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【発明の名称】 磁界型キー入力装置及び監視システム
【発明者】 【氏名】高 太好

【要約】 【課題】小型・軽量で高性能な磁界型キー入力装置を提供する。

【解決手段】薄膜技術等を用いて作製されるTMR素子等によるキーセンサ3a〜3eが複数個並列に配列されており、指先4で操作される磁界発生用部材、例えば、つけ爪5の動きをキーセンサ3a〜3eにより磁気的に検知するように構成したので、高性能に検知できる上に、小型・軽量化を図ることができ、簡易な磁気型キー入力装置1を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 指先で操作される磁界発生用部材の動きに反応する磁気抵抗効果素子、巨大磁気抵抗効果素子、トンネル磁気抵抗効果素子、磁気インピーダンス素子又は電磁誘導コイルによるキーセンサが複数個並列に配列されていることを特徴とする磁界型キー入力装置。
【請求項2】 前記磁界発生用部材が、磁性部材を内在し、又は、磁性塗料が塗布されたつけ爪であることを特徴とする請求項1記載の磁界型キー入力装置。
【請求項3】 前記磁界発生用部材が、爪に磁性塗料を塗布したコート材であることを特徴とする請求項1記載の磁界型キー入力装置。
【請求項4】 隣接する2個の前記キーセンサの検出信号間の差動をとる差動演算手段と、この差動演算手段の差動出力に基づき前記キーセンサに対する前記磁界発生用部材の動きを検出する信号検出手段と、所定時間経過後に前記差動演算手段による差動の取り方を異なる方向で隣接する2個の前記キーセンサの検出信号間の差動をとるように切り替えるスイッチング手段と、を備えることを特徴とする請求項1ないし3の何れか一に記載の磁界型キー入力装置。
【請求項5】 複数の前記キーセンサの検出信号の平均値を算出する平均値算出手段と、この平均値算出手段により算出された前記平均値に対する個々のキーセンサの検出信号の差動をとる差動演算手段と、この差動演算手段の差動出力に基づき前記キーセンサに対する前記磁界発生用部材の動きを検出する信号検出手段と、を備えることを特徴とする請求項1ないし3の何れか一に記載の磁界型キー入力装置。
【請求項6】 前記磁界発生用部材に対して各キーセンサによる検知部近傍で一時的に磁化する磁界印加手段を備えることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一に記載の磁界型キー入力装置。
【請求項7】 前記キーセンサ面上に設定された検知領域内での前記磁界発生用部材の平面的な動きを予め設定された閾値との比較に基づきポインタ入力と判断するポインタ入力判定手段を備えることを特徴とする請求項1ないし6の何れか一に記載の磁界型キー入力装置。
【請求項8】 前記キーセンサ面上空に設定された検知領域内での前記磁界発生用部材の3次元的な動きを前記各キーセンサの検出出力の強度分布に基づき3軸ベクトルによるポインタ入力と判断するポインタ入力判定手段を備えることを特徴とする請求項1ないし6の何れか一に記載の磁界型キー入力装置。
【請求項9】 指先で操作されて前記キーセンサにより検出される前記磁界発生用部材の特定の動きを特定の入力信号とすることを特徴とする請求項1ないし8の何れか一に記載の磁界型キー入力装置。
【請求項10】 特定の入力信号が施錠システムの施錠を意図する信号であることを特徴とする請求項9記載の磁界型キー入力装置。
【請求項11】 加速度センサ又は重力センサを一体に有することを特徴とする請求項1ないし10の何れか一に記載の磁界型キー入力装置。
【請求項12】 請求項1ないし11の何れか一に記載の磁界型キー入力装置と、この磁界型キー入力装置により操作される制御対象機器を所有する加入者との契約に基づき前記制御対象機器を監視する監視機器と、この監視機器と前記加入者の所有する通信機器との間で情報の授受を行なう通信装置と、を備える監視システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁界型キー入力装置及び監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、情報の入力装置としては、キーボードを代表例とし、さらに、必要に応じてマウス、トラックボール等のポインタ装置が用いられている。ここに、キーボード等にあっては、設置のための占有スペースを必要とし、電子機器の小型化等に支障をきたす等の欠点がある。
【0003】そこで、特開平11−53153号公報によれば、設置のためのスペースを全く必要としない情報入力装置として、爪の表面につけた物体を指標として、その位置変化を検出手段により検出することにより、情報を伝達させるようにしたものが提案されている。より具体的には、例えば指標は爪の表面にコーティングしたコーティング材を利用するものとし、検出手段としてはカメラが撮影する被写体映像を基にするようにしている。
【0004】また、特開平10−149256号公報によれば、空間位置を直感的に分かりやすく入力できる三次元座標入力装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平11−53153号公報例の場合、入力操作部分にはキーボード等を必要とせず設置のためのスペースを全く必要としないものの、入力装置全体で考えると、検出手段としてのカメラ等を必要とし、結果的に、複雑かつ大型化してしまうものである。
【0006】また、特開平10−149256号公報例の三次元座標入力装置の場合、構造が複雑である。
【0007】このようなことから、情報入力装置としては、高性能にして小型・軽量で簡便化を図る点ではまだ十分とはいえず、改良の余地が多分にある。
【0008】そこで、本発明は、小型・軽量で高性能な磁界型キー入力装置を提供することを目的とする。
【0009】また、本発明は、ポインタ入力として簡便な三次元入力も可能な磁界型キー入力装置を提供することを目的とする。
【0010】併せて、上記磁界型キー入力装置を利用することでビジネス展開を図れる監視システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の磁界型キー入力装置は、指先で操作される磁界発生用部材の動きに反応する磁気抵抗効果素子、巨大磁気抵抗効果素子、トンネル磁気抵抗効果素子、磁気インピーダンス素子又は電磁誘導コイルによるキーセンサが複数個並列に配列されている。
【0012】従って、薄膜技術等を用いて作製される磁気抵抗効果素子(MR素子)、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)、トンネル磁気抵抗効果素子(TMR素子)又は磁気インピーダンス素子(MI素子)又は電磁誘導コイルによるキーセンサが複数個並列に配列されており、指先で操作される磁界発生用部材の動きをキーセンサにより磁気的に検知するように構成したので、高性能に検知できる上に、小型・軽量化を図ることができ、簡易な情報入力装置を提供できる。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の磁界型キー入力装置において、前記磁界発生用部材が、磁性部材を内在し、又は、磁性塗料が塗布されたつけ爪である。
【0014】従って、入力操作側をつけ爪により簡単に構成できる。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項1記載の磁界型キー入力装置において、前記磁界発生用部材が、爪に磁性塗料を塗布したコート材である。
【0016】従って、爪に磁性塗料を塗布したコート材を磁界発生用部材として利用することで、入力操作側を簡単に実現できる。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一に記載の磁界型キー入力装置において、隣接する2個の前記キーセンサの検出信号間の差動をとる差動演算手段と、この差動演算手段の差動出力に基づき前記キーセンサに対する前記磁界発生用部材の動きを検出する信号検出手段と、所定時間経過後に前記差動演算手段による差動の取り方を異なる方向で隣接する2個の前記キーセンサの検出信号間の差動をとるように切り替えるスイッチング手段と、を備える。
【0018】従って、キーセンサによる検知動作につき、隣接する2個のキーセンサの検出信号間の差動をとることにより、微弱な磁界変化をより高精度に検知できる。また、所定時間経過後には差動の取り方を異なる方向で隣接する2個のキーセンサの検出信号間の差動をとるように切り替えることにより、指先で操作される磁界発生用部材が移動する場合であっても、その検知分解能を高めることができる。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一に記載の磁界型キー入力装置において、複数の前記キーセンサの検出信号の平均値を算出する平均値算出手段と、この平均値算出手段により算出された前記平均値に対する個々のキーセンサの検出信号の差動をとる差動演算手段と、この差動演算手段の差動出力に基づき前記キーセンサに対する前記磁界発生用部材の動きを検出する信号検出手段と、を備える。
【0020】従って、基本的には請求項4記載の発明の場合と同様であるが、磁界強度の変化が極端に変動するような場合であっても、平均値処理を経ることにより、ノイズ分に関して時間的、空間的に平均化可能となり、ノイズ分を除去した高性能な検知動作が可能となる。
【0021】請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一に記載の磁界型キー入力装置において、前記磁界発生用部材に対して各キーセンサによる検知部近傍で一時的に磁化する磁界印加手段を備える。
【0022】従って、磁界強度の変化が極端に変動する場合であっても、磁界印加手段によって各キーセンサによる検知部近傍で磁界発生用部材を一時的に磁化することにより、安定した磁界強度の入力となり、検知動作が安定する。
【0023】請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一に記載の磁界型キー入力装置において、前記キーセンサ面上に設定された検知領域内での前記磁界発生用部材の平面的な動きを予め設定された閾値との比較に基づきポインタ入力と判断するポインタ入力判定手段を備える。
【0024】従って、基本的に各キーセンサに対する指先の操作時には通常のキー入力操作となるが、キーセンサ面上に設定された検知領域内での指先、即ち、磁界発生用部材の平面的な動きはポインタ入力とすることができ、ポインタ入力装置の機能も併せ持つこととなる。
【0025】請求項8記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一に記載の磁界型キー入力装置において、前記キーセンサ面上空に設定された検知領域内での前記磁界発生用部材の3次元的な動きを前記各キーセンサの検出出力の強度分布に基づき3軸ベクトルによるポインタ入力と判断するポインタ入力判定手段を備える。
【0026】従って、基本的には請求項7記載の発明の場合と同様であるが、特に、磁界発生用部材の3次元的な動きを各キーセンサの検出出力の強度分布に基づき3軸ベクトルによるポインタ入力と判断することで、ポインタ入力装置において簡便な3次元入力が可能となる。
【0027】請求項9記載の発明は、請求項1ないし8の何れか一に記載の磁界型キー入力装置において、指先で操作されて前記キーセンサにより検出される前記磁界発生用部材の特定の動きを特定の入力信号とする。
【0028】従って、指先で操作されてキーセンサにより検出される磁界発生用部材の特定の動きを特定の入力信号とすることで、当該磁気型キー入力装置による入力情報を特定の命令信号等に活用することができる。
【0029】請求項10記載の発明は、請求項9記載の磁界型キー入力装置において、特定の入力信号が施錠システムの施錠を意図する信号である。
【0030】従って、請求項9記載の発明の適用例の一例として、指先で操作されてキーセンサにより検出される磁界発生用部材の特定の動きを、施錠システムにおける施錠信号として活用することができる。
【0031】請求項11記載の発明は、請求項1ないし10の何れか一に記載の磁界型キー入力装置において、加速度センサ又は重力センサを一体に有する。
【0032】従って、加速度情報又は重力情報を併せ持つことにより、より精密な情報の入力が可能となる。
【0033】請求項12記載の発明の監視システムは、請求項1ないし11の何れか一に記載の磁界型キー入力装置と、この磁界型キー入力装置により操作される制御対象機器を所有する加入者との契約に基づき前記制御対象機器を監視する監視機器と、この監視機器と前記加入者の所有する通信機器との間で情報の授受を行なう通信装置と、を備える。
【0034】従って、請求項1ないし11の何れか一に記載の磁界型キー入力装置を活用することにより、加入者と結んだ契約に沿った監視動作を監視機器により行い、その監視結果を逐次加入者側に対して通知することで、監視上の異常や問題点の指摘の情報を各加入者に提供するコンサルタント的なビジネス展開が可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1に基づいて説明する。本実施の形態の磁界型キー入力装置1は、長方形状で掌サイズ程度の小型のケース2の表面(操作面)に複数個(例えば、5個)のボタン形状のキーセンサ3a〜3eを直線上に並列に配列させることにより構成されている。ここに、各々個別のキー情報が割り当てられた各キーセンサ3a〜3eはTMR素子(トンネル磁気抵抗効果素子)により構成されている。
【0036】このようなTMR素子は、近年において見出された現象、即ち、強磁性体と絶縁膜と強磁性体との接合構造により形成されて、両強磁性体の磁化の相対角度に依存してトンネル効果が現れる強磁性体トンネル効果という現象を利用したもので、例えば、特開平10−91925号公報、特開平10−255231号公報中にも記載されているように、S.Maekawa and V.Gafvert等は、IEEETrans.Magn.,MAG−18,707(1982)において、磁性体/絶縁体/磁性体結合で両磁性層の磁化の相対角度に依存してトンネル効果が現れることが規定されることを理論的、実験的に示している。このようなTMR素子における強磁性体トンネル効果は非常に高い磁場感度を有することが知られている。
【0037】このようなキーセンサ3a〜3eは指先4で操作されるものであり、この指先4における爪にはつけ爪5が取付けられている。このつけ爪5は近づけたときにその微弱な磁界変化に対して各キーセンサ3a〜3eが磁気的に反応する磁界発生用部材として機能するものであり、つけ爪5自身が磁性部材を内在し、或いは、表面に磁性塗料が塗布されている。もっとも、つけ爪5に限らず、指先4の爪に磁性塗料を塗布したコート材を磁界発生用部材として機能させるようしてもよい。何れにしても入力操作側は簡便に構成ないしは実現できる。
【0038】この他、図1では特に図示しないが、ケース2内には各キーセンサ3a〜3eにより検出される検出信号を増幅する増幅回路、増幅された信号を適宜演算処理する演算回路等が内蔵されている。内蔵回路の出力側はPC、その他のIT機器等に対して適宜接続されており、この磁界型キー入力装置1が情報入力装置として機能する。
【0039】このような構成において、当該磁界型キー入力装置1を用いてキー情報を入力する場合には、指先4の爪につけ爪5をつけて所望のキーセンサ3a〜3e部分に近づける(或いは、押圧操作する)。この操作において、つけ爪5が一番近づいたキーセンサ3a,3b,3c,3d又は3eがその磁界変化を検知して最も大きな検出出力を生ずる。これにより、指先4でキーセンサ3a〜3e中のどのキーを操作したかを特定することができ、キー入力情報として出力させることができる。もっとも、キーセンサ3a〜3eの個々の検出信号自身に依らず、隣接する2個のキーセンサの検出信号間の差動をとるようにすれば、指先4がキーセンサ群上のどの位置に位置しているかも認識でき、微弱な磁界変化を確実に検知することができる。この結果、各キーセンサ3a〜3eの個別操作のみならず、キーセンサ3a〜3e面上で指先4(つけ爪5)をほぼ平行に移動させた場合にも磁界変化の移動により移動状態をも検出することが可能となり、後述するようなポインタ入力も可能となる。
【0040】従って、本実施の形態の磁界型キー入力装置1によれば、薄膜技術等を用いて作製されるTMR素子によるキーセンサ3a〜3eが複数個並列に配列されており、指先4で操作されるつけ爪5の動きをキーセンサ3a〜3eにより磁気的に検知するように構成したので、高性能に検知できる上に、小型・軽量化を図ることができ、簡易な情報入力装置を提供できる。
【0041】なお、本実施の形態では、キーセンサ3a〜3eをTMR素子により構成した例で説明したが、TMR素子に限らず、磁気抵抗効果素子(MR素子)、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)又は磁気インピーダンス素子(MI素子)又は電磁誘導コイルによりキーセンサ3a〜3eを構成してもよい。
【0042】本発明の第二の実施の形態を図2に基づいて説明する。第一の実施の形態で説明した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の各実施の形態でも順次同様とする)。
【0043】本実施の形態の磁気型キー入力装置6は、外観的には図1の場合と同様であるが、ケース2内に内蔵の回路構成を工夫したものである。即ち、本実施の形態にあっては、キーセンサ3a〜3fから得られる検出信号に関して適宜スイッチングするスイッチング手段としてのデータ切り替えスイッチ7と、キーセンサ3a〜3fから得れる検出信号のうち、隣接する2個のキーセンサの検出信号間の差動をとる差動演算手段としての差動増幅部8と、差動増幅部8から得られる差動出力を所定の基準値と比較することによりつけ爪5の動きを検出する信号検出手段としての比較部9とを備えた回路構成とされている。なお、図2では模式的に示すためこれらのデータ切り替えスイッチ7、差動増幅部8及び比較部9がケース2外に描かれているが、実際には、ケース2内に内蔵されている(後述する実施の形態でも同様である)。ここに、データ切り替えスイッチ7は、キーセンサの検出出力を検知した後、所定時間が経過すると、2個のキーセンサに関する差動のとり方を異なる隣接方向となるように切り替える切り替え機能を有している。
【0044】このような構成において、指先4の操作に基づくつけ爪5から発生する磁界を一連のキーセンサ3a〜3eにより検知する場合に、その検出信号をデータ切り替えスイッチ7によるスイッチングの下に隣接する2個のキーセンサの検出信号間の差動を差動増幅部8によりとり、比較部9で比較する一方、所定時間経過後には異なる方向に隣接するキーセンサとの差動を差動増幅部8によりとり、比較部9で比較し、入力状態を把握する。
【0045】例えば、キーセンサ3bに関してキーセンサ3cの検出信号との差動を差動増幅部8によりとった後、所定時間が経過したら、今度は、キーセンサ3b,3cの検出信号間の差動を差動増幅部8によりとる、といった具合である。これによれば、検知側についてもその対象を時間と共に移動させているので、つけ爪5の移動時の検知分解能を高めることができる。
【0046】本発明の第三の実施の形態を図3に基づいて説明する。本実施の形態の磁気型キー入力装置10は、外観的には図1の場合と同様であるが、ケース2内に内蔵の回路構成を工夫したものである。即ち、本実施の形態にあっては、キーセンサ3a〜3fから得られる検出信号に関して適宜スイッチングするスイッチング手段としてのデータ切り替えスイッチ11と、キーセンサ3a〜3fから得られる全ての検出信号の平均値を算出する平均値算出手段としての平均値回路12と、この平均値回路12により算出された平均値と各キーセンサ3a〜3eの検出信号との間の差動をとる差動演算手段としての差動増幅回路13と、差動増幅回路13から得られる差動出力を所定の基準値と比較することによりつけ爪5の動きを検出する信号検出手段としての比較部14とを備えた回路構成とされている。ここに、データ切り替えスイッチ11は、差動増幅回路13に対して各キーセンサ3a〜3eの検出出力を順次個別に出力するようにスイッチングする切り替え機能を有している。
【0047】このような構成において、指先4の操作に基づくつけ爪5から発生する磁界を一連のキーセンサ3a〜3eにより検知する場合に、全てのキーセンサ3a〜3eの検出出力に関して平均値回路12によりその平均値を算出し、算出されたこの平均値を用いて各キーセンサ3a〜3eの検出出力につき差動増幅回路13で差動をとり、さらに、比較部14で所定値と比較することによりつけ爪5の動きの様子を検出する。
【0048】従って、本実施の形態によれば、つけ爪5の磁界強度の変化が極端に変動するような場合であっても、各キーセンサ3a〜3eの検出出力に関して平均値回路12により平均値を算出する平均値処理を経ることにより、ノイズ分に関して時間的、空間的に平均化が可能となり、ノイズ分を除去した高性能な入力操作の検知動作が可能となる。
【0049】本発明の第四の実施の形態を図4に基づいて説明する。本実施の形態の磁気型キー入力装置15では、磁界印加手段としての外部アシスト磁界が付加されている。即ち、ケース2内において、各キーセンサ3a〜3e毎に近接させてヨーク16a〜16eが設けられ、これらのヨーク16a〜16eに共通な永久磁石17が設けられている。これらのヨーク16a〜16e及び永久磁石17により磁界印加手段18が構成されている。ここに、各キーセンサ3a〜3eは永久磁石17では磁気飽和しないように構成されている。具体的には、キーセンサ3a〜3eを構成する磁性薄膜の異方性磁界よりも弱い磁界強度の永久磁石17とされ、かつ、つけ爪5の有する磁性部材の抗磁力よりも大きな磁界を発生させるように構成されている。
【0050】このような構成において、指先4の操作により或るキーセンサ3a〜3e、例えばキーセンサ3aにつけ爪5を近づけると、このつけ爪5の磁性部材又は磁性塗料が永久磁石17及びヨーク16aを通じて一時的に磁化され、この磁化状態でキーセンサ3aによる検知を受けることとなる。他のキーセンサ3b〜3eに対してつけ爪5を近づけた場合も同様である。
【0051】よって、本実施の形態によれば、磁界強度の変化が極端に変動する場合であっても、磁界印加手段18によって各キーセンサ3a〜3eによる検知部近傍でつけ爪5の磁性部材又は磁性塗料を一時的に磁化することにより、安定した磁界強度の入力となり、検知動作が安定する。
【0052】本発明の第五の実施の形態を図5及び図6に基づいて説明する。本実施の形態の磁気型キー入力装置19では、キーセンサ3a〜3e面上につけ爪5の検知領域20がほぼ平行に設定されており、この検知領域20内でのつけ爪5(指先4)のキーセンサ3a〜3e面にほぼ平行な動きをポインタ入力として判断するように構成されている。このポインタ入力として判断するため、ケース2内蔵の回路構成において、比較部14に対して比較対象として設定された信号閾値21と、比較部14の出力に基づき信号値変動の様子を検知する信号値変動検知部22とが付加されてポインタ入力判定手段23が構成されている。
【0053】信号値変動検知部22の出力(即ち、磁気型キー入力装置19の出力)は、例えば、パソコン24に入力されている。
【0054】このような構成において、つけ爪5(指先4)がキーセンサ3a〜3e面上なる検知領域20でほぼ平行な動きをしている場合には、検知すべき各キーセンサ3a〜3eの個別の検出信号は予め設定された所定の信号閾値21を超えないため、比較部14による比較結果に対して、信号値変動検知部22ではキー入力ではなくポインタ入力と判断する。そして、そのときのつけ爪5の移動を個別のキーセンサ3a〜3eの信号での変動により把握される。このように判断されたポインタ入力の情報は、例えば、パソコン24において画面25上でポイント26として表示されることによりポインタ入力として具現される。
【0055】なお、本実施の形態において、つけ爪5(指先4)で各キーセンサ3a〜3eに対して近づける操作をした場合には、平行移動の場合とは異なり、対応するキーセンサの出力が信号閾値21を越えるため、通常のキー入力として把握される。
【0056】本発明の第六の実施の形態を図7及び図8に基づいて説明する。本実施の形態の磁気型キー入力装置27では、キーセンサ3a〜3e面上空につけ爪5の検知領域28が設定されており、この検知領域28内でのつけ爪5(指先4)の3次元的な動きを3軸ベクトルによるポインタ入力として判断するように構成されている。このポインタ入力として判断するため、ケース2内蔵の回路構成において、比較部14に対して比較対象として設定された信号閾値29と、比較部14の出力に基づき3軸方向のベクトル成分を検知する3軸成分検知部30とが付加されてポインタ入力判定手段31が構成されている。
【0057】従って、基本的には、第五の実施の形態の場合と同様であるが、特に、つけ爪5の検知領域28内での3次元的な動きを各キーセンサ3a〜3eの検出出力の強度分布及び予め設定された信号閾値29に基づき3軸ベクトルによるポインタ入力と判断することで、パソコン等に対するポインタ入力装置として簡便な3次元入力が可能となる。
【0058】本発明の第七の実施の形態を図9に基づいて説明する。本実施の形態は、例えば、図7及び図8に示した磁気型キー入力装置27を利用して、指先4(つけ爪5)の特定の動きをパソコン24に対する命令信号として把握するように構成した適用例を示す。
【0059】図9はこの場合の処理例を模式的に示す説明図である。まず、磁気型キー入力装置27を利用して手を握る→開く等の一連の動き(特定の動き)を3軸ベクトルによる入力軌跡として把握し、パソコン24のメモリ32に記憶させる。さらに、パソコン24においてはメモリ32に記憶させたこの動作軌跡をパソコン24に対する所定の命令に当てはめ、メモリ32に記憶させる。このような設定下に、任意の或る時点で磁気型キー入力装置27を通じて指先4(つけ爪5)のある動作が検知された場合、パソコン24においてはその動作軌跡とメモリ32に記憶されている動作軌跡とを照合し、こられの軌跡が一致していれば正当な入力操作であると判断し、その動作に割り当てられている命令を実行する。
【0060】従って、本実施の形態によれば、磁気型キー入力装置27をパソコン24に対する命令入力用機器として利用することができる。
【0061】本発明の第八の実施の形態を図10に基づいて説明する。本実施の形態は、基本的には第七の実施の形態と同様であるが、例えば、図7及び図8に示した磁気型キー入力装置27を利用して、指先4(つけ爪5)の特定の動きを施錠システムを構成するマイコン構成の施錠制御機器33に対する施錠信号として把握するように構成した適用例を示す。
【0062】図10はこの場合の処理例を模式的に示す説明図である。まず、磁気型キー入力装置27を利用して手を握る→開く等の一連の動き(特定の動き)を3軸ベクトルによる入力軌跡として把握し、施錠制御機器33のメモリ34に記憶させる。さらに、施錠制御機器33においてはメモリ34に記憶させたこの動作軌跡を当該施錠制御機器33に対する施錠信号に当てはめ、メモリ34に記憶させる。このような設定下に、任意の或る時点で磁気型キー入力装置27を通じて指先4(つけ爪5)のある動作が検知された場合、施錠制御機器33においてはその動作軌跡とメモリ34に記憶されている動作軌跡とを照合し、こられの軌跡が一致していれば正当な入力操作であると判断し、その動作に割り当てられている施錠信号に従って施錠動作を実行する。
【0063】従って、本実施の形態によれば、磁気型キー入力装置27を施錠制御機器33に対する施錠命令入力用機器として利用することができる。
【0064】本発明の第九の実施の形態を図11に基づいて説明する。本実施の形態は、前述の第八の実施の形態において、磁気型キー入力装置27として加速度センサを一体に有するものを用いたものである。
【0065】前述したように3軸入力の軌跡を施錠制御機器33のメモリ34に記憶させるわけであるが、この動作軌跡には自転を伴った情報が含まれていないので、本実施の形態では、この自転情報を検知し、動作軌跡の位置情報の精度を向上させるために磁気型キー入力装置27に加速度センサを一体に付加したものである。これにより、より精密な情報の入力が可能となる。
【0066】なお、図11では施錠制御機器33と磁気型キー入力装置27とが導線(有線)で接続されているが、無線接続であってもよい。また、加速度センサに代えて、重力センサを一体に備えてもよい。
【0067】本発明の第十の実施の形態を図12に基づいて説明する。本実施の形態は、前述の第八の実施の形態に示した磁気型キー入力装置27を利用して構築したセキュリティシステムなる監視システム35への適用例を示す。
【0068】本実施の形態の監視システム35は、事業者と磁気型キー入力装置27及び対応する制御対象機器として施錠制御装置33を所有している加入者との間の契約関係により構築されるシステムであって、事業者側では監視センタ36に監視機器としてのホストコンピュータ37を所有し、加入者の施錠制御装置33とは通信装置38を利用して接続されている。この通信装置38は有線/無線を問わず、また、携帯電話等であってもよい。また、ホストコンピュータ37には分析センタ39内の分析用コンピュータ40に接続されている。
【0069】このようなシステム構成において、施錠命令に対応する指先4の特定の動作軌跡の入力情報を施錠制御装置33のメモリ34内に予め記憶させておくとともに、通信装置38を利用して監視センタ36内のホストコンピュータ37に情報を逐一伝達させる。この情報を受けてホストコンピュータ37側では当該加入者との契約に沿って当該施錠制御装置33の監視を行い、その監視結果を逐次加入者側に対して通知することで、監視上の異常や問題点の指摘の情報を各加入者に提供するコンサルタント的なビジネス展開が可能となる。
【0070】このとき、契約によっては、セキュリティ監視の報告に加えて、分析用コンピュータ40による分析結果を加えて監視結果を通知することで、当該加入者により管理の負担を大幅に軽減させることもできる。
【0071】なお、本実施の形態では、施錠関連のセキュリティシステムへの適用例として説明したが、施錠に限らず、加入者との契約によって当該加入者の便宜を提供する各種コンサルタント的なビジネス展開が可能となる。
【0072】
【発明の効果】請求項1記載の発明の磁界型キー入力装置によれば、薄膜技術等を用いて作製される磁気抵抗効果素子(MR素子)、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)、トンネル磁気抵抗効果素子(TMR素子)又は磁気インピーダンス素子(MI素子)又は電磁誘導コイルによるキーセンサが複数個並列に配列されており、指先で操作される磁界発生用部材の動きをキーセンサにより磁気的に検知するように構成したので、高性能に検知できる上に、小型・軽量化を図ることができ、簡易な情報入力装置を提供することができる。
【0073】請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の磁界型キー入力装置において、磁界発生用部材を、磁性部材を内在し、又は、磁性塗料が塗布されたつけ爪としたので、入力操作側をつけ爪により簡単に構成することができる。
【0074】請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の磁界型キー入力装置において、磁界発生用部材を、爪に磁性塗料を塗布したコート材としたので、入力操作側を簡単に実現することができる。
【0075】請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし3の何れか一に記載の磁界型キー入力装置において、キーセンサによる検知動作につき、隣接する2個のキーセンサの検出信号間の差動をとるようにしたので、微弱な磁界変化をより高精度に検知でき、また、所定時間経過後には差動の取り方を異なる方向で隣接する2個のキーセンサの検出信号間の差動をとるように切り替えるようにしたので、指先で操作される磁界発生用部材が移動する場合であっても、その検知分解能を高めることができる。
【0076】請求項5記載の発明によれば、基本的には請求項4記載の発明の場合と同様であるが、磁界強度の変化が極端に変動するような場合であっても、平均値処理を経るようにしたので、ノイズ分に関して時間的、空間的に平均化可能となり、ノイズ分を除去した高性能な検知動作が可能となる。
【0077】請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし5の何れか一に記載の磁界型キー入力装置において、磁界強度の変化が極端に変動する場合であっても、磁界印加手段によって各キーセンサによる検知部近傍で磁界発生用部材を一時的に磁化することにより、安定した磁界強度の入力となり、検知動作を安定させることができる。
【0078】請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし6の何れか一に記載の磁界型キー入力装置において、キーセンサ面上に設定された検知領域内での磁界発生用部材の平面的な動きを予め設定された閾値との比較に基づきポインタ入力と判断するポインタ入力判定手段を備えるので、基本的に各キーセンサに対する指先の操作時には通常のキー入力操作となるが、キーセンサ面上に設定された検知領域内での指先、即ち、磁界発生用部材の平面的な動きはポインタ入力とすることができ、ポインタ入力装置の機能も併せ持つこととなる。
【0079】請求項8記載の発明によれば、請求項1ないし6の何れか一に記載の磁界型キー入力装置において、基本的には請求項7記載の発明の場合と同様であるが、特に、磁界発生用部材の3次元的な動きを各キーセンサの検出出力の強度分布に基づき3軸ベクトルによるポインタ入力と判断することで、ポインタ入力装置において簡便な3次元入力が可能となる。
【0080】請求項9記載の発明によれば、請求項1ないし8の何れか一に記載の磁界型キー入力装置において、指先で操作されてキーセンサにより検出される磁界発生用部材の特定の動きを特定の入力信号とするようにしたので、当該磁気型キー入力装置による入力情報を特定の命令信号等に活用することができる。
【0081】請求項10記載の発明によれば、請求項9記載の発明の適用例の一例として、指先で操作されてキーセンサにより検出される磁界発生用部材の特定の動きを、施錠システムにおける施錠信号として活用することができる。
【0082】請求項11記載の発明によれば、請求項1ないし10の何れか一に記載の磁界型キー入力装置において、加速度センサ又は重力センサを一体に有し、加速度情報又は重力情報を併せ持つことにより、より精密な情報の入力が可能となる。
【0083】請求項12記載の発明の監視システムによれば、請求項1ないし11の何れか一に記載の磁界型キー入力装置を活用することにより、加入者と結んだ契約に沿った監視動作を監視機器により行い、その監視結果を逐次加入者側に対して通知することで、監視上の異常や問題点の指摘の情報を各加入者に提供するコンサルタント的なビジネス展開が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000221937
【氏名又は名称】東北リコー株式会社
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成12年11月9日(2000.11.9)
【代理人】 【識別番号】100101177
【弁理士】
【氏名又は名称】柏木 慎史 (外2名)
【公開番号】 特開2002−149303(P2002−149303A)
【公開日】 平成14年5月24日(2002.5.24)
【出願番号】 特願2000−341907(P2000−341907)