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【発明の名称】 電子メール装置及び電子メール転送装置
【発明者】 【氏名】奥村 晃弘

【要約】 【課題】電子メールの本文しか表示しないシステムであっても送付先情報を知ることができる装置を実現する。

【解決手段】フィールド抽出部101は、電子メールのヘッダから電子メールの送付先を抽出する。送付先情報作成部102は、抽出された送付先に対応した送付先情報を作成する。送付先情報追加部103は、作成された送付先情報を電子メールの本文の最初に追加する。送信部106は、送付先情報追加部103で処理された電子メールを送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子メールのヘッダから当該電子メールの送付先を抽出するフィールド抽出部と、前記フィールド抽出部が抽出した送付先に対応した送付先情報を作成する送付先情報作成部と、前記送付先情報作成部が作成した送付先情報を前記電子メールの本文に追加する送付先情報追加部と、前記送付先情報追加部で処理された電子メールを送信する送信部とを備えたことを特徴とする電子メール装置。
【請求項2】 受信した電子メールを予め設定された転送先に転送する電子メール転送装置において、前記電子メールのヘッダから当該電子メールの送付先を抽出するフィールド抽出部と、前記フィールド抽出部が抽出した送付先に対応した送付先情報を作成する送付先情報作成部と、前記送付先情報作成部が作成した送付先情報を前記電子メールの本文に追加する送付先情報追加部と、前記転送先に対して、前記送付先情報追加部で処理された電子メールを送信する送信部とを備えたことを特徴とする電子メール転送装置。
【請求項3】 受信した電子メールを予め設定された転送先に転送する電子メール転送装置において、前記電子メールのヘッダから当該電子メールの送付先を抽出するフィールド抽出部と、前記フィールド抽出部が抽出した送付先に対応した送付先情報を作成する送付先情報作成部と、前記送付先情報作成部で作成した送付先情報に対して、電子メールアドレスを予め設けられた置き換え文字列に置き換える機能と、電子メールアドレスを当該電子メールアドレスに付随したコメントに置き換える機能と、電子メールアドレスの文字列の一部を予め設けられた省略表記用文字列に基づいて省略する機能と、複数の電子メールアドレスがあった場合に予め設けられた優先順位情報に基づいて当該複数の電子メールアドレスの並べ替えを行う機能のうち、少なくとも一つの機能を備えた送付先情報最適化部と、前記送付先情報最適化部で処理した送付先情報を前記電子メールの本文に追加する送付先情報追加部とを備えたことを特徴とする電子メール転送装置。
【請求項4】 電子メールのヘッダから当該電子メールの送付先を抽出するフィールド抽出部と、前記フィールド抽出部が抽出した送付先に対応した送付先情報を作成する送付先情報作成部と、前記送付先情報作成部で作成した送付先情報に対して、電子メールアドレスを予め設けられた置き換え文字列に置き換える機能と、電子メールアドレスを当該電子メールアドレスに付随したコメントに置き換える機能と、電子メールアドレスの文字列の一部を、予め設けられた省略表記用文字列に基づいて省略する機能と、複数の電子メールアドレスがあった場合に予め設けられた優先順位情報に基づいて当該複数の電子メールアドレスの並べ替えを行う機能のうち、少なくとも一つの機能を備えた送付先情報最適化部と、前記送付先情報最適化部で処理した送付先情報を表示指示する表示依頼部とを備えたことを特徴とする電子メール装置。
【請求項5】 請求項3に記載の電子メール転送装置または請求項4に記載の電子メール装置において、置き換え文字列と、省略表記用文字列と、優先順位情報は個人毎に設定されていることを特徴とする電子メール転送装置または電子メール装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子メールの送付先情報を表示できるようにした電子メール装置及び電子メール転送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子メールの特徴の一つに同報通信の機能がある。宛先に複数のアドレスを記述することによって簡単に同じ内容の電子メールを複数個所に送ることが可能である。このように簡単に同じ内容の電子メールを出せるので、以下のような利用がなされている。
【0003】Aさんが直接伝えたいのはBさんだけだが、Aさんは自分がBさんに電子メールを送ったということとその内容をCさんにも伝えておきたい場合には、宛先とは別にCc(カーボンコピーの略、写しという意味)と呼ばれる項目にCさんのアドレスを記述しておく。こうすれば、同じ内容の電子メールがBさんとCさんに送られ、この電子メールをCさんが受け取ったときに、Cさんは自分のアドレスは宛先ではなくCcに書かれていることから、Aさんが直接自分に伝えたかったのではないことを知ることができる。このように、電子メールを読む利用者にとっては本文以外の宛先やCcの情報も非常に重要なものとなっている。
【0004】また、電子メールを受信できる携帯電話や携帯情報端末の普及により、電子メールを様々な種類の端末で見ることができるようになった。このような事態に対して、従来技術として例えば、特開平5−153159号公報に記載されているように、送信先の端末に応じてメール本文(ボディ)の形態(ボディ形式)を自動変換する技術がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】[問題点1]上記の特開平5−153159号公報に記載されている技術では、宛先側でサポートしているボディ形式に自動変換し、各宛先別の電子メールを作成し発信する、とされている。しかしながら、この場合、宛先別の電子メールを作成したために本来の電子メールの宛先情報が失われてしまう。具体例で説明すると、一般に宛先にはAさんBさんCさんのアドレスが記述されている場合、例えばAさんは同じ内容の電子メールがBさんとCさんにも届けられていることを知ることができる。しかし、この電子メールに自動ボディ変換が必要だった場合に上記の方法に従えば、宛先別の電子メールが作成されているため、Aさんに届けられる電子メールの宛先にはAさんのアドレスしか記述されておらず、Aさんは同じ内容の電子メールがBさんとCさんに届けられていることを知ることができない。上記の従来技術の項でも説明したように、電子メールを読む利用者にとって本文以外の宛先やCcの情報も非常に重要なものであるため、これらの情報が失われてしまうことは電子メールを有効に利用したコミュニケーションを阻害することにもなる。
【0006】[問題点2]また、他の例として、携帯電話などで利用できる簡易化された電子メール機能の場合、受信した電子メールの宛先やCcの情報を見ることができない場合もある。この場合も上記と同様の問題が発生していた。
【0007】[問題点3]更に、宛先やCcの情報が存在した場合であっても、電子メールの受信者にとっては必ずしも見やすいものではないという問題もあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を解決するため次の構成を採用する。
〈構成1〉電子メールのヘッダから電子メールの送付先を抽出するフィールド抽出部と、フィールド抽出部が抽出した送付先に対応した送付先情報を作成する送付先情報作成部と、送付先情報作成部が作成した送付先情報を電子メールの本文に追加する送付先情報追加部と、送付先情報追加部で処理された電子メールを送信する送信部とを備えたことを特徴とする電子メール装置。
【0009】〈構成2〉受信した電子メールを予め設定された転送先に転送する電子メール転送装置において、電子メールのヘッダから電子メールの送付先を抽出するフィールド抽出部と、フィールド抽出部が抽出した送付先に対応した送付先情報を作成する送付先情報作成部と、送付先情報作成部が作成した送付先情報を電子メールの本文に追加する送付先情報追加部と、転送先に対して、送付先情報追加部で処理された電子メールを送信する送信部とを備えたことを特徴とする電子メール転送装置。
【0010】〈構成3〉受信した電子メールを予め設定された転送先に転送する電子メール転送装置において、電子メールのヘッダから電子メールの送付先を抽出するフィールド抽出部と、フィールド抽出部が抽出した送付先に対応した送付先情報を作成する送付先情報作成部と、送付先情報作成部で作成した送付先情報に対して、電子メールアドレスを予め設けられた置き換え文字列に置き換える機能と、電子メールアドレスを電子メールアドレスに付随したコメントに置き換える機能と、電子メールアドレスの文字列の一部を予め設けられた省略表記用文字列に基づいて省略する機能と、複数の電子メールアドレスがあった場合に予め設けられた優先順位情報に基づいて当該複数の電子メールアドレスの並べ替えを行う機能のうち、少なくとも一つの機能を備えた送付先情報最適化部と、送付先情報最適化部で処理した送付先情報を電子メールの本文に追加する送付先情報追加部とを備えたことを特徴とする電子メール転送装置。
【0011】〈構成4〉電子メールのヘッダから電子メールの送付先を抽出するフィールド抽出部と、フィールド抽出部が抽出した送付先に対応した送付先情報を作成する送付先情報作成部と、送付先情報作成部で作成した送付先情報に対して、電子メールアドレスを予め設けられた置き換え文字列に置き換える機能と、電子メールアドレスを電子メールアドレスに付随したコメントに置き換える機能と、電子メールアドレスの文字列の一部を、予め設けられた省略表記用文字列に基づいて省略する機能と、複数の電子メールアドレスがあった場合に予め設けられた優先順位情報に基づいて複数の電子メールアドレスの並べ替えを行う機能のうち、少なくとも一つの機能を備えた送付先情報最適化部と、送付先情報最適化部で処理した送付先情報を表示指示する表示依頼部とを備えたことを特徴とする電子メール装置。
【0012】〈構成5〉構成3に記載の電子メール転送装置または構成4に記載の電子メール装置において、置き換え文字列と、省略表記用文字列と、優先順位情報は個人毎に設定されていることを特徴とする電子メール転送装置または電子メール装置。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて詳細に説明する。
【0014】《具体例1》具体例1は、電子メールを送信する場合に送付先情報の作成を行う電子メール装置である。
【0015】〈構成〉図1は、本発明の電子メール装置の具体例1を示す構成図である。図の装置は、フィールド抽出部101、送付先情報作成部102、送付先情報追加部103、電子メール記憶部104、処理部105、送信部106、受信部107、IF部108、電子メール保管部109からなる。
【0016】フィールド抽出部101は、処理対象の電子メールのヘッダの中から必要なフィールドを抽出する機能を有している。送付先情報作成部102は、フィールド抽出部101で抽出されたフィールド情報を加工し送付先情報を作成する機能を有している。送付先情報追加部103は、送付先情報作成部102で加工された送付先情報を処理対象の電子メールに追加する機能を有している。電子メール記憶部104は、処理対象の電子メールを一時的に記憶する機能を有している。処理部105は、送信メールの作成および送信などの電子メール装置としての一般的な処理を行う機能部である。送信部106は、電子メールの送信処理を行う機能部である。受信部107は、電子メールの受信処理を行う機能部である。IF部108は、装置のユーザインタフェースを提供する機能部である。電子メール保管部109は、届いた電子メールや書きかけの電子メールなどの保管を行う機能を有している。尚、上記フィールド抽出部101〜送付先情報追加部103、処理部105は、それぞれの処理に対応した機能のソフトウェアと、このソフトウェアを実行するためのプロセッサやメモリ等のハードウェアとから実現されている。また、電子メール記憶部104は、半導体メモリ等の記憶装置上に実現されている。
【0017】〈動作〉次に、上記構成の具体例1の動作を説明する。本装置は全体として電子メールの読み書きを行う電子メール装置として動作する。一般の電子メール装置との違いは電子メールの送信時の動作のみであるため、その動作について説明する。
【0018】図2は、具体例1の動作フローチャートである。利用者はIF部108を通して送信すべき電子メールを電子メール保管部109に作成し、処理部105に対して送信指示を出したとする。処理部105は、IF部108から送信指示を受けると、電子メール保管部109から送信する電子メールを取り出し、電子メール記憶部104に送る。電子メール記憶部104は受け取った電子メールを一時的に記憶する(ステップS101)。フィールド抽出部101は電子メール記憶部104に記憶された電子メールのヘッダから順に1フィールドを取り出す(ステップS102)。送付先情報作成部102は、フィールド抽出部101で取り出したフィールドに対してフィールド名が“To”または“Cc”であるかを調べる(ステップS103)。このステップS103で“To”または“Cc”であった場合、これらのフィールド“To”および“Cc”毎にフィールドの内容をまとめて送付先情報を構成する(ステップS104)。そして、ヘッダ内の全てのフィールドを取り出したかどうかを調べ(ステップS105)、全てのフィールドを取り出した場合はステップS106に進み、違う場合はステップS102に戻る。一方、ステップS103で、“To”または“Cc”でなかった場合は、ステップS105に進み、ヘッダ内の全てのフィールドを取り出したかどうかを調べる。
【0019】ステップS106では、送付先情報追加部103は送付先情報作成部102が作成した送信先情報を受け取り、電子メール記憶部104に記憶された電子メールの本文の最初に追加する。そして、送信部106は、送付先情報追加部103から処理済みの電子メールを受け取り、これを送信する(ステップS107)。
【0020】図3は、作成された送信メールの説明図である。図示のように、本文の最初に送付先(To)と写し(Cc)の情報が存在するため、本文のみで、このような情報を知ることができる。
【0021】〈効果〉以上のように具体例1の電子メール装置によれば、電子メールのヘッダから送付先情報を抽出し、この送付先情報を電子メールの本文の先頭に追加するようにしたので次のような効果がある。
●従来のようなボディ変換を行う場合であっても、本具体例による送付先情報追加処理後であれば、本来の宛先およびCcの情報が本文の最初に付加してあるため、問題点1を解決することができる。即ち、誰に送ったのか、また、写しとして送られたのか、他にも送ったのかを知ることができる。
●受信後に電子メールの宛先やCcを確認できない端末であっても、同等の内容を本文の先頭に送付先情報として付加してあるので、問題点2を解決することができる。即ち、この場合も、誰に送ったのか、また、写しとして送られたのか、他にも送ったのかを知ることができる。
【0022】《具体例2》具体例2は、受信した電子メールを、携帯電話等の予め設定された転送先に転送する場合に上記具体例1と同様の処理を行うようにしたものである。
【0023】〈構成〉図4は、具体例2の電子メール転送装置の構成図である。図の装置は、フィールド抽出部101、送付先情報作成部102、送付先情報追加部103、電子メール記憶部104、送信部106、受信部107、送付先情報最適化部201、最適化情報記憶部202からなる。ここで、送付先情報最適化部201および最適化情報記憶部202以外の構成は、具体例1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0024】送付先情報最適化部201は、送付先情報を読みやすい形式に変換する機能部である。具体的には、最適化情報記憶部202に記憶されている最適化情報に基づき、アドレスを予め決められた表現に変換したり、アドレスの並べ替えを行う機能を有しており、その詳細については動作の項で説明する。最適化情報記憶部202は、転送先の環境や好みに合わせて個人毎に設定された最適化情報を記憶する記憶部である。
【0025】図5は、最適化情報の説明図である。図示例では、最適化情報として、書換情報202aと、デフォルトドメイン202bと、最大表示数設定値202cとが設定されている例を示している。書換情報202aは、送付先情報最適化部201が、メールアドレスの置換処理を行う場合に使用する置き換え文字列のデータベースで、例えば、アドレス“ito@cs1.co.jp”は置き換え文字列“自分宛”といったように設定されている。デフォルトドメインは、送付先情報最適化部201が省略表記処理を行う場合に使用する省略表記用文字列の情報であり、この情報がメールアドレスのドメインに含まれるか否かに基づいて省略表記を行うものである。また、最大表示数設定値は送付先の最大表示数を示すもので、例えばこれが“3”である場合は、送付先を三つまで表示するといったように設定されている。以上のような最適化情報が個人毎に予め設定されている。
【0026】〈動作〉次に、動作について説明する。図6は、具体例2の動作を示すフローチャートである。先ず、受信部107で処理対象の電子メールを受信すると、これを電子メール記憶部104に送る(ステップS201)。例えば、電子メールは次のような情報を含んでいるとする。図7は、受信した電子メールの一例を示す説明図である。図示のように、To:brian@asd.qwerty.com〜From:inoue@cs1.xyz.co.jpといったヘッダ情報と、“いつもお世話になっております。…”といった本文から構成されている。
【0027】電子メール記憶部104は、この電子メールを一時的に記憶する(ステップS202)。次に、フィールド抽出部101は、電子メール記憶部104に記憶されている電子メールのヘッダから順に1フィールド取り出し(ステップS203)、フィールド名が“To”または“Cc”であるかどうか調べる(ステップS204)。ステップS204で該当した場合は、フィールド“To”および“Cc”毎にフィールドの内容をまとめて送付先情報を作成する(ステップS205)。
【0028】ステップS205の終了後およびステップS204で該当しない場合は、ヘッダ内の全てのフィールドを取り出したかどうかを調べ(ステップS206)、そうでない場合は、ステップS203に戻り、全てのフィールドを取り出すまで上記の処理を繰り返す。ステップS206において全てのフィールドが終了した場合、図7の例では、To:brian@asd.qwerty.com〜Cc:yamada@soumu.xyz.co.jp,kawakami@is1.xyz.co.jp,kitayama@is2.xyz.co.jpが取り出される。
【0029】ステップS206において全てのフィールドが終了した場合、送付先情報最適化部201は、ステップS205で作成した送付先情報を受け取り、最適化情報記憶部202を参照しながら送付先情報の最適化を行う(ステップS207)。尚、この最適化処理については後述する。次に、送付先情報追加部103は、送付先情報最適化部201にて最適化された送付先情報を受け取り、電子メール記憶部104の本文の最初に追加する(ステップS208)。
【0030】図8は、図7の電子メールの最適化処理後の状態を示す説明図である。図示のように、本文の先頭に、送付先の情報と写しの情報が設けられている。尚、これら送付先および写しの情報の詳細については、後述する最適化処理および省略表記処理で説明する。図6に戻り、送信部106は、送付先情報追加部103から処理済みの電子メールを受け取り、予め設定されている転送先に対してこれを送信する(ステップS209)。
【0031】次に、上記ステップS207の送付先情報の最適化処理について説明する。図9は、送付先情報の最適化処理を示すフローチャートである。送付先情報最適化部201は、先ず、送付先情報(図7におけるTo:brian@asd.qwerty.com〜Cc:yamada@soumu.xyz.co.jp,kawakami@is1.xyz.co.jp,kitayama@is2.xyz.co.jp)から一つの送付先を取り出す(ステップS301)。次に、送付先の電子メールアドレスを取り出し、最適化情報記憶部202(DB)に当該アドレスの置き換え文字列が設定されているかどうかを調べる(ステップS302)。設定されている場合は、その送付先を設定されていた文字列に置き換える(ステップS303)。例えば、“manager@xyz.co.jp”はその置き換え文字列が図5に示す書換情報202aに存在しているので、その置き換え文字列“マネージャー全員”に置き換えられる。一方、ステップS302において、設定されていない場合は、送付先に電子メールアドレス以外のコメントが含まれているかどうかを検査する(ステップS304)。尚、コメントとは、電子メールアドレスのフィールドにおいて、電子メールアドレス以外の情報を意味しており、例えば、丸括弧の中の“=?ISO-2022JP?B?GyRCRC5FRBsoSiA=?=”がコメントに相当する。
【0032】ステップS304において、コメントが含まれていた場合は、そのコメントがMIMEエンコードされているかどうかを調べる(ステップS305)。尚、MIMEエンコードとは、インターネットの電子メールで日本語など英語以外の言語や、マルチメディア・データを送るための拡張仕様のエンコードである。MIMEエンコードされている場合は、これをデコードし送付先と置き換える(ステップS306)。例えば、図8の写し中、“町田”と表示されているのは、コメント部分の“=?ISO-2022JP?B?GyRCRC5FRBsoSiA=?=”をMIMEデコードした結果である。このように、最適化情報に置き換え文字列が設定されていないアドレスであってもコメントがある場合はコメントへの置き換えが行われる。一方、ステップS305において、MIMEエンコードされていない場合は、そのまま送付先とコメントを置き換える(ステップS307)。また、上記ステップS304において、コメントがなかった場合は、送付先の電子メールアドレスから省略表記を作成し、送付先をこれに置き換える(ステップS308)。尚、この省略表記処理については後述する。以上、ステップS303、ステップS306、ステップS307、ステップS308の後、全ての送付先を取り出したかどうかを調べ(ステップS309)、そうでない場合は、ステップS301に戻って上記の処理を繰り返す。
【0033】次に、送付先情報最適化部201は、最適化情報記憶部202より優先順位情報を取り出す(ステップS310)。そして、この優先順位情報に基づいて送付先の並べ替えを行う(ステップS311)。
【0034】次に、最適化情報記憶部202より送付先の最大表示数を取り出し(ステップS312)、送付先の数が最大表示数を超えている場合は、超過分の送付先の表示は省略し、その他x件などと件数のみを把握できるようにする(ステップS313)。本具体例では最大表示数が3に設定されているため、送付先や写しで3名を超えるものについては、その他x名と表示する。図8に示すように、写しの5名のうち3名のみ表示が行われ、他のアドレスはその他2名といった表示になっている。
【0035】次に、上記ステップS308の省略表記の作成について更に詳しく説明する。図10は、省略表記処理を示すフローチャートである。省略表記処理として、先ず、最適化情報記憶部202からデフォルトドメインの設定値を取り出す(ステップS401)。本具体例では、図5に示すように、“xyz.co.jp”である。次に、電子メールアドレスの文字列を所定の表記規則に従って分解する(ステップS402)。
【0036】図11は、電子メールアドレスの分解の説明図である。以下の説明では、“@”より左側をユーザ名部分、右をドメイン部分と呼ぶ。また、ドメイン部分は“.”を区切りとして分解し、右から順に第1ドメイン部分、第2ドメイン部分、…と呼ぶ。
【0037】次に、上記ステップS401で得たデフォルトドメインと、ステップS402で分解したドメイン部分を右詰めで比較し、デフォルトドメインがドメイン部分に含まれるかどうかを検査する(ステップS403)。含まれている場合は、デフォルトドメインとドメイン部分が完全に一致するかどうかを検査する(ステップS404)。このステップS404において、完全には一致しなかった場合は、デフォルトドメインの一つ左のドメイン部分を取り出し、省略表記のドメイン部分とする(ステップS405)。つまり、デフォルトドメインが第nドメイン部分まであったとすると、第n+1ドメイン部分を利用する。上記ステップS404において、デフォルトドメインとドメイン部分が完全に一致した場合は、ユーザ名部分を省略表記とし(ステップS406)、終了する。
【0038】上記ステップS403において、デフォルトドメインを含まない場合は、第1ドメイン部分が2文字かどうかを調べる(ステップS407)。2文字ではなかった場合は、第2ドメイン部分を省略表記のドメイン部分とし(ステップS408)、2文字であった場合は、第3ドメイン部分を省略表記のドメイン部分とする(ステップS409)。これらのステップS408、S409およびS405の後、ユーザ名部分と省略表記のドメイン部分を“@”で連結することによって、省略表記を作成し(ステップS410)、処理を終了する。
【0039】デフォルトドメインには例えば自分の所属する会社や大学などのドメインを指定しておけば、そのドメインに関してはサブドメインを表示するので、更に詳細に知ることができる。ステップS407で第1ドメイン部分が2文字かどうか調べているのは、第1ドメイン部分が2文字の場合は国を示しているからである。第1ドメイン部分が国を表しているか、そうでないかで重要情報が存在するドメイン部分が違っている。
【0040】図12は、省略表記の処理結果の例を示す説明図である。図示のように、例えば、デフォルトドメイン“xyz.co.jp”を含む“yamada@pc645.cs1.xyz.co.jp”や“kawakami@is1.xyz.co.jp”は、それぞれ省略表記されて、“yamada@cs1”や“kawakami@is1”となっている。また、デフォルトドメイン“xyz.co.jp”を含まない“brian@qwerty.com”は、“brian@qwerty”となっている。
【0041】次に、具体例2の全体について最適化処理の段階毎に図示例を参照して説明する。図13は、最適化処理の段階毎の説明図である。図中の(a)は、上記ステップS207の最適化処理の直前の状態を示しており、ここでは、Toフィールドをまとめて“送付先:”以降に列挙してある。同様にCcフィールドは“写し:”以降に列挙してある。図中(b)は、ステップS310に移った時点、即ち、置き換え文字列に置き換えられ、また、コメントがあるものはコメントに置き換えられ、かつ、省略表記処理が行われた時点での送付先情報を示している。図示のように、いくつかのアドレスが図5に示す最適化情報に基づいて置き換えられ、また、省略表記されている。また、図5の最適化情報では設定されていないアドレスであっても、コメント(この例では丸括弧の中)がある場合は、コメントへの置き換えが行われている。“町田”と表示されているのは、上述したように、コメント部分の“=?ISO-2022JP?B?GyRCRC5FRBsoSiA=?=”をMIMEデコードした結果である。
【0042】図中(c)は、ステップS312に移った時点、即ち、送付先情報の並べ替えが終了した時点の送付先情報である。例えば、並べ替え前の送付先が、“brian@qwerty,マネージャー全員,自分宛”であったものが、“自分宛,マネージャー全員,brian@qwerty”と優先順位に従って並べ替えられている。また、図中(d)は、ステップS313を終了した時点、即ち、最大表示数に合わせて整形した後の送付先情報の説明図である。図示のように、最大表示数が3に設定されているため、“写し”の表示を最初の三つまでに削減している。
【0043】このような最適化処理を行った後に得られる電子メールが図8の電子メールである。上述した図13の(d)に示す送付先情報が本文の最初に挿入されている。
【0044】〈効果〉以上のように、具体例2によれば、送付先情報を本文に表示すると共に、送付先情報を最適化するようにしたので、次のような効果がある。
●具体例1に示したような電子メール装置ではない従来の電子メール装置を使って送信された電子メールであっても、具体例1と同様の処理が行え、問題点2を解決することができる。
●電子メールを誰が受け取るのか予め分かっている場合は、その人に合わせた最適化処理ができる。
●アドレスだけでは具体的に誰を指しているかわかりにくいが、最適化処理によりこれらを氏名やニックネームなどの分かり易い表現に置き換えることができる。これにより、その電子メールがどのような人に送られたかを簡単に理解することができ、問題点3を解決することができる。
●最大表示数の設定ができるため、送付先情報の量が必要以上に多くなることがない。このため、携帯電話のように受信可能な文字数に制限がある端末に送る場合であっても、送付先情報が多すぎて本文が送信できなくなるといった問題が発生しない。
●優先順位による並べ替えができるため、最大表示数が少ない場合であってもより重要な送付先を残すことができる。
【0045】《具体例3》具体例3は、任意の電子メールに対して最適化処理を行えるようにした電子メール装置である。
【0046】〈構成〉図14は、具体例3の構成図である。図示の装置は、フィールド抽出部101、送付先情報作成部102、電子メール記憶部104、送信部106、受信部107、IF部108、電子メール保管部109、送付先情報最適化部201、最適化情報記憶部202、表示依頼部301からなる。ここで、表示依頼部301以外の構成は、具体例1、2と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。表示依頼部301は、作成した送付先情報の画面表示をIF部108に依頼する機能部である。
【0047】〈動作〉次に動作について説明する。本具体例の電子メール装置は、全体として電子メールの読み書きを行う電子メール装置として動作する。一般の電子メール装置との違いは電子メールの送付先表示動作だけであるため、その動作についてのみ説明し他の動作は省略する。
【0048】図15は、具体例3の送付先表示動作を示すフローチャートである。利用者はIF部108を通して表示すべき電子メールを電子メール保管部109から選択し、処理部105に対して表示指示を出したとする。先ず、従来の電子メール装置と同じ動作を行い、処理部105はその電子メールを電子メール保管部109より取り出し、IF部108に表示を依頼する(ステップS501)。次に、本具体例特有の動作として、その電子メールを電子メール記憶部104に渡す。電子メール記憶部104は受け取った電子メールを一時的に記憶する。
【0049】次に、フィールド抽出部101は電子メールのヘッダから順に1フィールド取り出す(ステップS502)。そして、フィールド抽出部101は、フィールド名が“To”または“Cc”であるかを調べる(ステップS503)。このステップS503で“To”または“Cc”であった場合、これらのフィールド“To”および“Cc”毎にフィールドの内容をまとめて送付先情報を構成する(ステップS504)。そして、ヘッダ内の全てのフィールドを取り出したかどうかを調べ(ステップS505)、全てのフィールドを取り出した場合はステップS506に進み、違う場合はステップS502に戻る。一方、ステップS503で、“To”または“Cc”でなかった場合は、ステップS505に進み、ヘッダ内の全てのフィールドを取り出したかどうかを調べる。
【0050】次に、送付先情報最適化部201は、ステップS504で作成した送付先情報を受け取り、最適化情報記憶部202を参照しながら送付先情報の最適化を行う(ステップS506)。このステップS506の最適化処理は、具体例2におけるステップS207の最適化処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。次に、表示依頼部301は、送付先情報最適化部201からの最適化済みの送付先情報を受け取り、IF部108に当該表示を依頼する(ステップS507)。
【0051】次に、具体例3の全体について最適化処理の段階毎に具体例2で示した図面を援用して説明する。今、最適化情報記憶部202において、図5の情報が最適化情報として格納されているとする。このような設定状態において、図7に示した電子メールを処理すると、図13(d)に示す内容を表示装置(図示せず)のウインドウなどに表示する。また、IF部108を通じて利用者が指定することにより、図13(d)の表示に代えて図13(b)の表示や図13(c)の表示を行うよう構成してもよい。
【0052】〈効果〉以上のように、具体例3によれば、任意の電子メールに対して具体例2と同様の最適化処理を行って表示するようにしたので、次のような効果がある。
●その場で送付先情報を作成し表示できるので、送信前の電子メールや受信済みの電子メールなどのような電子メールでも処理することができる。
●優先順位による並べ替えの有無を指定できるよう構成すれば、並べ替えをしない状態で本来の記述順序を、並べ替えした状態で利用者にとっての重要度による順序を、それぞれ分かり易い形式で見ることができる。本来の記述順序は差出人にとっての重要度による順序である場合があるので、これらの両方を分かり易い形式で参照できることは有意義である。
【0053】《利用形態》
●上記各具体例では、使用する電子メールのフィールドとして“To”や“Cc”を用いて説明したが、これらのみに限定されるものではない。電子メールの送付先を示す情報であればどのような記述であっても適用可能である。
●具体例1および具体例2において、送付先情報を電子メールの本文の最初に追加するとして説明したが、本文の任意の位置に追加してもよい。また、独自フィールドを設けるなどして、ヘッダ部分に追加するようにしてもよい。この構成であっても、誰に送ったのか、また、写しとして送られたのか、他にも送ったのかを知ることができ、従来の問題点1を解決することができる。
【0054】●具体例2および具体例3において、送付先情報の最適化に個人毎に設定された最適化情報を用いるよう説明したが、このような個人毎の設定は必ずしも必要ではない。即ち、予め設定された最適化情報であれば固定的な最適化情報であってもよい。また、個人毎の設定の代わりに、グループや組織のための設定(複数の利用者で共有する最適化情報)であっても良い。更に、デフォルトドメインに関しても、必ずしも個人毎に設定されていなくてもよく、例えばある固定のデフォルトドメインが設定されていてもよい。また、図5中の書換情報202aのように、電子メールアドレスを姓名等に変換する対応表であれば、各個人で設定する必要はなく、グループや組織で共通のものを用いることができる。
【0055】●具体例2では、最適化処理を行ったが、最適化処理を含まない電子メール転送装置、即ち、具体例1の機能を有する電子メール転送装置であってもよい。
●具体例1の電子メール装置の構成に、具体例3の電子メール装置の構成を加えた構成としてもよい。
●上記各具体例では、送付先情報として、直接の送付先と写しの2種類に分けて取り扱うよう構成したが、送付先情報としてこれらの2種類に限定されるものではない。電子メールの形式としてヘッダに送付先情報がアドレスとして記述されるものであればどの様な形式の電子メールであっても適用可能である。
【出願人】 【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
【出願日】 平成12年10月20日(2000.10.20)
【代理人】 【識別番号】100082050
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 幸男
【公開番号】 特開2002−132667(P2002−132667A)
【公開日】 平成14年5月10日(2002.5.10)
【出願番号】 特願2000−320132(P2000−320132)