレス、MACアドレス、トレイにセットされている用紙情報、モード設定情報、ドアのセット不良の何れか1以上が含まれることを特徴とする請求項15に記載のサービス代行サーバ。
【請求項17】 前記代行手段は、サービスを依頼したプリンタのIPアドレスを自装置のIPアドレスとして振る舞い、前記プリンタに対するサービス要求を受信して前記プリンタに成りすまして応答することを特徴とする請求項16に記載のサービス代行サーバ。
【請求項18】 前記代行手段は、前記プリンタがスリープ状態から復帰したことを通知されると、代行中に使用したマシン情報を前記プリンタに転送することを特徴とする請求項17に記載のサービス代行サーバ。
【請求項19】 プリンタが少なくとも第1及び第2のネットワークと接続されたプリンティングシステムにおけるサービス代行サーバを動作させるプログラムであって、前記プリンタがスリープ状態にあるか否かを検知する検知処理と、前記プリンタがスリープ状態にあることを検知したとき、前記ネットワーク上の他の端末に対し、当該プリンタの代行サービスを行う代行処理とを含む処理をサービス代行サーバに実行させるプログラム。
【請求項20】 前記第1のネットワークに接続された他の端末から前記プリンタに対する起動要求を第2のネットワークにルーティングするルーティング処理を含む処理をサービス代行サーバに実行させる請求項19に記載のプログラム。
【請求項21】 前記プリンタから当該プリンタのマシン情報を受信する受信処理を含む処理を前記サービス代行サーバに実行させると共に、前記代行処理は、前記受信処理で受信したマシン情報を用いて代行サービスを行う処理を含むこと特徴とする請求項20に記載のプログラム。
【請求項22】 前記マシン情報には、前記プリンタのIPアドレス、MACアドレス、トレイにセットされている用紙情報、モード設定情報、ドアのセット不良の何れか1以上が含まれることを特徴とする請求項21に記載のプログラム。
【請求項23】 前記代行処理は、前記サービスを依頼したプリンタのIPアドレスを自装置のIPアドレスとして振る舞い、前記プリンタに対するサービス要求を受信して前記プリンタに成りすまして応答させる処理を含むことを特徴とする請求項22に記載のプログラム。
【請求項24】 前記代行処理は、前記プリンタがスリープ状態から復帰したことが通知されると、代行中に使用したマシン情報を前記プリンタに転送する処理を含むことを特徴とする請求項23に記載のプログラム。
【請求項25】 前記プリンタは、第1のネットワークと接続する第1のネットワークインターフェースと第2のネットワークと接続する第2のネットワークインターフェースとをさらに備え、前記プリンタがスリープ状態に遷移しているとき、前記第1のネットワークインターフェース、前記プリンタ制御部、及び前記電源管理部への通電が遮断されていることを特徴とする請求項2に記載のネットワークプリンティングシステム。
【請求項26】 前記プリンタがスリープ状態から復帰するとき、第2のネットワークから入力される信号によって、前記第1のネットワークインターフェース、前記プリント制御部、及び前記電源管理部に通電されることを特徴とする請求項25に記載のネットワークプリンティングシステム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、端末からネットワークを介してプリント要求を受け、プリントするネットワークプリンティングシステム、当該ネットワークプリンティングシステムにおけるプリンタ及びサービス代行サーバ、当該サービス代行サーバを動作させるプログラムに関し、そのようなシステムにおける節電技術に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタの待機状態における消費電力の削減はユーザの要望であると共に、環境への配慮という面からも対応を迫られている。待機時にどの程度の電力を削減するかは、ユーザの利便性とのトレードオフとなる場合が多い。例えば、定着部の電力の削減はユーザの待ち時間の発生を意味するし、また、ネットワーク接続の遮断は、ネットワークからのリモートアクセスを不可能にする。したがって、従来のネットワーク環境においては、一定時間いずれの端末からもプリント要求がない場合、ネットワークの接続は維持した状態とし、定着部の電力を削減しての待機状態に遷移させるのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この待機状態においては、リモート端末からプリント要求があると、待機状態を自動的に脱し、定着部が定着所要温度まで急速加熱されて、プリント開始するものの、反面、待機中もネットワーク接続が遮断されていないために、プリンタ内にセットされているPCIカード等のLANインターフェイスのドライバーが電力消費を継続しており、その結果、節電にも限界があり、より一層の省電力化を図りたいという要求を満たすことが困難になるという課題がある。
【0004】本発明は、かかる課題に鑑み、待機中はネットワーク接続をも遮断し、節電を図ることのできるものでありながら、リモートアクセスで起動要求を受け付けることが出来て、速やかに印字可能状態に状態遷移することの出来る極めて使用価値高いネットワークプリンティングシステム、当該ネットワークプリンティングシステムにおけるプリンタ及びサービス代行サーバ、当該サービス代行サーバを動作させるプログラムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、プリンタが少なくとも2種類以上のネットワークと接続されたプリンティングシステムにおいて、プリンタに対する起動指示とプリント動作指示とを別々のネットワークを介して行うことを特徴としている。
【0006】<作用>この構成であると、プリンタが一定時間無操作状態でスリープモードに移行すると、プリンタの主たる構成の電源が落ち、ネットワークとの接続も遮断され、したがって、他の端末からプリンタが認識されなくなるが、別のネットワークを通じて起動指示が出来るので、他の端末から起動要求を行うことが出来、スリープモード中で省電力化を実現しながら、リモートアクセスも可能となる。
【0007】<構成>ここで、プリンタはプリント制御部と電源管理部とを内蔵しており、プリント動作指示に利用される第1のネットワークにプリント制御部が、起動指示に利用される第2のネットワークに電源管理部が接続されていて、起動指示があると電源管理部が通電され、起動を開始する一方、プリント動作指示があるとプリント制御部がプリンタのプリント動作を制御することを特徴としている。
【0008】<作用>この構成によると、起動要求があるまでは、電源管理部も非通電となっており、よりいっそうの省電力が実現する。
<構成>また、前記第2のネットワークは電力線を用いることが出来る。
【0009】<作用>電力線を兼用することで、配線線路が簡素化する。
<構成>さらに、前記第1のネットワークと第2のネットワークとに接続されたサービス代行サーバを備え、プリンタがスリープモードに遷移しているときは、ネットワーク上の他の端末に対してプリンタの代行サービスを行わせることが出来る。
【0010】<作用>スリープモード中他の端末が接続確認を行っても、サービス代行サーバの成りすましにより、プリンタが端末によって常に認識されることが保証される。
<構成>また、前記サービス代行サーバは第1のネットワークの上につながった端末から送られてくるプリンタの起動指示を第2のネットワークにルーティングするルータ機能を備えることが出来る。
【0011】<作用>他の端末とは1本のネットワークを通じてしか繋がっていなくても、確実にプリンタに起動指示を転送することが出来る。
<構成>さらに、本発明は、ネットワークに対してプリンタとサービス代行サーバとが接続され、前記プリンタは、ネットワークインターフェース部を含み主要機能部への通電を遮断してスリープモードに遷移する機能と、スリープモードに突入するときに最新のマシン情報を前記サービス代行サーバに転送するマシン情報転送手段とを有し、前記サービス代行サーバは、前記プリンタがスリープ状態のときにネットワーク上のプリンタ管理装置からの前記プリンタへのマシン状態を参照するサービス要求があった場合、前記マシン情報転送手段から転送されたマシン情報を用いてスリープモード状態のプリンタのサービスを代行する代行処理手段を有した構成によっても目的を達成することができる。
【0012】<作用>プリンタがスリープモードにあるときにおいても、他の端末からの接続確認、問い合わせに応答することができ、プリンタがネットワークから遮断されているものでありながら、マシン情報などの更新が可能となる。
<構成>ここで、前記マシン情報には、サービス代行依頼するプリンタのIPアドレス、MACアドレス、トレイにセットされている用紙情報、モード設定情報、ドアのセット不良のいずれか1以上が含まれる。
【0013】<構成>また、前記代行手段はサービスを依頼したプリンタのIPアドレスを自装置のIPアドレスとして振るまい、ネットワーク上のプリンタ管理装置からのプリンタに対するサービス要求を受信してプリンタに成りすまして応答を行うものとすることが出来る。
【0014】<作用>これにより、サービス代行サーバによるプリンタ代行が保証される。
<構成>さらに、前記代行手段は、プリンタがスリープモードから復帰したことを通知されると、代行中に使用したマシン情報をプリンタに転送するようにすることが出来る。
【0015】<作用>スリープモード中にマシン情報が書き換えられていても、確実にプリンタに書き戻すことが出来、データの一貫性が保証できる。
<構成>また、本発明は、少なくとも2種類以上のネットワークと接続されたプリンタであって、第1のネットワークに接続され、第1のネットワークからプリント動作指示を受け取ったときにプリント動作を制御するプリント制御と、第2のネットワークに接続され、第2のネットワークから起動支持を受け取ったときに通電され、前記プリント制御部を起動させる電源管理部とを備えたことを特徴としている。
【0016】<作用>この構成によると、起動要求があるまでは、電源管理部も非通電となっており、一層の省電力が実現する。
<構成>また、本発明は、プリンタが少なくとも第1及び第2のネットワークと接続されたプリンティングシステムにおけるサービス代行サーバであって、前記プリンタがスリープ状態にあるか否かを検知する検知手段と、前記プリンタがスリープ状態にあることを検知したとき、前記ネットワーク上の他の端末に対し、当該プリンタの代行サービスを行う代行手段とを備えたことを特徴としている。
【0017】<作用>スリープモード中他の端末が接続確認を行っても、サービス代行サーバのプリント代行により、プリンタが端末によって常に認識されることが保証される。
<構成>さらに、前記サービス代行サーバは、前記第1のネットワークに接続された前記他の端末から前記プリンタに対する起動要求を前記第2のネットワークにルーティングするルーティング手段を備えることが出来る。
【0018】<作用>他の端末とは1方のネットワークを通じてしか繋がっていなくて、プリンタは他方のネットワークからしか起動要求を受けることができない場合でも、他の端末からの起動要求を確実にプリンタに転送することが出来る。
<構成>また、前記サービス代行サーバは、前記プリンタから当該プリンタのマシン情報を受信する受信手段を備え、前記代行手段は、前記受信手段が受信したマシン情報を用いて代行サービスを行うことが出来る。
【0019】さらに、前記マシン情報には、前記プリンタのIPアドレス、MACアドレス、トレイにセットされている用紙情報、モード設定情報、ドアのセット不良の何れか1以上が含まれる。
<構成>また、前記代行手段は、サービスを依頼したプリンタのIPアドレスを自装置のIPアドレスとして振る舞い、前記プリンタに対するサービス要求を受信して前記プリンタに成りすまして応答することが出来る。
【0020】<作用>これにより、サービス代行サーバによるプリンタ代行が保証される。
<構成>さらに、前記代行手段は、前記プリンタがスリープ状態から復帰したことを通知されると、代行中に使用したマシン情報を前記プリンタに転送することが出来る。
【0021】<作用>スリープモード中にマシン情報が書き換えられていても、確実にプリンタに書き戻すことが出来、データの一貫性が保証できる。
<構成>また、本発明は、プリンタが少なくとも第1及び第2のネットワークと接続されたプリンティングシステムにおけるサービス代行サーバを動作させるプログラムであって、前記プリンタがスリープ状態にあるか否かを検知する検知処理と、前記プリンタがスリープ状態にあることを検知したとき、前記ネットワーク上の他の端末に対し、当該プリンタの代行サービスを行う代行処理とを含む処理をサービス代行サーバに実行させることを特徴としている。
【0022】<作用>このプログラムを実装することによって、プリンタがスリープモードにあるときにおいても、他の端末からの接続確認、問い合わせに応答することができ、プリンタがネットワークから遮断されているものでありながら、マシン情報などの更新が可能となる。
【0023】<構成>ここで、前記プログラムは、前記第1のネットワークに接続された他の端末から前記プリンタに対する起動要求を第2のネットワークにルーティングするルーティング処理を含む処理をサービス代行サーバに実行させることが出来る。
<作用>このプログラムを実装することによって、他の端末とは1方のネットワークを通じてしか繋がっていなくて、プリンタは他方のネットワークからしか起動要求を受けることができない場合でも、他の端末からの起動要求を確実にプリンタに転送することが出来る。
【0024】<構成>また、前記プログラムは、前記プリンタから当該プリンタのマシン情報を受信する受信処理を含む処理を前記サービス代行サーバに実行させると共に、前記代行処理が、前記受信処理で受信したマシン情報を用いて代行サービスを行う処理を含むこと特徴としている。
【0025】さらに、前記マシン情報には、前記プリンタのIPアドレス、MACアドレス、トレイにセットされている用紙情報、モード設定情報、ドアのセット不良の何れか1以上が含まれる。また、前記代行処理は、前記サービスを依頼したプリンタのIPアドレスを自装置のIPアドレスとして振る舞い、前記プリンタに対するサービス要求を受信して前記プリンタに成りすまして応答させる処理を含むことを特徴としている。
【0026】さらに、前記代行処理は、前記プリンタがスリープ状態から復帰したことが通知されると、代行中に使用したマシン情報を前記プリンタに転送する処理を含むことを特徴としている。また、本発明に係るプリンティングシステムは、前記プリンタが、第1のネットワークと接続する第1のネットワークインターフェースと第2のネットワークと接続する第2のネットワークインターフェースとをさらに備え、当該プリンタがスリープ状態に遷移しているとき、前記第1のネットワークインターフェース、前記プリンタ制御部、及び前記電源管理部への通電が遮断されていることを特徴としている。
【0027】さらに、前記ネットワークプリンティングシステムは、前記プリンタがスリープ状態から復帰するとき、第2のネットワークから入力される信号によって、前記第1のネットワークインターフェース、前記プリント制御部、及び前記電源管理部に通電されることを特徴としている。
【0028】
【実施の形態】<全体構成>図1は、本発明の一適用例を示している。図中、1はプリンタ、2はサービス代行サーバ、3はプリント要求端末である。プリンタ1は、プリンタサーバ機能を有していて、省エネモードに遷移していないでReady状態にあるときは、直接プリント要求端末からプリント依頼を受け付ける事が出来る。端末3は図示例では、1台であるが、実際には複数台接続されている。サービス代行サーバ2は、通常のプリンタシステムにおいて用いられるプリンタサーバとは異なる。プリンタサーバの代行を行ったり、一方のネットワークのパケットを他方のネットワークに送出するルータとして振る舞う。プリンタ1とサービス代行サーバ2とは、それぞれ1対のネットワークインターフェース11、12、21、22を備えている。プリント要求端末3は、1のネットワークインターフェース31を備えている。そして、これらのプリンタ、サービス代行サーバ、端末の各装置1、2、3は、それぞれ前記ネットワークインターフェース11、21、31を介して第1ネットワーク4に接続され、また、サービス代行サーバ2とプリンタ1とは、他の一つのネットワークインターフェース12、22を介して第2のネットワーク5に接続されている。第1のネットワーク4は例えば、バス型ネットワークであり、10BASE-Tのより対線で各装置間を接続している。第2のネットワーク5は、電力線を用いている。前記各装置1、2、3は、この電力線5を通じて駆動電力を供給されている。いずれのネットワーク4、5とも、標準プロトコルとしてTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を使用したコネクションレス型オープンネットワークである。
【0029】電力線兼用のネットワーク5と接続されるネットワークインターフェース12、22は、商用周波数の電流に重畳された信号成分を抽出するフィルタと、抽出信号を復調する復調回路を主たる構成としている。これに対して、第1のネットワーク4と接続されるネットワークインターフェース11、21は、LANカードが用いられる。
【0030】各プリンタ1、サービス代行サーバ2、端末3は、それぞれ各ネットワーク4、5に対してIPアドレスを有している。例えば、プリンタ1は第1のネットワーク4上では、「192.168.0.2」というIPアドレスを持ち、第2のネットワーク5上では「192.168.1.2」というIPアドレスを持つ。同様に、サービス代行サーバ2は、第1のネットワーク4上では、「192.168.0.2」、第2のネットワーク5上では「192.168.1.2」というIPアドレスを持つ。
【0031】<プリンタの構成>前記プリンタ1の内部において、第1のネットワーク4からネットワークインターフェース11を通じて入力された情報はプリンタ制御部13に伝送され、他方、第2のネットワーク5からネットワークインターフェース12を通じて入力された情報はPMP部14に伝送される。プリンタ1内はこのほかに、図示はしていないがプリントを実行するプリンタ本体を含む。プリンタ本体としては、静電複写方式のプリンタが代表的である。即ち、このプリンタは感光体ドラムと、その周囲に配された帯電チャージャ、半導体レーザ露光ユニット、現像ユニット、転写ユニット、クリーニングユニット、並びに転写後のトナー像に対して熱定着作用する定着ユニット等を備えると共に、ネットワークを通じて受信した文書データから印字用データに変換する処理回路、印字データに対し輪郭強調等の補正を行う処理回路並びに印字用データを一時的に格納する画像メモリを備える。プリンタ1は、図3に示すように状態遷移をし、一定時間いずれの端末からのプリント依頼が来ない場合、省エネを図るように構成されている。図3の状態遷移図の説明は、PMP部14の説明の次に述べる。
【0032】プリンタ制御部13は、プリンタサーバとしての機能を主としており、第1のネットワーク4から自装置宛に印字要求フレームが伝送されてくると、前記プリンタ本体の各部を制御してプリントさせるもので、CPU、メモリ等のハードウエア及びアプリケーションソフトからなる。図7にプリンタ制御部13のフローチャートを示す。PMP部14によって起動されるとRAMの初期化等の起動処理を行って(S71)、起動完了すれば、PMP部14に起動処理終了を通知する(S72)。以後、ネットワークインターフェース部11からプリント指示受信通知またはプリントデータ受信通知を受けると(S73)、通常のプリント受信シーケンスを実行する(S74)。そして、受信したデータのプリント印字処理を行う(S77)。
【0033】他方、常にプリンタの無操作状態及びネットワークを介しての信号入力を監視しており、一定時間以上無操作状態が継続しており信号入力が無いなら(S75)、PMP部14へSleep状態に移行する旨の要求をする(S76)。PMP部14は、プリンタ1全体の電源管理を行う部分で、例えば、8bitのマイクロコンピュータからなり、ネットワークインターフェース部12やプリンタ制御部13とは図2に示すように接続されていて、プリンタ1がSleep状態にあるとき、第2のネットワーク5に所定の信号(後述するようにこの信号は、起動信号である。)が伝送されてくると、ネットワークインターフェース部12がその信号成分を抽出し、復調して、スイッチ投入制御信号を生成し、PMP部14の電源スイッチSW1を投入する。電源スイッチSW1は、例えば、トランジスタを含むスイッチング回路で構成される。電源スイッチSW1が投入されると、PMP部14が起動し、プリンタ制御部13の各種コントローラ131に電源が投入される。
【0034】図8は、PMP部14の制御動作を示すフローチャートである。ネットワークインターフェース部12から起動開始要求を受信した旨の通知があると(S81)、プリンタ制御部13に電源を投入し(S82)、サービス代行サーバ2に対して起動開始した旨の通知を行う(S83)。また、プリンタ制御部13から起動処理を終了した旨の通知があると(S84)、サービス代行サーバ2にその旨の通知をする(S85)。さらに、プリンタ制御部13からSleep状態に移行する旨の要求がされると(S86)、プリンタ制御部13への通電を遮断する(S87)。この後、自らの電源も遮断する。
【0035】なお、プリンタ制御部13に電源が投入されると、プリンタ1は図3に示すSleep状態からWait状態を経てやがてReady状態に移行する。図3において、Sleep状態は、図2の各スイッチSW1、SW2ともOFFし、PMP部14もOFFしている状態をいう。このとき、第1のネットワーク4につながっているネットワークインターフェース部11もOFF状態になっている。したがって、Sleep状態ではプリンタ1は、第1のネットワークに対して遮断されており、第2のネットワーク5を通じてしか起動出来ない。Wait状態は、Sleep状態からReady状態に遷移する過程の中途段階をいい、印字データを受信するところまでは至っていないが、図2のSW1が投入され、PMP部14に電源が入った段階をいう。Ready状態は印字データを正常に受信することが出来る段階をいい、実際にプリントできるかどうかは問わない。メモリに印字データを格納する状態も、ここではReady状態という。Busy状態は、印字中の状態をいう。
【0036】また、Sleep状態でネットワークインターフェース12への通電をOFFし、Sleep状態での第2のネットワーク5からの起動指示信号をバイパスさせてSW1をONすると共に、SW1のONでPMPとネットワークインターフェースを同時に起動するようにしてもよい。このように構成することで、Sleep状態におけるプリンタの消費電力を実質ゼロにすることができる。また、その際、後述するプリンタにおけるIPアドレスの書き換え処理は、ネットワークインターフェース12の起動完了後にする。
【0037】<端末の構成>次に、プリント要求端末3は、例えばパソコンからなり、文書作製と通信機能等を統合したアプリケーションソフトを装備し、そのソフトで作製した文書を、メッセージ本体とする印字要求フレームを生成し、ネットワークインターフェース部31を介して第1のネットワークに送出する。印字要求フレームの一例を図4に示す。図示のフレームは、CSMA/CD方式のフレーム構成で、PAは同期確立のために使用されるプリアンブル、SFDはフレーム開始デリミタ、FCSはフレームチェックシーケンス(CRC)である。宛先アドレス、発信アドレスは、それぞれMAC(Media Access Control)アドレスが使用される。MACアドレスは、OSI基本参照モデルのデータリンク層の副層のプロトコルにおいて、LAN上の特定の装置を識別するためのアドレスである。通常48ビットで構成され、32ビットで構成されるIPアドレスとは異なる。
【0038】プリント要求端末3は、内部にアドレス管理テーブルを有していて、ネットワーク上に存在するプリンタ1、サービス代行サーバ2等全ての装置のIPアドレス、MACアドレスを管理している。アドレス管理テーブルでは、起動時のIPアドレス、MACアドレスはデータ送出時のIPアドレス、MACアドレスと異なって登録されている。これは、起動は上述したように第2のネットワーク5を通じて行うからである。このため、起動要求フレームに格納されるターゲットアドレスは、プリントデータ送出フレームに格納されるターゲットアドレスとは異なっている。
【0039】<サービス代行サーバの構成>サービス代行サーバ2は、ルータとしての機能と、プリンタ1の代行をする機能とを有する。ルータ機能は、プリント要求端末3から送出されたフレームに格納された宛先アドレスが、第1のネットワーク4上に存在しない場合、サービス代行サーバ2がそのフレームを宛先アドレスが存在するネットワークへ転送する機能をいう。代行機能は、一定の場合、プリンタ1として振舞う機能をいう。プリンタ1として振舞う方法として、この実施例では、プリント要求端末3がフレームを送出する際に参照するアドレス管理テーブルのMACアドレスを書き換えるという方法をとる。MACアドレスが書き換えられると、プリント要求端末は、プリンタに送ったつもりでフレームを送出するが、フレームの宛先アドレスはサービス代行サーバ2になっているため、サービス代行サーバ2がフレームを受け取ることになる。このようにサービス代行サーバ2がプリンタ1として振舞うことから、代行中の状態を本明細書中では、「成りすまし」という用語を用いる。なお、プリント要求端末3内のテーブルの書き換えは、ARP(address ResolutionProtocol:アドレス解決プロトコル)要求/応答処理によってなされる。ARP要求/応答に用いられるフレーム図を図5に示す。フレーム中、ターゲットMACアドレスを自己のアドレスに書き換えて、ネットワークに送り出すと、それを受け取ったプリント要求端末3はテーブルのMACアドレスを書き換えることになる。
【0040】以上の機能を実現するために、サービス代行サーバ2は、ネットワークインターフェース21、22のほかに、プリンタ監視部23、経路変換部24、代行処理部25を備える。プリンタ監視部23は、プリンタが現在いずれの状態に遷移しているかを監視している。経路変換部24は、ルータ機能を有する部分である.代行処理部25は、プリンタ1として振舞う部分である。この処理部には、代行中、プリント要求端末3から送られてくるフレーム、特に印字データを格納するためのメモリを有する。サービス代行サーバ2の処理の詳細は、図9から図14までのフローチャートに示されており、システム全体の動作の後で説明する。
【0041】<システム全体の動作>図6に基づきネットワークシステム全体の動作の概略を説明する。図6は、プリンタ1、サービス代行サーバ2、プリント要求端末3の間の処理の流れを示すシーケンスである。まず、前提として、プリンタ1は長期間プリント要求を受け付けていないため、Sleep状態にあるとする.この状態のとき、時刻T0において、いずれかのプリント要求端末3から起動要求が発されると、そのフレームのターゲットIPアドレスが第2のネットワーク5上のIPアドレスを指定しているので、サービス代行サーバ2のルータ機能により、起動要求フレームをルーティングし、第2のネットワーク5を通じてプリンタ1に転送する。プリンタ1は、この要求を受信すると、起動開始すると共に、起動開始した旨の応答フレームを送信元のプリント要求端末3に対して送出する。
【0042】この応答フレームも第2のネットワーク5を通じて発されるため、サービス代行サーバ2はこの応答フレームもルーティング処理する。サービス代行サーバ2はこの時点T1から、成りすまし処理を開始し、代行処理部25を作動させてプリンタ1の代行を行う。このため、時刻T2でプリント要求端末3からプリンタ宛に、プリント印字指示フレームが、続いて印字データフレームが送出されるが、これらの全てのフレームをサービス代行サーバ2が受信する。
【0043】起動開始から一定時間が経ち、プリンタ1がSleep状態からWait状態を経てReady状態に移行すると、プリント要求端末3あてに起動完了した旨のメッセージフレームが第2のネットワークに送出される(T3)。サービス代行サーバ2はこのフレームをルーティングすると共に、この時点で、成りすまし処理を終了する。そして、プリント要求端末3に対して、一時的にフレーム送出を中断するよう要求する。これはサービス代行サーバ2内のメモリに代行中に格納された印字データをプリンタ1に送出し、先に印字もしくはプリンタ内のメモリに格納するためである。代行中の印字データのプリンタへの送出を完了すると、続いて、時刻T4で、プリント要求端末3に対して、プリントデータの転送再開を許可する通知を行う。この後は、プリント要求端末3から直接印字データがプリンタ1へ送出され、印字が継続実行される。
【0044】<サービス代行サーバの動作>サービス代行サーバ2の処理動作は、ネットワークインターフェース部21、22と、プリンタ監視部23、経路変換部24、代行処理部25とに分けて示している。図9は、サービス代行サーバの代行処理部25経路変換部24が第1のネットワーク4に対して行う処理を示すフローチャート、図10は、第2のネットワーク5に対して行う処理を示すフローチャートである。これらの処理はサブルーチン化されており、交互に実行される。
【0045】第1のネットワーク4に対しては、まず、プリント代行中であるかどうか判定する(S91)。代行中であるかどうかは、代行開始フラグの状態を見て判断する。代行開始フラグは初期状態でリセットされている。このフラグを見て、代行中であると判断されると、代行中処理のサブルーチンをコールする(S92)。このサブルーチンは図11に示され図10の説明の後で説明する。代行中でないと判断された場合において、ネットワークインターフェース部21から他のネットワーク上のIPアドレスを格納したフレームを受信した旨の通知を受けて、受信フレームを解析した結果、当該フレームがプリンタへの起動要求であることが判明した場合には(S93)、第2のネットワーク5へ起動要求を転送するルーティングを行う(S94)。一方第2のネットワーク処理ルーチン(図10)からの起動開始の応答を受信した場合であると(S95)、ネットワークインターフェース部21に代行開始要求を通知し(S96)、代行開始フラグをセットする(S97)。
【0046】第2のネットワークに対しては、第1のネットワーク処理ルーチン(図9)からの起動開始指示を受信した場合であると(S101)プリンタへ起動要求を送信する(S102)。他方プリンタからの起動開始応答であった場合には(S103)、第1のネットワーク処理ルーチンへ起動開始応答を転送する(S104)。更にプリンタからの起動完了通知であった場合には(S105)、第1のネットワーク処理ルーチンに起動完了通知を転送する(S106)。
【0047】図11は、上記ステップS92の代行中処理を示し、受信したフレームがプリンタへの印字指示であった場合(S111)プリント受信データバッファの領域を確保して後(S112)、代行処理を開始する(S113)。この後、印字データが送られてくる度に(S114)、領域を確保したデータバッファに保存する(S115)。一方、第2のネットワーク処理ルーチンからの起動完了通知を受信した場合であると(S116)、ネットワークインターフェース部21に代行処理を解除するよう要求し、プリント要求端末3に対してプリントデータの送信を中断する旨依頼する。また、プリンタへ印字指示を送信すると共に、それまでデータバッファに格納していたプリントデータをプリンタへ転送する。そして、プリント要求端末に対して、プリントデータの転送再開を要求し代行処理フラグをリセットする(S117)。
【0048】次に、ネットワークインターフェース部21、22の処理を説明する。ネットワークインターフェース部21、22は図12に示すように、受信処理(S121)、成りすまし処理(S122)、送信処理(S123)を実行する。受信処理はサブルーチンになっており、図13に示す。このサブルーチンは、ネットワークを通じてフレームを受信するたびにコールされる。そして、受信したフレームのターゲットMACアドレスに自己のMACアドレスが格納されているかどうか(S131)、ARP要求かどうか(S132)を判定する。S131で自己以外のMACアドレスが格納されていた場合においては、ターゲットIPアドレスを参照し、他のネットワーク上のアドレスかどうかを判定し(S139)、他のネットワーク上のIPアドレスだった場合、ルーティングが必要であるので、第1のネットワーク処理ルーチンに通知する(S140)。この通知は、第1のネットワーク処理ルーチンのステップS93において、検出され、ルーティングされることになる。
【0049】一方、自己のMACアドレスを格納している受信フレームであって、ARP要求フレームで無い場合には、通常のIPパケット受信処理を行う(S133)。受信したフレームがARP要求フレーム(図5参照)であると、そのターゲットIPアドレスに格納されているアドレスが自己のIPアドレスである場合は(S134)、通常どおり、自己のMACアドレスをターゲットMACアドレスにセットしてARP応答フレームを作成し、ネットワークに送出する(S135)。他方、ターゲットIPアドレスが自己のIPアドレスでない場合には、成りすまし中かどうかにより処理を異にする。プリンタ1に成りすまし中であると(S136)、ターゲットIPアドレスにプリンタのIPアドレスが記載されていた場合(S137)、ターゲットIPアドレスはプリンタのIPアドレスのままで、自己のMACアドレスをターゲットMACアドレスにセットしてARP応答フレームを作成し、送り返す(S138)。このように自己のMACアドレスをターゲットMACアドレスにセットしたARP応答フレームを送り返すと、以後、プリンタを宛先アドレスとするフレームをサービス代行サーバが受信し、ステップS133のIPパケット受信処理へ移行するようになる。
【0050】成りすまし中でなく(S136)、また、成りすまし中であってもターゲットIPアドレスがプリンタでない場合(S137)、受信したフレームを何ら処理することなくそのままネットワークに送出する。ステップS136のプリンタに成りすまし中かどうかの判断は、成りすましフラグを見て行う。成りすましフラグは、次に述べる成りすまし要求処理ルーチンにおいて、セット、リセットされる。
【0051】図14は、成りすまし要求処理ルーチンを示している。図9の第1のネットワーク処理ルーチンにおいて成りすまし開始要求が通知されていると(S96)、本サブルーチンにおいて、判断される(S141)。そして、送り手IPアドレスとターゲットIPアドレスはプリンタのIPアドレスにし、送り手MACアドレスを自己のMACアドレスにセットしたARP要求フレームを作成し、ネットワークにブロードキャストで送出する(S142)。これにより、ネット上の各端末が有するIPアドレスとMACアドレスの対応テーブル(ARPテーブル)を書き換えさせる。この結果、プリンタをターゲットIPアドレスとするフレームは全てサービス代行サーバ2に到達することになる。続いて、成りすましフラグをセットする(S143)。
【0052】また、図11の代行中サブルーチンにおいて成りすまし解除要求の通知がされていると(S117)、ステップS144にて検出される。そして、送り手IPアドレスは自己のIPアドレス、ターゲットIPアドレスはプリンタのIPアドレスにし、送り手MACアドレスを自己のMACアドレスにセットしたARP要求フレームを作成し、ネットワークにブロードキャストで送出する(S145)。これによりネット上の各端末が有するIPアドレスとMACアドレスの対応テーブルが元の内容に書き換えられることになり、プリンタを宛先とするフレームは正しくプリンタに行くようになる。しかる後、成りすましフラグをリセットする(S146)。
【0053】<第2の実施の形態>上記実施の形態では、プリンタがSleep状態にあるときに、プリント要求端末から起動要求がきた場合、サービス代行サーバが他のネットワークにルーティングしてプリンタを起動すると共に、プリンタに成りすまして、プリント要求端末から送られてくるプリントデータを受信するという動作を行っている。いわば、Sleep状態にあるプリンタを起動し、Ready状態に移行するまでを対象としていた。これに対し、第2の実施の形態では、Ready状態からSleep状態に移行する際、並びに起動要求がくる前のSleep状態を対象としている。
【0054】ネットワークにつながっている端末は定期的に接続確認を行っているが、プリンタが節電モード(パワーオフモード)になっているときには、プリンタが接続確認に対する応答を返さないので、ネットワーク上でプリンタが未接続となり、認識されなくなる。第2の実施の形態は、このような問題を解決するために工夫されたもので、プリンタは節電モードを維持し、従って、他の端末からの問い合わせには自ら応答しないものでありながら、他の端末からの接続確認等の要求には応えることが出来るようにし、省エネと操作勝手を両立させている。
【0055】図15は、第2の実施の形態のシステム全体の構成を示すブロック図である。プリンタ151とサービス代行サーバ152がネットワーク上に存在するのは、図1と基本的に同じである。図1と異なり、プリント管理端末153とネットワーク管理端末155がネットワーク上に存在する。プリント管理端末153は、プリンタに対し定期的に接続確認等をしてプリンタの管理をおこなうものであり、ネットワーク管理端末155はネットワークの状態を監視している。ネットワーク管理ツールとしては、SNMP(Simple Network Management Protocol)を用いている。このプロトコルは、TCP/IPのネットワークに接続された機器を、ネットワーク経由で管理するときに使われる標準プロトコルである。管理対象となる機器(プリンタ、サービス代行サーバ、プリント要求端末:エージェント)とそれらをコントロールするワークステーション(マネージャ)とから構成される。エージェントにマネージャからアクセスして機器の状態を把握し、構成情報の定義の変更を行う。
【0056】プリンタ151、サービス代行サーバ152、プリント管理端末153、ならびにネットワーク管理端末155にはそれぞれ図中に記すように、IPアドレス、MACアドレスが割りふられている。なお、ネットワークは、この図では1本しか描いていないが、本実施形態において、ネットワークの本数は直接関係ないので省いている。図1と同様、ネットワークの本数は2本でも良いし、図15に示されたように1本であっても構わない。
【0057】<プリンタ>プリンタ151は、ネットワークからのデータを解析し自己宛のデータのみを取り出すネットワークインターフェース部1511、プリンタ制御部1512、PMP部1513、マシン情報1515からMIBデータベース1516を作成しSNMPマネージャからの要求に対する応答等をMIBデータベースを基に行うSNMPエージェント部1514からなる。
【0058】<サービス代行サーバ>サービス代行サーバ152は、ネットワークインターフェース部1521、プリンタからのSleep移行通知を受け、プリンタのIPアドレスに成りすまして、プリンタから転送されたマシン情報を格納する代理マシン情報1524と代理MIBデータベース1525を基にSNMPマネージャからの要求に対する応答等を代行する代行処理部1522、それ以外のサーバ処理を行うサーバ処理部1523からなる。
【0059】<プリンタ管理端末>プリンタ管理端末153は、ネットワークインターフェース部1531、ネットワーク上のプリンタの管理を行うためのSNMPマネジャー1532からなる。<ネットワーク管理端末>ネットワーク管理端末155は、ネットワークインターフェース部1551、ネットワークの状態を監視するLANアナライザ1552からなる.この端末によりネットワーク上のIPアドレスの重複の有無等が監視されている。
【0060】<システム全体の動作>図16は、システム全体の動作を示すシーケンス図、図17は、サービス代行サーバ152の処理を示すフローチャート、図18は、サービス代行サーバ152の代行処理を示すフローチャートである。サービス代行サーバの処理を説明する前に、図16に基づきシステム全体の動作を説明する。
【0061】図16のシーケンス図において、当初、プリンタ151は、Ready状態であり、時刻T1におけるプリンタ管理端末153からの問い合わせに対して応答を返している。この問い合わせはトレイ1のサイズを尋ねるものであり、サイズがA4であると返答している。プリンタの無操作状態が一定時間継続した結果、時刻T2において、プリンタがSleep状態に移行する。このとき、プリンタは、サービス代行サーバ152に対して、Sleep状態に移行する通知をする。すると、サービス代行サーバ152は、ネットワーク管理端末155に対して、代行処理の開始とプリンタのIPアドレス(192.168.0.2)と同じIPアドレスを自己のIPアドレスとする旨の通知を行う。ネットワーク管理端末155は、この通知を受けると、内蔵するアドレス管理テーブルに登録する。図18にアドレス管理テーブルを示す。図Aは上記通知を受け取る前の内容、図Bは上記通知を受けた後の内容を示す。図Bの2行目が新たに登録された内容であり、MACアドレスはサービス代行サーバのものであるが、IPアドレスがプリンタのものとなっている。
【0062】プリンタはSleep状態に移行することを通知した後、速やかに自己のマシン情報およびMIBデータベースを読み出し、サービス代行サーバ152に送出する。この後Sleep状態に移行する。前記マシン情報は、プリンタのトレイにセットされている用紙サイズ、縦置き横置きの別、プリンタのIPアドレス、MACアドレス、プリンタのモード設定情報、プリンタカバー、ドアのセット不良などの情報が含まれる。MIBデータベースは、Management Information Baseという仮想的なデータベースであり、エージェントにおける基本的なシステム情報についてのオブジェクトを定義したり、エージェントがネットワークと接続するためのインターフェースについての情報が集められている。
【0063】サービス代行サーバ152は、プリンタから送られてきた各情報を格納し、以後プリンタがSleep状態に維持されている限り他の端末に対しプリンタとして振舞う。すなわち、プリンタに成りすます。従って、時刻T3において、プリンタ管理端末153からプリンタ宛にトレイサイズをA4にセットする旨の要求フレームが送出されたとすると、サービス代行サーバ152のネットワークインターフェース部1521が、フレーム中のターゲットIPアドレスが自己宛であると判断し、そのフレームを取りこみ、要求内容を解釈して、格納している代理マシン情報、代理MIBデータベースにセットする。この後、時刻T4において、プリンタ管理端末に対して応答を返す。
【0064】時刻T5において、プリンタに対し何らかの操作がなされ、プリンタがSleep状態を脱することとなったとすると、プリンタはサービス代行サーバに対し、その旨の通知を発する。これを受けて、サービス代行サーバは、格納しているマシン情報とMIBデータをプリンタに送出する。プリンタは、この情報を受信すると共に、自己の格納しているマシン情報、MIBデータベースに対して上書きする。これによって、プリンタがSleep状態の間、サービス代行サーバに届いたプリンタ管理端末からの要求が反映されることになる。
【0065】サービス代行サーバは、この後速やかに、時刻T6においてネットワーク管理端末に対し、成りすまし解除を通知する。これによって、ネットワーク管理端末のアドレス管理テーブルの内容が図18Aに示す内容に変更され、以後、プリンタ管理端末からのプリンタへの要求フレームは、プリンタに到達するようになる。次に、上記したシステム全体の動作に対し、サービス代行サーバが行う処理を説明する。サービス代行サーバは、常時、図17にステップS171〜174に示す各イベントの発生を監視している。そして、プリンタからのSleep状態移行通知があると(イベント1)、ネットワークインターフェース部1521に成りすまし開始を要求し(S175)、ネットワーク管理端末に対して、プリンタのIPアドレスを自己のIPアドレスとする成りすましメールを送信する(S176)。そして、代行処理フラグをセットする(S177)。ネットワークインターフェース部1521に成りすまし開始を要求すると、ネットワークインターフェース部1521は、それ以後ネットワークを伝送するフレームのうち、プリンタのIPアドレスをターゲットIPアドレスとしたものを自サーバ内に取り込むようになる。
【0066】一方、イベントとして、プリンタからマシン情報とMIBデータの転送がなされると(S172)、受信した情報とデータを代理マシン情報、代理データベースに格納する(S178)。さらに、イベントとしてプリンタを宛先とするデータが到来すると、代行処理中フラグがセットされている事を条件として(S179)、受信してプロトコル解析を行い(S180)、要求内容に応じて代理データベースに格納または代理データベースから取得する(S181)。そして、応答を返す(S182)。
【0067】また、イベントが、プリンタからのSleep脱出通知であった場合(S174)、ネットワークインターフェース部に成りすましを解除する要求をし(S183)、ネットワーク管理端末に対して成りすまし解除メールを送信する(S184)。そして、それまで格納している代理マシン情報、代理MIBデータをプリンタに転送する(S185)。この後、代理処理中フラグをリセットする(S186)。プリンタは代理中のマシン情報、MIBデータベースを元の場所に上書きして格納することにより、代理中に他の端末から要求された内容を反映したデータとすることが出来、代理中の要求に応じた応答を行うことが出来る。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、プリンタが少なくとも2種類以上のネットワークと接続されたプリンティングシステムにおいて、プリンタに対する起動指示とプリント動作指示とを別々のネットワークを介して行うものであるから、プリンタが一定時間無操作状態であったためにスリープモードに移行して、プリンタの主たる構成の電源が落ち、ネットワークとの接続が遮断され、他の端末からプリンタが認識されなくなったとしても、別のネットワークを通じて起動指示を行うことが出来る。したがって、プリンタをスリープモードで省電力化を実現しながら、他の端末からリモートアクセスを可能とし、ネットワーク上での使い勝手を確保できるといった効果がある。
【0069】この場合、プリンタが内蔵する電源管理部とプリント制御部とのうち、電源管理部を、起動指示に利用される第1のネットワークに、プリント制御部を、プリント動作指示に利用される第2のネットワークにそれぞれ接続する構成とし、起動指示があると電源管理部が通電され、起動を開始する一方、プリント動作指示があるとプリント制御部がプリンタのプリント動作を制御するようにすれば、起動要求があるまでは、電源管理部も非通電となっており、よりいっそうの省電力が実現する。
【0070】また、前記第1のネットワークと第2のネットワークとに接続されたサービス代行サーバをさらに備え、プリンタがスリープモードに遷移しているときは、ネットワーク上の他の端末に対してプリンタの代行サービスを行わせる構成とすれば、スリープモード中他の端末が接続確認を行った場合でも、サービス代行サーバの成りすましにより、プリンタが端末によって常に認識されることが保証される。
【0071】さらに、前記サービス代行サーバは第2のネットワークの上につながった端末から送られてくるプリンタの起動指示を第1のネットワークにルーティングするルータ機能を備えるようにすれば、プリンタが他の端末とは1本のネットワークを通じてしか繋がっていなくても、確実にプリンタに起動指示を転送することが出来る。
【0072】また、本発明は、ネットワークに対してプリンタとサービス代行サーバとが接続され、前記プリンタは、ネットワークインターフェース部を含み主要機能部への通電を遮断してスリープモードに遷移する機能と、スリープモードに突入するときに最新のマシン情報を前記サービス代行サーバに転送するマシン情報転送手段とを有し、前記サービス代行サーバは、前記プリンタがスリープ状態のときにネットワーク上のプリンタ管理装置からの前記プリンタへのマシン状態を参照するサービス要求があった場合、前記マシン情報転送手段から転送されたマシン情報を用いてスリープモード状態のプリンタのサービスを代行する代行処理手段を有した構成としているので、プリンタがスリープモードにあるときにおいても、他の端末からの接続確認、問い合わせに応答することができ、プリンタがネットワークから遮断されているものでありながら、マシン情報などの更新が可能となるという効果がある。
【0073】この場合、前記代行手段は、サービスを依頼したプリンタのIPアドレスを自装置のIPアドレスとして振るまい、ネットワーク上のプリンタ管理装置からのプリンタに対するサービス要求を受信してプリンタに成りすまして応答を行う構成とすると、サービス代行サーバによるプリンタ代行がネットワーク上で保証される。
【0074】加えて、前記代行手段は、プリンタがスリープモードから復帰したことを通知されると、代行中に使用したマシン情報をプリンタに転送するよう構成すれば、スリープモード中にマシン情報が書き換えられていても、確実にプリンタに書き戻すことが出来、データの一貫性が保証でき、結果的にプリント動作を保証することができる。
【0075】また、本発明は、上記ネットワークプリンティングシステムにおけるプリンタサービス代行サーバ、並びにそれら特有の処理を実行するプログラムを個別に請求しており、それぞれネットワーク上で用いることにより、またプログラムにあってはパソコン本体のハードディスクに実装することにより上記と同様な効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000006079
【氏名又は名称】ミノルタ株式会社
【出願日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【代理人】 【識別番号】100090446
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 司朗
【公開番号】 特開2002−297352(P2002−297352A)
【公開日】 平成14年10月11日(2002.10.11)
【出願番号】 特願2001−102618(P2001−102618)