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【発明の名称】 コンピュータのユーザ・インターフェース用システム及びユーザ・インターフェース提供方法
【発明者】 【氏名】ヒロユキ イワナミ

【氏名】リバ シア

【氏名】フォン シュエ

【氏名】スン−ワン ウェイン チャン

【氏名】ハン リン

【要約】 【課題】ドライバーと自動車のシステム間の改善されたインターフェースを提供する。

【解決手段】車両用インターフェース・システムは、ステアリングホイール12のクロスバー14周辺からステアリングホイールのリム16に延伸する、コンピュータへのユーザ入力用の仮想キーボードとしての検知フィールド24を含む。フィールド24は制御要素が定義付けられる。ユーザは、フィールド24内の適切なセクションで動作することにより入力を指示する。システムは、フィールド24内のセクションの位置、及び特定のセクション内でのユーザの動作により入力されることが可能な情報を示すマップを表示するコンピュータ制御ディスプレイ20を含む。ディスプレイ20は、車両のドライバーが容易に観察可能な配向及び位置で、ダッシュボード25上、又はウインドシールドガラス21上に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 操作者の動作によって該動作に対応する出力信号を電子装置に供給する入力装置において、前記動作に対応して動作指示点が発生するように光波を出射する発生手段と、前記動作指示点を監視する監視手段と、前記監視手段により監視した動作指示点に基づいて、操作者の動作を解析する解析手段と、前記解析手段の解析結果により定まる動作に対応する出力信号を前記電子装置へ供給する供給手段と、を備えたことを特徴とする入力装置。
【請求項2】 前記出力信号による前記電子装置の機能を表す機能情報を、動作に対応して表示する表示手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】 所定動作によって電子装置に出力信号を供給したことを報知する報知手段をさらにを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】 前記発生手段は、出射方向を含む面状に光を出射する発光手段から構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の入力装置。
【請求項5】 前記発生手段は、移動体を操舵するためのステアリングホイールに設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力装置にかかり、特に、コンピュータのユーザ・インターフェース用システム及びユーザ・インターフェース提供方法に関し、より詳細には、自動車等の移動体環境内に用いて好適なコンピュータのユーザ・インターフェース用システム及びユーザ・インターフェース提供方法に適用が可能な入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】情報技術が発展を続けるのに伴って、新たな情報技術が自動車等の移動体(以下、車両という)にも組み込まれることが検討されている。CD装置やDVD装置、電話装置、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)に基づくナビゲーション装置、テレビ装置、及びインターネット・アクセスに必要とする装置などの電子装置は、既に車両に導入済みのものもある。
【0003】車両の内部において、このような電子装置を操作するには、ユーザが操作を希望する装置専用の扱いが要求されることが多く、ユーザが運転に集中するための時間の一部を費やす必要を要求する場合がある。従って、ドライバーが安全かつ効率的な方法で扱うことが可能な電子装置を開発することの重要性が増加している。
【0004】例えば、GPSによるナビゲーション装置は、経路案内装置として有効であり、安全にかつ効率的に利用されるべく車両に搭載する必要があった。一般に、ナビゲーション装置は、その機能を利用するために比較的多くの情報が入力されることを必要とし、ドライバー・インターフェースの問題がより重要になる。例えば、ユーザは、目的地を指示する場合、数文字長の目的地の住所入力が要求されることがある。この場合、ユーザには、その入力のために時間及び注意力が要求される。GPSによるナビゲーション装置は、一般に入手可能になってきており、走行時の操作という観点から、車両内におけるナビゲーション装置などのマルチメディア装置の使用についての検討も開始されている。
【0005】一般的なナビゲーション装置の多くは、所望の項目をメニューから選択するために複数のキーを有する指向性キーパッド等の入力装置を備えている。この入力装置は、手動による入力機能に代えて、入力作業を簡便化させることが可能な音声認識システムによる入力機能に拡張される場合もある。ところが、車両における環境的な周辺騒音は、一般に静寂性が高い室内やオフィスよりも大きかったり種類が多かったりするので、実際に音声認識(メカニズム)を備えたナビゲーション装置を車両内で使用する場合には、オフィス環境等で使用するのに比べて、音声認識システムでエラーが発生する傾向がより強い。
【0006】ナビゲーション装置は、入力、フィードバック、及び出力の基本的な必要性を伴う代表的な電子装置であるが、ラジオやCDプレーヤ等の電子装置もまた、同様の問題がある。車両内において、電子装置に対してより多くの要求が生じる状況が発生することを考慮すると、ユーザと車両に搭載された電子装置との間のインターフェースには改善が必要である。
【0007】このため、安全でかつ効率的に操作することが可能な入力装置として、ユーザの行為(ジェスチャ)を認識して対応する信号を出力する入力装置が提案されている(特開平9−81309号公報参照)。この技術では、操作者のなす行為を検出する共に、第1行為で機器を特定し、第2行為でその機器に対するユーザの意図する指示信号を出力する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の入力装置では、操作者の行為を特定するため、予め定めた注目状態を検出しなければならない。すなわち、操作者の行為を広く検出するので、誤検出を回避するため、複数段階の選別が必要である。また、操作者の行為を広く検出することは、車両内の空間について有効利用することが困難であり、いずれの位置で行為を行っても検出されることがある。
【0009】本発明は、上記事実を考慮して、簡単な操作で所定の指示を確実に入力することができる入力装置を得ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明は、操作者の動作によって該動作に対応する出力信号を電子装置に供給する入力装置において、前記動作に対応して動作指示点が発生するように光波を出射する発生手段と、前記動作指示点を監視する監視手段と、前記監視手段により監視した動作指示点に基づいて、操作者の動作を解析する解析手段と、前記解析手段の解析結果により定まる動作に対応する出力信号を前記電子装置へ供給する供給手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】本発明では、操作者の動作によって該動作に対応する出力信号を電子装置に供給する入力装置に適用される。発生手段は、動作に対応して動作指示点が発生するように光波を出射する。例えば光波の出射により操作者の動作において、その動作に対して光波が反射することで、動作指示点が発生する。すなわち、発生手段は、空間上に動作指示点を発生させるためのものであり、動作指示点は、操作者の動作に対応して発生することになる。この発生した動作指示点は、監視手段によって監視される。操作者の動作を監視するということから、監視手段は、撮像した画像をモニターすることによって監視することが好ましい。この監視手段により監視した動作指示点に基づいて、解析手段は、操作者の動作を解析する。例えば、操作者の動作に対応して発生する動作点の動きや位置、また時系列的な動きや位置を関し結果として得られたとき、それに該当する動作を求める。この操作者の動作は、電子装置への指示に対応するので、供給手段は、解析手段の解析結果により定まる動作に対応する出力信号を電子装置へ供給する。これによって、操作者の簡単な動作で所定の指示を確実に入力することができる。
【0012】前記入力装置は、前記出力信号による前記電子装置の機能を表す機能情報を、動作に対応して表示する表示手段をさらに含むことができる。
【0013】電子装置は、電源のオンオフや各種作動についてスイッチやキーボード入力などによる機能入力がなされることが一般的である。このため、それら、機能入力をどのようにしたらよいのかを操作者にアドバイスすることが好ましい。そこで、表示手段によって、出力信号による電子装置の機能を表す機能情報を、動作に対応して表示する。これによって、電子装置に対応した動作指示位置を操作者に視覚させることが可能となる。
【0014】前記入力装置は、所定動作によって電子装置に出力信号を供給したことを報知する報知手段をさらにを含むことができる。
【0015】操作者は、動作によって、電子装置に対する指示を行った場合、その指示の確実性を得るために指示が確かに行われたことを把握することが好ましい。そこで、報知手段は、所定動作によって電子装置に出力信号を供給したことを報知する。この報知手段には、視覚や聴覚に作用するものや振動などで触覚に作用するものが一例としてあげられ、この他、五感に作用するものを用いることができる。これによって、所定動作により出力信号を電子装置に供給したことを操作者にフィードバックさせることができる。
【0016】前記発生手段は、出射方向を含む面状に光を出射する発光手段から構成することができる。
【0017】発生手段は、空間上に動作指示点を発生させるためのものである。この動作点は、予め定めた空間上に一定の条件で発生させることが、操作者の動作にとっても、これを監視することにとっても好ましい。そこで、発生手段が、発光手段によって出射方向を含む面状に光を出射するようにする。例えば、発光素子からの光をレンズによりカーテン状に配した面から構成する。このように、面状に光波を出射することで、その面状に形成された領域において操作者の動作が可能となり、この監視も容易となる。
【0018】また、前記発生手段は、移動体を操舵するためのステアリングホイールに設けることができる。
【0019】発生手段による動作指示点の発生はいずれの空間でもよいが、移動体の内部にあっては、空間内を有効に利用するという観点から、自ずと制限される。そこで、発生手段を、移動体を操舵するためのステアリングホイールに設けることによって、操作者の大きな動きを要求することなく、また、他の装置との干渉を最小限に抑制して達成することができる。また、位置検出をカメラで行うため、ステアリングから信号を電線による送る必要がなく、従来のステアリングスイッチの信号伝達経路に起因する断線などの問題が解決される。
【0020】次に、本発明の態様を説明する。本発明は、コンピュータのユーザ・インターフェースを提供するシステム及び方法に用いることが好ましい。
【0021】詳細には、第1の態様は、コンピュータのユーザ・インターフェースのためのシステムであって、(a)エネルギー源の作動時に開放空間にほぼ沿って検知領域を生成するために配置されるエネルギー源と、(b)前記開放空間を監視(モニター)すると共に、前記検知領域内での操作者(ユーザ)の動作に応じて電子情報を生成するために配置されたセンサと、(c)前記センサに電子接続されたコンピュータであって、前記センサによって生成された電子情報を受信し、前記センサから受信した電子情報を分析するロジックでありかつ前記検知領域内でのユーザの動作に応じて出力信号を生成するロジックを含むコンピュータと、を含むことを特徴とする、コンピュータのユーザ・インターフェース用システム。
【0022】第2の態様は、第1の態様に記載のシステムにおいて、前記コンピュータに電子接続され、かつユーザにフィードバックするためのコンピュータ出力信号により動作可能な作動手段(バイブレータ)を更に含むことを特徴とする。
【0023】第3の態様は、第1の態様に記載のシステムにおいて、前記エネルギー源は、前記検知領域を含む赤外線のスクリーンを上方に照射するように配向される光源を含むことを特徴とする。
【0024】第4の態様は、第1の態様に記載のシステムにおいて、前記コンピュータに電子接続されたディスプレイを更に含み、前記コンピュータは、前記開放空間内の定義済みのセクションの位置と、該定義済みのセクションにおいて操作者による動作が発生した際に実行される機能に応じた情報と、を示すマップを前記ディスプレイ上に表示させるロジックを含むことを特徴とする。
【0025】第5の態様は、第1の態様に記載のシステムにおいて、前記エネルギー源が直線状に配置された複数の発光ダイオードを含むことを特徴とする。
【0026】第6の態様は、第1の態様に記載のシステムにおいて、上半分に開放領域を有するステアリングホイールを有する移動体で用いられ、前記開放空間が該ステアリングホイールの上半分の開放領域とほぼ一致することを特徴とする。
【0027】第7に態様は、第1の態様に記載のシステムにおいて、前記センサは、デジタル・カメラ型のセンサを含むことを特徴とする。
【0028】第8の態様は、コンピュータのユーザ・インターフェースのためのシステムであって、(a)空間領域に沿ってエネルギーを照射するために配置されるエネルギー源であって、前記エネルギーはほぼ赤外域の光波から構成されることを特徴とするエネルギー源と、(b)前記空間領域を監視すると共に、前記空間領域内でのユーザの動作に応じて電子情報を生成するために配置されたセンサと、(c)該センサに電子接続されたコンピュータであって、前記センサによって生成された電子情報を受信し、前記センサから受信した電子情報を分析するロジックでありかつ前記空間領域内での操作者の動作に応じて適切な出力を生成するロジックを含むコンピュータと、を含むことを特徴とする、コンピュータのユーザ・インターフェース用システム。
【0029】第9の態様は、第8の態様に記載のシステムにおいて、前記コンピュータに電子接続され、かつユーザへのフィードバックのために少なくともユーザの動作に応じて前記コンピュータにより作動される作動手段(バイブレータ)を更に含むことを特徴とする。
【0030】第10の態様は、第8の態様に記載のシステムにおいて、前記エネルギー源は、光波を上方に照射するために配置された複数の発光ダイオードを含むことを特徴とする。
【0031】第11の態様は、第8の態様に記載のシステムにおいて上半分に開放空間を有するステアリングホイールを有する移動体に用いられ、前記空間領域が該ステアリングホイールの上半分の開放空間とほぼ一致することを特徴とする。
【0032】第12の態様は、第8の態様に記載のシステムにおいて、前記センサは、デジタル・カメラ型のセンサを含むことを特徴とする。
【0033】第13に態様は、第8の態様に記載のシステムにおいて、前記エネルギー源は、前記光波を平行にするための屈折手段(レンズ)を含み、該屈折手段(レンズ)は対向する面を有し、少なくとも一方の面は実質的に半円筒型であることを特徴とする。
【0034】第14の態様は、ステアリングホイールを有する移動体にコンピュータのユーザ・インターフェースを提供するための方法であって、(a)ステアリングホイールに近接する領域を、操作者が該領域内でのユーザの動作により入力を発信するための仮想制御パネルとして定義するステップと、(b)前記領域内での操作者の動作に応じて電子情報を生成するセンサにより前記領域を監視するステップと、(c)前記電子情報を分析し、前記領域内でのユーザの動作に適した出力を生成するロジックを用いて、前記電子情報をコンピュータ処理するステップと、を含む、コンピュータのユーザ・インターフェースを提供する方法。
【0035】第15の態様は、第14の態様に記載の方法であって、前記センサにより定義済みの領域をモニターするステップが、デジタル・カメラ型のセンサの使用を含むことを特徴とする。
【0036】第16の態様は、第14の態様に記載の方法であって、(a)操作者が前記移動体の運転位置についた際に移動体内のユーザの近接位置に作動手段(バイブレータ)を取り付けるステップと、(b)操作者へ触覚的なフィードバックを提供するために前記コンピュータを介して前記作動手段(バイブレータ)を選択的に作動するステップと、を更に含むことを特徴とする。
【0037】第17の態様は、第14の態様に記載の方法であって、前記センサによる前記領域内でのユーザの動作の検知を助けるために、前記領域に実質上沿って延伸する検知領域を生成するためにエネルギー源を使用するステップを更に含むことを特徴とする。
【0038】第18の態様は、第17の態様に記載の方法であって、前記エネルギー源を使用するステップが、前記検知領域を形成するために前記領域全体に光波を放射するように配向された一連の発光ダイオードを作動するステップを含むことを特徴とする。
【0039】第19の態様は、第17の態様に記載の方法であって、前記エネルギー源を使用するステップが、不可視波長帯域の光波から成る検知領域を生成するエネルギー源の使用を含むことを特徴とする。
【0040】第20の態様は、第19の態様に記載の方法であって、前記エネルギー源を使用するステップが、車両に対して上方に放射される光波により前記検知領域を生成するように前記エネルギー源を配向するステップを含むことを特徴とする。
【0041】ステアリングホイールを有する車両にコンピュータのユーザ・インターフェースを提供する好ましい方法又はシステムは、操作者であるユーザが運転及び入力(の発信)を同時に行うための改善された安全性及び効率をもたらす。この点について、本態様のシステムは、車両のステアリングホイールに近接する開放空間を、ユーザの動作又は入力のための仮想制御パネルとして定義するステップを含む。ユーザは、この領域の選択されたセクションに指先又は親指を挿入すること等で、この領域に接触することにより、入力を発信する。この領域がステアリングホイールに近接しているので、ユーザは車両を運転し、かつステアリングホイールから手を離すことなく入力を発信する能力を有する。
【0042】本システムは、領域内でのユーザの動作に応じて電子情報を生成するセンサを用いて、この領域を監視(モニタ)するステップを含む。その後、コンピュータロジックが、センサからの電子情報を処理するか、又は分析する。このロジックは、電子情報、領域内でのユーザの動作の位置、及び動作の種類から決定されることが好ましく、ユーザの動作をその位置及び動作に応じて特定の入力として指定する。この指定に基づいて、コンピュータは適切な出力信号を生成する。
【0043】センサによる領域内でのユーザの動作の検知を助けるために、このシステムは、エネルギー源の作動時に開放空間にほぼ沿って検知領域を生成するために配置されるエネルギー源を更に含む。好ましい態様において、エネルギー源は、開放空間に沿って赤外線のスクリーンを放射するために配向された一連の発光ダイオードである。赤外線のスクリーンは、センサのための照度を提供し、ユーザの動作の検知のための領域を画定する。
【0044】ほぼ赤外波長域の光は本質的に不可視であるので、赤外線が光のスクリーンに用いられる。ユーザに不可視の光から成るスクリーンから形成される検知領域は、より優れたインターフェースの透明性をもたらし、ユーザの注意散漫さを減じる。
【0045】赤外線のスクリーンの提供処理には、車両に対して上方に放射されるスクリーンを形成する光によりスクリーンを配向するステップが含まれる。上方への配向は、日光の赤外線に起因するノイズを減少させることにより、領域内でのユーザの動作の検知における信頼性を向上させる。より詳細には、運転中にステアリングホイールの周辺に放射される日光の大部分は、ウインドシールドガラスを介してほぼ下向きの方向で車両に入射する。赤外線のスクリーンの上方への配向は、検知領域が、車両内に下向きに放射される日光とは方向によって区別されることを、少なくともある程度まで可能にする。
【0046】このシステムは、ステアリングホイール上及び/又はドライバー側のシート内等の、ユーザが車両の運転位置についた際のユーザの近接位置にバイブレータを取り付けるステップを更に含む。バイブレータはその後、ユーザにコンピュータのフィードバックを提供するためにコンピュータを介して選択的に作動される。バイブレータは、ユーザへの視覚的な負担を軽減するために、触覚的なフィードバック(感触に関わる又は基づくフィードバック)を提供する。安全な運転は、かなりの視覚的な警戒を必要とするので、ドライバーの視覚的な負担を軽減することは、安全性を向上させる。更に、ドライバーが両手をステアリングホイールにかけている間に、ドライバーによる入力の発信を可能にすることもまた、ドライバーの視覚的な負担を軽減する。
【0047】このシステムは、コンピュータに電子接続されたディスプレイの提供を更に含む。このコンピュータは、コンピュータにより実行された場合に、領域内の定義済みのセクションの位置と、その定義済みのセクションにおいてユーザがある動作を実行した際にユーザからの入力として指定される各定義済みのセクションに対応する情報と、を示すマップをディスプレイ上に表示させるロジックを含む。
【0048】ディスプレイは、ヘッドアップディスプレイ等のように、ユーザが運転中に車両の前方走行路から目を離すことを必要としない位置に提供されることが好ましい。或いは、ディスプレイは、車両のダッシュボード又はインストルメントパネル上等の、運転時に車両のドライバーにより容易に観察可能な位置及び向きに配置される。従って、ユーザは、運転中に車両の前方走行方向から実質的に目を逸らすことなく、運転及びディスプレイの観察を同時に行うことができる。
【0049】本発明の前述の態様及び本発明に伴う多数の利点は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて参照することによって、より容易に理解されるであろう。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態は、移動体としての自動車等の車両に搭載したナビゲーション装置等の電子装置の機能指示のための入力装置に本発明を適用したものである。本実施の形態の入力装置は、移動体などの車両に搭載可能なコンピュータのユーザ・インターフェース・システムとして好適な一例である。
【0051】図1は、車両10用の本発明の実施の形態にかかるコンピュータのユーザ・インターフェース・システムの好ましい実施の形態の一部を概略的に示している。車両10に搭載されたコンピュータ46は、ユーザの動作又は入力に応じて、ラジオ、ウィンドウワイパ、CDプレーヤ、及びGPSに基づくナビゲーション装置等の車両内の様々なシステム(電子装置)を作動する機能を有している。
【0052】インターフェース・システムは、コンピュータ46へのユーザ入力用の仮想キーボード又は制御パネルとして定義される、車両のステアリングホイール12に近接する開放空間(体積)又は空間領域を含むものである。この領域は、ユーザが指をこの領域に挿入することが可能なように開放されている。この領域は、複数のセクションから構成可能であり、これにより仮想制御パネル領域として機能する。各々のセクションには、キー、ボタン、英数字入力域、コンピュータへのユーザの動作又は入力のための他の制御要素が定義される。ユーザは、この仮想制御パネル領域の適切なセクションで動作することにより入力を指示する。
【0053】仮想制御パネル領域は、ステアリングホイールのクロスバー14周辺からステアリングホイールのリム16まで、即ち、ステアリングホイール12の上部の開放部分に延伸することが好ましい。これは、ユーザが両手をステアリングホイール12にかけながら、入力指示することを可能にするためである。
【0054】このインターフェース・システムは、ユーザに対してマップを表示するコンピュータ制御ディスプレイ20を含む。マップは、仮想制御パネル領域内のセクションの位置、及び特定のセクション内でのユーザの動作により入力されることが可能な情報、例えば電子装置の操作コマンドを示す。
【0055】このコンピュータ制御ディスプレイ20は、軍事用車両で用いられるヘッドアップディスプレイ(「HUD」)を用いることが可能である。HUDでは、ドライバーがディスプレイを見るために車両の前方走行路から目を逸らすことを必要としない位置に、ディスプレイが提供され、特別に改造された眼鏡又はヘルメットを用いている。
【0056】本実施の形態では、図1に示すように、コンピュータ制御ディスプレイ20がウインドシールドガラス21上に現われるように構成している。ウインドシールドガラス21の一部の上に現われる液晶型等の透過型ディスプレイは、HUDの一種である。
【0057】なお、本発明はウインドシールドガラスに現れるディスプレイに限定されるものではない。例えば、コスト、技術的な制限(特殊な眼鏡の必要性等)、や他の要素のため、コンピュータ制御ディスプレイ20は、車両のドライバーが容易に観察可能な配向及び位置とするために、インストルメントパネル26(図2参照)又はダッシュボード25上に配置される従来のコンピュータパネルでもよい。
【0058】図2に示すように、インターフェース・システムは、仮想制御パネル領域との又はこの領域でのユーザの動作を検知又は記録するためにこの領域を監視(モニタ)するセンサ22を含む。本実施の形態では、センサ22は、デジタル写真装置で用いられる種類等のイメージ検知タイプのイメージセンサを用いている。特に、イメージセンサ22は、電荷結合素子(「CCD」)タイプのカメラ及び、CMOSタイプのカメラ等が好ましい。
【0059】イメージセンサ22は、相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)タイプのカメラセンサを用いることができる。一般に、CCDカメラは入手が容易であるが、CMOSカメラには、主に3つの利点がある。第1の利点は、より小さいサイズ及び軽い重量を有し、より低コストで製造することが可能なことである。第2の利点は、より少ないエネルギ消費で良いことである。第3の利点は、最も期待できる利点であり、極力低コストで利用するために、単一基板にセンサと他の機能とを併せ持たせることを可能にすることにある。従って、複数の信号処理機能が、同一基板(シリコンの単一片)上に配置することができる。
【0060】本実施の形態のインターフェース・システムは、検知領域24を生成する仮想制御パネル領域にほぼ沿ってエネルギーを照射するためのエネルギー源23を含んでいる。このエネルギー源23は、検知領域(検知フィールド)24を形成する赤外線(「IR」)のスクリーンを照射する光源であることが好ましい。なお、赤外線が微光状態であるとき、一般的なイメージセンサは、この仮想制御パネル領域内でのユーザによる入力又は動作を確実に判断するためには不十分、すなわち十分な反射を得ることができない。このため、スクリーン以外の部分と判別可能な十分な照度が必要である。
【0061】図1に示されるように、赤外線の検知領域24は、センサ22用の照度を提供するためにステアリングホイール12の近接位置に延伸する。また、赤外線を用いたのは、ユーザに煩わしさを感じさせないためであり、赤外線は視認困難であるが、イメージセンサ22によっては検知可能であることによるものである。
【0062】検知領域24は、仮想制御パネルとして定義される領域全体に広がる。即ち、ステアリングホイールのクロスバー14の上部端辺りからステアリングホイールのリム16の上方の内周部に延伸する。
【0063】システムの精度及び信頼性を向上させるために、検知領域24は、ステアリングホイールのクロスバー14からステアリングホイールのリム16に向かって上方に放射することが好ましい。図2に概略的に示されるように、センサ22は、ステアリングホイール12の上部を介してドライバーに面するインストルメントパネル26に取り付けられることが好ましい。
【0064】この配置は、日光に含まれる赤外線からの誤ったセンサ情報を抑制するのに効果的である。すなわち、センサ22をドライバーに面するインストルメントパネル上に配置することは、ウインドシールドガラス21を介して車両に入射する日光の赤外線からセンサを保護することに相当する。また、ドライバーのシートの背及びドライバーの体が、リヤウィンドウを介して車両に入射する日光からセンサ22を保護することもできる。センサ22は、仮想制御パネル領域内でのユーザの動作の識別における精度を更に高めるために、検知領域24を形成する光放射の中心波長(すなわち、エネルギー源23の主要波長)を透過する少なくとも1つの光学フィルタ29を含むことが好ましい。
【0065】また、センサ22は、仮想制御パネルとして定義される領域内でのユーザの動作を観察するために十分に照明された良好な視界を有する。検知領域24を形成する光は、上方に放射する。従って、ユーザの指が仮想制御パネル領域に進入すると、検知領域24からの光はユーザの指で反射し、センサ22へ到達する。更に、ステアリングホイールのリム18は、後述されるセンサ22の情報の画像処理のための基準として使用されることが可能である。
【0066】図3に示すように、エネルギー源23は、直線状に配置された一連の発光ダイオード(「LED」)32から構成される。このLED32は、検知領域24が実質的に赤外光から構成されるように、赤外LEDを用いることが好ましい。
【0067】LED32は、ステアリングホイール12の裏側のステアリングホイールの支持体31に沿って延伸する。このLED32は、数行から成る複数のLEDを連続させ、ステアリングホイールの支持体31の幅方向に沿って互いに隣接して延伸し、配列を形成することが好ましい。
【0068】図4に示すように、エネルギー源23の射出側にはレンズ36が設けられている。このレンズ36は、実質的に透明なロッド状又は円筒型の形状をしており、好ましくはエネルギー源23のLEDの配列の上に、ステアリングホイールの支持体31の幅方向に沿って延伸する。円筒型のレンズ36は、LED32からの赤外線の放射を収束する。これは、仮想制御パネル領域に沿って延伸する赤外線のスクリーンから成る検知領域24に向けて、赤外線をほぼ平行光束にするように作用する。LEDの配列は、ステアリングホイールの支持体31に埋設され、円筒型のレンズ36はこの配列の上に埋設されることが好ましい。別の好ましい実施の形態では、半円筒型のレンズが用いられ、赤外線が半円筒型のレンズの湾曲した外側表面から外方向に放射されるように配置する。
【0069】LED32の個数は、特定の車両のサイズ、LEDの仕様、及びイメージセンサ22の制限等の要素に依存する。円筒型レンズ36のサイズもまた、これらの要素に依存する。
【0070】本発明者は、上記LED32を含むエネルギー源23周辺を試作し、実車に搭載し、実験し、各行が10個から成る8行のLED32が、多くの適用に適しているという結果を得た。具体的には、各行のLED32は、約100オームの抵抗34と共に、互いに直列に電気接続し、各行は、約17ボルトの直流電圧源35に並列に接続した。円筒型レンズ36には、約1/2インチ(12.7mm)の直径を有する実質的に透明なプラスチックロッドを用い、LEDの配列32の約3mm上に配置された。LED32及び円筒型レンズ36は両方とも、ステアリングホイール12の裏側のステアリングホイールの支持体31に埋設した。
【0071】LED32の具体例は、各LEDは電力消費が100mW、中心波長が940nmの赤外線放射、LED全体で1.5Vの電圧降下で100mAの電流を消費するものであり、各LEDの形状としては、3mmの直径を有したものを用いている。
【0072】また、センサ22は、8ビット階調のCCDボードカメラを、車両のインストルメントパネル26に取り付けた。なお、コンパクトなサイズ、低コスト、及び比較的高い解像度のために、CCDボードカメラをイメージセンサ22として選択した。また、CCDカメラは、その中心光軸がステアリングホイール面に略垂直であり、かつステアリングホイール12の上半分に中心を合わせられる位置で、インストルメントパネル26に埋設されることが好ましい。これらの設定は、赤外放射による検知領域24内でオブジェクトが動かされる際に、照明される領域を可能な限り一定に保つように、照明されるオブジェクトの歪み領域が最小に維持することができるという効果を奏する。
【0073】なお、カメラとしては、米国カリフォルニア州のカルバーシティのマーシャル・エレクトロニクス(株)(Marshall Electronics Inc.)により製造されたモデル番号V1205を用いた。このカメラの仕様は、以下の通りである。
イメージサイズ: 537(水平)×505(垂直) 約270,000画素信号対雑音比: >48デシベル最小照度: 0.005FC(0.05ルクス)
解像度: 380TV線(最小値)
絞り制御: 電子制御レンズの取付け: 止めねじにより調整可能コネクタ: 三線プラグインコネクタ、ビデオ、出力、アースレンズ: 3.6mm f2.0(74°(水平)×56°(垂直))
自動絞り範囲: f1.4で0.5乃至80ルクス出力: 12VDC、100mA、1.2Wサイズ: 1.73インチ幅×1.73インチ高さ×1.22インチ奥行き(4.39cm幅)×(4.39cm高)×(3.10cm奥行)
重量: 1.2オンス(35グラム)
超微光 0.005FC感度1100nmまで感度のある赤外線【0074】カメラの画角は、イメージサイズ及びカメラのレンズの焦点距離と共に変化する。本実施の形態では、カメラは、インストルメントパネル26のタコメータ及びスピードメータの間の位置に埋設した。カメラレンズからステアリングホイール面までの距離Dは、約12インチ(30.48cm)であった。
【0075】仮想制御パネル領域を見るのに適した焦点距離は、次の式(1)及び(2)で表すことができる。
f=v×D/V ・・・(1)
f=h×D/H ・・・(2)
これらの式(1)及び(2)で用いられる記号は、次のように定義される。
f=レンズの焦点距離V=オブジェクトの垂直方向サイズH=オブジェクトの水平方向サイズD=レンズからオブジェクトまでの距離v=イメージの垂直方向サイズ(表1を参照)
h=イメージの水平方向サイズ(表1を参照)
【0076】
【表1】

【0077】一般的に、仮想制御パネルの最大水平方向寸法がその最大垂直方向寸法よりも大きいので、焦点距離を算出するために式(2)を用いる。本実施の形態では、仮想制御パネル領域として、約15インチ(38.10cm)の最大水平方向寸法を有したものを用いた。従って、f=h×D/H=4.8mm×(12/15)=3.84mmである。
【0078】また、本実施の形態では、3.84mm近傍で入手可能な3.6mmの焦点距離を有するレンズを選択した。実験機では、レンズの後ろで2個の光学フィルタ29を用いた。光学フィルタは、第1のフィルタが、950nm±25nmの帯域幅を有し、第2のフィルタが、940nm±5nmの帯域幅を有したものである。
【0079】図5は、コンピュータのインターフェース・システムの概略ブロック図を示している。ブロック38は、仮想制御パネル領域内でのある形式の動作であるユーザの入力を示す。ブロック40は、イメージの収集を示す。より詳細には、センサ22が、仮想制御パネル領域内でのユーザの動作を示すデータを生成する。ブロック42及び44は共に、コンピュータ46による分析を示す。
【0080】図7には、このコンピュータ46の処理を含み、コンピュータのインターフェース・システムの処理の流れの概略を示した。この図7に示した処理ルーチンは、繰り返し実行される。まずステップ100において、センサ22からの信号をコンピュータが読みとることによって、仮想制御パネル領域内の画像を読み取る。次のステップ102では、ユーザの指先等が仮想制御パネル領域に進入したときに現れる小塊(ブロブ)を検出する。この検出はセンサ22からの信号すなわち画像を探索することによって実行される。
【0081】次のステップ104では、ブロブが検出されたか否かを判断し、否定された場合には、ステップ100へ戻り、肯定された場合には、次のステップ104において上記で検出されたブロブの中心位置を求める。次のステップ108では、仮想制御パネル領域でユーザの動作や入力によって作用する機能が、ボタンモードに設定されているか否かを判断する。本実施の形態では、ボタンモードとトラッキングモードの2種類の設定が可能になっている。なお、2種類のモードに限定されるものではなく、1種類または3種類以上であってもよい。
【0082】ステップ108で肯定された場合には、ボタンモードであり、ステップ110へ進み、予め記憶されているセクション配列(マップ)を読み取り、次のステップ112において該当するセクションを決定すると共に、そのセクションに対応する出力信号を対応する電子装置へ供給する。次のステップ114では、出力信号を対応する電子装置へ供給したことを振動装置などでユーザに報知することによってユーザにフィードバックする。
【0083】一方、ステップ108で否定された場合には、トラッキングモードであり、ステップ116において、各ブロブの中心の相対位置を得るためにイメージを比較する。ブロブの位置が複数あり時系列的に推移するとき、次のステップ118において動作が発生したと判断しステップ120へ進む。一方、ステップ118で否定されたときは、ステップ100へ戻る。
【0084】ステップ120では、予め記憶された動作テーブルを読み取り、次のステップ122において。対応する動作を判定する。次のステップ124及び126では、上記と同様にして画像を読み取ってブロブを検出し、ブロブが検出されなくなると、ステップ128で否定されてステップ112へ進む。一方、ブロブが検出されなくなると、ステップ128で肯定されステップ100へ戻り、上記処理を繰り返す。
【0085】なお、トラッキングモードのときは連続動作も考えられるので、動作判定の後に対応出力信号を供給してもよい。この場合、動作判定の履歴を消去して使いの判定を行うことが好ましい。
【0086】上記構成によるコンピュータのインターフェース・システムの処理の流れを機能的に説明する。このシステムでは、センサ22が仮想制御パネル領域(検知領域)をモニターし、進行中の一連のイメージとしてデータをメモリに格納する。コンピュータ46内のソフトウェアは、イメージが入手可能になると(ステップ100)、仮想制御パネル領域内で動作が生じたか否かを判断するために、これらのイメージを分析する。この処理は、ブロック42,44の機能である。
【0087】なお、本実施の形態では、センサ22は、米国マサチューセッツ州ビレリカのムテックコーポレーション(MuTech Corporation)により製造された市販されているモデル番号M−Vision500のビデオフレームグラバーボードを介してコンピュータに適切にインターフェース接続している。ビデオフレームグラバーボードは、センサ22からの情報を、分析のためのイメージデータとしてコンピュータ用に適切にフォーマットするためのものである。特に、イメージデータは、一連のイメージとしてコンピュータのイメージフォーマットでメモリに格納される。
【0088】上記処理のためのソフトウェアは、例えば、米国モンタナ州ボーズマンのビジョン1(Vision 1)により開発されVISIONBLOX(商標)として販売されている市販のソフトウェアパッケージを用いて開発することができる。このソフトウェアパッケージには、機能検出、較正、及び小塊「ブロブ(blob)」分析等の多数の組込まれた標準の視覚ツールが含まれている。更に、このソフトウェアパッケージは、米国ワシントン州レッドモンドのマイクロソフト(株)により開発されたソフトウェアであるActiveXコントロールをサポートしている。従って、アプリケーション開発は、マイクロソフトのVisual Basic環境下で行われることが可能である。マイクロソフトのVisual Basicは、マイクロソフト(株)から販売されている別のソフトウェアであり、このソフトウェアはグラフィック・ユーザ・インターフェース(「GUI」)を有する。また、このソフトウェアパッケージは、デジタルI/O(入出力)カードの使用もサポートしているので、アプリケーションは容易に実際の自動車等の車両(移動体)のデバイスとインターフェース接続することが可能である。
【0089】上記分析時のロジック(ソフトウェア)は、各イメージから、仮想制御パネル領域内でのユーザの動作の指示を探索する。ユーザの指先又は親指は、その表面で赤外反射され、仮想制御パネル領域のセンサ22からのイメージにおいては多少なりとも「ブロブ(小塊)」として現われる。この処理のロジックは、特定の範囲のブロブ領域及びしきい値の設定に基づいてブロブを検出するものである。このブロブ領域は、ユーザが仮想制御パネル領域に指先を挿入した時にカメラ画像に現われる部分に基づいて設定したものである。すなわち、ブロブ領域は、カメラ画像に現れる部分を少なくとも含む大きさの領域である。しきい値は、イメージの最も明るい部分に焦点を合わせるように設定した。
【0090】なお、しきい値は、0乃至255のグレースケール範囲の内の、254及び255に設定した。これは、少なくともセンサが、晴天の日に車両のガラス21を介して直射日光にさらされた条件下で、外部ノイズの影響を受けずにブロブを識別することを可能にするためである。このようにして、イメージの明るい白色部分のみが分析のために含められた。
【0091】なお、日光がウインドシールドガラスから直接照射しない場合は、より低いしきい値が可能である。本発明者は、このような条件下では、しきい値は200まで下げられることを確認した。
【0092】ところで、日光の強さによりイメージセンサ22のコントラストが変化するので、イメージセンサ22に対するボタンのトリガ位置の深さも変化する。従って、ほぼ一定の深さのボタンのトリガ位置を得るためには、エネルギー源23として、より多数の赤外LED32又はより明るい赤外LED、又はこれらの組合せによる、より強い赤外線が好ましい。別の形態では、カメラがイメージを収集する瞬間のみ高光度をもたらす、同期ストロービングを用いることができる。
【0093】また、車両の窓は外部からの赤外線を除去するために赤外線フィルタガラスを用いることが好ましく、また赤外線フィルタフィルムを車両の窓の表面上に配置することが好ましい。本実施の形態では、コンバーチブル又はルーフのない車両でに用いた場合を想定した。
【0094】上記のブロブ領域は、実験的に2000乃至10000画素の範囲内になるように決定された。より詳細には、検知されたブロブはほぼ常に、30×60画素(約2000画素)乃至100×100画素(10000画素)のサイズに及ぶ一般的に矩形の領域を占めることを確認した。
【0095】実際の処理では、イメージ内にブロブが存在すると判断すると(ステップ104で肯定)、これはユーザの動作又は入力として解釈してブロブ内の全ての点のX及びY座標の値を平均することにより、ブロブのほぼ中心の座標を求め(ステップ106)、ブロブの中心の位置に基づいて、これを特定のユーザ動作又は入力として指定する(ステップ110,112)。
【0096】ところで、電子装置には多くの様々なモードがあり、キー、ボタン、英数字入力域、他の制御要素等の仮想制御パネルを介してのユーザの動作または入力が電子装置に対しての指示入力に適している。本実施の形態では、「ボタンモード」及び「トラッキングモード」の2つの異なる基本機能モードを有している。
【0097】ボタンモードでは、仮想制御パネルが最大6個のセクションに分割され、各セクションはボタンとして定義される。例えば、6個のセクションを有する場合、仮想制御パネル領域は、2列に分割しかつ、各列は3行に分割する。この方法によるボタン配置の利点は、全てのボタンがユーザの親指によりアクセス可能な点である。この方法により、システムは、ユーザの両手がステアリングホイール12にかけられている間に操作されることが可能である。
【0098】図1の例では、最下行のみ列分割をせずに5つのセクションを有した場合である。なお、分割するセクションの数は、上記に限定されるものではなく、1または複数のいずれであっても良い。
【0099】ユーザが仮想制御パネル領域内で動作を実行すると、システムは、どのセクションで動作が生じたか、及びボタン、即ち、そのセクションに関連付けられた機能を決定する(ステップ110,112)。この動作が、そのセクション又はボタンとの、少なくとも予め定められた一定時間(実験機では1秒)にわたる進入や存在または接触の持続である場合、システムは、このセクションまたはボタンに関連付けられた機能を実行する(ステップ112)。すなわち、ブロック42,44の機能によるコンピュータ46が電子装置に対応する信号を出力すべく指示する。
【0100】ここでは、ブロブのほぼ中心の位置に応じて、該当するセクションを決定する。一連のイメージに基づいて、ブロブの中心が予め設定された時間の間、あるセクションに位置していると判断すると、ロジックはこれを、そのセクションに対応するボタンに関連付けられた機能を作動するためのユーザ動作または入力として指定する。なお、このブロブの中心が予め設定された時間にわたって存続しない場合、新たなユーザ動作/入力のために(データを)リセットすることが好ましい。
【0101】一方、トラッキング(追跡)モードでは、一連のイメージから配列内のブロブの中心位置を格納する。ブロブがもはや検知されない(即ち、その配列に何も要素が存在しない)と、ユーザの動作を解析した結果に基づいて機能を実行する。
【0102】本実施の形態では、トラッキングモードを実行する機能である動作トラッキングモジュールは、各ブロブの中心の相対位置を得るためにイメージを比較する。次に、仮想制御パネル領域内で、例えば下から上、上から下、左から右、又は右から左への動作が発生したか否かを判断する(ステップ116)。その後、この動作を、例えばラジオのチャンネル探し、CDのトラックの選択、又は音量調節等のための適切なユーザ入力として指定する(ステップ120,122)。
【0103】上記マイクロソフトのVisual Basic以外の他の言語としてC又はC++のプログラミング言語を用いることができる。また、その他のコンピュータ言語を用いることも可能である。
【0104】なお、上記ユーザの動作または入力を処理するときには、他の機能として、手書き文字認識を含むように拡張されることが好ましい。即ち、仮想制御パネル領域内でのユーザの指による手書きのストロークが、英数字入力として解釈される。英数字入力は、目的地情報の入力等の動作のために、車両用GPSナビゲーション装置との対話には特に有効である。
【0105】一例として、米国カリフォルニア州レッドウッドショアーズのコミュニケーション・インテリジェンス・コーポレーション(CIC:Communication Intelligence Corporation)により開発された手書き文字認識用ソフトウェアを用いることができる。
【0106】上記のようにソフトウェアのロジックが、車両の機能を実行するためのユーザ動作または入力が発生したと判断すると、このソフトウェアは、図5のボックス48に示されるように、コンピュータ46が適切な出力信号を生成する。ボタンモードの最中にユーザ動作が発生した場合は、ボタンモードではトラッキング分析は必要ないので、システムのロジックは、分析ブロック42から出力ブロック48(もしこのような出力がユーザ動作に適している場合)へ進む。トラッキングモードの場合は、ロジックは、分析ブロック42の後、適切な出力を生成する前にトラッキング計算のためにブロック44へ進む。すなわち、ブロック42がボタンモード、ブロック44がトラッキングモードの主要な機能を担当することになる。
【0107】図6には、ワイパ、ラジオ、及びCDプレーヤ等の車両の機能を作動するために用いられる、デジタルI/Oカード50を概略的に示した。デジタルI/Oカード50には、米国カリフォルニア州アーバインのアドバンテック(株)(Advantech Co., Ltd.)から販売されているモデル番号PCL−725が用いることができる。このデバイスは、16個のデジタルI/Oポート(8個の入力及び出力)を、単一のボード上の8個のリレー・アクチュエータ及び8個の光学的に隔離されたデジタル入力により提供する。このカード用にカスタマイズされたActiveXコントロールは存在しないが、標準のプログラミング環境でデジタルI/Oへのアクセスを実現するために用いられることが可能なIOS32.DLLと名付けられたダイナミック・リンク・ライブラリファイル(「DLL」)が存在する。
【0108】デジタルI/Oカード50リレー出力は、わずか1アンペアの最大電流が定格である。従って、100ボルトの直流電圧で最大15アンペアの仕様である標準のソリッドステートリレー(半導体継電器)52が、ワイパモータ54等のより多くの電流を必要とする車両の機能のために、デジタルI/Oカード50に接続された。図5のボックス56は、ソリッドステートリレー52を介する出力を表わし、ボックス48は、デジタルI/Oカード50を介する出力を表わす。
【0109】また、上述のように、コンピュータディスプレイは、HUD(ヘッドアップディスプレイ)を模して、ドライバーのシートの前に配置された。コンピュータ出力またはフィードバックには、ユーザ入力への応答に適するようにディスプレイ20を変化させるステップが含まれる。例えば、ウィンドシールドワイパ及びカーステレオの制御を実行することができる。
【0110】ウィンドシールドワイパは、単純なオン/オフ制御が可能である。ステレオは、電源オン、電源オフ、音量を上げる、音量を下げる、ラジオとCDとの切替え、及び右/左へのチューニングシークから成る一般的な機能を含んだ制御が可能である。例えば、ユーザが、仮想制御パネル上の関連付けられたボタンを押すことにより「ラジオへの切替え」を入力すると、ディスプレイ20は、ステレオ機能のみのメニュー、即ち、ステレオメニューを表示するように変化する。図1は、ステレオメニューが表示されたディスプレイ20を示す。
【0111】ディスプレイ20によるコンピュータのフィードバックは、ユーザの視覚的な集中を必要とする。ドライバーの視覚への負担を軽減するために、インターフェースシステムは、視覚的ではないフィードバックを含むことが好ましい。ウィンドシールドワイパ及びステレオ等のデバイスは、作動することによってのみフィードバックを提供し、これはドライバーの視覚的な集中力への負担をある程度軽減する。また、コンピュータ46は、車両の音響システムのスピーカー、又はコンピュータの音声出力専用スピーカーを介して、音声によるフィードバックを提供することが好ましい。
【0112】インターフェース・システムは、ドライバーの視覚的な負担を更に軽減するために、触覚的なフィードバック、即ち、感触に関わる又は基づくフィードバックを更に含むことが好ましい。触覚的な振動によるフィードバックは、ステアリングホイール12及びドライバー側のシート58等の、運転中に車両のドライバーと常に接触している部分で実施されることが好ましい。
【0113】触覚的な振動によるフィードバックのための振動装置は、運転中に感じられる程度に十分強くなければならず、一般的な車の振動よりも大きな振動周波数を生成しなければならない。本発明者は、従来のページャ(ポケベル)及びマッサージ機用モータが適切であることが確認した。
【0114】ページャ用モータは、コンパクトであり、コスト有効性であり、かつ一般的な路上での振動よりも大きな周波数での局所的な振動(このモータでは9000RPM(回転/分))を有する。マッサージ機用モータは、ページャ用モータよりも大きな振幅を有するので、この振動はページャ用モータによる振動ほど局所的ではない。従って、これは2つの区別可能なタイプの振動によるフィードバックを可能にする。
【0115】図1に示すように、ページャ用モータ60は、ステアリングホイールのリム16の右側及び左側のそれぞれに埋設されることが好ましい。インターフェース・システムは、ページャ用モータ60を振動させて、仮想制御パネル作動領域との接触が成されていることをユーザに示す。インターフェース・システムにおいて、仮想制御パネル上の作動領域との接触が成されていることをユーザに示すために、両方のページャ用モータ60が同時に振動することが好ましい。
【0116】本発明者は、ユーザが右と左のページャ用モータ60の作動を識別することが可能であることを見いだした。これは、触覚的なフィードバックモードの他のセットを可能にする。それでもなお、ユーザは片手のみで運転している時もあり得る。これは、ユーザが人差し指を用いて入力することを選択する場合に、特に起こり得る。この場合、ユーザの手の位置によっては、ユーザが触覚的なフィードバックを受取り損ねる可能性がある。従って、ステアリングホイールの両方のページャ用モータ60が同時に振動することが好ましい。
【0117】更なるページャ用モータ60が、ドライバーのシートの両側に挿入されることが好ましい。更に、より大きなマッサージ機用モータ62が、シート58の左側と右側との中間位置に挿入される。シート58内のモータ60及び62は、ロータをシート58の詰め物から隔離するために、プラスチックの外皮により覆われることが好ましい。シート58におけるモータの位置としては、ユーザが運転中に常にそこに近接しているはずの位置が選択される。従って、シートのページャ用モータ60は、右と左とを区別するように選択的に作動されることが可能である。
【0118】ユーザがトラッキングモードでのコンピュータ入力のために、右から左へ指を移動する場合、又は巻き戻し、左方向へのチューニングシーク、及び前の曲へのスキップ等の他の指向性のある出力機能が用いられる場合、インターフェース・システムは左側のページャ用モータ60を作動させることが好ましい。同様に、インターフェース・システムは、右への指向性動作を意味するために右側のページャ用モータ60を作動させる。シート中央に位置する、より強い振動を伴うマッサージ機用モータ62は、エラーインジケータ等の更に別のモードのフィードバックのために残しておくことが好ましい。
【0119】本実施の形態では、ページャ用モータ60及びマッサージ機用モータ62は略円筒形の形状のものを用いている。ページャ用モータ60は、1.3VDC及び85mAでの動作時に9000rpm、モータサイズは、長さが0.55インチ(14.0mm)及び直径が0.17インチ(4.31mm)、及び軸サイズは、長さが0.21インチ(5.33mm)及び直径が0.15インチ(3.81mm)である仕様を有した。マッサージ機用モータ62は、3VDC及び200mAでの動作時に9000rpm、モータサイズは、長さが1.20インチ(30.48mm)及び直径が1.00インチ(25.40mm)、及び及び軸サイズは、長さが0.42インチ(10.67mm)及び直径が0.08インチ(2.03mm)である仕様を有した。標準のC型電池がページャ用モータ60及びマッサージ機用モータ62に動力を供給するために使用された。
【0120】コンピュータ46は、その構成要素が車両の中央コンソールに、又はダッシュボード又はインストルメントパネル26の背後に格納されている従来型のコンピュータであることが好ましい。代替の実施の形態では、コンピュータ46は、車両用ナビゲーション装置又はステレオ等の別のシステムと統合することができる。この点について、車両のステレオシステムを介してインターネットアクセスを提供するために、コンピュータを車両のステレオシステムと統合する提案が成されている。或いは、コンピュータ46は、車両のステレオシステムと統合される、より汎用のマルチメディアシステムの一部であってもよい。
【0121】また別の好ましい代替の実施の形態では、仮想制御パネル領域とのユーザ接触の位置を決定するために、音響位置決めシステムを使用することが可能である。音響システムは、日光の赤外線による干渉にとらわれないという利点を有する。音波が超低周波の(不可聴な)範囲であれば、ユーザに対する透明性は維持される。しかしながら、音波は、適切な信号対雑音比を達成するために、車両内で存在する一般的な振動を含まない周波数でなければならない。
【0122】基準マーカは、ステアリングホイールのリム16上等のステアリングホイール12の裏側に配置されることが好ましい。基準マーカは、道路のカーブ等でドライバーがステアリングホイールを回転させる場合のためにあり、このマーカはインターフェース・システムと相互作用する。上記分析時の処理(ソフトウェア)は、基準マーカのその位置でのイメージを調査し、ステアリングホイールの回転角度に一致させるように座標変換を適用する。このようにすることで、制御パネルとのユーザ接触を特定の入力として指定する際に、ステアリングホイール12の回転角度を考慮することができる。
【0123】コンピュータのインターフェース・システムは更に、ソフトウェアのロジックに組み入れられた回転運動検知を含むことが好ましい。このロジックは、仮想制御パネル上でのユーザの指先又は親指の回転運動及び回転方向(時計回りか反時計回り)を検知する。従って、インターフェースは、コンピュータディスプレイ20をスクロールするため等のある形式の入力を発信する際に、ユーザに優れた利便性をもたらすための「仮想ジョグ・シャトルデバイス」を含む。
【0124】更に、ソフトウェアは、ジェスチャ認識を含むことが好ましい。前述されたように、代替の好ましい実施の形態が存在するので、改造、代用、及び変更は、何れの当業者によっても成されることが可能であることは理解されるであろう。
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、操作者の動作に対応して発生する発生手段によって発生された動作指示点を、監視手段が監視し、これを解析手段によって解析した結果の操作者の動作に対応する出力信号を、供給手段により電子装置へ供給するので、操作者の簡単な動作で所定の指示を確実に入力することができる、という効果がある。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成12年11月29日(2000.11.29)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳 (外2名)
【公開番号】 特開2002−149304(P2002−149304A)
【公開日】 平成14年5月24日(2002.5.24)
【出願番号】 特願2000−363686(P2000−363686)