| 【発明の名称】 |
マウス |
| 【発明者】 |
【氏名】伊本 善弥
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| 【要約】 |
【課題】体積の小さいスクロール装置を内蔵したマウスを提供することを目的とする。
【解決手段】指の先端部分が開放自在にあてがわれる位置に設けられたスクロール窓11と、スクロール窓11の内側からスクロール窓11にあてがわれた指を照明する強指向性LED13と、スクロール窓11にあてがわれた指からの反射光を受光する2次元イメージセンサ15と、2次元イメージセンサ15で得られた受光信号に基づき指の動きを検出することによりスクロール情報を得る情報取得部30とを備えた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 手で把握されての位置の移動操作と指でのクリック操作とにより、表示画面と対応付けられた操作情報を出力するマウスにおいて、いずれかの指の先端部分が開放自在にあてがわれる位置に設けられた第1の読取窓と、前記第1の読取窓の内側から該第1の読取窓にあてがわれた指を照明する第1の照明光源と、前記第1の読取窓にあてがわれた指からの反射光を受光する光センサと、前記光センサで得られた受光信号に基づき前記指の動きを検出することによりスクロール情報を得る情報取得部とを備えたことを特徴とするマウス。 【請求項2】 前記情報取得部は、前記第1の読取窓を複数の領域に分けたときの各領域の明暗をとらえ、該各領域の明暗の変化によりスクロール情報を得るものであることを特徴とする請求項1記載のマウス。 【請求項3】 前記情報取得部は、前記第1の読取窓にあてがわれた指のテクスチュアをとらえ、該テクスチュアの動きによりスクロール情報を得るものであることを特徴とする請求項1記載のマウス。 【請求項4】 前記情報取得部は、前記第1の読取窓にあてがわれた指の、縦方向および横方向双方の動きを検出することにより縦方向のスクロール情報と横方向のスクロール情報との双方を得るものであることを特徴とする請求項1記載のマウス。 【請求項5】 前記情報取得部は、前記第1の読取窓にあてがわれた指の動きを検出するとともに、該第1の読取窓にあてがわれた指の、所定時間を越える静止を検出するものであることを特徴とする請求項2記載のマウス。 【請求項6】 前記光センサが2次元イメージセンサであって、このマウスが載置された面に向き合う下面に設けられた第2の読取窓と、前記第2の読取窓が原稿上の所望領域にあてがわれるようにこのマウスを置いたときの該第2の読取窓内側から該所望領域を照射する第2の照明光源とを備え、前記2次元イメージセンサは、前記第1の読取窓にあてがわれた指からの第1の反射光の受光と、前記第2の読取窓が原稿上の所望領域にあてがわれたときの該所望領域からの第2の反射光の受光との双方を担うものであって、前記情報取得部が、前記2次元イメージセンサで得られた前記第1の反射光の受光により得られた第1の受光信号に基づいて、前記指の動きを検出してスクロール情報を得る機能と、前記2次元イメージセンサで得られた前記第2の反射光の受光により得られた第2の受光信号に基づいて、所望領域の情報を読み取る機能とを兼ねたものであることを特徴とする請求項1記載のマウス。 【請求項7】 前記第1の読取窓にあてがわれた指からの反射光が前記光センサに向かう第1の光路と、前記第2の読取窓にあてがわれた原稿上の所望領域からの反射光が前記光センサに向かう第2の光路とを途中で1つの光路に合成する光路合成手段を有することを特徴とする請求項1記載のマウス。 【請求項8】 前記第1の照明光源と前記第2の照明光源は、相互に異なる波長の光を発する光源であって、前記光路合成手段が、これら相互に異なる波長の光の光路を合成する2色性ミラーであることを特徴とする請求項7記載のマウス。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータの位置指示装置としてのマウスにスクロール情報を得る機能を持たせたマウスに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、原稿上の情報を読み取る情報読取装置として、原稿の全面を読み取るタイプのスキャナが知られている。また、原稿上の所望領域のみを読み取るタイプの小型のハンディスキャナも用いられている。このタイプのハンディスキャナに使用されるイメージセンサとしては、リニアセンサが主流であるが、ハンディスキャナを手で操作して原稿上の所望領域を走査する際に走査ムラが発生しやすく、得られる画像に歪みを生じることがある。 【0003】原稿上の所望領域のみを読み取る情報読取装置の用途として、原稿などに記録された2次元バーコードなどの情報パターンを読み取るという用途がある。しかし、この用途に用いるコード情報読取装置において上記の画像歪みが発生すると、情報パターンの認識精度が低下しやすい。そのため、精度よく情報パターンを読み取るには原稿を上手に走査するための“習熟”が必要であり、一般のユーザにとっては使い勝手が悪いものとなってしまう。 【0004】こうした問題を考えると、情報パターンを読み取る用途に対しては、エリアイメージセンサを使用して原稿上の所望領域の情報をワンショットで取り込むことが望ましいが、リニアセンサ方式に比べて読取り面が広くなることから光学系が大きくなり、このような情報読取装置を実際にコンピュータの周辺機器として使用するにはデスク上に広いスペースを必要とするという問題がある。 【0005】画面上の位置指示装置として一般に広く用いられているマウスは、その形状やグリップ感が人間工学的にもよく考えられたものであり、コード読取装置としても、この位置指示装置としてのマウスのような形状とすることが望ましいが、1台のコンピュータに似通った形状の装置が2つ接続されたのでは、位置指示装置を操作するつもりでコード読取装置を操作してしまうなど、操作時に混乱が生じやすい。 【0006】また、モバイルコンピュータの分野においては、周辺装置としての情報読取装置は携帯に適したものであることが望ましいが、装置が2つになることや装置が大型化することは、モバイル志向の潮流と逆行することになる。 【0007】これらの問題に対処するためには、情報読取装置および位置指示装置としてのマウスが一体化され、かつ大型化しないことが望ましく、従来からこのようなニーズに応えるための提案がいくつかなされてきた。 【0008】例えば、特開昭61−134830号公報には、リニアセンサを使った情報読取装置と、位置指示装置としてのマウスを1つの筐体内に納め、マウスの位置検出機能を利用して手送り式リニアセンサ読取装置の読取位置検出機能と兼用させるという装置が開示されている。 【0009】また、特開昭63−318625号公報には、マウスの位置指示機能とリニアセンサを使った情報読取装置の機能とを切り換えるようにした装置が開示されている。 【0010】また、特開平2−210523号公報には、マウスにプリンタ機能やリニアセンサを使った情報読取機能を持たせるようにした装置が開示されている。 【0011】さらに、特開平11−7356号公報には、マウスに情報読取部を付加し、原稿をなめるようにスキャンして、位置検知機能と連動させて画像を走査し、大きな画像に合成するようにした装置が開示されている。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの装置はいずれもリニアセンサを使用したものであり、マウスを動かしながら大きな範囲の画像を読み込むことを狙いとしたものである。そのため、コード情報のような、原稿上の限られた領域内に記録された情報を歪みなく読み込む用途には適していない。 【0013】また、特開平11−203041号公報には、ボールとロータリーエンコーダによって位置検知を行う通常のマウス内部に、エリアCCDとレンズを組み込んだ指紋読取装置が開示されているが、読取面の傾斜に起因する像面傾斜の問題など光学的な記述がなく、現実性が乏しい。また、図面上、光路の折り返しがないことや、物体面から結像面までの光路長が短いなどの光学寸法から判断すると、せいぜい10mm以下の領域の読取りを前提としたものであり、ある程度の大きさの領域に記録されたコード情報を読み取る装置としては向いていない。 【0014】一般に、マウスの位置検知方式としては、マウスの筐体底面に直径15mm〜25mmのボールを回転自在に配備し、マウスをマウスパッドなどの上で移動させたときのボールのXY方向の回転量を、ボール側面に接触する2つのロータリーエンコーダで読み取り、その読取結果からマウスのXY方向への移動量を検知する方式が一般的である。 【0015】また、最近は、小型のエリアイメージセンサを使用して、デスク面のテクスチャー構造を読み取り、前回読取ったフレーム画像との間で相関演算することにより、マウスの移動量を検知する光学式マウスが次第に広く使用されるうようになりつつある。 【0016】一方で、マウスの機能として、コンピュータ画面上のスクロール機能を制御するためのスクロールホイールを付加したマウスが最近盛んに用いられるようになりつつある。これは、特にインターネットブラウザの表示画面をスクロールする際に、表示画面周辺のスクロールボタンをマウスでクリックして選択する操作の代わりに、ホイールの回転操作でスクロールさせることができることから、非常に便利な機能として広く受け入れられ始めている。 【0017】マウスにスクロール機能を持たせようという提案は、例えば、特開平6−259829号公報や特開平8−30388号公報にも記載されている。 【0018】図21は、従来のマウスに組込まれたスクロール量検知部の一例を示す図である。 【0019】図21に示すように、このスクロール量検知部は、ホイール401、ホイール401の回転軸402、回転軸402を両端で支持する軸受け403、回転軸402に固定された矢羽根車404、矢羽根車404の回転を検出するフォトインターラプタ405、回転軸402の回転を付勢するアクチュエータ406、ホイール401を回転させたときのクリック感を出すための歯車407などから構成されている。しかし、このスクロール量検知部は、ホイール401を除いても15mm×15mm×35mm程度の体積を有しており、前述の光学式マウスの場合には光学系を配置するためのかなりのスペースを必要とするため、光学式マウスに上記のようなスクロール量検知機構を組み込むことは難しい。 【0020】また、特開平10−275053号公報や特開平10−275054号公報には、ホイールを用いる代りにスライドボリュームやレバー状の部材を用いる装置が開示されているが、やはり、ホイール方式のスクロール機構とほぼ同程度のスペースを必要とする。 【0021】以上説明したように、従来のスクロール機構は、マウス筐体内でかなりのスペースを占めるため、情報読取装置をマウス、特に光学式マウスに組み込もうとした場合にスペースの点で障碍となる。 【0022】本発明は、上記事情に鑑み、体積の小さいスクロール装置を内蔵したマウスを提供することを目的とする。 【0023】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明のマウスは、手で把握されての位置の移動操作と指でのクリック操作とにより、表示画面と対応付けられた操作情報を出力するマウスにおいて、いずれかの指の先端部分が開放自在にあてがわれる位置に設けられた第1の読取窓と、上記第1の読取窓の内側から第1の読取窓にあてがわれた指を照明する第1の照明光源と、上記第1の読取窓にあてがわれた指からの反射光を受光する光センサと、上記光センサで得られた受光信号に基づき上記指の動きを検出することによりスクロール情報を得る情報取得部とを備えたことを特徴とする。 【0024】ここで、上記情報取得部は、上記第1の読取窓を複数の領域に分けたときの各領域の明暗をとらえ、各領域の明暗の変化によりスクロール情報を得るものであってもよい。 【0025】また、上記情報取得部は、上記第1の読取窓にあてがわれた指のテクスチュアをとらえ、そのテクスチュアの動きによりスクロール情報を得るものであってもよい。 【0026】また、上記情報取得部は、上記第1の読取窓にあてがわれた指の、縦方向および横方向双方の動きを検出することにより縦方向のスクロール情報と横方向のスクロール情報との双方を得るものであってもよい。 【0027】また、上記情報取得部は、上記第1の読取窓にあてがわれた指の動きを検出するとともに、第1の読取窓にあてがわれた指の、所定時間を越える静止を検出するものであってもよい。 【0028】また、上記光センサが2次元イメージセンサであって、このマウスが載置された面に向き合う下面に設けられた第2の読取窓と、上記第2の読取窓が原稿上の所望領域にあてがわれるようにこのマウスを置いたときの第2の読取窓内側からその所望領域を照射する第2の照明光源とを備え、上記2次元イメージセンサは、上記第1の読取窓にあてがわれた指からの第1の反射光の受光と、上記第2の読取窓が原稿上の所望領域にあてがわれたときの該所望領域からの第2の反射光の受光との双方を担うものであって、上記情報取得部が、上記2次元イメージセンサで得られた上記第1の反射光の受光により得られた第1の受光信号に基づいて、上記指の動きを検出してスクロール情報を得る機能と、上記2次元イメージセンサで得られた上記第2の反射光の受光により得られた第2の受光信号に基づいて、所望領域の情報を読み取る機能とを兼ねたものであってもよい。 【0029】また、このマウスが、上記第1の読取窓にあてがわれた指からの反射光が上記光センサに向かう第1の光路と、上記第2の読取窓にあてがわれた原稿上の所望領域からの反射光が上記光センサに向かう第2の光路とを途中で1つの光路に合成する光路合成手段を有するものであってもよい。 【0030】さらに、上記第1の照明光源と上記第2の照明光源は、相互に異なる波長の光を発する光源であって、上記光路合成手段が、これら相互に異なる波長の光の光路を合成する2色性ミラーであってもよい。 【0031】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について説明する。 【0032】原稿の所望領域に記録されたコード情報を読み取るためのエリアセンサによる読取光学系を、位置指示機能を持つマウス筐体内に組み込むという課題について考える。 【0033】原稿上のVGA(640×480画素)サイズの領域を解像度600dpi(dot per inch)で読み取るエリアセンサ光学系の場合、原稿からセンサ部までのサイズとして約30×20×60mmの光学系を折り畳んで収納するだけのスペースが必要であり、ミラー1枚を用いて光路を折り返すとして、センサ基板まで含めると、幅30mm×高さ30mm×奥行き70mm程度の体積を占めることになる。 【0034】前述のように、ホイール方式のスクロール量検知部を組み込んだマウス(図21参照)では、スクロール量検知部だけでも、ホイールを除いて15mm×15mm×35mm程度の体積を占める。 【0035】従って、このようなホイール方式のスクロール機構を通常のマウスの筐体内部に収納することは不可能であり、装置の大型化は避けられず、携帯型コンピュータと組み合わせてモバイル用途で使いたいというニーズからはかけ離れたものとなってしまう。 【0036】図1は、第1の実施形態のマウスの概略構成図である。 【0037】この第1の実施形態のマウス1は、位置指示装置としての機能、スクロール情報を得る機能、および画像情報を読み取る機能をすべて組み込んだマウスであり、手で把握されての位置の移動操作と指でのクリック操作とにより、表示画面と対応付けられた操作情報を出力するものである。 【0038】位置指示装置としての機能に関しては、このマウス1が載置された面20に向き合う下面10bに設けられた移動量検知窓25と、移動量検知窓25が原稿上の所望領域にあてがわれるようにこのマウス1を置いたときの移動量検知窓25の内側から原稿21上の直径4mm程度の所望領域を照射する移動量検知用の照明光源である強指向性LED(Light Emitting Diode)26と、所望領域から反射された光を検知する小規模イメージセンサ28と、所望領域から反射された光を小規模イメージセンサ28上に結像させる結像レンズ27と、筐体10の上部10aに、操作者の指で押下されたときにクリック情報を出力する左マウスボタン2および右マウスボタン3とが備えられている。 【0039】次に、このマウスの位置検出機能について説明する。 【0040】図1に示すように、移動量検知窓25の内側から原稿21上の所望領域から反射された光が結像レンズ27を介して小規模イメージセンサ28により読み取られる。小規模イメージセンサ28により得られた画像情報を相関演算処理することにより、マウス1の面20上の移動量を検知することができる。 【0041】この小規模イメージセンサ28は、36×36の感光画素を持つものであり、3mm程度の読取範囲を、12dot/mmの解像度で読み取るものである。結像レンズ光学系の共役長は8mm程度で十分なので筐体10内で大きなスペースを占めることはない。 【0042】なお、本実施形態では、光学的に位置指示情報を得る位置指示装置を組み込んだ例について説明しているが、ボールとロータリーエンコーダによる機械式の位置指示装置を組み込んだものであってもよい。 【0043】次に、スクロール情報を得る機能に関して、操作者のいずれかの指の先端部分が開放自在にあてがわれる位置に設けられたスクロール窓11と、スクロール窓11の内側からスクロール窓11を覆う指を照明する強指向性LED13と、スクロール窓11にあてがわれた指からの反射光を受光するCCDアレイからなる2次元イメージセンサ15と、2次元イメージセンサ15で得られた受光信号に基づいて、指の動きを検出することによりスクロール情報を得る情報取得部30とを備えている。さらに、このマウス1が載置された面20に向き合う下面に設けられた画像読取窓12と、画像読取窓12が原稿21上の所望領域にあてがわれるようにこのマウス1を置いたときの画像読取窓12内側からその所望領域を照射する2つの原稿照明用の赤色のLEDランプ14とを備えている。 【0044】ここで、上記の2次元イメージセンサ15は、スクロール窓11にあてがわれた指からの第1の反射光16の受光と、画像読取窓12が原稿21上の所望領域にあてがわれたときの所望領域からの第2の反射光17の受光との双方を担うものである。 【0045】そして、情報取得部30は、2次元イメージセンサ15で得られた第1の反射光16の受光により得られた第1の受光信号に基づいて、指の動きを検出してスクロール情報を得る機能と、2次元イメージセンサ15で得られた第2の反射光17の受光により得られた第2の受光信号に基づいて、所望領域の情報を読み取る機能とを兼ねている。 【0046】また、本実施形態のマウス1は、スクロール窓11にあてがわれた指からの第1の反射光16が2次元イメージセンサ15に向かう光路と、画像読取窓12にあてがわれた原稿21上の所望領域からの第2の反射光17が2次元イメージセンサ15に向かう光路とを途中で1つの光路18に合成する光路合成部材を有している。 【0047】また、本実施形態では、強指向性LED13と、2つのLEDランプ14とが、相互に異なる波長の光を発する光源であって、上記の光路合成部材として、これら相互に異なる波長の光の光路を合成する2色性のダイクロミラー19を用いている。 【0048】なお、本実施形態におけるスクロール窓11は、本発明にいう第1の読取窓に相当するものであり、また、本実施形態における画像読取窓12は、本発明にいう第2の読取窓に相当するものであり、また、本実施形態における強指向性LED13は、本発明にいう第1の照明光源に相当するものであり、また、本実施形態における2つのLEDランプ14は、本発明にいう第2の照明光源に相当するものであり、また、本実施形態における2次元イメージセンサ15は、本発明にいう光センサに相当するものであり、また、本実施形態におけるダイクロミラー19は、本発明にいう光路合成手段に相当するものである。 【0049】原稿照明用の赤色のLEDランプ14は、マウスの筐体10の下面10bに設けられた画像読取窓12の中の、21mm×28mmサイズの領域を照明する。照明された原稿像は、結像レンズ22を介して、原稿像からの反射光を読み取る2次元イメージセンサ15に結像される。 【0050】原稿像からの反射光の光路17,18の途中にあるダイクロミラー19は、外乱光防止のために分光特性によって原稿状態を観察するための光路17とコード情報を読み取るための光路16の分光特性を図に示すように分ける働きをする。すなわち、原稿から反射された光のうち、赤の光を2次元イメージセンサ15側に反射するとともに、残りの青から緑の光を上方に透過させ、マウスボタン2,3の部分を通して原稿状態を観察することができるようになっている。 【0051】図2は、第1の実施形態のマウス各部の分光特性を示す図である。 【0052】図2(a)は、強指向性LED13の分光特性を示す図である。 【0053】図2(a)に示すように、スクロールセンシング用の窓を照明するG色の強指向性LED13(図1参照)の分光特性は、約550nm付近にピークを有している。操作者の指の先端部分がこのスクロール窓にあてがわれると、その指は、G色の強指向性LED13(図1参照)で照明されて、その反射光がダイクロミラー19を透過し、結像レンズ22により2次元イメージセンサ15に結像される。このスクロールセンシングの際には、指の大まかな位置を検知するのみでよいので、厳密なピントで結像させる必要は無い。 【0054】図2(b)は、マウスボタンの分光特性を示す図である。 【0055】図2(b)に示すように、マウスボタン2,3は、マウス筐体10(図1参照)内に不要な外乱光である赤成分の光が入ることを防ぐために、600nm以上を吸収するサイアン色の分光特性を有する材料で構成される。このマウスボタン2,3の部分から操作者はマウス直下の原稿面を透かし見ることができるようになっている。 【0056】スクロールセンシング用のスクロール窓11からダイクロミラー19までの間の第1の反射光16の光路には、Gの光を選択的に透過させるフィルタ23が設けてある。このフィルタ23は、余分な外乱光が2次元イメージセンサ15に入るのを防ぐ役割を持っており、Gの透過効率自体も低く設定されている。その分の読取光量の低下は、原稿照明用のLEDランプ14に比較して、指向性の強いLEDを使用することにより補うようにしている。 【0057】図2(c)は、フィルタ23の分光特性を示す図である。 【0058】図2(c)に示すように、フィルタ23は550nm付近にピークを有している。 【0059】図2(d)は、LEDランプ14の分光特性を示す図である。 【0060】図2(d)に示すように、LEDランプ14は約680nm付近にピークを有している。 【0061】図2(e)は、ダイクロミラー19の分光特性を示す図である。 【0062】図2(e)に示すように、ダイクロミラー19は2色性ミラーの分光特性を有している。 【0063】図3は、第1の実施形態におけるスクロール窓を覆う指の動きが検出される様子を示す図である。 【0064】図3に示すように、強指向性LED13はスクロール窓11の内側から、スクロール窓11にあてがわれた指24を斜め下の方向から照明する。一方、2次元イメージセンサ15(図1参照)につながる第1の反射光16の光路は、スクロール窓11に対してほぼ水平方向を向いている。この両者が交差する部分に指24をあてがうと、指24から第1の反射光16の光路の方向に散乱した光が2次元イメージセンサ15に入射する。この指24の位置を動かすことにより、2次元イメージセンサ15に入射する光の光束が変化する。 【0065】図4は、第1の実施形態における指の動作による反射光の光束の変化状況を示す図である。 【0066】図4(a)に示すように、スクロール窓11から指24を浮かせた状態から、図4(b)および図4(c)に示すように、スクロール窓11に沿って指24を下から上に移動させると、指24が強指向性LED13の光束を切る位置が変化し、それに応じた像が、図5に示すように、2次元イメージセンサ15上に投影される。 【0067】図5は、第1の実施形態における指の位置による2次元イメージセンサへの投影状況を示す図である。 【0068】本実施形態では、情報取得部30(図1参照)は、スクロール窓11を複数の領域に分けたときの各領域の明暗をとらえ、それら各領域の明暗の変化によりスクロール情報を得るように構成されている。すなわち、図5(a)〜図5(c)に示すように、スクロール窓11からの第1の反射光16を受光した2次元イメージセンサ15上のスクロール検知エリア15aを複数の画素領域15bに分け、それら各画素領域15bの明暗をとらえ、それら各画素領域15bの明暗の変化によりスクロール情報を得ている。 【0069】図5(a)には、スクロール窓11(図3参照)上には指があてがわれておらず、従って2次元イメージセンサ15上のスクロール検知エリア15aのいずれの領域15bにも指の像は投影されていない様子が示されている。 【0070】図5(b)には、スクロール窓11(図3参照)の全面を覆うように指があてがわれており、従って2次元イメージセンサ15上のスクロール検知エリア15aの全ての領域15bを覆うように指の像24aが投影された様子が示されている。 【0071】図5(c)には、スクロール窓11(図3参照)の一部分のみを覆うように指があてがわれており、従って2次元イメージセンサ15上のスクロール検知エリア15aの領域15bのうちの下方の領域に指の像24bが投影された様子が示されている。 【0072】次に、上記のようにして得られた画像読取データからスクロール指示情報を検知する方法について説明する。 【0073】図6は、第1の実施形態において画像読取データからスクロール指示情報を検知するフローチャートである。 【0074】図6に示すように、センシング部分(図5に示すスクロール検知エリア15a)の画像を1/30秒毎に取り込み(ステップS01)、取り込んだ画像を、上下2つあるいは左右2つの領域に分けてそれぞれのデータを加算する(ステップS02)。 【0075】次に、2つの領域を明/暗に2値化し、明・明、明・暗、暗・明、暗・暗の4つの組合せに分類する(ステップS03)。 【0076】次に、前回データと今回データの変化を図6のフローの右側に示した表に従って分類し、縦軸と横軸の交点に記載されたA,B,C,Dの符号で「変化」を表す(ステップS04)。 【0077】次に、上記の「変化」と履歴による判定を行う(ステップS05)。 【0078】なお、ここで、履歴とは、このフローチャートで用いられる制御用のパラメータの1つであり、デフォルトとして0が設定され、フローの中の他のパラメータの変化に応じてその値は、−2,−1,0,1,2のいずれかの値にセットされる。 【0079】また、このフローチャートにいう連続回数とは、スクロール窓11(図3参照)にあてがわれた指が静止状態を何回連続して読み取ったかを表すものである。 【0080】ステップS05による判定の結果、次の6つのステップに分岐する。すなわち、「変化」=A、履歴=1のときはステップS06_1に進み履歴を2にする。 【0081】また、「変化」=A、履歴=2のときはステップS06_2に進み第1の方向、例えば上方向に指が移動したものと判定する。 【0082】また、「変化」=A、履歴<1のときはステップS06_3に進み履歴を1にする。 【0083】また、「変化」=B、履歴=−2のときはステップS06_4に進み第2の方向、例えば下方向に指が移動したものと判定する。 【0084】また、「変化」=B、履歴−1のときはステップS06_5に進み履歴を−2にする。 【0085】また、「変化」=B、履歴>−1のときはステップS06_6に進み履歴を−1にする。 【0086】次に、「変化」と連続回数による判定を行い(ステップS07)、その判定の結果に応じて次の4つのステップに分岐する。すなわち、「変化」=CのときはステップS08_1に進み履歴を0にする。 【0087】また、「変化」=DのときはステップS08_2に進み連続回数を+1にする。 【0088】また、「変化」≠DのときはステップS08_3に進み連続回数を0にする。 【0089】また、連続回数>30のときはステップS08_4に進み連続回数を0、履歴を0にする。 【0090】このようにして、スクロール窓上の指の動きからスクロール方向を得ることができる。 【0091】次に、本実施形態のマウスの位置指示装置としての機能、スクロール情報を得る機能、およびそのスクロール情報に基づき原稿上の画像情報を読み取る機能について説明する。 【0092】なお、以下の説明では、原稿上の画像情報をコード情報として読み取るように構成した例について説明する。 【0093】図7は、第1の実施形態のマウスのブロック図である。 【0094】この図7に示された各構成要素のうち、一点鎖線で囲んだCPU(Central Processing Unit)51、USB(UniversalSerial Bus)ドライバ52、CCD(Charge CoupledDevice)ドライバ53、アンプ54,55、A/D(Analog to Digital)コンバータ56,57、ASIC(Application Specified IC)60などにより、図1に示した情報取得部30が形成される。 【0095】次に、このブロック図に示されたマウスの動作について説明する。 【0096】マウス筐体(図1参照)の上部に設けられたマウスボタン2,3が操作者の指で押下されると、それに応じたクリック情報がCPU51に入力される。 【0097】CPU51は、USBドライバ52、USBケーブル59を介してコンピュータ本体90との間で情報をやりとりして、コード情報読取モード、すなわち原稿上の画像情報をコード情報として読み取るモード、および移動量検知モード、すなわちマウス本体の原稿上の移動量を検知するモードのいずれか1つのモードに切り換える。このモード切り換えに応じて、コード情報読取用のLED14、移動量検知照明用のLED26、およびスクロール窓照明用のLED13が切り換えられる。 【0098】また、2次元イメージセンサ15および小規模イメージセンサ28に対して、それぞれ、アンプ54,55およびA/Dコンバータ56,57が設けられ、ともに画像処理用のASIC60に接続されている。画像処理後の読取データはASIC60からCPU51に送られ、また、コード情報読取モードと移動量検知モードの切り換え信号は、CPU51からASIC60に送られる。 【0099】次に、コード情報読取モードと移動量検知モードの切換えについて説明する。 【0100】コンピュータ本体90の起動時から始まる標準状態では、このマウスは、移動量検知モードに初期設定されている。この移動量検知モードでは、照明としては、移動量検知照明用のLED26が選択されて点灯し、移動量検知用の小規模エリアイメージセンサ28が駆動され、マウス本体の移動量情報をASIC60からCPU51、USBドライバ52、USBケーブル59を介して本体コンピュータ90に送信する。 【0101】また、この移動量検知モードでは、スクロール窓11照明用の強指向性LED13も点灯し、指の動作を読み取りスクロール情報として検知し、その検知結果を本体コンピュータ90にUSBドライバ52、USBケーブル59を介して送信する。 【0102】コード情報読取モードへの切換えは、事前にコード情報入力に対応するソフトウエアを立ち上げておき、次に示す操作により行われる。 【0103】図8は、第1の実施形態におけるコード情報読取モードへの切換え操作用の画面を示す図である。 【0104】本体コンピュータ90(図7参照)でコード情報入力に対応するソフトウエアを立ち上げ、図8に示す画面91上のコード読取ボタン92を左マウスボタン2でクリックすることにより、コード情報読取モードに移行することができる。コード情報を読み取った後は、読み取られたコード情報の解読結果93が画面に表示される。 【0105】図9は、第1の実施形態におけるモードの切換えによる状態遷移を示す図である。 【0106】図9に示すように、画面上のコード読取ボタン92(図8参照)が左クリックされコード情報読取モードに移行すると、移動量検知情報の本体コンピュータへの送信が停止されるとともに、移動量検知照明用のLED26(図7参照)は消灯される。このとき、移動量検知用小規模イメージセンサ28の駆動も停止され、マウスボタン2,3のクリック情報のみがコンピュータ本体90に送信される。 【0107】次に、左マウスボタン2がクリックされた時点で、マウスからコンピュータ本体90にこのクリック情報が送られ、コンピュータ本体90はこのクリック情報を受けてマウス側にコード情報読取モードに移行する旨の信号を送信する。マウス側では、この情報を受けて、コード情報読取用のLED14を点灯し、画像読取用の2次元イメージセンサ15を駆動する。そして1画面分の画像情報をコンピュータ本体90に送信した時点で、この2次元イメージセンサ15の駆動を停止し、コード情報読取用のLED14を消灯するとともに、移動量検知照明用のLED26を点灯し、移動量検知用の小規模エリアイメージセンサ28を駆動して移動量検知モードに移行する。 【0108】一方、1画面分の画像情報の送信を受けたコンピュータ本体90では、画像読取窓12(図1参照)からの画像情報を、前述のスクロール情報に基づき、コード情報として解読し、その解読結果を画面上に表示する。 【0109】次に、本実施形態で行われる画像情報の相関処理演算について説明する。 【0110】移動量検知用イメージセンサ28(図7参照)により画像データは連続して2回読み取られる。読み取られた画像データをそれぞれD1(i,j)およびD2(i,j)とする。ここで、iとjは、デジタル画像上の2次元位置座標を示すサフィックスである。 【0111】画像相関演算は次式により行われる。 【0112】 【数1】
【0113】上式のm,nを種々変化させてこの画像データの相関演算を行い、その中から最大値を探す。このとき、最大値を与えるm,nが2画像間の移動量である。 【0114】図10は、第1の実施形態における画像相関演算の処理結果の一例を示す図である。 【0115】図10には説明を簡潔にするために、簡単な一次元演算の結果を示す。 【0116】画像D1(i)と画像D2(i)とが共に図10(a)に示すような30画素分のデータであったとして、20画素分の窓で±4画素の相関演算を行った結果を図10(b)に示す。この図から、互いの窓をずらして相関演算を行った場合に、両者の波形が重なった場合に相関演算値がピークを持つことがわかる。 【0117】ところでこのとき、マウスの速い動きまで検知するために大きな移動量を検知しようとすると画像相関演算の処理サイズを大きくせねばならない。しかし、処理サイズを大きくしようとすると、処理サイズの2乗に比例して演算回数が増えるので処理時間がかかりすぎてしまう。 【0118】そこで、画像の取り込み周期を速くすることによりマウスの大きい動きに対処できるようにすれば、相関処理で大きな移動量を検知しなくてもよくなるので、相関処理を行う規模が小さくなり、短い演算所要時間で済むことになる。例えば、毎秒1.5mの移動速度まで検知しようとした場合は、通常のエリアイメージセンサの取込周期である1/30秒で取り込もうとすると、±50mm分の移動範囲のデータを採取する必要がある。 【0119】これは、読取解像度を12dot/mmとすると、±600画素範囲の読取りが必要となり、12×12画素の窓で相関演算を行うとして、1212×1212画素の大きなサイズのイメージセンサが必要となる上、相関演算に必要な乗算回数も、12×12×1200×1200×30=毎秒約60億回に達する。これは、100MHzの演算速度で計算しても6000個の並列演算が必要な膨大な計算量に相当する。 【0120】しかし、取込み周期を毎秒1500回まで増加させると、±1mm分の移動範囲のみデータ採取をすればいいので、読取解像度12dot/mmで、±12画素の範囲でよく、12×12画素の窓(1mm角)で相関演算するとして、36×36画素(窓±1mm分)の画像取込をすればよい。また、相関演算に必要な乗算回数も、12×12×24×24×1500=毎秒約120万回で済み、現実的な数字となる。 【0121】次に、上記の相関演算を行うための画像処理ASICについて説明する。 【0122】図11は、第1の実施形態に用いられる画像処理ASICのブロック図である。 【0123】この画像処理用のASIC60(図7参照)は、コード情報読取用の2次元イメージセンサ15からの出力データと移動量検知用イメージセンサ28からの出力データの入力切換スイッチ61、予め用意してある画素感度ばらつきと照明むらを補正するための第1および第2のシェーディングメモリ63,64を用いてシェーディング補正回路62によりシェーディング補正を行う。この際、センサの切換えに応じて、シェーディングメモリとしてどちらを使うかをスイッチ65により切り換える。コード情報読取モードの場合は、シェーディング補正済みの画像データをCPU51に出力し、移動量検知モードの場合は、シェーディング補正後のデータを相関演算計算部68に送る。 【0124】この相関演算計算部68には、画像メモリ67に記憶された1フレーム前の画像データ(12×12画素分)も入力され、両者の相関演算処理により移動量を求める。求められた移動量は、CPU51に出力される。また、スクロール検知を行うために、2次元イメージセンサ15の画素データのうちスクロール検知エリアの画素データのみを画素サンプルメモリ69に取り込む。 【0125】サンプリングする画素数は、10画素(主走査方向)×1画素(副走査方向)であり、この範囲を加算処理部70で加算する。この領域を、副走査方向に12画素とびに10エリア取得する。これは、センシング面換算で5mmの領域に相当する。この10エリア分の情報をCPU51に送付し、5エリアずつの2つのエリア毎に加算、2値化して、前述のフローによりスクロール情報を得る。 【0126】こうして、2次元イメージセンサ15を、画像読取窓12から画像情報を読み取る場合と、スクロール窓11から指の動作によるスクロール情報を得る場合とに兼用するように構成したことにより、照明用のLEDなど、わずかな部品を追加するのみで、マウスにスクロール検知機能を持たせることが可能となり、通常のマウスの位置指示機能を損なうことなしに、また、装置サイズを大型化させることなしに、コード情報の読取りにも耐えられる高精度な原稿情報読取機能をマウス筐体内部に搭載することができる。 【0127】次に、本発明の第2の実施形態について説明する。 【0128】図1に示した第1の実施形態では、コード情報読取用および移動量検知用としてそれぞれ光学系とイメージセンサとを設けていたが、第2の実施形態では以下に示す施策により、1つのイメージセンサで、スクロール情報検知用を含めた3つの機能を持たせることを可能とし、光学系も1つにまとめた構成としている。 【0129】図12は、第2の実施形態のマウスの概略構成図である。 【0130】図12に示すように、この第2の実施形態のマウス100は、第1の実施形態のマウス1同様、位置指示装置としての機能、スクロール情報を得る機能、コード情報などの画像情報を読み取る機能をすべて組み込んだマウスであり、面20上に載置され、手で把握されての位置の移動操作と指でのクリック操作とにより、表示画面と対応付けられた操作情報を出力するものである。 【0131】位置指示装置としての機能に関しては、このマウス100が載置された面20に向き合う下面110bに設けられた、移動量検知窓を兼ねた画像読取窓112と、画像読取窓112が原稿上の所望領域にあてがわれるようにこのマウス100を置いたときの画像読取窓112の内側から原稿21上の直径4mm程度の所望領域を照射する移動量検知用の照明光源である強指向性LED126と、所望領域から反射された光を検知するイメージセンサを兼ねたCMOSイメージセンサ115と、所望領域から反射された光をCMOSイメージセンサ115上に結像させる結像レンズ122と、筐体110の上部110aに設けられた、操作者の指で押下されたときにクリック情報を出力する左右2つのマウスボタン102,103とが備えられている。 【0132】このように、第2の実施形態のマウス100の構成は第1の実施形態のマウス1と類似しているが、第1の実施形態のマウス1との相違点は、移動量検知用の光学系を省略したことと、移動量検知用の強指向性LEDの位置を、画像読取窓112のうちの所定の領域を照明する位置に変えたことと、移動量検知用のイメージセンサを省略して画像情報読取用およびスクロール検知用のCMOSイメージセンサ115に、移動量検知用の機能をも担わせたことである。 【0133】そして、この第2の実施形態のマウス100では、画像読取窓112の部分を2つの原稿照明用の赤色のLEDランプ114と移動量検知用の照明光源である強指向性LED126とで照明し、その情報をダイクロミラー119を介して、結像レンズ122によりCMOSイメージセンサ115に結像させている。 【0134】また、スクロール窓111は、第1の実施形態におけるスクロール窓11と同様、G色の強指向性LED113で照明し、照明された範囲の結像光束は、ダイクロミラー119を透過し結像レンズ122によりCMOSイメージセンサ115に結像する。 【0135】コード情報読取モードでは、原稿照明用のLEDランプ114のみを点灯し、移動量検知モードでは、移動量検知用の強指向性LED126とスクロール検知用の強指向性LED113とを点灯する。ここで、原稿照明用のLEDランプ114は、21mm×28mmサイズのエリア全体を照明し、移動量検知用の強指向性LED126は、直径4mm程度の小領域を照明する。CMOSイメージセンサは、第1の実施形態に用いられているCCDアレイからなる2次元イメージセンサ15(図1参照)とは異なり、マトリックス状に配列された画素をXY座標でアドレシングすることによりランダムに読み出すことができるので、画像読取範囲のうちの限られた範囲のみを、高いフレームレートで読み出すことが可能である。 【0136】図13は、第2の実施形態におけるCMOSイメージセンサの画像読取範囲を示す図である。 【0137】図13に示すように、CMOSイメージセンサの画像読取範囲140のうちの一部分に、移動量検知領域141およびスクロールセンシング領域142が設定されている。移動量検知領域141を画像読取範囲140の端部に設けているのは、強指向性LED126で移動量検知領域141を照明するに際して、読取窓の端部を照明する方が照明しやすいためである。また、画像読取範囲140の隅に位置しているのは、光量の強い移動量検知用の強指向性LED126の光が、スクロールセンシング領域142に漏れ込まないよう、図14に示すように、斜め方向に照明するためである。 【0138】図14は、第2の実施形態における移動量検知用の強指向性LEDの照明方向を示す図である。 【0139】図14に示すように、移動量検知用の強指向性LED126は、CMOSイメージセンサの画像読取範囲140のうちの隅の部分に設定された移動量検知領域141に向けて斜め方向から照明している。 【0140】一方、スクロールセンシング領域142は、図13に示すように、画像読取範囲140中の下部中央に設けられている。 【0141】図15は、第2の実施形態のマウスのブロック図である。 【0142】マウス筐体の上部に設けられたマウスボタン102,103が操作者の指で押下されると、それに応じたクリック情報がCPU151に入力される。このクリック情報は、右ボタンクリックまたは左ボタンクリックなどの信号として、USBドライバ152、USBケーブル159を介して本体コンピュータ90に送られる。本体コンピュータ90のアプリケーション側で、このマウスクリック信号とその時に選択されている動作モードに基づき、コード情報読取指令をマウス側に送り返す。 【0143】動作モードがコード情報読取モードに設定されている場合は、マウス側では、コード情報読取指令をトリガーとして、コード情報読取用LED114を点灯するとともに、CMOSイメージセンサ115に、垂直同期信号、水平同期信号などの信号を送る。 【0144】CMOSイメージセンサ115は、その垂直同期信号、水平同期信号などの信号を使ってセンサの各素子を駆動させ、その出力を内蔵のアンプおよびA/Dコンバータによりデジタル信号として画像処理ASIC153に出力する。画像処理ASIC153の処理結果は、CPU151内のメモリにバッファリングされた後、USBドライバ152、USBケーブル159を介して、コンピュータ本体90に送出された後、マウスは移動量検知モードに戻る。 【0145】一方、マウスがコード情報読取モードに入っていない場合は、CMOSイメージセンサ115内部のタイミングジェネレータのモードを変更し、移動量検知用の限定された画素を読み出すとともに、画像処理ASIC153内で、第1の実施形態と同様の処理を行って移動量を検知し、その結果をCPU151に送出する。また、移動量検知モードに入った場合は、スクロール窓照明用のLED113も点灯される。 【0146】このように、1つのCMOSイメージセンサを、標準的な画像読取仕様で使用するコード情報読取モードと、限定された領域の画素のみを高速に読み出す移動量検知モードとの双方の動作モードとで切り換えて使用するようにマウスを構成したことにより、1つのイメージセンサに画像読取、移動量検知、スクロール量検知の3つの機能を兼用させることが可能となるとともに、第1の実施形態では必要であった移動量検知窓25(図1参照)を、画像読取窓112と兼用させることができ、装置コストおよび装置小型化の両面で大きいメリットを得ることができる。 【0147】また、CMOSイメージセンサのタイミングジェネレータ部分はデジタル構成になっており、アナログ部分であるイメージセンサ撮像部分に手を加えることなしにセミカスタムで仕様を変更しやすくすることができる。 【0148】次に、本発明の第3の実施形態について説明する。 【0149】第1および第2の実施形態では、モノクロのコード情報を読み取るマウスの例について説明したが、カラーのコード情報を読み取るように構成することも可能である。この場合の構成は、第1および第2の実施形態では単色であったコード情報読取用LEDを、赤、緑、および青の3色分設け、画像フレーム毎に切り換えて使用する。その際のタイミングチャートを次に示す。 【0150】図16は、第3の実施形態におけるカラーコード情報読取の際のタイミングチャートである。 【0151】ここでは、カラーコード情報読取用のセンサとしてCMOSイメージセンサを使用している。CMOSイメージセンサの場合、水平行単位で読み出しを行う関係で、露光期間位相が各行で異なる。そのため、読出しの最初の行と最後の行とで、露光期間がほとんど1フレーム分異なってしまうので、図16に示すように、赤、緑、および青の各色毎に点灯期間を2フレーム分設けて、2フレーム目に対応する点灯期間のR(赤),G(緑),G(青)の各出力をそれぞれの読取イメージとしてCMOSイメージセンサで読み出すようにしている。 【0152】図17は、第3の実施形態のマウスの概略構成図である。 【0153】図17に示すように、この第3の実施形態のマウス200は、第1および第2の実施形態のマウス同様、位置指示装置としての機能、スクロール情報を得る機能、さらにそのスクロール情報に基づいて画像情報を読み取る機能をすべて組み込んだマウスであるが、カラーコード情報を読み取ることのできるように構成した点が異なっている。 【0154】以下に、第2の実施形態のマウス(図12参照)との相違点について説明する。 【0155】この第3の実施形態のマウス200では、コード情報読取用LED214を、R(赤),G(緑),G(青)の3色分設け順次切り換えながら点灯するように構成している。 【0156】また、第3の実施形態では、第1および第2の実施形態におけるダイクロミラー119の代わりに、ハーフミラー219を光路合成手段として使用しており、それに対応してスクロール窓照明用のLED213には赤のLEDを使用している。 【0157】以上のように構成したことにより、フルカラー画像情報を読み取る関係上ダイクロミラーを使えない場合においても、ハーフミラーを用いることによって光路合成を行うことができ、位置指示装置としての機能、スクロール情報を得る機能、さらにそのスクロール情報に基づいて画像情報を読み取る機能をすべて組み込んだマウスを実現することができる。 【0158】次に、本発明の第4の実施形態について説明する。 【0159】第2の実施形態のマウスでは、1つのCMOSイメージセンサチップ内の1つの撮像エリアを画像読取、スクロール検知、移動量情報検知の3つの用途に兼用しているが、このようにする代わりに、1つのチップ内に複数の撮像エリアを形成しそれぞれ別の用途に用いることが可能である。この場合には、複数の撮像エリアでそれぞれ別の用途に適した画素密度に設定することができるという利点がある。 【0160】図18は、第4の実施形態に用いられるイメージセンサの画素構成を示す図である。 【0161】図18に示すように、例えば、画像読取範囲240は、原稿面換算で24dot/mmとし、移動量検知領域241およびスクロールセンシング領域242は原稿面換算で12dot/mmなどとしてもよい。 【0162】イメージセンサの画素から読み出した後の処理は、第1の実施形態と同様である。また、このような特殊な構成のセンサを作製するには、カスタム化が比較的容易なCMOSタイプのイメージセンサの方が有利である。 【0163】図19は、第4の実施形態のマウスの概略構成図である。 【0164】この第4の実施形態のマウス300は、第2の実施形態のマウス100同様、位置指示装置としての機能、スクロール情報を得る機能、および画像情報を読み取る機能をすべて組み込んだマウスであり、面20上に載置され、手で把握されての位置の移動操作と指でのクリック操作とにより、表示画面と対応付けられた操作情報を出力するものである。 【0165】この第4の実施形態のマウス300の第2の実施形態のマウス100との相違点は、移動量検知窓325を画像読取窓312に隣接した位置に設け、移動量検知窓325の部分を強指向性LED326で照明し、移動量検知窓325と画像読取窓312に共通の結像レンズ319により共通のCMOSイメージセンサ315に結像させている点である。 【0166】この構成では、原稿面の被読取エリアが若干大きくなる欠点はあるものの、センサ自体は、従来からあるチップをそのまま同じチップ上に焼き付ければよく、また、駆動条件が単純となる点で第2の実施形態に比べて有利である。 【0167】なお、上記の各実施形態の説明においては、スクロール窓の上にあてがった指を画面の上下方向にスクロールさせる場合について説明したが、本発明のマウスでは、左右方向のスクロール情報を得るように構成することもできる。 【0168】例えば、図6のフローにあるセンシング領域中の2つの領域を上下に分割するだけでなく左右にも分割すれば、スクロール窓11(図1参照)にあてがわれた指の、縦方向および横方向双方の動きを検出することにより縦方向のスクロール情報と横方向のスクロール情報との双方を得ることができる。このようにすることにより、大きな画像のうちの一部分を選択して見る場合や、デジタル地図情報のうちの表示部分を変えていく場合には、こうした上下左右のスクロールができることは有効である。 【0169】また、指位置の検知について、上記の各実施形態では、スクロール窓上の指の有無による明暗境界を検知してスクロール情報を得ているが、イメージセンサを使用するという範囲では、上記方法に限らず、例えば、スクロール窓にあてがわれた指のテクスチュア、すなわち指紋情報をとらえ、そのテクスチュアの動きによりスクロール情報を得るようにしてもよい。 【0170】次に、本発明の第5の実施形態について説明する。 【0171】従来のマウスにおけるスクロール方式では、スクロールホイール自体を指で押下してクリックすることを、機能ボタンの1つに割り付けているものがあるが、本発明のマウスにおいても、情報取得部が、スクロール窓にあてがわれた指の、所定時間、例えば数秒間を越える静止を検出することにより、上記の機能ボタンの役割に割り付けるように構成することができる。 【0172】図20は、第5の実施形態における本発明のマウスにスクロールホイールクリック機能を付加したフローチャートである。 【0173】図20に示すように、このフローチャートの前半部分は、図6に示したフローチャートの前半部分と同様であり、ステップS07以降の部分のみが相違しているので、その相違部分について以下に説明する。 【0174】ステップS07における「変化」と連続回数による判定の結果に応じて次の5つのステップに分岐する。すなわち、「変化」=CのときはステップS09_1に進み履歴を0にする。 【0175】また、「変化」=DのときはステップS09_2に進み連続回数を+1にする。 【0176】また、「変化」≠DのときはステップS09_3に進み連続回数を0にする。 【0177】また、連続回数>30で、かつ状態が■の場合はステップS09_4に進み履歴を0にする。 【0178】また、連続回数>30で、かつ状態が■でない場合はステップS09_5に進みクリック判定を行うとともに、履歴を0にする。 【0179】このようにすることにより、スクロールホイールの設けられていないマウスにクリック機能を付加することができる。 【0180】 【発明の効果】以上、説明したように、本発明のマウスによれば、指の先端部分があてがわれる位置に設けられた読取窓と、読取窓の内側から読取窓にあてがわれた指を照明する照明光源と、読取窓にあてがわれた指からの反射光を受光する光センサと、光センサで得られた受光信号に基づき指の動きを検出することによりスクロール情報を得る情報取得部とを備えたことにより、スクロール機能を備えた小型のマウスを実現することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005496 【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年10月27日(2000.10.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094330 【弁理士】 【氏名又は名称】山田 正紀 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−132444(P2002−132444A) |
| 【公開日】 |
平成14年5月10日(2002.5.10) |
| 【出願番号】 |
特願2000−327953(P2000−327953) |
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