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【発明の名称】 情報出力システム及び情報出力制御方法
【発明者】 【氏名】土岐 康之

【要約】 【課題】携帯電話などのような居場所が不定のユーザからの印刷要求をネットワーク接続された任意の画像形成装置において印刷実行することで、ユーザが都合のよい時間に都合のよい場所で印刷物を取得することができるようにする。

【解決手段】ネットワーク上で構成される画像形成システム全体に対して、代表的な1つのアドレスを付与する。ユーザはこの代表アドレスを用いることで、出力先を特定せずに印刷要求や印刷予約を簡単に行うことができる。印刷要求を受け取った予約管理サーバは、印刷ジョブのスプール先の位置情報や所在を含ませて印刷指示の受領通知を送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ネットワーク接続された1以上の情報出力装置を備え、ネットワークを介した電子メールによる情報出力要求に対して情報出力サービスを提供する情報出力システムであって、前記1以上の情報出力装置を含む該情報出力システム内の各装置を代表する代表アドレスを保持するアドレス保持手段と、該代表アドレス宛ての電子メールの送受信を管理するメール管理手段と、受信した電子メールの内容を解析して、情報出力対象データを取り出すメール解析手段と、情報出力対象データをスプールするスプール手段と、スプールされた情報出力対象データを識別可能な識別情報を発行する識別情報発行手段と、を具備することを特徴とする情報出力システム。
【請求項2】前記識別情報発行手段は、電子メールを受信した情報出力システムの位置情報又は所在、情報出力対象データをスプールする場所の位置情報又は所在などを特定可能な情報を含む識別情報を発行することを特徴とする請求項1に記載の情報出力システム。
【請求項3】前記識別情報発行手段によって発行された出力データ識別情報を含んだ受領通知メールを電子メールの送信元に対して返信することを特徴とする請求項1に記載の情報出力システム。
【請求項4】前記情報出力装置から出力データ識別情報の問合せを受けたことに応答して、該当する情報出力対象データを前記スプール手段から前記情報出力装置に転送することを特徴とする請求項1に記載の情報出力システム。
【請求項5】ネットワーク接続された1以上の情報出力サブシステムを備え、ネットワークを介した電子メールによる情報出力要求に対して情報出力サービスを提供する情報出力システムであって、前記1以上の情報出力サブシステムを含む該情報出力システム内の各装置を代表する代表アドレスを保持するアドレス保持手段と、該代表アドレス宛ての電子メールの送受信を管理するメール管理手段と、受信した電子メールを各情報出力サブシステムに分配するサブシステム管理手段と、を具備することを特徴とする情報出力システム。
【請求項6】前記サブシステム管理手段は、各情報出力サブシステムの負荷状態に応じて電子メールを転送する情報出力サブシステムを決定することを特徴とする請求項5に記載の情報出力システム。
【請求項7】情報出力サブシステムは、ネットワーク接続された1以上の情報出力装置と、前記1以上の情報出力装置を含む該情報出力システム内の各装置を代表する代表アドレスを保持するアドレス保持手段と、該代表アドレス宛ての電子メールの送受信を管理するメール管理手段と、受信した電子メールの内容を解析して、情報出力対象データを取り出すメール解析手段と、情報出力対象データをスプールするスプール手段と、スプールされた情報出力対象データを識別可能な出力データ識別情報を発行する識別情報発行手段と、を具備することを特徴とする請求項5に記載の情報出力システム。
【請求項8】前記識別情報発行手段は、電子メールを受信した情報出力システムの位置情報又は所在、情報出力対象データをスプールする場所の位置情報又は所在などを特定可能な出力データ識別情報を発行することを特徴とする請求項5に記載の情報出力システム。
【請求項9】前記識別情報発行手段によって発行された出力データ識別情報を含んだ受領通知メールを電子メールの送信元に対して返信することを特徴とする請求項5に記載の情報出力システム。
【請求項10】前記情報出力装置から出力データ識別情報の問合せを受けたことに応答して、該当する情報出力対象データを前記スプール手段から前記情報出力装置に転送することを特徴とする請求項5に記載の情報出力システム。
【請求項11】前記情報出力装置から問合せを受けた出力データ識別情報に該当する情報出力対象データが同一の情報出力サブシステム内にスプールされていない場合には、前記サブシステム管理手段を経由して他の情報出力サブシステム内のスプール手段から該当する情報出力対象データを取得することを特徴とする請求項10に記載の情報出力システム。
【請求項12】情報出力サブシステムへの電子メールの分配は、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)などのメール送信プロトコルを利用して行うことを特徴とする請求項5に記載の情報出力システム。
【請求項13】情報出力サブシステムへの電子メールの分配は、FTP(File Transfer Protocol)などのファイル転送プロトコルを利用して行うことを特徴とする請求項5に記載の情報出力システム。
【請求項14】情報出力サブシステムへの電子メールの分配は、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)などのハイパーテキスト転送プロトコルを利用して行うことを特徴とする請求項5に記載の情報出力システム。
【請求項15】情報出力サブシステムへの電子メールの分配は、IPP(Internet PrintingProtocol)などの印刷プロトコルを利用して行うことを特徴とする請求項5に記載の情報出力システム。
【請求項16】情報出力サブシステムへの電子メールの分配は、暗号化された通信路を利用して行うことを特徴とする請求項5に記載の情報出力システム。
【請求項17】ネットワーク接続された1以上の情報出力装置を利用して、ネットワークを介した電子メールによる情報出力要求に対して情報出力サービスを提供する情報出力方法であって、前記1以上の情報出力装置を含む該情報出力システム内の各装置を代表する代表アドレスを保持するアドレス保持ステップと、該代表アドレス宛ての電子メールの受信するメール受信ステップと、受信した電子メールの内容を解析して、情報出力対象データを取り出すメール解析ステップと、情報出力対象データをスプールするスプールステップと、スプールされた情報出力対象データを識別可能な識別情報を発行する識別情報発行ステップと、を具備することを特徴とする情報出力方法。
【請求項18】前記識別情報発行ステップでは、電子メールを受信した情報出力システムの位置情報又は所在、情報出力対象データをスプールする場所の位置情報又は所在などを特定可能な出力データ識別情報を発行することを特徴とする請求項17に記載の情報出力方法。
【請求項19】前記識別情報発行ステップによって発行された出力データ識別情報を含んだ受領通知メールを電子メールの送信元に対して返信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の情報出力方法。
【請求項20】前記情報出力装置から出力データ識別情報の問合せを受けたことに応答して、前記スプールステップにおいてスプールした該当する情報出力対象データを前記情報出力装置に転送するステップをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の情報出力方法。
【請求項21】ネットワーク接続された1以上の情報出力サブシステムを利用して、ネットワークを介した電子メールによる情報出力要求に対して情報出力サービスを提供する情報出力方法であって、前記1以上の情報出力サブシステムを含む該情報出力システム内の各装置を代表する代表アドレスを保持するアドレス保持ステップと、該代表アドレス宛ての電子メールの送受信を管理するメール管理ステップと、受信した電子メールを各情報出力サブシステムに分配するサブシステム管理ステップと、を具備することを特徴とする情報出力方法。
【請求項22】前記サブシステム管理ステップでは、各情報出力サブシステムの負荷状態に応じて電子メールを転送する情報出力サブシステムを決定することを特徴とする請求項21に記載の情報出力方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠隔地からのネットワーク経由での情報の記録・複製・印刷等の要求に対して情報出力サービスを行う情報出力システム及び情報出力制御方法に係り、特に、携帯電話などのような居場所が不定のユーザからの印刷要求をネットワーク接続された任意の画像形成装置において印刷実行することで、ユーザが都合のよい場所で印刷物を取得することができる情報出力システム及び情報出力制御方法に関する。
【0002】更に詳しくは、本発明は、ユーザが例えば携帯電話上で受信した電子メールの添付ファイルなどを簡易に印刷要求することができる情報出力システム及び情報出力制御方法に係り、特に、印刷要求時にユーザは出力先の画像形成装置のアドレス情報をあらかじめ取得したり出力先を特定することなく、印刷要求又は印刷予約をし、所望の場所で印刷出力することができる情報出力システム及び情報出力制御方法に関する。
【0003】
【従来の技術】各種のOA(Office Automation)機器は、従来から盛んに開発製作され、企業や研究機関のオフィスなどに広範に普及してきている。特にドキュメンテーションが最重要視される現代社会においては、画像を高解像度且つ高品位に複製することができる画像形成装置がオフィス内に深く浸透している。ここで言う「画像形成装置」には、原稿画像を読み取って印刷用紙上に再現する「複写機」の他、PSTN(Public Switched Telephone Network)やISDN(Integrated Services Digital Network)などの公衆電話回線経由で受信した画像データを画像出力する「ファクシミリ」、LAN(Local Area Network)やインターネットなどのネットワーク経由で受信したコンピュータ可読形式のデータやコンテンツを印刷する「プリンタ」、あるいは、これらのうち2以上の画像入出力機能を備えた「複合機」などが含まれる。
【0004】画像形成装置は、一般に、原稿を光学的にスキャンして画像を読み取る画像入力部と、入力した画像データに対して色座標変換やデジタルフィルタリング、T/I分離などの所定の処理を施す画像処理部と、画像処理済みの画像データに基づいて入力画像を印刷用紙上に再現する画像出力部とで構成される。画像出力部には、例えば、電子写真プロセス方式が採用される。電子写真プロセスは、電子写真感光体に対する帯電、現像、クリーニングの繰り返しで実現される。すなわち、感光体の表面を帯電器によって一様に帯電させた後、画像データに従って感光体表面を露光して静電潜像を形成し、現像器によって静電潜像をトナー像とした後、所定の印刷用紙上にトナー像を転写する。その後、加熱溶融・圧着作用によりトナー像を印刷用紙上に定着して、画像形成装置の外に排紙する。転写後の感光体表面は、残留トナーがクリーナによって除去された後、次の現像プロセスに利用される。
【0005】ドキュメンテーションのニーズは拡大する一方である。その反面、高印字品位の画像形成装置は高価で且つ床面積が大きいので、一般消費者毎に自費で購入することは未だ困難である。このため、大学生協やコンビニエンスストア、ガソリン・スタンド、高速道路のサービス・エリアなどの公共の場所に複写機やファクシミリを設置して、有料の複写サービスやファクシミリ送信サービスを提供しているケースが散見される。例えばコインキットなどの課金装置を併設することにより、画像形成装置を無人環境下で利用に供することができる。既存の複写サービスにおいては、料金をあらかじめコインキットに投入しておき、投入料金に応じた枚数のコピー出力が顧客に許容される(あるいは、プリペイドカードをカードリーダに挿入し、プリペイドカードの残金に応じた枚数のコピー出力が許容される)。また、ファクシミリ送信サービスにおいては、ファクシミリ送信後に、送信データ量に応じた使用代金を同一店舗内のレジにて精算するのが一般的である。
【0006】このような複写機やファクシミリの有料サービスは、サービスを利用する一般消費者にとっては、装置購入コストなしに高機能で且つ高印字品位な画像形成装置の恩恵を享受することができる。また、サービスを提供する店舗経営者にとっては、このような画像形成装置を設置しておくだけで、顧客が勝手に画像形成装置を操作して印刷出力することによって、印刷量に応じて従量加算されたサービス使用料金が自ずと蓄積されるとともに、印刷サービスを求めるユーザが店舗に集まるので顧客吸引力になるなどのメリットがある。例えば、前述したような「複合機」などの高機能・高印字品位の画像形成装置を店舗内に設置しておけば、複写、ファクシミリ、コンピュータ・データのプリント・アウトなど、情報記録に関する多種多様な有料サービスを1台の画像形成装置のみで実現することができる。
【0007】他方、パーソナル・コンピュータやワークステーションなど、比較的低価格で入手可能な計算機システムが普及し、いまやコンピュータは一般消費者の自宅やSOHO(Small Office Home Office)など、ビジネスや娯楽、その他各種業界のさまざまな用途に適応したツールとして深く浸透している。
【0008】また、コンピュータなどの情報処理端末を扱うユーザの立場からすれば、編集結果としてのドキュメントや、インターネットあるいはその他の経路により取得したコンテンツなど、各種のデータ・ファイルやコンテンツなどを印刷出力したい、という要求は当然にしてある。例えば、比較的枚数が少なく且つ印字品位を要求されないような場合であれば、ユーザ自身のPCにローカル接続された低廉なインクジェット・プリンタを用いて印刷すればよい。これに対し、大量の印刷を行いたい場合には、印字速度の遅いインクジェット式プリンタでは処理が追いつかない。また、顧客に提出すべきドキュメントなどのような高印字品位が求められている場合も、インクジェット式ではその印字品位には限界があり、高価な電子写真方式による印刷出力に頼らざるを得ない場合が想定される。
【0009】このような場合の1つの解決策として、上述したような、コンビニエンス・ストアやその他の公共のさまざまな場所に不特定多数のユーザ間で共用される複合機若しく高価高機能なプリンタを設置するとともに、各ユーザは自宅やオフィスのPCからこれら高機能プリンタに対してネットワーク経由でアクセスして、遠隔から印刷要求を発行するというサービス、すなわち「ネットワークプリントサービス」が考えられる。すなわち、ユーザは、あらかじめ印刷を指示しておいて、都合のよい場所で印刷物を受け取ることができる。広域的なネットワークが今後ますます発達していくことを鑑みれば、さまざまな場所に数多くのプリンタを設置しておくニーズがさらに高まっていくものと予想される。
【0010】最近では可搬型の情報処理端末の小型化軽量化の傾向がさらに進行し、ノートブックPCよりもさらに小型の機器、例えば、掌サイズすなわち「パームトップ」と呼ばれるPDA(Personal Digital Assistants)や、携帯電話機、さらには、携帯電話機能やインターネットアクセス機能など多種多様な機能を装備した多機能携帯端末などが主流となりつつある。
【0011】かかる情報端末の小型軽量化とも相俟って、モビリティ、すなわちいつでも何処でも端末を使用したいという要望がますます高まってきている。例えば、ユーザは、携帯電話などの小型情報端末を持ち歩き、モバイル環境下で電子メールを受信することができる。
【0012】携帯電話自体は小型の表示パネルしか供えておらず、データの表示能力に乏しく、また、携帯電話本体は印刷機能を備えていない。また、添付ファイルに至っては、これを開くためのアプリケーションを小型の携帯電話に実装することは困難であり、そもそも携帯電話上で処理することができない。このような状況下では、携帯電話上からネットワークプリントサービスを利用して、電子メールの本文や、電子メールに添付されたアプリケーションファイルをプリントアウトして閲覧したいという要望は必然的に起こる。
【0013】例えば、本出願人に既に譲渡されている特開平6−77994号公報には、電子メールを用いてプリントサービスにデータを送出し得るネットワーク対応プリント処理システムについて開示されている。
【0014】このネットワーク対応プリント処理システムによれば、クライアントから送信された少なくともプリントのためのパラメータ及びプリントすべきドキュメントを含む電子メールを受信して、電子メール内のパラメータに基づいて電子メール内のドキュメントをプリントするようにした。すなわち、電子メールを用いてプリントサーバにデータ送信できるとともに、クライアントはプリントプロトコルをサポートする必要がないので、ユーザの作業性が向上する。
【0015】また、特開平10−171732号公報には、ネットワークを介して入力されるメールの内容を判断して、そのメールの内容から画像信号を生成して画像形成出力する画像形成装置について開示されている。すなわち、画像形成装置にメールを送るだけで、自動的にその内容をプリント出力することが可能となり、より経済的な回線を使用でき、安価な情報手段としてファクシミリ同様の機能を実現することができる。
【0016】このように電子メールを利用してユーザの端末からプリンタにプリントジョブや印刷指示を送信することによって、ユーザの端末側では特別な出力用ソフトウェア(画像形成装置がプリンタの場合には、例えばプリンタドライバ)を実装することなく、画像形成出力を行うことができる。
【0017】また、特開2000−69077号公報には、電子メールシステムを利用してリモート印刷を行う際に適切な印刷装置を自動的に選択して印刷できるように構成されたリモート印刷制御装置について開示されている。
【0018】また、特開平11−312068号公報には、送信者が確実に且つ効率よく電子メールを受信者個人に送信することを可能にしたプリンタサーバについて開示されている。
【0019】また、特開平11−353262号公報には、メールシステムへの影響を最小化して、プリンタへ負荷をかけることなく、電子メールの適時印刷を実現可能とした電子メール印刷方法、電子メール印刷装置、及び電子メール印刷手順のプログラムを記録した記録媒体について開示されている。
【0020】また、本出願人に既に譲渡されている特願2000−114683号明細書には、端末装置からの電子メールによって印刷などの情報出力を好適に行うことができる情報出力システムについて開示されている。
【0021】同明細書に記載の情報出力システムによれば、出力先管理サーバによって各印刷装置毎にメールアドレス及び性能などの情報が管理される。端末機器は、出力先管理テーブルの検索結果を受け取り、いずれかの印刷装置のメールアドレスを利用して被印刷情報を含む電子メールを発行する。印刷用メールサーバにてその電子メールが受信され、プリントサーバから印刷装置へ被印刷情報が送信される。印刷装置は課金手段を備えている。このような情報出力システムによれば、電子メールを情報印刷のためのコミュニケーションツールとして有効利用することができるとともに、ユーザに対して合理的な課金を行うことができる。
【0022】ユーザは、携帯電話上から電子メールやその他の通信手段を用いて、ネットワークプリントサービスに印刷要求を発行し、所望の画像形成装置に対して印刷要求し、あるいは印刷出力を予約することによって、都合のよい時間に都合のよい場所で印刷物を回収することができる。
【0023】ところが、ユーザが自分の携帯情報端末から印刷要求を発行する場合、印刷したい画像形成装置のアドレス情報などをあらかじめ特定する必要がある。しかしながら、居場所が不定のモバイル環境下では、ユーザが現在位置から最寄の画像形成装置のアドレスを常に取得しておくことは現実的ではない。さらに、現在の居場所ではなく、これらか出向く先で印刷出力したいような場合、あるいは印刷要求後に印刷場所を変更したいような場合には、所望の画像形成装置のアドレスを取得することはますます困難となる。
【0024】例えば、ユーザの携帯情報端末側が、自分の位置情報をシステム(例えば印刷要求を分配するサーバ装置)に報せることで、所望の画像形成装置の場所を特定することができる。このような位置情報を報せる手段として、GPS(Global Positioning System)を利用することが当業界において広く知られている。
【0025】あるいは、ユーザ自身が端末上で「東京」、「千代田区」、「○△町」などのように地区名などの場所情報を入力することが考えられる。また、端末のメニュー画面上で提示される一覧表からユーザが選択できるようにすることもできる。
【0026】しかしながら、上述したような方法はいずれも、携帯端末側で印刷出力先を特定するための手段を備えていなければならない。すなわち、印刷出力先を特定するためにユーザ入力やユーザ選択の手間を要するとともに、印刷出力先を特定するための識別情報又はアドレス情報を記憶する手段が必要である。
【0027】また、上述のいずれの方法も、ユーザが携帯端末上で印刷出力先を特定して印刷指示を発行した以後、突然の予定変更により既に指定した場所以外から印刷物を回収したくなった場合に対応することができない。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、遠隔地からのネットワーク経由での情報の記録・複製・印刷等の要求に対して情報出力サービスを行うことができる、優れた情報出力システム及び情報出力制御方法を提供することにある。
【0029】本発明の更なる目的は、携帯電話などのような居場所が不定のユーザからの印刷要求をネットワーク接続された任意の画像形成装置において印刷実行することで、ユーザが都合のよい時間に都合のよい場所で印刷物を取得することができる、優れた情報出力システム及び情報出力制御方法を提供することにある。
【0030】本発明の更なる目的は、ユーザが例えば携帯電話上で受信した電子メールの添付ファイルを簡易に印刷要求することができる、優れた情報出力システム及び情報出力制御方法を提供することにある。
【0031】本発明の更なる目的は、印刷要求時にユーザは出力先の画像形成装置のアドレス情報をあらかじめ取得したり出力先を特定することなく、印刷要求又は印刷予約をし、所望の場所で印刷出力することができる、優れた情報出力システム及び情報出力制御方法を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、ネットワーク接続された1以上の情報出力装置を備え、ネットワークを介した電子メールによる情報出力要求に対して情報出力サービスを提供する情報出力システムであって、前記1以上の情報出力装置を含む該情報出力システム内の各装置を代表する代表アドレスを保持するアドレス保持手段と、該代表アドレス宛ての電子メールの送受信を管理するメール管理手段と、受信した電子メールの内容を解析して、情報出力対象データを取り出すメール解析手段と、情報出力対象データをスプールするスプール手段と、スプールされた情報出力対象データを識別可能な識別情報を発行する識別情報発行手段と、を具備することを特徴とする情報出力システムである。
【0033】ここで言う情報出力装置とは、例えば、クライアントから要求された印刷ジョブを実行する印刷装置のことであり、この場合の情報出力サービスは、印刷用紙上に印刷データの画像を形成する画像形成サービスを意味する。
【0034】情報出力システムは、実際には、メールサーバやプリントサーバ、各印刷装置など、それぞれが固有のメールアドレスを割り振られた複数のホスト装置で構成される。本発明の第1の側面によれば、ネットワーク上で構築される情報出力システム全体に対して、代表的な1つのアドレスすなわち代表アドレスが付与される。
【0035】ユーザはこの代表アドレスを用いることで、情報出力システム内の個々の情報出力装置を意識しなくて済む。すなわち、出力先を特定せずに、代表アドレス宛てに電子メールを送信することにより、印刷要求や印刷予約を行うことができる。したがって、携帯電話などのユーザ端末上では、各印刷装置毎のアドレスを記憶する必要がないので、アドレス管理やメール送信手続が簡素化される。
【0036】情報出力システムは、電子メールを受け取ると、その内容を解析して、情報出力対象データを取り出してスプールするとともに、スプールされた情報出力対象データを識別可能な出力データ識別情報を発行する。
【0037】この出力データ識別情報は、言わば印刷ジョブの実行を予約する予約番号に相当する役割を持つ。出力データ識別情報は、より好ましくは、電子メールを受信した情報出力システムの位置情報又は所在、あるいは情報出力対象データをスプールする場所の位置情報又は所在などを特定可能なデータで構成される。
【0038】電子メールの送信元すなわち印刷要求元のユーザ端末に対しては、出力データ識別情報を含んだ受領通知メールが返信される。
【0039】情報出力システム内では、予約番号に相当する出力データ識別情報を基にして、情報出力対象データのスプール先の位置情報や所在を探索することができる。この出力データ識別情報を情報出力装置に入力することによって、情報出力システム経由でスプールされた情報出力対象が取り出すことができる。したがって、印刷要求元のユーザは、所望の印刷装置に対して印刷実行を要求することができる。また、出力データ識別情報を基に、一旦印刷予約した内容を後から変更するなどの事後的な処理を行うことができる。
【0040】すなわち、本発明の第1の側面に係る情報出力システムによれば、携帯電話などのような居場所が不定のユーザからの印刷要求をネットワーク接続された任意の情報出力装置において印刷実行することで、ユーザは都合のよい時間に都合のよい場所で印刷物を取得することができる。
【0041】また、本発明の第1の側面に係る情報出力システムによれば、ユーザが例えば携帯電話上で受信した電子メールの添付ファイルを簡易に印刷要求することができる。
【0042】また、本発明の第2の側面は、ネットワーク接続された1以上の情報出力サブシステムを備え、ネットワークを介した電子メールによる情報出力要求に対して情報出力サービスを提供する情報出力システムであって、前記1以上の情報出力サブシステムを含む該情報出力システム内の各装置を代表する代表アドレスを保持するアドレス保持手段と、該代表アドレス宛ての電子メールの送受信を管理するメール管理手段と、受信した電子メールを各情報出力サブシステムに分配するサブシステム管理手段と、を具備することを特徴とする情報出力システムである。
【0043】本発明の第2の側面に係る情報出力システムは、ネットワーク上の複数の情報出力サブシステムを統括するシステムであり、すべての情報出力サブシステムを代表する代表アドレスが付与されている。したがって、ユーザは、いずれかの情報出力サブシステム上で情報出力したい場合であっても、出力先を特定せずに、代表アドレス宛てに電子メールを送信することにより、印刷要求や印刷予約を行うことができる。また、携帯電話などのユーザ端末上では、各印刷装置毎のアドレスを記憶する必要がないので、アドレス管理やメール送信手続を簡素化することができる。
【0044】情報出力システムが電子メールを受信すると、サブシステム管理手段は情報出力サブシステムにこれを分配するが、このとき、各情報出力サブシステムの負荷状態に応じて電子メールを転送する情報出力サブシステムを決定するようにしてもよい。
【0045】それぞれの情報出力サブシステムは、ネットワーク接続された1以上の情報出力装置と、前記1以上の情報出力装置を含む該情報出力システム内の各装置を代表する代表アドレスを保持するアドレス保持手段と、該代表アドレス宛ての電子メールの送受信を管理するメール管理手段と、受信した電子メールの内容を解析して、情報出力対象データを取り出すメール解析手段と、情報出力対象データをスプールするスプール手段と、スプールされた情報出力対象データを識別可能な出力データ識別情報を発行する識別情報発行手段と、で構成される。
【0046】ここで、識別情報発行手段は、電子メールを受信した情報出力システムの位置情報又は所在、あるいは情報出力対象データをスプールする場所の位置情報又は所在などを特定可能な識別情報を発行する。また、電子メールの送信元すなわち印刷要求元のユーザに対しては、出力データ識別情報を含んだ受領通知メールが返信される。
【0047】情報出力システム内では、出力データ識別情報を元に、情報出力対象データのスプール先の位置情報や所在を探索することができる。出力データ識別情報を情報出力装置に入力することによって、情報出力システム経由でスプールされた情報出力対象が取り出される。したがって、印刷要求元のユーザは、所望の印刷装置に対して印刷実行を要求することができる。また、出力データ識別情報を基にして、一旦印刷予約した内容を後から変更するなどの事後的な処理を行うことができる。
【0048】すなわち、本発明の第2の側面に係る情報出力システムによれば、携帯電話などのような居場所が不定のユーザからの印刷要求をネットワーク接続された任意の情報出力装置において印刷実行することで、ユーザは都合のよい時間に都合のよい場所で印刷物を取得することができる。
【0049】また、本発明の第2の側面に係る情報出力システムによれば、ユーザが例えば携帯電話上で受信した電子メールの添付ファイルを簡易に印刷要求することができる。
【0050】ここで、各情報出力サブシステムに対して電子メールを分配する際には、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)などのメール送信プロトコルや、FTP(File Transfer Protocol)などのファイル転送プロトコル、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)などのハイパーテキスト転送プロトコル、IPP(Internet Printing Protocol)などの印刷プロトコルを利用することができる。また、暗号化された通信路を利用して電子メールを分配することにより、出力情報のセキュリティを保護することができる。
【0051】また、本発明の第3の側面は、ネットワーク接続された1以上の情報出力装置を利用して、ネットワークを介した電子メールによる情報出力要求に対して情報出力サービスを提供する情報出力方法であって、前記1以上の情報出力装置を含む該情報出力システム内の各装置を代表する代表アドレスを保持するアドレス保持ステップと、該代表アドレス宛ての電子メールの受信するメール受信ステップと、受信した電子メールの内容を解析して、情報出力対象データを取り出すメール解析ステップと、情報出力対象データをスプールするスプールステップと、スプールされた情報出力対象データを識別可能な識別情報を発行する識別情報発行ステップと、を具備することを特徴とする情報出力方法である。
【0052】本発明の第3の側面に係る情報出力方法によれば、ユーザは代表アドレスを用いることで、出力先を特定せずに、代表アドレス宛てに電子メールを送信することにより、印刷要求や印刷予約を行うことができる。したがって、携帯電話などのユーザ端末上では、各印刷装置毎のアドレスを記憶する必要がないので、アドレス管理やメール送信手続が簡素化される。
【0053】受信した電子メールは、その内容を解析され、情報出力対象データが取り出してスプールされるとともに、スプールされた情報出力対象データを識別可能な出力データ識別情報を発行する。出力データ識別情報は、より好ましくは、電子メールを受信したシステムの位置情報又は所在、あるいは情報出力対象データをスプールする場所の位置情報又は所在などを特定可能なデータで構成される。本発明の第3の側面に係る情報出力方法によれば、予約番号に相当する出力データ識別情報を基にして、情報出力対象データのスプール先の位置情報や所在を探索することができる。
【0054】電子メールの送信元すなわち印刷要求元のユーザ端末に対しては、出力データ識別情報を含んだ受領通知メールが返信される。
【0055】出力データ識別情報を情報出力装置に入力することによって、情報出力システム経由でスプールされた情報出力対象が取り出されるので、印刷要求元のユーザは、所望の印刷装置に対して印刷実行を要求することができる。また、出力データ識別情報を基にして、一旦印刷予約した内容を後から変更するなどの事後的な処理を行うことができる。
【0056】すなわち、本発明の第3の側面に係る情報出力方法によれば、携帯電話などのような居場所が不定のユーザからの印刷要求をネットワーク接続された任意の情報出力装置において印刷実行することで、ユーザは都合のよい時間に都合のよい場所で印刷物を取得することができる。
【0057】また、本発明の第3の側面に係る情報出力方法によれば、ユーザが例えば携帯電話上で受信した電子メールの添付ファイルなどを、簡易な操作により印刷要求することができる。
【0058】また、本発明の第4の側面は、ネットワーク接続された1以上の情報出力サブシステムを利用して、ネットワークを介した電子メールによる情報出力要求に対して情報出力サービスを提供する情報出力方法であって、前記1以上の情報出力サブシステムを含む該情報出力システム内の各装置を代表する代表アドレスを保持するアドレス保持ステップと、該代表アドレス宛ての電子メールの送受信を管理するメール管理ステップと、受信した電子メールを各情報出力サブシステムに分配するサブシステム管理ステップと、を具備することを特徴とする情報出力方法である。
【0059】本発明の第4の側面に係る情報出力方法は、ネットワーク上の複数の情報出力サブシステムを単一の代表アドレスを用いて統括するようになっている。したがって、ユーザは、いずれかの情報出力サブシステム上で情報出力したい場合であっても、出力先を特定せずに、代表アドレス宛てに電子メールを送信することにより、印刷要求や印刷予約を行うことができる。また、携帯電話などのユーザ端末上では、各印刷装置毎のアドレスを記憶する必要がないので、アドレス管理やメール送信手続が簡素化される。
【0060】電子メールを受信すると、サブシステム管理ステップにおいて情報出力サブシステムに分配されるが、このとき、各情報出力サブシステムの負荷状態に応じて電子メールを転送する情報出力サブシステムを決定するようにしてもよい。
【0061】本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0062】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳解する。
【0063】図1には、本発明の実施に供される、情報の出力サービスを行うネットワークプリントシステムの全体構成を模式的に示している。
【0064】本実施例で言う「情報出力」とは、基本的には、コンピュータ可読データのようなデジタライズされた情報コンテンツを可視的な画像情報として印刷用紙上にプリントアウトすることであるが、デジタル・コンテンツすなわちコンピュータ可読形式のまま記録メディア上に保存することを含んでもよい。また、本発明に係るネットワークプリントサービスは、ネットワーク経由で接続された予約管理サーバ、プリントサーバ、メールサーバ、並びに各印刷装置間での協働的動作によって具現化される。
【0065】図示の通り、ネットワーク10上には、印刷要求元となるユーザの携帯機器12と、ネットワーク10上でのメール交換を管理するメールサーバ14と、複数の画像形成システムA8及びB8が接続されている。
【0066】ここで言うネットワーク10は、例えばTCP/IP(Transmission ControlProtocol/Internet Protocol)プロトコルに従って各ホストが相互接続されたネットワークであり、インターネットのような広域ネットワークでよい。
【0067】TCP/IPネットワーク上では、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)プロトコルによるハイパーテキスト(HTML(Hyper Text Markup Language)ドキュメント)の転送、FTP(File Transfer Protocol)プロトコルによるファイル転送、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)プロトコルによるメール送信、IPP(Internet Printing Protocol)/*/プロトコルによるクライアントからのプリント資源の指定、WWW(World Wide Web)システムによる情報検索サービスなどが可能である。
【0068】携帯機器12は、例えば携帯電話であり、無線電話基地局、公衆電話網など(いずれも図示しない)を経由して、ネットワーク10にゲートウェア接続されている。但し、携帯機器12は、PDC(Personal Digital Cellular)やPHS(Personal Handyphone System)のような携帯電話に必ずしも限定されず、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)やノートブックPCのような情報処理端末であってもよい。勿論、デスクトップPCなどの据置型の情報機器に対しても、本発明に適用することができることは言うまでもない。
【0069】メールサーバ14は、端末機器12やネットワーク上のその他のホスト装置間でのメール交換を管理し、送信メールボックスや受信メールボックスを備えている。
【0070】画像形成システムA8及びB8は、それぞれ、クライアントとしての端末機器12に対して、本実施例に係るネットワークプリントサービスを提供するようになっている。
【0071】各画像形成システムA8,B8は、単一又は複数のネットワークセグメントで構成され、予約管理サーバA16/B16と、メールサーバA20/B20と、プリントサーバB22と、1以上の印刷装置A1/B1,A2/B2,A3/B3,…を備えている。
【0072】メールサーバA20/B20は、各画像形成システムA8/B8が構築された局所ネットワーク上におけるメール交換を管理し、送信メールボックスや受信メールボックスを備えている。
【0073】本実施例では、各画像形成システム毎に、システム全体を代表する「代表アドレス」が割り振られている。代表アドレス宛ての電子メールは、メールサーバA20/B20において一旦受信された後、電子メールの内容に応じて適切なホストに分配される。例えば、代表アドレス宛ての電子メールが文書等の印刷要求又は印刷予約を指示する場合には、印刷予約や印刷ジョブのスプールなどを管理する予約管理サーバA16/B16に転送される。
【0074】予約管理サーバA16/B16は、画像形成システムA8/B8に対して発行された印刷要求や印刷予約を、該システムA8/B8内で集中管理するためのサーバである。予約管理サーバA16/B16は、印刷要求又は印刷予約を受信すると、印刷ジョブのスプール先の位置情報や所在を特定することができる「予約番号」を発行するとともに、この予約番号を含んだ受領通知を、要求元の端末機器12に対して返信する。予約の受領通知の返信には、例えば電子メールが利用される。予約管理サーバA16/B16の機能構成に関する詳細な説明は、後述に譲る。
【0075】プリントサーバA22/B22は、印刷要求又は印刷予約された印刷ジョブを一時的に蓄積すなわちスプール(SPOOL:simultaneous peripheral operation on-line)するとともに印刷装置への印刷ジョブの転送を行う。印刷要求された文書が印刷装置上で印刷可能なデータ形式でない場合、すなわち、アプリケーションによって作成編集されたままで印刷不能なアプリケーションデータ形式であるような場合には、プリントサーバA22/B22は、アプリケーションデータのまま印刷用文書をスプールしてもよいし、印刷可能データ形式の印刷ジョブに変換してからスプールするようにしてもよい。プリントサーバA22/B22の機能構成に関する詳細な説明は、後述に譲る。
【0076】各印刷装置A1/B1,A2/B2,A3/B3,…は、画像形成システムA8/B8内でスプールされている印刷ジョブの実行を行う装置である。印刷装置の機能構成に関しては、後述に譲る。
【0077】本実施形態では、ネットワーク上の各ホスト(すなわち各サーバや印刷装置、クライアントの端末装置など)が固有のアドレスを所有している以外に、各画像形成システム毎に、代表的な1つのアドレスを付与されている(上述)。したがって、ユーザは、端末機器12上から、複数の印刷装置を装備した画像形成システムの代表アドレスに宛てて、電子メールなどの通信手段を用いて印刷要求や印刷予約などの印刷指示を送信することができる。
【0078】ユーザは、印刷要求又は印刷予約時には、代表的なアドレスに宛てて指示するだけでよく、出力先として特定の印刷装置を指定する必要がない。また、画像形成システムの代表アドレスを記憶する手段を端末機器12上に備えるだけでよく、各印刷装置毎のアドレスを記憶する必要がないので、アドレス管理やメール送信手続が簡素化される。
【0079】ユーザからの印刷要求又は印刷予約を指示する電子メールは、メールサーバA20/B20を介して、予約管理サーバA16/B16が受け取る。これに対し、予約管理サーバA16/B16は、印刷指示やスプールされた印刷ジョブ、あるいは印刷要求された文書を識別することができる予約番号を発行するとともに、この予約番号を含ませた印刷指示の受領通知を依頼元である端末機器12に返信する。
【0080】画像形成システムA8/B8内では、予約番号を基に、印刷ジョブのスプール先の位置情報や所在を探索することができる。したがって、印刷要求基のユーザは、受信した予約番号を所望の印刷装置に入力することによって、都合のよい時間に都合のよい場所で印刷装置に対して印刷実行を要求することができる。また、予約番号を基してに、一旦印刷予約した内容を後から変更するなどの事後的な処理を行うことができる。
【0081】図8には、本実施形態における予約管理サーバA16/B16の機能構成の一例を模式的に示している。同図に示すように、予約管理サーバ16は、中央制御部28と、ユーザインターフェース部34と、通信インターフェース部26と、予約管理テーブル18と、テーブル作成更新部30と、検索部32とで構成される。
【0082】中央制御部28は、オペレーティングシステム(OS)の制御下で、予約管理サーバ16内の各機能モジュールの動作を統括的に制御する。
【0083】本実施形態では、中央制御部28は、通信インターフェース部26を介して印刷予約を指示する電子メールを受信したことに応答して、プリントサーバへのスプール処理を行うとともに、予約番号を発行して、印刷指示元の端末装置12などに予約完了通知としてその予約番号を返信する。予約番号に基づいてスプール先となる画像形成システムの位置情報やアドレスを識別又は特定することができる。
【0084】ユーザインターフェース部34は、キーボードやマウスなどのユーザ入力装置や、ディスプレイ又はタッチパネルなどの表示装置などで構成され、より好ましくは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)機能を提供している。中央制御部28は、ユーザインターフェース部28を介してユーザとの対話的な入出力を行うことができる。
【0085】通信インターフェース部26は、例えば、ネットワークインターフェースカード(NIC)のようなハードウェアと、通信プロトコルソフトウェアとの組み合わせで構成される。中央制御部28は、通信インターフェース部26を介して外部ネットワーク10に接続され、ネットワーク10上の他のホスト装置との間で、電子メールの送受信を始めとする各種プロトコルに従うデータ交換を行うことができる。
【0086】予約管理テーブル18上では、印刷予約を受け付けたときに中央制御部28にて逐次発行される予約番号が、印刷予約された印刷データと対応付けて管理されるようになっている。
【0087】テーブル更新部30は、予約管理テーブル18の新規レコード作成や更新、レコード削除などの機能を有している。より具体的には、画像形成システム8が新たに印刷データを受信してスプールすることに応じてその予約番号に関するレコードを追加したり、スプールされた印刷データが印刷出力されるか又は印刷データが不要になると該当するレコードの削除を行う。
【0088】検索部32は、予約管理テーブル30内のレコード検索を行う。より具体的には、ネットワーク10経由で外部から予約番号の問合せを受けたことに応答して、検索部32は、予約管理テーブル30内を検索して、予約番号に対応するレコードを見つけ出す。
【0089】また、図9には、本実施形態におけるプリントサーバA22/B22の機能構成の一例を模式的に示している。同図に示すように、プリントサーバ22は、中央制御部35と、ユーザインターフェース部50と、通信インターフェース部36と、ユーザ認証部52と、外部記憶装置38と、メール送受信部40と、メール分離処理部42と、削除部44と、ジョブ管理テーブル54とで構成される。
【0090】中央制御部35は、オペレーティングシステム(OS)の制御下で、プリントサーバ22内の各機能モジュールの動作を統括的に制御する。
【0091】ユーザインターフェース部50は、キーボードやマウスなどのユーザ入力装置や、ディスプレイ又はタッチパネルなどの表示装置などで構成され、より好ましくは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)機能を提供している。中央制御部35は、ユーザインターフェース部28を介してユーザとの対話的な入出力を行うことができる。
【0092】ユーザ認証部52は、印刷装置上での印刷出力を要求するユーザについての認証手続きを行う機能モジュールであり、認証処理のためのユーザデータベースを含む。認証方法として、例えばDDSA(デジタル・ドキュメント・セキュリティ・アーキテクチャ)/**/を利用することができる。あるいは、英数文字列からなるユーザIDやパスワード、電話番号などをユーザ認証情報として用いることができる。この場合のユーザ情報入力装置は、キーボードとディスプレイからなるユーザインターフェース部50で代用することができる。
【0093】通信インターフェース部36は、例えば、ネットワークインターフェースカード(NIC)のようなハードウェアと、通信プロトコルソフトウェアとの組み合わせで構成される。中央制御部35は、通信インターフェース部36を介して外部ネットワーク10に接続され、ネットワーク10上の他のホスト装置との間で、電子メールの送受信を始めとする各種プロトコルに従うデータ交換を行うことができる。
【0094】メール送受信部40は、メールサーバ20との間で電子メールを交換するための機能モジュールである。すなわち、メール送受信部40によって、新規の電子メールが取得され、あるいは、端末装置12や予約管理サーバ16などに宛てた電子メールの送信などが、メールサーバ20経由で行われる。
【0095】メール分離処理部42は、メール送受信部40において受信された電子メールの内容を解釈し、これをメール要素毎に分離する。分離された各メール要素は、外部記憶装置38上で分類して保管される。より具体的には、受信された電子メールは、メールアドレスやユーザ情報などの付加情報と、件名や本文などで構成されるメール本体と、添付ファイルとに分離され、それぞれに仕分けされて管理される。
【0096】ジョブ管理テーブル54は、印刷ジョブ、すなわち電子メール中から印刷対象として特定されたデータを管理するためのテーブルである。本実施例では、予約管理サーバ16によって付与された予約番号に従って、各印刷ジョブが管理される。
【0097】電子メール中に印刷対象を特定する情報を含めておき、かかる情報を解釈することによって、メール要素の中から印刷対象データを特定するようにしてもよい。あるいは、デフォルト設定として、添付ファイルのみ、又は電子メール全体を、常に印刷対象データとして認識するようにしてもよい。
【0098】なお、メール分離処理部42において電子メールを要素毎に分離処理を行うのは、検索時間やメモリ消費量を節約するためである。例えば、添付ファイルのサイズが非常に大きな電子メールについて送信者アドレスの検索を行う場合、検索対象を電子メール全体とするよりも、電子メールの本体のみに限定した方がより効率的である。
【0099】ウィルステスト実行部46は、電子メールについて、電子的なコンピュータウィルスの有無を検査するための機能モジュールである。メール分離処理部42におけるメールの分離処理の後、ウィルステスト実行部46による各メール要素についてのウィルス検査が実行される。検査の結果、ウィルスの存在が否定されたデータのみが外部記憶装置38に保管される。このようなウィルス検査処理によって、サーバ22内のシステムが外部のコンピュータウィルスの侵入感染から保護される(周知)。一方、ウィルスを含む電子メールは、該当するメール要素又はメール全体が廃棄されるか、あるいはウィルスの除去を行った後に外部記憶装置38に保管される。
【0100】削除部44は、所定の削除条件が満たされた場合に、該当する電子メールあるいはこれを変換したPDL(Page Description language:ページ記述言語)ファイルを外部記憶装置38から削除する機能モジュールである。不要になったデータやファイルを外部記憶装置38から取り除くことにより、記憶容量を有効活用することができる。特に、カラー画像等の大容量コンテンツを含む印刷データを削除することは、記憶容量節約の効果が高い。
【0101】変換部48は、例えば、アプリケーションデータ形式の添付ファイルなどの印刷対象データを、印刷装置上で印刷出力可能なデータ形式であるPDLファイルに変換する機能モジュールである。データ変換を行う際、指定した印刷装置の種類や形式に応じて、ページ記述言語の種類を選択し、その選択されたページ記述言語の記述に則って印刷対象データを変換処理する。指定した印刷装置は、例えば、電子メールの送信先アドレスを参照することによって判別することができる。
【0102】なお、予約管理サーバA16/B16、プリントサーバA22/B22、並びにメールサーバA20/B20は、現実には、アプリケーションの実行により汎用的なサービスを提供する一般的な計算機システム(ワークステーションやパーソナルコンピュータ)上で、特定のサーバアプリケーションを起動するという形態で実現される。また、各サーバ機能毎に1台ずつ計算機システムを割り当ててもよいし、単一の計算機システム上で2以上のサーバアプリケーションを起動するようにしてもよい。
【0103】図10には、本実施形態において適用される印刷装置1,2,3…の機能構成の一例を模式的に示している。同図に示すように、印刷装置は、中央制御部58と、ユーザ・インターフェース部68と、通信インターフェース部56と、画像読み取り部76と、画像データ記憶部74と、画像形成部78と、印刷部80とで構成される。
【0104】中央制御部58は、オペレーティングシステム(OS)の制御下で、印刷装置内の各機能モジュールの動作を統括的に制御する。
【0105】ユーザインターフェース部68は、キーボードやマウスなどの入力部72と、ディスプレイ又はタッチパネルなどの表示部70とで構成され、より好ましくは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)機能を提供している。中央制御部58は、ユーザインターフェース部68を介してユーザとの対話的な入出力を行うことができる。
【0106】通信インターフェース部56は、例えば、ネットワークインターフェースカード(NIC)のようなハードウェアと、通信プロトコルソフトウェアとの組み合わせで構成される。中央制御部58は、通信インターフェース部56を介して外部ネットワーク10に接続され、ネットワーク10上の他のホスト装置との間でデータ交換を行うことができる。データ交換の手段としては、電子メールや、ファイル転送用の一般的なプロトコルなどを利用することができる。
【0107】画像読み取り部76は、通信インターフェース部56及びネットワーク10経由でプリントサーバ22からPDLファイルなどの印刷データを取得するための機能モジュールである。中央制御部58には、外部データ記憶装置としての画像データ記憶部74が接続されており、画像読み取り部76において取得された印刷データは画像データ記憶部74に一時的に格納される。。
【0108】画像形成部78は、PDLファイルなど印刷可能形式のデータを解釈して、各ページ毎の印刷イメージを生成する機能モジュールである。生成された印刷イメージは、印刷部80によって印刷用紙上に転写される。この場合の印刷条件は、プリントサーバ22から受信した電子メール中に書き込まれていてもよいし、あるいは、ユーザインターフェース部68を介してユーザが印刷装置に直接入力するようにしてもよい。
【0109】印刷部80の印刷エンジンには、例えば、電子写真プロセス方式が採用される。電子写真プロセスは、電子写真感光体に対する帯電、現像、クリーニングの繰り返しで実現される。すなわち、感光体の表面を帯電器によって一様に帯電させた後、画像データに従って感光体表面を露光して静電潜像を形成し、現像器によって静電潜像をトナー像とした後、所定の印刷用紙上にトナー像を転写する。その後、加熱溶融・圧着作用によりトナー像を印刷用紙上に定着して、画像形成装置の外に排紙する。転写後の感光体表面は、残留トナーがクリーナによって除去された後、次の現像プロセスに利用される。
【0110】印刷装置には、コインキットなどの課金ユニット60が装備されていてもよい。このような場合、コンビニエンスストアや大学生協、ガソリンスタンドなどの公共スペースの無人環境下に印刷装置を設置していても、プリントサービスに対する対価をサービス提供する度に逐次課金することができる。同図に示す例では、課金ユニット60は、課金処理部62と、料金徴収装置64と、課金テーブル66とで構成される。
【0111】課金処理部62は、ユーザに課金すべき請求額の演算機能と、課金手続きに応じて印刷部80における印刷実行を許可する印刷制御機能を備えている。課金テーブル66には、課金処理に必要な条件が格納されている。また、課金結果が課金テーブル66に書き込まれる。料金徴収装置64は、ユーザから徴収される料金の管理を行なう装置であり、クレジットカードによる信用決済、プリペイドカードによる精算、現金払い時における投入金額の計数と蓄積などを行う。
【0112】図2には、本実施形態に係る画像形成システムA8/B8が、印刷予約を受信したときに実行する処理手順をフローチャートの形式で示している。以下、このフローチャートに従って、画像形成システムA8/B8による予約管理手続きについて説明する。
【0113】まず、メールサーバA20/B20が、画像形成システムA8/B8の代表アドレスに宛てられた電子メールを受信すると(ステップS1)、メールの内容を解析して<印刷データを正常に受信することができたか否かをチェックする(ステップS2)。
【0114】印刷データを正常に受信できなかった場合には、判断ブロックS2の分岐Noに進んで、本処理ルーチンをエラー終了する。エラー終了の形式は任意である。例えば、印刷要求元の携帯電話12に対してエラーを表示した電子メールを送信するようにしてもよいし、あるいは携帯電話12に対する音声メッセージであってもよい。
【0115】他方、印刷データを正常に受信できた場合には、印刷データを予約管理サーバA16/B16に転送する。予約管理サーバA16/B16では、印刷データを受信すると、これに対して「予約番号」を発行するとともに(ステップS3)、印刷データをプリントサーバA22/B22に保存する(ステップS4)。予約番号は、スプール先の位置情報(すなわちプリントサーバA22/B22に関するアドレス情報)や所在を特定することができる情報である。
【0116】そして、予約管理サーバA16/B16は、この予約番号を含んだ受領通知を要求元の携帯機器12に対して返信して(ステップS5)、本処理ルーチン全体を終了する。受領通知の返信には、例えば電子メールを利用すればよい。
【0117】また、図3には、本実施形態に係る画像形成システムA8/B8において、印刷予約された印刷ジョブを画像形成システムA8/B8内の印刷装置上で実行するための処理手順をフローチャートの形式で示している。以下、このフローチャートに従って、画像形成システムA8/B8による印刷出力処理手続きについて説明する。
【0118】ユーザは、印刷出力したい印刷装置に対して、予約番号を入力する(ステップS11)。
【0119】印刷装置は、入力された予約番号をプリントサーバA22/B22に送信して、予約された印刷ジョブの所在、すなわち印刷ジョブを受け付けたサーバ名を問い合わせる(ステップS12)。問合せを受けたプリントサーバA22/B22は、予約番号を解釈して、該当する印刷ジョブの所在すなわちスプールされているサーバ名を特定する。あるいは、プリントサーバA22/B22は、予約管理サーバA16/B16に対して予約番号の解釈やスプールされた印刷ジョブの探査利処理を委ねるようにしてもよい。
【0120】プリントサーバA22または予約管理サーバA16/B16は、印刷ジョブを受け付けたサーバを特定すると、これに対してスプール中の印刷ジョブの送信を要求する(ステップS13)。印刷ジョブの送信は、プリントサーバA22/B22間で直接行ってもよいし、間に予約管理サーバA16/B16が介在してもよい。
【0121】プリントサーバA22/B22は、印刷ジョブを受信すると、これを印刷実行を受け付けた印刷装置に対して転送し、該印刷装置上で印刷実行せしめる(ステップS14)。
【0122】図4には、図1に示すネットワーク10上において、携帯電話12と各サーバ間のやり取り、並びに各サーバ間のやり取りをチャート上で示している。以下、同図を参照しながら、ネットワーク10上のプリントサービスにおいて実行される各装置間のトランザクションについて説明する。
【0123】まず、端末装置12を利用した印刷予約について説明する。
【0124】ユーザは、所持する端末装置12上から画像形成システムA8の代表メールに宛てた電子メールを送信して、印刷予約を行う。この電子メールは、例えばSMTPプロトコルに従って、メールサーバ14の送信メールボックスに蓄積された後(T1)、画像形成システムA8内のメールサーバA20に着信される(T2)。
【0125】印刷予約に関する電子メールの場合、予約管理サーバA16に転送されて、印刷データを正常に受信できたか否かをチェックした後(T3)、プリントサーバA22に転送されてスプールされる(T4)。
【0126】また、予約管理サーバA16は、スプール先であるプリントサーバA22の位置情報や所在を特定することができる予約番号を発行する。予約番号は、電子メールを利用して、予約完了通知という形式で要求元の端末機器12に返信される(T5,T6,T7)。
【0127】次いで、ネットワーク接続された任意の印刷装置上での印刷要求並びに印刷実行について説明する。
【0128】ここでは、画像形成システムB8内に配設された印刷装置B3上で、ユーザからの印刷実行要求が発生したとする。印刷実行の要求は、印刷装置B3上での予約番号の入力という形式で行われる。そして、入力された予約番号は、画像形成システムB8内での印刷ジョブのスプールを行うプリントサーバB22に転送される(T8)。
【0129】予約管理サーバB16は、受信した予約番号を解釈して、予約された印刷データが画像形成システムA8内のプリントサーバA22であることを検出する。そして、画像形成システムA8内の予約管理サーバA16に対して、予約しておいた印刷データの転送を依頼する(T9)。予約管理サーバA16は、この依頼に応答して、プリントサーバA22に対してスプール中の印刷データの転送を依頼する(T10)。プリントサーバA22は、予約管理サーバB16に対して要求された印刷データを転送し(T11)、さらに予約管理サーバB16はこれをプリントサーバB22に転送する(T12)。
【0130】上述したような予約管理サーバA16に対して印刷データを要求する手順(T9〜T12)の代替案として、スプール先であるプリントサーバA22に対して印刷データを直接要求することも考えられる。後者の場合、予約管理サーバB16は、スプール先であるプリント・サーバA22に対して、予約しておいた印刷データの転送を依頼する(T13)。プリント・サーバA22は、この依頼に応答して、要求された印刷データを転送し(T14)、さらに予約管理サーバB16はこれをプリントサーバB22に転送する(T15)。
【0131】プリントサーバB22は、受信した印刷データを、予約番号が入力された印刷装置B3に送信して(T16)、印刷出力を実行せしめる。
【0132】なお、T1において端末装置から印刷予約を受け付けた印刷対象の文書等が、アプリケーションデータの形式で印刷装置B3上で印刷可能なデータでないことがある。このような場合、例えば、プリントサーバB22が、印刷装置B3用のデバイスドライバを用いてアプリケーションデータを印刷可能データに変換してから印刷装置B3に送信するようにすればよい。
【0133】図1に示した例では、ネットワーク上では、各画像形成システムA8,B8,…毎に予約管理サーバA16,B16を配設するように構成されているが、本発明の用紙は必ずしもこれには限定されない。例えば、ネットワーク接続された単一の予約管理サーバが複数の画像形成システムにおける印刷予約を処理するようにしてもよい。
【0134】図5には、本発明の他の実施形態に係るネットワークプリントシステムの全体構成を模式的に示している。
【0135】同図に示すネットワークプリントシステムは、印刷要求元となるユーザの端末装置12と、ネットワーク10上でのメール交換を管理するメールサーバ14と、複数の画像形成システムA8,B8,S8がネットワーク10上で相互接続されることによって構成される。
【0136】図1に示した実施形態との相違点の1つは、1つの画像形成システムS8が、他の画像形成サブシステムA8,B8,…を管理下に置いて、これら下位の画像形成サブシステムA8,B8,…への印刷ジョブの分配を管理するようになっている点である。他の相違点は、画像形成システムS8が管理下に置くすべての画像形成サブシステムA8,B8,…を代表する代表アドレスを備えており、端末装置12のユーザは画像形成システムS8に対して一元的に印刷予約すればよいという点である。
【0137】ネットワーク10は、例えばインターネットのような、TCP/IPプロトコルに従って各ホストが相互接続された広域ネットワークである。TCP/IPネットワーク上では、HTTPによるHTMLドキュメントの転送、FTPによるファイル転送、SMTPによるメール送信、IPPによるクライアントからのプリント資源の指定、WWWシステムによる情報検索サービスなどが可能である。
【0138】携帯機器12は、例えば携帯電話であり、無線電話基地局、公衆電話網など(いずれも図示しない)を経由して、ネットワーク10にゲートウェア接続されている。但し、携帯機器12は、PDCやPHSのような携帯電話に必ずしも限定されず、例えば、PDAやノートブックPCのような情報処理端末、あるいは、デスクトップPCなどの据置型の情報機器であってもよい。
【0139】メールサーバ14は、端末機器12やネットワーク上のその他のホスト装置間でのメール交換を管理し、送信メールボックスや受信メールボックスを備えている。メールサーバ14に対するメール送信には、例えばSMTPプロトコルが使用され、また、メールサーバに着信したメールの読み出しにはプロトコルが使用される。
【0140】画像形成システムS8は、下位の画像形成サブシステムA8及びB8を統括し、本実施例に係るネットワークプリントサービスをクライアントとしての端末機器12に対して提供する。
【0141】画像形成システムS8は、下位の画像形成サブシステムA8及びB8を管理するサブシステム管理サーバS16と、メールサーバS20とを含み、下位の画像形成サブシステムA8及びB8とは、ルータなどを経由してゲートウェイ接続されている。
【0142】メールサーバS20は、各画像形成システムS8が構築された局所ネットワーク上におけるメール交換を管理し、送信メールボックスや受信メールボックスを備えている。メールサーバS20に対するメール送信には、例えば、SMTPプロトコルが使用され、また、メールサーバS20に着信したメールの読み出しにはPOP3プロトコルが使用される。
【0143】本実施例では、ネットワーク上の各ホスト(すなわち各サーバや印刷装置、クライアントの端末装置など)が固有のアドレスを所有している以外に、各画像形成システムS8に対して「代表アドレス」が割り振られている。代表アドレス宛ての電子メールは、メールサーバS20において一旦受信された後、電子メールの内容に応じて適切なホストに分配される。例えば、代表アドレス宛ての電子メールが文書等の印刷要求又は印刷予約を指示する場合には、サブシステム管理サーバS16がいずれかの画像形成サブシステムA8,B9に印刷ジョブを分配すなわち転送するようになっている。
【0144】サブシステム管理サーバS16は、画像形成システムS8に対して発行された印刷要求や印刷予約を該システムS8内で一元的に管理するためのサーバである。より具体的には、サブシステム管理サーバS16は、下位に位置付けられた各画像形成サブシステムA8,B8の負荷状態を監視しており、新たに印刷要求又は印刷予約が発行されたときには、負荷の軽いサブシステムに対して優先的に印刷ジョブを分配するようになっている。
【0145】各画像形成サブシステムA8,B8は、単一又は複数のネットワークセグメントで構成され、予約管理サーバA16/B16と、メールサーバA20/B20と、プリントサーバB22と、1以上の印刷装置A1/B1,A2/B2,A3/B3,…を備えている。
【0146】メールサーバA20/B20は、各画像形成システムA8/B8が構築された局所ネットワーク上におけるメール交換を管理し、送信メールボックスや受信メールボックスを備えている。
【0147】本実施形態では、各画像形成サブシステムA8,B8毎に、システム全体を代表する「代表アドレス」が割り振られている。サブシステムA8/B8内における個々の代表アドレス宛ての電子メールは、メールサーバA20/B20において一旦受信された後、電子メールの内容に応じて適切なホストに分配される。例えば、代表アドレス宛ての電子メールが文書等の印刷要求又は印刷予約を指示する場合には、印刷予約や印刷ジョブのスプールなどを管理する予約管理サーバA16/B16に転送される。
【0148】予約管理サーバA16/B16は、画像形成サブシステムA8/B8に対して発行された印刷要求や印刷予約を、該サブシステムA8/B8内で集中管理するためのサーバである。予約管理サーバA16/B16は、印刷要求又は印刷予約を受信すると、印刷ジョブのスプール先の位置情報や所在を特定することができる「予約番号」を発行するとともに、この予約番号を含んだ受領通知を、要求元の端末機器12に対して返信する。予約の受領通知の返信には、例えば電子メールが利用される。
【0149】予約管理サーバA16/B16の機能構成は、図8に示した例と略同一でよいので、ここでは説明を省略する。
【0150】プリントサーバA22/B22は、印刷要求又は印刷予約された印刷ジョブを一時的に蓄積すなわちスプール(SPOOL:simultaneous peripheral operation on-line)するとともに、印刷実行する印刷装置に印刷ジョブを転送する。印刷要求された文書が印刷装置上で印刷可能なデータ形式でない場合、すなわち、アプリケーションによって作成編集されたままで印刷不能なアプリケーションデータ形式であるような場合には、プリントサーバA22/B22は、アプリケーションデータのまま印刷用文書をスプールしてもよいし、印刷可能データ形式の印刷ジョブに変換してからスプールするようにしてもよい。
【0151】プリントサーバA22/B22の機能構成は、図9に示した例と略同一でよいので、ここでは説明を省略する。
【0152】メールサーバA20/B20、予約管理サーバA16/B16、プリントサーバA22/B22は、現実には、アプリケーションの実行により汎用的なサービスを提供することができる一般的な計算機システム(ワークステーションやパーソナルコンピュータ)上で、特定のサーバアプリケーションを起動するという形態で実現される。また、各サーバ機能毎に1台ずつ計算機システムを割り当ててもよいし、単一の計算機システム上で2以上のサーバアプリケーションを起動するようにしてもよい。
【0153】同様に、サブシステム管理サーバS16並びにメールサーバS20も一般的な計算機システム(ワークステーションやパーソナルコンピュータ)上で、特定のサーバアプリケーションを起動するという形態で実現される。また、各サーバ機能毎に1台ずつ計算機システムを割り当ててもよいし、単一の計算機システム上で2以上のサーバアプリケーションを起動するようにしてもよい。
【0154】各印刷装置A1/B1,A2/B2,A3/B3,…は、画像形成システムA8/B8内でスプールされている印刷ジョブの実行を行う装置である。印刷エンジンには、例えば、電子写真プロセス方式が採用される。印刷装置の機能構成は、図10に示した例と略同一でよいので、ここでは説明を省略する。
【0155】本実施形態では、下位に位置付けられる複数の画像形成サブシステムA8/B8を統括する画像形成システムS8に対して、代表的な1つのアドレスを付与されている。したがって、ユーザは、端末機器12上から画像形成システムS8の代表アドレスに宛てて、電子メールなどの通信手段を用いて印刷要求や印刷予約などの印刷指示を送信することができる。
【0156】ユーザは、印刷要求又は印刷予約時には、代表的なアドレスに宛てて指示するだけでよく、出力先として特定の印刷装置を指定する必要がない。また、単一の統括的な画像形成システムの代表アドレスを記憶する手段を端末機器12上に備えるだけでよく、各印刷装置毎のアドレスを記憶する必要がないので、アドレス管理やメール送信手続が簡素化される。
【0157】ユーザからの印刷要求又は印刷予約を指示する電子メールは、画像形成システムS8を介して、いずれかの画像形成サブシステムA8/B8に分配される。これに対し、画像形成サブシステムA8/B8内の予約管理サーバA16/B16は、印刷指示やスプールされた印刷ジョブ、あるいは印刷要求された文書を識別することができる予約番号を発行するとともに、この予約番号を含ませた印刷指示の受領通知を依頼元である端末機器12に返信する。
【0158】画像形成サブシステムA8/B8内では、予約番号を基にして、印刷ジョブのスプール先の位置情報や所在を探索することができる。したがって、ユーザすなわち端末機器12側では、受信した予約番号に従って、都合のよい時間に都合のよい場所で所望の印刷装置に対して印刷実行を要求することができる。勿論、いずれの画像形成サブシステムに属する印刷装置に対して印刷実行してもよい。また、予約番号を基にして、一旦印刷予約した内容を後から変更するなどの事後的な処理を行うことができる。
【0159】図6には、本実施形態に係る画像形成システムS8が、印刷予約を受信したときに実行する処理手順をフローチャートの形式で示している。以下、このフローチャートに従って、画像形成システムS8による予約管理手続きについて説明する。
【0160】まず、メールサーバS20が、画像形成システムS8の代表アドレスに宛てられた電子メールを受信すると(ステップS21)、メールの内容を解析して印刷データを正常に受信できたか否かをチェックする(ステップS22)。
【0161】印刷データを正常に受信できなかった場合には、判断ブロックS22の分岐Noに進んで、本処理ルーチンをエラー終了する。エラー終了の形式は任意である。例えば、印刷要求元の携帯電話12に対してエラーを表示した電子メールを送信するようにしてもよいし、あるいは携帯電話12に対する音声メッセージであってもよい。
【0162】他方、印刷データを正常に受信できた場合には、サブシステム管理サーバS16は、この印刷データを、管理下に置く画像形成サブシステムA8,B8,…のうちの1つに分配する(ステップS23)。印刷データの分配は、サブシステムの代表アドレスに宛てた電子メールの送信という形式で行う。
【0163】サブシステム管理サーバS16は、例えば、各サブシステムの負荷状態を監視して、最も負荷の軽い画像形成サブシステムに対して印刷データを分配するようにしてもよい。
【0164】次いで、画像形成サブシステムA8/B8側のメールサーバA20/B20は、画像形成システムA8/B8の代表アドレスに宛てられた電子メールを受信すると(ステップS24)、メールの内容を解析して印刷データを正常に受信できたか否かをチェックする(ステップS25)。
【0165】印刷データを正常に受信できなかった場合には、判断ブロックS24の分岐Noに進んで、本処理ルーチンをエラー終了する。エラー終了の形式は任意である。例えば、依頼元の画像形成システムS8の代表アドレスに対する電子メールの送信であってもよい。また、印刷要求元の携帯電話12に対してエラーを表示した電子メールを送信するようにしてもよいし、あるいは携帯電話12に対する音声メッセージを行うようにしてもよい。
【0166】他方、印刷データを正常に受信できた場合には、印刷データを予約管理サーバA16/B16に転送する。予約管理サーバA16/B16では、印刷データを受信すると、これに対して「予約番号」を発行するとともに(ステップS26)、印刷データをプリントサーバA22/B22に保存する(ステップS27)。予約番号は、スプール先の位置情報(すなわちプリントサーバA22/B22に関するアドレス情報)や所在を特定することができる情報である。
【0167】そして、予約管理サーバA16/B16は、この予約番号を含んだ受領通知を要求元の端末装置12に対して返信して(ステップS28)、本処理ルーチン全体を終了する。受領通知の返信には、例えば電子メールを利用すればよい。
【0168】図7には、図5に示すネットワーク10上において、端末装置12から印刷予約を行うための、端末装置12と各サーバ間のやり取り、並びに各サーバ間のやり取りをチャート上で示している。以下、同図を参照しながら、ネットワーク10上のプリントサービスにおいて実行される各装置間のトランザクションについて説明する。
【0169】ユーザは、所持する端末装置12上から画像形成システムS8の代表メールに宛てた電子メールを送信して、印刷予約を行う。この電子メールは、例えばSMTPプロトコルに従って、メールサーバ14の送信メールボックスに蓄積された後(T21)、画像形成システムS8内のメールサーバS20に着信される(T22)。
【0170】印刷予約に関する電子メールの場合、サブシステム管理サーバS16に転送される(T23)。サブシステム管理サーバS16は、この印刷データを、管理下に置く画像形成サブシステムA8,B8,…のうちの1つに分配する(T24)。サブシステム管理サーバS16は、例えば、各サブシステムの負荷状態を監視して、最も負荷の軽い画像形成サブシステムに対して印刷データを分配するようにしてもよい。図示の例では、画像形成サブシステムA8が選択されている。
【0171】印刷データの画像形成サブシステムA8/B8への分配は、サブシステムの代表アドレスに宛てたSMTP形式の電子メールの送信プロトコルで行うことができる。あるいは、画像サブシステムへの分配を、SMTPプロトコル以外にも、FTPなどによるファイル転送プロトコル、HTTPなどによるハイパーテキスト転送プロトコル、IIPなどの印刷プロトコルを利用することができる。
【0172】また、画像生成システムS8が画像形成サブシステムA8/B8に対してデータを転送する際に、転送データを暗号化した通信路を利用するようにして、印刷される情報コンテンツのセキュリティを維持することができる。
【0173】サブシステム管理サーバS16からの電子メールは、画像形成サブシステムA8内のメールサーバA20に着信される(T24)。さらに、予約管理サーバA16に転送されて、印刷データを正常に受信できたか否かをチェックした後、プリントサーバA22に転送されてスプールされる(T25)。
【0174】また、予約管理サーバA16は、スプール先であるプリントサーバA22の位置情報や所在を特定することができる予約番号を発行する。予約番号は、電子メールを利用して、予約完了通知という形式で、メールサーバA20経由で、要求元の端末機器12並びに画像形成システムS8に返信される(T26,T27,T28)。
【0175】なお、本実施形態に係る画像形成システムS8において印刷予約された印刷ジョブを印刷実行するための処理手順は、図3に示した画像形成システムA8/B8内の印刷装置上で印刷ジョブを実行するための処理手順と略同一なので、ここでは説明を省略する。
【0176】《注釈》
*:IPP(Internet Printing Protocol)
…インターネット上でリモート印刷するためのプリント・サーバとクライアント間のプロトコルであり、HTTP 1.1を利用する。IETFが標準化を進めている。URI(Uniform Resource Identifier)によりクライアントからプリント資源を指定できるので、ユーザーの使い勝手が良くなる。プリンタのステータスは、SNMP(Simple Network Management Protocol)のMIB(Management Information Base)を使って取得する。
**:DDSA(デジタル・ドキュメント・セキュリティ・アーキテクチャ)
…"利用権"という概念を取り入れたデジタルコンテンツの流通技術でり、コンテンツをRSAやDSAなどの公開鍵暗号により暗号化して配信し、利用権の購入者として認証された場合にのみデータを復号化する。DDSAは、基本的には、コンテンツ自体は複製可能な状態で流通させ、これを復号化するための秘密鍵を利用権として販売するという方法を採用する。但し、ユーザが秘密鍵(利用権)を不正に横流しする危険を排除するために、利用権の購入者に発行する「アクセス・チケット」とユーザにあらかじめ配布しておく身分証明書「トークン」からその都度、秘密鍵を生成するようにしている。各アクセス・チケットは特定のトークンだけに対応するとともに、トークンは複製不可能なICカードなどの形態で提供されるので、正規の購入者でなければ復号化に必要な秘密鍵を入手できない仕組みになる。
【0177】[追補]以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0178】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明によれば、遠隔地からのネットワーク経由での情報の記録・複製・印刷等の要求に対して情報出力サービスを行うことができる、優れた情報出力システム及び情報出力制御方法を提供することができる。
【0179】また、本発明によれば、携帯電話などのような居場所が不定のユーザからの印刷要求をネットワーク接続された任意の画像形成装置において印刷実行することで、ユーザが都合のよい時間に都合のよい場所で印刷物を取得することができる、優れた情報出力システム及び情報出力制御方法を提供することができる。
【0180】また、本発明によれば、ユーザが例えば携帯電話上で受信した電子メールの添付ファイルを簡易に印刷要求することができる、優れた情報出力システム及び情報出力制御方法を提供することができる。
【0181】また、本発明によれば、印刷要求時にユーザは出力先の画像形成装置のアドレス情報をあらかじめ取得したり出力先を特定することなく、印刷要求又は印刷予約をし、所望の場所で印刷出力することができる、優れた情報出力システム及び情報出力制御方法を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【出願日】 平成12年10月23日(2000.10.23)
【代理人】 【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫 (外2名)
【公開番号】 特開2002−132476(P2002−132476A)
【公開日】 平成14年5月10日(2002.5.10)
【出願番号】 特願2000−322244(P2000−322244)