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【発明の名称】 データ転送装置、コンピュータ装置、デバイス、ドッキングステーション
【発明者】 【氏名】菅原 隆

【氏名】小見山 博秀

【要約】 【課題】データ転送時の信号波形の安定化を図ることのできるデータ転送装置、コンピュータ装置、デバイス、ドッキングステーションを提供することを目的とする。

【解決手段】PCシステムにおいて、IDEバス20を介しホスト部10とHDD装置40やCD−ROMドライブ装置30との間でデータを転送するに際し、フィードバック回路50を介してデータの受信側から発信側に信号をフィードバックし、これに基づき、発信側で発信する信号のスルーレートを変更する構成とした。さらに、PCシステムの電源が投入されている状態でCD−ROMドライブ装置30やHDD装置40の脱着が行なわれた場合、キャリブレーション実行部83でキャリブレーションを実行し、発信側で発信する信号のスルーレートを変更する構成とすることも可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バスを介してデータを転送する装置であって、データの信号を発信する信号発信手段と、前記信号発信手段から発信されて前記バスを介して転送されたデータの信号を受信する信号受信手段と、前記信号受信手段で受信される信号を診断する信号診断手段と、前記信号診断手段での診断に基づき、前記信号受信手段で受信される信号の特性を調整する信号調整手段と、を備えることを特徴とするデータ転送装置。
【請求項2】 前記信号調整手段は、前記信号発信手段で発信する信号のスルーレートを調整することによって、前記信号受信手段で受信される信号の特性を調整することを特徴とする請求項1記載のデータ転送装置。
【請求項3】 前記信号調整手段は、前記信号発信手段または前記信号受信手段のいずれか一方または双方に設けられる終端抵抗の抵抗値を調整することによって、前記信号受信手段で受信される信号の特性を調整することを特徴とする請求項1記載のデータ転送装置。
【請求項4】 前記信号受信手段で受信される信号を前記信号発信手段にフィードバックするフィードバック回路をさらに備え、前記信号診断手段と前記信号調整手段は前記信号発信手段側に備えられ、前記信号診断手段は、前記フィードバック回路でフィードバックされた信号を診断し、前記信号調整手段は、前記信号発信手段で発信する信号の特性を調整することによって、前記信号受信手段で受信される信号の特性を調整することを特徴とする請求項1記載のデータ転送装置。
【請求項5】 前記信号診断手段は、前記信号受信手段側に設けられ、当該信号受信手段で受信される信号を診断して得た診断情報を出力し、前記信号調整手段は、前記信号発信手段側に設けられ、前記信号診断手段から出力された診断情報に基づいて、前記信号受信手段で受信される信号の特性を調整することを特徴とする請求項1記載のデータ転送装置。
【請求項6】 前記信号診断手段は、診断情報として、診断の結果に応じたコマンドを前記バスを介して前記信号調整手段に転送し、前記信号調整手段は、前記コマンドに基づいて信号の特性を調整することを特徴とする請求項5記載のデータ転送装置。
【請求項7】 前記信号診断手段と前記信号調整手段との間に配設されて、前記信号診断手段での診断情報を表す信号を前記信号調整手段に転送する診断情報転送回路、をさらに備えることを特徴とする請求項5記載のデータ転送装置。
【請求項8】 前記信号診断手段での診断情報が格納される診断情報格納メモリと、前記信号発信手段で発信する信号の特性に関する情報が格納される信号特性情報格納メモリと、前記診断情報格納メモリから前記診断情報を読み出し、当該診断情報に基づいて前記信号特性情報格納メモリの情報を更新する信号特性情報更新手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項5記載のデータ転送装置。
【請求項9】 バスを介してホスト部と周辺デバイスとが接続されるコンピュータ装置であって、前記ホスト部は、前記バスに対して信号を発信する信号発信部と、前記信号発信部で発信される信号のスルーレートを調整するスルーレート調整部と、を備え、前記周辺デバイスは、前記バスから信号を受信する信号受信部を備え、さらに、前記信号受信部で受信される信号の波形を診断する信号波形診断部が、前記ホスト部または前記周辺デバイスに備えられていることを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項10】 前記周辺デバイスは、前記バスに対して信号を発信するデバイス側信号発信部と、前記デバイス側信号発信部で発信される信号のスルーレートを調整するデバイス側スルーレート調整部と、を備え、前記ホスト部は、前記バスから信号を受信するホスト側信号受信部を備え、さらに、前記ホスト側信号受信部で受信される信号の波形を診断するホスト側信号波形診断部が、前記周辺デバイスまたは前記ホスト部に備えられていることを特徴とする請求項9記載のコンピュータ装置。
【請求項11】 前記信号波形診断部は、前記信号のアンダーシュート、オーバーシュート、データセットアップタイム、データホールドマージンのうちの1以上を検出する回路を備えることを特徴とする請求項9記載のコンピュータ装置。
【請求項12】 前記ホスト部は、当該ホスト部の前記信号発信部から所定の信号を発信し、前記周辺デバイスの前記信号受信部で受信される信号の波形を前記信号波形診断部で診断することにより、前記信号発信部で発信される信号のスルーレートを前記スルーレート調整部で調整するキャリブレーション処理を、所定のタイミングで実行させるキャリブレーション実行部、をさらに備えることを特徴とする請求項9記載のコンピュータ装置。
【請求項13】 前記周辺デバイスは、前記バスに対して着脱可能であり、前記キャリブレーション実行部は、前記周辺デバイスの前記バスに対する装着が検出されたときに、前記キャリブレーション処理を実行することを特徴とする請求項12記載のコンピュータ装置。
【請求項14】 システム全体を制御するホスト部と、前記ホスト部に対して入出力されるデータの信号を転送するバスと、前記バスに対して周辺デバイスを装着するためのインターフェイスと、を備え、前記ホスト部は、当該ホスト部から信号を出力したときに、前記インターフェイス側で検出される前記信号の波形に基づき、当該ホスト部から出力する信号のスルーレートを調整することを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項15】 前記インターフェイスに装着される周辺デバイスは、前記ホスト部から出力される信号を検出し、当該信号の波形に基づく診断を行なう波形診断部を備えることを特徴とする請求項14記載のコンピュータ装置。
【請求項16】 前記インターフェイスにドッキングステーションが装着可能とされ、前記ドッキングステーションは、前記インターフェイスを介して前記バスに接続されるドッキングステーションバスと、前記ドッキングステーションバスに対して、周辺デバイスを装着するためのドッキングステーションコネクタと、前記ホスト部から発信されて前記バスを介して前記ドッキングステーションバスで受信される信号を検出し、当該信号の波形に基づく診断を行なう波形診断部と、を備えることを特徴とする請求項14記載のコンピュータ装置。
【請求項17】 コンピュータ装置に接続されるデバイスであって、前記コンピュータ装置に備えられたバスから出力され、前記デバイスで受信する信号の波形を診断する波形診断部と、前記波形診断部での診断に基づき、前記デバイスで受信される信号の波形を補正するための情報を前記コンピュータ装置に伝達する補正情報出力部と、を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項18】 コンピュータ装置に対して着脱自在に接続されるドッキングステーションであって、前記コンピュータ装置に備えられたバスに接続され、かつ周辺デバイスが着脱可能に装着される内部バスと、前記バスから出力されて前記内部バスで受信される信号の波形を診断する波形診断部と、前記波形診断部での診断に基づき、前記バスから出力される信号の波形を補正するための情報を前記コンピュータ装置に伝達する補正情報出力部と、を備えることを特徴とするドッキングステーション。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バスを介してデバイス間でデータ転送するときに用いて好適なデータ転送装置、コンピュータ装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、PC(Personal Computer)システムの中枢となるCPUの処理能力の向上が著しい。また、システム内部でデータを格納するHDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置や、RAM(Random Access Memory)等の内部記憶装置のデータ記憶容量も増大している。その結果、PCシステムで取り扱うデータ量が飛躍的に増大し、これに伴い、PCのシステム内部におけるデータの転送速度の向上が常に求められている。
【0003】PCシステムでは、CPU(Central Processing Unit)やメモリを備えたマザーボード等のホスト部に対し、HDD等の外部記憶装置の他、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の各種記憶媒体のドライブ装置、音声出力を制御するオーディオコントローラ、映像出力を制御するビデオコントローラ等の各種周辺デバイスが、IDE(Integrated Device Electronics)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等のバスを介して接続されている。このようなPCシステムにおいて、CPUとメモリとの間のホスト部内でのデータ転送速度に較べると、ホスト部と周辺デバイスとの間のデータ転送速度が低い。このため、従来より、PCシステム内部におけるデータ転送速度の向上を図るにあたっては、前記バスを介してのデータ転送がボトルネックとなっていた。
【0004】これに対し、例えばIDEバスでは、ATA(AT Attachment)におけるデータ転送速度の規格が、16MB/sec→33MB/sec→66MB/sec→100MB/secと毎年のように高められている。バスでのデータ転送速度を高める場合、常に問題となるのが、データを転送するための信号波形である。バスを介してデータを転送するに際し、送出側から送出された信号のパルスの波形が、受取側で受け取るときに乱れると、データを正しく受け取ることができず、データ転送エラーの原因となる。ここで、図14は、送出側から送出された信号の波形W1と、受取側でこの振動を受け取ったときの信号の波形W2の例を示すものである。この波形W2では、波形W1に対し、信号の立ち上がり時において信号電圧がオーバーシュート(図14中Pの部分)したり、信号の立ち下がり時において信号電圧がアンダーシュート(図14中Qの部分)している。その結果、信号電圧がリンギングして、High(図14中Rの部分)、Low(図14中Sの部分)の定常値に落ち着くまでに時間がかかることになる。
【0005】このような信号波形の乱れの原因としては、一つに、ホスト部と各周辺デバイスとの間で信号を搬送するケーブルがある。このため、ATAによるデータ転送速度の規格が変わるに伴い、バスを構成するケーブルのピン数(本数)やグラウンド線の配列等の仕様を変えることによって、信号波形の安定化が図られている。
【0006】また、信号波形の乱れの他の原因としては、図15に示すように、ホスト部1と、これに組み合わされる周辺デバイス2、3との相性がある。より具体的には、HDD等の外部記憶装置の他、各種記憶媒体のドライブ装置、オーディオコントローラ、ビデオコントローラ等の周辺デバイス2、3は、その種類・機種毎に電気的な負荷が異なっている。このため、例えばホスト部1からバス4を介して周辺デバイス2、3にデータを転送する場合、受取側となる周辺デバイス2、3の電気的な負荷によって、信号の波形が乱れてしまうことがあるのである。このため、ホスト部1と、このホスト部1に接続される周辺デバイス2、3には、出荷前の段階で、予め終端抵抗5が挿入され、ホスト部1と周辺デバイス2、3の組み合わせに応じた電気的な負荷バランスが調整されているのが通常である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、PCシステムは、ユーザの希望等に応じ、PCシステムに組み込まれるHDDのデータ記憶容量が複数種の中から選択されるような形態で提供されるものが多い。また、PCシステムに組み込まれる記憶媒体のドライブ装置も、CD−ROMの他、CD−R(CD Recordable)、CD−RW(CD Rewritable)、DVD(Digital Versatile Disk)−ROM等の中から、ユーザの指定した記憶媒体に対応するドライブ装置が選択できるものが多い。その結果、PCシステムの一つの機種において、同一のバス4に対して接続される周辺デバイス2、3の組み合わせが膨大な数に及び、一つ一つの組み合わせに対して終端抵抗5(の抵抗値)を設定するには多大な手間がかかる。
【0008】また、ユーザがPCシステムに対して周辺デバイス2、3を着脱する場合、PCシステムの電源を落とした状態で着脱作業を行なうのが通常であるが、ホットアタッチ、ホットスワップ、ホットプラグ等と称して、PCシステムの電源を投入したままの状態で、周辺デバイス2、3の着脱が自在に行なえるものもある。これらの場合も、ユーザが出荷段階とは異なるものを周辺デバイス2、3としてPCシステムに装着すると、上記と同様に、PCシステムに装着される周辺デバイス2、3の電気的な負荷によって、バス4を介して転送される信号の波形が乱れてしまうことがある。すると、このような場合、ユーザ側では終端抵抗5の抵抗値を変更することができないため、装着した周辺デバイス2、3自体が使用できない等の不便が生じることもあった。本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、データ転送時の信号波形の安定化を図ることのできるデータ転送装置、コンピュータ装置、デバイス、ドッキングステーションを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的のもと、本発明のデータ転送装置は、信号発信手段で発信され、バスを介して転送されたデータの信号を信号受信手段で受信する。そして、信号診断手段により、信号受信手段で受信される信号を診断し、その診断に基づき、信号受信手段で受信される信号の特性を信号調整手段で調整する。ここで、調整する信号の特性としては、受信側における信号のパルスの立ち上がり時のオーバーシュート、立ち下がり時のアンダーシュート、データセットアップタイム、データホールドマージンの中から1以上を選択すれば良く、またこれ以外にも、例えば信号の反射等であっても良い。このとき、信号調整手段は、発信側で信号のスルーレートを調整することによって、信号受信手段で受信される信号の特性を調整するのが好ましい。これ以外に、信号発信手段または信号受信手段のいずれか一方または双方において、終端抵抗の抵抗値を調整することによって、信号の特性を調整するようにしても良い。このようにして、受信側での信号の特性を調整することにより、受信側での信号を安定させることができる。
【0010】より具体的には、信号受信手段で受信される信号をフィードバック回路で信号発信手段にフィードバックし、信号発信手段側において、フィードバックされた信号を信号診断手段で診断し、発信する信号の特性を信号調整手段で調整することもできる。また、このように信号発信手段側で信号の診断を行なうのではなく、信号受信手段に信号診断手段を設けることもでき、この場合、信号診断手段において、信号を診断して得た診断情報を出力し、この出力された診断情報に基づいて、信号発信手段に設けられた信号調整手段において信号の特性を調整することも可能である。この場合、さらに、診断情報として、診断の結果に応じたコマンドをバスを介して信号調整手段に転送し、このコマンドに基づいて信号の特性を調整しても良いし、また、バスとは別に、信号診断手段と信号調整手段との間に診断情報転送回路を配設し、診断情報を表す信号をこの診断情報転送回路によって信号調整手段に転送しても良い。さらに、信号診断手段での診断情報をレジスタ等の診断情報格納メモリに格納し、信号特性情報更新手段により診断情報格納メモリから診断情報を読み出し、信号発信手段で発信する信号の特性に関する情報、例えばスルーレートの設定値が格納される信号特性情報格納メモリの情報を、読み出した診断情報に基づいて更新するようにすることも可能である。これにより、信号発信手段は、信号の発信時に信号特性情報格納メモリに格納されている、更新された情報を参照するので、信号の発信に際し、スルーレート等の特性が調整される。ここで、診断情報としては、信号の特性に関する情報を更新する必要の有無や、更新する場合には設定値を上げるのか下げるのか、等を示す情報がある。
【0011】本発明を、バスを介してホスト部と周辺デバイスとが接続されるコンピュータ装置として捉えると、バスに対して信号を発信する信号発信部と、発信される信号のスルーレートを調整するスルーレート調整部と、をホスト部に備え、バスから信号を受信する信号受信部を周辺デバイスに備え、さらに、信号受信部で受信される信号の波形を診断する信号波形診断部を、ホスト部または周辺デバイスに備えることを特徴とすることができる。このような構成では、ホスト部から周辺デバイスへの信号の転送を対象とするが、さらに、バスに対して信号を発信するデバイス側信号発信部と、発信される信号のスルーレートを調整するデバイス側スルーレート調整部と、を周辺デバイスに備え、バスから信号を受信するホスト側信号受信部をホスト部に備え、ホスト側信号波形診断を周辺デバイスまたはホスト部に備えることも可能である。これにより、周辺デバイス側からホスト部側への信号の転送に対しても同様の構成を有することとなる。つまりこの場合は、ホスト部、周辺デバイスは、それぞれ信号の受信機能と、信号の発信機能の双方を備える構成となり、ホスト部から周辺デバイスへ信号を転送する場合、周辺デバイスからホスト部へ信号を転送する場合、双方の場合において、それぞれ受信側で受信する信号を調整することが可能となる。
【0012】また、このコンピュータ装置は、起動時等、所定のタイミングでキャリブレーション処理を実行するキャリブレーション実行部をさらに備えることも可能である。このキャリブレーション処理としては、信号発信部から所定の信号、例えば変化の連続するキャリブレーション用の信号等、を発信し、周辺デバイスの信号受信部で受信される信号の波形を信号波形診断部で診断する。そして、その診断結果に基づき、信号発信部で発信される信号のスルーレートをスルーレート調整部で調整するのである。このようなキャリブレーション処理を行なうことによって、信号の安定化を図ることができる。特に、周辺デバイスのバスに対する装着が検出されたときに、キャリブレーション処理を実行すれば、装着された周辺デバイスの電気的負荷に応じた信号の調整を行なうことができる。
【0013】本発明は、ホスト部から信号を出力したときに、インターフェイス側で検出される信号の波形に基づき、ホスト部から出力する信号のスルーレートを調整することを特徴とするコンピュータ装置として捉えることもできる。ここで、インターフェイスに装着される周辺デバイス(デバイス)は、ホスト部から出力される信号の波形に基づく診断を行なう波形診断部を備えることもできる。さらに、波形診断部での診断に基づき、デバイスで受信される信号の波形を補正するための情報をコンピュータ装置に伝達する補正情報出力部を備えることもできる。
【0014】また、コンピュータ装置のインターフェイスに装着可能なドッキングステーションを、インターフェイスを介してバスに接続されるドッキングステーションバス(内部バス)と、ドッキングステーションバスに対して、周辺デバイスを装着するためのドッキングステーションコネクタと、ドッキングステーションバスで受信される信号の波形に基づく診断を行なう波形診断部を備える構成とすることもできる。この場合も、波形診断部での診断に基づき、デバイスで受信される信号の波形を補正するための情報をコンピュータ装置に伝達する補正情報出力部を備えることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す第一ないし第三の実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
[第一の実施の形態]図1は、本実施の形態におけるPCシステム(コンピュータ装置、データ転送装置)の概略構成を説明するための図である。この図1に示す例では、バスとして、IDEバスを用いる。この図1に示すPCシステムは、中枢となるCPU11と、CPU11での処理用データを一時的に格納するRAM等のメモリ12とを備えるホスト部10に対し、IDEバス(バス)20を介し、周辺デバイス(デバイス)として、例えばCD−ROMドライブ装置30と、HDD装置40とが接続された構成となっている。これらホスト部10、CD−ROMドライブ装置30、HDD装置40は、それぞれIDEバス20とのコネクタ10C、30C、40Cの部分に、終端抵抗(Termination Register)10R、30R、40Rを有している。
【0016】ホスト部10には、IDEバス20を介してCD−ROMドライブ装置30、HDD装置40との間でデータをやり取りするためのインターフェイスコントローラ(信号調整手段、スルーレート調整部)13が備えられている。また、CD−ROMドライブ装置30、HDD装置40は、IDEバス20を介してホスト部10との間でデータをやり取りするためのインターフェイスコントローラ(補正情報出力部)31、41を備えている。
【0017】ホスト部10のインターフェイスコントローラ13、CD−ROMドライブ装置30のインターフェイスコントローラ31、HDD装置40のインターフェイスコントローラ41は、基本的に同様の構成を有しており、それぞれ、データの発信機能と、受信機能とを備えている。ここで、データをホスト部10から周辺デバイス、例えばHDD装置40に転送する場合を例に挙げて説明する。図2は、このような場合におけるホスト部10のインターフェイスコントローラ13を発信側インターフェイスコントローラとし、HDD装置40のインターフェイスコントローラ41を受信側インターフェイスコントローラとしたときの、必要最小限の構成を抽出したものである。図1および図2に示したように、ホスト部10から転送されるデータを搬送するIDEバス20と、このデータを受信するHDD装置40との間には、IDEバス20からHDD装置40のインターフェイスコントローラ41に備えられた受信側IC(信号受信手段、信号受信部)42に至る途中で、データの信号を取り出し、データの発信側であるホスト部10のインターフェイスコントローラ13にフィードバックさせるフィードバック回路50が設けられている。ここで、フィードバック回路50で取り出す信号としては、ホスト部10からHDD装置40に転送するデータ信号(例えばDD0)と、ホスト部10から同期を図るためにHDD装置40に転送される基準クロック信号(例えばHSTROBE)等がある。このフィードバック回路50には、インピーダンス調整のため、例えば100Ωの抵抗51が設けられている。
【0018】発信側となるホスト部10のインターフェイスコントローラ13は、データを送信するための信号を発信する発信側IC(信号発信手段、信号発信部)14と、この発信側IC14で発信する信号のスルーレート(単位時間あたりの電圧の変位:V/μs)の設定値が格納されたスルーレートレジスタ(信号特性情報格納メモリ)15と、フィードバック回路50を介してのフィードバック信号の波形の診断を行なう受信信号診断部(信号診断手段、信号波形診断部、波形診断部)60Aと、を備えている。そして、インターフェイスコントローラ13は、受信信号診断部60Aでの診断結果に基づき、発信側IC14で発信する信号の特性として、スルーレートレジスタ15におけるスルーレートの設定値を変更する。受信信号診断部60Aは、フィードバック回路50を介してのフィードバック信号のアンダーシュートを検出するアンダーシュート検出回路(回路)61と、同フィードバック信号のデータホールドマージンを検出するデータホールドマージン検出回路(回路)62と、を備える。
【0019】図3は、アンダーシュート検出回路61の論理回路構成を示すもので、図4は、このアンダーシュート検出回路61の途中段階で得られる信号の一例を示すものである。このアンダーシュート検出回路61では、フィードバック回路50から得られるフィードバック信号S1(図3、4中のFB_DATA)から、しきい値(threshold)を所定の適正範囲(例えば−0.5〜−0.2V)に応じて設定したトランジスタ63、およびクランプ(CLAMP)回路64によって、−0.5V以上、および−0.2V以上の信号出力の有無を検出する。そしてクランプ回路64からの出力信号S2(図3、図4中のCLAMP)と、発信側IC14で発信された信号S3(図3中のINPUT_DATA)をインバータ65でインバートさせることによって得たリセット信号S4(図3、図4中のRESET)とをラッチ回路66でラッチさせる。
【0020】その結果、アンダーシュート検出回路61での出力信号(診断情報)として得られたアンダーシュート・ディテクト信号S5(図3、図4中のDETECT)に、−0.5V以上のアンダーシュートが検出された場合、受信信号診断部60Aでは、スルーレートレジスタ15のスルーレートの設定値を1段階下げ、また−0.2V以上のアンダーシュートが検出されない場合、受信信号診断部60Aでは、スルーレートレジスタ15のスルーレートの設定値を1段階上げる。これにより、フィードバック回路50を介してのフィードバック信号のアンダーシュートの大きさに応じ、発信側IC14から発信される信号のスルーレートが変更されることになる。
【0021】図5は、データホールドマージン検出回路62の論理回路構成を示すもので、図6は、データホールドマージン検出回路62の途中段階で得られる信号の一例を示すものである。このデータホールドマージン検出回路62では、フィードバック回路50から基準クロック信号S6(図5、図6中のCLK)を得る。ここで、基準クロック信号S6の周期を30nsとする。また、データホールドマージン検出回路62では、フィードバック回路50からのフィードバック信号S1(図5、6中のFB_DATA)を得る。このとき、適正なデータホールドマージンが2nsであるとすると、第一遅延(DELAY)回路67Aにおいて、フィードバック信号S1に対し、28nsの遅延(基準クロック信号S6の周期:30nsから適正なデータホールドマージン:2nsを引いた)を加えた第一遅延信号S8(図6中、FB_DATA+28ns delay)を得る。そして、第一ホールド回路68Aにて、第一遅延信号S8を、フィードバック回路50からの基準クロック信号S6にラッチさせて、第一ホールド信号S9(図5、図6中、Hold_A)を得る。また、第二遅延(DELAY)回路67Bにおいて、フィードバック信号に対し、基準クロック信号の周期に応じた30nsの遅延を加えた第二遅延信号S10(図6中、FB_DATA+30ns delay)を得る。そして、第二ホールド回路68Bにて、第二遅延信号S10を、フィードバック回路50からの基準クロック信号S6にラッチさせて、第二ホールド信号S11(図5、図6中、Hold_B)を得る。そして、Exclusive.OR回路69にて、第一ホールド信号S9と第二ホールド信号S11のエクスクルーシブを取り、出力信号(診断情報)として、データホールドマージン・ディテクト信号S12(図5、図6中、DETECT)を得る。
【0022】図6の具体例では、フィードバック回路50からのフィードバック信号S1において、1パルス目のデータホールドマージンが適正範囲内の2ns、2パルス目のデータホールドマージンが適正範囲外の1nsであったとすると、データホールドマージン検出回路62で得られるデータホールドマージン・ディテクト信号S12には、フィードバック信号S1の2パルス目に対応した部分に、信号パルスXが現れる。
【0023】データホールドマージン検出回路62で出力信号として得られたデータホールドマージン・ディテクト信号S12に、信号パルスXが検出された場合、受信信号診断部60Aでは、スルーレートレジスタ15のスルーレートの設定値を1段階上げる。これにより、フィードバック回路50を介してのフィードバック信号のデータホールドマージンに応じ、発信側IC14から発信される信号のスルーレートが変更されることになる。
【0024】このようにして、フィードバック回路50を介してフィードバックされたフィードバック信号S1に基づき、図7(a)に示したアンダーシュートが強い場合、図7(b)に示すようなデータホールドマージンが少ない場合に、受信信号診断部60Aにおいて発信側のスルーレートレジスタ15の設定値が変更される。その結果、受信側のHDD装置40で受信される信号において、図7(c)に示すような、適切な波形の信号を得ることができる。なお、図1、図2においては、説明の理解を容易化するため、HDD装置40にのみフィードバック回路50を備える構成を図示したが、CD−ROMドライブ装置30に対しても、同様のフィードバック回路50が備えられ、同様のフィードバック信号に基づく発信信号のスルーレートの変更が行なわれる。
【0025】本実施の形態におけるPCシステムは、CD−ROMドライブ装置30やHDD装置40が、PCシステムの電源を投入したままの状態で、コネクタ30Cや40C、つまりPCシステムに対する着脱が自在に行なえる、いわゆるホットアタッチに対応可能な構成とすることもできる。このような構成とする場合、図1に示したように、コネクタ30C、40Cに対してCD−ROMドライブ装置30、HDD装置40が装着されているか否かを検出する機械的なスイッチ等からなる着脱検出部80A、80Bが備えられる。そして、ホスト部10には、この着脱検出部80A、80Bでの検出信号の変化に基づき、CD−ROMドライブ装置30やHDD装置40のコネクタ30Cや40Cに対する脱着を判断する脱着判断部81が備えられている。また、ホスト部10には、PCシステムの電源状態、すなわち、電源の投入、スリープモードへの移行、スリープモードから通常モードへの復帰などを監視する電源監視部82が備えられている。
【0026】さらに、ホスト部10は、所定の条件が満たされたときに、スルーレートの設定を行なうためのキャリブレーションを実行するキャリブレーション実行部83を備えている。ここで、キャリブレーションが実行される所定の条件としては、前記脱着判断部81、電源監視部82からの信号に基づき、PCシステムの電源が投入されて起動した直後(いわゆるPOS:Power On Selftest)、PCシステムがスリープモードから通常モードに復帰した直後、PCシステムの電源が投入されている状態でコネクタ30C、40Cに対してCD−ROMドライブ装置30やHDD装置40の脱着が行なわれたことを検出したとき、等がある。
【0027】図8は、キャリブレーション実行部83で実行するキャリブレーションの処理の流れを示すものである。ここでも、図2の例に対応して、データをホスト部10から周辺デバイス、例えばHDD装置40に転送する場合を例に挙げる。したがって、図8において、ホスト部10が発信デバイス、HDD装置40が受信デバイスとなる。この図8に示すように、前記脱着判断部81、電源監視部82からの信号の条件が所定の条件を満たしたとき、キャリブレーション実行部83では、キャリブレーションの処理を開始する。するとまず、発信デバイスであるホスト部10では、受信デバイスであるHDD装置40に対し、キャリブレーションの開始を通知する(ステップS101)。この通知を受けたHDD装置40では、キャリブレーションを行なうための所定の条件が整っているか否かをチェックした後、ホスト部10に対し、キャリブレーションの準備が完了したことを通知する(ステップS201)。
【0028】ホスト部10は、受信デバイスであるHDD装置40からの通知を受け取る(ステップS102)と、HDD装置40に対し、キャリブレーション用のデータパターン(所定の信号)を、通常のデータ転送時と同様にIDEバス20を介して出力する(ステップS103)。ここで、ホスト部10から発信するデータパターンは、いかなるものであっても良いが、例えば、ULTRA-ATA/100規格によってデータ転送を行なう場合、16bit幅の「0000・FFFF・0000・FFFF・………」といった、信号のパルス変化が連続する厳しいデータパターンとするのが好ましい。
【0029】キャリブレーション用のデータパターンに対応したデータが、ホスト部10からIDEバス20から出力されると、HDD装置40では、このデータを受け取る(ステップS202)。このとき、前記したように、フィードバック信号が、フィードバック回路50を介してHDD装置40側からホスト部10のインターフェイスコントローラ13に入力される。
【0030】インターフェイスコントローラ13では、受信信号診断部60Aのアンダーシュート検出回路61、データホールドマージン検出回路62において、フィードバック信号S1に基づいたアンダーシュート、データホールドマージンの診断を行なう(ステップS104)。そして、診断の結果、スルーレートの変更が必要であるか否かを判定し(ステップS105)、必要であれば、スルーレートレジスタ15の設定値を変更し、HDD装置40から発信する信号のスルーレートを1段階変更する(ステップS106)。
【0031】この後、前記ステップS103に戻り、ステップS105において、スルーレートの変更の必要が無い、と判定されるまで、処理を繰り返す。そして、ステップS105で、スルーレートの変更の必要が無い、と判定された時点で、受信デバイスであるHDD装置40に対し、キャリブレーションの終了を通知する(ステップS107)。この通知をHDD装置40が受け取ることにより(ステップS203)、一連のキャリブレーション処理が終了する。
【0032】上述したようにして、IDEバス20を介して、ホスト部10と、周辺デバイスであるHDD装置40やCD−ROMドライブ装置30との間でデータを転送するに際し、フィードバック回路50を介してデータの受信側から発信側に信号をフィードバックするようにした。そして、フィードバックされた信号に基づき、発信側のスルーレートレジスタ15の設定値を変更する構成としたので、受信側で適切な波形の信号を受信することが可能となり、波形の安定化を図り、データ転送エラーを防止することができる。したがって、ホスト部10に対して組み合わされる周辺デバイスに応じた出荷前の抵抗値の設定を省くことが可能となり、多種多様な周辺デバイスを組み合わせる場合にも、常に安定したパフォーマンスを発揮することができる。
【0033】加えて、PCシステムの電源が投入されている状態でCD−ROMドライブ装置30やHDD装置40の脱着が行なわれた場合にも、キャリブレーション実行部83でキャリブレーションを実行し、発信側のスルーレートレジスタ15の設定値を変更する構成としたので、このようないわゆるホットアタッチへの対応性を高めることができ、常に安定したパフォーマンスを発揮することができる。
【0034】なお、上記第一の実施の形態では、フィードバック回路50を介して受信側のHDD装置40から発信側のホスト部10に信号をそのままフィードバックし、ホスト部10に備えた受信信号診断部60Aでスルーレートの変更の有無を診断する構成としたが、これ以外にも、例えば、図9〜図11に示すような構成とすることができる。なお、以下の図9〜図11についての説明では、上記に示した構成と異なる点のみを説明し、上記と共通する構成については同符号を付して説明を省略する。図9に示すものは、ホスト部10のインターフェイスコントローラ13を発信側インターフェイスコントローラとし、HDD装置40のインターフェイスコントローラ41を受信側インターフェイスコントローラとしたときの、必要最小限の構成を抽出したものである。ここで、受信側のインターフェイスコントローラ41は、受信信号診断部(信号診断手段、信号波形診断部、波形診断部)60Bを備えている。
【0035】受信信号診断部60Bは、アンダーシュート検出回路61と、データホールドマージン検出回路62に加え、コマンド発行部90を備えている。ここで、アンダーシュート検出回路61、データホールドマージン検出回路62は、IDEバス20を介してインターフェイスコントローラ41に入力された、発信側IC14からの出力データ信号(データホールドマージン検出回路62の場合、さらにクロック信号)を受ける。そして、コマンド発行部90は、これらアンダーシュート検出回路61、データホールドマージン検出回路62からの出力信号(アンダーシュート・ディテクト信号S5、データホールドマージン・ディテクト信号S12)を受け、これに基づいて、発信側IC14で出力する信号のスルーレートを変更する必要があるか否かを判断する。そして、スルーレートを変更する必要がある場合、所定のコマンド(診断の結果に応じたコマンド)を出力し、これを、IDEバス20を介し、ホスト部10のインターフェイスコントローラ13に送信する。
【0036】ホスト部10のインターフェイスコントローラ13では、発信側IC14が、スルーレートレジスタ15から出力されるスルーレートの設定値と、コマンド発行部90から発行されたコマンドとに基づき、スルーレート変更の必要の有無を判断し、変更の必要がある場合には、コマンドにしたがってスルーレートを変更した信号を、受信側のインターフェイスコントローラ41に出力するようになっている。
【0037】図10に示す例は、ホスト部10のインターフェイスコントローラ13を発信側インターフェイスコントローラとし、HDD装置40のインターフェイスコントローラ41を受信側インターフェイスコントローラとしたもので、受信側のインターフェイスコントローラ41は、受信信号診断部(信号診断手段、信号波形診断部、波形診断部)60Cを備えている。
【0038】受信信号診断部60Cは、アンダーシュート検出回路61と、データホールドマージン検出回路62を備えている。ここで、受信側のインターフェイスコントローラ41と、発信側のインターフェイスコントローラ13との間には、IDEバス20(図1参照)とは別に、バイパス回路(診断情報転送回路)91が設けられている。このような構成で、アンダーシュート検出回路61、データホールドマージン検出回路62は、IDEバス20を介してインターフェイスコントローラ41に入力された、発信側IC14からの出力データ信号(データホールドマージン検出回路62の場合、さらにクロック信号)を受ける。すると、アンダーシュート検出回路61、データホールドマージン検出回路62からの出力信号(アンダーシュート・ディテクト信号S5、データホールドマージン・ディテクト信号S12)が、診断情報を表す信号として、バイパス回路91を介し、発信側のインターフェイスコントローラ13にフィードバックされる。インターフェイスコントローラ13では、発信側IC14が、スルーレートレジスタ15から出力されるスルーレートの設定値と、バイパス回路91を介して受信側の受信信号診断部60Cからフィードバックされた、アンダーシュート検出回路61、データホールドマージン検出回路62からの出力信号とに基づき、スルーレート変更の必要の有無を判断する。その結果、変更の必要がある場合には、発信側IC14が、スルーレートを変更した信号を、受信側のインターフェイスコントローラ41に出力するようになっている。
【0039】図11に示す例は、ホスト部10のインターフェイスコントローラ13を発信側インターフェイスコントローラとし、HDD装置40のインターフェイスコントローラ41を受信側インターフェイスコントローラとしたもので、受信側のインターフェイスコントローラ41は、受信信号診断部(信号診断手段、信号波形診断部、波形診断部)60Dを備えている。
【0040】受信信号診断部60Dは、アンダーシュート検出回路61と、データホールドマージン検出回路62に加え、内部レジスタ(診断情報格納メモリ)93を備えている。アンダーシュート検出回路61、データホールドマージン検出回路62は、IDEバス20を介してインターフェイスコントローラ41に入力された、発信側IC14からの出力データ信号(データホールドマージン検出回路62の場合、さらにクロック信号)を受ける。すると、アンダーシュート検出回路61、データホールドマージン検出回路62では、発信側IC14からの出力データ信号の診断結果に関する出力信号(アンダーシュート・ディテクト信号S5、データホールドマージン・ディテクト信号S12)を出力するので、内部レジスタ93には、この出力信号に応じたデータが書き込まれる。
【0041】このような構成を備えるPCシステムでは、ホスト部10側のBIOS(Basic Input/Output System)あるいはドライバ(信号特性情報更新手段:図11中、BIOS/ドライバと表記)94が、内部レジスタ93に書き込まれたデータを読み出す。さらに、このBIOSあるいはドライバ94は、読み出されたデータに基づき、発信側IC14で出力する信号のスルーレートを変更する必要があれば、インターフェイスコントローラ13のスルーレートレジスタ15に書き込まれているスルーレートの設定値を書き替える。なお、このような内部レジスタ93からの読み出し、スルーレートレジスタ15への書き込み処理を実行するものを、BIOSあるいはドライバ94と表記しているが、PCシステム(のOS:Operating System)が起動している状態であれば、ホスト部10に備えられたインターフェイスドライバ等のドライバ(のソフトウェア)が上記の処理を直接実行したり、あるいはインターフェイスドライバ等の命令に基づいてBIOSが上記の処理を実行することも可能である。また、PCシステムの起動に、POSを実行するときであれば、BIOSが上記の処理を実行する。
【0042】ところで、図9〜図11のそれぞれに示したような構成とする場合にも、図8に示したのと基本的には同様の、キャリブレーションを図1に示したキャリブレーション実行部83によって実行することができる。つまり、脱着判断部81、電源監視部82からの信号に基づき、PCシステムの電源が投入されて起動した直後のPOS時、PCシステムがスリープモードから通常モードに復帰した直後、PCシステムの電源が投入されている状態でコネクタ30C、40Cに対してCD−ROMドライブ装置30やHDD装置40の脱着が行なわれたことを検出したとき、等に、キャリブレーション用のデータパターンを発信し、これに基づいて、発信側IC14で発信する信号のスルーレートを変更するのである。なお、図8のステップS104〜S105については、図9の場合であれば、受信側に備えられた受信信号診断部60Bにおける診断→スルーレート変更のコマンド発行、図10の場合であれば、受信側に備えられた受信信号診断部60Cにおける診断→診断結果に応じた信号のバイパス回路91への出力、図11の場合であれば、受信側に備えられた受信信号診断部60Dにおける診断→内部レジスタ93への書き込み、といった処理に替わる。
【0043】なお、上記図1〜図11に示した例では、ホスト部10からHDD装置40に対してデータを転送する場合を例に用いて説明を行ったが、もちろん、HDD装置40やCD−ROMドライブ装置30側からホスト部10側にデータを転送する場合も同様の構成が適用できるのは言うまでも無い。例えば、図2を例に挙げれば、CD−ROMドライブ装置30、HDD装置40のインターフェイスコントローラ31、41がデバイス側スルーレート調整部としての発信側インターフェイスコントローラとなり、デバイス側信号発信部としての発信側IC14、ホスト側信号波形診断部としての受信信号診断部60Aを備え、ホスト部10が受信側インターフェイスコントローラとなり、ホスト側信号受信部としての受信側IC42を備える構成となるのである。このような構成とするには、ホスト部10、CD−ROMドライブ装置30、HDD装置40のインターフェイスコントローラ13、31、41のそれぞれが、図2、図9、図10、図11に示した発信側インターフェイスコントローラの構成と、受信側インターフェイスコントローラの構成とを備えれば良いのである。
【0044】[第二の実施の形態]図12は、本発明にかかるPCシステムの第二の実施の形態を示すもので、ここでは、上記第一の実施の形態におけるIDEバス20に代わり、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスを介してのデータ転送への適用例を示す。なお、以下の説明において、上記第一の実施の形態で示したものと同様の構成については、同符号を付してその説明を省略する。図12に示すように、PCシステムは、ホスト部10に対し周辺デバイスを接続するPCIバス(バス)320が備えられ、このPCIバス320に、カード型周辺デバイスであるPCカード331を着脱自在に装着可能なPCI―カードバスブリッジ(Cardbus bridge)330と、ボード型(基板型)の周辺デバイスを着脱自在に装着可能なPCIスロット(インターフェイス)340A、340B、340Cとが備えられている。本実施の形態では、周辺デバイス(デバイス)として、PCIスロット340Aに、オーディオコントローラ350が装着され、PCIスロット340Bにビデオコントローラ360が装着された状態であるとする。
【0045】ホスト部10は、CPU11およびメモリ12が接続された制御チップセット17と、PCIバス320との間に、ホスト−PCIブリッジ(Host-PCI bridge)370が、これら双方を接続するために配設されている。また、PCIスロット340A、340Bに接続されるオーディオコントローラ350、ビデオコントローラ360は、オーディオコントロール機能、ビデオコントロール機能を司るコントロール部351、361と、コントロール部351、361に対する信号の入出力を司る信号入出力部352、362とを備えている。
【0046】このような構成のPCシステムでは、ホスト部10のホストPCIブリッジ370、オーディオコントローラ350、ビデオコントローラ360の信号入出力部352、362が、上記第一の実施の形態で図2、図9〜図11に示した「発信側インターフェイスコントローラ」、「受信側インターフェイスコントローラ」に相当した機能を有する。例えば、ホスト部10からオーディオコントローラ350、ビデオコントローラ360にデータを転送する場合、発信側となるホスト部10のホスト−PCIブリッジ370にスルーレートレジスタ15を備え、受信側となるオーディオコントローラ350、ビデオコントローラ360の信号入出力部352、362に、図9〜図11に示した受信信号診断部60B、60C、60Dのいずれかと同様の構成を備えるのである。また、図2に示した例と同様に、ホスト部10のホスト−PCIブリッジ370と、オーディオコントローラ350、ビデオコントローラ360の信号入出力部352、362との間に、フィードバック回路50を設け、ホスト−PCIブリッジ370側に受信信号診断部60Aを備えるようにしても良い。
【0047】上述したような構成によれば、PCIバス320を介し、ホスト部10と、オーディオコントローラ350、ビデオコントローラ360等の周辺デバイスとの間でデータ転送を行なうPCシステムにおいても、上記第一の実施の形態と同様、受信信号診断部60A、60B、60C、60Dにおいて、データの受信側で受信される信号に基づく診断を行ない、その結果に応じて発信側のスルーレートレジスタ15の設定値を変更する構成を実現することができる。これにより、受信側で適切な波形の信号を受信することが可能となり、波形の安定化を図り、データ転送エラーを防止することができ、多種多様な周辺デバイスを組み合わせる場合にも、常に安定したパフォーマンスを発揮することができる。
【0048】また、このような構成においても、上記第一の実施の形態と同様、ホスト部10に図1に示したキャリブレーション実行部83を備えることも可能である。この場合、PCシステムの起動時、PCシステムがスリープモードから通常モードに復帰した直後、電源が投入されている状態でオーディオコントローラ350、ビデオコントローラ360の脱着が行なわれたことを検出手段で検出したとき等に、キャリブレーション実行部83でキャリブレーションを実行し、発信側のスルーレートレジスタ15の設定値を変更することもできる。このような構成とすれば、ホットアタッチへの対応性を高めることができる。ここで、キャリブレーション時にホスト部10から発信するデータパターンは、いかなるものであっても良いが、例えば、PCIバスマスタ転送によってデータ転送を行なう場合、32bit幅の「00000000・FFFFFFFF・00000000・FFFFFFFF・………」といった、信号のパルス変化が連続する厳しいデータパターンとするのが好ましい。
【0049】なお、上記第二の実施の形態では、オーディオコントローラ350、ビデオコントローラ360の信号入出力部352、362に、受信信号診断部60B、60C、60Dのいずれかと同様の構成を備える例を挙げたが、このような構成は、オーディオコントローラ350、ビデオコントローラ360内の信号入出力部352、362以外の箇所に備えることも可能である。また、オーディオコントローラ350、ビデオコントローラ360等の周辺デバイス内ではなく、PCIバス320とPCIスロット340A、340B、340Cとの間に、このような受信信号診断機能を有した構成を配設することも考えられる。また、PCI―カードバスブリッジ330についても、受信信号診断部60B、60C、60Dのいずれかと同様の構成を備えることができる。また、この第二の実施の形態においては、発信側インターフェイスコントローラをホスト部10側、受信側インターフェイスコントローラを周辺デバイスとしてのオーディオコントローラ350、ビデオコントローラ360側に配置し、受信側コントローラから発信側コントローラへコマンドを発行する構成としている。しかし、PCIバス320上では、各コントローラがPCI Masterになり得るため、どこからでもコマンドが発行可能である。したがって、周辺デバイスとしてのオーディオコントローラ350、ビデオコントローラ360側に発信側インターフェイスコントローラを配置し、ホスト部10側に受信側インターフェイスコントローラを配置する構成として実施することもできる。
【0050】[第三の実施の形態]図13は、本発明にかかるPCシステムの第三の実施の形態を示すもので、ここでは、ノートブック型のPCシステムにおいて、本体に対して着脱自在な拡張用装置を備える場合の例を示す。なお、以下の説明において、上記第一および第二の実施の形態で示したものと同様の構成については、同符号を付してその説明を省略する。図13に示すように、PCシステムは、本体側に、ホスト部10に対し周辺デバイスを接続する一次PCIバス(バス)400が備えられ、この一次PCIバス400に、PCI―カードバスブリッジ330、PCIスロット340A、340Bが備えられている。本実施の形態では、PCIスロット340Aに、オーディオコントローラ350が装着され、PCIスロット340Bにビデオコントローラ360が装着された状態であるとする。また、ホスト部10には、CPU11およびメモリ12が接続された制御チップセット17と、一次PCIバス400との間に、ホスト−PCIブリッジ(Host-PCI bridge)370が、これら双方を接続するために配設されている。
【0051】さらに、一次PCIバス400には、ドッキングコネクタ(インターフェイス)410が備えられ、このドッキングコネクタ410には、拡張用装置としてのドッキングステーション420が着脱自在に装着できるようになっている。ドッキングステーション420は、二次PCIバス(ドッキングステーションバス、内部バス)430を備え、この二次PCIバス430は、ドッキングステーション420をドッキングコネクタ410に接続した状態で、PCI−PCIブリッジ440を介して一次PCIバス400に接続されるようになっている。二次PCIバス430は、複数の周辺デバイスを接続するためのPCIコネクタ(ドッキングステーションコネクタ)450A、450Bを備えている。そして、これらPCIコネクタ450A、450Bに、CD−ROMドライブ装置のような各種ドライブ装置や拡張用HDD装置等の周辺デバイス(デバイス)451、452が、着脱自在に装着できるようになっている。
【0052】このような構成のPCシステムでは、ホスト部10のホストPCIブリッジ370、PCI−PCIブリッジ440が、上記第一の実施の形態で図2、図9〜図11に示した「発信側インターフェイスコントローラ」、「受信側インターフェイスコントローラ」に相当した機能を有する。例えば、ホスト部10からドッキングステーション420に装着した周辺デバイス451や452にデータを転送する場合、発信側となるホスト部10のホスト−PCIブリッジ370にスルーレートレジスタ15を備え、受信側となるPCI−PCIブリッジ440に、図9〜図11に示した受信信号診断部60B、60C、60Dのいずれかと同様の、受信信号診断部441を備えるのである。あるいは、図2に示した例と同様に、ホスト部10のホスト−PCIブリッジ370と、PCI−PCIブリッジ440との間に、フィードバック回路50を設け、ホスト−PCIブリッジ370側に受信信号診断部60Aを備えるようにしても良い。
【0053】上述したような構成によれば、一次PCIバス400、二次PCIバス430を介し、ホスト部10と、ドッキングステーション420に装着した周辺デバイス451や452との間でデータ転送を行なうPCシステムにおいても、上記第一の実施の形態と同様、ドッキングステーション420の受信信号診断部441において、データの受信側で受信される信号に基づく診断を行ない、その結果に応じて発信側のスルーレートレジスタ15の設定値を変更する構成を実現することができる。これにより、受信側で適切な波形の信号を受信することが可能となり、波形の安定化を図り、データ転送エラーを防止することができ、多種多様な周辺デバイスを組み合わせる場合にも、常に安定したパフォーマンスを発揮することができる。
【0054】また、このような構成においても、上記第一の実施の形態と同様、ホスト部10に図1に示したキャリブレーション実行部83を備えることも可能である。この場合、PCシステムの起動時、PCシステムがスリープモードから通常モードに復帰した直後、電源が投入されている状態でドッキングステーション420の脱着や、ドッキングステーション420に対する周辺デバイス451、452のの脱着が行なわれたことを検出したとき等に、上記第二の実施の形態と同様にしてキャリブレーション実行部83でキャリブレーションを実行し、発信側のスルーレートレジスタ15の設定値を変更することもできる。このような構成とすれば、ホットアタッチへの対応性を高めることができる。
【0055】なお、上記第二および第三の実施の形態では、PCI−PCIブリッジ440に受信信号診断部441を備える構成としたが、一次PCIバス400とドッキングコネクタ410との間に受信信号診断部441を備えることも可能である。
【0056】また、上記第一から第三の実施の形態では、受信信号診断部60A、60B、60C、60D、441としては、アンダーシュート検出回路61、データホールドマージン検出回路62を備え、これらによって受信側で受信する信号のアンダーシュート、データホールドマージンを検出するようにしたが、その回路構成は同様の検出機能を有するのであればいかなるものであっても良い。さらに、上記第一から第三の実施の形態では、受信側で受信する信号のアンダーシュート、データホールドマージンを検出し、これに基づいて発信側で発信する信号のスルーレートを変化させる構成としたが、受信側で受信する信号の安定化が図れるのであれば、受信側で受信する信号のアンダーシュート、データホールドマージンの検出結果に基づき、各周辺デバイス側の終端抵抗の抵抗値を変化させる構成とすることも可能である。なお、上記実施の形態では、受信側で受信する信号の特性として、アンダーシュート、データホールドマージンを検出する構成としたが、アンダーシュートに代えてオーバーシュートを検出したり、データホールドマージンに代えてデータセットアップタイムを検出しても良い。
【0057】なお、上記第一から第三の実施の形態で、具体例として挙げた周辺デバイス名はあくまでも一例であり、他の周辺デバイスにも同様に適用できるのは言うまでも無い。また、上記第一の実施の形態ではIDEバス20、第二の実施の形態ではPCIバス320、第三の実施の形態ではドッキングステーション420を用いる場合の例を挙げたが、もちろん、これら第一、第二、第三の実施の形態を適宜組み合わせたPCシステムとすることも可能である。これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、PCシステムにおいてバスを介してデータを転送するに際し、受信側で適切な波形の信号を受信することが可能となり、波形の安定化を図り、データ転送エラーを防止することができる。また、多種多様な周辺デバイスを組み合わせる場合にも、常に安定したパフォーマンスを発揮することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【出願日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【代理人】 【識別番号】100086243
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 博 (外3名)
【公開番号】 特開2002−297275(P2002−297275A)
【公開日】 平成14年10月11日(2002.10.11)
【出願番号】 特願2001−102341(P2001−102341)