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【発明の名称】 データ処理装置
【発明者】 【氏名】中田 和宏

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】クロック信号線とデータ信号線を有し、クロック信号に同期してデータをシリアル転送するデータ処理装置において、シリアル転送の各転送サイクル毎に転送周期を変化させる手投を有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】クロック信号線とデータ信号線を有し、クロック信号に同期してデータをシリアル転送するデータ処理装置において、クロック信号を生成するための元となる原振信号を発生させる原振信号発生手段と、所定のパターンを生成するパターンジェネレータと、前記原振信号発生手段からの原振信号と前記パターンジェネレータからのパターンが入力され、前記原振信号から該パターンに応じて分周比の異なるクロック信号を発生する分周器と、を有することを特徴とするデータ処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明はクロック信号線とデータ信号線を有し、クロック信号に同期してデータをシリアル転送するデータ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クロック信号線とデータ信号線を用いたシリアル転送は、送信回路と受信回路の双方とも簡単な構成で実現できる上に転送に必要な信号線が少なくてよいために、様々なデータ処理装置で広く使用されている。例えばシリアルプリンタにおいてはキャリッジに搭載した印刷ヘッドで印刷を行うが、プリンタの制御基板から印刷ヘッドへのデータ転送にシリアル転送が使用される。印刷ヘッドは160本のインクジェットノズルを有し、電気回路としては160ビットのシフトレジスタ、160ビットのラッチ回路および各ノズルの駆動回路を備えている。ラッチ回路に格納された各ビットデータが各ノズルの印刷データに対応づけられる。
【0003】図5に従来例におけるシリアル転送のタイミングチャートを示す。クロック信号CLKとデータ信号DATAで160ビットのデータがシリアル転送され、印刷ヘッド内のシフトレジスタに格納される。格納されたデータはラッチ信号LATによってラッチ回路に格納され印刷データとして使用される。シフトレジスタとラッチ回路の2段構成とすることにより、ラッチ回路のデータで印刷している間に次に印刷データをシフトレジスタに格納することができる。転送周期Tを200nsとすると、クロック信号の周波数は5MHzとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで情報処理装置はデータ処理に伴う高速な電気信号の変化が電磁波の発生源となるため、電磁波を発生することを目的としない装置であっても電磁波を発生している。この電磁波は不要輻射と呼ばれ、近傍のテレビやラジオに雑音を発生させたり、他の情報処理装置の誤動作の原因となったりするため、できる限り小さい方が好ましい。また不要輻射は多くの国で規制されており、規定値以上の不要輻射を発生する装置は出荷することができない。そのため不要輻射を規定値以下に抑えることは必要不可欠となっている。
【0005】しかしながら、情報処理装置の処理速度を向上させるために、シリアル転送においても転送時間を短くする必要が生じ、転送のクロック周波数は上がる傾向にある。これが不要輻射を増大させる原因となっている。とりわけシリアル転送は情報処理装置の中でも比較的長い距離を伝達させるために不要輻射を発生しやすい傾向にある。
【0006】プリンタにおいてもプリンタの制御基板から印刷ヘッドヘのデータ転送には数十cm程度の長さのフレキシブルケーブル等を使用することが多く、このケーブルがアンテナとしての作用を果たして不要輻射を発生しがちである。
【0007】図5のクロック信号の周波数成分のグラフを図6に示す。図6では不要輻射を発生しやすい40MHzから160MHzまでの周波数範囲を表示している。クロック周波数5MHzの2倍である10MHzおきに強いピークが発生している。これらの周波数においては不要輻射レベルにおいてもピークを生じる可能性が高い。ピーク値を規定値以下に抑えるためには、高価なシールド対策を施したりノイズフィルタ等の部品を使用する必要が生じる。これらの対策が情報処理装置の価格を上昇させる原因となっていた。あるいは不要輻射レベルを下げるためにシリアル転送のクロック周波数を下げざるを得なくなるなど、不要輻射が転送速度の高速化を妨げる要因となっていた。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、安価な方法で転送クロックを低下させること無く不要輻射を低減可能なデータ処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のデータ処理装置はシリアル転送の各転送サイクル毎に転送周期を変化させる手段を有する。
【0010】上記構成によれば不要輻射の周波数を分散して輻射レベルを抑えることが可能である。
【0011】
【実施例】以下図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は本発明を実施したデータ処理装置の一つであるプリンタの制御回路の主要構成を示すブロック図である。図1において、1はCPU、2はROM、3はパラレルインターフェース、4はプリンタコントロールIC、5はRAM、6は印刷ヘッド、8はキャリッジモータ、9は紙送りモータである。10はシリアル転送回路である。
【0012】CPU1はプリンタ全般を制御するもので、プログラムを実行するプロセッサ部の他にタイマー機能、入出力ポート等を内蔵する。ROM2はCPU1が実行するプログラムや制御に必要な各種データを内蔵する。パラレルインターフェース3はコンピュータ等のホストシステムに接続され、印字データやコマンドを受信する。プリンタコントロールIC4はバス信号でCPU1に接続され、CPU1からの指示に基づいてパラレルインターフェース3、RAM5、印刷ヘッド6を制御する。RAM5は受信データや画像データ等の格納に使用される。印刷ヘッド6は160本のインクジェットノズルが一列に配列されたインクジェットヘッドであり、プリンタコントロールIC4によって制御される。プリンタコントロールIC4から印刷ヘッド6へのデータ転送には、クロック信号CLK、データ信号DATA、ラッチ信号LATの3本の信号線を用いたシリアル転送が使用される。キャリッジモータ8はCPU1によって制御され、キャリッジを主走査方向に走査する。紙送りモータ9はCPU1によって制御され、印刷媒体を副走査方向に搬送する。シリアル転送回路10はプリンタコントロールIC4に内蔵され印刷ヘッド6へのデータ転送を実行する。
【0013】図2はシリアル転送回路10の構成を示すブロック図である。図2において、21は制御部、22はパターンジェネレータ、23は分周器、24はカウンタ、25はシフトレジスタである。制御部21は転送回路の制御とラッチ信号LATの出力を行う。パターンジェネレータ22はシフトレジスタをベースとした回路であり、信号PERに特定のパターンを出力することによって、シリアル転送の各転送サイクル毎の転送周期を決定する。分周器23は原振25MHzを分周してクロック信号CLKを出力する。原振を何分周するかは信号PERのレベルによって決まる。カウンタ24はクロックをカウントして転送データ数を管理する。シフトレジスタ25は8ビットのパラレルデータ信号D[7:0〕をシリアルデータに変換してデータ信号DATAに出力する。パラレルデータ信号D[7:0]はシリアル転送8ビット毎に更新される。
【0014】図3は転送回路10の動作を示すタイミングチャートである。制御部21はSTART信号の開始パルスを受けて動作を開始する。制御部21はLAT信号にパルスを出力した後、パターンジェネレータ22を初期化し、分周器23とカウンタ24の動作を有効にする。LAT信号のパルスは先に印刷ヘッドへシリアル転送しておいたデータをヘッド内のラッチ回路に格納させる。パターンジェネレータ22はCLK信号をクロックとして特定のパターンをPER信号に出力する。分周器24はPER信号がLレベルの時には原振を4分周し、PER信号がHレベルの時には原振25MHzを6分周してCLK信号を出力する。原振が25MHzなので、4分周した時の周期Tlは160ns、6分周した時の周期T2は240nsになる。カウンタ24はCLK信号をカウントし、160クロック目すなわちカウンタの値が159の時にSTOP信号をHレベルにする。制御部21はSTOP信号を受けて動作を終了する。シフトレジスタ25はCLK信号をクロックとしてパラレルデータD[7:0]をシリアルデータに変挨してデータ信号DATAに出力する。
【0015】以上の動作により160ビットのデータがシリアル転送される。各転送サイクルの周期はパターンジェネレータ22の出力するパターンに基づいて周期毎に変化する。T1とT2の比率が2対1になっているので、平均的な転送周期は186.7nsとなり、実質的な転送周波数は5.36MHzになる。
【0016】図3のクロック信号の周波数成分を図4に示す。図4では図6に比べてピークが分散してピークの高さが低くなっているので不要輻射のピークも低くなる。従って図5に示したシリアル転送の転送周波数が5MHzであったのに対し、図3で示したシリアル転送では実質的な転送周波数が上がっているにもかかわらず、不要輻射のレベルは低く抑えることが可能なのである。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、クロック信号に同期してデータをシリアル転送するデータ処理装置において、シリアル転送の各転送サイクル毎に転送周期を変化させる手段を有することにより、転送クロックを低下させること無く不要輻射を低減することが可能になる。
【0018】さらには輻射レベルが抑えられることにより、シールド材やノイズフィルタ等のノイズ対策部品を減らしてデータ処理装置のコストを低減することが可能になる。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成12年10月24日(2000.10.24)
【代理人】 【識別番号】100087583
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 増顕 (外1名)
【公開番号】 特開2002−132709(P2002−132709A)
【公開日】 平成14年5月10日(2002.5.10)
【出願番号】 特願2000−323575(P2000−323575)