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【発明の名称】 バックアップシステム
【発明者】 【氏名】宗像 英明

【要約】 【課題】パーソナルコンピュータ等の端末装置に格納されたプログラムをバックアップ装置によりバックアップするバックアップシステムを提供する。

【解決手段】端末装置1a、1bでは記憶手段に格納されたプログラムを回線3を介してバックアップ装置2に対して送信し、バックアップ装置2では当該端末装置1a、1bからのプログラムを受信して記憶手段に格納(バックアップ)する。また、バックアップ装置2では記憶手段に格納(バックアップ)されたプログラムを回線3を介して端末装置1a、1bに対して送信し、端末装置1a、1bでは当該バックアップ装置2からのプログラムを受信して記憶手段に格納する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自己が実行するプログラムを格納する記憶手段と当該記憶手段に格納されたプログラムを回線を介してバックアップ装置に対して送信する通信手段とを有した端末装置と、端末装置から回線を介して送信されるプログラムを受信する通信手段と当該通信手段により受信したプログラムを格納する記憶手段とを有したバックアップ装置とを備えたことを特徴とするバックアップシステム。
【請求項2】 請求項1に記載のバックアップシステムにおいて、バックアップ装置の通信手段は当該バックアップ装置の記憶手段に格納されたプログラムを回線を介して端末装置に対して送信し、端末装置の通信手段はバックアップ装置から回線を介して送信されるプログラムを受信し、端末装置の記憶手段は当該通信手段により受信したプログラムを格納することを特徴とするバックアップシステム。
【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のバックアップシステムにおいて、バックアップ装置は端末装置のユーザを認証する認証手段と端末装置に対して自己を証明する証明手段とを有し、端末装置の通信手段及びバックアップ装置の通信手段はプログラムを暗号化して通信することを特徴とするバックアップシステム。
【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のバックアップシステムにおいて、バックアップ装置の記憶手段は端末装置に関する情報に基づいて端末装置からのプログラムの格納処理を制御することを特徴とするバックアップシステム。
【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のバックアップシステムにおいて、バックアップ装置の記憶手段は複数のバックアップ方式の中から選択されたバックアップ方式により端末装置からのプログラムを格納することを特徴とするバックアップシステム。
【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のバックアップシステムにおいて、端末装置の通信手段及びバックアップ装置の通信手段は送信対象となるプログラムを含むデータを複数に分割して通信することを特徴とするバックアップシステム。
【請求項7】 請求項6に記載のバックアップシステムにおいて、端末装置の通信手段は送信対象となるプログラムを含むデータをコピーして生成されるデータをエンコードし、エンコードしたデータを複数のパケットデータに分解し、分解した複数のパケットデータをHTTPによりインターネット回線を介してバックアップ装置に対して送信する一方、バックアップ装置からインターネット回線を介して送信される複数のパケットデータをHTTPにより受信し、受信した複数のパケットデータを組み立ててデコードし、端末装置の記憶手段は当該通信手段によりデコードしたデータに含まれるプログラムを格納することを特徴とするバックアップシステム。
【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のバックアップシステムにおいて、バックアップ装置は端末装置から回線を介して自己へ送信される指示に応じて自己の記憶手段に格納された端末装置からのプログラムを含むデータの一部を削除する削除手段を有したことを特徴とするバックアップシステム。
【請求項9】 自己が実行するプログラムを格納する記憶手段と当該記憶手段に格納されたプログラムを中継局装置に対して送信する通信手段とを有した端末装置と、端末装置から送信されるプログラムを受信するとともに受信したプログラムを専用回線を介してバックアップ装置に対して送信する通信手段を有した中継局装置と、中継局装置から専用回線を介して送信されるプログラムを受信する通信手段と当該通信手段により受信したプログラムを格納する記憶手段とを有したバックアップ装置とを備えたことを特徴とするバックアップシステム。
【請求項10】 請求項9に記載のバックアップシステムにおいて、バックアップ装置の通信手段は当該バックアップ装置の記憶手段に格納されたプログラムを専用回線を介して中継局装置に対して送信し、中継局装置の通信手段はバックアップ装置から専用回線を介して送信されるプログラムを受信するとともに受信したプログラムを端末装置に対して送信し、端末装置の通信手段は中継局装置から送信されるプログラムを受信し、端末装置の記憶手段は当該通信手段により受信したプログラムを格納することを特徴とするバックアップシステム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばコンピュータネットワークの分野において、特にインターネット回線を通じてユーザの端末装置からの電子データをバックアップ装置により預かり、預かった電子データを必要に応じてバックアップ装置からユーザの端末装置へ送信(転送)するバックアップシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータが爆発的に普及し、多くの人々がそれぞれ自分専用のコンピュータを所有するに至った。また、パーソナルコンピュータは、軽量、小型化され、所有者はどこにでも自分のコンピュータを持ち運び、様々な用途に使用するようになった。
【0003】このようなパーソナルコンピュータでは、その所有者の使い方によって、様々なカスタマイズが行われる。所有者は、インターネットへの接続設定、プリンタへの接続設定など、所有者の利用環境によって個別の設定を行う。また、所有者は電子メールや文書作成、グラフィックツールなど、用途に応じて必要なアプリケーションプログラムをコンピュータにインストールして使用する。
【0004】また、今日、WWW(World Wide Web)サーバに各種アプリケーションプログラムを用意し、アプリケーションの利用者がWWWブラウザからそのアプリケーションを呼び出して使用する仕組みが広がっている。しかし、この場合には、利用者はそのアプリケーションが動作可能なWWWブラウザ、プラグインプログラムをコンピュータにインストールしておく必要があり、基本的には、アプリケーションプログラムそのものをコンピュータにインストールしておくことと大きな差はない。
【0005】また、企業では、SOHO(Small Office Home Office)や、営業活動の支援のために、企業内イントラネットで運用されている各種業務システムをどこからでも利用可能とする環境を整えつつある。社員に配られるパーソナルコンピュータには、各種業務システムを使用するためのクライアントプログラム、WWWブラウザ、各種プラグインプログラムなどがインストールされている。
【0006】以上に述べたように、パーソナルコンピュータは、その所有者の使い方によって、様々なカスタマイズが為されている。しかし、パーソナルコンピュータの特に記憶装置は、今日では信頼性が向上して確率は非常に低くなったが、故障により大切なデータ及び所有者に固有のコンピュータ利用環境を失ってしまう可能性を秘めている。従って、大切なデータ及び所有者固有のコンピュータ利用環境を保護して、トラブルがあったときでも、早急に復旧を可能とするには、ソフトウェアバックアップを取る必要がある。パーソナルコンピュータのソフトウェアバックアップを取るためには、DDS3テープ、DVD−RAMなどの大容量記録メディア、及びそれらの駆動装置、駆動ソフトウェアプログラム、バックアップを実行するプログラムが必要になる。
【0007】ここで、企業内では、専用のサーバコンピュータを用意して、ソフトウェアバックアップの機能をイントラネットで共有できる場合がある。また、イントラネットに限定せず、バックアップのサービスを提供するセンタを用意する場合もある。例えば特開2000−78070号公報には、携帯電話機に入力した住所録、スケジュールなどのバックアップデータを、専用のセンタに転送して預け、必要に応じて携帯電話機に取り込むサービスに関する技術が記載されている。また、例えば“http://www.backup.com”というURL(Uniform Resource Locator)のサイトには、ユーザのファイルを自動的にバックアップして当該ファイルをオンライン上でユーザからアクセス可能とするサービスに関する記載がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例で述べたように、パーソナルコンピュータは、その所有者の使い方によって、様々なカスタマイズが行われている。そして、大切なデータ及び所有者に固有のコンピュータ利用環境を保護して、トラブルがあったときでも、早急に復旧を可能とするには、ソフトウェアバックアップを取る必要がある。パーソナルコンピュータのソフトウェアバックアップを取るためには、専用の装備が必要となる。
【0009】しかし、現状では、パーソナルコンピュータにソフトウェアバックアップのために必要な全ての機能が標準装備されることはないので、誰もがソフトウェアバックアップを取る装備を用意することは難しい。企業内では、専用のサーバコンピュータを用意して、ソフトウェアバックアップの機能を共有できる場合があるが、バックアップの作業及びメディアの管理は自己責任であったりして、全ての社員が利用できるサービスには至っていない。
【0010】このため、パーソナルコンピュータの所有者は、備付のフロッピー(登録商標)ディスク装置や、ネットワーク機能と他のコンピュータの記憶装置を使って、大切なデータをファイル単位でコピーし、これをバックアップとしている。アプリケーションプログラムなどを含んだコンピュータ利用環境のバックアップは多くの場合実現できていない。
【0011】もし、パーソナルコンピュータの記憶装置が故障して、パーソナルコンピュータが一切動作をしなくなった場合、最悪でも、メーカーへ修理依頼を行えば、新品の工場出荷状態にまで戻すことはできる。大切なデータも、他のメディアにコピーを取ってあれば失わずに済む。しかし、これでは、あらためて自分のコンピュータ利用環境を整えるべく、アプリケーションプログラムのインストールをし直す必要があり、貴重な時間を浪費してしまうことになる。
【0012】なお、上述のように、特開2000−78070号公報には、携帯電話機の住所録、スケジュールなどのバックアップデータをセンタに預けるサービスに関する技術が記載されている。しかし、携帯電話機は現在急激に進化を遂げてきているものの、アプリケーションプログラムをインストールして機能を追加することはないので、バックアップデータは住所録のエントリなどのコンテンツのみでよい。データも数十MBという大きなサイズになることは考えられない。
【0013】これに対して、例えばパーソナルコンピュータの場合には、アプリケーションプログラムを含んだバックアップデータは、数十MBを超えて数GBという巨大なサイズにもなり得る。この場合、巨大なサイズになり得るデータを扱うための工夫が必要になってくる。
【0014】以上、説明してきた通り、従来では、例えばコンピュータのアプリケーションプログラムなどを含んだコンピュータ利用環境のバックアップが十分に実現されていなかったため、このようなバックアップを行うことがユーザにとって困難であり、利便性が悪いといった不具合があった。
【0015】本発明は、このような従来の事情に鑑みなされたもので、例えばパーソナルコンピュータ等の端末装置に格納されたアプリケーションプログラム等をインターネット回線等を介してバックアップ装置により預かることなどができ、これにより、このようなアプリケーションプログラム等のバックアップを行うことなどをユーザにとって簡易化することができるバックアップシステムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明に係るバックアップシステムでは、端末装置とバックアップ装置とが回線を介して接続される構成において、次のようにして、端末装置に格納されたプログラムをバックアップ装置により格納(バックアップ)する。すなわち、端末装置では、記憶手段が自己(当該端末装置)が実行するプログラムを格納し、通信手段が当該記憶手段に格納されたプログラムを回線を介してバックアップ装置に対して送信する。また、バックアップ装置では、通信手段が端末装置から回線を介して送信されるプログラムを受信し、記憶手段が当該通信手段により受信したプログラムを格納する。
【0017】従って、端末装置に格納されたプログラムを回線を介してバックアップ装置により預かる(バックアップする)ことができ、これにより、このようなプログラムのバックアップを行うことをユーザにとって簡易化することができる。また、(例えばプログラムの実行により作成等される文書等のデータばかりでなく、)プログラムのデータをバックアップすることができるため、例えば端末装置に格納されたプログラムが故障等により失われてしまった場合でも、当該端末装置のプログラム格納状態を元の状態に戻すことが可能であり、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0018】なお、バックアップ装置により格納されたプログラムは、例えばフロッピーディスク等の記録媒体を介して端末装置へ戻されてもよいが、本発明では、好ましい態様として、このようなプログラムを回線を介して端末装置へ戻す。すなわち、本発明に係るバックアップシステムでは、バックアップ装置の通信手段が当該バックアップ装置の記憶手段に格納されたプログラムを回線を介して端末装置に対して送信し、端末装置の通信手段がバックアップ装置から回線を介して送信されるプログラムを受信し、端末装置の記憶手段が当該通信手段により受信したプログラムを格納する。
【0019】ここで、端末装置としては、例えば自己のメモリに格納したプログラムを実行するような種々な装置が用いられてもよく、具体的には、ノートパソコン等のパーソナルコンピュータなどを用いることができる。なお、端末装置として、例えば自己のメモリに格納したプログラムを通信する機能を有した携帯電話機を用いることも可能である。
【0020】また、端末装置の記憶手段やバックアップ装置の記憶手段としては例えばプログラムを格納するメモリを用いて構成することができ、この場合、メモリとしては種々なメモリが用いられてもよい。また、回線としては、例えばインターネット回線が用いられるのが好ましいが、専用回線等の種々な回線が用いられてもよく、また、例えば有線回線が用いられてもよく、無線回線が用いられてもよい。
【0021】また、本発明に言うプログラムとしては、種々なプログラムが用いられてもよい。具体的には、例えば基本ソフトウエアであるオペレーティングシステム(OS:Operating System)やコンパイラやライブラリが用いられてもよく、また、例えばアプリケーションソフトウエアのプログラムが用いられてもよい。
【0022】なお、OSとは、一般に、CPU(Central Processing Unit)やメモリや周辺機器等を管理するソフトウエアのことであり、装置(コンピュータ等)を動作させるための必須なプログラム群である。また、コンパイラとは、一般に、高級言語で記述されているプログラムを機械語から成るプログラムへ変換するプログラムである。また、ライブラリとは、一般に、複数のプログラムを集めたものである。
【0023】また、本発明では、例えば端末装置に格納されたプログラムのデータと共に当該端末装置に格納された(プログラム以外の)文書等のデータやOS等の環境設定(カスタマイズ)に関するデータ(レジストリ−データ等)などを当該端末装置から回線を介してバックアップ装置へ送信し、これらのデータをバックアップ装置により格納する態様も包含している。
【0024】ここで、本発明では、例えば端末装置に格納された全てのデータをバックアップ装置へ送信してバックアップすることが行われてもよく、また、例えば端末装置に格納されたデータの一部(なお、当該一部はプログラムを含む)をバックアップ装置へ送信してバックアップすることが行われてもよい。なお、好ましい態様としては、例えば端末装置に格納された全てのデータ(例えば基本ソフトウエアのデータや、アプリケーションソフトウエアのデータや、環境設定に関するデータや、その他のデータ)をバックアップ装置へ送信してバックアップすると、これらのデータが当該端末装置において失われてしまった場合においても、当該バックアップされたデータを用いて当該端末装置を元の状態に戻すことができる。
【0025】また、本発明に係るバックアップシステムでは、バックアップ装置の認証手段が端末装置のユーザを認証し、バックアップ装置の証明手段が端末装置に対して自己(当該バックアップ装置)を証明し、また、端末装置の通信手段及びバックアップ装置の通信手段はプログラムを暗号化して通信する。
【0026】従って、例えばバックアップ装置にアクセスしてくる端末装置のユーザを認証することや、当該端末装置に対して当該バックアップ装置を証明することや、端末装置とバックアップ装置との間で暗号化通信を行うことにより、バックアップされるプログラム(等のデータ)のセキュリティを高めることができる。
【0027】ここで、端末装置のユーザを認証する仕方としては、種々な仕方が用いられてもよく、例えばユーザ名とパスワードとの組を確認(認証)する仕方や、例えばパブリック・キー・インフラストラクチャ(PKI)に基づくデジタル証明書を用いて認証する仕方などを用いることができる。また、端末装置に対して自己を証明する仕方としても、例えば同様な仕方などを用いることができる。
【0028】また、通信に用いられる暗号化の方式としては、種々な方式が用いられてもよく、通常は、送信側の装置が送信対象となる(プログラム等の)データを暗号化した後に送信する一方、受信側の装置が当該暗号化データを受信した後に、当該暗号化データを送信側の暗号化方式と対応する復号化方式により復号化して元のデータ(つまり、暗号化される前のデータ)を得る。
【0029】また、本発明に係るバックアップシステムでは、バックアップ装置の記憶手段は、端末装置に関する情報に基づいて、端末装置からのプログラムの格納処理を制御する。従って、バックアップ装置では、端末装置からプログラム(等のデータ)を受信して格納する処理を、例えば当該端末装置に関する情報に基づいて制御することができる。
【0030】ここで、端末装置に関する情報としては、種々な情報が用いられてもよく、例えば端末装置のユーザとバックアップ装置によるバックアップサービスを提供する者(例えばプロバイダ)との間で為された契約の内容に関する情報や、例えば端末装置のユーザによる料金の支払い(課金)に関する情報などを用いることができる。
【0031】また、端末装置からのプログラムの格納処理を制御する態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば端末装置からバックアップ装置へアクセスすることが可能な期間や回数を制限する態様や、例えば端末装置からバックアップ装置へ送信してバックアップすることが可能な(プログラム等の)データの総量(使用することが可能なメモリ容量)を制限する態様などを用いることができる。
【0032】また、本発明に係るバックアップシステムでは、バックアップ装置の記憶手段は複数のバックアップ方式の中から選択されたバックアップ方式により端末装置からのプログラムを格納する。従って、例えばバックアップ対象となるプログラム(等のデータ)に応じて適したバックアップ方式により当該プログラム(等のデータ)をバックアップすることができる。
【0033】ここで、複数のバックアップ方式の数としては、特に限定はなく、種々な数が用いられてもよい。また、複数のバックアップ方式としては、それぞれ種々な方式が用いられてもよく、具体的には、例えばフルバックアップ方式や、コピーバックアップ方式や、差分バックアップ方式や、増分バックアップ方式などを用いることができる。
【0034】また、バックアップ方式の選択としては、例えば端末装置のユーザにより任意のバックアップ方式が選択されてもよく、或いは、例えばバックアップ対象となるプログラム(等のデータ)に適したバックアップ方式が端末装置やバックアップ装置により(自動的に)選択されてもよい。
【0035】また、本発明に係るバックアップシステムでは、端末装置の通信手段及びバックアップ装置の通信手段は、送信対象となるプログラムを含むデータを複数に分割して通信する。従って、例えば端末装置とバックアップ装置との間で通信するデータ(送信対象となるプログラムのデータを含むもの)が大量であるような場合や通信速度が低いような場合であっても、当該データが複数に分割されて通信されるため、当該データをまとめて通信する場合と比べて、通信の確実性を高めることができ、これにより、通信失敗等を防止して、通信を効率化することができる。
【0036】ここで、送信対象となるプログラムを含むデータとしては、例えばプログラムのみのデータであってもよく、或いは、例えばプログラムのデータと他の(つまり、プログラム以外の)データとを含むデータであってもよい。また、通信対象となるデータを複数に分割して通信する態様としては、種々な態様が用いられてもよい。
【0037】また、本発明に係るバックアップシステムでは、好ましい態様例として、端末装置の通信手段は送信対象となるプログラムを含むデータをコピーして生成されるデータ(つまり、コピーしたもの)をエンコード(符号化)し、エンコードしたデータを複数のパケットデータに分解し、分解した複数のパケットデータをHTTP(Hypertext Transfer Protocol)によりインターネット回線(本発明に言う回線に相当するもの)を介してバックアップ装置に対して送信する一方、バックアップ装置からインターネット回線を介して送信される複数のパケットデータをHTTPにより受信し、受信した複数のパケットデータを組み立ててデコード(復号化)し、端末装置の記憶手段は当該通信手段によりデコードしたデータに含まれるプログラムを格納する。
【0038】従って、例えば回線としてインターネット回線を用いることで当該バックアップシステムの汎用性を高めることができ、また、例えばエンコード及びデコードによる通信を行うことで通信されるデータのセキュリティを高めることができ、また、例えばパケット通信を行うことでデータ通信の効率化を図ることができる。
【0039】ここで、エンコードの方式やデコードの方式としては、種々な方式が用いられてもよく、通常は、送信側のエンコード方式と対応するデコード方式が受信側で用いられる。また、デコードしたデータに含まれるプログラムを格納する態様としては、例えば当該データに含まれるプログラムを抽出して当該プログラムのみを格納するような態様が用いられてもよく、或いは、例えば当該データをそのまま格納することで当該データに含まれるプログラムを格納するような態様が用いられてもよい。
【0040】また、本発明に係るバックアップシステムでは、バックアップ装置の削除手段が、端末装置から回線を介して自己(当該バックアップ装置)へ送信される指示に応じて、自己(当該バックアップ装置)の記憶手段に格納された端末装置からのプログラムを含むデータの一部を削除する。従って、例えば端末装置のユーザから当該端末装置に入力される指示に応じて、不要となったデータをバックアップ装置の記憶手段から削除することができ、これにより、バックアップされているデータを整理することができる。
【0041】また、本発明に係るバックアップシステムでは、例えば端末装置とバックアップ装置との間の通信を中継する中継局装置を備え、当該中継局装置により当該通信を中継する。すなわち、端末装置では、記憶手段が自己(当該端末装置)が実行するプログラムを格納し、通信手段が当該記憶手段に格納されたプログラムを中継局装置に対して送信する。中継局装置では、通信手段が端末装置から送信されるプログラムを受信するとともに、受信したプログラムを専用回線を介してバックアップ装置に対して送信する。バックアップ装置では、通信手段が中継局装置から専用回線を介して送信されるプログラムを受信し、記憶手段が当該通信手段により受信したプログラムを格納する。
【0042】また、バックアップ装置の通信手段は当該バックアップ装置の記憶手段に格納されたプログラムを専用回線を介して中継局装置に対して送信し、中継局装置の通信手段はバックアップ装置から専用回線を介して送信されるプログラムを受信するとともに受信したプログラムを端末装置に対して送信し、端末装置の通信手段は中継局装置から送信されるプログラムを受信し、端末装置の記憶手段は当該通信手段により受信したプログラムを格納する。
【0043】従って、例えばインターネット回線等と比べて通信速度の高い専用回線を介してバックアップ装置と通信する中継局装置を備えて、当該中継局装置を端末装置のユーザにより利用可能とすることにより、当該端末装置とバックアップ装置との間での(中継局装置を介した)プログラム(等のデータ)の受け渡しを効率化することができる。
【0044】ここで、中継局装置としては、種々な装置が用いられてもよく、例えば衛星通信により中継通信するような装置を用いることもできる。また、例えば中継局装置を街中等に設置するような場合には、端末装置としては、例えばユーザにより携帯して持ち運ぶことが可能なモバイルツール(ノートパソコン等)が用いられるのが好ましい。
【0045】また、中継局装置が一方の装置(端末装置或いはバックアップ装置)からプログラム(等のデータ)を受信するとともに受信したプログラム(等のデータ)を他方の装置(バックアップ装置或いは端末装置)へ送信する態様としては、例えば一方の装置からプログラム(等のデータ)を受信するのと同時に(或いは、ほぼ同時に)当該プログラム(等のデータ)を他方の装置へ送信するような態様が用いられてもよく、或いは、例えば一方の装置から受信したプログラム(等のデータ)を一旦メモリに格納した後に当該プログラム(等のデータ)を他方の装置へ送信するような態様が用いられてもよい。
【0046】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施例に係るバックアップシステムを図面を参照して説明する。図1には、本例に係るバックアップシステムの一例を示してあり、このバックアップシステムには、各ユーザにより所有されるパーソナルコンピュータ(例えばモバイルツールであるノートパソコン等)1a、1bや、例えばデータのバックアップサービスを行うプロバイダにより管理されるデータセンタ2や、これらを接続するインターネット回線3が備えられている。なお、本例では、各パーソナルコンピュータ1a、1bが本発明に言う端末装置に相当し、データセンタ2が本発明に言うバックアップ装置に相当し、インターネット回線3が本発明に言う回線に相当する。データセンタ2及びパーソナルコンピュータ1a、1bは、ネットワーク接続機能を有しており、インターネット回線3と接続する。
【0047】図2には、パーソナルコンピュータ1a(パーソナルコンピュータ1bについても同様)の構成例を示してある。本例のパーソナルコンピュータ1a、1bは、同図に示されるように一般的なパーソナルコンピュータと同様に、ネットワークとの通信機能を有するネットワーク通信部11や、コンピュータの全てのデータが記憶されるデータ記憶部12や、コンピュータで動作中のプログラムが存在するプログラム部13や、プログラムの実行から各部の操作までコンピュータ全体を制御する演算制御部14や、プログラムの実行結果やユーザインターフェースを描画して表示する表示部15や、キーボードやマウスなどからのユーザの入力を受け付ける操作部16から構成されている。
【0048】図3には、データセンタ2の構成例を示してある。本例では、データセンタ2はサーバとなり、パーソナルコンピュータ1a、1bがそのクライアントとなる。データセンタ2は、同図に示されるように、ネットワークとの通信機能を有するネットワーク通信部21や、利用者(ユーザ)の契約状態を管理する契約管理部22や、ユーザを認証することや伝送路の暗号化を実行することを行うユーザ認証暗号化部23や、利用者からの要求を受けてバックアップデータを処理するバックアップデータ管理部24や、利用者から受け取ったバックアップデータを格納するデータ記憶部25から構成されている。
【0049】図4には、データセンタ2に備えられたデータ記憶部25の記憶領域を概念的に示してある。データ記憶部25は、契約管理部22やユーザ認証暗号化部23により特定された利用者単位毎に、専用の記憶領域(利用者専用領域)31を提供する。また、利用者は、自分の記憶領域以外に格納されたデータについては、一切見ることも編集することもできない。
【0050】利用者専用領域31は、利用者が実行したバックアップ処理に関する情報を記録する領域(バックアップ記憶領域)32a〜32cと、バックアップデータを格納する領域(バックアップデータ格納領域)33a〜33cとに分かれている。バックアップ記録領域32a〜32cには、いつバックアップ処理を実行したか、その処理がどう進んだか(正常終了した、失敗した、中断中など)、パーソナルコンピュータ1a、1bに格納されたどのデータ(例えばOSや、アプリケーションプログラムや、文書等のファイルなど)がいつバックアップを受けたか、バックアップデータ格納領域33a〜33cのどの領域についてバックアップしてあるかなどに関する情報を記録する。バックアップデータ格納領域33a〜33cには、バックアップデータをいくつか格納する。バックアップデータ格納領域33a〜33cの容量は、契約管理部22で個人毎に設定される。
【0051】ここで、パーソナルコンピュータ1a、1bのバックアップデータとしては、本例では、当該パーソナルコンピュータ1a、1bに備えられたデータ記憶部12に格納された(コンピュータを動作させる上で必要な)全てのソフトウェアをコピーしたものが用いられる。
【0052】本例の構成では、サーバであるデータセンタ2との間でデータを送受信するためのクライアントプログラムが、パーソナルコンピュータ1a、1bのプログラム部13で動作する。なお、クライアントプログラムの動作の仕方としては、例えばパーソナルコンピュータ1a、1bにクライアントアプリケーションプログラムをダウンロードし、これをデータ記憶部12にインストールし、これをプログラム部13で動作させる仕方や、例えばデータセンタ2がWWWサーバとアプリケーションプログラムを有して、パーソナルコンピュータ1a、1bがWWWブラウザからデータセンタ2で動作するアプリケーションプログラムの機能を利用する仕方が考えられる。
【0053】本例では、上記のように、クライアントアプリケーションプログラムをダウンロードした後にインストールして実行する場合を例として説明する。以下で、パーソナルコンピュータ1a、1bのクライアントプログラムによりデータセンタ2をアクセスする際の処理の流れを順次フローチャートを用いて説明する。
【0054】まず、パーソナルコンピュータ1a、1bがネットワーク通信部11により所定のURLを用いてデータセンタ2を指定してアクセスすると、データセンタ2では、最初に、ユーザ認証暗号化部23が処理を開始する。図5には、この場合にユーザ認証暗号化部23により行われる処理の手順の一例を示してある。
【0055】すなわち、ユーザ認証暗号化部23には、サーバサイトを証明するデジタル証明書が設定されており、クライアントアプリケーションプログラムが動作するパーソナルコンピュータ1a、1bにも、その所有者(ユーザ)を証明するためのデジタル証明書の提示を求める(ステップS1)。ここで、デジタル証明書としては、例えば日本ベリサイン社などの認証機関により発行を受けてもよく、或いは、例えば独自に証明書を発行する認証機関を設けてもよい。
【0056】次に、ユーザ認証暗号化部23がデジタル証明書の提示を受けると、その内容をもとに認証機関へ証明書が有効であるか否かの確認を行う(ステップS2)。この結果、証明書が期限切れなどで無効であると、認証は失敗となり、その旨をアクセス元のパーソナルコンピュータ1a、1bに通知する(ステップS5)。一方、証明書が適切と判定されると、認証機関より名前、住所、電話番号など、デジタル証明書の所有者を特定するための属性を入手し(ステップS3)、これで所有者の特定は完了する。この後、パーソナルコンピュータ1a、1bのネットワーク通信部11とデータセンタ2のネットワーク通信部21は、デジタル証明書の暗号キーを使い、それぞれPKIによる暗号化通信を実行する(ステップS4)。
【0057】ここで、インターネット回線3を通じてパーソナルコンピュータ1a、1bのバックアップデータを送信(転送)する場合、バックアップデータには、所有者のプライバシーに関わるものや、機密性の高いものも含まれるため、その所有者以外にデータを漏洩してはならない。このため、厳密なユーザ認証と伝送路での暗号化は重要な機能となる。
【0058】また、所有者の身元が特定できても、デジタル証明書はデータセンタ2を使用するためだけのものではないので、次に、契約管理部22が図6に示されるような手順の処理を実行する。すなわち、まず、デジタル証明書で身元が確認できた人が、データセンタ2を利用するための契約を交わしているか、契約期間はいつまでになるかを確認する(ステップS11)。この結果、契約を交わしていない場合や使用料が不払いで契約切れであるような場合には、データセンタ2の利用が可能ではないとして(ステップS12)、データセンタ2へのアクセスを拒否する(ステップS14)。
【0059】一方、契約を交わしていることなどが確認されると、データセンタ2の利用が可能であるとして(ステップS12)、データセンタ2において利用することが可能なメモリ容量など、データセンタ2の利用における属性を読み出す(ステップS13)。これらの属性は、データ記憶部25の利用者専用領域31に反映される。
【0060】このような契約管理部22による処理までクリアして初めて、バックアップデータ管理部24、データ記憶部25へのアクセスが可能となる。パーソナルコンピュータ1a、1bの所有者は、クライアントアプリケーションプログラムよりバックアップデータを生成して、これをデータセンタ2へ送信(転送)して預けることができる。
【0061】図7には、このようなバックアップデータを預ける場合に行われる処理の手順の一例を示してある。なお、ユーザ認証(ステップS21)及び契約確認(ステップS22)は、上述のように、最初に行われている。すなわち、まず、バックアップの種類(方式)を設定する(ステップS23)。バックアップの種類としては、パーソナルコンピュータ1a、1bのデータ記憶部12に格納されたコンピュータを動作させる上で必要な全てのデータを取るフルバックアップとコピーバックアップ、フルバックアップの後、追加、更新されたデータだけを取る差分バックアップと増分バックアップが用意される。
【0062】ここで、フルバックアップと増分バックアップでは、例えばバックアップ対象となるデータ(例えばOSや、アプリケーションプログラムや、文書等のファイルなど)のアーカイブビットをオフにして、対象となった当該データをバックアップ処理済に設定するが、コピーバックアップと差分バックアップでは、例えばバックアップ対象となるデータのアーカイブビットをオンのままにして、バックアップされていない状態を保つ。
【0063】次に、バックアップを取るタイミング(時期)を設定する(ステップS24)。例えばすぐに実行する、指定時間に実行するなどが選択できる。そして、これらの設定に基づいてバックアップ処理を実行し(ステップS25)、当該処理が正常に終了したか否かを確認して(ステップS26)、正常終了しなかった場合には当該処理の取り消し処理を行う(ステップS27)。なお、バックアップの対象は、パーソナルコンピュータ1a、1bのデータ記憶部12に格納された全てのデータとする。
【0064】具体的には、パーソナルコンピュータ1a、1bのデータ記憶部12から複製されたデータがエンコードされた後に、パケットに分割されて、当該パーソナルコンピュータ1a、1bのネットワーク通信部11によりHTTPでインターネット回線3を介してデータセンタ2へ送信(転送)される。なお、エンコード処理の前で圧縮処理を加えても良い。データセンタ2のバックアップデータ管理部24では、ネットワーク通信部21によりパーソナルコンピュータ1a、1bからのパケットを受け取り、デコード処理を行い、バックアップデータアーカイブをデータ記憶部25に格納する。このようにHTTPで送信することで、ファイヤーウォールに守られたイントラネットからでもバックアップサービスが利用可能となる。
【0065】なお、現在のノート型パーソナルコンピュータなどでは、工場出荷状態へ戻すことが可能なリカバリーCD−ROMが用意されている場合が多い。従って、初期状態のバックアップは既に存在するので、例えば、初期状態で1度全てのデータ(例えばOSや、アプリケーションプログラムなど)のアーカイブビットをオフにして、バックアップ済とみなす前処理を行い、その後は差分バックアップもしくは増分バックアップのみを定期的に取る(つまり、差分や増分に係るデータ部分のみを定期的に送信する)ことにすれば、バックアップデータのサイズを抑えることができて、バックアップ処理の効率も良い。
【0066】しかしながら、パーソナルコンピュータ1a、1bの所有者が、クライアントアプリケーションプログラムによりバックアップデータを生成して、これをデータセンタ2へ送信(転送)して預けるに際して、非常に大きなサイズのデータを送信(転送)することが必要となる場合がある。例えば、パーソナルコンピュータ1a、1bのフルバックアップデータは数GBのサイズになり得る。このようなサイズのデータを一般的なインターネット接続がなされている通信回線(例えば64Kbps程度の通信速度の回線)を用いて送信(転送)することを試みたとすると、通信に長時間を費やすだけでなく、タイムアウトなどの問題でデータの転送に失敗することもある。
【0067】そこで、送信対象となるデータを分割することで、1度に送信(転送)するデータのサイズを小さくして送信(転送)する処理を行う機能を用意してある。図8には、このような機能により行われる処理の手順の一例を示してある。なお、ユーザ認証(ステップS31)及び契約確認(ステップS32)は、上述のように、最初に行われている。
【0068】すなわち、まず、バックアップの種類を設定し(ステップS33)、バックアップを取るタイミング(時期)を設定し(ステップS34)、分割するバックアップデータのサイズを通信速度などから決定する(ステップS35)。ここで、分割するサイズの設定の仕方としては、例えば、特定の通信速度を超えれば指定したデータサイズ以上にするという設定テーブルを用意しておいて、自動設定を行う。
【0069】次に、これらの設定を基にバックアップジョブを生成して、処理を開始する(ステップS36)。なお、既にジョブが生成されていた場合には、継続して残りの処理を実行する。具体的には、指定されたサイズ制限のもと、バックアップデータの送信(転送)を実行する(ステップS37)。ここで、送信の途中に中止命令があれば(ステップS38)、処理を停止して、取り消し処理を行う(ステップS42)。また、処理が正常に終了しなかった場合には(ステップS39)、取り消し処理を行う(ステップS42)。一方、処理が正常に終了した場合には(ステップS39)、バックアップ処理が完了した領域を記録する(ステップS40)。そして、未処理のデータがなくなれば(ステップS41)、バックアップ処理は完了する。
【0070】また、パーソナルコンピュータ1a、1bの所有者は、クライアントアプリケーションプログラムによりデータセンタ2に予め預けておいたバックアップデータを取り出して、これを当該パーソナルコンピュータ1a、1bのデータ記憶部12へ戻すことができる。図9には、このようなバックアップデータを取り出す場合の処理の手順の一例を示してある。なお、ユーザ認証(ステップS51)及び契約確認(ステップS52)は、上述のように、最初に行われている。
【0071】すなわち、まず、取り出すバックアップデータを特定する(ステップS53)。例えば、複数のバックアップデータアーカイブがデータセンタ2に格納されていれば、その中の1つを選択する。次に、特定されたバックアップデータを取り出してパーソナルコンピュータ1a、1bのデータ記憶部12へ戻す処理を実行し(ステップS54)、当該処理が正常に終了したか否かを確認して(ステップS55)、正常終了しなかった場合には当該処理の取り消し処理を行う(ステップS56)。
【0072】具体的には、パーソナルコンピュータ1a、1bでは、データセンタ2に予め送信(転送)して格納してあったバックアップデータのパケットをHTTPで受信し、これをデコードして、当該デコードしたデータをデータ記憶部12に上書きする。なお、圧縮処理がなされていれば、デコード処理の後で解凍処理を加える。また、上述のように、エラーが発生したときには、取り消し処理を実行する(ステップS56)。
【0073】ここで、上記のようなバックアップデータの取り出し処理は、通信に不具合が発生しなければ問題なく処理を完了できるが、通信にエラーやタイムアウトが発生すると取り消されてしまう。そこで、送信対象となるデータを分割することで、1度に送信(転送)するデータのサイズを小さくして送信(転送)する処理を行う機能を用意してある。図10には、このような機能により行われる処理の手順の一例を示してある。なお、ユーザ認証(ステップS61)及び契約確認(ステップS62)は、上述のように、最初に行われている。
【0074】すなわち、まず、取り出すバックアップデータを特定し(ステップS63)、分割するバックアップデータのサイズを通信速度などから決定する(ステップS64)。ここで、分割するサイズの設定の仕方としては、例えば、特定の通信速度を超えれば指定したデータサイズ以上にするという設定テーブルを用意しておいて、自動設定を行う。
【0075】次に、これらの設定を基にバックアップジョブを生成して、送信(転送)処理を開始する(ステップS65)。なお、既にジョブが生成されていた場合には、継続して残りの送信(転送)処理を実行する。具体的には、指定されたサイズ制限のもと、バックアップデータの送信(転送)を実行する(ステップS66)。ここで、送信の途中に中止命令があれば(ステップS67)、処理を停止して、取り消し処理を行う(ステップS72)。また、処理が正常に終了しなかった場合には(ステップS68)、取り消し処理を行う(ステップS72)。
【0076】一方、処理が正常に終了した場合には(ステップS68)、バックアップデータの送信(転送)が完了した領域を記録する(ステップS69)。そして、未処理のデータがなくなれば、送信(転送)は完了し(ステップS70)、パーソナルコンピュータ1a、1bのデータ記憶部12へバックアップデータを戻す(ステップS71)。本例では、バックアップデータのアーカイブを完全に取り出してから、データをデータ記憶部12へ戻す処理を実行する。従って、データ記憶部12には、バックアップアーカイブを受け取れるだけの空き容量が必要となる。
【0077】また、パーソナルコンピュータ1a、1bで動作するクライアントプログラムは、バックアップデータを送受信するだけでなく、データセンタ2に預けたデータの整理を行うこともできる。図11には、このようなデータの整理を行う場合の処理の手順の一例を示してある。なお、ユーザ認証(ステップS81)及び契約確認(ステップS82)は、上述のように、最初に行われている。
【0078】すなわち、まず、所有者が預けたバックアップデータのうち、不要になったものを選択する(ステップS83)。そして、選択されたデータの削除処理を実行する(ステップS84)。このような削除処理によってデータセンタ2に預けたバックアップデータの総量を調整することにより、例えば契約で決定された(バックアップ可能な)データ容量を超えないようにすることができる。
【0079】次に、本発明の第2実施例に係るバックアップシステムを図面を参照して説明する。図12には、本例に係るバックアップシステムの一例を示してあり、このバックアップシステムには、各ユーザにより所有されるパーソナルコンピュータ41a〜41cや、例えばデータのバックアップサービスを行うプロバイダにより管理されるデータセンタ42や、これらを接続するインターネット回線43が備えられているとともに、複数の中継局装置44a〜44cや、これらの中継局装置44a〜44cとデータセンタ42とを接続する専用回線45が備えられている。
【0080】なお、本例では、各パーソナルコンピュータ41a〜41cが本発明に言う端末装置に相当し、データセンタ42が本発明に言うバックアップ装置に相当し、インターネット回線43が本発明に言う回線に相当し、各中継局装置44a〜44cが本発明に言う中継局装置に相当し、専用回線45が本発明に言う専用回線に相当する。
【0081】本例では、大きなサイズのバックアップデータを通常のインターネット回線43を通じて送信(転送)するには、通信に長時間を費やすことになるので、高速な専用回線45でデータセンタ42とつながった中継局装置44a〜44cを複数用意して、バックアップデータの送信(転送)時間の短縮化を実現する。なお、例えば、データセンタ42と各中継局装置44a〜44cとの間は100Mbpsを超える高速の専用回線45で接続されている。
【0082】パーソナルコンピュータ44a〜44cの所有者は、中継局装置44a〜44cが設けられた店舗に出向いて、当該中継局装置44a〜44cを介して当該パーソナルコンピュータ44a〜44cと専用回線45とを接続し、バックアップ処理やバックアップデータの取り出し処理などを実行する。これにより、例えば上記第1実施例の図7や図8に示したようなバックアップ処理を高速に実行することや、例えば上記第1実施例の図9や図10に示したようなバックアップデータの取り出し処理を高速に実行することなどができる。
【0083】以上のように、本発明の実施例に係るバックアップシステムでは、例えば専用の装備を用意しなくても、パーソナルコンピュータの利用環境やアプリケーションプログラム等を含んだバックアップデータをデータセンタにより記録し、必要に応じて当該バックアップデータを当該データセンタから取り出して当該パーソナルコンピュータの記憶装置に戻すことのできるサービスを幅広く提供することが実現される。また、例えば大きなサイズとなるデータを取り扱う場合に、余計な処理(例えば転送の失敗に対処する処理)を減らす仕組みなども用意されている。
【0084】このため、例えばパーソナルコンピュータが故障したとしても、当該パーソナルコンピュータを工場出荷の初期状態に戻してインターネット回線に接続できる状態にまで復旧すれば、データセンタからバックアップデータをリストアすることで当該パーソナルコンピュータを最新の利用環境に復帰させることができる。この場合、新たに各種のアプリケーション等をインストールし直す作業を解消することができ、また、利用者が業務を遂行する上で不可欠なメールアーカイブや各種電子ドキュメントなどを失わずに済み、また、専用のバックアップ機器及びメディアを用意する必要がない。
【0085】ここで、具体的には、本発明の実施例に係るバックアップシステムでは、インターネット回線に接続するデータセンタを設けてあり、所有者が日常使用するパーソナルコンピュータのソフトウェアのバックアップデータをインターネット回線を通じてデータセンタへ送信(転送)して預けることができ、また、預けたバックアップデータを必要に応じてインターネット回線を通じてパーソナルコンピュータにより取り出して、当該パーソナルコンピュータの記憶装置に戻すことができる。
【0086】また、データセンタに利用者が誰であるかを特定する機能と利用者に対して自己(当該データセンタ)がしかるべきデータセンタであることを証明する機能とを備えてあるとともに、利用者のパーソナルコンピュータとデータセンタとの間の通信内容を暗号化することにより、第三者へのデータの漏洩を防ぐことができる。具体的には、ユーザ名とパスワードとのセットを用いた利用者の認証の他、パブリック・キー・インフラストラクチャ(PKI)に基づくデジタル証明書を用いた利用者の認証及び暗号化通信を用いることにより、パーソナルコンピュータのソフトウェアのバックアップデータの漏洩を防止することができる。
【0087】また、利用者の契約内容や課金状態に応じて、サービスの利用を制御することができる。つまり、データセンタに利用者が当該データセンタを利用するための手続きを経ているか、利用者がどのような利用契約を交わしているかなどを確認する機能を備えることで、当該確認した結果に基づいて利用者による自己(当該データセンタ)の利用可能な形態を制御する。具体的には、利用者の契約内容などに応じて、自己(データセンタ)へアクセスできる期間や、自己(データセンタ)へ送信(転送)できるソフトウエアバックアップデータの総サイズや、ソフトウェアバックアップアーカイブ数などを変更する。
【0088】また、データセンタは、利用者のパーソナルコンピュータに対して、データセンタへソフトウェアのバックアップデータを送信(転送)するための専用プログラムを提供する。なお、パーソナルコンピュータに格納されたソフトウェアのバックアップデータをデータセンタへ送信する処理の好ましい態様例として、当該パーソナルコンピュータのソフトウェアを複製してバックアップデータを生成し、当該バックアップデータをエンコードして、これをパケットに分解し、当該パケットをHTTPでインターネット回線を通じてデータセンタへ送信する。
【0089】また、上記のようなソフトウエアのバックアップデータの生成においては、フルバックアップ、コピーバックアップ、差分バックアップ、増分バックアップといったバックアップの種類を選択することができる。そして、バックアップ済みであるかを示すアーカイブビットのオン/オフを制御する。
【0090】なお、例えば実際にはパーソナルコンピュータに格納されたソフトウェアのバックアップデータをデータセンタへ送信せずに、当該パーソナルコンピュータのデータをバックアップ済みと設定することで、その後の差分バックアップや増分バックアップによりバックアップデータのサイズを抑えることも可能である。
【0091】また、データセンタは、上述のように、利用者のパーソナルコンピュータに対して、データセンタへソフトウェアのバックアップデータを送信(転送)するための専用プログラムを提供するが、大サイズのデータの送信を失敗に終わらせないように、ソフトウエアのバックアップデータを分割して、複数回に分けてデータセンタへインターネット回線を通じて送信する処理を実行する。このように1回に送るデータのサイズを抑えることで、例えば送信(転送)速度の低いネットワークにおいて、タイムアウトによる送信(転送)失敗を防ぐことができ、サイズを抑えたデータ送信処理を繰り返して実行することにより、大きなサイズのデータを確実に送信することが可能となる。
【0092】また、データセンタは、利用者のパーソナルコンピュータから予め受け取って預かっているソフトウェアのバックアップデータを、当該パーソナルコンピュータへインターネット回線を通じて送信(転送)し、当該バックアップデータを当該パーソナルコンピュータの記憶装置に戻すための専用プログラムを提供する。パーソナルコンピュータは、データセンタへ予め送信(転送)して預けてあったソフトウェアのバックアップデータを、例えばパケットデータとしてインターネット回線を介してHTTPで受信し、これをデコードして、当該デコードしたデータをコンピュータの記憶装置へ戻して元の状態を復元する。
【0093】また、このようなソフトウェアのバックアップデータをパーソナルコンピュータにより取り出して当該パーソナルコンピュータの記憶装置に復元する専用プログラムは、例えば大サイズのデータの送信(転送)を失敗しないように、ソフトウエアのバックアップデータを分割して、複数回に分けてデータセンタからパーソナルコンピュータへインターネット回線を通じて送信(転送)する処理を実行する。
【0094】また、データセンタが提供する専用プログラムは、データセンタへ送信(転送)して預けてあるソフトウェアのバックアップデータの中で、既に不要となったデータを削除することができる。
【0095】また、例えば大容量のデータを高速にデータセンタと通信するための専用回線を備える中継局装置を複数設けて、当該中継局装置により利用者に対してデータセンタとの中継処理のサービスを提供すると、バックアップ作業等に関する利用者の利便性を高めることができる。具体的には、利用者は、中継局装置の設置場所までパーソナルコンピュータを持ち込むことで、ソフトウェアのバックアップデータを中継局装置により直接的にデータセンタへ高速に送信(転送)することができ、また、ソフトウェアのバックアップデータをデータセンタから中継局装置を経由して直接的にパーソナルコンピュータへ高速に送信(転送)してもらって、当該パーソナルコンピュータの記憶領域に当該バックアップデータを復元することができる。
【0096】ここで、本発明に係るバックアップシステムで用いられる端末装置やバックアップ装置の構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明に係るバックアップシステムの適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
【0097】また、以上に示した実施例では、本発明に係るバックアップシステムにおいて行われるバックアップ処理やバックアップデータの取り出し処理などが、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROMに格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成としたが、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピーディスクやCD−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るバックアップシステムによると、端末装置が自己の記憶手段に格納されたプログラムを回線を介してバックアップ装置に対して送信し、バックアップ装置が当該プログラムを受信して自己の記憶手段に格納するようにしたため、端末装置に格納されたプログラムを回線を介してバックアップ装置により預かる(バックアップする)ことができ、これにより、このようなプログラムのバックアップを行うことをユーザにとって簡易化することができる。
【0099】また、このような本発明に係るバックアップシステムでは、バックアップ装置が自己の記憶手段に格納されたプログラムを回線を介して端末装置に対して送信し、端末装置が当該プログラムを受信して自己の記憶手段に格納するようにしたため、バックアップ装置に預けた(バックアップした)プログラムを端末装置により取り出すことができ、これにより、このようなバックアップされたプログラムの取り出しをユーザにとって簡易化することができる。
【0100】また、本発明に係るバックアップシステムによると、端末装置が自己の記憶手段に格納されたプログラムを中継局装置に対して送信し、中継局装置が当該プログラムを受信して専用回線を介してバックアップ装置に対して送信し、バックアップ装置が当該プログラムを受信して自己の記憶手段に格納するようにしたため、端末装置から(中継局装置を介して)バックアップ装置へプログラムを渡す作業を効率化することができる。
【0101】また、このような本発明に係るバックアップシステムでは、バックアップ装置が自己の記憶手段に格納されたプログラムを専用回線を介して中継局装置に対して送信し、中継局装置が当該プログラムを受信して端末装置に対して送信し、端末装置が当該プログラムを受信して自己の記憶手段に格納するようにしたため、端末装置により(中継局装置を介して)バックアップ装置からプログラムを取り出す作業を効率化することができる。
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【出願日】 平成12年10月19日(2000.10.19)
【代理人】 【識別番号】100098132
【弁理士】
【氏名又は名称】守山 辰雄
【公開番号】 特開2002−132560(P2002−132560A)
【公開日】 平成14年5月10日(2002.5.10)
【出願番号】 特願2000−319235(P2000−319235)