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【発明の名称】 日本語の入力方法及び入力装置又は情報機器
【発明者】 【氏名】小堤 三千郎

【要約】 【課題】入力キーの数を少なくでき、一般の日本人にとってローマ字やカナタイプ等での入力より容易な、新しい入力方法及び装置を提供する。

【解決手段】日本語の発音の濁音・半濁音・拗音等を含む、全ての音節に対して、子音と母音とを設定し、子音に対応するキーと母音に対応するキーとを順次キーインする。特に、拗音の場合、半母音を子音に取込んで拡張子音としたり、母音と組み合わせて拡張母音として設定する。拗音をシフトキーで入力するようにしても良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 日本語の拗音の半母音を子音又は母音のいずれかに取込むことにより、日本語の各拗音の一音節に対してそれぞれ一個の子音及び一個の母音を設定し、前記子音に対応する子音キーと前記母音に対応する母音キーとを順次キーインして日本語の拗音に対応するかな文字を入力することを特徴とする日本語の入力方法。
【請求項2】 日本語の拗音の半母音を子音に取込んだ拡張子音を含む各子音にそれぞれ対応する複数の子音キーと、日本語の各母音にそれぞれ対応する複数の母音キーとを備えた入力装置又は情報機器。
【請求項3】 日本語の各子音にそれぞれ対応する複数の子音キーと、拗音の半母音を母音に取込んだ拡張母音を含む日本語の各母音にそれぞれ対応する複数の母音キーとを備えた入力装置又は情報機器。
【請求項4】 日本語の各子音にそれぞれ対応する複数の子音キーと、日本語の各母音にそれぞれ対応する複数の母音キーと、拗音キーとを備え、子音キーに続き、前記拗音キーを押しながら又は押してから母音キーを押すことにより、拗音に対応するかな文字を入力する入力装置又は情報機器。
【請求項5】 日本語の子音及び/又は拡張子音に対応する複数の子音キーを主として備えた第一のキーボードと、日本語の母音及び/又は拡張母音に対応する複数の母音キーを主として備えた第二のキーボードとからなる入力装置。
【請求項6】 モニタ画面上のカーソル前後の複数の文字及びキーインした文字を表示する表示パネルをキーボードに備えた入力装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パソコン,ワープロ,携帯端末機器,携帯電話等の情報機器に日本語文字を入力する方法及びキーボード,タッチパネル,マウス等や情報機器本体に設けられた入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パソコン,ワープロ等の情報機器に日本語を入力するためには、最も一般的にはアルファベットのキーボードによりローマ字入力する方法が使われている。しかし、ローマ字入力も所詮、ヨーロッパ圏の英文タイプ文化の範囲内での日本語対応策の感を免れず、アルファベットに不慣れな日本人にとっては、不自由この上ないものとなっている。そのため、もともとキー操作の得意な人や、必要に迫られて時間をかけて訓練した人が情報機器を使いこなしているというのが現状である。今後、日本においても情報機器が普及していく中、欧米文化に縁のない、また情報技術にも縁のない一般の日本人がなじみやすく、使いやすい日本語本来の特性に基づいた日本語入力方法が不可欠である。最近は、一般の日本人向けに、ひらがなの五十音配列でキーインすることができる情報機器も見かける。この場合、キーの配列が日本人に見慣れた五十音表の通りとなっていて操作しやすいが、入力キーの数が50以上になり、結局は「行」を探し出して、段を追って、入力したいかな文字を探すことになる。キーの数が多いということは、不慣れな者にとって探し出すことが大変であり、慣れた者にとっても手指の移動距離が大きくなり入力速度向上の阻害原因となることを意味する。
【0003】一方、現在のパソコン等の漢字変換機能では、ローマ字以外に「かな入力」と称する邦文タイプライター(カナタイプ)の伝統を引継ぐ日本語入力専用入力モードを備えている。この入力モードでは、かな文字ひとつにひとつのキーが対応しているためローマ字入力に比べてキーインの打数が少ないという特長をもつが、必要なキーの数が多いことや配列が専門的でとっつきにくく、カナタイプライターに習熟することは非常に難しい。カナタイプの成立ちを見ると、通常必要な最小限のキーとして、「あ、か、さ、た、・・・、ん」の単独で音を表すカナのキーが46個、促音・拗音をつくるための小文字が「あ、い、う、え、お、や、ゆ、よ、つ」の9個と、日本語の文字を入力するために合計55個ほどのキーがあり、他に濁点・半濁点・句読点として4個ほどが備わっている。すなわち、最低約60個もの多数のキーから構成されている。しかも、配列はアルファベットと同様、タイプライターに慣れない一般の者には一見無秩序と思われる配列になっている。そのため、一部の専門家を除いて一般にはほとんど普及していない。
【0004】現在日本語の入力方法として最も普及していると考えられるのは通常のキーボードのアルファベットキーを利用したローマ字入力で、アルファベット26文字キーのうち日本語の音を表すのに一般的に使われるのが、必要キー数が最低と考えられる「日本式」の綴りで19キーとなる。キー数が少ない点使い勝手がよく、入力速度も習熟に従って速くなる。しかし、この場合もアルファベットのキー配列は初心者にとって一見無秩序であり、さらにローマ字で日本語の文字を表す規則を習得しなければならない。したがって、ローマ字入力は必ずしも日本人に普及し、慣れた操作であるわけではなく、習熟するのに非常に苦労することになり、極端にいえば日本でのパソコンの普及の妨げになっているとも言える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、パソコンをはじめとする情報機器への日本語入力のため、一般の日本人に広く受け入れられる入力方法が必要であるとの認識に立ち、日本語のひらがなや発音との関係・成立ちについて、鋭意検討を進め、本発明に至った。本発明は、従来のように日本語の文字基準でなく、発音を基準として、日本語の表現に現れる音節、特に拗音に対して一個の母音と一個の子音に分解して設定することにより、キーの種類を設定し、基本的に母音と子音にそれぞれ対応する2個のキーを押すことにより音節毎に日本語文字を入力するようにし、その結果、入力キーの数や入力に必要な打数を少なくでき、一般の日本人にとってローマ字やカナタイプ等での入力より容易な、新しい入力方法及び装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の日本語の文字入力方法は、上記目的を達成するため、日本語の拗音の半母音を子音又は母音のいずれかに取込むことにより、日本語の各拗音の一音節に対してそれぞれ一個の子音及び一個の母音を設定し、前記子音に対応する子音キーと前記母音に対応する母音キーとを順次キーインして日本語の拗音に対応するかな文字を入力することを特徴とする。本発明の日本語の入力装置又は情報機器は、日本語の拗音の半母音を子音に取込んだ拡張子音を含む各子音にそれぞれ対応する複数の子音キーと、日本語の各母音にそれぞれ対応する複数の母音キーとを備えており、子音キーと母音キーを順次キーインして日本語のかな文字を入力することが出来る。半母音を母音の側に取込んでもよい。その場合、本発明の日本語の入力装置又は情報機器は、日本語の各子音にそれぞれ対応する複数の子音キーと、拗音の半母音を母音に取込んだ拡張母音を含む日本語の各母音にそれぞれ対応する複数の母音キーとを備え、子音キーと母音キーを順次キーインして日本語のかな文字を入力することが出来る。
【0007】拗音入力専用の拗音キーを設け、子音キーに続き該拗音キーを押しながら(又は押してから)母音キーを押すことにより、拗音に対応するかな文字を入力するようにしてもよい。拗音キーの機能は、入力装置に一般に設けられているシフトキーに付与してもよい。パソコン等の入力装置(キーボード)の場合には、キーボードを二つに分割して、第一のキーボードに主として日本語の発音の子音及び/又は拡張子音に対応する複数の子音キーを備え、第二のキーボードに主として母音及び/又は拡張母音に対応する複数の母音キーを備える様にすると、ユーザにとって使い勝手がよくなる。母音キーに拡張母音を含まない場合には、母音キーの数は5個であるため、子音キーを含む其の他の多数のキーは第一のキーボードに配置し、5個の母音キーを第二のキーボードを兼ねるマウスに具備することも可能となる。キーボードに数文字から数十文字程度を表示できる表示パネルを備え、モニタ画面上のカーソル前後の複数の文字及びキーインしたばかりの文字を表示すれば、ユーザは視線をモニタ画面に視線を移さずに、確認しながら入力できる。
【0008】
【作用】本発明者は、従来の日本語の入力方法を詳細に検討した。従来のいわゆるカナタイプ式の日本語入力方法では、キーの数が多い代わりに基本的に1音節が1キーに対応するようになっているのでキーの打数は少ないと考えられるが、必ずしも打数が少ない場合ばかりではない。たとえば「こうしょう(交渉)」をキーインするとき、「コ」,「ウ」,「シ」,小さい「ヨ」,「ウ」と、順次ひらがなの表記に即してキーインする。すなわち、「こ」,「う」は対応するキーがあり、それぞれ1打で済むが、「しょ」という、音声的には1音節で発音される音節が「シ」,「ョ」と2打でキーインされる。また、「こうじょう(工場)」は、「コ」,「ウ」,「シ」,「濁点(゛)」,小さい「ヨ」,「ウ」と打ち、「じょ」という1音節に対して3打のキーインが必要になる。つまり、順次ひらがなの表記に即した入力をすることが基本になっているため、「しゃ」,「きゃ」,「ちゃ」等の拗音では入力に2打、さらに「じゃ」等の濁音になると3打が必要となる。
【0009】「五十音表」等を参考にして詳しく調べてみると、現代日本語で発音される音節は100種類余りあり、その内、カナタイプ上で1打でキーインできる音節の数は45種類、2打必要なのは濁音や半濁音で23種類及び拗音で21種類、濁音や半濁音と拗音が重なって3打必要なのが12種類となっている。すなわち、2打以上必要な音節が半分以上あり、一見打数が少なくて済むように考えられるカナタイプでも実使用上は打数が多くなってしまう事がわかった。そこで、本発明では、基本的に日本語の発音上の1音節を子音と母音に分け、全ての音節をできるだけ2打で済むようにする事を基本とする。すなわち、「ことぶき」は、「こ」,「と」,「ぶ」,「き」と、4音節からなっているが、それぞれ、子音と母音に分け、「こ」は子音「カ」キー(カ行の子音を入力するキー)と子音「オ」キー(「こ」の母音部分)を順次打つことにより入力する。以下、「と」は「タ」と「オ」、「ぶ」は「バ」と「ウ」、「き」は「カ」と「イ」と打つ。その結果、カナタイプでは「こ」,「と」,「ふ」,「゛(濁点)」,「き」の5打のところ、本発明に従えば8打となる。なお、ここで「カ」,「タ」,「バ」等はそれぞれカ行,タ行,バ行の子音に対応する(すなわち、発音記号ではそれぞれ「k」,「t」,「b」に相当する)キーを表す。
【0010】本発明の入力方法では、上記のように日本語の発音の全ての子音(図1:五十音表の各行の「あ」段で表す)に対して独立のキーを設ける事を基本とするが、特に入力キーの数や入力打数を効果的に少なくするために、拗音の行(11種類)についての入力を検討した。すなわち、従来の入力方法(ローマ字入力やカナタイプ)で3打になる拗音「しゃ」,「しゅ」,「しょ」(「しゃ」行)に対しても子音キー「シャ」を設けている。その結果「しゃ」は子音キー「シャ」と母音キー「ア」で入力できる。また、「あ」,「い」,「う」,「え」,「お」の母音は1打で済む。そのため、たとえば「こうしょう」は、「カ」,「オ」,「ウ」,「シャ」,「オ」,「ウ」の6打となり、打数はカナタイプ(5打)に近くなる。濁音についてもたとえば、子音キー「ジャ」を設ければ、「じょ」を入力するのに子音キー「ジャ」と母音キー「オ」を順次押せばよい。その結果、「こうじょう」のキーインでは、本発明に従った入力方法では6打となり、カナタイプと同じ打数になる。ちなみにローマ字入力では「こうじょう」は、kouzyouとなり7打(ヘボン式ではkoujouで6打)となる。すなわち、本発明の日本語入力方法では、濁音/半濁音/拗音の入力については従来の入力方法(ローマ字入力やカナタイプ)に比して有利となる。
【0011】
【実施の形態】本発明に従った日本語入力装置の基本形は、たとえば日本語の全ての音節に対して設定された子音グループ25個のキー群,母音グループ5個のキー群,其の他1個(「ん」キー)の合計31個のキーを備え、母音キー及び子音キーを続けて押すことにより、日本語の1音節をキーインできる。なお、必要なキーとしてほかに句読点,数字,括弧等の記号キー等があるが、本明細書では純粋に文字の入力について説明する。また、キーの名称はキーボードの設計段階でユーザの使い勝手を考慮して適宜採用される。たとえば、五十音表の類推から「子音キー」を「行キー」、「母音キー」を「段キー」と呼称することも考えられる。
【0012】具体的には、図1に示すように、子音キーのグループは通常50音表に現れるカ行の子音をあらわす「カ」,サ行の子音「サ」,タ行の子音「タ」,以下「ナ」,「ハ」,「マ」,「ヤ」,「ラ」,「ワ」と、濁音を含むガ行(本発明では基本的に「ガ・ギ・グ・ゲ・ゴ」を「ガ行」と考える。以下同様)の子音をあらわす「ガ」,同様にザ行の子音「ザ」等,半濁音を含むパ行(パ・ピ・プ・ペ・ポ)の子音「パ」,拗音を含むキャ行(キャ・キ・キュ・キェ・キョ)の子音「キャ」等にそれぞれ対応するキーを備えている。これら清音以外の行の子音、特に拗音に対する子音を本発明では「拡張子音」と称する。母音キーは、「ア」〜「オ」の5個が設けられる。母音キーは単独で押された場合、ア行の「あ」〜「お」が入力される。子音キーが押された場合、続けて押される母音キーにより入力かな文字が確定される。たとえば、カ行の子音キー「カ」と2段目の母音キー「イ」とが続けて押されれば「き」のかな文字が入力される。同様に、子音キー「キャ」と母音キー「オ」では、「きょ」が入力される。この点ローマ字入力の場合は、カ行の子音キー「カ」は、「k」に相当するが、拗音の子音キー「キャ」に相当するローマ字入力キーは「k」+「y」であって2打を要し、本発明に従った子音キー「キャ」単独のキーはない。ローマ字入力において2打で入力できる拗音の音節は、たとえば「じょ」(「j」,「o」)のように、ヘボン式ローマ字の「ジャ」行のみである。子音・母音の各キーの名称(表記)は、ローマ字入力との整合を考慮して、「カ/k」,「キャ/ky」,「ジャ/jzy」「ア/a」のように併記しても良い。促音の入力については、ローマ字入力と同様に子音を続けて入力することにより実行される。もちろん、独立の促音キー又は小文字キーを備え、「っ」(小さい「つ」)を入力することも考えられる。
【0013】図1の例による子音・母音の設定に従ったキーを備えた入力装置での入力例を示すと次のようになる。たとえば、「とっきょしゅつがん」と入力する場合、「と」は子音「タ」と母音「オ」となり、次の促音は子音「キャ」の繰り返しで入力し母音「オ」となることから、「タ」,「オ」,「キャ」,「キャ」,「オ」,「シャ」,「ウ」,「タ」,「ウ」,「ガ」,「ア」,「ン」という順にキーを打てばよい(12打)ことが判る。ちなみに、ローマ字入力では、「tokkyoshutugan」となり14打、カナタイプでは、10打となる。拗音キーを備えたり、シフトキーを活用して拗音を入力するようにすれば、図1の例の子音キーのうち、「キャ」,「ギャ」等の11個の子音キーが省略できるため、必要最小限のキー数は21個となる(図5)。この場合、たとえば「きょ」は「カ」,「shift+オ」で入力できる。また、「じょう」の入力は、「ザ」,「shift+オ」,「ウ」となる。また、拗音はシフトキーを押しながら「カ」と打てば子音「キャ」が入力され、次いで母音キー「ウ」を打てば「きゅ」が入力されるようにしてもよい。本発明に従った入力方法では、打数については原理的に、ローマ字入力に対しては入力文章に拗音/促音が多いほど有利になる。カナタイプに対しては入力文章に拗音/促音、さらに濁音/半濁音が多いほど有利になり、通常の文章では殆どの場合、有利となる。
【0014】本発明に従った入力方法では、操作者はまず、入力すべき文字の子音を入力する。このとき、一般的には、その文字の属する行を選択し、子音キーを押すが、五十音配列のキーボードとの違いは、「が行」,「ぱ行」,「びゃ行」等の濁点や半濁点,拗音等も含んで行を選択できる点にある。次いで五十音配列の場合の段数を考え、母音を決めればよい。五十音表から考えると、「わ行」は「わ」と「を」のみだが、本発明に従った入力方法ではローマ字入力と同様「ゐ」や「ゑ」も直接入力できる。また、五十音表にない「しぇ」等の拗音も「しゃ行」の「え段」として「シャ」,「エ」と打って入力できる。また、本来、五十音表に現れないが外来語が多くなっている現状を考慮して、ローマ字入力の「f」に相当する子音キー「ファ」,「v」に相当する子音キー「ヴァ」等を設けておけば、外来語が頻繁に登場する将来の日本語の入力にも対応することが出来る。
【0015】図1の本発明に従った例では其他キーも含め、必要最小限のキーで32個となり、50個あまりのキーが必要となる「カナタイプ」に比べキーの数が大幅に少なくてすむ。キーの数が少ないため、たとえば個々のキーを大きくする等、キー配列等の設計に際して自由度が大きくなり、ユーザにとって使いやすいキーボードが提供でき、またキーインの習熟が容易となる。勿論、キーは携帯用パソコン等の情報機器本体に設けることも出来る。
【0016】パソコン等のキーボードを、たとえば子音キーグループを備えた第1のキーボードと母音キーグループを備えた第2のキーボードとに分割したものとすれば、右利きや左利き等、ユーザの好みに応じて自由に配置して使い分けることが出来る。5個の母音キーをマウスの上面に設け、子音キーはキーボードに備えれば、独特の使い勝手が得られる。濁音入力用及び/又は半濁音入力用のキーを備えれば、図2のように、必要最小限のキー数は24個になる。さらに拗音入力をシフトキーで行うようにした例では、必要最小限のキー数は18個となる(図3)。キー数を少なくすることにより、入力装置のキー配置等の設計上の自由度を大きく出来るが、文章入力時の打数は多くなるので、子音キーの設定/設計はユーザニーズとのバランスを考慮して決定される。
【0017】前述のように「半母音」を含む拗音に対して、半母音を本発明に従って母音の側に取込む方法もある。。拗音、たとえば「キャ」はローマ字で「kya」とあらわせる。前述の説明では、キャ行の子音として「ky」に相当する子音と「a」に相当する母音部分とに分けて考えた。しかし、本発明に従って、日本語の発音の音節を二つの部分に分けるとき、「k」(すなわち「カ行」の子音)と「ya」とにわけ、「ya」を拗音の半母音を含む母音(本明細書では「拡張母音」と呼ぶ)と見なすことも可能である。この考え方によれば、通常の母音「あ」,「い」,「う」,「え」,「お」のキーに加え、拡張母音「ya」,「yi」,「yu」,「ye」,「yo」のキーを設けると母音キーの数は10種となる。
【0018】拡張母音を採用すれば、母音キーの数は10個となるが、図1の例で示した子音グループキーのうち拗音用の11個のキーが不要となり、必要最小限のキー数は27個となる。そのうえ、たとえば左手で子音、右手で母音を打つようにした場合、左右の手の動きのバランスを図ることが出来る。図4に拡張母音を採用し、さらに濁音/半濁音キーを採用した場合の必要最小限のキー(子音キー:9個,母音キー:10個,其の他のキー3個で合計22個)を示す。このキー設定では、子音キー及び母音キーのキー数のバランスがよいため、キーボードを第一キーボードと第二キーボードとに分割する方法が非常に効果的に採用できる。ここでも、キーの名称は設計上の問題であり、本発明実施の際に適宜選択すればよく、拗音グループとしてそれぞれ「や」,「い」,「ゆ」,「いぇ」,「よ」とか、「ゃ」,「ぃ」,「ゅ」,「ぇ」,「ょ」としてもよいし、拗音である目印として「ぃや」,「ぃい」,「ぃゆ」,「ぃえ」,「ぃよ」とすることも一案である。また、拗音グループの「い」段は実際上不要であり、2段目の「ぃい」キーは省略しても良い。カタカナの入力は、カタカナ入力モードにするモード切替キーを設けたり、漢字変換の際に変換する等、公知の技術で十分対応可能である。
【0019】一般のユーザにとって情報機器に入力する内容は、たとえば図4に示す22キーとテンキー(17キーほど)とで十分で、これにいくつかのファンクションキーを加えて50キーほどあれば、パソコン等の使用には差し支えないことになる。特に、子音キー群を主とする第一のキーボードと母音キー群を主とする第二のキーボードとに分割すると、入力作業が非常に楽になる。図4の子音キー及び母音キーの設定を採用した場合の具体的なキー配列を持つキーボードの一例を図6に示す。従来のアルファベットのキーボードに比べ文字入力キー部分だけでも26キーから22キーに減り、日本人でも使いやすい日本語の入力装置になっていることがわかる。このキーボードは前述のように、子音キー群を主とする第一のキーボードと母音キー群を主とする第二のキーボードとに分割されており、ユーザが適宜左右交換して使用することが出来る。もちろん入力モードを切り替えることにより、このキーボードでアルファベットを入力できるようにもできる。その場合も、アルファベットに慣れていない日本人に考慮して、キーはアルファベット順に配列することが好ましい。
【0020】図6に示すキーボードには、モニタ画面上のカーソル位置の前後を表示する表示パネルPを備えていて、視線をモニタ画面に移さなくても今入力した文字の確認が表示パネルPで出来るようになっており、まだブラインドタッチに不慣れなユーザでも迅速な入力ができる。表示パネルPは、変換キーを押したときに変換候補の文字も同時に表示する様にしたり、現在のキーボードの状態等を表示するなど、メインのモニタの補助表示として利用すればさらに好ましい。表示パネルPには液晶,EL等が採用される。本発明に従った日本語の入力方法を実行するために必要なプログラム(ソフト)はキーボードや情報機器等に具備される。パソコンの場合、いわゆるアプリケーションソフトに具備してもよいが、日本語対応のOS(システムソフト)に具備してもよい。本発明に従った日本語の入力方法は、タッチパネル,タッチペン等の入力装置にも適用できることは勿論である。
【0021】
【発明の効果】本発明による日本語の文字入力方法は、以上に説明したように日本語の発音の濁音/半濁音を含む全ての音節を、子音及び/又は拡張子音と母音及び/又は拡張母音とに分解し、子音及び/又は拡張子音に対応する子音キーと母音及び/又は拡張母音に対応する母音キーとを順次キーインする。もちろん母音キーを打てば単独で対応する文字を入力できる。そのため、キーの数が少なくでき、面倒で熟練を要するカナタイプやローマ字入力に比べて、初心者でも格段に容易に入力することが出来る。特に拗音に対して独自の拡張子音を設定しているため、さらに、必要なキーの数を大幅に減らすことが出来、熟練しやすく入力速度を高めやすい、入力装置や情報機器の小型軽量化に貢献できる等のメリットが得られる。本発明による日本語入力装置が、日本人の間に定着して標準となることにより、情報機器の苦手な日本人にも情報機器の普及する基本的な条件が整うことになり、日本における情報機器産業の発展が期待できる。
【出願人】 【識別番号】597172889
【氏名又は名称】小堤 三千郎
【出願日】 平成13年1月15日(2001.1.15)
【代理人】 【識別番号】100092392
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 亘
【公開番号】 特開2002−215303(P2002−215303A)
【公開日】 平成14年8月2日(2002.8.2)
【出願番号】 特願2001−5991(P2001−5991)