| 【発明の名称】 |
死後サービス保険 |
| 【発明者】 |
【氏名】入江 成幸
|
| 【要約】 |
【課題】故人が生前世話になった人々に、死後、礼状を出すことは不可能であった。又、身寄りのない人にとり、自分や先祖の墓の世話、法事を行うこともできなかった。伝言については、弁護士に依頼することもできるが、気軽に頼んだり、また、内容の変更を自由に行うには不便であった。そこで、生前、故人が自由に記した異なる相手に対する異なる内容の遺書、遺言、お礼等のメッセージを、その死後に、本人に成り代わり、それぞれの相手に送信したり、墓の世話や法事を保険のサービスとして行うこと。
【解決手段】メッセージ登録希望者がインターネット上の登録サーバーにアクセスし、自らのメッセージ、及び、その送信相手先データを自由に登録、抹消できるようにし、その登録されたデータを登録した本人死亡した場合、故人の遺志に従い、メッセージを送信することで解決。又、死亡確認後、本人に代わり、法事や墓の世話を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】生前、契約者が契約した保険における死亡時の保険金、あるいは、契約者の死後、その遺産の全部、あるいは、一部の受取人として指定した契約相手、又は、その代理人が、契約者のため、あるいは、契約者に代わって、その保険金、あるいは、遺産を契約履行のための原資とし、契約書に記された契約履行義務を果たすことを特徴とする死後サービス保険。 【請求項2】生前、契約者が払い込んだ保険料を契約履行のための原資とし、契約相手、又は、その代理人が、契約者のため、あるいは、契約者に代わって、その死後に、契約書に記された契約履行義務を果たすことを特徴とする死後サービス保険。 【請求項3】インターネット上のサーバーを介して生前予め登録された、文字による、又は、音声による、又は、画像による、あるいは、それらを組み合わせた手段による故人の遺書や遺言、あるいは、自分史を含む伝言、情報を、死後、故人に代わって、予め故人により登録された相手に伝達、公開することを特徴とする請求項1の死後サービス保険。 【請求項4】インターネット上のサーバーを介して生前予め登録された、文字による、又は、音声による、又は、画像による、あるいは、それらを組み合わせた手段による故人の遺書や遺言、あるいは、自分史を含む伝言、情報を、死後、故人に代わって、予め故人により登録された相手に伝達、公開することを特徴とする請求項2の死後サービス保険。 【請求項5】請求項3及び4において、故人の死亡確認コンピュータプログラムと、文字による、又は、音声による、又は、画像による、あるいは、それらを組み合わせた手段によって、故人が登録した異なる内容の遺書や遺言、あるいは、自分史の公開を含む伝言、情報を、その死後、故人に代わって、予め故人により登録された人たちに送信するコンピュータプログラムを特徴とするコンピュータプログラム記録媒体。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】インターネット利用の情報蓄積と伝達、及び、保険サービスに関する【0002】 【従来の技術】これまで、遺言に関しては弁護士に依頼し、死後、遺族に公開することは広く行われていたが、それは主に財産相続に関わることであった。また、通信機器において、同報通信という機能が存在するが、それは、同一内容のメッセージを、同時刻に複数の相手に送信させるものである。 【0003】又、子供のいない夫婦、あるいは身寄りのない独り暮らしの老人が死亡した場合、一般的に死亡後は、寺院・教会を中心とした宗教関係団体、遺族親戚が墓の世話、法事などを行う習慣になっているが、今後、さらに少子化、あるいは、終身雇用や年功序列の崩壊など、社会構造の変化にともなう企業での転勤などが増加することを考えた時、介護保険で明らかなように病人の介護でも困難をきたしている現在、死者の面倒まで看ることが非常に困難になることも予想される。最悪の場合、墓の世話、法事をする人間がいなくなり、無縁墓も増大することであろう。確かに、永代供養と称して墓を募集している場合もあるが、現実には、その都度、何がしかの供養料をお寺等に納めるのが習慣のようであるし、法事となれば、俗っぽく言えば、その関係者は、自腹を切らなくてはならない。また、一定期間、墓の世話をしなければ、無縁墓として処理されてしまう。墓に限らず、仏壇や位牌の世話についても困難が生じている場合が既にある。例えば、独り子同士の結婚などの場合、各両親等の仏壇をどう世話するかという切実な問題である。 【0004】さらに、いわゆる歴史上の人物、あるいは、社会的に有名な人物については、数々のデータが存在し、その死後、他人による研究や書籍の出版、保存が比較的容易になされているが、一般庶民が、歴史上に名を残した事例としては、奈良時代の万葉集ぐらいではないだろうか。人間は皆平等とはいうものの、現実は、同じ人間として生を受け、社会の一員として一生を終えた後、その子、孫程度しか記憶に残らない。ごくごく平凡な一般人の生涯を克明に記録する機関、組織、システムは存在しない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】故人が生前世話になった人々に、死後、礼状を出すことは不可能であった。可能とすれば、親しい家族などを通じて、生前書き記した手紙の投函を依頼することであった。しかし、その依頼を受けた人間が先に死亡すること、あるいは、同時に死亡することもあり、確実に故人の遺志を伝えることには問題があった。弁護士に依頼することもできるが、会葬のお礼や生前世話になったことへの礼状、その他、音声や画像、映像などの伝達を気軽に頼んだり、また、自由に撤回したりすることは非常に不便である。そこで、生前、故人が自由に記した異なる相手に対する同一、又は異なる内容の遺書、遺言、お礼の挨拶、伝言、いわゆる自分史等の情報伝達のための文字、音声、画像、映像等によるメッセージを、その死後に、本人に成り代わり、それぞれの相手に送信すること。 【0006】同様に、故人自らが行うことが不可能である自分自身や祖先などその関係者の法事を行う、あるいは、墓、仏壇、位牌の管理をするという課題を解決すること。 【0007】そして、一般人の生涯を克明に記録した、いわば、「人間図書館」ともいうべき、自分史の記録閲覧システムを構築することで課題を解決する。 【0008】 【課題を解決するための手段】メッセージ登録希望者がインターネット上の登録サーバーにアクセスして、自らの文字、音声、画像、映像等によるメッセージデータ、及び、その送信相手先データを自由に登録、抹消できるようにし、その登録されたデータを一定期間ごとに、送信を請け負った側から、その登録者に対して登録の確認を行い、その確認行為に対して予め設定された一定期間内に返答がない場合、登録した本人死亡と見なし、故人の遺志に従い、メッセージを送信することで解決。 【0009】又、死亡時に支払われる死亡保険金あるいは、故人の遺産を、死後の各種サービスを提供することを契約内容とする保険(以後、死後サービス保険と称す)の保険料として、全額自動契約するシステム。つまり、生前、生命保険等の特約として、あるいは、個別の保険として契約した契約者に対して、本人が死亡後は、本人に代わり法事や墓、仏壇、位牌の世話を代行する保険により解決する。 【0010】 【発明の実施形態】請求項1,2,3,4を図1、図2を用いて説明すると、まず、遺言、伝言等の各種メッセージ送信希望者(図2符号16)は、予め、インターネット上のサーバーにアクセスし、メッセージ送信依頼契約(図2符号17,18)を結び、自らの個人データ及び家族、法定相続人等の姓名、住所その他のデータを登録(図2符号24)し、パスワード及び登録番号を受け取る(図2符号19)。 【0011】次に、その登録確認のメッセージを登録依頼先から受け取ると、登録者は、その内容に間違いがないことを確認後(図2符号19)、その旨を登録依頼者に返信する。依頼を受けた側では、登録者が確認したことを知ると、その登録者のために個人用の伝言スペースとして、いわゆる私書箱(図2符号27)をサーバー上に用意する。登録者は、メッセージを作成後、再度、サーバーにアクセスし、パスワードチェック(図2符号20)を受けた後、死後、伝達したいメッセージ、その送信相手先のデータ、個人識別のための登録番号(図2符号23)を入力する。過去の登録内容の確認については、パスワードチェックを経て登録内容の閲覧をする(図2符号21)。 【0012】さらに、メッセージ登録時に、登録内容確認期間の設定を行う(図2符号26)。この設定は1週間、1ヶ月、1年など自由に設定でき、サーバー側では、その設定期間ごとに、登録センター(図1符号8)は登録者に内容登録事実確認のためのメッセージを送信する。図1符号6,7,29の間でのやりとりは、登録センターのサーバーによる確認作業に対しての回答、無回答の例である。 【0013】確認のためのメッセージ送信後、予め登録本人が設定した一定期間内に回答があれば(図1符号6,29)、さらに、確認設定期間日数分経過後、再度、確認作業をおこなう。通常は、この作業を繰り返すことで生存を確認する。設定期間を過ぎても本人からの確認が取れない無回答の場合(図1符号7,29)、最終確認の後、登録者死亡とみなし、無回答者のデータリストを検索抽出(図1符号9)し、生前、依頼を受けた送信先に故人に成り代わりメッセージを送信する(図1,符号14,15)。 【0014】一方、死後の法事や墓の世話をおこなうことを主たる目的とした死後保険は、登録センターのサーバーによる自動死亡確認作業の他、法定相続人、親族、その他故人の関係者からの申し出を受けて、死後保険の適用の資格審査(図1符号12)を経て、サービスを開始する(図1符号13)。 【0015】これら一連の死後サービス保険のシステムを運用する上で、不可欠なのが請求項5のコンピュータプログラムであり、その記録媒体である。図1と図2のシステムをコンピュータネットワークを利用して実施するためのコンピュータプログラム例を流れ図で示したのが、図3乃至図12である。また、図13は各登録データファイルの記載項目例である。ファイルAは登録者データファイル、ファイルBは登録者別発信先相手別データファイル、ファイルCはメッセージ発信完了控えデータファイル、ファイルDは登録センターからの確認に対する応答受信データファイルの項目を示す。 【0016】 【発明の効果】遺言と聞くと、一般人には法律がからんで、難しい手続きを要するイメージが強いし、いちいち弁護士に依頼するのは面倒である。また、現在、遺言書は、法律上、書面によらなければならないし、本人の署名捺印も必要であるが、近い将来、インターネットの安全性が確保されるようになり、個人が自由に第三者に依頼し、遺産相続に関する遺言書の保管、管理をネット上で行うことが認められるように成った場合、あるいは、遺産相続ほどの重要性はないが、複数の知人に異なる内容のメッセージを伝えたくても、死後、あるいは、生前でも、入院中などの場合、そのようなことは不可能か、不可能に近いことであるが、本発明を利用することで、寝たきり状態であっても、インターネット端末を用いれば、伝達依頼は可能であるし、本人が自由にメッセージの登録、削除が可能であるので、弁護士に依頼するような煩わしさもなく手続き自体も迅速かつ簡単である。 【0017】本人の死後、その故人からメッセージが届けば、普通、親しい知人、友人が大変感激することは人間の常であり、又、故人にしても、多用中、わざわざ葬儀に参列してもらったお礼を死後に伝達できる、あるいは、思い残したことを伝達できる、あるいは又、現世に存在した証としての自分史などの情報を一般公開する手段を第三者を通じて持つことがてきることは有益である。 【0018】保険会社のメリットとしては、保険金の受取人は保険会社であるので、死亡時の生命保険保険金を契約者や相続人への支払い義務は実際には発生しないし、死亡後は、その保険金を基金として運用した利息、配当等の範囲内で法事等を代行するシステムなので、死後保険の契約に伴う一般の保険のような保険金の支払いも保険料の徴収も生じない。 【0019】一方、契約者は、自分の死後も、自分や先祖の墓の世話をしてもらえるし、子供のいない家、あるいは、子供はいても当てにならない場合、安心して墓に入ることができる。いわゆる独り子同士の婚姻など仏壇、位牌の世話に困る場合のそれらの管理もしてもらえる。 【0020】死亡確認のための期間を毎日というように短くすることで、動けないなどの緊急事態が独り暮らしの人に発生し、確認行動がとれなくなった場合など、本人死亡と判断され自動的に伝言が発信されるため、本発明の本来の機能ではないが、ある種の緊急連絡機能の働きをする効果もある。 【0021】アフリカの国ギニアでは、人間一人が死亡すると、図書館が一つ失われたことと同じであるという。日本の歴史を通じて、万葉集以外に、無名の一般人の生涯記録としての自分史を蓄積するシステムを構築することで、故人本人にとっては、確かに歴史上のある時期に存在したことの証明となり、また、その生きざま、あるいは、メッセージは、後世の人間にとり、生きていく上で有益な参考情報となる効果がある。 【0022】車、飛行機などの交通事故により、一瞬の内に一家全滅という事態も珍しくない現代において、予め、本保険におけるメッセージ送信サービスは多少でも死者の気持ちの代理発信の手段となりうる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】300066379 【氏名又は名称】入江 成幸
|
| 【出願日】 |
平成12年12月12日(2000.12.12) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2002−183332(P2002−183332A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月28日(2002.6.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−377270(P2000−377270) |
|