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【発明の名称】 印刷システム、印刷システムのコントローラ、および印刷システムの印刷機、並びに印刷システムのコントローラ制御方法、記録媒体並びにプログラム
【発明者】 【氏名】畠山 文博

【要約】 【課題】複数のデジタル印刷機を有する印刷システムにおいて、効率的に体裁の異なる各ページの印刷を行い、また、製本時における効率低下を防止することである。

【解決手段】複数の印刷機を有している印刷システムにおいて、コントローラがブックデータに含まれるページデータの設定情報に基づいてページ毎に印刷を行う印刷機を選択することにより、それぞれ体裁の異なるページを適切な印刷機で印刷することができるので、オペレータの負担を軽減し、印刷作業の効率化を実現することができる。また、印刷システムのコントローラは、条件情報とページデータの設定情報とから、各ページをそれぞれ印刷する印刷機が選択された際に、各印刷機に対して印刷を行わないページに関する印刷非実行情報を送信することにより、印刷機に対して非印刷ページに該当する部位に対する種々の処理を実行させることができるので、後工程である製本処理の効率を向上することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】印刷物の1ページを表現するためのページデータを含むブックデータを作成し、該ブックデータをコントローラに送信する端末と、前記端末より送信された前記ブックデータを受信し、該ブックデータに含まれる前記ページデータに対してRIP処理を行うことによって印刷データを作成し、印刷手段に該印刷データを送信するコントローラと、前記コントローラより送信された前記印刷データを受信し、該印刷データに基づいた印刷像を用紙上に形成する印刷手段と、からなる印刷システムにおいて、該印刷システムが前記印刷手段を複数有しているとき、前記コントローラが、前記ブックデータに含まれる前記ページデータの設定情報に基づいて、該ページ毎に前記印刷手段を選択すること、を特徴とする印刷システム。
【請求項2】端末によって作成された印刷物の1ページを表現するためのページデータを含むブックデータを受信し、前記ページデータに対してRIP処理を行うことによって印刷データを作成し、前記印刷データを複数の印刷手段に送信する印刷システムのコントローラにおいて、前記ブックデータに含まれる前記ページデータを抽出するための条件情報を作成するページデータ抽出条件作成手段と、前記ページデータ抽出条件作成手段によって作成された条件情報と前記ページデータの設定情報とを比較して、前記条件情報に一致するページデータを印刷するための印刷手段を選択する印刷手段選択手段と、を有することを特徴とする、印刷システムにおけるコントローラ。
【請求項3】前記ページデータを抽出するための条件情報が、前記ページデータが印刷される用紙のサイズであること、を特徴とする請求項2に記載の印刷システムにおけるコントローラ。
【請求項4】前記ページデータを抽出するための条件情報が、前記ページデータの表現する印刷像が2色以上の印刷色数であること、を特徴とする請求項2に記載の印刷システムにおけるコントローラ。
【請求項5】前記ページデータを抽出するための条件情報が、前記ページデータが印刷される用紙の種類であること、を特徴とする請求項2に記載の印刷システムにおけるコントローラ。
【請求項6】前記ページデータを抽出するための条件情報が、前記ページデータの印刷方向であること、を特徴とする請求項2に記載の印刷システムにおけるコントローラ。
【請求項7】前記印刷システムにおいて、前記条件情報と一致するページデータを印刷するための適当な印刷手段が存在しない場合、前記ページデータを前記複数の印刷手段のいずれかで出力するためのページデータ出力処理手段を有すること、を特徴とする請求項2に記載の印刷システムにおけるコントローラ。
【請求項8】前記印刷手段選択手段において選択された前記各印刷手段にて印刷を行う前記各ページデータに関する情報をオペレータに提示するためのページデータ提示情報を作成するページデータ提示情報作成手段を有すること、を特徴とする請求項2に記載の印刷システムにおけるコントローラ。
【請求項9】前記印刷手段選択手段において選択された前記印刷手段にて印刷が行われない前記ページデータに関するページデータ印刷非実行情報を前記印刷手段に送信するページデータ印刷非実行情報送信手段を有すること、を特徴とする請求項2に記載の印刷システムのコントローラ。
【請求項10】送信されてきた前記ページデータ印刷非実行情報に基づいて、印刷を行わない前記ページデータ位置に合紙を挿入する合紙挿入機構を有すること、を特徴とする請求項9に記載の印刷システムの印刷機。
【請求項11】送信されてきた前記ページデータ印刷非実行情報に基づいて、印刷を行わない前記ページデータ位置を基点として排紙位置を変更する排紙位置変更機構を有すること、を特徴とする請求項9に記載の印刷システムの印刷機。
【請求項12】端末によって作成された印刷物の1ページを表現するためのページデータを含むブックデータを受信し、前記ページデータに対してRIP処理を行うことによって印刷データを作成し、前記印刷データを複数の印刷手段に送信する印刷システムのコントローラ制御方法であって、前記ブックデータに含まれる前記ページデータを抽出するための条件情報を作成するページデータ抽出条件作成工程と、前記条件情報と前記ブックデータに含まれる前記ページデータの設定情報とを比較して、前記条件情報に一致する設定情報を有するページデータを印刷するための印刷手段を選択する印刷手段選択工程と、を有することを特徴とする、印刷システムにおけるコントローラ制御方法。
【請求項13】請求項12に記載の印刷システムにおけるコントローラ制御方法を実行するためのプログラムを記録した記録媒体。
【請求項14】請求項12に記載の印刷システムにおけるコントローラ制御方法を実行するためのプログラム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は印刷システムに関し、詳しくは、複数の印刷機を有する印刷システムにおいて、構成の異なるページデータを各印刷機にて印刷するための印刷システムのコントローラ、および印刷システムの印刷機、並びに印刷システムのコントローラ制御方法、記録媒体並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】雑誌、パンフレットに代表される複数のページを有する印刷物は、カラーページ、モノクロページ、見開きページ、あるいは印刷方向が異なっているページが存在するなど、さまざまな体裁が混在していることが多い。従って、このような体裁の異なる複数のページを有する印刷物を印刷する場合には、体裁の異なった各ページを全て印刷することができる印刷機により印刷を行うことが多い。例えば、カラーページとモノクロページが混在している印刷物を刷る場合には、カラー印刷機によって、カラーページとモノクロページをそれぞれ印刷することができる。また、見開きページが含まれる印刷物を刷る場合には、見開きページの用紙サイズが印刷できる印刷機によって、見開きページと通常ページとをそれぞれ印刷することができる。しかし、このように体裁の異なった各ページを全て印刷することができる単一の印刷機で各ページを刷るというのは、効率の点で問題があった。カラー印刷機でモノクロページを刷るということは、当該印刷物のモノクロページが多い場合には、カラーインキを無駄に供給していることになる。見開きページの用紙サイズで通常ページの印刷を行うということは、後工程でページを断裁しなければならず、用紙の無駄が発生する。そこで、複数の印刷機で、それぞれ体裁の異なる各ページを印刷する方が、効率の点では望ましい。
【0003】ところで、近来は省資源化、効率化、共有化の点から、印刷作業を行うための情報を電子化することが多くなってきている。前述のように、複数のページを有する印刷物は様々な体裁が混在していたとしても、例えばPDF(Portable Document Format)のようなファイル形式であれば、印刷物の元のままの体裁を維持した文書データとして電子化することが可能である。すなわち、カラーページ、モノクロページなど印刷色数が異なるページ、見開きページなどの他ページと印刷サイズが異なるページ、あるいは印刷方向が異なっているページを有する印刷物についても、スキャニングの結果PDF形式の電子化ファイルに変換するならば、一つの文書データとして格納することができる。もちろん、当初からPDF形式の電子化ファイルに格納されるような文書データを作成することもできる。このようなことから、印刷現場においては、製版作業を行った結果出力されたフィルム(これを置き版と呼ぶ)を電子化して一つの文書データとして保存し、再度印刷を行う場合には、この電子化された文書データを使用して、印刷作業を行うことが進められている。従って、文書データを直接印刷することのできるデジタル印刷機を複数用いて、このような文書データを使用した印刷作業を行うのが好ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来の技術では、電子化された一つの文書データを印刷する場合、文書データ内に格納されたそれぞれ体裁の異なる各ページの印刷について障害が発生していた。例えば、文書データに格納されている各ページそれぞれの体裁を正確に表現するためには、オペレータが各ページそれぞれの体裁を鑑みて、各ページ毎に印刷を行うデジタル印刷機を指定しなければならなかった。すなわち、カラーページであれば、当該ページの印刷についてカラー印刷を行うことができるデジタル印刷機を指定し、見開きページであれば、当該ページの印刷について大サイズの用紙を使用できるデジタル印刷機を指定する必要があった。このような指定作業は、オペレータの負担を増大するだけではなく、指定作業時に発生し得るオペレーションミスによる効率の低下、経費の増加などの問題を引き起こす要因となっていた。また、印刷用紙の種類が異なるページに印刷を行う場合にも、電子化された一つの文書データでは対応することができないので、上述の問題点と同様の障害が発生していた。さらに、複数のデジタル印刷機を用意していたとしても、当該デジタル印刷機において印刷のできない体裁を有するページが文書データに含まれている場合が存在する。そのような場合には、いずれかのデジタル印刷機にて印刷が行えるよう変倍、回転、あるいは色変換などの処理を行わなければならないが、従来技術では、あらかじめ一律に定められた処理を行うため、印刷されるページについて意図しない処理が行われることがあった。また、適切なデジタル印刷機の選択と設定をオペレータがページ毎に逐一行わなければならないため、オペレータの負担が増大する一因となっていた。加えて、文書データを複数のデジタル印刷機において印刷した後に製本を行う場合、各デジタル印刷機にて各ページ毎の印刷を行ったために、印刷物を構成するページの並びを維持することができないので、製本作業についても効率が低下してしまう、という問題が発生していた。
【0005】従って、本発明の目的は、従来技術の問題点を除去することができる印刷システム、印刷システムのコントローラ、および印刷システムの印刷機、並びに印刷システムのコントローラ制御方法、記録媒体並びにプログラムを提供することにより、複数のデジタル印刷機を有する印刷システムにおいて、効率的に体裁の異なる各ページの印刷を行い、また、製本時における効率低下を防止することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決する為に、請求項1に係る発明は、印刷物の1ページを表現するためのページデータを含むブックデータを作成し、該ブックデータをコントローラに送信する端末と、前記端末より送信された前記ブックデータを受信し、該ブックデータに含まれる前記ページデータに対してRIP処理を行うことによって印刷データを作成し、印刷手段に該印刷データを送信するコントローラと、前記コントローラより送信された前記印刷データを受信し、該印刷データに基づいた印刷像を用紙上に形成する印刷手段と、からなる印刷システムにおいて、該印刷システムが前記印刷手段を複数有しているとき、前記コントローラが、前記ブックデータに含まれる前記ページデータの設定情報に基づいて、該ページ毎に前記印刷手段を選択すること、を特徴としている。
【0007】請求項1に記載の印刷システムは、複数の印刷手段を有している印刷システムにおいて、コントローラがブックデータに含まれるページデータの設定情報に基づいてページ毎に印刷を行う印刷手段を選択することにより、それぞれ体裁の異なるページを適切な印刷手段で印刷することができるので、オペレータの負担を軽減し、印刷作業の効率化を実現することができる。
【0008】また請求項2に係る発明は、端末によって作成された印刷物の1ページを表現するためのページデータを含むブックデータを受信し、前記ページデータに対してRIP処理を行うことによって印刷データを作成し、前記印刷データを複数の印刷手段に送信する印刷システムのコントローラにおいて、前記ブックデータに含まれる前記ページデータを抽出するための条件情報を作成するページデータ抽出条件作成手段と、前記ページデータ抽出条件作成手段によって作成された条件情報と前記ページデータの設定情報とを比較して、前記条件情報に一致するページデータを印刷するための印刷手段を選択する印刷手段選択手段と、を有することを特徴としている。
【0009】請求項2に記載の印刷システムのコントローラは、ブックデータに含まれるページデータの設定情報と、ページデータを抽出するための条件情報とを比較することにより、条件情報と一致する設定情報を有するページデータを抽出し、該ページデータを印刷するための印刷手段を選択することにより、ページ毎に印刷を行う印刷手段を選択することができるので、オペレータの負担を軽減し、印刷作業の効率化を実現することができる。
【0010】更に請求項3に係る発明は、請求項2に記載の印刷システムのコントローラであって、前記ページデータを抽出するための条件情報が、前記ページデータが印刷される用紙サイズであること、を特徴としている。
【0011】請求項3に記載の印刷システムのコントローラは、ページデータを抽出する条件情報として、ページデータに設定された用紙のサイズを条件情報にすることにより、条件情報と一致する用紙サイズが設定されたページデータを印刷するために、該用紙サイズの印刷用紙を格納している印刷手段を選択することができるので、オペレータの負担を軽減し、印刷作業の効率化を実現することができる。
【0012】また請求項4に係る発明は、請求項2に記載の印刷システムのコントローラであって、前記ページデータを抽出するための条件情報が、前記ページデータの表現する印刷像が2色以上の印刷色数であること、を特徴としている。
【0013】請求項4に記載の印刷システムのコントローラは、ページデータを抽出する条件情報として、ページデータに設定された印刷像が多色印刷像であることを条件情報にすることにより、条件情報と一致する多色印刷像が設定されたページデータを印刷するために、該多色印刷を行える多色印刷手段を選択することができるので、オペレータの負担を軽減し、印刷作業の効率化を実現することができる。
【0014】請求項5に係る発明では、請求項2に記載の印刷システムのコントローラであって、前記ページデータを抽出するための条件情報が、前記ページデータが印刷される用紙の種類であること、を特徴としている。
【0015】請求項5に記載の印刷システムのコントローラは、ページデータを抽出する条件情報として、ページデータに設定された印刷用紙の種類を条件情報とすることにより、条件情報と一致する印刷用紙の種類が設定されたページデータを印刷するために、該印刷用紙の種類と同じ印刷用紙を格納している印刷手段を選択することができるので、オペレータの負担を軽減し、印刷作業の効率化を実現することができる。
【0016】加えて請求項6に係わる発明では、前記ページデータを抽出するための条件情報が、前記ページデータの印刷方向であることを特徴としている。
【0017】請求項6に記載の印刷システムのコントローラは、ページデータを抽出する条件として、ページデータに設定された印刷方向を条件情報とすることにより、条件情報と一致する印刷方向が設定されたページデータを印刷するために、該印刷方向で印刷を行う印刷手段を選択することができるので、オペレータの負担を軽減し、印刷作業の効率化を実現することができる。
【0018】請求項7に係る発明は、前記印刷システムにおいて、前記条件情報と一致するページデータを印刷するための適当な印刷手段が存在しない場合、前記ページデータを前記複数の印刷手段のいずれかで出力するためのページデータ出力処理手段を有すること、を特徴としている。
【0019】請求項7に記載の印刷システムのコントローラは、ページデータの設定情報が条件情報と一致しなかった場合、あるいはページデータの設定情報が条件情報に一致したとしても、該設定情報を有するページデータを適切に印刷することができる印刷手段が存在しない場合、該ページデータを複数の印刷手段のいずれかで出力できるようにするための処理を行うことにより、オペレータの負担を軽減し、印刷作業の効率化を実現することができる。
【0020】更に請求項8に係わる発明は、請求項2に記載の印刷システムのコントローラであって、前記印刷手段選択手段において選択された前記各印刷手段にて印刷を行う前記各ページデータに関する情報をオペレータに提示するためのページデータ提示情報を作成するページデータ提示情報作成手段を有すること、を特徴としている。
【0021】請求項8に記載の印刷システムのコントローラは、条件情報とページデータの設定情報とから、ページデータを印刷する印刷機が選択された際、各印刷手段において印刷する各ページデータに関する情報をオペレータに提示することにより、各印刷手段において印刷されるページデータに関してオペレータが把握することができるので、オペレータによる印刷機管理の手間を軽減することができる。
【0022】また請求項9に係わる発明は、請求項2に記載の印刷システムのコントローラであって、前記印刷手段選択手段において選択された前記印刷手段にて印刷が行われない前記ページデータに関するページデータ印刷非実行情報を前記印刷手段に送信するページデータ印刷非実行情報送信手段を有すること、を特徴としている。
【0023】請求項9に記載の印刷システムのコントローラは、条件情報とページデータの設定情報とから、各ページをそれぞれ印刷する印刷手段が選択された際に、各印刷手段に対して印刷を行わないページに関する印刷非実行情報を送信することにより、印刷手段に対して非印刷ページに該当する部位に対する種々の処理を実行させることができるので、後工程である製本処理の効率を向上することができる。
【0024】請求項10に係わる発明は、請求項9に記載の印刷システムの印刷機であって、送信されてきた前記ページデータ印刷非実行情報に基づいて、印刷を行わない前記ページデータ位置に合紙を挿入する合紙挿入機構を有すること、を特徴としている。
【0025】請求項10に記載の印刷システムの印刷機は、コントローラから送信された印刷非実行情報により制御される合紙挿入機構を備えることにより、印刷を行わないページ位置に合紙を挿入することができるため、他の印刷機で印刷されたページを挿入すべき位置を容易に判別することができるので、後工程である製本処理の効率を向上することができる。
【0026】更に請求項11に係わる発明は、請求項9に記載の印刷システムの印刷機であって、送信されてきた前記ページデータ印刷非実行情報に基づいて、印刷を行わない前記ページデータ位置を基点として排紙位置を変更する排紙位置変更機構を有すること、を特徴としている。
【0027】請求項11に記載の印刷システムの印刷機は、コントローラから送信された印刷非実行情報により制御される排紙位置変更機構を備えることにより、印刷を行わないページ位置を基点に印刷済み用紙の排紙位置を変更することができるため、他の印刷機で印刷されたページを挿入すべき位置を容易に判別することができるので、後工程である製本処理の効率を向上することができる。
【0028】また請求項12に係わる発明は、端末によって作成された印刷物の1ページを表現するためのページデータを含むブックデータを受信し、前記ページデータに対してRIP処理を行うことによって印刷データを作成し、前記印刷データを複数の印刷手段に送信する印刷システムのコントローラ制御方法であって、前記ブックデータに含まれる前記ページデータを抽出するための条件情報を作成するページデータ抽出条件作成工程と、前記条件情報と前記ブックデータに含まれる前記ページデータの設定情報とを比較して、前記条件情報に一致する設定情報を有するページデータを印刷するための印刷手段を選択する印刷手段選択工程を有すること、を特徴としている。
【0029】請求項12に記載の印刷システムのコントローラ制御方法は、ブックデータに含まれるページデータの設定情報と、ページデータを抽出するための条件情報とを比較することにより、条件情報と一致する設定情報を有するページデータを抽出し、該ページデータを印刷するための印刷手段を選択することにより、ページ毎に印刷を行う印刷手段を選択することができるので、オペレータの負担を軽減し、印刷作業の効率化を実現することができる。
【0030】請求項13に係わる発明は、記録媒体であって、請求項12に記載の印刷システムにおけるコントローラ制御方法を実行するためのプログラムを記録したこと、を特徴としている。
【0031】請求項13に記載の記録媒体は、一般的なコンピュータで読み取ることが可能な記録媒体に請求項12に記載の印刷システムにおけるコントローラ制御方法を実行するためのプログラムが記録されているので、一般的なコンピュータにおいて請求項12に記載の印刷システムのコントローラ制御方法を実現することができる。
【0032】更に請求項14に係わる発明は、プログラムであって、請求項12に記載の印刷システムにおけるコントローラ制御方法を実行するためのプログラムであること、を特徴としている。
【0033】請求項14に記載のプログラムは、請求項12に記載の印刷システムにおけるコントローラ制御方法を実行するためのプログラムなので、一般的なコンピュータで該プログラムを実行することにより、請求項12に記載の印刷システムのコントローラ制御方法を実現することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係わる印刷システム100を説明するための図である。印刷システム100は、コントローラ1、印刷機21、22、23からなる印刷機群2、端末4で構成されている。コントローラ1と印刷機群2は、それぞれ通信線CLで接続されている。コントローラ1と端末4はネットワーク3で接続されている。
【0035】端末4は、ページデータPDからなるブックデータBDを作成するために使用する。ページデータPDは、端末4に格納されている図示しないレイアウトソフトウェアで作成される。ページデータPDはページ記述言語、たとえばPostScript(米アドビ・システムズ社の登録商標)で記述されたデータファイル、あるいはPDF形式のデータファイルである。端末4は、さらにページデータPDを含むブックデータBDを作成する。ブックデータBDは、ページデータPDを内部に格納した一つの文書ファイルである。ブックデータBDがページ記述言語で記述されたものである場合には、ページ記述言語で記述されたページデータPDをその内部に含む一連のファイルであるか、あるいはページデータPDそれぞれに対応するリンク文を格納した一連のファイルとなる。ブックデータBDがPDF形式のデータファイルであるならば、同じくPDF形式のページデータPDをその内部に含む一連のファイルとなる。端末4で作成されたブックデータBDはネットワーク3を介して、コントローラ1に送信される。なお、ブックデータBDは、端末4から送信されたページデータPDからコントローラ1において構成するようにしてもよい。
【0036】コントローラ1は、印刷機群2を制御するコントローラである。送信されたブックデータBDを解析し、ブックデータBDを構成するページデータPDに対してラスタライズ処理を行い、ページデータPDに対応する印刷データRPDを作成する。作成された印刷データRPDは、通信線CLを介して、印刷機群2に送信される。このとき、コントローラ1は、印刷データRPDの印刷を印刷機群2のデジタル印刷機のいずれかで印刷するかを決定する。また、コントローラ1は、通信線CLを介して、印刷機群2に印刷非実行情報も送信する。
【0037】印刷機群2は、コントローラ1から送信された印刷データRPDを受信して、印刷データRPDの内容を直接印刷用紙に印刷することができるデジタル印刷機21、22、23から構成されている。ここで、これらデジタル印刷機21、22、23はそれぞれ仕様の異なったデジタル印刷機である。デジタル印刷機21は、4色(イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック)の印刷を行うことができる多色デジタル印刷機であり、給紙カセットにはカラー印刷を行うため、A4サイズのコート紙が収納されているものとする。デジタル印刷機22は、モノクロ印刷を行うためのデジタル印刷機であり、A4サイズの普通紙が給紙カセットに収納されているものとする。デジタル印刷機23は、デジタル印刷機22と同じく、モノクロ印刷を行うためのデジタル印刷機であるが、その給紙カセットにはA3サイズの普通紙が収納されているものとする。また、デジタル印刷機21、22、23は、それぞれ通信線CLを介して、コントローラ1から送信された印刷非実行情報を受信し、それに基づいて印刷された印刷用紙を排紙する際に、印刷されないページ位置に関する所定の処理を行う。なお、印刷機群2は、ネットワーク3を介して、コントローラ1と接続されるようにしてもよい。
【0038】図2は、コントローラ1の構成を示すための図である。コントローラ1は、一般的に使用されているパーソナルコンピュータであり、CPU11、表示部12、入力部13、ネットワークI/F14、メディアドライブ15、記憶部16、メモリ17、通信線CLより構成されている。CPU11は、コントローラ1全体を制御し、特にメディアドライブ15に挿入されたメディアディスク18に記録されているプログラムをメモリ17において実行することによって、コントローラ1の機能を実現している。表示部12は、端末4からブックデータBDを受信することによって行われる印刷実行時に必要な情報を表示するため、また印刷機群2を構成するデジタル印刷機21、22、23において印刷される印刷データRPDの割当を表示するために使用される。入力部13は、マウスやキーボードで構成されており、コントローラ1に対してオペレータが指示を入力するために使用する。ネットワークI/F14は、コントローラ1とネットワーク3とを接続するためのものである。ネットワークI/F14を介して、コントローラ1はネットワーク3に接続されている端末4からブックデータBD、あるいはページデータPDを受信する。また、図示しないサーバより、コントローラ1の機能を実現するプログラムをダウンロードすることも可能である。さらに、印刷機群2がネットワーク3を介してコントローラ1と接続されている場合には、このネットワークI/F14を介して、印刷機群2に印刷データRPDおよび印刷非実行情報NPDを送信する。メディアドライブ15は、メディアディスク18に記録されているプログラムを読み取るために使用する。メディアドライブ15で読み取られたプログラムにより、コントローラ1の機能が実現される。また、コントローラ1を端末4とはオフラインで運用する場合、端末4で作成されたブックデータBDはメディアディスク18に記録されるので、このメディアドライブ15によって該メディアディスク18を読み込むことにより後続の処理を行うようにしてもよい。記憶部16は、メディアドライブ15で読み取られたプログラムを格納する。また、記憶部16は、ブックデータBD、ページデータPD、印刷データRPDをも記憶する。通信線CLは、印刷機群2を構成するデジタル印刷機21、22、23との通信に使用する。通信線CLは各デジタル印刷機毎に用意されており、ここではCL1、CL2、CL3が備えられている。
【0039】メモリ17は、記憶部16によって記憶されたプログラムをCPU11が実行するためのワークエリアである。CPU11によってプログラムが実行された結果、メモリ17において、条件情報作成部171、設定情報抽出部172、抽出条件判定部173、ページデータ抽出部174、印刷機選択部175、ページデータ出力処理部176、ページデータ印刷割当情報作成部177、印刷実行情報作成部178、印刷制御部179の機能が実現する。
【0040】条件情報作成部171は、印刷機群2を構成するデジタル印刷機21、22、23に対して、印刷すべきページデータPDを割り当てるための条件情報を作成する。オペレータが、ブックデータBDに含まれるページデータPDを印刷するための印刷機を選択するのに必要な条件、例えば用紙サイズ、印刷像の構成色(印刷色数)、印刷用紙の種類、印刷方向などを入力することにより、条件情報作成部171は印刷機選択のための条件情報を作成する。また、端末4にて、ブックデータBD内に印刷機を選択するための情報がすでに格納されている場合には、ブックデータBD内の該情報を読み取り、それに基づいて条件情報を作成する。
【0041】設定情報抽出部172は、端末4から送信されてきたブックデータBDに含まれるページデータPDそれぞれの設定情報を抽出する。各ページデータPDはそれぞれ用紙サイズに関する情報や、印刷像を構成する印刷色数に関する情報、印刷方向に関する情報などを有している。また、ページデータPDを印刷する用紙種類に関する情報がブックデータBDに添付されていることもある。設定情報抽出部172は、印刷機選択のために、ブックデータBDやページデータPDから、印刷時参照する設定情報を抽出する。
【0042】抽出条件判定部173は、条件情報作成部171で作成された条件情報と設定情報抽出部172で抽出された設定情報とを比較する。条件情報と一致する設定情報が一致した場合、該設定情報を有するページデータPDについて後述するページデータ抽出処理が実行される。なお、この抽出条件判定部173における判定で、条件情報と設定情報が一致しない場合には、該設定情報を有するページデータPDについて抽出処理が行われないことになるが、この場合の処理についてはさらに後述する。
【0043】ページデータ抽出部174は、抽出条件判定部173で条件情報と一致した設定情報を有するページデータPDをブックデータBDから抽出する。抽出されたページデータPDが、図示しないRIP部でラスタライズ処理され、印刷データRPDが作成される。作成された印刷データRPDは、後述する印刷機選択部175にて印刷を行うべきデジタル印刷機が選択される。
【0044】印刷機選択部175は、ページデータ抽出部174で抽出されたページデータPDを印刷するための印刷機を選択する。印刷機選択部175は、コントローラ1に接続されている印刷機群2に関する情報を格納した印刷機管理テーブル1751を備えている。印刷機管理テーブル1751は、コントローラ1に接続されている印刷機群2のデジタル印刷機21、22、23それぞれの仕様、例えば用紙サイズ、印刷色数、用紙種類、印刷方向についての情報が格納されている。印刷機選択部175は、印刷機管理テーブル1751に格納されている印刷機群2に関する情報を参照し、条件情報とページデータPDの設定情報と比較することにより、ページデータPDをラスタライズ処理した印刷データRPDを印刷するための印刷機を選択する。なお、ページデータPDの印刷用紙種類の変更が指定された場合、印刷機選択部175は、印刷機管理テーブル1751に格納されている情報を参照して、該用紙を格納している印刷機を選択する。
【0045】ページデータ出力処理部176は、抽出条件判定部173において、条件情報作成部171が作成した条件情報に一致しない設定情報を有するページデータPDがブックデータBDに含まれていた場合、あるいは条件情報と設定情報は一致したものの、印刷機選択部175において、該設定情報を有するページデータPDを印刷するための印刷機が選択されなかった場合に、印刷機群2のいずれかのデジタル印刷機において該ページデータPDから作成された印刷データRPDを印刷できるよう、ページデータPDに対して出力処理を施す。そのため、ページデータ出力処理部176は、ページデータ回転部1761、ページデータ変倍部1762、ページデータ色変換部1763を備えている。ページデータ回転部1761は、ページデータPDの印刷方向を変更するために、ページデータPDに対して回転処理を施す。例えば、印刷機において用紙方向がA4縦置きだった場合、ページデータPDの方向がA4横置きでは、該ページデータPDにより作成された印刷データRPDによる印刷を行うとページの途中で用紙が切れてしまう。そのようなことを防ぐために、ページデータ回転部1761は、ページデータPDに回転処理を施し、デジタル印刷機での印刷を保証する。ページデータ変倍部1762は、ページデータPDの用紙サイズを変更するために、ページデータPDに対して変倍処理を施す。例えば、デジタル印刷機において印刷に使用する用紙がA4だった場合、ページデータPDの用紙サイズがA3であったならば、該ページデータPDにより作成された印刷データRPDによる印刷を行うと、デジタル印刷機の用紙サイズとページデータPDの用紙サイズが一致していないことによる不具合が発生する。そのようなことを防ぐために、ページデータ変倍部1762は、ページデータPDに変倍処理を施し、デジタル印刷機での印刷を保証する。ページデータ色変換部1763は、ページデータPDの印刷色数を変更するために、ページデータPDに対して色変換処理を施す。例えば、印刷機が4色(YMCK)印刷を行う印刷機であった場合、ページデータPDの内容にYMCK以外の特色が含まれていたならば、該ページデータPDにより作成された印刷データRPDによる印刷を行うと、4色印刷機では特色を印刷することができないことによる不具合が発生する。そのようなことを防ぐために、ページデータ色変換部1763は、ページデータPDに色変換処理を施し、デジタル印刷機での印刷を保証する。また、ページデータ出力処理部176は、印刷機群2のいずれかのデジタル印刷機により、印刷システム100で印刷することができないページデータPDの内容を印字するような処理も実行する。なお、ページデータ出力処理部176により、印刷システム100で印刷することができないページデータPDを、出力処理を施すことなく、他の印刷システムに送信するようにしてもよい。
【0046】ページデータ印刷割当情報作成部177は、印刷機群2において印刷される印刷データRPDのページデータ印刷割当情報を作成する。また、ページデータPDは、印刷機選択部175によってページ毎に印刷を行うデジタル印刷機が選択されていることから、ページデータ印刷割当情報作成部177は、印刷機群2において各デジタル印刷機にて印刷されるページデータPDについての情報も作成する。作成されたページデータ印刷割当情報は、表示部12に表示されることによりオペレータが確認することができる。なお、印刷機群2のいずれかのデジタル印刷機により、ページデータ印刷割当情報を印字するようにしてもよい。
【0047】印刷実行情報作成部178は、ページデータ印刷割当情報に基づいて、各デジタル印刷機において印刷される印刷データRPD、印刷されない印刷データRPDの代わりに挿入された印刷非実行情報NPDを含む印刷実行情報を作成する。印刷実行情報中の印刷非実行情報NPDは、各デジタル印刷機において該印刷非実行情報NPDにて指定された印刷データRPDの位置を基点とする排紙処理を実行させるための制御信号である。
【0048】印刷制御部179は、印刷データRPDおよび印刷非実行情報NPDからなる印刷実行情報を、印刷機選択部175で選択された各デジタル印刷機に対して送信する。印刷実行情報が送信された各デジタル印刷機は、印刷データRPDに基づく印刷を実行し、印刷非実行情報NPDに基づいて排紙処理を実行する。
【0049】図3は、印刷機群2のデジタル印刷機として、デジタル印刷機22の構成を説明するための図である。デジタル印刷機22は制御部220、給紙部221、印刷部222、搬送路223、スタッカ224を備えている。
【0050】制御部220は、通信線CL2を介してコントローラ1から送信されてきた印刷実行データGPDを受信する。制御部220は、受信した印刷実行データGPDに格納された印刷データRPDを2値網点化信号RDDに変換して、印刷部222に送信する。また、制御部220は印刷実行データGPDの受信に合わせて、給紙部221より印刷用紙PAの給紙を開始する。
【0051】給紙部221は、複数の給紙カセット2211、各給紙カセット2211から給紙を行うための供給部2212から構成されている。給紙カセット2211には、それぞれ識別コードを付与することで、コントローラ1による給紙カセットの識別を可能とする。図4のデジタル印刷機22では、給紙カセット2211は3つの給紙カセットから構成されているので、それぞれに「a」「b」「c」という識別コードが付与されているものとする。給紙カセット2211a、2211bには、それぞれ複数の印刷用紙PAが収納されている。一方給紙カセット2211cには、デジタル印刷機22にて印刷されないページに該当する位置に挟み込むための合紙PAAが収納されている。供給部2212は、制御部220の制御に従って、給紙カセット2211を切り替え,給紙カセット2211に収納されている印刷用紙PAあるいは合紙PAAを1枚ずつ引出す。供給部2212によって給紙カセット2211から供給された印刷用紙PAあるいは合紙PAAは、搬送路223を経て印刷部222へと搬送される。
【0052】印刷部222は、2値網点化信号RDDに基づいて光源2222を駆動するドライバ2221、2値網点化信号RDDに基づいた画像を露光ドラム2224に露光するための光源2222、光源2222によって露光ドラム2224に記録された画像を現像する現像部2223、現像された画像を印刷用紙PAに転写するための露光ドラム2224、圧胴2225を備えている。まず、ドライバ2221が、印刷データRPDを2値網点化信号RDDに変換し、この2値網点化信号RDDにより光源2222のON/OFFを制御する。この制御によって光源2222が光線を照射することで、図示しない帯電器にて正または負の電荷で均一に帯電させられた露光ドラム2224が部分的に放電させられ、その結果露光ドラム2224上にはページデータPDに対応する静電潜像が形成される。現像部2223は、露光ドラム2224と同極性の電荷で帯電されたトナーを露光ドラム2224に付着させることによって、トナーによる印刷像を露光ドラム2224上に形成する。現像部2223によってトナーによる印刷像を形成した露光ドラム2224は矢印方向に回転することにより、搬送路223を経て印刷部222に搬送された印刷用紙PA上にトナーによる印刷像を転写する。印刷像が転写された印刷用紙PAは、図示しない定着部にてトナーが用紙に定着されることにより、印刷用紙PAに対する印刷が完了する。その後印刷用紙PAは、搬送路223をさらに進んで、スタッカ224に排紙される。
【0053】さて、印刷実行データGPDに格納された印刷非実行情報NPDに基づいて、制御部220は、給紙部221に対して給紙カセット2211を切り替えるためのカセット切替信号CCDを出力する。供給部2212はカセット切替信号CCDを受信すると、用紙の給紙先である給紙カセット2211を変更する。ここで、給紙カセット2221aより給紙を行っていた場合、カセット切替信号CCDを受信した供給部2212は、給紙先を合紙PAAが収納されている給紙カセット2211cに切り替え、合紙PAAを1枚引き出して搬送路223に供給する。合紙PAAは印刷用紙PA同様、搬送路223によって印刷部222に供給されるが、印刷データRPDが制御部220より送信されていないので、合紙PAAに対する印刷処理が行われることはなく、スタッカ224へ排紙される。合紙PAAは、印刷用紙PAとは異なる用紙なので、合紙が挿入された部分は印刷が行われていないことを容易に確認することができる。印刷実行データGPDに印刷非実行情報NPDに続いて印刷データRPDが格納されているならば、制御部220は再度給紙部221に対して給紙カセット2211を切り替えるためのカセット切替信号CCDを送信する。供給部2212は、カセット切替信号CCDに従って、給紙先を給紙カセット2211cから2211aに変更し、印刷部222に印刷用紙PAを搬送して印刷を再開する。
【0054】また、デジタル印刷機22が排紙位置変更機能を有するようにしても良い。図4(a)は、印刷機群2のデジタル印刷機として、デジタル印刷機23の構成を説明するための図である。デジタル印刷機23は制御部230、給紙部231、印刷部232、搬送路233、排紙位置変更機構234、スタッカ235を備えている。
【0055】制御部230は、図3にて説明したデジタル印刷機22の制御部220と同様の機能を有する他に、受信した印刷実行データGPDに格納された印刷非実行情報NPDに応じて排紙位置変更信号DPDを作成し、排紙位置変更機構234に対して該排紙位置変更信号DPDを送信する機能を有している。なお、給紙部231、印刷部232については、前述の給紙部221、印刷部222と同様の機能を有しているので、説明を省略する。
【0056】搬送路233は、順次印刷が行われた印刷用紙PAをスタッカ235へと搬送するが、その途中に排紙位置変更機構234を備えている。排紙位置変更機構234は、制御部230から送信された排紙位置変更信号DPDを受信することにより、印刷用紙PAの排紙位置を変更する。図4(b)は、排紙位置変更機構234を拡大して示したものである。排紙位置変更機構234は、ドライバ2341、モーター2342、排紙位置変更アーム2343を備えている。ドライバ2341が、制御部230から送信された排紙位置変更信号DPDを受信すると、ドライバ2341はモーター2342を駆動するための駆動信号を発生する。モーター2342は、駆動信号に基づいて動作し、排紙位置変更アーム2343を駆動する。排紙位置変更アーム2343は、通常は搬送路233の壁側面に接するように保持されており、この状態において搬送路233を搬送される印刷用紙PAは搬送路中の位置Aを保ったまま直進して、スタッカ235に排紙される。しかし、排紙位置変更信号DPDによって、排紙位置変更アーム2343が図示する位置まで駆動されると、搬送路233を搬送される印刷用紙PAは、搬送位置変更アーム2343の抵抗を受けて、搬送路中の位置Bに移動して直進し、スタッカ235に排紙される。制御部230からの排紙位置変更信号DPDの送信が終了したならば、ドライバ2341はモーター2342を再び駆動するための駆動信号を発生する。モーター2342は駆動信号に基づいて、排紙位置変更アーム2343を搬送路233の壁側面に接するように保持する位置に戻す。これにより、以降搬送路233を搬送される印刷用紙PAは搬送路中の位置Aを保ったまま、スタッカ235に排紙される。なお、デジタル印刷機23に使用し得る排紙位置変更部234の構造は、この例にとどまらない。例えば、搬送路233床面に斜状に設置したローラを排紙位置変更信号DPDによって駆動することにより、前述と同様、印刷用紙PAのスタッカ235における排紙位置の変更が可能となる。また、スタッカ235を排紙位置変更信号DPDによってスライドさせる機構を加えることにより、同様に印刷用紙PAの排紙位置を変更することができる。
【0057】図5は、印刷システム100の動作を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS1において、コントローラ1は印刷機群2の各デジタル印刷機に関する情報を取得する。
【0058】図6は、印刷機群2を構成するデジタル印刷機21〜23に関する情報を取得した状態の印刷機管理テーブル1751を説明するためのものである。オペレータは入力部13を操作することによって、コントローラ1の印刷機選択部175に備えられた印刷機管理テーブル1751にデジタル印刷機21〜23に関する情報を入力する。入力すべき情報としては、接続されているデジタル印刷機の名称、デジタル印刷機が収納している印刷用紙PAの用紙サイズ、デジタル印刷機が印刷可能な色種類、収納している印刷用紙PAの用紙種類、印刷用紙の印刷方向などである。ここでは、コントローラ1に接続されている各デジタル印刷機の名称として、デジタル印刷機21、デジタル印刷機22、デジタル印刷機23を、オペレータが入力する。続けて、デジタル印刷機21が収納している印刷用紙PAの用紙サイズとして「A4」、印刷可能な色種類として「YMCK」、収納している印刷用紙PAの種類として「コート紙」、印刷方向として「縦」を入力する。同様に、デジタル印刷機22、23についても、オペレータが、デジタル印刷機に関する情報を入力することにより、印刷機管理テーブル1751が充足され、コントローラ1はデジタル印刷機21〜23についての情報を取得することになる。なお、コントローラ1に接続されているデジタル印刷機21〜23が、印刷機自体にて自機の状態を管理する機能を有するインテリジェントタイプのデジタル印刷機であるならば、通信線CL1〜3を介して、コントローラ1がデジタル印刷機21〜23の情報を取得するようにしても良い。
【0059】ステップS2において、コントローラ1は条件情報および出力処理情報を作成する。オペレータが入力部13により、ページデータPDを印刷する際に所望する事項を入力することで、コントローラ1の条件情報作成部171およびページデータ出力処理部176にて、条件情報および出力処理情報が作成される。
【0060】図7(a)は、条件情報入力メニューMJJを示したものである。条件情報入力メニューMJJは、条件情報作成に使用する入力項目として、タブ71、用紙サイズ入力欄72、印刷色選択ボタン73、用紙種類入力欄74、印刷方向入力欄75、OKボタン76、キャンセルボタン77を備えている。この条件情報入力メニューMJJは、条件情報作成部171により、同じ入力項目をそれぞれ備えた条件情報入力メニューMJJ1、MJJ2、MJJ3が重ね合わされたものとして、表示部12に表示される。
【0061】タブ71は、条件情報入力メニューMJJを切り替えるために使用する。前述の通り条件情報入力メニューMJJは、条件情報入力メニューMJJ1〜3が重ね合わされたものとして表示されている。オペレータが入力部13により、このタブ71を押下することにより、条件情報入力メニューMJJ1〜3の間で、条件情報入力メニューMJJを切り替えることができる。すなわち、条件情報入力メニューMJJは、条件情報作成部171が、印刷機管理テーブル1751に登録されたデジタル印刷機についての情報を取得することにより、コントローラ1に接続されたデジタル印刷機の台数が判明するので、タブ71がコントローラ1に接続されたデジタル印刷機の台数分表示されるのである。ここでは、コントローラ1に接続されたデジタル印刷機の台数は3台なので、タブ71は71a、71b、71cの3つのタブが表示されている。
【0062】用紙サイズ入力欄72は、ページを印刷する用紙サイズを入力するために使用する。オペレータは、ページを印刷するための所望の用紙サイズを、この用紙サイズ入力欄72に入力することで、条件情報作成部171が印刷用紙PAに関する情報を取得する。
【0063】印刷色選択ボタン73は、ページを印刷する際の印刷色数を入力するために使用する。印刷色選択ボタン73は、モノクロ印刷ボタン73a、カラー印刷ボタン73bからなり、さらにY版印刷ボタン73c、M版印刷ボタン73d、C版印刷ボタン73e、K版印刷ボタン73f、特色印刷ボタン73g、から構成されている。オペレータは、入力部13を操作して、ページ印刷時に所望する色数を、印刷色選択ボタン73を押下することによって入力する。モノクロ印刷ボタン73aが押下されたならば、ページを印刷する際の印刷色はモノクロとして、作成される条件情報に反映される。カラー印刷ボタン73bが押下されたならば、ページを印刷する際の印刷色について、さらに73c〜73gのいずれかもしくは全てのボタンを押下することにより、作成される条件情報に反映される。なお、モノクロ印刷ボタン73aとカラー印刷ボタン73bを同時に押下することはできない。
【0064】用紙種類入力欄74は、ページを印刷する用紙の種類を入力するために使用する。オペレータは、ページを印刷するための所望する用紙種類を、この用紙種類入力欄74に入力することで、条件情報作成部171が印刷用紙PAに関する情報を取得する。
【0065】印刷方向入力欄75は、ページの印刷方向を入力するために使用する。オペレータは、ページを印刷するための所望する用紙の印刷方向を、この印刷方向入力欄75に入力することで、条件情報作成部171が印刷用紙PAに関する情報を取得する。
【0066】タブ71aにおいて、所望する印刷内容についての条件入力が終ったならば、オペレータは必要に応じてタブ71b、71cを押下して、条件情報入力メニューMJJ2乃至3に切り替えて、さらに条件入力を行う。条件入力が終ったならば、オペレータはOKボタン76を押下して、条件情報作成部171に対する入力を終了する。その結果、入力された内容により、条件情報作成部171が条件情報データJDを作成する。入力を途中で終りたい場合、あるいは入力した条件情報データJDが気に入らない場合には、キャンセルボタン77を押下して条件入力を中止する。
【0067】図7(b)は、条件情報入力メニューMJJによる入力により、条件情報作成部171が作成した条件情報データJDの構成を示したものである。図示しているように、条件情報データJDは条件1〜3を格納しており、それぞれに用紙サイズ、印刷色数、用紙種類、印刷方向についての情報を格納している。このように、条件情報入力メニューMJJに対して、オペレータが印刷するページについて所望する事項を入力することにより、ページデータPD印刷時に参照される条件情報が作成される。
【0068】しかし、このような条件情報に一致しないページデータPD、すなわちそのままでは印刷機群2によって印刷することができないページデータPDが存在する可能性がある。そのため、印刷機群2による印刷が可能になるよう、ページデータPDに対して出力処理を施さなければならない場合がある。図8(a)は、そのような事態に備えて設定する出力処理情報を作成するための、出力処理入力メニューMDJを示したものである。出力処理メニューMDJは、出力処理情報作成に使用する項目として、ページ回転設定欄81、ページ変倍設定欄82、ページ色変換設定欄83、印刷機選択欄84、ページデータ内容出力欄85、OKボタン86、キャンセルボタン87を備えており、ページデータ出力処理部176によって表示部12に表示される。
【0069】ページ回転設定欄81は、ページデータPDの用紙方向とデジタル印刷機における用紙の印刷方向が異なる場合、ページデータPDの表現する印刷像を回転させることにより、デジタル印刷機での印刷実行を可能にするための入力を行う欄である。ページ回転設定欄81は、そのために縦回転ボタン81a、横回転ボタン81bを備えている。縦回転ボタン81aは、ページデータPDの表現する印刷像を横向きから縦向きへ変更する際に押下する。横回転ボタン81bは、ページデータPDの表現する印刷像を縦向きから横向きへ変更する際に押下する。オペレータが、入力部13によって、これら回転ボタン81aもしくは81bのいずれかを押下することにより、ページデータPDの表現する印刷像に対して、ページデータ回転部1761により、回転処理が施される。これにより、ページデータPDの印刷方向とデジタル印刷機における用紙の印刷方向が異なっていたとしても、印刷が可能となる。
【0070】ページ変倍設定欄82は、ページデータPDの用紙サイズとデジタル印刷機における用紙サイズが異なる場合、ページデータPDの表現する印刷像を変倍させることにより、デジタル印刷機での印刷実行を可能にするための入力を行う欄である。ページ変倍設定欄82は、そのために縦変倍率入力欄82a、横変倍率入力欄82b、ページフィット入力欄83cを備えている。オペレータが、入力部13によって、これら変倍率入力欄に所望する変倍率を示す数値を入力することにより、ページデータPDの表現する印刷像に対して、ページデータ変倍部1762により、各変倍率入力欄82a〜82bにて入力された変倍率で変倍処理が施される。また、ページフィット入力欄83cに対して入力を行うと、印刷用紙PAのサイズに合わせた変倍処理を行う。すなわち、後述する印刷機選択欄84で選択されたデジタル印刷機にて使用されている印刷用紙PAのサイズにページデータPDの印刷サイズが合うように、ページデータ変倍部1762が変倍処理を実行する。これにより、ページデータPDの用紙サイズとデジタル印刷機における用紙サイズが異なっていたとしても、印刷が可能となる。
【0071】ページ色変換設定欄83は、ページデータPDの印刷色数とデジタル印刷機における印刷色数が異なる場合、ページデータPDの表現する印刷像を色変換することにより、デジタル印刷機での印刷実行を可能にするための入力を行う欄である。ページ色変換設定欄83は、そのために単色変換ボタン83a、プロセスカラー変換ボタン83b、減色ボタン83cを備えている。単色変換ボタン83aは、例えばYMCKの4色で表現されている印刷像を黒一色などの単色に変換するのを指定するためのボタンである。プロセスカラー変換ボタン83bは、YMCK以外の色(特色と称する)で表現されている印刷像をYMCKによる色表現に変換するのを指定するためのボタンである。減色ボタン83cは、YMCKの4色で表現されている印刷像を、例えばMCの2色による表現に変換するのを指定するためのボタンである。この減色ボタン83cが押下された場合には、色指定ボタン83d〜83gをも押下する。色指定ボタン83dはY色指定ボタン、83eはM色指定ボタン、83fはC色指定ボタン、83gはK色指定ボタンである。オペレータが、色指定ボタン83d〜83gのいずれかを押下すると、ページデータPDの表現する印刷像の色は押下された色指定ボタンによる色表現のみとなる。なお、この色指定ボタン83d〜83gは複数押下可能であるが、4つの色指定ボタン全てを押下することはできない。このページ色変換設定欄83に対するオペレータの入力により、ページデータPDの表現する印刷像は、ページデータ色変換部1763による色変換処理がなされるので、ページデータPDの印刷色数とデジタル印刷機における印刷色数が異なったとしても、印刷処理を実行することができるようになる。
【0072】印刷機選択欄84は、出力処理情報による出力処理がなされたページデータPDを出力するための印刷機を選択するために使用する。オペレータが、コントローラ1に接続された印刷機群2の中から、所望するデジタル印刷機を選択して、この印刷機選択欄84に入力することにより、出力処理が施されたページデータPDの印刷像は、該選択したデジタル印刷機から出力される。なお、ページ色変換設定欄83にて、プロセスカラー変換ボタン83bもしくは減色ボタン83cが押下されている場合には、この印刷機選択欄84にて、モノクロ印刷しか行えないデジタル印刷機を選択することはできないようにすることが望ましい。
【0073】ページデータ内容出力ボタン85は、出力処理を施さなければ印刷機群2によって印刷することができないページデータPDが存在する場合に、該ページデータPDの表現する印刷像を印刷することなく、そのページデータPDの内容を印刷させる場合に押下するボタンである。ページデータPDがページ記述言語で記述されたものである場合、このページデータ内容出力ボタン85をオペレータが押下すると、ページデータ出力処理部176が該ページデータPDの記述内容を取得して、印刷機選択欄84にて選択されたデジタル印刷機より、該ページデータPDの記述内容を印刷する。
【0074】出力処理入力メニューMDJに対する入力内容にオペレータが満足したならば、オペレータはOKボタン86を押下する。それにより、ページデータ出力処理部176が出力処理情報DDを作成する。オペレータが出力処理入力を中止したい場合、あるいは出力処理入力内容に不満があるならばキャンセルボタン87を押下して、処理を中止する。
【0075】図8(b)は、出力処理入力メニューMDJによる入力により、ページデータ出力処理部176が作成した出力処理情報データDDの構成を示したものである。図示しているように、出力処理情報データDDはページデータPDに対する回転、変倍、色変換、印刷を行うデジタル印刷機に関する情報を格納している。このように、出力処理入力メニューMDJに対して、オペレータが印刷するページについて所望する事項を入力することにより、ページデータPD印刷時に参照される出力処理情報が作成される。
【0076】ステップS3では、端末4において、ページデータPDおよびページデータPDにより構成されるブックデータBDを作成し、ネットワーク3を介して、コントローラ1へ送信する。オペレータは、端末4の図示しないレイアウトアプリケーションを用いて、所望する用紙サイズが指定されたページ上に文字や画像、線画などを配置して、複数のページデータPDを作成する。ページデータPDは一般的にページ記述言語で作成されることが多いが、他の形式によって作成されても良い。さらに、印刷システム100にて効率よく印刷物を作成するために、端末4において、複数のページデータPDによって構成されるブックデータBDを作成する。
【0077】図9は、ページデータPDの構成、およびブックデータBDの構成の一例を説明するための図である。ブックデータBDは、ページデータPD1〜4から構成されている。ブックデータBDのヘッダ部には、「book1.bd」というブックデータBDの名称が格納され、またブックデータBDによる印刷物の総ページ数として「4」が格納されている。なお、ブックデータBDの総ページ数は、ブックデータBDを構成するページデータPDの個数と一致している。ページデータPD1〜4は、それぞれ用紙サイズ、レイアウトに関する情報、印刷像を構成するための文字、画像あるいは線画などのオブジェクトデータを格納している。ページデータPD1の場合、用紙サイズは「A3」が設定されている。また、印刷物を構成するためのオブジェクトデータとして、テキストデータ「dog.txt」、画像データ「dog.tif」が格納されており、オブジェクトデータそれぞれの配置位置を示すオフセット値(x1,y1)、(x2,y2)が設定されている。このオフセット値は、用紙における左下点を基準として、オフセット値が示す点をオブジェクトデータの左下点が配置される位置を意味するものである。さらにページデータPD1は、印刷色数として「Y,M,C,K」が設定されている。すなわち、ページデータPD1は4色で印刷されるべきページであることを意味している。加えて、用紙種類として「コート」が設定されている。この用紙種類はページが印刷されるべき印刷用紙の種類を指定するためのものであり、この場合は、ページデータPD1の印刷像をコート紙に印刷することを指定している。そして、印刷方向として「横」が設定されている。すなわち、ページデータPD1は縦方向に印刷されることが指定されている。
【0078】ページデータPD2〜4もページデータPD1同様の構成を有しているが、ページデータPD2においては用紙サイズが「A4」、印刷方向が「縦」、ページデータPD3では用紙サイズが「A4」、印刷色数が「K」、用紙種類が「普通紙」、印刷方向が「縦」、ページデータPD4では用紙サイズが「A3」、印刷色数が「K」、用紙種類が「普通紙」、とそれぞれ異なった設定情報を有しており、各ページデータPDはそれぞれ異なった態様の印刷を行うことがわかる。なお、ブックデータBDを、近来広く使用されているPDF形式のデータファイルとして作成してもよい。この場合、PDFにおいては、データファイルの内部にページ内容を格納する形式になっているため、設定情報のうち「用紙種類」については、PDFファイルの内部に記述することができない。そのため、ブックデータBDは、ページ内容に関する情報を格納したPDFファイルと、各ページについて用紙種類を設定するための設定情報を組み合わせたものとして、コントローラ1に送信される。また、「用紙サイズ」「印刷色数」「印刷方向」についての設定情報についても、ページデータPDとは別に作成して、ブックデータBDに添付するような形式にしても良い。作成されたブックデータBDは、コントローラ1に送信され、記憶部15に格納される。
【0079】ステップS4において、コントローラ1は、端末4より送信されたブックデータBDに格納されたページデータPDの設定情報と、ステップS2にて設定した条件情報とを比較することにより、ページデータPDを印刷するべきデジタル印刷機を選択する。
【0080】まず、設定情報抽出部172が、記憶部15よりブックデータBDを読み出し、ブックデータBDを構成するページデータPDの設定情報データSDを抽出する。図9で示したように、各ページデータPDは、印刷像を構成するためのオブジェクトデータの他に、印刷像が印刷されるべき用紙サイズ、印刷色数、用紙種類、印刷方向などの設定に関する情報も有しているので、設定情報抽出部172が各ページデータPDごとにこのような設定情報データSDを抽出し、続くプロセスのために一時的に保存する。続いて、抽出条件判定部173が、ステップS2で設定された条件情報と、設定情報抽出部172によって抽出された各ページデータPDごとの設定情報とを比較する。抽出条件判定部173にて比較される対象は、条件情報および設定情報が共通して有している項目であり、ここでは項目「用紙サイズ」「印刷色数」「用紙種類」「印刷方向」に格納された情報が比較対象に該当する。抽出条件判定部173は、ステップS2で作成した条件情報データJD1〜3の各項目に格納された情報と、設定情報データSD1〜4の各項目に格納された情報とを比較する。条件情報データJDと設定情報データSDの各項目に格納された情報が全て一致したならば、設定情報データSDの抽出元であるページデータPDが条件情報データJDの条件を満たしたものとして、デジタル印刷機22の選択に移行する。一致しない場合は、一致する条件情報が存在しないと判明するまで、条件情報データJDと設定情報データSDの比較を繰り返す。例えば、条件情報データJD1とページデータPD1から抽出した設定情報データSD1とを比較した場合、条件情報データJD1の各項目に格納された情報はページサイズ「A4」、印刷色数「Y,M、C,K」、用紙種類「コート紙」、印刷方向「横」である。これに対して、設定情報データSD1は、ページサイズ「A3」、印刷色数「Y,M,C,K」、用紙種類「コート紙」、印刷方向「横」となっており、用紙サイズについては情報が一致しないので、設定情報データSD1の抽出元であるページデータPD1は条件情報データJD1を満たさないことがわかる。続けて、設定情報データSD1は条件情報データJD2、JD3で比較され、それでも条件が一致しないことが判明する。このように、設定情報と一致する条件情報が存在しないと判明したならば、ステップS5へ移行する。
【0081】続いて、設定情報データSD2を条件情報データJD1と比較すると、設定情報データSD2および条件情報データJD1の各項目に格納された情報は全て一致しているので、設定情報データSD2の抽出元であるページデータPD2は条件情報データJD1を満たすことが判明する。この場合には、ステップS6へと移行する。以降、設定情報データSD3、SD4に対しても同様に、条件情報データJD1〜3との比較を行う。
【0082】ステップS5では、設定情報と条件情報が一致しなかった場合に、設定情報の抽出元であるページデータPDに対して、出力処理情報による出力処理を施す。ある設定情報が条件情報と一致しなかったということは、設定情報データSDの抽出元であるページデータPDを印刷するために該当するデジタル印刷機が印刷システム100に接続されていないことを意味している。そこで、出力処理情報による出力処理をページデータPDに対して行うことにより、該ページデータPDを印刷システム100に接続されているデジタル印刷機によって印刷することができる。ページデータ出力処理部176は、ステップS2で作成された出力処理情報データDDに基づいて、ページデータPDに対して回転、変倍、色変換処理、もしくは前記処理全てを実行し、印刷を行うデジタル印刷機を指定することにより、印刷品質は当初の設定より低下するものの、条件情報と一致しなかったページデータPDを出力することができる。ここでは、ページデータPD1に対してA3→A4サイズに縮小するような変倍処理を行う。また、出力処理情報DDで指定されたデジタル印刷機がモノクロのみ印刷可能なデジタル印刷機22なので、カラー→モノクロの色変換処理をも行う。さらに、印刷方向について、出力処理情報データDDに基づいて、印刷方向「横」から印刷方向「縦」に変更される。また、印刷を行うデジタル印刷機としてデジタル印刷機22が指定されているので、ページデータPD1の設定情報に格納された用紙種類についての情報は無視される。これにより、用紙サイズ「A4」、印刷色数「K」、印刷方向「縦」という設定情報を有するページデータPD1’を得るものとする。
【0083】なお、ステップS2の出力処理情報データDD作成時に、「ページデータ内容出力」を指定した場合には、出力処理情報による出力処理は行われず、指定した印刷機よりページデータPDのファイル内容がそのまま印刷される。それにより、条件情報と一致しないページデータPDのファイル内容をオペレータが確認することができるので、ページデータPDの設定情報を修正したり、条件情報を修正したり、あるいは出力処理情報を修正することにより、印刷品質を犠牲にすることのない印刷作業が行える。また、ページデータPDのファイル内容を確認した上で、該ページデータPDを他の印刷システムで出力するようにしてもよい。また、設定情報と条件情報とが一致したとしても、印刷システム100に、ページデータPDを印刷するためのデジタル印刷機が接続されていない場合においても、上述のステップを実行する。
【0084】ステップS6では、ブックデータBDを構成するページデータPDに対して、印刷データRPDを作成するためのRIP処理を行う。コントローラ1は、ブックデータBDよりページデータPDを抽出し、図示しないRIP部によるRIP処理を行って、ラスタライズされた各ページデータPD毎に印刷データRPDを作成する。ステップS4による判定の結果、条件情報と一致したページデータPDは、ブックデータBDから抽出された後、ページサイズ、方向、あるいは印刷色数は変更されずにラスタライズ処理されるが、ステップS5を経て出力処理情報による出力処理が施されたページデータPDは、出力処理情報データDDにて指定されたサイズ、方向、あるいは印刷色数にてラスタライズ処理が行われる。すなわち、ここまでのステップで、ブックデータBD1を構成するページデータPD1〜4からは、変倍処理、色変換処理が施されたページデータPD1’をラスタライズした結果作成された印刷データRPD1’、およびページデータPD2〜4をそのままラスタライズした結果作成された印刷データRPD2〜4を得ることができる。なお、ステップS2の出力処理情報データDD作成時に、「ページデータ内容出力」を指定した場合には、条件情報に一致しなかったページデータPDに対するRIP処理は行われない。ステップS5にて、指定した印刷機よりページデータPDのファイル内容をそのまま印刷するためである。
【0085】ステップS7において、前述のステップS6で作成された印刷データRPDを印刷するため、印刷機群2の中からデジタル印刷機を選択する。印刷機選択部175は、印刷機管理テーブル1751に登録されている各デジタル印刷機に関する各項目の情報と条件情報の各項目の情報とを比較する。印刷機管理テーブル1751に登録されているデジタル印刷機に関する各項目の情報「用紙サイズ」「印刷色数」「用紙種類」「印刷方向」と、条件情報データJDの各項目の情報「用紙サイズ」「印刷色数」「用紙種類」「印刷方向」とが一致した場合、該デジタル印刷機が該条件情報と一致する設定情報を有するページデータPDより作成された印刷データRPDの印刷を行うためのものとして選択される。ここでは、デジタル印刷機21に関する各項目の情報が条件情報データJD1と一致するので、条件情報データJD1と一致する設定情報データSD2を有するページデータPD2から作成された印刷データRPD2の印刷を行うデジタル印刷機として、デジタル印刷機22が選択される。同様にして、印刷データRPD3の印刷を行うデジタル印刷機としてデジタル印刷機21、印刷データRPD4の印刷を行うデジタル印刷機としてデジタル印刷機23が選択される。また、条件情報と一致しなかったページデータPD1については、ステップS5において出力処理を受けた際に、出力処理情報データDDにて指定されたデジタル印刷機22によって、ページデータPD1’より作成した印刷データRPD1’が出力される。図10は、ステップS7によって、印刷データRPDの印刷を行う印刷機群2が選択された状態を図示するためのものである。なお、ステップS2の条件情報作成時に、条件情報と一致する設定情報を有するページデータを印刷するデジタル印刷機を設定するようにしても良い。この場合、条件情報データJD内に印刷を行うデジタル印刷機に関する情報が格納されることになるので、印刷機選択部175は条件情報データJDを参照して、印刷データRPDを印刷するためのデジタル印刷機を選択する。
【0086】ステップS8は、印刷機群2の各デジタル印刷機と、選択されたデジタル印刷機にて印刷される印刷データRPDとの関係を示すページデータ割当情報を作成する。ページデータ印刷割当情報作成部177は、印刷機群2を構成するデジタル印刷機21、22、23と、印刷データRPD1’〜RPD4との関係から、ページデータ印刷割当情報を作成する。
【0087】図11(a)は、ページデータ印刷割当情報作成部177が作成したページデータ印刷割当情報WDの一例を示したものである。ページデータ印刷割当情報WDは、各デジタル印刷機において印刷データRPDごとに印刷を実行/非実行することを示すフラグデータを格納している。例えば、デジタル印刷機21の場合、印刷データRPD2の印刷を行い、他の印刷データRPD1’およびRPD3、RPD4の印刷は行わないことから、印刷データRPD2のフラグに「1」がセットされ、他の印刷データについてはフラグに「0」がセットされる。デジタル印刷機22の場合、印刷データRPD1’およびRPD3の印刷を行うことから、印刷データRPD1’および印刷データRPD3のフラグに「1」がセットされ、他の印刷データのフラグは「0」がセットされる。デジタル印刷機23については、印刷データRPD4のフラグに「1」がセットされ、他の印刷データのフラグは「0」がセットされる。このページデータ印刷割当情報WDにより、各デジタル印刷機においてどのページが印刷されどのページが印刷されないか、についての情報を作成することができる。ページデータ印刷割当情報作成部177は、ページデータ印刷割当情報WDから、印刷データRPDの作成元であるページデータPDについて、図11(b)に示すようなページデータPD毎に印刷を行うデジタル印刷機の名称を割り当てた表示用ページデータ割当情報HWDを作成して、表示部12に表示するか、あるいは適宜印刷することにより、オペレータに対してどのページがどのデジタル印刷機で印刷されるかを示すことができる。なお、ページデータPD1について、「PD1’」として表示しているのは、ステップS5で出力処理が施されたことを示すためである。本来のページデータはPD1である旨、図11(b)にて表示するようにしても良い。
【0088】ステップS9にて、コントローラ1は、印刷機群2による印刷を行うため、印刷データRPDおよび印刷非実行情報NPDを各デジタル印刷機に送信する。この印刷非実行情報NPDは、印刷実行情報作成部178によって作成されるものであり、その実体は、各デジタル印刷機において排紙位置変更、もしくは合紙挿入処理を実行するための制御信号である。印刷実行情報作成部178は、ステップS8で作成されたページデータ印刷割当情報WDを参照して、ページデータ印刷割当情報WDに格納されている各デジタル印刷機における印刷データRPDのフラグデータを取得することで、該当する印刷データRPDの位置に印刷非実行情報NPDを挿入することにより、印刷データRPDおよび印刷非実行情報NPDからなる印刷実行情報GPDを作成する。例えば、デジタル印刷機21の場合、ページデータ印刷割当情報WDから、印刷データRPD1’、RPD3およびRPD4については印刷を行わないことから、該当する印刷データRPDのフラグには「0」がセットされている。そこで、印刷実行情報作成部178は、フラグ「0」の部位に印刷非実行情報NPDを挿入する。なお、フラグ「0」が連続する場合には、排紙位置の煩雑な変更や無駄な合紙挿入を防ぐために、印刷実行情報作成部178は、印刷非実行情報NPDを連続して挿入しない。その結果、デジタル印刷機21に対して送信されるべき印刷実行情報作成部178が作成した印刷実行情報GPD21の構成は、図12(a)に示すように印刷非実行情報NPD、印刷データRPD2、印刷非実行情報NPDとなる。同様にして、図12(b)、(c)に示すような印刷実行情報GPD22、GPD23が、それぞれデジタル印刷機22、23に送信されるよう、印刷実行情報作成部178によって作成される。
【0089】そして、印刷制御部179により、作成された各印刷実行情報GPDが、通信線CLを介して、それぞれ指定された各デジタル印刷機に送信されることにより、印刷を実行する。各デジタル印刷機は、印刷データRPDに基づいて印刷を行い、印刷非実行情報NPDに基づいて排紙位置変更もしくは合紙挿入処理を行う。
【0090】このように、図5に示すプロセスを実行する図1に示した印刷システム100では、異なったページサイズ、印刷色数、用紙種類、印刷方向、で印刷すべきページデータが混在するブックデータを印刷するに際して、オペレータがいちいちページデータPDを印刷する印刷機を指定せずとも、最初にページデータを印刷するための印刷機を特定する条件情報を設定することにより、ブックデータに含まれるページデータの設定情報に基づいてページ毎に印刷を行う印刷機を選択することができる。そのため、それぞれ体裁の異なるページを適切な印刷機で印刷することができるので、オペレータの負担を軽減し、印刷作業の効率化を実現することができる。また、各デジタル印刷機において印刷されないページデータの部分を基点とした排紙位置変更、もしくは合紙挿入処理を実行するので、後工程の製本作業の効率化をも実現することができる。
【0091】「変形例」なお、本発明の実施態様は、これまで説明してきた実施例に限定されるものではない。
【0092】例えば、これまでの説明では、コントローラ1に直接印刷機群2が接続されているものとしたが、コントローラ1が、通信線CLを介して印刷機群2を構成する各デジタル印刷機のコントローラと通信を行うことによって、本発明を実施するような構成を取ってもよい。この場合、条件情報に一致する設定情報を有するページデータPDを、選択した各デジタル印刷機のコントローラに送信することにより、並列的に該コントローラにてページデータPDのRIP処理を行わせることができるので、印刷作業の効率が向上する。
【0093】逆に、各デジタル印刷機のコントローラにおいて、本発明を実施することにより、並列的に印刷処理を実行するようにしてもよい。この場合においても、並列的に各デジタル印刷機のコントローラにて条件情報と設定情報の比較を行い、ページデータPDに対するRIP処理を行うので、印刷作業の効率が向上する。
【0094】なお、これまでの説明では、デジタル印刷機21、22、23によって構成される印刷機群2を有する印刷システム100について説明を行ってきたが、それぞれ異なった種類の印刷を実行することができるような単体のデジタル印刷機、すなわち単体でありながら、デジタル印刷機21、22、23の機能を併せ持ったかのようなデジタル印刷機を有する印刷システムについても、本発明を適用することが可能である。
【0095】また、条件情報作成を端末4で実行し、ブックデータBDに条件情報データJDを添付して、コントローラ1に送信するようにしてもよい。この場合、コントローラ1における条件情報作成を必要としないので、コントローラ1における処理効率を向上することができる。
【0096】さらに、設定情報を端末4で抽出し、ブックデータBDに設定情報データSDを添付して、コントローラ1に送信するようにしてもよい。この場合、コントローラ1における設定情報抽出を必要としないので、コントローラ1における処理効率を向上することができる。
【出願人】 【識別番号】000207551
【氏名又は名称】大日本スクリーン製造株式会社
【出願日】 平成12年10月26日(2000.10.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−132478(P2002−132478A)
【公開日】 平成14年5月10日(2002.5.10)
【出願番号】 特願2000−327752(P2000−327752)